JP2004263450A - 外壁面体及びその構築方法 - Google Patents
外壁面体及びその構築方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004263450A JP2004263450A JP2003055339A JP2003055339A JP2004263450A JP 2004263450 A JP2004263450 A JP 2004263450A JP 2003055339 A JP2003055339 A JP 2003055339A JP 2003055339 A JP2003055339 A JP 2003055339A JP 2004263450 A JP2004263450 A JP 2004263450A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wall body
- wall
- outside
- heat insulating
- mortar
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
- Finishing Walls (AREA)
Abstract
【課題】外壁面体の取付作業の簡素化と固着の確実性を図った外壁面体とその構築方法を提供する。
【解決手段】外壁面体100は、断熱材5と、この断熱材5の外側に埋設した複数の凹球面座3と、この断熱材5の外側に接着されたメッシュ体7及びモルタル材9と、このモルタル材の凹球面座3に通ずる位置に開けた小孔S1と、からなり、この外側に表面塗料材10を塗着することで仕上げられる。これにより、外壁面体100の製作の簡素化と品質の均一化が図れる。更に、上記外壁面体100の壁体への取り付けに際しても、施工が容易となり工期の短縮が図れ、施工全体のコストダウンが図れる。
【選択図】 図2
【解決手段】外壁面体100は、断熱材5と、この断熱材5の外側に埋設した複数の凹球面座3と、この断熱材5の外側に接着されたメッシュ体7及びモルタル材9と、このモルタル材の凹球面座3に通ずる位置に開けた小孔S1と、からなり、この外側に表面塗料材10を塗着することで仕上げられる。これにより、外壁面体100の製作の簡素化と品質の均一化が図れる。更に、上記外壁面体100の壁体への取り付けに際しても、施工が容易となり工期の短縮が図れ、施工全体のコストダウンが図れる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造住宅や小規模事業所等の木質建物の外壁に装備される外壁面体とその構築方法に係り、特に、外壁面体の新規な構造により壁体への固着の確実性と構築作業の簡素化を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、木造住宅や小規模事業所等の木質外壁面には、断熱性と防水性と耐火性に優れた外壁パネルが接着施工される。その代表的な第一の施工法は、外壁面の下地となるボード板に対して、発泡プラスチック製の断熱材・成形ボードを建物の壁体となる下張板の外側からネジ釘を打ち付けて固着させる。そして、この断熱材の表面に粗布とモルタルの表面材を現場で塗着施工して防水性を維持させている。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開2002−146938号公報の段落〔0005〕及び図10
【0004】
しかし、上記発泡パネルの施工法によると、断熱材は壁体に釘打された後に、その外側面にメッシュとモルタルの表面材を現場で塗着施工して防水性を維持させる施工法である。このため、断熱材の取り付け作業とメッシュとモルタルの表面材の塗着作業に手間がかかり、施工費用の増大を招くという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、工場内で外壁面体の表面側にメッシュとモルタルを施工し、この外壁面体を工事現場でネジ部材による簡潔な取り付けでコストダウンを図った外壁面体及びその構築方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明の請求項1記載の外壁面体は、建物の壁体に取り付けられる発泡プラスチック製の断熱材と、この断熱材の外側に埋設した複数の凹球面座と、この断熱材の外側に接着されたメッシュ体及びモルタル材と、このモルタル材の凹球面座に通ずる位置に開けた小孔と、を具備したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の外壁面体は、建物の壁体に取り付けられる発泡プラスチック製の断熱材と、この断熱材の外側に埋設した複数の凹球面座と、この断熱材の外側に接着されたメッシュ体及びモルタル材と、この外側に塗着される表面塗料材と、このメッシュ体及びモルタル材と表面塗料材の凹球面座に通ずる位置に開けた小孔と、を具備したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の外壁面体は、請求項1記載の外壁面体において、上記断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材は、その端縁を、断熱材の周縁からこの内側まで延在されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の外壁面体は、請求項2記載の外壁面体において、上記断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材と、上記メッシュ体及びモルタル材に外側から塗着される表面塗料材は、その端縁を、断熱材の周縁からこの内側まで延在されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の外壁面体の構築方法は、上記請求項1記載の外壁面体を、壁体の所定の取り付け箇所に外側から保持し、上記外壁面体に埋設する凹球面座を貫通させた木ネジにより壁体に固着させ、上記外壁面体の取り付け後に表面塗料材を塗着させることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の外壁面体の構築方法は、上記請求項2記載の外壁面体を、壁体の所定の取り付け箇所に外側から保持し、上記外壁面体に埋設する凹球面座を貫通させた木ネジにより壁体に固着させ、上記外壁面体の取り付け後に木ネジを挿入した表面塗料材の小孔を充填材により補修させることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
請求項1によると、外壁面体は工場内で一貫して製作されて完成される。これにより、外壁面体の製作の簡素化と品質の均一化が図れる。更に、上記外壁面体の壁体への取り付けに際しても、施工が容易となり工期の短縮が図れ、施工全体のコストダウンが図れる。
