JP2001319302A - 情報記録装置 - Google Patents

情報記録装置

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JP2001319302A
JP2001319302A JP2000139466A JP2000139466A JP2001319302A JP 2001319302 A JP2001319302 A JP 2001319302A JP 2000139466 A JP2000139466 A JP 2000139466A JP 2000139466 A JP2000139466 A JP 2000139466A JP 2001319302 A JP2001319302 A JP 2001319302A
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Shuji Nishida
周治 西田
Ikuya Tagawa
育也 田河
Yuji Uehara
裕二 上原
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Fujitsu Ltd
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    • G11B2005/0013Controlling recording characteristics of record carriers or transducing characteristics of transducers by means not being part of their structure of transducers, e.g. linearisation, equalisation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高記録密度でかつエラーレートを低減する
ように情報の記録を行う情報記録装置を提供する。 【解決手段】記録媒体に近接あるいは接触して配置され
て、その記録媒体に対して相対的に移動し、その記録媒
体の各微小領域上を通過する際にその各微小領域に磁界
を印加する記録ヘッド20と、その記録ヘッドを制御し
て、上記記録媒体に少なくとも情報の記録が行われない
待機中に、その記録ヘッドに、その記録媒体の所定の空
き領域中の各微小領域に磁界を印加させてその各微小領
域の磁化の方向を揃えることによりその所定の空き領域
中の情報を消去させる磁気ヘッド制御部55とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体に情報を
記録する情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの普及に伴って、日
常的に多量の情報が取り扱われるようになっており、こ
のような多量の情報を記録する情報記録装置の1つとし
て、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk
Drive)が使用されている。HDDは、通常、情
報が記録されるディスク状の媒体である磁気ディスク、
この磁気ディスクに情報を記録する記録ヘッド、および
この磁気ディスクに記録された情報を再生する再生ヘッ
ドを有する。
【0003】磁気ディスクは、表面あるいは表面近傍に
強磁性材料からなる磁性層を有するものであり、その磁
性層の各微小領域でそれぞれ独立して磁化が保持され
る。磁気ディスクは、HDD動作時に、HDD内部で高
速に回転する。
【0004】記録ヘッドは、微小な記録コイルと一対の
磁極とを有するものであり、通常、そのように高速に回
転する磁気ディスクに再生ヘッドとともに近接して配置
される。記録ヘッドの一対の磁極は、磁気ディスクのト
ラックの延びる方向に所定の間隔(ギャップ長:GL)
で互いに対向しており、またトラック幅方向にトラック
幅相当の所定幅(コア幅:w)を有する。記録ヘッドの
記録コイルに信号電流が流されると、この記録コイルか
らその信号電流に応じた磁界が発生し、その磁界は記録
ヘッドの一対の磁極から外部に漏れ出て、上記磁気ディ
スクの表面の各トラックの磁化の方向を、微小な長さ単
位で適宜反転させる。磁気ディスクの各トラックには、
このような磁化の反転によって磁化の記録パターンが形
成され、情報がこの記録パターンの形で記録される。
【0005】なお、HDDでは、一般に、磁気ディスク
上に既に記録されている前歴の磁化の記録パターンの上
に新たな磁化の記録パターンを重ね書きするオーバライ
ト記録が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このオーバラ
イト記録では、記録ヘッドによってトラック上に印加さ
れる記録磁界が、前歴の磁化から生ずる反磁界によって
弱められることによって、記録磁界により磁化の方向が
反転された領域(磁化反転領域)境界の磁化遷移点の位
置がシフトするハードトランジションシフト(HTS)
が生ずる。このHTSのシフト量は上記前歴の磁化の記
録パターンに依存する量であるため、予めそのシフト量
を予想して磁化遷移点の位置を調整することは困難であ
る。HTSが生ずると、上記再生ヘッドによって記録パ
ターンの情報を含む再生波形が生成されるがその再生波
形のピーク位置がシフトしてしまうため、エラーレート
(記録パターンの磁化の方向の読み取りエラーが発生す
る頻度)が増大する。
【0007】このHTSは、記録ヘッドのギャップ長G
Lを広げれば、前歴の磁化から生ずる反磁界の強さが低
減されるため、シフト量が減少することが知られてい
る。但し、ギャップ長GLを広げることによって、記録
ヘッドからの磁界がトラックの外側に漏れ出る記録にじ
みの領域も広がる。従来のように、トラック幅が広く磁
気ディスクに記録される情報の記録密度が低い場合に
は、ギャップ長GLを広げることによってエラーレート
を低減することができる。しかし、近年、磁気ディスク
の記録密度が急速に向上しており、このように記録密度
が高い場合には、ただ単にギャップ長GLを広げるだけ
では、HTSの影響が抑えられたとしても記録にじみの
影響でやはりエラーレートが増大してしまう。
【0008】本発明は、上記事情に鑑み、高記録密度で
かつエラーレートを低減するように情報の記録を行う情
報記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の情報記録装置のうちの第1の情報記録装置は、表面
の各微小領域に磁化を担持するディスク状の記録媒体の
その各微小領域に磁界を印加してその各微小領域の磁化
