JP2001323386A - 亜硝酸亜鉛水溶液およびその製造方法 - Google Patents

亜硝酸亜鉛水溶液およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナトリウムイオンや硫酸イオンの少ない亜硝
酸亜鉛を提供する。 【解決手段】 亜硝酸亜鉛[Zn(NO22 ]水溶液
の濃度をNO2 として10重量%で換算したときの溶液
中の不純物含有量として、ナトリウム(Na)は10p
pm以下および硫酸イオン(SO4 )は100ppm以
下である亜硝酸亜鉛水溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜硝酸亜鉛水溶液
及びその製造方法に係わり、さらに詳しくは不純物とし
てナトリウムイオンや硫酸イオンの少ない亜硝酸亜鉛水
溶液およびその製造方法に係わるものであり、該亜硝酸
亜鉛水溶液を用いることにより、極めて効率の良い表面
処理プロセスを提供可能にするものである。
【0002】
【従来の技術】亜硝酸亜鉛は、空気中で徐々に加熱する
と100℃前後で酸化窒素を出して分解することは知ら
れている。また、該亜硝酸亜鉛は、水に可溶であるが加
水分解しやすく、水溶液を蒸発させるとオキシ亜硝酸亜
鉛[ZnO・Zn(NO22]となることは知られて
いる。
【0003】係る亜硝酸亜鉛の一般的な製造方法は、硫
酸亜鉛と亜硝酸ソーダのエタノール溶液を混合して、沈
殿を濾過したろ液を蒸発、濃縮して結晶を得る方法であ
る。(化学大辞典参照)
【0004】しかしながら、この方法は亜硝酸亜鉛と硫
酸ナトリウムの溶解度の差により硫酸ナトリウムを分離
除去する方法であるが、エタノールの使用や、蒸発、濃
縮の操作が必要なことから、工業的にはコストアップの
原因になり、またナトリウムイオンも残留する等の問題
点を抱えている。従って、工業的に高純度の亜硝酸亜鉛
又はその水溶液を入手することは困難な状況である。
【0005】また、一般的に金属表面に塗装を施す際に
前処理工程として、脱脂→水洗→皮膜化成処理→水洗→
乾燥の各工程が行われている。皮膜化成処理の方法の1
つとして、鉄鋼の表面にリン酸亜鉛皮膜を形成する処理
法が一般的に採用されており、この目的の皮膜剤とし
て、亜鉛をリン酸に溶解したものを水で希釈して処理液
としている。これを「金属表面処理」と称している。さ
らに、金属の皮膜化成反応を促進するために亜硝酸ソー
ダ、塩素酸ソーダなどの薬剤を皮膜剤に添加しており、
これらを「促進剤」と称している。
【0006】ところが、従来の亜硝酸ソーダや塩素酸ソ
ーダなどのソーダ塩は処理浴を長期間使用しているうち
にNaイオン濃度が高くなり、その結果処理浴のpHが
上昇して化成皮膜の成分が処理浴中に沈殿するという問
題を抱えている。また老化した処理液を回収して再生す
る場合、処理浴中にNaイオンがたまると浴バランスが
崩れてしまい、回収した処理液からNaイオンを除去し
なければならないという問題がある。通常、Naイオン
を含む処理液は、産業廃棄物として処理せざるをえない
状況である。
【0007】また、近年、金属表面処理液の業界でも環
境問題が注目を集めており、処理浴のクローズドシステ
ム化が検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、係る状
況に鑑みナトリウムイオンを実質的に含まない亜硝酸亜
鉛水溶液について鋭意研究を行った結果、ナトリウムイ
オンや硫酸イオンの少ない亜硝酸亜鉛水溶液およびその
製造方法を知見した。また、該溶液を金属表面処理用促
進剤として使用した場合、極めて効率が良い表面処理プ
ロセスを提供可能にすることを更に知見し、本発明を完
成させたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、亜
硝酸亜鉛[Zn(NO22 ]水溶液の濃度をNO2
して10重量%で換算したときの溶液中の不純物含有量
として、ナトリウム(Na)は10ppm以下および硫
酸イオン(SO4 )は100ppm以下であることを特
徴とする亜硝酸亜鉛水溶液に係るものである。
【0010】また、本発明は、硫酸亜鉛と亜硝酸カルシ
ウムを反応させて亜硝酸亜鉛水溶液を生成させる第1工
程、次いで該溶液を精製する第2工程よりなることを特
徴とする亜硝酸亜鉛水溶液の製造方法に係るものであ
る。
【0011】更にまた、本発明は、硫酸亜鉛と亜硝酸カ
ルシウムを反応させて亜硝酸亜鉛水溶液を生成させる第
1工程において、予め反応後に溶存する硫酸イオンに対
して1.05倍当量以上のバリウムイオンが添加してあ
る前記記載の亜硝酸亜鉛水溶液の製造方法に係るもので
ある。
【0012】また、本発明は、硫酸亜鉛と亜硝酸カルシ
ウムを反応させて亜硝酸亜鉛水溶液を生成させる第1工
程において、原料のCa/Zn比が0.5〜1.5の範
囲で反応させる前記記載の亜硝酸亜鉛水溶液の製造方法
に係るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の亜硝酸亜鉛水溶液は、一般式Zn(NO22
で表される成分とH2Oの任意の比率で混合されている
溶液である。
【0014】また、工業的に精製することは、非常に困
難な化合物であるけれども本発明に係る亜硝酸亜鉛水溶
液は、ナトリウム(Na)イオン、 硫酸イオン(SO
4 )の含有量が低いことに特徴がある。
【0015】ここで、亜硝酸亜鉛の濃度は、亜鉛イオン
はICP発光分光法で、また亜硝酸(NO2 )イオン
は、イオンクロマトグラフで測定する。なお、不純物の
ナトリウム(Na)イオン及び硫酸イオン(SO4 )の
測定は、共にICP発光分光法でおこなう。硫酸イオン
(SO4 )は、イオウ(S)で測定し、硫酸イオンに換
算する。
【0016】本発明における不純物濃度は、NO2 とし
て10重量%に換算して算出し、ナトリウム(Na)は
10ppm以下、好ましくは5ppm以下である。硫酸
イオンSO4 は100ppm以下、好ましくは20pp
m以下である。
【0017】係る不純物濃度の亜硝酸亜鉛水溶液は、従
来にないナトリウムイオン及び硫酸イオン等の不純物イ
オンを含まないものであり、これを金属表面処理用促進
剤に使用すると極めて効率の良い表面システムを得るこ
とができる。
【0018】本発明の亜硝酸亜鉛水溶液の製造方法の特
徴は、硫酸亜鉛と亜硝酸カルシウムを反応させて亜硝酸
亜鉛水溶液を生成させる第1工程、次いで該溶液を精製
する第2工程よりなるものである。
【0019】本発明の第1工程は、下記の反応式によ
る。
【0020】
【化1】
【0021】反応温度は50℃以下であり、具体的には
室温〜50℃、好ましくは室温〜40℃である。反応時
間は、特に制限されないが5〜120分程度である。
【0022】亜硝酸亜鉛水溶液中の亜硝酸イオン濃度と
しては、濃度が高ければ高い程好ましいが、特に制限は
ないが、例えば亜硝酸イオン濃度として5〜15重量
%、好ましくは10〜15重量%が望ましい。
【0023】この時、原料の硫酸亜鉛と亜硝酸カルシウ
ムを混合する際のZnとCaのモル比が異なると亜硝酸
亜鉛水溶液中に溶存する硫酸イオン、カルシウムイオン
の残存量が異なる。Ca/Znの好ましい混合モル比は
0.5〜1.5であり、更に好ましくは0.7〜1.0
である。
【0024】即ち、Ca/Znモル比が0.5未満では
亜硝酸亜鉛水溶液中に溶存する硫酸イオンが5%以上に