【0013】
請求項2によると、外壁面体は工場内で一貫して製作されて完成される。これにより、外壁面体の製作の簡素化と品質の均一化が図れる。更に、上記外壁面体の壁体への取り付けに際しても、表面塗料材の施工がなくせて著しく工期の短縮が図れ、施工全体の大幅なコストダウンが図れる。
【0014】
請求項3によると、外壁面体は、断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材は、その端縁を断熱材の周縁からこの内側まで延在されているから、断熱材内への雨水等の湿気の侵入が無く、耐水性に優れたものとなる。
【0015】
請求項4によると、外壁面体は、断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材と、上記メッシュ体及びモルタル材に外側から塗着される表面塗料材は、その端縁を断熱材の周縁からこの内側まで延在されているから、断熱材内への雨水等の湿気の侵入が無く、耐水性に優れたものとなる。
【0016】
請求項5の外壁面体の構築方法によると、外壁面体を、壁体の所定の取り付け箇所に外側から保持し、上記外壁面体に埋設する凹球面座を貫通させた木ネジにより壁体に固着させ、上記外壁面体の取り付け後に表面塗料材を塗着させるから、外壁面体の施工工事の簡素化と確実な固着ができる。特に、工場内でメッシュ体及びモルタル材が外壁面体に施工されるから、現場での上記作業が省略できて、工期を短縮でき、施工工事が外部の気温・湿度等の気象条件等に影響されず、短時間に実施されて工事費のコストダウンが図れる。
【0017】
更に、断熱材の発泡スチロールとメッシュ体とモルタル材と表面塗料材からなる外壁層の積層構成であるから、耐水性及び綺麗な外観が得られる。
【0018】
請求項6の外壁面体の構築方法によると、外壁面体を、壁体の所定の取り付け箇所に外側から保持し、上記外壁面体に埋設する凹球面座を貫通させた締結手段の木ネジにより壁体に固着させ、上記外壁面体の取り付け後に木ネジを挿入した表面塗料材の小孔を充填材により補修させるから、外壁面体の施工工事の簡素化と確実な固着ができる。特に、工場内で表面塗料材までが塗着されるから、現場での表面塗料材の塗着作業が省略できて、工期を著しく短縮でき、施工工事が外部の気温・湿度等の気象条件等に影響されず、短時間に実施されて工事費のコストダウンが図れる。
【0019】
更に、断熱材の発泡スチロールとメッシュ体とモルタル材と表面塗料材からなる外壁層の積層構成であるから、耐水性及び綺麗な外観が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図15を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は外壁面体100の斜視図、図2は外壁面体100を拡大して示す斜視図、図3は外壁面体100の断面図を示す。図4〜図11は、外壁面体100を建物の壁体に構築する方法を示している。
【0021】
本発明の外壁面体100は、木造住宅や小規模事業所の建物等の木質壁体1に対しその外側に被覆されるものである。先ず、上記外壁面体100は、図1〜図3に示すように、発泡プラスチック製の断熱材5と、この断熱材5の外側の複数箇所に埋設した凹球面座3と、上記断熱材5の外側に接着されたメッシュ体7及びこれに絡めたモルタル材9とからなり、これらは予め工場内で製造される。上記各凹球面座3と対面するメッシュ体7の所定箇所には、モルタル材9が塗布されない小孔S1が形成されている。そして、図5に示すように、上記外壁面体100は、木ネジMを断熱材5の凹球面座3の中心先端に明けた小孔3Dを通して壁体1にネジ込まれて固着されるものである。そして、この断熱材5に接着させたメッシュ体7及びモルタル材9の外側に、図6に示すように、工事現場にて表面塗料材10が塗着されて外断熱壁面20が形成される。
【0022】
続いて、上記外壁面体100の製造方法とその構成を説明する。まず、工場内において、基幹部となる発泡プラスチック製の断熱材5が規定の寸法に裁断される。この断熱材5の外側の複数箇所に凹球面座3が埋設される。上記凹球面座3は、例えば合成樹脂材で形成され、外周部3Aとラッパ状の湾曲部3Bと尖端となる突出部3Cと上記突出部3Cに明けた小孔3Dとからなる。その製造方法は、上記断熱材5の外側適所を加熱して熱収縮させた円錐窪み5Cを形成し、この円錐窪み5Cに凹球面座3が埋設される。そして、上記断熱材5の外側には、メッシュ体7及びこれに絡めたモルタル材9とが接着される。このとき、モルタル材9の凹球面座3に通ずる位置に小孔S1を開ける。この方法は、まず、ベースとなるモルタル材9を塗る際に、凹球面座3に通ずる位置に摘みの付いたシールを貼着しておき、ベースモルタル材9を塗着後に、シールを剥がす。次に、メッシュ体7を貼付け、更に凹球面座3に通ずる位置に摘みの付いたシールを貼着しておき、モルタル材9を塗着後に、シールを剥がす。これにより、モルタル材9の凹球面座3に通ずる位置に小孔S1を開けた状態で、メッシュ体7及びモルタル材9を塗着することができる。尚、この方法に代えて、後述するパイプPを使用した方法を採用することもできる。上記外壁面体100は、例えば、図1に示すように、高さ寸法が3000mm、横幅寸法が900〜1200mmの矩形形状に裁断されている。また、上記断熱材5の厚さ寸法は約10〜15mm、モルタル材9の厚さ寸法は約2〜3mm、表面塗料材10の厚さ寸法は約3〜4mmである。
【0023】
上記断熱材5の材質としては、発泡スチロール5Aが好適である。この発泡スチロール5Aは、難燃ボードでも良いし、防蟻処理した透湿ボードであっても良い。上記透湿ボードは、水は通さないが蒸気を通す性能を発揮する。上記発泡スチロール5Aの外側に接着されるメッシュ体7は、モルタル材9の中に混在してモルタルの強度を高めている。このメッシュ体7は、グラスファイバー等の素材により形成された網地であり、モルタル材9の粘着と脱落防止の機能を発揮させる。また、上記モルタル材9の外側に塗着される表面塗料材10は、手塗りの仕上げ材、ウレタン樹脂やシリコン樹脂等の塗料が使用される。更に、吹き付けの塗料であっても良い。
【0024】
上記断熱材5となる発泡スチロール5Aの外側に接着したメッシュ体7とモルタル材9と表面塗料材10とは、その外縁20Aを、図7に示すように、発泡スチロール5Aの周縁5Bから内側まで巻込んで延在させている。尚、図8に示すように、切断したままの端面形状としても良い。また、図示はしないが、隣接する発泡スチロール5A同士を順次接合して表面を被覆していく場合に、メッシュ体7を発泡スチロール5Aの周縁5Bから任意の方向(例えば2方向)にはみ出させて貼付け、また、モルタル材9を発泡スチロール5Aの周縁5Bよりも内側の部分に塗着させて隣接する発泡スチロール5Aの周縁5Bでメッシュ体7を重合させ、モルタル材9を塗着して一体の壁面を形成するようにしても良い。