の方向を反転させることによりその記録媒体に情報を記
録する情報記録装置であって、上記記録媒体に近接ある
いは接触して配置されて、上記記録媒体に対して相対的
に移動し、その記録媒体の各微小領域上を通過する際に
その各微小領域に磁界を印加する磁気ヘッドと、上記磁
気ヘッドを制御して、上記記録媒体に少なくとも情報の
記録が行われない待機中に、その磁気ヘッドに、その記
録媒体の所定の空き領域中の各微小領域に磁界を印加さ
せてその各微小領域の磁化の方向を揃えることによりそ
の所定の空き領域中の情報を消去させる磁気ヘッド制御
部とを備えたものであることを特徴とする。
【0010】上記本発明の第1の情報記録装置は、待機
中に情報の消去を行うものであるため、後に実施形態で
述べるように、上述したHTS等の磁化遷移点の位置の
調整を効率良く行うことができる。また、このような磁
化遷移点の位置の調整により、高記録密度での情報の記
録が小さなエラーレートをもたらすように行われる。
【0011】上記本発明の第1の情報記録装置は、上記
磁気ヘッド制御部が、上記磁気ヘッドを制御して、その
磁気ヘッドに、情報を消去した上記空き領域中の各微小
領域に磁界をその磁界の方向に応じた各タイミングで印
加させることにより情報を記録させるものであることが
好ましい。
【0012】このような各タイミングで適切に磁界が印
加されることによって、後に実施形態で述べるように、
上述したHTS等の磁化遷移点の位置が調整される。
【0013】また、上記本発明の第1の情報記録装置
は、上記磁気ヘッド制御部が、上記磁気ヘッドを制御し
てその磁気ヘッドに、上記各微小領域に対して磁界を2
回以上印加させることによりその微小領域中の情報を消
去させるものであることが好ましい。
【0014】このように磁界を2回以上印加させること
により、情報の消去がより確実に行われる。
【0015】また、上記本発明の第1の情報記録装置
は、上記磁気ヘッド制御部が、情報を記録する際よりも
情報を消去する際により強い磁界を上記磁気ヘッドに印
加させるものであることが好ましい。
【0016】このように強い磁界を印加させることによ
り、情報の消去がより確実に行われる。
【0017】また、上記第1の情報記録装置は、上記磁
気ヘッドが、情報の記録を行う記録ヘッドを有するもの
であって、その記録ヘッドが情報の消去をも兼ねるもの
であることが好ましい。
【0018】上記本発明の第1の情報記録装置のよう
に、磁気ヘッドによって、待機中に、情報を消去すると
いう機能を有する装置には、例えば、記録を記録用ヘッ
ドで行い、消去を消去用ヘッドで行うというように記録
と消去をそれぞれ互いに異なる磁気ヘッドを用意する必
要はなく、記録ヘッドと消去ヘッドを兼ねた1つの磁気
ヘッドを用意すれば十分である。この場合には、装置
は、簡単な構成で済み、安価なものとなる。また、後述
する位置ずれも生じない。
【0019】上記目的を達成する本発明の情報記録装置
のうちの第2の情報記録装置は、表面の各微小領域に磁
化を担持する回転自在なディスク状の記録媒体のその各
微小領域に磁界を印加してその各微小領域の磁化の方向
を反転させることによりその記録媒体に情報を記録する
情報記録装置であって、上記記録媒体に近接あるいは接
触しながらその記録媒体に対して相対的に移動しその記
録媒体の各微小領域上を通過する際にその各微小領域に
磁界を印加することにより情報を記録する、所定の回転
中心を有し先端部が上記記録媒体上をその記録媒体の直
径方向に移動するアームのその先端部に固着された記録
ヘッドと、上記記録ヘッドを制御して、その記録ヘッド
に、上記記録媒体の所定の領域中の各微小領域に磁界を
印加させてその各微小領域の磁化の方向を互いに揃える
ことによりその所定の領域中の情報を消去させ、その記
録ヘッドに、情報を消去したその所定の領域の各微小領
域に磁界をその磁界の方向に応じた各タイミングで印加
させることにより情報を記録させる記録ヘッド制御部と
を備えたものであることを特徴とする。
【0020】上記本発明の第2の情報記録装置では、後
に実施形態で述べるように、上記各タイミングが適切に
設定されることにより、上述したHTSを打ち消すよう
に磁化遷移点の位置を調整することができるため、高記
録密度での情報の記録が小さなエラーレートをもたらす
ように行われる。
【0021】仮に、情報を記録する記録ヘッドとは独立
して、情報を消去するために専用に用いられる消去ヘッ
ドが存在する場合には、例えば、この記録ヘッドと消去
ヘッドは、互いに重なり合う形で上記アームの先端部に
形成されて、その先端部が記録媒体のトラック上に位置
する際に、トラック幅方向に同じ位置に位置することが
望ましい。しかし、上記アームの先端部の移動に伴うア
ームの角度の変動により、その先端部の記録ヘッドと消
去ヘッドのトラック幅方向の位置は互いにずれてしま
う。このままでは、記録ヘッドの記録能力と消去ヘッド
の消去能力に、上記アームの角度によってずれが生ず
る。
【0022】これに対して、上記本発明の第2の情報記
録装置は、上記所定の領域への情報の記録と消去とを1
つの記録ヘッドで行うものであるため、構成が簡単です
み安価であるとともに、上述した位置のずれが無く、記
録と消去とをそれぞれ適切に行うことができる。
【0023】上記本発明の第2の情報記録装置は、上記
本発明の第1の情報記録装置と同様に、上記磁気ヘッド
制御部が、上記磁気ヘッドを制御してその磁気ヘッド
に、上記各微小領域に対して磁界を2回以上印加させる
ことによりその微小領域中の情報を消去させるものであ
ることが好ましく、また、上記磁気ヘッド制御部が、情
報を記録する際よりも情報を消去する際により強い磁界
を上記磁気ヘッドに印加させるものであることが好まし
い。
【0024】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態について説
明する。
【0025】図1は、本発明に係るハードディスクドラ
イブの一実施形態を示す図である。
【0026】同図に示すハードディスクドライブ(HD
D)100は、本発明の情報記録装置に相当するもので
ある。同図に示すHDD100のハウジング101に
は、回転軸102、回転軸102に装着される磁気ディ
スク103、磁気ディスク103に対向する浮上ヘッド
スライダ104、アーム軸105、浮上ヘッドスライダ
104を先端に固着してアーム軸105を中心に磁気デ
ィスク103上を水平移動するキャリッジアーム10
6、およびキャリッジアーム106の水平移動を駆動す
るアクチュエータ107が収容される。
【0027】磁気ディスクへの情報の記録および磁気デ
ィスク103に記憶された情報の再生にあたっては、磁
