JP3681156B2 - 点接合継ぎ手及び点接合方法 - Google Patents

点接合継ぎ手及び点接合方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、点接合継ぎ手及び点接合方法、特に、各種輸送機材の軽量化に際して、部材にアルミニウム及びその合金を使用する場合における部材の接合に好適な点接合継ぎ手及び点接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球環境保護及び省エネルギーの観点から、各種器材の軽量化、特に自動車など輸送機器部材の軽量化が要請され、外装材(パネル材)、その他の部材について、従来の鋼材からアルミニウム及びその合金素材への転換が積極的に検討され、一部実用化されている。この場合、従来の鋼材との比較において、輸送機器部材用アルミニウム合金材には種々の特性が要求されるが、このうち、アルミニウム合金材を互いに接合する方式も重要な課題の一つであり、アルミニウム合金材をパネル材として使用する自動車ボディの構造については、板プレス品を抵抗スポット溶接(点溶接)により接合するモノコック構造が主流となっている。
【0003】
これまで、アルミニウム合金材に対する抵抗スポット溶接においては、鋼材に対する抵抗スポット溶接に使用されているクロム銅電極やジルコニウムクロム銅電極を用いるスポット溶接方式が流用されているが、アルミニウム合金材は、鋼材よりも導電率及び熱伝導度が高いので、抵抗スポット溶接の際、大電流での短時間通電が必要であり、このため、アルミニウム合金材の溶接においては、鋼材の溶接よりも電極の損耗が激しく、長期にわたり正常なナゲット形成することが困難であるという問題がある。
【0004】
また、抵抗スポット溶接においては、引張破断時に、破断した母材の片側にもう一方の母材が円盤状に剥離する、いわゆる栓抜け破断を生じることが強度的に有利であるという特徴があるが、アルミニウム合金板材は、電極の損耗や電流の不安定さに起因してシアー破断(剪断による破断)となり易く、強度がばらつくため信頼性に問題がある。
【0005】
このようなことから、セルフピアシングリベットによるアルミニウム合金板材の接合が試みられている。この接合方法は、重ね合わせた複数のアルミニウム合金材に、鋼製のリベットを打ち込む機械的接合の一種であり、抵抗スポット溶接より継ぎ手部分の品質が安定しているという利点があるが、第3部材として高価なリベットを必要とするという難点があり、工具の摩耗状態によっては接合不良が生じるおそれもある。
【0006】
更に、入熱が少なく、軟化や歪みの程度が少ないアルミニウム合金材の突合わせ接合方法として、摩擦攪拌接合が提案されている(特許第2712838号)。この方式は、硬質な材料で作られた裏当ての上に、アルミニウム合金材等の軟質材を突合わせて拘束し、軟質材より硬質な摩擦接合用回転工具の圧入ピンを突合部に高速回転させながら圧入し移動して、軟質材同士を摩擦接合するものであり、接合部分が溶融しないのが特徴となっている。上記の特許公報においては、アルミニウム板材の点接合については言及していないが、 アルミニウム合金板同士の点接合に上記の摩擦接合方法を適用した場合、抵抗スポット溶接やリベットによる接合よりも、継ぎ手品質が良く、良好な接合状態が安定して得られることが期待される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の摩擦接合方式によりアルミニウム合金材のスポット溶接の可能性を追求するために、摩擦接合用回転工具の形状、圧入穴の形状とメタルフローの関係等について、試験、検討を重ねた結果としてなされたものであり、その目的は、摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧入するのみで得られる接合継ぎ手であり、従来の抵抗スポット溶接より優れた継ぎ手強度を有し、強度のばらつきが小さく、良好な接合状態を安定して保持することができる点接合継ぎ手及び点接合方