【0025】
本発明の外壁面体100は、上記のように構成されたものであるから、工場内において、規定寸法に裁断された断熱材5と、この断熱材5の外側の複数箇所に埋設した凹球面座3と、上記断熱材5の外側に接着されたメッシュ体7及びモルタル材9とが一貫して製作される。これにより、外壁面体の製作の簡素化と品質の均一化が図れる。また、上記外壁面体の壁体への取り付けの容易性と工期の短縮が図れる。そして、上記外壁面体100は、壁体1に断熱材5の凹球面座3を介して木ネジMで取り付けられた状態で、メッシュ体7及びモルタル材9の外側に、工事現場にて表面塗料材10が塗着されて外断熱壁面20が形成される。
【0026】
本発明の外壁面体100は、上記のように構成されたものであり、続いて、工事現場での壁体1への構築方法を説明する。先ず、図4に示すように、建物の壁体1に対し、この外側から外壁面体100を被覆して固着する。その取付方法は、はじめに、図3に示す外壁面体100の裏面を壁体1に押し当てるべく、作業者の手により仮押さえする。この状態において、電動ドライバーDの駆動軸先端に木ネジMを取り付ける。即ち、図4,図5に示すように、この木ネジMをモルタル材9が塗布されていない小孔S1からメッシュ体7を突き破って貫通させるとともに、断熱材5の外側に埋設した凹球面座3の小孔3Dを通して壁体1にねじ込ませる。これにより、外壁面体100は、木ネジMにより壁体1に強力な締付力Fで締め付けられて確実に固着される。
【0027】
続いて、隣接する外壁面体100は、上記手順と同様に、壁体1に木ネジMをねじ込まれれることにより固着される。この時、メッシュ体7及びモルタル材9とが、外壁面体100における発泡スチロール5Aの周縁5Bから内側まで巻込んで延在されている場合は、図7に示すように、僅かの隙間を残して壁体1に構築される。また、メッシュ体7及びモルタル材9とが、外壁面体100における発泡スチロール5Aの周縁5Bで裁断されている場合は、図8に示すように、隙間を残さず、密着させる。
【0028】
上記建物の壁体1に対し、図6に示すように、この外側から外壁面体100を被覆した状態で、メッシュ体7及びモルタル材9の外側に、工事現場にて表面塗料材10が塗着されて外断熱壁面20が形成される。この表面塗料材10の塗着に際して、図7に示すように、隣接する外壁面体100間に、僅かの隙間を残して壁体1に構築させる場合は、その隙間にシーリング材U又は金具K1を介在させ、その表面に表面塗料材10を塗着する。また、図8に示すように、隙間を残さず密着させた場合は、その接合部5B,5Bにメッシュ体7を被覆してモルタル材9で固着し、この表面に表面塗料材10を塗着する。
【0029】
上記外壁面体100の構築方法によると、外壁面体を、壁体1の所定の取り付け箇所に外側から貫通した木ネジMにより固着されるから、1人の作業者によって施工でき、強い締付力により確実な固着が得られる。これにより、外壁面体の施工工事が簡素化でき、この外壁面体の施工工事が外部の気温・湿度等の気象条件等に影響されず、短時間に実施されて工事費のコストダウンができる。上記構築方法によると、隣接する両外壁面体100間及び各凹球面座3が表面塗料材10により被覆されて、防水性が得られるとともに外観も綺麗に仕上げられる。
【0030】
また、図7に示す構築方法によると、断熱材5の発泡スチロール5Aの外側に接着したメッシュ体7及びモルタル材9とは、断熱材5の周縁5Bから内面側に巻込んで延在されている。そして、各外壁面体100の隣接する隙間は、金具K1やウレタン等のシーリング材Uでシーリング処理され、表面塗料材10により被覆されている。また、図8に示す構築方法によると、隣接する断熱材5の周縁5B間に隙間を無くし、且つメッシュ体7及びモルタル材で被覆され、この表面が表面塗料材10により被覆されている。これにより、断熱材5内への雨水等の湿気の侵入が無く耐水性に優れたものとなる。
【0031】
尚、上記外壁面体100において、その中央位置に窓枠Wを取り付けるには、図9に示すように、外壁面体100をダイヤモンドのカッターで切断して開口部W1を形成する。この開口部W1にシーリング材Uで防水処理した後、窓枠Wが取り付けられる。この時、上記外壁面体100は、本来存在している凹球面座3が削除されている。この補強手段として、図10に示すように、メッシュ体7及びモルタル材9の表面に円盤状の座板40を当接させ、その中心に明けた小孔40Aに貫通させた木ネジMにより壁体1に強力な締付力Fで締め付けて確実に固着される。
【0032】
また、上記外壁面体100は、図11に示すように、ベランダ30の壁体1Bへの構築方法が可能である。このベランダ30の壁体1Bに対する上記外壁面体100の構築方法も、上記構築方法により実施される。
【0033】
尚、本発明の上記外壁面体100は、図12〜図15に示す第2実施形態の構成と構築方法としても良い。この外壁面体100´は、工場において、断熱材5と、この断熱材5の外側の複数適所に埋設した凹球面座3と、上記断熱材5の外側に接着されたメッシュ体7及びこれに絡めたモルタル材9と、表面塗料材10と、このメッシュ体7及びモルタル材9と表面塗料材10の凹球面座3に通ずる位置に開けた小孔Hとで構成され、これらが工場内で製造される。この時、各凹球面座3に通ずる位置に貫通した小孔Hに、パイプPが凹球面座3内にまで挿入された状態で、メッシュ体7及びこれに絡めたモルタル材9とが塗着される。上記モルタル材9の乾燥を待って、断熱材5に接着させたメッシュ体7及びモルタル材9の外側に、表面塗料材10が塗着される。このときも、各凹球面座3に通ずる位置に貫通した小孔Hに、パイプPが凹球面座3内にまで挿入された状態で行う。
【0034】
次に、上記外壁面体100´の構築方法を説明する。図14に示すように、まず、凹球面座3の位置にあるパイプPを抜く。続いて、図15に示すように、凹球面座3内に木ネジMを挿入し、電動ドライバーDにより、壁体1に強力な締付力Fで締め付けて確実に固着する。最後に、上記パイプPを抜いた小孔Hにパテを充填させ、その表面に表面塗料材10を塗着して仕上げられる。
【0035】
この外壁面体100´及びその構築方法によるときも、上記外壁面体100と同様な作用と効果が発揮されるとともに、予め工場内等で表面塗料材10まで仕上げられているから、工事現場での作業は、木ネジMによる取り付けとパイプPを抜いた小孔Hにパテを充填させ、表面塗料材10を塗着するだけの簡潔な施工作業となり、工期を著しく短縮でき、工事費のコストを大幅に低減できる。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1の外壁面体によると、工場内で一貫して製作されているから、外壁面体の製作の簡素化と品質の均一化ができる。更に、上記外壁面体の壁体への取り付けに際して、施工が容易となり、工期の短縮・コストダウンが達成できる。
