JP2001321967A - 点接合継ぎ手及び点接合方法 - Google Patents

点接合継ぎ手及び点接合方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 継ぎ手強度が高く且つ強度のばらつきが小さ
く、良好な接合状態を安定して保持することができる点
接合継ぎ手を、摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧入す
るのみで得ることが可能とする点接合継ぎ手及び点接合
方法を提供する。 【解決手段】 複数の重ね合わせた金属板材2、3に対
して、これらより硬質な摩擦接合工具4の圧入ピン5を
圧入して攪拌し、攪拌部6を、圧入ピン5の基部を形成
する肩部7にて押圧することによって、圧入ピンによる
圧入穴を形成し、該圧入穴の近傍において前記複数の重
ね合わせた金属板材を接合する。圧入ピンの圧入と肩部
による押圧で生じた圧入穴8の周辺に段差部9に形成す
るのが、ばらつきの少ない接合継ぎ手を得る上で更に好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点接合継ぎ手及び
点接合方法、特に、各種輸送機材の軽量化に際して、部
材にアルミニウム及びその合金を使用する場合における
部材の接合に好適な点接合継ぎ手及び点接合方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】地球環境保護及び省エネルギーの観点か
ら、各種器材の軽量化、特に自動車など輸送機器部材の
軽量化が要請され、外装材(パネル材)、その他の部材
について、従来の鋼材からアルミニウム及びその合金素
材への転換が積極的に検討され、一部実用化されてい
る。この場合、従来の鋼材との比較において、輸送機器
部材用アルミニウム合金材には種々の特性が要求される
が、このうち、アルミニウム合金材を互いに接合する方
式も重要な課題の一つであり、アルミニウム合金材をパ
ネル材として使用する自動車ボディの構造については、
板プレス品を抵抗スポット溶接(点溶接)により接合す
るモノコック構造が主流となっている。
【0003】これまで、アルミニウム合金材に対する抵
抗スポット溶接においては、鋼材に対する抵抗スポット
溶接に使用されているクロム銅電極やジルコニウムクロ
ム銅電極を用いるスポット溶接方式が流用されている
が、アルミニウム合金材は、鋼材よりも導電率及び熱伝
導度が高いので、抵抗スポット溶接の際、大電流での短
時間通電が必要であり、このため、アルミニウム合金材
の溶接においては、鋼材の溶接よりも電極の損耗が激し
く、長期にわたり正常なナゲット形成することが困難で
あるという問題がある。
【0004】また、抵抗スポット溶接においては、引張
破断時に、破断した母材の片側にもう一方の母材が円盤
状に剥離する、いわゆる栓抜け破断を生じることが強度
的に有利であるという特徴があるが、アルミニウム合金
板材は、電極の損耗や電流の不安定さに起因してシアー
破断(剪断による破断)となり易く、強度がばらつくた
め信頼性に問題がある。
【0005】このようなことから、セルフピアシングリ
ベットによるアルミニウム合金板材の接合が試みられて
いる。この接合方法は、重ね合わせた複数のアルミニウ
ム合金材に、鋼製のリベットを打ち込む機械的接合の一
種であり、抵抗スポット溶接より継ぎ手部分の品質が安
定しているという利点があるが、第3部材として高価な
リベットを必要とするという難点があり、工具の摩耗状
態によっては接合不良が生じるおそれもある。
【0006】更に、入熱が少なく、軟化や歪みの程度が
少ないアルミニウム合金材の突合わせ接合方法として、
摩擦攪拌接合が提案されている(特許第2712838
号)。この方式は、硬質な材料で作られた裏当ての上
に、アルミニウム合金材等の軟質材を突合わせて拘束
し、軟質材より硬質な摩擦接合用回転工具の圧入ピンを
突合部に高速回転させながら圧入し移動して、軟質材同
士を摩擦接合するものであり、接合部分が溶融しないの
が特徴となっている。上記の特許公報においては、アル
ミニウム板材の点接合については言及していないが、
アルミニウム合金板同士の点接合に上記の摩擦接合方法
を適用した場合、抵抗スポット溶接やリベットによる接
合よりも、継ぎ手品質が良く、良好な接合状態が安定し
て得られることが期待される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の摩擦
接合方式によりアルミニウム合金材のスポット溶接の可
能性を追求するために、摩擦接合用回転工具の形状、圧
入穴の形状とメタルフローの関係等について、試験、検
討を重ねた結果としてなされたものであり、その第1の
目的は、摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧入するのみ
で得られる接合継ぎ手であり、従来の抵抗スポット溶接
より優れた継ぎ手強度を有する点接合継ぎ手及び点接合
方法を提供することにある。また第2の目的は、更に、
強度のばらつきが小さく、良好な接合状態を安定して保
