JP2001323582A - 建物の外壁構造及び外壁構築方法 - Google Patents

建物の外壁構造及び外壁構築方法

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JP2001323582A
JP2001323582A JP2000146092A JP2000146092A JP2001323582A JP 2001323582 A JP2001323582 A JP 2001323582A JP 2000146092 A JP2000146092 A JP 2000146092A JP 2000146092 A JP2000146092 A JP 2000146092A JP 2001323582 A JP2001323582 A JP 2001323582A
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Toyohisa Tanabe
豊寿 田辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型枠コンクリートブロック造において、コン
クリートを熱容量として取り込むことで、温度変化の少
ない室内側環境を得るとともに、漏水、結露、ほてりを
防止する。 【解決手段】 建物の外壁において、内側よりコンクリ
ートが充填された型枠コンクリートブロック、防水シー
ト、断熱材、表装材が貼重されたことを特徴とする建物
の外壁構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、気密性と断熱性に
優れた建物の外壁構造及び外壁構築方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】建物の外壁を型枠コンクリートブロック
(以下、ブロック)で構成する(勿論、その空隙には鉄
筋を縦横に張りめぐらすとともに、コンクリートを充填
して強度的に遜色がないものにする)、型枠コンクリー
トブロック造(以下、ブロック造)と呼ばれる工法があ
るが、従来、居宅にはあまり採用されていなかった。
【0003】その理由の一つが防水性の問題であった。
即ち、ブロックは、その製造において、やや湿らせた程
度の(所謂、ゼロスランプ)セメントと砂を圧力と振動
を加えて成型するものであるため、組織の稠密度に劣り
(10%強の吸水率を有している)、雨水等が外側のフ
ェースシェルに掛かると、たとえ、空隙にコンクリート
を充填していても、ウェブシェルを伝わって内側のフェ
ースシェルまで浸透するからであった。
【0004】又、ブロックを組積したものは、間に目地
を有しており、作業時の天候や熟練度によっては、所
謂、目地痩せによって空隙が生じてここから水気が浸入
することもあったからである。このように、水気が内壁
まで浸入すると、見た目が悪い上に、室内の湿度が高く
なって居住性が悪くなるが、そればかりでなく、健康に
害を及ぼすおそれのあるカビが発生したり、クロスやそ
の下地材といった壁材等が剥がれたりすることがある。
【0005】尚、外壁をすべてコンクリートで構築する
コンクリート造にすれば、このような水気の浸入はない
が(厳密に言えば、水気はコンクリート素地を浸透す
る)、コンクリート造にするには、足場を作って大量の
型枠を組まなければならないから、工事が大掛かりにな
る上に、多くのスペースを必要とする。この点、ブロッ
ク造は、組積によって自立性を有するとともに、自身が
捨て型枠となるから、工事が簡便で、省スペース、短期
間にできる利点がある。加えて、型枠材を必要としない
のであるから、熱帯雨林を伐採しなくて済み、環境負荷
の軽減にも貢献することになる。
【0006】更に、ブロック造の欠陥として、熱容量が
高いが故に夏場の強い日差しによる躯体のほてり、及び
冬場の外気の冷却による結露の問題がある。これらの問
題は基本的にはコンクリート造でも同じであるが、ほて
りが生ずると、居住性を害するし、冷房にも高エネルギ
ーを消費する。このため、内壁に断熱材を貼設したり、
発泡ウレタンを吹き付けて断熱機能を持たせたりしてい
るが、室内側であることから、面積を狭めたり、美観を
害す等の理由によって十分な効果を持つものを施工する
ことができない。又、結露が生ずると、前記した水気の
浸入と同じことが発生する。
【0007】一方、ブロック造には長所もある。その一
つは、外壁をブロックとコンクリートとで構成すること
から、木造や鉄骨造に比べてはるかに高気密、高断熱が
図れることである。又、ブロックの表面には種々のテク
スチャーを施せるため、このテクスチャーをメンテナン
スフリーで表示できることも長所である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ブロックの
表面に防水シートと断熱材を貼着する(断熱材をそのま
ま露出しておく訳には行かないから、その表面には当然
に表装材を貼着することになる)ことで、その表面自体