気回路で構成されたアクチュエータ107によってキャ
リッジアーム106が駆動され、浮上ヘッドスライダ1
04が回転する磁気ディスク103上の所望のトラック
に位置決めされる。浮上ヘッドスライダ104には、図
1には図示しない複合型磁気ヘッドが設置されている。
この複合型磁気ヘッドは、再生ヘッドと本発明にいう磁
気ヘッドに相当する記録ヘッドとからなるものであり、
磁気ディスク103の回転によって、磁気ディスク10
3の各トラックに並ぶ各微小領域に順次近接する。情報
の記録時には、このように磁気ディスク103に近接し
た複合型磁気ヘッドの記録ヘッドには電気的な記録信号
が入力され、この記録ヘッドにより、その記録信号に応
じてそれらの各微小領域に磁界が印加されて、その記録
信号に担持された情報がそれらの各微小領域の磁化の方
向として記録される。また、この記録ヘッドにより、情
報の直流消去が行われる。情報の直流消去時には、記録
ヘッドには所定の直流電流が入力され続け、この記録ヘ
ッドにより、上記各微小領域に、トラックの延びるいず
れか所定の方向を向く所定の強さの磁界が印加されて、
それらの各微小領域の磁化の方向が互いに揃えられる。
また、情報の再生時には、それらの各微小領域の磁化の
方向として記録されている情報が、再生ヘッドによっ
て、それらの磁化から発生する磁界に応じて生成される
電気的な再生信号として取り出される。ハウジング10
1の内部空間は、図示しないカバーによって閉鎖され
る。なお、複合型磁気ヘッド30は、磁気ディスク10
3に、例えば潤滑剤などを介して接触するものも考えら
れる。
【0028】図2は、本実施形態のHDDに用いられた
複合型磁気ヘッドの側断面図であり、図3は、本実施形
態のHDDに用いられた複合型磁気ヘッドの浮上面図
(正面図)である。ここで、浮上面とは、複合型磁気ヘ
ッドの、磁気ディスクに対向する面をいう。
【0029】図2、図3に示す複合型磁気ヘッド30
は、上記HDD100内では、これらの図2、図3には
図示しない磁気ディスク103に近接して位置決めされ
ている。図2に示す複合型磁気ヘッド30は、同図左側
に示される浮上面fで磁気ディスク103に面してい
る。図3は複合型磁気ヘッドの浮上面図であるので、同
図に示す複合型磁気ヘッド30は、同図正面部分で磁気
ディスク103に面している。
【0030】図2、図3に示すように、複合型磁気ヘッ
ド30は、大別して再生ヘッド10と記録ヘッド20か
ら構成されており、再生ヘッド10に記録ヘッド20が
付加された構造となっている。
【0031】再生ヘッド10は、磁気抵抗効果素子や電
極などを含み磁気ディスク103からの磁界を受けてそ
の磁界に応じた再生信号を生成する素子部11と、この
素子部11の膜厚方向の両側から挟むようにように配置
された、軟磁性材料からなる再生下部シールド12およ
び再生上部シールド21とを有する。
【0032】また、記録ヘッド20は、再生ヘッド10
の再生上部シールド21を兼ねた下部磁極21と、この
下部磁極21上に形成された、Al23(アルミナ)か
らなる第1の絶縁層22と、この第1の絶縁層22上に
形成された、Cuからなる記録コイル23と、上記下部
磁極21およびこの記録コイル23上に形成されて、こ
の記録コイル23を覆うレジストからなる第2の絶縁層
24と、同じく下部磁極21上に、浮上面f近傍部分に
おいて形成された、下部副磁極1、非磁性膜2、上部副
磁極3が順に積層された主要積層膜と、その主要積層膜
上、また上記第2の絶縁層24上、さらに図2中央付近
の記録コイル23の中心部分では上記下部磁極21上に
積層するように形成されてなる上部磁極25とを有す
る。
【0033】なお、上記第1の絶縁層22は、アルミナ
からなるものに限らず、アルミナ以外の非磁性の絶縁材
料からなるものであってもよい。また、上記第2の絶縁
層24は、レジストからなるものに限らず、レジスト以
外の非磁性の絶縁材料からなるものであってもよい。
【0034】上部磁極25と下部磁極21は、図2に示
すように、記録コイル23の中心部分を通って記録コイ
ル23の回りを1周する磁気回路を形成している。この
記録コイル23から発生した磁界は、上記上部磁極25
および上記下部磁極21中を通り、上記磁気ディスク1
03に面した、上記下部磁極21と上部磁極25とが対
向する部分付近の、後述する下部副磁極1および上部副
磁極3から外部に漏れ出す。この外部に漏れ出した磁界
によって、上述した磁気ディスク103の各微小領域の
磁化が反転される。
【0035】次に、上記記録ヘッド20の主要部を構成
する主要積層膜について説明する。
【0036】図4は、図2に示す複合型磁気ヘッドにお
ける記録ヘッドの主要積層膜近傍の側断面図である。
【0037】同図では、図2に示す記録ヘッド20の、
同図左側の点線で囲まれた主要積層膜近傍部分Pが拡大
されて示され、また、記録ヘッド20が、記録ヘッド2
0の浮上面fで磁気ディスク103に面する様子が示さ
れる。
【0038】記録ヘッド20の、同図に示される部分
は、下部磁極21と、この下部磁極21上に積層された
下部副磁極1、この下部副磁極1上に積層された非磁性
膜2、およびこの非磁性膜2上に積層された上部副磁極
3からなる主要積層膜と、その主要積層膜上に積層され
た上部磁極25とからなる。
【0039】下部磁極21および上部磁極25は、例え
ば、厚さ3μmのNi50Fe50(at%)膜からなる磁
極である。また、上記主要積層膜を構成する、下部副磁
極1は、例えば、厚さ1μmのNi50Fe50膜からなる
磁極であり、非磁性膜2は、例えば、厚さ0.1μmの
アルミナ膜からなり、上部副磁極3は、例えば、厚さ2
μmのNi50Fe50膜からなる磁極である。
【0040】なお、これらの厚さは一例であって、下部
磁極21および上部磁極25、並びに上記主要積層膜を
構成する各副磁極および各非磁性膜の、それぞれの厚さ
は、上記厚さに限られるものではない。
【0041】また、上述した、下部磁極21、上部磁極
25、下部副磁極1、および上部副磁極3それぞれは、
Ni50Fe50のみならず、Ni80Fe20(at%)、C
oNiFe、FeZrN等の軟磁性材料からなるもので
あってもよく、また、Ni50Fe50も含めてこれらの軟
磁性材料を複数層積層してなる膜であってもよい。ま
た、上記非磁性膜2は、アルミナのみならず、アルミナ
以外の非磁性材料からなるものであってもよい。
【0042】この主要積層膜は、膜が長方形にトリミン
グされており、この記録ヘッドの浮上面fに近接する部
分での、磁気ディスク103のトラック幅方向、すなわ
ち図3の浮上面図で見て主要積層膜の広がる方向に0.