持することができる点接合継ぎ手及び点接合方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の請求項1による点接合継ぎ手は、複数の重
ね合わせた金属板材に対して、これらの金属板材より硬
質な摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧入して攪拌し、
該攪拌部を圧入ピンの基部を形成する前記回転工具の肩
部で押圧することによって、圧入ピンによる圧入穴を形
成し、該圧入穴の近傍において前記複数の重ね合わせた
金属板材を接合してなることを特徴とする。
【0009】請求項2による点接合継ぎ手は、請求項1
において、圧入ピンの圧入と肩部の押圧により形成され
る前記圧入穴の周辺に段差部を設けたことを特徴とす
る。
【0010】請求項3による点接合継ぎ手は、請求項2
において、前記圧入穴の周辺に設けられた段差部の径
(L1 )は、圧入ピンの径(d1 )の110%以上で肩
部が前記金属板材に擦れて生じた圧痕部の径(L 2)の
70%以下の範囲(1.1×d 1 ≦L1 ≦0.7×
2)にあり、前記段差部の深さ(D)は金属板材の厚
み(T)の50%以下の範囲(D≦0.5×T)にある
ことを特徴とする。
【0011】請求項4による点接合継ぎ手は、請求項1
〜3において、前記金属板材が、アルミニウム、銅、マ
グネシウム、鉄及びこれらの合金から選択される材質か
らなることを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項5による点接合方法
は、複数の重ね合わせた金属板材に裏当て材を配置し、
金属板材より硬質な摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧
入して攪拌し、該攪拌部を、圧入ピンの基部を形成する
前記回転工具の肩部で押圧した後、圧入ピンを上方に引
き上げ、圧入ピンによる圧入穴を形成することを特徴と
する。
【0013】請求項6による点接合方法は、複数の重ね
合わせた金属板材に裏当て材を配置し、金属板材より硬
質な摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧入して攪拌し、
該攪拌部を、圧入ピンの基部を形成する段差をそなえた
前記回転工具の肩部で押圧して点接合継ぎ手を形成する
ことを特徴とする。
【0014】請求項7による点接合方法は、前記金属板
材が、アルミニウム、銅、マグネシウム、鉄及びこれら
の合金から選択される材質からなることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は本発明の点接合継ぎ手の
一実施形態を示す断面図、図2は本発明の点接合継ぎ手
の他の実施形態を示す断面図、図3及び図4は、図2の
実施形態に基づく本発明の点接合継ぎ手の作製方法につ
いての実施形態を示す断面図である。
【0016】本発明の一実施形態においては、図1に示
すように、本発明による点接合継ぎ手1は、複数の重ね
合わせた金属板材2、3に対して、これらより硬質な摩
擦接合用回転工具4の圧入ピン5を圧入して攪拌し、該
攪拌部6を、圧入ピン5の基部を形成する回転工具4の
肩部7にて押圧することによって、圧入ピン5による圧
入穴8を形成し、圧入穴8の近傍において複数の重ね合
わせた金属板材2、3を接合するものである。
【0017】本発明の他の実施形態においては、図2に
示すように、本発明による点接合継ぎ手1は、複数の重
ね合わせた金属板材2、3に対して、これらより硬質な
摩擦接合用回転工具4の圧入ピン5を圧入して攪拌し、
該攪拌部6を、圧入ピン5の基部を形成する回転工具4
の段差をそなえた肩部7にて押圧し、圧入ピン5の圧入
と肩部7の押圧により生じる点接合継ぎ手1の圧入穴8
の周辺に段差部9を形成するものである。
【0018】前記金属板材2、3の厚さは特に限定され
ないが、厚さ0.5mm〜10mm程度のものが多く使
用され、材質についても、摩擦接合できるものであれ
ば、特に限定がない。例示すれば、アルミニウム、銅、
マグネシウム、鉄から選択される1の材質及びこれらの
合金材であり、これらの金属のうちの同種金属または異
種金属を組合わせて点接合を行うことができる。なお、
本発明は、3枚以上重ねた金属板材の点接合にも適用す
ることができる。
【0019】本発明の好ましい点接合継ぎ手(図2)を
形成するための摩擦接合用回転工具4は、図2に示すよ
うに、回転軸20の一端面が肩部7となり、肩部7の軸
心部に圧入ピン5が突出しており、肩部7は圧入ピン5
の基部を形成している。更に、肩部7と圧入ピン5との
間に階段部21が設けられ、回転軸20の他端面側に回
転駆動機構(図示せず)が連結されている。この摩擦接
合用回転工具4における回転軸20、肩部7、階段部2
1及び圧入ピン5は、金属板材2、3よりも硬質な材質
にて構成されている。
【0020】摩擦接合用回転工具4の圧入ピン5の径
(d1 )、階段部21の径(d2 )及び肩部7の径(d
3 )の好ましい関係は、1.1×d1 ≦d2 ≦0.7d
3 であり、更に好ましくは、1.2×d1 ≦d2 ≦0.