のテクスチャーは犠牲にするものの、前記した三大欠陥
である水気の浸入、結露、ほてりを防止し、より高い居
住性と省エネを可能にできる建物の外壁構造を提供した
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題の下、本発明
は、建物の外壁において、内側よりコンクリートが充填
されたブロック、防水シート、断熱材、表装材が貼重さ
れたことを特徴とする建物の外壁構造を提供する。ブロ
ックの表面には防水シートが貼着されるから、表装材や
断熱材を通って侵入して来た雨水等はこれに遮られてブ
ロック本体まで到達しない。加えて、断熱材は熱容量の
大きなブロックの外側に貼られるから、即ち、ブロック
を熱容量として取り込むことになってブロックの温度変
化が少なく、結露、ほてりといった現象も改善する。
【0010】又、本発明は、以上において、締着釘を表
装材の表面から断熱材及び防水シートを通してブロック
に打ち込み、ブロックに防水シート、断熱材及び表装材
を貼着した手段を提供する。締着釘によれば、工事が簡
単で早い。加えて、断熱材と表装材とが工場出荷前に予
貼りされていると、作業がより簡単になる。
【0011】更に、本発明は、コンクリートが充填され
たブロックの表面に防水シートを張り、その表面に断熱
材と表装材を貼重することで、ブロックを熱容量として
取り込んだことを特徴とする建物の外壁構築方法を提供
する。上記したブロックの三大欠陥を改善し、その長所
を生かす外壁の構築方法となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図3は本発明で使用するブロック
の斜視図であるが、ブロック1は、一般に、直方体状の
前後のフェースシェル2、3をウェブシェル4で繋いだ
形状をしているが、ここで使用するものはどのような形
状のものであってもよい。又、その寸法も種々のものが
あり、特に限定はされないが、外壁構築用としては、4
00×200×200mm程度が一般的である。
【0013】図1はこのブロック1を縦横に積んで建物
等の壁を構成した平面断面図、図2は側面断面図である
が、このように組積したものの中の空隙に縦筋5や横筋
6を通してコンクリート7を打って充填する(8は目
地)。次に、まず、ブロック1の表面に防水シート9を
巻装する。この巻装は、長尺の防水シートを9を用い
て、所謂、周囲を上から下(或いは下から上)にぐるぐ
る巻きにして行けばよい。このとき、上下の端は少なく
とも100mm以上は重合させて防水性を確保する。
尚、外壁には窓や戸といった開口部もあるが、開口部も
そのままにして巻装し、そのあと、開口部を切り開くよ
うにすれば作業が早い(最初から切り開いたものを使用
してもよい)。但し、開口部の縁は端が揃い難いから、
ここにはブチルゴム等を用いて十分なシールを図る。
【0014】次いで、防水シート9の表面側に断熱材1
0と表装材11を順次貼重する。これらの貼重は、それ
ぞれを接着剤等で貼着して行ってもよいが、断熱材10
と表装材11を貼って仮止めし、表装材11の上から締
着釘12等を適当間隔に打ち込んで止め付ければよい。
尚、断熱材10と表装材11とを予貼りしてあるものを
使用すれば、この作業は更に容易になる。
【0015】このとき用いる締着釘12には、本針12
aが鞘12bに収納されており、鞘12bごと被締着物
に打ち込んだ後に(下穴は必要)本針12aを更に打ち
込むことで、鞘12bの先端が膨らんで全体の抜けが防
止できる、日本ヒルタィ株式会社製のHILTIファス
ナー(商品名)を使用すれば、作業が簡単である上に締
着が強固になる。この場合、本針12aをハンマー等で
打ち込むと、その頭部は鞘12bの後端に設けられる鍔
12cの中に埋入されるとともに、鍔12cは表装材1
1に対して圧着する。尚、ハンマーに代えて爆薬式の打
ち込み具による場合もある。一方、鍔12cが表装材1
1の表面から突出していると好ましくないときには、表
装材11に座繰り穴を形成して埋め込めばよい。勿論、
この他の締着釘によるものであってもよい。
【0016】ところで、以上において使用する防水シー
ト9は、厚みが0.1mm以上のポリエチレンのフィル
ムが適する。これには、JISA6930で定められる
気密防水シートと、同じくJISA6111で定められ
る透湿防水シートとがあるが、そのいずれであってもよ
い。
【0017】又、断熱材10としては、発泡ポリスチレ
ン等の発泡プラスチックが適し、その厚みは25〜50
mm程度のものを使用する。尚、断熱材10の中には、
一定間隔で硬質のものを帯状に設けたスタッドボードと
称されるものがあるが、これを使用すれば、その硬質帯
に締着釘12を通すことで、断熱材10のブロック1へ
の取付け及び表装材11の断熱材10への取付けがそれ
ぞれ独立してできる。加えて、この硬質帯が表面から突
出したものを使用すれば、表装材11との間に空間がで
きるから、防水シート9に前記した透湿性のものを使用