5μmのコア幅wを有し、高さ方向、すなわち図4の側
断面図で見て磁気ディスク103の面に対し垂直な方向
に1.5μmの高さdを有する。また、ギャップ長GL
は、下部副磁極1と上部副磁極3との間の間隔によって
規定され、ここでは、0.1μmとなる。
【0043】なお、これらのコア幅w、高さd、および
ギャップ長GLそれぞれの値は、一例であって、上述し
た値に限られるものではない。
【0044】図4に示されるように、記録ヘッド20
は、近接した磁気ディスク103とは相対的に同図下向
きの矢印Aの方向に移動している。ここで、下部副磁極
1は、記録ヘッド20の移動方向側に位置し、上部副磁
極3は、その移動方向とは反対側に位置している。
【0045】同図には、下部副磁極1と上部副磁極3と
の間に漏れ出る磁界Hが模式的に示されている。その磁
界Hによって磁気ディスク103の各微小領域の磁化の
方向が適宜反転され、順次、情報が記録される。
【0046】但し、従来例で説明したように、ただ単
に、前歴の磁化の記録パターン上に新たな記録パターン
のオーバライトを行うとHTSが生ずる。
【0047】図5は、HTSの説明図である。
【0048】図5(A)、図5(B)では、いずれも、
上述した下部副磁極1および上部副磁極3から、磁気デ
ィスク103の1つのトラック上に磁界が印加される様
子が示される。これらの図のいずれにおいても、下部副
磁極1は図の右側に、上部副磁極3は図の左側に示さ
れ、磁気ディスク103の1つのトラックTは、これら
の副磁極に図の下側に示される。これらの副磁極は、こ
のトラックTに対して相対的に同図右向きの矢印Aの方
向に移動する。なお、この図5および以下で示す図にお
いて、トラックTの、副磁極の移動するこの矢印Aの方
向を前方とし、この矢印Aの方向とは反対の方向を後方
とする。これらの副磁極によって、このトラックTの後
方から前方に向けて順に記録磁界が印加される。トラッ
クTには、記録された磁化の方向が、左向き(後向き)
あるいは右向き(前向き)の矢印によって表されてい
る。ここで、トラックTの、これらの図に示される領域
では、左向き(後向き)の前歴磁化が存在しているもの
とする。
【0049】図5(A)における円弧状の実線r1で囲
まれる領域は、記録ヘッド20の上記副磁極から漏れ出
る磁界が磁気ディスク103の保磁力Hcより強い領域
を表す。同図は、磁界が後方に印加される場合を示して
おり、トラックTの前歴磁化は反転せず、実線r1で囲
まれる領域の磁化m1は、この領域の次に磁界が印加さ
れる、この領域の前方の領域の磁化m0と同じく後向き
のままである。なお、この領域の後方の領域は、既に磁
界が印加された領域であり、トラックTのビット長ごと
に区切られた微小領域の磁化が前向きあるいは後向きに
方向付けられている。
【0050】図5(B)における円弧状の破線r1’で
囲まれる領域は、図5(A)の円弧状の実線r1で囲ま
れる領域と同じ領域を表す。図5(B)は、図5(A)
の場合とは逆に、磁界が前方に印加される場合を示して
おり、この磁界によってトラックTの前歴磁化は前向き
に反転させられる。このように磁化が反転すると、この
磁化が反転した領域には、磁化の極から反磁界が付与さ
れる。仮にこの反磁界が存在しなければ、上記破線r
1’で囲まれる領域が、磁化が反転される磁化反転領域
となるが、反磁界によって、この磁化反転領域は、破線
r1’で囲まれる領域より小さな、円弧状の実線r2で
囲まれる領域に狭められる。上記HTSは、この後方側
の境界での前方方向へのシフトをいう。これは、上述し
たように記録磁界が印加される領域は後方から前方に移
動するため、実質的には、その領域の後方側の境界で磁
化の方向が決定されるためである。HTSが生ずると、
再生波形のピーク位置がシフトするため、エラーレート
が増大する。なお、このHTSは、このように反磁界に
起因するものであるため、記録ヘッドの記録磁界の強度
が十分に強い場合にも発生する。
【0051】このHTSと前歴磁化の記録パターンとの
関係について図6を用いて説明する。
【0052】図6は、前歴磁化によるHTSのシフト量
の変化を説明する図である。
【0053】図6(A)は、図5(B)と同じ図であ
る。円弧状の実線r2に囲まれる領域の前方の磁化m0
は後ろ向きとなっている。HTSのシフト量は、シフト
量h1となっている。
【0054】図6(B)は、図6(A)と比べて、円弧
状の実線r2に囲まれた磁化反転領域の前方の領域に、
磁化遷移点p1が存在し、この磁化遷移点p1の後方で
磁化の方向が後ろ向きになり、前方で磁化の方向が前向
きとなっている状況を示す。磁化反転領域には、この磁
化遷移点p1から、この磁化反転領域の境界の磁化遷移
点による上記反磁界を弱める方向に磁界が働くため、磁
化反転領域は図6(A)の磁化反転領域よりも広く、H
TSのシフト量h2は、図6(A)に示すシフト量h1
よりも小さくなる。
【0055】図6(C)は、図6(B)に示す磁化遷移
点p1よりもさらに磁化反転領域に近い場所に磁化遷移
点p2を有する。この磁化遷移点p2からこの磁化反転
領域に働く磁界は、上記磁化遷移点p1からの磁界より
も強いため、図6(C)の磁化反転領域は図6(B)に
示す磁化反転領域よりも広く、HTSのシフト量h3
は、図6(B)に示すHTSのシフト量h2よりも小さ
くなる。
【0056】このように、前歴磁化の記録パターンによ
ってHTSのシフト量は異なる。しかし、予め直流消去
を行って前歴磁化を一方向に揃えることにより、HTS
のシフト量は常に決まった値をとることになる。このよ
うに、HTSのシフト量が決まった値をとると、図7を
用いて説明する記録前補正を行うことによりHTSの影
響を消し去ることができる。なお、このHTS以外に、
磁化反転領域の後方の、直前に記録された記録パターン
からの反磁界に基づくシフトであるNLTS(Non−
Linear Transition Shift)が
存在するが、このNLTSのシフト量は、予測可能であ
って、やはり以下に述べる記録前補正によって補正可能
である。
【0057】図7は、記録前補正の説明図である。
【0058】図7(A)には、トラックTが直流消去さ
れて、磁化が前向きに揃えられた状態が示されている。