なり、その後の硫酸イオンの除去が困難となる。また、
逆にCa/Znモル比が1.5より大きい場合は溶存す
るカルシウムイオンが3%以上となり、同様にその後の
カルシウムイオンの除去が困難になり好ましくない。
【0025】反応で副生する硫酸カルシウムは、濾過分
離するが、この濾過分離は反応終了後、すぐにしても良
いし、次の第2工程の精製で不純物の濾過分離と一緒に
分離してもよい。好ましくは、第2工程の濾過分離で同
時に濾過分離するのが好ましい。また、濾過分離操作
は、通常工業的に行われる方法でよく、特に制限される
ものではない。
【0026】本発明の第2工程は、溶液中に残存する硫
酸イオンを除去精製するものである。係る精製方法は、
下記のように例えば バリウムイオンを添加して硫酸バリウムとして沈殿さ
せる方法 陽イオン又は陰イオン交換樹脂に溶液を通過させる方
法 溶媒抽出方法 などがあるが、の方法が最も好ましい。
【0027】の方法において、具体的には反応後に溶
存する硫酸イオンに対して当量よりも僅かに過剰のバリ
ウムイオンを添加することがよい。バリウムイオンの添
加量は、反応後に溶存する硫酸イオンに対して1.05
倍当量〜1.5倍当量、好ましくは1.05倍当量〜
1.2倍当量を添加するのがよい。この時、バリウムイ
オンは、余り過剰に添加するのは好ましくない。
【0028】また、バリウムイオンの添加は、前記第1
工程の反応時に、予め反応後に溶存するであろう硫酸イ
オンに対して1.05倍当量以上のバリウムイオンを添
加して反応を行ってもよい。なお、バリウムイオンの添
加形態としては特に限定は無いが、水酸化バリウムとし
て添加するのが好ましい。
【0029】本発明の亜硝酸亜鉛水溶液の具体的な製造
方法としては、例えば、硫酸亜鉛水溶液に亜硝酸カルシ
ウム水溶液を所定のCa/Zn比になるように混合、攪
拌する。反応終了後、このスラリー液の一部を採取して
液中の硫酸イオンを測定する。次いで、硫酸イオンに対
して、少なくとも当量以上のバリウムイオンを水酸化バ
リウム水溶液として添加し攪拌する。攪拌終了後、濾過
し、ろ液を製品とする。なお、濾過ケーキは水洗浄を行
なうことにより付着する亜硝酸亜鉛を希薄水溶液で回収
可能であり、この液は繰り返し次の反応に使用可能であ
る。本発明の方法によりナトリウムイオンと硫酸イオン
が極めて少ない亜硝酸亜鉛水溶液を得ることができる。
【0030】本発明の亜硝酸亜鉛水溶液は、金属表面処
理促進剤として使用することができる。金属表面処理す
る金属は、鉄、亜鉛およびそれらの合金等であるが、そ
の表面に化成皮膜を形成させるものである。この時の化
成皮膜は、例えばリン酸亜鉛皮膜、リン酸鉄被膜、リン
酸マンガン被膜等があるが、本発明の亜硝酸亜鉛水溶液
を促進剤として用いるのはリン酸亜鉛皮膜が特に好まし
い。
【0031】本発明の亜硝酸亜鉛水溶液をリン酸亜鉛皮
膜に用いた場合、リン酸亜鉛皮膜形成用処理浴の中で、
亜硝酸亜鉛の亜硝酸イオンは亜硝酸ソーダの亜硝酸イオ
ンと同様の促進効果があり、また亜鉛イオンはリン酸亜
鉛皮膜の主成分であるので、亜硝酸亜鉛はアニオンとカ
チオンの両方が表面処理用薬剤としてそれぞれの効果を
発揮することができる。
【0032】しかしながら、亜硝酸亜鉛水溶液中のカル
シウムイオンは、リン酸亜鉛系表面処理液と混合した場
合にリン酸カルシウムとして表面処理液中でスラッジ化
するので、これを定期的に回収すれば処理浴中に蓄積す
ることは無いが、カルシウムイオンが多く溶存する場合
は処理浴中に生成するスラッジ量も多くなるので、なる
べく少ない方が好ましいが、溶存カルシウムイオンは1
%以下が好ましい。また、硫酸イオンは、リン酸亜鉛系