することで、室内側の湿気をこの空間に逃がすことが可
能になる。
【0018】一方、表装材11には、珪酸カルシウム板
等、一般に使用されている外壁材を使用すればよい。こ
の他、表装材11の表面に表装効果を高めるテクスチャ
ーとしてタイル等(図示省略)を貼る場合も考えられ
る。尚、ブロック1の内面側には通常の内装工事をする
のは言うまでもない。
【0019】以上によって建物の外壁を構築すると、ブ
ロック1の表面は防水シート9で覆われているから、た
とえ、表装材11や断熱材10を通して雨水等が浸入し
て来ても、防水シート9で遮断されてブロック1まで到
達しない。尚、前記した締着釘12による場合、締着釘
12はこれらと防水シート9を貫通しているが、本発明
者等がテストした結果、水はこの貫通部を通っては浸入
しないことが確認されている。これは、打ち込みに伴っ
て前記した鍔12cが表装材11に圧着されることで、
この部分をシールするからだと推察される。
【0020】又、断熱材10は、ブロック1の表面側に
設けられるから、恒温化を図る対象は、ブロック1とコ
ンクリート7とが含まれることになる。これらブロック
1(コンクリート7も)は相当な厚みを有する蓄熱体で
あることから、その熱容量は非常に大きい。このため、
外気側の温度が変動したとしても、室内側の温度変化は
抑制される。従って、室内側の恒温化が図られ、質の高
い温熱環境を得られるし、このとき要する空調コスト等
も低くて足りる。
【0021】図4は以上の外壁構造による建物の温度変
化を経日的に調べたものである。この場合、床内に40
℃の温水を流す床暖房を設備しているが、これにおい
て、床暖房をオンにしてから4日後にオフにし、以後、
室温、床温(南と北)の低下を外気温と共に計測したも
のである。これから明らかなように、床暖房をオフにし
た後も、室温の温度低下は緩やかであり、6日経過後も
せいぜい5℃程度しか低下しておらず、平均室温より
7、8℃高く保たれているし、一日の温度変化も少な
い。勿論、ダイレクトゲインと呼ばれる日差しによる吸
熱も影響しているが、これは、コンクリート7を含むブ
ロック1を熱容量として取り込んだためであり、このよ
うな外壁構造によらなければ、室温(床温も)は急速に
低下し、外気温に近い温度で推移する筈であることから
も頷ける。
【0022】
【発明の効果】以上、本発明は、前記したものであるか
ら、即ち、ブロックの表面には防水シートが貼着される
から、表装材や断熱材を通って浸入して来た雨水等はこ
れに遮られてブロックまで到達しない。加えて、断熱材
はブロックの外側に貼られるから、ブロックを熱容量と
して取り込むことになり、結露やほてりを防止するとと
もに、室内の恒温化を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示すブロックの斜視図である。
【図2】本発明の一例を示すブロックで外壁を構築した
平面断面図である。
【図3】本発明の一例を示すブロックで外壁を構築した
側面断面図である。
【図4】本発明の一例を示すブロックで外壁を構築した
室内の温度特性である。
【符号の説明】
1 ブロック 9 防水シート 10 断熱材 11 表装材 12 締着釘
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 2/86 611 E04B 2/86 611W

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の外壁において、内側よりコンクリ
    ートが充填された型枠コンクリートブロック、防水シー
    ト、断熱材、表装材が貼重されたことを特徴とする建物
    の外壁構造。
  2. 【請求項2】 締着釘を表装材の表面から断熱材及び防
    水シートを通してコンクリートブロックに打ち込んで貼
    重する請求項1の建物の外壁構造。
  3. 【請求項3】 断熱材と表装材が予貼りしてある請求項
    1又は2の建物の外壁構造。
  4. 【請求項4】 コンクリートが充填された型枠コンクリ
    ートブロックの表面に防水シートを貼り、その表面に断
    熱材を貼重することで、型枠コンクリートブロックを熱
    容量として取り込んだことを特徴とする建物の外壁構築
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009091733A (ja) * 2007-10-04 2009-04-30 Jun Naganuma コンクリートブロック構築体
JP2009249865A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Toda Constr Co Ltd 耐震補強用コンクリートブロックとそれによる耐震補強工法

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