【0037】
請求項2の外壁面体によると、工場内で一貫して製作されているから、外壁面体の製作の簡素化と品質の均一化ができる。更に、上記外壁面体の壁体への取り付けに際して、施工が容易となり、工期の短縮・コストダウンが達成できる。
【0038】
請求項3の外壁面体によると、断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材は、その端縁を、断熱材の周縁からこの内側まで延在されているから、断熱材内への雨水等の湿気の侵入が無く、耐水性に優れる。
【0039】
請求項4の外壁面体によると、断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材と、上記メッシュ体及びモルタル材に外側から塗着される表面塗料材は、その端縁を、断熱材の周縁からこの内側まで延在されているから、断熱材内への雨水等の湿気の侵入が無く、耐水性に優れる。
【0040】
請求項5の外壁面体の構築方法によると、外壁面体の施工工事の簡素化と確実な固着ができ、この施工工事が外部の気温・湿度等の気象条件等に影響されず、短時間に実施されて工事費のコストダウンができる。
【0041】
請求項6の外壁面体の構築方法によると、外壁面体の施工工事の簡素化と確実な固着ができ、この施工工事が外部の気温・湿度等の気象条件等に影響されず、短時間に実施されて工事費のコストダウンができる。特に、工場内で表面塗料材まで塗着されるから、現場での表面塗料材の塗着作業が省略できて、工期を著しく短縮でき、コストダウン効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、外壁面体の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、外壁面体を部分拡大した斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、外壁面体の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の外壁面体による第1構築方法の斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態の外壁面体による第1構築方法の断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の断熱壁面体による第1構築方法の断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の外壁面体による第1の接合部の縦断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の外壁面体による第2の接合部の縦断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態の外壁面体に窓枠を取り付けた正面図である。
【図10】外壁面体に窓枠を取り付けた外壁面体の締結手段の断面図である。
【図11】外壁面体をベランダに取り付けた断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態を示し、外壁面体の斜視図である。
【図13】本発明の第2実施形態を示し、外壁面体を部分拡大した斜視図である。
【図14】本発明の第2実施形態を示し、外壁面体の断面図である。
【図15】本発明の第2実施形態の外壁面体による第2構築方法の斜視図である。
【符号の説明】
1 壁体
1A ボード
1B 壁体
1D 壁体
1C 円弧壁体
3 凹球面座
3A 外周部
3B 湾曲部
3C 突出部
3D 小孔
5 断熱材
5A 発泡スチロール
5B 周縁
5C 円錐窪み
7 メッシュ体
9 モルタル材
10 表面塗装材
20 外断熱壁面
20A 外縁
30 ベランダ
40 座板
40A 小孔
100 外壁面体
100´ 外壁面体
K1 金具
D 電動ドライバー
F 締付力
M 木ネジ
H 小孔
P パテ
U ウレタン
P パイプ
W 窓枠
W1 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造住宅や小規模事業所等の木質建物の外壁に装備される外壁面体とその構築方法に係り、特に、外壁面体の新規な構造により壁体への固着の確実性と構築作業の簡素化を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、木造住宅や小規模事業所等の木質外壁面には、断熱性と防水性と耐火性に優れた外壁パネルが接着施工される。その代表的な第一の施工法は、外壁面の下地となるボード板に対して、発泡プラスチック製の断熱材・成形ボードを建物の壁体となる下張板の外側からネジ釘を打ち付けて固着させる。そして、この断熱材の表面に粗布とモルタルの表面材を現場で塗着施工して防水性を維持させている。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開2002−146938号公報の段落〔0005〕及び図10
【0004】
しかし、上記発泡パネルの施工法によると、断熱材は壁体に釘打された後に、その外側面にメッシュとモルタルの表面材を現場で塗着施工して防水性を維持させる施工法である。このため、断熱材の取り付け作業とメッシュとモルタルの表面材の塗着作業に手間がかかり、施工費用の増大を招くという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、工場内で外壁面体の表面側にメッシュとモルタルを施工し、この外壁面体を工事現場でネジ部材による簡潔な取り付けでコストダウンを図った外壁面体及びその構築方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明の請求項1記載の外壁面体は、建物の壁体に取り付けられる発泡プラスチック製の断熱材と、この断熱材の外側に埋設した複数の凹球面座と、この断熱材の外側に接着されたメッシュ体及びモルタル材と、このモルタル材の凹球面座に通ずる位置に開けた小孔と、を具備したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の外壁面体は、建物の壁体に取り付けられる発泡プラスチック製の断熱材と、この断熱材の外側に埋設した複数の凹球面座と、この断熱材の外側に接着されたメッシュ体及びモルタル材と、この外側に塗着される表面塗料材と、このメッシュ体及びモルタル材と表面塗料材の凹球面座に通ずる位置に開けた小孔と、を具備したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