図7(B)には、トラックTに記録する、目標となる磁
化の記録パターンの一例が示されている。ここでは、こ
の記録パターンは、トラックTの後方から、順に、前向
き、後向き、前向き、後向き、前向きの磁化が記録され
たものである。目標となるこの記録パターン上の磁化の
磁化遷移点それぞれを後方から順に、点p1,p2,p
3,p4とする。
【0059】図7(C)には、図7(B)に示す磁化の
記録パターンを目標として印加される記録電流の一例が
示されている。横方向は、トラックT上の各位置に、図
5に示す円弧状の実線r1で示される領域の後方側の境
界が位置する時間を表し、縦方向は、後向きに磁界を発
生させる場合を正とした記録電流の大きさを示す。ここ
では、その後方側の境界が、後方から点p1までの位
置、点p1〜点p2の位置、点p2〜点p3の位置、点
p3〜点p4の位置、点p4の前方の位置それぞれの位
置にある場合に、前方、後方、前方、後方、前方それぞ
れに向く記録磁界が印加される。
【0060】図7(D)には、図7(C)に示す記録電
流によって実際に記録される磁化の記録パターンが示さ
れる。この記録パターンは、図7(B)に示す目標とす
る記録パターンとは異なり、目標とする磁化遷移点のう
ち、点p1、点p3に生ずることが期待される各磁化遷
移点が前方方向の点p1’、点p3’にシフトする。こ
のシフトは、前向きの前歴磁化に対し、後向きの記録磁
界を印加することによって生じたHTSである。但し、
この記録パターンは、図7(A)に示す直流消去された
トラックに記録されたものであるため、この記録パター
ンで生ずるHTSのシフト量は、いずれも同じ値となっ
ている。
【0061】このようにHTSのシフト量がいずれも同
じであるため、図7(C)に示す記録電流の代わりに、
図7(E)に示すように、後向きに磁界を印加させるよ
うに記録電流を変化させるタイミングを上記HTSのシ
フト量に応じて早める記録前補正を行った補正記録電流
を使用することによって、図7(F)に示すように、H
TSが生じても点p1,p2,p3,p4に磁化遷移点
を持つ、目標とする記録パターンが形成される。
【0062】この記録パターンから再生時にシフトの無
い再生波形を得ることができ、エラーレートが改善され
る。
【0063】この記録前補正によってシフトを打ち消
す、本実施形態のHDD100の機能面からの説明を以
下に行う。
【0064】図8は、本実施形態のHDDの機能ブロッ
ク図である。
【0065】同図には、アクセス判定部51、空き領域
情報取得部52、記録情報取得部53、記録領域決定部
54、記録ヘッド制御部55、および記録ヘッド20と
からなるHDD100が示される。この記録ヘッド制御
部55が本発明にいう磁気ヘッド制御部に相当する。
【0066】アクセス情報取得部51は、ある時点で、
再生ヘッド10および記録ヘッド20が磁気ディスク1
03にアクセスして記録・再生を行っているか否かを示
すアクセス情報を取得するものである。
【0067】空き領域情報取得部52は、アクセス情報
取得部51によって取得された情報によって、現在HD
D100により記録も再生も行われていないというもの
であった場合に、実際には磁気ディスク103上に残っ
ているけれども消去が許可されている記録パターンの領
域である空き領域の位置情報を取得するものである。
【0068】記録情報取得部53は、磁気ディスク10
3に記録する記録パターンを表す記録情報をHDD10
0の外部から取得するものである。
【0069】記録領域決定部54は、上記記録情報取得
部53によって取得された記録情報を記録する空き領域
を決定し、その空き領域が直流消去されているか否かの
情報を取得するものである。なお、この記録領域決定部
54は、磁気ディスク103上の既に直流消去されてい
る領域の情報を取得し、その直流消去された領域のうち
から、上記記録情報を記録する領域を決定するものであ
ってもよい。
【0070】記録ヘッド制御部55は、消去制御部55
_1と記録制御部55_2とからなる。
【0071】消去制御部55_1は、上記空き領域情報
取得部52によって取得された位置情報を受けた場合に
は、記録ヘッド20を制御して、その記録ヘッド20に
その位置情報で表される領域中の各微小領域に磁界を印
加させてそれらの各微小領域の磁化の方向を互いに揃え
ることにより、その位置情報で表される領域の情報を消
去させるものであり、上記記録領域決定部54によって
決定された領域が直流消去されていない場合には、記録
ヘッド20を制御して、その記録ヘッド20に直流消去
されていない未消去領域中の各微小領域に磁界を印加さ
せてそれらの各微小領域の磁化の方向を揃えることによ
りその未消去領域の情報を消去させるものである。
【0072】記録制御部55_2は、上記記録領域決定
部54によって決定された領域が直流消去されている場
合に、記録ヘッド20を制御して、その記録ヘッド20
に、情報を消去したその領域の各微小領域に磁界を、上
記図7とともに説明した補正記録電流を用いて、その磁
界の方向に応じた各タイミングで印加させることにより
情報を記録させるものである。
【0073】このような記録ヘッド制御部55によって
制御される記録ヘッド20の動作を、再生ヘッド10の
動作も交えて、図9に示すフローチャートにまとめる。
【0074】図9は、情報の消去および記録のフローチ
ャートである。
【0075】ステップS1では、上記アクセス情報取得
部51によって取得されたアクセス情報がアクセスして
いるというものであった場合には、ステップS2へ進
み、アクセスしていないというものであった場合にはス
テップS4〜ステップS5へ進む。
【0076】ステップS2では、上記アクセス情報が、
再生ヘッド10による再生(読み込み:Read)を示
すものである場合には、ステップS3へ進み、記録ヘッ
ド20による記録(書込み:Write)を示すもので
ある場合には、ステップS6〜ステップS8へ進む。
【0077】ステップS3では、磁気ディスク103の
情報が再生ヘッド10によって読み込まれて、その情報
が再生される。
【0078】ステップS4〜ステップS5では、磁気デ
ィスク103の、上記空き領域情報取得部52によって