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の請求項1による点接合継ぎ手は、複数の重ね合わせた金属板材に対して、これらの金属板材より硬質な摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧入、攪拌して攪拌部を形成し、該攪拌部を圧入ピンの基部を形成する前記回転工具の肩部と該肩部と圧入ピンとの間に設けられた階段部で押圧することにより、圧入ピンによる圧入穴を形成し、該圧入穴の近傍において前記複数の重ね合わせた金属板材を接合する際に形成される点接合継ぎ手であって、圧入ピンの圧入により形成される圧入穴の周辺に前記階段部の押圧により形成された肩部より小径の段差部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項による点接合継ぎ手は、請求項において、前記圧入穴の周辺に設けられた段差部の径(L1 )は、圧入ピンの径(d1 )の110%以上で肩部が前記金属板材に擦れて生じた圧痕部の径(L 2)の70%以下の範囲(1.1×d1 ≦L1 ≦0.7×L 2)にあり、前記段差部の深さ(D)は金属板材の厚み(T)の50%以下の範囲(D≦0.5×T)にあることを特徴とする。
【0010】
請求項3による点接合継ぎ手は、請求項1または2において、前記金属板材が、アルミニウム、銅、マグネシウム、鉄及びこれらの合金から選択される材質からなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4による点接合方法は、複数の重ね合わせた金属板材に裏当て材を配置し、金属板材より硬質な摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧入して攪拌し、該攪拌部を、圧入ピンの基部を形成する前記回転工具の肩部と該肩部と圧入ピンとの間に設けられた階段部で押圧した後、圧入ピンを上方に引き上げ、圧入ピンの圧入により形成される圧入穴の周辺に階段部の押圧により形成された肩部より小径の段差部を設けることによって、前記複数の重ね合わせた金属板材の点接合継ぎ手を形成することを特徴とする。
【0012】
請求項による点接合方法は、請求項4において、前記金属板材が、アルミニウム、銅、マグネシウム、鉄及びこれらの合金から選択される材質からなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は点接合継ぎ手の参考例を示す断面図、図2は本発明の点接合継ぎ手の実施形態を示す断面図、図3及び図4は、図2の実施形態に基づく本発明の点接合継ぎ手の作製方法についての実施形態を示す断面図である。
【0014】
参考例の点接合継ぎ手1は、図1に示すように、複数の重ね合わせた金属板材2、3に対して、これらより硬質な摩擦接合用回転工具4の圧入ピン5を圧入して攪拌し、該攪拌部6を、圧入ピン5の基部を形成する回転工具4の肩部7にて押圧することによって、圧入ピン5による圧入穴8を形成し、圧入穴8の近傍において複数の重ね合わせた金属板材2、3を接合するものである。
【0015】
本発明の実施形態においては、図2に示すように、本発明による点接合継ぎ手1は、複数の重ね合わせた金属板材2、3に対して、これらより硬質な摩擦接合用回転工具4の圧入ピン5を圧入して攪拌し、該攪拌部6を、圧入ピン5の基部を形成する回転工具4の段差をそなえた肩部7にて押圧し、圧入ピン5の圧入と肩部7の押圧により生じる点接合継ぎ手1の圧入穴8の周辺に段差部9を形成するものである。
【0016】
前記金属板材2、3の厚さは特に限定されないが、厚さ0.5mm〜10mm程度のものが多く使用され、材質についても、摩擦接合できるものであれば、特に限定がない。例示すれば、アルミニウム、銅、マグネシウム、鉄から選択される1の材質及びこれらの合金材であり、これらの金属のうちの同種金属または異種金属を組合わせて点接合を行うことができる。なお、本発明は、3枚以上重ねた金属板材の点接合にも適用することができる。