の外壁面体は、請求項1記載の外壁面体において、上記断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材は、その端縁を、断熱材の周縁からこの内側まで延在されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の外壁面体は、請求項2記載の外壁面体において、上記断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材と、上記メッシュ体及びモルタル材に外側から塗着される表面塗料材は、その端縁を、断熱材の周縁からこの内側まで延在されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の外壁面体の構築方法は、上記請求項1記載の外壁面体を、壁体の所定の取り付け箇所に外側から保持し、上記外壁面体に埋設する凹球面座を貫通させた木ネジにより壁体に固着させ、上記外壁面体の取り付け後に表面塗料材を塗着させることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の外壁面体の構築方法は、上記請求項2記載の外壁面体を、壁体の所定の取り付け箇所に外側から保持し、上記外壁面体に埋設する凹球面座を貫通させた木ネジにより壁体に固着させ、上記外壁面体の取り付け後に木ネジを挿入した表面塗料材の小孔を充填材により補修させることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
請求項1によると、外壁面体は工場内で一貫して製作されて完成される。これにより、外壁面体の製作の簡素化と品質の均一化が図れる。更に、上記外壁面体の壁体への取り付けに際しても、施工が容易となり工期の短縮が図れ、施工全体のコストダウンが図れる。
【0013】
請求項2によると、外壁面体は工場内で一貫して製作されて完成される。これにより、外壁面体の製作の簡素化と品質の均一化が図れる。更に、上記外壁面体の壁体への取り付けに際しても、表面塗料材の施工がなくせて著しく工期の短縮が図れ、施工全体の大幅なコストダウンが図れる。
【0014】
請求項3によると、外壁面体は、断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材は、その端縁を断熱材の周縁からこの内側まで延在されているから、断熱材内への雨水等の湿気の侵入が無く、耐水性に優れたものとなる。
【0015】
請求項4によると、外壁面体は、断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材と、上記メッシュ体及びモルタル材に外側から塗着される表面塗料材は、その端縁を断熱材の周縁からこの内側まで延在されているから、断熱材内への雨水等の湿気の侵入が無く、耐水性に優れたものとなる。
【0016】
請求項5の外壁面体の構築方法によると、外壁面体を、壁体の所定の取り付け箇所に外側から保持し、上記外壁面体に埋設する凹球面座を貫通させた木ネジにより壁体に固着させ、上記外壁面体の取り付け後に表面塗料材を塗着させるから、外壁面体の施工工事の簡素化と確実な固着ができる。特に、工場内でメッシュ体及びモルタル材が外壁面体に施工されるから、現場での上記作業が省略できて、工期を短縮でき、施工工事が外部の気温・湿度等の気象条件等に影響されず、短時間に実施されて工事費のコストダウンが図れる。
【0017】
更に、断熱材の発泡スチロールとメッシュ体とモルタル材と表面塗料材からなる外壁層の積層構成であるから、耐水性及び綺麗な外観が得られる。
【0018】
請求項6の外壁面体の構築方法によると、外壁面体を、壁体の所定の取り付け箇所に外側から保持し、上記外壁面体に埋設する凹球面座を貫通させた締結手段の木ネジにより壁体に固着させ、上記外壁面体の取り付け後に木ネジを挿入した表面塗料材の小孔を充填材により補修させるから、外壁面体の施工工事の簡素化と確実な固着ができる。特に、工場内で表面塗料材までが塗着されるから、現場での表面塗料材の塗着作業が省略できて、工期を著しく短縮でき、施工工事が外部の気温・湿度等の気象条件等に影響されず、短時間に実施されて工事費のコストダウンが図れる。
【0019】
更に、断熱材の発泡スチロールとメッシュ体とモルタル材と表面塗料材からなる外壁層の積層構成であるから、耐水性及び綺麗な外観が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図15を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は外壁面体100の斜視図、図2は外壁面体100を拡大して示す斜視図、図3は外壁面体100の断面図を示す。図4〜図11は、外壁面体100を建物の壁体に構築する方法を示している。
【0021】
本発明の外壁面体100は、木造住宅や小規模事業所の建物等の木質壁体1に対しその外側に被覆されるものである。先ず、上記外壁面体100は、図1〜図3に示すように、発泡プラスチック製の断熱材5と、この断熱材5の外側の複数箇所に埋設した凹球面座3と、上記断熱材5の外側に接着されたメッシュ体7及びこれに絡めたモルタル材9とからなり、これらは予め工場内で製造される。上記各凹球面座3と対面するメッシュ体7の所定箇所には、モルタル材9が塗布されない小孔S1が形成されている。そして、図5に示すように、上記外壁面体100は、木ネジMを断熱材5の凹球面座3の中心先端に明けた小孔3Dを通して壁体1にネジ込まれて固着されるものである。そして、この断熱材5に接着させたメッシュ体7及びモルタル材9の外側に、図6に示すように、工事現場にて表面塗料材10が塗着されて外断熱壁面20が形成される。
【0022】
続いて、上記外壁面体100の製造方法とその構成を説明する。まず、工場内において、基幹部となる発泡プラスチック製の断熱材5が規定の寸法に裁断される。この断熱材5の外側の複数箇所に凹球面座3が埋設される。上記凹球面座3は、例えば合成樹脂材で形成され、外周部3Aとラッパ状の湾曲部3Bと尖端となる突出部3Cと上記突出部3Cに明けた小孔3Dとからなる。その製造方法は、上記断熱材5の外側適所を加熱して熱収縮させた円錐窪み5Cを形成し、この円錐窪み5Cに凹球面座3が埋設される。そして、上記断熱材5の外側には、メッシュ体7及びこれに絡めたモルタル材9とが接着される。このとき、モルタル材9の凹球面座3に通ずる位置に小孔S1を開ける。この方法は、まず、ベースとなるモルタル材9を塗る際に、凹球面座3に通ずる位置に摘みの付いたシールを貼着しておき、ベースモルタル材9を塗着後に、シールを剥がす。次に、メッシュ体7を貼付け、更に凹球面座3に通ずる位置に摘みの付いたシールを貼着しておき、モルタル材9を塗着後に、シールを剥がす。これにより、モルタル材9の凹球面座3に通ずる位置に小孔S1を開けた状態で、メッシュ体7及びモルタル材9を塗着することができる。尚、この方法に代えて、後述するパイプPを使用した方法を採用することもできる。上記外壁面体100は、例えば、図1に示すように、高さ寸法が3000mm、横幅寸法が900〜1200mmの矩形形状に裁断されている。また、上記断熱材5の厚さ寸法は約10〜15mm、モルタル材9の厚さ寸法は約2〜3mm、表面塗料材10の厚さ寸法は約3〜4mmである。