取得された情報で位置が規定される空き領域のうち、直
流消去が行われた領域が十分にあればステップS1へ戻
り、不十分であれば、消去制御部55_1が、記録ヘッ
ド20に、磁気ディスク103の空き領域のうちの直流
消去が行われてない領域の直流消去を行わせる。直流消
去が完了すると、ステップS1へ戻る。
【0079】ステップS6〜ステップS8では、まず、
上記記録領域決定部54によって、磁気ディスク103
の書込み対象となる空き領域が直流消去されているか否
かの情報が取得される。そして、取得された情報に基づ
いて、その空き領域が直流消去済みであれば、消去制御
部55_1が記録ヘッド20に直流消去済みのその空き
領域に対して情報を記録させ、その空き領域に未だ直流
消去が行われていない領域が存在すれば、記録制御部5
5_2が、同じく記録ヘッド20に、その領域に直流消
去が行われた後にその領域に情報を記録させる。ここ
で、情報の記録は、図7を用いて先に説明したように調
整された各タイミングで磁界を印加することによって行
われる。以上のステップS1〜ステップS8を通じて、
磁気ディスク103への情報の消去および記録、並びに
磁気ディスク103からの情報の再生が行われる。
【0080】以上述べたように、本実施形態のHDD1
00は、磁気ディスク103の直流消去された領域上に
記録磁界の印加される各タイミングが適切に設定される
ことにより、上記HTSを打ち消すように磁化遷移点の
位置を調整することができるため、高記録密度での情報
の記録が小さなエラーレートをもたらすように行われ
る。
【0081】また、本実施形態のHDD100は、磁気
ディスク103への情報の記録と消去とを一対の磁極を
有する1つの記録ヘッド20で行うものであるため、例
えば、記録を記録用ヘッドで行い、消去を消去用ヘッド
で行うというように記録と消去をそれぞれ互いに異なる
磁気ヘッドで行う場合と比べて、構成が簡単ですみ、安
価なものとなる。また、従来O/W不良と判断されてい
た不良ヘッドも、使用に耐えるものとなるため、ヘッド
製造の歩留まりも改善される。
【0082】仮に、情報を記録する記録ヘッド20とは
独立して、情報を消去するために専用に用いられる消去
ヘッドが存在する場合には、例えば、この記録ヘッド2
0と消去ヘッドは、互いに重なり合う形で上記キャリッ
ジアーム106の先端部に形成されて、その先端部が磁
気ディスク103のトラック上に位置する際に、トラッ
ク幅方向に同じ位置に位置することが望ましい。しか
し、上記先端部の移動に伴うキャリッジアーム106の
角度の変動により、その先端部の記録ヘッド20と消去
ヘッドのトラック幅方向の位置は互いにずれてしまう。
このままでは、記録ヘッド20の記録能力と消去ヘッド
の消去能力に、上記キャリッジアーム106の角度によ
ってずれが生ずる。これに対して、本実施形態HDD1
00は、情報の記録と消去とを1つの記録ヘッド20で
行うものであるため、そのような位置のずれが無く、記
録と消去とをそれぞれ適切に行うことができる。
【0083】なお、本実施形態のHDD100は、直流
消去処理中でも記録・再生の事象が発生すれば消去処理
を中止し記録・再生処理を行うものであってもよい。こ
のように情報の記録・再生が行われない待機中の時間を
利用して、直流消去処理を十分な領域で行っておけば、
情報記録時に直流消去処理を行う手間が省かれて、より
短時間で記録できるようになる。
【0084】また、本実施形態のHDD100は、上記
記録ヘッド制御部55が、記録ヘッド20に、情報を記
録させる際よりも情報を直流消去させる際により強い磁
界を印加させるものであることが好ましく、また、この
HDD100は、上記記録ヘッド制御部55が、記録ヘ
ッド20に、情報を直流消去させる際に磁界を2回以上
印加させるものであることが好ましい。
【0085】このように強い磁界の印加や、磁界の印加
の2回以上の繰り返しにより、情報の消去がより十分に
行われる。
【0086】図10は、繰り返し直流消去の説明図であ
る。
【0087】同図上半部には、図5(A)と同様に、矢
印Aで示される前方方向に進む一対の副磁極からトラッ
クTに磁界が印加される様子が示される。また、同図下
半部には、トラックT上の(a)直流消去前の磁化の記
録パターン、(b)1回目の直流消去後の磁化の記録パ
ターン、(c)2回目の直流消去後の磁化の記録パター
ンが示される。
【0088】ここでは、直流消去前の磁化の記録パター
ン(a)は、複数の磁化が前方および後方に交互に並ぶ
ものであるとする。この記録パターンに、上記一対の副
磁極から前方方向の磁界が印加される1回目の直流消去
が行われることによって、この記録パターン中の後向き
の磁化が前方方向に反転された記録パターン(b)とな
る。但し、このように反転された磁化は、元の記録パタ
ーンの反磁界などの影響によって、完全には飽和してい
ない場合がある。この場合には、弱いながらも前歴磁化
の記録パターンが磁気ディスク上に残っており、情報の
消去が不十分である。そこで、この場合、さらに、上記
一対の副磁極から前方方向の磁界が印加される2回めの
直流消去が行われると、今回は前回よりも反磁界の大き
さが小さくなるため、この完全には飽和していない磁化
が前方方向に飽和された記録パターン(c)となる。こ
のように、2回以上の直流消去によって情報の消去がよ
り十分に行われる。
【0089】なお、磁気テープやフロッピー(登録商
標)ディスク等の記録媒体を使用する記録装置でも直流
消去後の記録が行われることがある。但し、これらの記
録媒体は、塗布型媒体であって磁性層の膜厚が厚いた
め、これらの記録媒体に対する直流消去は、磁性層の深
部まで消去を行うことによる記録効率の改善を主目的と
して行われている。これに対して、本実施形態のHDD
100は、スパッタリング等の薄膜プロセスにより作成
される、磁気ディスクの磁性層の膜厚が、記録ヘッド2
0のギャップ長GLに対して十分に薄いものであり、直
流消去は、エラーレート改善を主目的として行われる。
【0090】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
【0091】上記エラーレートは、記録ヘッドによる磁