5d3 である。また、摩擦接合用回転工具4の階段部2
1の高さ(H)及び金属板材2の厚み(T)の関係は、
好ましくは、H≦0.5×T、より好ましくは、H≦
0.25×Tである。
【0021】摩擦接合用回転工具4を使用する点接合継
ぎ手1の形成は、以下のようにして行われる。まず、図
3に示すように、複数の重ね合わせた金属板材2、3に
裏当て材22を配置し、これに金属板材2、3を拘束す
る。次に、金属板材2、3の厚み、材質に適する摩擦接
合用回転工具4を選択し、回転軸20を回転させ、金属
板材2、3に圧入ピン5を圧入し攪拌する(図4)。
【0022】圧入ピン5の圧入に伴って攪拌部6が形成
され且つ拡大されて、金属板材2上に攪拌部6が若干盛
り上がり、更に圧入ピン5を圧入すると、図4に示すよ
うに、階段部21が攪拌部6の盛上部23に当たり、押
圧するようになる。階段部21が盛上部23を押圧する
ことによって、攪拌部6のメタルフローが矢線A方向に
なり、攪拌部が更に拡大する(図2、図5)。圧入ピン
5を、金属板材2上に肩部7が当たるまで更に圧入して
圧痕部24を形成した後、摩擦接合用回転工具4を上昇
させ、点接合継ぎ手1の形成を終了する。この場合、圧
入ピン5の先端を円錐形に形成したり、圧入ピン5の先
端に小径の突起部を設ければ、外方へのメタルフローが
促進され攪拌部を大きくするのに有利となる。また、圧
入ピン5の先端を円錐形にすることは、継ぎ手形成後に
回転工具4を上昇させる際の抵抗を小さくして、圧入穴
周辺のバリの発生を軽減できる点でも有効である。
【0023】上記により得られた点接合継ぎ手1におい
ては、図5に示すように、肩部7の階段部21により金
属板材2面に形成される段差部9の径(L1 )は、圧入
ピン5の径(d1 )の110%以上で、肩部7が金属板
材2上面に擦れて生じた圧痕部24の径(L2 )の70
%以下の範囲(1.1×d1 ≦L1 ≦0.7L2 )にあ
る。
【0024】段差部9の径(L1 )が、圧入ピン5の径
(d1 )の110%未満(1.1×d1 >L1 )では、
圧入穴8側部分で破断が生じるため継ぎ手強度がばらつ
き、段差部9の径(L1 )が圧痕部24の径(L2 )の
70%を越えると、段差部9側の破断強度が高くなり過
ぎて、圧入穴8側で破断が生じる不都合がある。より好
ましい段差部9の径(L1 )は、(1.2×d1 ≦L1
≦0.5L2 )の範囲である。
【0025】更に、点接合継ぎ手1において、段差部9
の深さ(D)(図2、図5)は、最大で金属板材2の厚
み(T)の50%以下が好ましく、50%を越えると金
属板材2の窪みが大きくなり過ぎて、接合部分の断面積
が低下し、段差部9側の継ぎ手強度が低くなる。段差部
9の深さ(D)の最小値は金属板材2の厚さの5%程度
である。
【0026】図6は本発明の点接合継ぎ手の他の実施形
態を示すものである。この点接合継ぎ手1aと図1〜4
に示す点接合継ぎ手1との相違点は、段差部9aが2段
に形成されるよう、摩擦接合用回転工具4aの階段部2
1aを2段に形成している点である。こうすることによ
って、階段部21aによる攪拌部6の盛上部23に対す
る押圧が2段階となり、攪拌部6において、矢線A方向
へのメタルフローがより円滑に行われて攪拌部が拡大す
る結果、圧入穴8a側強度を向上させることができる。
その他の構成、作用は図1〜4の実施形態と略同様であ
るから、図面に符号を付して説明を省略する。
【0027】以上の実施形態においては、摩擦接合用回
転工具4、4aに1段または2段以上の階段部21、2
1aを設け、圧入穴8、8aの周辺に、階段部21、2
1aに対応する階段状の段差部9、9aを形成するよう
にしたが、圧入穴周辺に形成する段差部としては、圧入
穴の回りに形成された環状(リング状)の窪みや溝条で
もよく、このような環状の窪みや溝条の形成によっても
同等の効果を得ることが可能であり、本発明において、
圧入穴の周辺に形成される段差部には、これらも包含さ
れる。なお、上記環状の窪みや溝条は、回転工具4の肩
部7において、圧入ピン5の回りを囲むように環状の突
部を設けることにより形成でき、階段部21、21aを