【0023】
上記断熱材5の材質としては、発泡スチロール5Aが好適である。この発泡スチロール5Aは、難燃ボードでも良いし、防蟻処理した透湿ボードであっても良い。上記透湿ボードは、水は通さないが蒸気を通す性能を発揮する。上記発泡スチロール5Aの外側に接着されるメッシュ体7は、モルタル材9の中に混在してモルタルの強度を高めている。このメッシュ体7は、グラスファイバー等の素材により形成された網地であり、モルタル材9の粘着と脱落防止の機能を発揮させる。また、上記モルタル材9の外側に塗着される表面塗料材10は、手塗りの仕上げ材、ウレタン樹脂やシリコン樹脂等の塗料が使用される。更に、吹き付けの塗料であっても良い。
【0024】
上記断熱材5となる発泡スチロール5Aの外側に接着したメッシュ体7とモルタル材9と表面塗料材10とは、その外縁20Aを、図7に示すように、発泡スチロール5Aの周縁5Bから内側まで巻込んで延在させている。尚、図8に示すように、切断したままの端面形状としても良い。また、図示はしないが、隣接する発泡スチロール5A同士を順次接合して表面を被覆していく場合に、メッシュ体7を発泡スチロール5Aの周縁5Bから任意の方向(例えば2方向)にはみ出させて貼付け、また、モルタル材9を発泡スチロール5Aの周縁5Bよりも内側の部分に塗着させて隣接する発泡スチロール5Aの周縁5Bでメッシュ体7を重合させ、モルタル材9を塗着して一体の壁面を形成するようにしても良い。
【0025】
本発明の外壁面体100は、上記のように構成されたものであるから、工場内において、規定寸法に裁断された断熱材5と、この断熱材5の外側の複数箇所に埋設した凹球面座3と、上記断熱材5の外側に接着されたメッシュ体7及びモルタル材9とが一貫して製作される。これにより、外壁面体の製作の簡素化と品質の均一化が図れる。また、上記外壁面体の壁体への取り付けの容易性と工期の短縮が図れる。そして、上記外壁面体100は、壁体1に断熱材5の凹球面座3を介して木ネジMで取り付けられた状態で、メッシュ体7及びモルタル材9の外側に、工事現場にて表面塗料材10が塗着されて外断熱壁面20が形成される。
【0026】
本発明の外壁面体100は、上記のように構成されたものであり、続いて、工事現場での壁体1への構築方法を説明する。先ず、図4に示すように、建物の壁体1に対し、この外側から外壁面体100を被覆して固着する。その取付方法は、はじめに、図3に示す外壁面体100の裏面を壁体1に押し当てるべく、作業者の手により仮押さえする。この状態において、電動ドライバーDの駆動軸先端に木ネジMを取り付ける。即ち、図4,図5に示すように、この木ネジMをモルタル材9が塗布されていない小孔S1からメッシュ体7を突き破って貫通させるとともに、断熱材5の外側に埋設した凹球面座3の小孔3Dを通して壁体1にねじ込ませる。これにより、外壁面体100は、木ネジMにより壁体1に強力な締付力Fで締め付けられて確実に固着される。
【0027】
続いて、隣接する外壁面体100は、上記手順と同様に、壁体1に木ネジMをねじ込まれれることにより固着される。この時、メッシュ体7及びモルタル材9とが、外壁面体100における発泡スチロール5Aの周縁5Bから内側まで巻込んで延在されている場合は、図7に示すように、僅かの隙間を残して壁体1に構築される。また、メッシュ体7及びモルタル材9とが、外壁面体100における発泡スチロール5Aの周縁5Bで裁断されている場合は、図8に示すように、隙間を残さず、密着させる。
【0028】
上記建物の壁体1に対し、図6に示すように、この外側から外壁面体100を被覆した状態で、メッシュ体7及びモルタル材9の外側に、工事現場にて表面塗料材10が塗着されて外断熱壁面20が形成される。この表面塗料材10の塗着に際して、図7に示すように、隣接する外壁面体100間に、僅かの隙間を残して壁体1に構築させる場合は、その隙間にシーリング材U又は金具K1を介在させ、その表面に表面塗料材10を塗着する。また、図8に示すように、隙間を残さず密着させた場合は、その接合部5B,5Bにメッシュ体7を被覆してモルタル材9で固着し、この表面に表面塗料材10を塗着する。
【0029】
上記外壁面体100の構築方法によると、外壁面体を、壁体1の所定の取り付け箇所に外側から貫通した木ネジMにより固着されるから、1人の作業者によって施工でき、強い締付力により確実な固着が得られる。これにより、外壁面体の施工工事が簡素化でき、この外壁面体の施工工事が外部の気温・湿度等の気象条件等に影響されず、短時間に実施されて工事費のコストダウンができる。上記構築方法によると、隣接する両外壁面体100間及び各凹球面座3が表面塗料材10により被覆されて、防水性が得られるとともに外観も綺麗に仕上げられる。
【0030】
また、図7に示す構築方法によると、断熱材5の発泡スチロール5Aの外側に接着したメッシュ体7及びモルタル材9とは、断熱材5の周縁5Bから内面側に巻込んで延在されている。そして、各外壁面体100の隣接する隙間は、金具K1やウレタン等のシーリング材Uでシーリング処理され、表面塗料材10により被覆されている。また、図8に示す構築方法によると、隣接する断熱材5の周縁5B間に隙間を無くし、且つメッシュ体7及びモルタル材で被覆され、この表面が表面塗料材10により被覆されている。これにより、断熱材5内への雨水等の湿気の侵入が無く耐水性に優れたものとなる。
【0031】
尚、上記外壁面体100において、その中央位置に窓枠Wを取り付けるには、図9に示すように、外壁面体100をダイヤモンドのカッターで切断して開口部W1を形成する。この開口部W1にシーリング材Uで防水処理した後、窓枠Wが取り付けられる。この時、上記外壁面体100は、本来存在している凹球面座3が削除されている。この補強手段として、図10に示すように、メッシュ体7及びモルタル材9の表面に円盤状の座板40を当接させ、その中心に明けた小孔40Aに貫通させた木ネジMにより壁体1に強力な締付力Fで締め付けて確実に固着される。
【0032】
また、上記外壁面体100は、図11に示すように、ベランダ30の壁体1Bへの構築方法が可能である。このベランダ30の壁体1Bに対する上記外壁面体100の構築方法も、上記構築方法により実施される。
【0033】