気ディスクへの情報の記録のO/W(オーバライト特
性)、すなわち、磁気ディスクに情報を上書きした場合
に、新たに記録された情報の再生出力に対する、なお残
留している上書き前の情報の再生出力の比によって評価
できる。HTSのシフト量が小さい場合には、O/Wも
エラーレートも小さいが、HTSのシフト量が大きい場
合には、O/Wもエラーレートも大きい。
【0092】<O/Wの記録密度依存>オーバライトモ
デル計算によるO/Wの記録密度依存性のシミュレーシ
ョン結果を以下に記載する。オーバライト計算は、磁気
ディスクの磁化の記録パターンを、記録パターンの磁化
遷移点上に磁荷を置いたものでモデル化して、その記録
パターンに記録磁界が印加された際の磁化遷移点のシフ
ト量を計算するものであり、そのシフト量に基づいてO
/Wが求められる。このオーバライト計算の詳細は、
「日本応用磁気学会誌」vol.24、p351(20
00)に記載されている。ここでは、このオーバライト
モデル計算は、保磁力Hcが288kA/mであり、磁
性膜の厚みtが17nmであり、磁性膜の厚み・残留磁
束密度の積tBrが0.06Tμmである磁気ディスク
と、ライトコア幅0.3μmの記録ヘッドを備えたHD
Dによるオーバライト記録を想定して行った。なお、記
録ヘッドの浮上面と磁気ディスクの磁性層の表面との間
の距離tと、磁性層の膜厚の半分d/2との和である磁
気的距離t+d/2は、特に断らない限りは30nmで
あるとする。記録ヘッドのギャップ長GLの大きさにつ
いては適宜述べる。
【0093】図11はO/Wの記録密度依存性を示す第
1のグラフである。
【0094】同図の横軸は、前歴磁化の記録パターンの
線記録密度を表す下書き周波数LFの、その下書き周波
数LFで記録された記録パターン上に上書きする記録パ
ターンの線記録密度を表す上書き周波数HFに対する比
LF/HFを表す。ここでは、上書き周波数HFを48
2kfci(kiro flux changespe
r inch)として、下書き周波数を変化させた。同
図の縦軸は、そのように上書きされてなる記録パターン
のO/Wを表す。同図では、そのO/Wの計算結果が複
数の小さな菱形で表される。グラフ中の曲線は、O/W
の計算結果を最小自乗近似した結果を表す。なお、この
計算結果は、ギャップ長GLが0.25μmの場合に得
られたものである。
【0095】同図に示されるように、O/Wは、比LF
/HF=0.02では−28dBであり、比LF/HF
が増加するにつれて単調に減少して比LF/HF=∞で
は−51dBにまで減少する。このようにO/Wは記録
密度に依存し、下書き周波数LFが大きくなるほどO/
Wが減少する。これは、図6を用いて説明したように、
磁気ディスク上の前歴磁化の記録パターンが密であるほ
ど(下書き周波数LFが高いほど)記録磁界を弱める反
磁界が小さくなることにより、オーバライト記録時のH
TSのシフト量が減少するためである。
【0096】なお、符号方式によって記録電流の最高周
波数と最低周波数の比は異なるため、符号方式によって
記録ヘッドのO/Wが変化して見えることになる。例え
ば、16/17符号方式の場合では最高周波数と最低周
波数の比は最大で8:1であり、この最大の比は、同図
の点線に示すLF/HF=0.125に相当する。この
場合のO/Wは−35dB程度となる。
【0097】また、LF/HF→∞は直流消去を行った
場合に相当する。この場合には、−51dBのO/Wが
得られており、前歴の情報が十分に消去されていること
がわかる。
【0098】また、同図黒丸で表される結果は、上述し
た直流消去後に記録前補正を行った場合を表す。図7を
用いて説明したように、直流消去後に記録前補正を行っ
た場合には、直流消去により、下書き周波数LFは0と
なるためLF/HF=0であって、記録前補正を行った
ためにHTSによる磁化遷移点のシフトは実質的には生
じないので、O/WはLF/HF→∞の場合と同じ−5
1dBとなった。
【0099】図12はO/Wの記録密度依存性を示す第
2のグラフである。
【0100】同図は、図11と同様にO/Wの記録密度
依存性を示すグラフであるが、図11に示すモデル計算
のギャップ長GLよりも小さな、0.1μmのギャップ
長GLを有する記録ヘッドを想定して行われたモデル計
算の結果を示すグラフである点において図11と異な
る。
【0101】同図に示されるように、O/Wは、比LF
/HF=0.02では−7dBであり、比LF/HFが
増加するにつれて単調に減少して比LF/HF=∞では
−35dBとなる。従って、このモデル計算のHDDで
は、例えば、16/17符号方式の場合に、−15dB
〜−20dB程度のO/Wしか得られず、通常必要とさ
れる−30dBより大きい。しかし、このようにO/W
の大きなHDDであっても、記録前にあらかじめ直流消
去を行い、直流消去後に記録前補正を施すことにより、
同図の白丸で表されるように、O/Wが−35dBのH
DDとして使用できる。
【0102】図13は、O/Wの記録密度依存性を示す
第3のグラフである。
【0103】同図も、図11、図12と同様にO/Wの
記録密度依存性を示すグラフであるが、図11、図12
に示すモデル計算とは異なり、O/Wの記録密度依存性
の実測値が示されている。ここでは、2つのHDDそれ
ぞれに対する測定それぞれが行われ、それらの測定を、
測定ケースA、測定ケースBとする。同図では、測定ケ
ースAの結果は複数の白三角で表され、測定ケースBの
結果は複数の白四角で表される。なお、いずれの測定で
用いられた記録ヘッドのギャップ長GLも0.3μmで
あり、測定ケースBでは、記録磁界を発生させる記録電
流をわざと低減させて、記録磁界を弱めた。
【0104】これらの測定結果は、いずれのケースで
も、上記モデル計算の結果と同様に比LF/HFの増大
とともにO/Wが減少するものとなっている。測定ケー
スAの場合には、比LF/HF=0.125で、O/W
が−35dBと−30dBを下回ったが、測定ケースB
の場合には、比LF/HF=0.125で、O/Wが−
28dBと−30dBより大きな値を示したため、この
ままでは、測定ケースBのHDDは使用に適さない不良
ヘッドと判定される。しかし、測定ケースBでは、比L