設けた肩部のみでなく、環状の突部を設けた肩部も段差
をそなえた肩部と総称する。
【0028】段差部を設けない点接合継ぎ手の強度は、
攪拌部外周から圧入穴までの距離に関係し、攪拌部が小
さいと圧入穴側で破断することになる。段差部を設けた
点接合継ぎ手は、前記のように、段差部の形成により攪
拌部が拡大して圧入穴側の強度が高くなるから、段差部
が弱め部として機能することとなり、多くの場合、段差
部の端縁から破断が生じることとなる。
【0029】
【実施例】次に、本発明の効果を確認するための実施例
について説明する。なお、これらの実施例は本発明の一
実施態様を示すものであり、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0030】実施例1 図1に示すように、アルミニウム合金材質、AA611
1(調質:T4、厚さ:1mm)の板を2枚重ね合わ
せ、裏側から鋼製裏当てを当てがって重ね合わせた板を
裏当てに固定し、表側から摩擦接合用回転工具を回転さ
せながら当て、圧入ピンを突き立て下側の板に達するま
で差し込み、回転数1000rpmで攪拌し、圧入ピン
の差し込みから引き抜くまでの摩擦接合時間を3〜4秒
の範囲として、点接合継ぎ手を形成した。摩擦接合用回
転工具の回転軸の径は10mmとし、圧入ピンは径が3
mm、長さが1.2mmのものとした。
【0031】この点接合継ぎ手と、同じ径のナゲットが
形成された抵抗スポット溶接継ぎ手について、剪断引張
試験を行った結果、この点接合継ぎ手は圧入穴の内側で
破断したが、破断強度は抵抗スポット溶接継ぎ手の14
0%であり、優れた接合強度を有していることが確認さ
れた。
【0032】実施例2 図2に示すように、アルミニウム合金材質、AA611
1(調質:T4、厚さ:1mm)の板を2枚重ね合わ
せ、裏側から鋼製裏当てを当てがって重ね合わせた板を
裏当てに固定し、表側から肩部に段差部を設けた摩擦接
合用回転工具を回転させながら当て、圧入ピンを突き立
て下側の板に達するまで差し込み、回転数1000rp
mで攪拌し、圧入ピンの差し込みから引き抜くまでの摩
擦接合時間を3〜4秒の範囲として、点接合継ぎ手を形
成した。摩擦接合用回転工具の回転軸の径は10mmと
し、回転軸の基部に径5mm、高さ0.2mmの段差部
を設けるとともに、段差部に径3mm、長さ1.2mm
の圧入ピンを設けた。
【0033】この点接合継ぎ手と、同じ径のナゲットが
形成された抵抗スポット溶接継ぎ手について、剪断引張
試験を行った結果、この点接合継ぎ手は段差部において
栓抜け破断し、抵抗スポット溶接継ぎ手の180%の破
断強度があることが認められた。更に、この点接合継ぎ
手を100個作製し、剪断引張試験を行ったところ、継
ぎ手強度のばらつきは±5%の範囲内であった。
【0034】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、従来の抵
抗スポット溶接継ぎ手に比べて格段に優れた継ぎ手強度
を有する良好な接合継ぎ手を摩擦接合用回転工具の圧入
ピンを圧入するのみで得ることが可能となる。
【0035】請求項2の発明によれば、従来の抵抗スポ
ット溶接継ぎ手より優れた継ぎ手強度を有すると共に、
強度のばらつきが小さく、良好な接合状態を安定して保
持することができる点接合継ぎ手を、摩擦接合用回転工
具の圧入ピンを圧入するのみで得ることができる。
【0036】即ち、階段部を設けない摩擦接合用回転工
具で点接合を行うことにより形成される接合継ぎ手にお
いては、攪拌部が小さく攪拌部外周と圧入穴との距離が
小さいため、圧入穴側で破断することになるが、圧入穴
部分は金属板材の陽極酸化皮膜等の影響により破断強度
にばらつきが生じ易い。これに対して、階段部21をそ
なえた摩擦接合用回転工具で点接合を行うことにより形
成される接合継ぎ手においては、メタルフローが生じて
攪拌部が拡大して圧入穴側の強度が高くなり、弱め部と
して機能する段差部において破断するようになるから、
破断は母材部分で生じることとなる。従って、接合強度
のばらつきは小さいものとなり、強度設計の上で有利と