【0017】
本発明の好ましい点接合継ぎ手(図2)を形成するための摩擦接合用回転工具4は、図2に示すように、回転軸20の一端面が肩部7となり、肩部7の軸心部に圧入ピン5が突出しており、肩部7は圧入ピン5の基部を形成している。更に、肩部7と圧入ピン5との間に階段部21が設けられ、回転軸20の他端面側に回転駆動機構(図示せず)が連結されている。この摩擦接合用回転工具4における回転軸20、肩部7、階段部21及び圧入ピン5は、金属板材2、3よりも硬質な材質にて構成されている。
【0018】
摩擦接合用回転工具4の圧入ピン5の径(d1 )、階段部21の径(d2 )及び肩部7の径(d3 )の好ましい関係は、1.1×d1 ≦d2 ≦0.7d3 であり、更に好ましくは、1.2×d1 ≦d2 ≦0.5d3 である。また、摩擦接合用回転工具4の階段部21の高さ(H)及び金属板材2の厚み(T)の関係は、好ましくは、H≦0.5×T、より好ましくは、H≦0.25×Tである。
【0019】
摩擦接合用回転工具4を使用する点接合継ぎ手1の形成は、以下のようにして行われる。まず、図3に示すように、複数の重ね合わせた金属板材2、3に裏当て材22を配置し、これに金属板材2、3を拘束する。次に、金属板材2、3の厚み、材質に適する摩擦接合用回転工具4を選択し、回転軸20を回転させ、金属板材2、3に圧入ピン5を圧入し攪拌する(図4)。
【0020】
圧入ピン5の圧入に伴って攪拌部6が形成され且つ拡大されて、金属板材2上に攪拌部6が若干盛り上がり、更に圧入ピン5を圧入すると、図4に示すように、階段部21が攪拌部6の盛上部23に当たり、押圧するようになる。階段部21が盛上部23を押圧することによって、攪拌部6のメタルフローが矢線A方向になり、攪拌部が更に拡大する(図2、図5)。圧入ピン5を、金属板材2上に肩部7が当たるまで更に圧入して圧痕部24を形成した後、摩擦接合用回転工具4を上昇させ、点接合継ぎ手1の形成を終了する。この場合、圧入ピン5の先端を円錐形に形成したり、圧入ピン5の先端に小径の突起部を設ければ、外方へのメタルフローが促進され攪拌部を大きくするのに有利となる。また、圧入ピン5の先端を円錐形にすることは、継ぎ手形成後に回転工具4を上昇させる際の抵抗を小さくして、圧入穴周辺のバリの発生を軽減できる点でも有効である。
【0021】
上記により得られた点接合継ぎ手1においては、図5に示すように、肩部7の階段部21により金属板材2面に形成される段差部9の径(L1 )は、圧入ピン5の径(d1 )の110%以上で、肩部7が金属板材2上面に擦れて生じた圧痕部24の径(L2 )の70%以下の範囲(1.1×d1 ≦L1 ≦0.7L2 )にある。
【0022】
段差部9の径(L1 )が、圧入ピン5の径(d1 )の110%未満(1.1×d1 >L1 )では、圧入穴8側部分で破断が生じるため継ぎ手強度がばらつき、段差部9の径(L1 )が圧痕部24の径(L2 )の70%を越えると、段差部9側の破断強度が高くなり過ぎて、圧入穴8側で破断が生じる不都合がある。より好ましい段差部9の径(L1 )は、(1.2×d1 ≦L1 ≦0.5L2 )の範囲である。
【0023】
更に、点接合継ぎ手1において、段差部9の深さ(D)(図2、図5)は、最大で金属板材2の厚み(T)の50%以下が好ましく、50%を越えると金属板材2の窪みが大きくなり過ぎて、接合部分の断面積が低下し、段差部9側の継ぎ手強度が低くなる。段差部9の深さ(D)の最小値は金属板材2の厚さの5%程度である。
【0024】
図6は本発明の点接合継ぎ手の他の実施形態を示すものである。この点接合継ぎ手1aと図〜4に示す点接合継ぎ手1との相違点は、段差部9aが2段に形成されるよう、摩擦接合用回転工具4aの階段部21aを2段に形成している点である。こうすることによって、階段部21aによる攪拌部6の盛上部23に対する押圧が2段階となり、攪拌部6において、矢線A方向へのメタルフローがより円滑に行われて攪拌部が拡大する結果、圧入穴8a側強度を向上させることができる。その他の構成、作用は図〜4の実施形態と略同様であるから、図面に符号を付して説明を省略する。