表面処理液と混合した場合に、短期間の使用では問題が
ないものの、長期間使用する場合は、処理浴中に次第に
蓄積するもので、本発明の亜硝酸亜鉛水溶液のように、
不純物量の少ないことが好ましい。
【0033】従って、本発明の亜硝酸亜鉛水溶液よりな
る金属表面処理促進剤は、ナトリウムイオン等の不要成
分を含有していないことから、処理浴を長期間稼動した
場合でも、亜硝酸イオンを亜硝酸亜鉛で補給すれば良
く、処理浴中にナトリウムイオンなどの不要な不純物成
分が蓄積しないので、処理浴のクローズドシステム化を
はかる上で極めて好都合であるという利点を有し、環境
対策上も極めて優れたプロセスである。
【0034】
【実施例】以下実施例をあげて、本発明を説明する。
【0035】実施例1 最適な条件による実施例を示す。 (第1工程)硫酸亜鉛7水塩(試薬特級)540gをイ
オン交換水に溶解して、硫酸亜鉛水溶液1000gを調
製した。この溶液中の硫酸亜鉛(ZnSO4 )濃度は3
0.0%であった。
【0036】30%亜硝酸カルシウム水溶液(日産化学
製 商品名CANI−30)660gを先に調製した硫
酸亜鉛水溶液に加えた。(反応のCa/Znモル比は
0.8)次いで常温(25℃)で1時間攪拌を継続し
た。
【0037】(第2工程)このスラリーの一部を採取し
て濾過し、ろ液中のカルシウムイオンと硫酸イオンを分
析した。その結果、ろ液中のCaイオンが1007pp
m、SO4 イオンが17723ppm、Naイオンが3
ppmであった。次にSO4 イオンに対して1.2倍当
量のバリウムイオンを水酸化バリウム水溶液として、先
ほどのスラリーに添加して1時間攪拌を継続した。攪拌
終了後、全量をろ過して、亜硝酸亜鉛水溶液を得た。こ
の亜硝酸亜鉛水溶液の分析結果を表1に示す。表1の右
側の欄にNO2 濃度10.51wt%を10wt%に換
算した結果を示した。
【0038】
【表1】
【0039】表1の分析結果より、実質的にNaイオン
を含まず、硫酸イオンの少ない亜硝酸亜鉛水溶液が得ら
れた。この亜硝酸亜鉛水溶液はNaイオンおよび硫酸イ
オンの含有量が少ないために金属表面処理促進剤として
有用であり、特にリン酸亜鉛皮膜の促進剤として好適で
ある。
【0040】参考例1 第1工程のCa/Zn比を変えての反応による不純物イ
オンの動向を示す。 (第1工程)実施例1と同様に、硫酸亜鉛7水塩(試薬
特級)540gをイオン交換水に溶解して、硫酸亜鉛水
溶液1000gを調製した。この溶液中の硫酸亜鉛(Z
nSO4 )濃度は30.0%であった。
【0041】30%亜硝酸カルシウム水溶液(日産化学
製 商品名CANI−30 )をそれぞれ536g、5
78g、619g、660g、743g、825g、9
90g(反応のCa/Znモル比はそれぞれ0.65、
0.7、0.75、0.8、0.9、1、1.2)を加
えた。
【0042】次いで常温(25℃)で1時間攪拌を継続
した。このスラリーの一部を採取して濾過し、ろ液中の
カルシウムイオンと硫酸イオンを分析した。その結果を
表2及び図1に示した。
【0043】
【表2】
【0044】この分析結果より、原料の硫酸亜鉛と亜硝
酸カルシウムの反応モル比を変化させることで、得られ
る亜硝酸亜鉛水溶液中のカルシウムイオンと硫酸イオン
の残存量を制御することができる。
【0045】実施例2 実施例1と同様に硫酸亜鉛7水塩(試薬特級)540g
をイオン交換水に溶解して、硫酸亜鉛水溶液1000g
を調製した。この溶液中の硫酸亜鉛(ZnSO 4 )濃度
は30.0%であった。
【0046】30%亜硝酸カルシウム水溶液(日産化学
製 商品名CANI−30)640gに、先に調製した
硫酸亜鉛水溶液を加えた。(反応のCa/Znモル比は