尚、本発明の上記外壁面体100は、図12〜図15に示す第2実施形態の構成と構築方法としても良い。この外壁面体100´は、工場において、断熱材5と、この断熱材5の外側の複数適所に埋設した凹球面座3と、上記断熱材5の外側に接着されたメッシュ体7及びこれに絡めたモルタル材9と、表面塗料材10と、このメッシュ体7及びモルタル材9と表面塗料材10の凹球面座3に通ずる位置に開けた小孔Hとで構成され、これらが工場内で製造される。この時、各凹球面座3に通ずる位置に貫通した小孔Hに、パイプPが凹球面座3内にまで挿入された状態で、メッシュ体7及びこれに絡めたモルタル材9とが塗着される。上記モルタル材9の乾燥を待って、断熱材5に接着させたメッシュ体7及びモルタル材9の外側に、表面塗料材10が塗着される。このときも、各凹球面座3に通ずる位置に貫通した小孔Hに、パイプPが凹球面座3内にまで挿入された状態で行う。
【0034】
次に、上記外壁面体100´の構築方法を説明する。図14に示すように、まず、凹球面座3の位置にあるパイプPを抜く。続いて、図15に示すように、凹球面座3内に木ネジMを挿入し、電動ドライバーDにより、壁体1に強力な締付力Fで締め付けて確実に固着する。最後に、上記パイプPを抜いた小孔Hにパテを充填させ、その表面に表面塗料材10を塗着して仕上げられる。
【0035】
この外壁面体100´及びその構築方法によるときも、上記外壁面体100と同様な作用と効果が発揮されるとともに、予め工場内等で表面塗料材10まで仕上げられているから、工事現場での作業は、木ネジMによる取り付けとパイプPを抜いた小孔Hにパテを充填させ、表面塗料材10を塗着するだけの簡潔な施工作業となり、工期を著しく短縮でき、工事費のコストを大幅に低減できる。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1の外壁面体によると、工場内で一貫して製作されているから、外壁面体の製作の簡素化と品質の均一化ができる。更に、上記外壁面体の壁体への取り付けに際して、施工が容易となり、工期の短縮・コストダウンが達成できる。
【0037】
請求項2の外壁面体によると、工場内で一貫して製作されているから、外壁面体の製作の簡素化と品質の均一化ができる。更に、上記外壁面体の壁体への取り付けに際して、施工が容易となり、工期の短縮・コストダウンが達成できる。
【0038】
請求項3の外壁面体によると、断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材は、その端縁を、断熱材の周縁からこの内側まで延在されているから、断熱材内への雨水等の湿気の侵入が無く、耐水性に優れる。
【0039】
請求項4の外壁面体によると、断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材と、上記メッシュ体及びモルタル材に外側から塗着される表面塗料材は、その端縁を、断熱材の周縁からこの内側まで延在されているから、断熱材内への雨水等の湿気の侵入が無く、耐水性に優れる。
【0040】
請求項5の外壁面体の構築方法によると、外壁面体の施工工事の簡素化と確実な固着ができ、この施工工事が外部の気温・湿度等の気象条件等に影響されず、短時間に実施されて工事費のコストダウンができる。
【0041】
請求項6の外壁面体の構築方法によると、外壁面体の施工工事の簡素化と確実な固着ができ、この施工工事が外部の気温・湿度等の気象条件等に影響されず、短時間に実施されて工事費のコストダウンができる。特に、工場内で表面塗料材まで塗着されるから、現場での表面塗料材の塗着作業が省略できて、工期を著しく短縮でき、コストダウン効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、外壁面体の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、外壁面体を部分拡大した斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、外壁面体の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の外壁面体による第1構築方法の斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態の外壁面体による第1構築方法の断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の断熱壁面体による第1構築方法の断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の外壁面体による第1の接合部の縦断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の外壁面体による第2の接合部の縦断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態の外壁面体に窓枠を取り付けた正面図である。
【図10】外壁面体に窓枠を取り付けた外壁面体の締結手段の断面図である。
【図11】外壁面体をベランダに取り付けた断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態を示し、外壁面体の斜視図である。
【図13】本発明の第2実施形態を示し、外壁面体を部分拡大した斜視図である。
【図14】本発明の第2実施形態を示し、外壁面体の断面図である。
【図15】本発明の第2実施形態の外壁面体による第2構築方法の斜視図である。
【符号の説明】
1 壁体
1A ボード
1B 壁体
1D 壁体
1C 円弧壁体
3 凹球面座
3A 外周部
3B 湾曲部
3C 突出部
3D 小孔
5 断熱材
5A 発泡スチロール
5B 周縁
5C 円錐窪み
7 メッシュ体
9 モルタル材
10 表面塗装材
20 外断熱壁面
20A 外縁
30 ベランダ
40 座板
40A 小孔
100 外壁面体
100´ 外壁面体
K1 金具
D 電動ドライバー
F 締付力
M 木ネジ
H 小孔
P パテ
U ウレタン
P パイプ
W 窓枠
W1 開口部
Claims (6)
- 建物の壁体に取り付けられる発泡プラスチック製の断熱材と、この断熱材の外側に埋設した複数の凹球面座と、この断熱材の外側に接着されたメッシュ体及びモルタル材と、このモルタル材の凹球面座に通ずる位置に開けた小孔と、を具備したことを特徴とする外壁面体。
- 建物の壁体に取り付けられる発泡プラスチック製の断熱材と、この断熱材の外側に埋設した複数の凹球面座と、この断熱材の外側に接着されたメッシュ体及びモルタル材と、この外側に塗着される表面塗料材と、このメッシュ体及びモルタル材と表面塗料材の凹球面座に通ずる位置に開けた小孔と、を具備したことを特徴とする外壁面体。