【0025】
以上の実施形態においては、摩擦接合用回転工具4、4aに1段または2段以上の階段部21、21aを設け、圧入穴8、8aの周辺に、階段部21、21aに対応する階段状の段差部9、9aを形成するようにしたが、圧入穴周辺に形成する段差部としては、圧入穴の回りに形成された環状(リング状)の窪みや溝条でもよく、このような環状の窪みや溝条の形成によっても同等の効果を得ることが可能であり、本発明において、圧入穴の周辺に形成される段差部には、これらも包含される。なお、上記環状の窪みや溝条は、回転工具4の肩部7において、圧入ピン5の回りを囲むように環状の突部を設けることにより形成でき、階段部21、21aを設けた肩部のみでなく、環状の突部を設けた肩部も段差をそなえた肩部と総称する。
【0026】
段差部を設けない点接合継ぎ手の強度は、攪拌部外周から圧入穴までの距離に関係し、攪拌部が小さいと圧入穴側で破断することになる。段差部を設けた点接合継ぎ手は、前記のように、段差部の形成により攪拌部が拡大して圧入穴側の強度が高くなるから、段差部が弱め部として機能することとなり、多くの場合、段差部の端縁から破断が生じることとなる。
【0027】
【実施例】
次に、本発明の効果を確認するための実施例について説明する。なお、これらの実施例は本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
参考例1
図1に示すように、アルミニウム合金材質、AA6111(調質:T4、厚さ:1mm)の板を2枚重ね合わせ、裏側から鋼製裏当てを当てがって重ね合わせた板を裏当てに固定し、表側から摩擦接合用回転工具を回転させながら当て、圧入ピンを突き立て下側の板に達するまで差し込み、回転数1000rpmで攪拌し、圧入ピンの差し込みから引き抜くまでの摩擦接合時間を3〜4秒の範囲として、点接合継ぎ手を形成した。摩擦接合用回転工具の回転軸の径は10mmとし、圧入ピンは径が3mm、長さが1.2mmのものとした。
【0029】
この点接合継ぎ手と、同じ径のナゲットが形成された抵抗スポット溶接継ぎ手について、剪断引張試験を行った結果、この点接合継ぎ手は圧入穴の内側で破断し、破断強度は抵抗スポット溶接継ぎ手の140%であった。
【0030】
実施例1
図2に示すように、アルミニウム合金材質、AA6111(調質:T4、厚さ:1mm)の板を2枚重ね合わせ、裏側から鋼製裏当てを当てがって重ね合わせた板を裏当てに固定し、表側から肩部に段差部を設けた摩擦接合用回転工具を回転させながら当て、圧入ピンを突き立て下側の板に達するまで差し込み、回転数1000rpmで攪拌し、圧入ピンの差し込みから引き抜くまでの摩擦接合時間を3〜4秒の範囲として、点接合継ぎ手を形成した。摩擦接合用回転工具の回転軸の径は10mmとし、回転軸の基部に径5mm、高さ0.2mmの段差部を設けるとともに、段差部に径3mm、長さ1.2mmの圧入ピンを設けた。
【0031】
この点接合継ぎ手と、同じ径のナゲットが形成された抵抗スポット溶接継ぎ手について、剪断引張試験を行った結果、この点接合継ぎ手は段差部において栓抜け破断し、抵抗スポット溶接継ぎ手の180%の破断強度があることが認められた。更に、この点接合継ぎ手を100個作製し、剪断引張試験を行ったところ、継ぎ手強度のばらつきは±5%の範囲内であった。
【0032】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、従来の抵抗スポット溶接継ぎ手に比べて格段に優れた継ぎ手強度を有すると共に、強度のばらつきが小さく、良好な接合状態を安定して保持することができる点接合継ぎ手を、摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧入するのみで得ることが可能となる。
【0033】