なる。
【0037】請求項3の発明によれば、階段部の径が圧
入ピンの径の110%以上で、圧痕部の径の70%以下
の範囲にあり、且つ階段部の深さは金属板材の厚みの5
0%以下の範囲にあるから、継ぎ手強度が更に高く、且
つばらつきの少ない点接合継ぎ手を更に安定して得るこ
とが可能となる。
【0038】また、請求項4〜5の発明によれば、上記
の点接合継ぎ手を効率よく形成することができ、特に、
輸送機器部材の接合に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の点接合継ぎ手の一実施形態を示す断面
図である。
【図2】本発明の点接合継ぎ手の他の実施形態を示す断
面図である。
【図3】本発明の図2の点接合継ぎ手の作製方法の実施
形態を示す断面図である。
【図4】本発明の図2の点接合継ぎ手の作製方法の実施
形態を示す断面図である。
【図5】本発明における図3〜4に従って成形した後の
点接合継ぎ手の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の点接合継ぎ手の更に他の実施形態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1、1a 点接合継ぎ手 2、3 金属板材 4、4a 摩擦接合用回転工具 5 圧入ピン 6 攪拌部 7 肩部 8、8a 圧入穴 9、9a 段差部 20 回転軸 21、21a 階段部 22 裏当て材 23 盛上部 24 圧痕部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の重ね合わせた金属板材に対して、
    これらの金属板材より硬質な摩擦接合用回転工具の圧入
    ピンを圧入して攪拌し、該攪拌部を圧入ピンの基部を形
    成する前記回転工具の肩部で押圧することによって、圧
    入ピンによる圧入穴を形成し、該圧入穴の近傍において
    前記複数の重ね合わせた金属板材を接合してなることを
    特徴とする点接合継ぎ手。
  2. 【請求項2】 圧入ピンの圧入と肩部の押圧により形成
    される前記圧入穴の周辺に段差部を設けたことを特徴と
    する請求項1記載の点接合継ぎ手。
  3. 【請求項3】 前記圧入穴の周辺に設けられた段差部の
    径(L1 )は、圧入ピンの径(d1 )の110%以上で
    肩部が前記金属板材に擦れて生じた圧痕部の径(L 2
    の70%以下の範囲(1.1×d1 ≦L1 ≦0.7×L
    2)にあり、前記段差部の深さ(D)は金属板材の厚み
    (T)の50%以下の範囲(D≦0.5×T)にあるこ
    とを特徴とする請求項2記載の点接合継ぎ手。
  4. 【請求項4】 前記金属板材が、アルミニウム、銅、マ
    グネシウム、鉄及びこれらの合金から選択される材質か
    らなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の点接合継ぎ手。
  5. 【請求項5】 複数の重ね合わせた金属板材に裏当て材
    を配置し、金属板材より硬質な摩擦接合用回転工具の圧
    入ピンを圧入して攪拌し、該攪拌部を、圧入ピンの基部
    を形成する前記回転工具の肩部で押圧した後、圧入ピン
    を上方に引き上げ、圧入ピンによる圧入穴を形成するこ
    とを特徴とする点接合方法。
  6. 【請求項6】 複数の重ね合わせた金属板材に裏当て材
    を配置し、金属板材より硬質な摩擦接合用回転工具の圧
    入ピンを圧入して攪拌し、該攪拌部を、圧入ピンの基部
    を形成する段差をそなえた前記回転工具の肩部で押圧し
    て点接合継ぎ手を形成することを特徴とする点接合方
    法。
  7. 【請求項7】 前記金属板材が、アルミニウム、銅、マ
    グネシウム、鉄及びこれらの合金から選択される材質か
    らなることを特徴とする請求項5または6記載の点接合
    方法。
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