- 上記断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材は、その端縁を、断熱材の周縁からこの内側まで延在されていることを特徴とする請求項1記載の外壁面体。
- 上記断熱材に外側から接着されるメッシュ体及びモルタル材と、上記メッシュ体及びモルタル材に外側から塗着される表面塗料材は、その端縁を、断熱材の周縁からこの内側まで延在されていることを特徴とする請求項2記載の外壁面体。
- 上記請求項1記載の外壁面体を、壁体の所定の取り付け箇所に外側から保持し、上記外壁面体に埋設する凹球面座を貫通させた木ネジにより壁体に固着させ、上記外壁面体の取り付け後に表面塗料材を塗着させることを特徴とする外壁面体の構築方法。
- 上記請求項2記載の外壁面体を、壁体の所定の取り付け箇所に外側から保持し、上記外壁面体に埋設する凹球面座を貫通させた木ネジにより壁体に固着させ、上記外壁面体の取り付け後に木ネジを挿入した小孔を充填材により補修させることを特徴とする外壁面体の構築方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003055339A JP2004263450A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 外壁面体及びその構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003055339A JP2004263450A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 外壁面体及びその構築方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004263450A true JP2004263450A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=33119379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003055339A Pending JP2004263450A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 外壁面体及びその構築方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004263450A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007046345A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Nichiha Corp | 外壁施工構造及びこれに用いる下地金具 |
KR200456450Y1 (ko) * | 2010-10-15 | 2011-10-31 | 석봉철 | 단열재 |
KR102001515B1 (ko) * | 2019-03-05 | 2019-07-17 | 주식회사 길종합건축사사무소이엔지 | 건축공사용 조립식 스티로폼 단열재 |
-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003055339A patent/JP2004263450A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007046345A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Nichiha Corp | 外壁施工構造及びこれに用いる下地金具 |
JP4684797B2 (ja) * | 2005-08-10 | 2011-05-18 | ニチハ株式会社 | 外壁施工構造及びこれに用いる下地金具 |
KR200456450Y1 (ko) * | 2010-10-15 | 2011-10-31 | 석봉철 | 단열재 |
KR102001515B1 (ko) * | 2019-03-05 | 2019-07-17 | 주식회사 길종합건축사사무소이엔지 | 건축공사용 조립식 스티로폼 단열재 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3646180A (en) | Method of forming a foam cored wall panel having ceramic tile on one face | |
US20100043321A1 (en) | Systems and methods for finishing a penetration in a concrete structure during construction | |
US20110036030A1 (en) | Building Insulation Sheathing Systems and Methods of Use Thereof | |
JP3936583B2 (ja) | 組立式ドーム | |
JP2004263450A (ja) | 外壁面体及びその構築方法 | |
JPH0694704B2 (ja) | 折板屋根の断熱改修方法 | |
JP2003074163A (ja) | 外装材 | |
JP3622090B2 (ja) | 外断熱壁材、又は床材等の建築下地材の製造方法と、この方法で製造される外断熱壁材、又は床材等の建築下地材、並びに外壁の構築工法、又は屋外床面の構築工法 | |
JP3784685B2 (ja) | 複合断熱ボード | |
CN202492980U (zh) | 面板带通槽的转角复合板 | |
JP2013036315A (ja) | 発泡合成樹脂板による建物構築法 | |
JP2002303008A (ja) | 断熱下地装置 | |
JPS642013Y2 (ja) | ||
JP3873227B2 (ja) | 断熱パネル | |
JPH0619694Y2 (ja) | 壁断熱材 | |
JP3090661U (ja) | 建築用野地パネル | |
JP3182082B2 (ja) | 石組簡易住宅及び石組工法 | |
JP3876183B2 (ja) | 養生カバー | |
JPH09158348A (ja) | 住宅外壁部の断熱材取付構造とその取付方法 | |
JP2004211331A (ja) | 外装パネル構造及び外装パネル | |
JP2001323582A (ja) | 建物の外壁構造及び外壁構築方法 | |
JPH07229267A (ja) | タイルの取付工法 | |
JP3146213U (ja) | 石材組合せ構造 | |
JP5204540B2 (ja) | 断熱壁の施工構造 | |
JP2565607B2 (ja) | 外 壁 |