0.8) 次いで常温(25℃)で1時間攪拌を継続した。このス
ラリーの一部を採取して濾過し、ろ液中のカルシウムイ
オンと硫酸イオンを分析した。その結果、ろ液中のCa
イオンが1007ppm、SO4 イオンが17723p
pmであった。
【0047】次にSO4 イオンに対して当量、1.1倍
当量、1.2倍当量、1.3倍当量、1.4倍当量、
1.5倍当量のバリウムイオンを水酸化バリウム水溶液
として、先ほどのスラリーに添加して2時間攪拌した。
攪拌終了後、全量をろ過して、亜硝酸亜鉛水溶液を得
た。この亜硝酸亜鉛水溶液の分析結果を表3及び図2に
示す。
【0048】
【表3】
【0049】この分析結果より、得られた亜硝酸亜鉛水
溶液中の残存硫酸イオンに対して、当量よりわずかに過
剰の水酸化バリウムを添加することにより、亜硝酸亜鉛
水溶液中の硫酸イオンを10ppm程度まで低減化する
ことができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明に係わる亜硝
酸亜鉛水溶液は、不純物としてのナトリウムイオンや硫
酸イオンが少ないことが特徴であり、これを例えばリン
酸亜鉛系の表面処理剤に添加して鉄鋼や亜鉛の表面にリ
ン酸亜鉛皮膜を形成させる場合には、処理浴中に不純物
イオンの蓄積が少なく、液の交換頻度を大幅に低減でき
るだけでなく、クローズドシステム化も可能であるとい
う優れた特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の第1工程のCa/Zn比を変えての
反応による不純物イオンの動向を示す図である。
【図2】実施例2の亜硝酸亜鉛水溶液中の残存硫酸イオ
ンに対する水酸化バリウムの添加の動向を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠 透 東京都江東区亀戸9丁目11番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 Fターム(参考) 4K026 BA03 BA04 BA05 CA23 CA32 DA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硝酸亜鉛[Zn(NO22 ]水溶液
    の濃度をNO2 として10重量%で換算したときの溶液
    中の不純物含有量として、ナトリウム(Na)は10p
    pm以下および硫酸イオン(SO4 )は100ppm以
    下であることを特徴とする亜硝酸亜鉛水溶液。
  2. 【請求項2】 硫酸亜鉛と亜硝酸カルシウムを反応させ
    て亜硝酸亜鉛水溶液を生成させる第1工程、次いで該溶
    液を精製する第2工程よりなることを特徴とする亜硝酸
    亜鉛水溶液の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記硫酸亜鉛と亜硝酸カルシウムを反応
    させて亜硝酸亜鉛水溶液を生成させる第1工程におい
    て、予め反応後に溶存する硫酸イオンに対して1.05
    倍当量以上のバリウムイオンが添加してある請求項2記
    載の亜硝酸亜鉛水溶液の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記硫酸亜鉛と亜硝酸カルシウムを反応
    させて亜硝酸亜鉛水溶液を生成させる第1工程におい
    て、原料のCa/Zn比が0.5〜1.5の範囲で反応
    させる請求項2または3記載の亜硝酸亜鉛水溶液の製造
    方法。
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