即ち、階段部を設けない摩擦接合用回転工具で点接合を行うことにより形成される接合継ぎ手においては、攪拌部が小さく攪拌部外周と圧入穴との距離が小さいため、圧入穴側で破断することになるが、圧入穴部分は金属板材の陽極酸化皮膜等の影響により破断強度にばらつきが生じ易い。これに対して、階段部21をそなえた摩擦接合用回転工具で点接合を行うことにより形成される接合継ぎ手においては、メタルフローが生じて攪拌部が拡大して圧入穴側の強度が高くなり、弱め部として機能する段差部において破断するようになるから、破断は母材部分で生じることとなる。従って、接合強度のばらつきは小さいものとなり、強度設計の上で有利となる。
【0034】
請求項の発明によれば、階段部の径が圧入ピンの径の110%以上で、圧痕部の径の70%以下の範囲にあり、且つ階段部の深さは金属板材の厚みの50%以下の範囲にあるから、継ぎ手強度が更に高く、且つばらつきの少ない点接合継ぎ手を更に安定して得ることが可能となる。
【0035】
また、請求項4の発明によれば、上記の点接合継ぎ手を効率よく形成することができ、特に、輸送機器部材の接合に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 点接合継ぎ手の参考例を示す断面図である。
【図2】 本発明の点接合継ぎ手の実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明の図2の点接合継ぎ手の作製方法の実施形態を示す断面図である。
【図4】 本発明の図2の点接合継ぎ手の作製方法の実施形態を示す断面図である。
【図5】 本発明における図3〜4に従って成形した後の点接合継ぎ手の実施形態を示す断面図である。
【図6】 本発明の点接合継ぎ手の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1a 点接合継ぎ手
2、3 金属板材
4、4a 摩擦接合用回転工具
5 圧入ピン
6 攪拌部
7 肩部
8、8a 圧入穴
9、9a 段差部
20 回転軸
21、21a 階段部
22 裏当て材
23 盛上部
24 圧痕部

Claims (5)

  1. 複数の重ね合わせた金属板材に対して、これらの金属板材より硬質な摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧入、攪拌して攪拌部を形成し、該攪拌部を圧入ピンの基部を形成する前記回転工具の肩部と該肩部と圧入ピンとの間に設けられた階段部で押圧することにより、圧入ピンによる圧入穴を形成し、該圧入穴の近傍において前記複数の重ね合わせた金属板材を接合する際に形成される点接合継ぎ手であって、圧入ピンの圧入により形成される圧入穴の周辺に前記階段部の押圧により形成された肩部より小径の段差部が設けられていることを特徴とする点接合継ぎ手。
  2. 前記圧入穴の周辺に設けられた段差部の径(L1 )は、圧入ピンの径(d1 )の110%以上で肩部が前記金属板材に擦れて生じた圧痕部の径(L 2)の70%以下の範囲(1.1×d1 ≦L1 ≦0.7×L 2)にあり、前記段差部の深さ(D)は金属板材の厚み(T)の50%以下の範囲(D≦0.5×T)にあることを特徴とする請求項記載の点接合継ぎ手。
  3. 前記金属板材が、アルミニウム、銅、マグネシウム、鉄及びこれらの合金から選択される材質からなることを特徴とする請求項1または2記載の点接合継ぎ手。
  4. 複数の重ね合わせた金属板材に裏当て材を配置し、金属板材より硬質な摩擦接合用回転工具の圧入ピンを圧入、攪拌して攪拌部を形成し、該攪拌部を、圧入ピンの基部を形成する前記回転工具の肩部と該肩部と圧入ピンとの間に設けられた階段部で押圧した後、圧入ピンを上方に引き上げ、圧入ピンの圧入により形成される圧入穴の周辺に階段部の押圧により形成された肩部より小径の段差部を設けることによって、前記複数の重ね合わせた金属板材の点接合継ぎ手を形成することを特徴とする点接合方法。
  5. 前記金属板材が、アルミニウム、銅、マグネシウム、鉄及びこれらの合金から選択される材質からなることを特徴とする請求項記載の点接合方法。
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