F/HF>0.6で、O/Wが−43dB以下となるこ
とから、このHDDは、記録前にあらかじめ直流消去を
行い、直流消去後に記録前補正を施すことにより、O/
Wは、低減化されて、16/17符号化時のO/Wと比
較して約−15dB改善されることがわかる。また、測
定ケースAの場合も、比LF/HF>0.6で、O/W
が−46dB以下となるため、同様にしてO/Wが改善
されることがわかる。
【0105】<O/Wのギャップ長依存>オーバライト
モデルによるO/Wのギャップ長GL依存性のシミュレ
ーション結果を以下に示す。
【0106】図14は、O/Wのギャップ長依存を示す
グラフである。
【0107】同図の横軸は記録ヘッドのギャップ長GL
を表し、同図の縦軸は、O/Wを表す。但し、このシミ
ュレーションによって求められたO/Wの値は比LF/
HF=0.125の場合の値である。同図では、記録ヘ
ッドの浮上面と磁気ディスクの磁性膜の膜厚中央部との
間の磁気的距離d+t/2が30nm、40nm、50
nmそれぞれの場合の結果が複数の白丸、複数の白四
角、複数の白三角それぞれによって示されている。
【0108】これらのいずれの磁気的距離d+t/2の
場合にも、O/Wは、ギャップ長GLの増大とともに単
調に減少した。この結果は、上記HTSを引き起こす反
磁界の強さが、上記領域r2のトラック方向の長さが短
くなるほど強くなることに由来する。このことから、H
TSを抑制してO/Wが小さくなるよう改善するには、
上記ギャップ長GLを大きくとって実効ギャップ長を長
くすればよいとわかる。O/Wを−30dB以下にする
には、磁気的距離d+t/2が、30nm、40nm、
50nmそれぞれの場合に、それぞれ0.1μm以上、
0.13μm以上、0.16μm以上のギャップ長GL
が必要であることがわかる。
【0109】しかし、ギャップ長GLを大きく取りすぎ
ると、記録対象となっているトラックの外に磁界が漏れ
やすくなり、そのトラック外に不必要な記録が行われる
記録にじみが、以下に示すように生ずる。
【0110】<磁界強度分布>ライトコア幅0.3μm
の記録ヘッドから磁気ディスクの磁性層に印加される記
録磁界の、ギャップ中心でのトラック幅方向の強度分布
について計算した。
【0111】図15は、記録磁界のトラック幅方向の強
度分布を示すグラフである。
【0112】同図の横軸は、トラック幅方向の位置を表
す。その位置の原点は上記副磁極の一端の位置で定義さ
れ、−0.15μmの位置に、上記副磁極の中心部、す
なわちトラックの、幅方向の中心が存在する。同図の縦
軸は、記録磁界の強さを表す。同図では、記録ヘッドの
ギャップ長GLが0.15μm、0.10μm、0.0
5μmそれぞれの場合の結果が、複数の黒菱形、複数の
黒四角、複数の黒三角それぞれによって示されている。
【0113】これらのいずれのギャップ長GLの場合に
も、記録磁界の強さは、−0.15μmの位置をピーク
として、トラック幅の中心から離れるにつれて減少し
た。記録にじみの広がりは、例えば、記録磁界の強さが
磁気ディスクの保磁力Hcを超える領域のトラック幅方
向の広がりによって規定される。ここで、上述したよう
に磁気ディスクの保磁力Hcは288kA/mであるの
で、ギャップ長GLが0.05μm、0.10μm、
0.15μmそれぞれの場合に、記録にじみの記録対象
となるトラックの外側への広がりは、0.4μm、0.
8μm、1.2μmそれぞれとなる。このように記録に
じみの広がりは、ギャップ長GLが広がるにつれて増大
する。
【0114】<ガードバンド幅とO/Wのギャップ長依
存>図14および図15に示した、O/Wのギャップ長
依存およびトラック幅方向の磁界強度分布の結果をふま
えて、ガードバンド幅(隣接トラックどうしの間の非記
録領域の幅)のギャップ長GL依存、およびO/Wのギ
ャップ長GL依存の双方の数値計算結果について説明す
る。
【0115】図16は、ガードバンド幅とO/Wのギャ
ップ長依存を示す第1のグラフであり、図17は、ガー
ドバンド幅とO/Wのギャップ長依存を示す第2のグラ
フである。
【0116】これらの図16および図17は、いずれ
も、横軸がギャップ長GLを表し、縦軸が、ガードバン
ド幅とO/Wとを表す。これらの図の複数の黒丸は、図
15を用いて説明した記録にじみの広がりの大きさに基
づいてその記録にじみを避けるために必要であると評価
されたガードバンド幅を表す。このガードバンド幅は、
記録対象となっているトラックに隣接するトラックに印
加される平均の磁界が磁気ディスクの保磁力Hcの半分
となるように決定されている。同図に示されるように、
ギャップ長GLが0.05μm、1μm、0.15μm
と増大するにつれ、必要なガードバンド幅も、0.04
μm、0.1μm、0.15μmと増大した。ガードバ
ンド幅は、増大するとトラック密度が減少してしまうた
め、高記録密度の観点から小さく抑えられることが好ま
しい。
【0117】また、これらの図の複数の黒四角は、O/
Wの計算結果を示す。図16に示すO/Wの計算結果
は、比LF/HF=0.125での従来どおりの方式で
記録パターンが記録された場合のO/Wであり、ギャッ
プ長GLが0.05μm、1μm、0.15μmと増大
するにつれ、O/Wは、−24dB、−31dB、−3
5dBと順に減少した。これに対して、図17に示すO
/Wの計算結果は、直流消去後に記録前補正を行って記
録パターンを記録した場合のO/Wであり、図16に示
す場合と同様に、ギャップ長GLが0.05μm、0.
1μm、0.15μmと増大するにつれ、O/Wは、−
38dB、−46dB、−50dBと順に減少した。ま
た、これらのO/Wの値から、直流消去および記録前補
正によってO/Wが15dB程低減されていることがわ
かる。
【0118】これらの計算結果から、高記録密度と良好
なO/Wを両立させるギャップ長GLの範囲が求められ
る。ここでは、記録密度の高さの基準を、60ktpi
(kiro track per inch)以上のト
ラック密度とし、O/Wの基準を−30dB以下とす
る。なお、コア幅0.3μmで60ktpiのトラック
密度を実現するには、0.12μm以下のガードバンド
幅が必要である。0.12μm以下のガードバンド幅を
実現するためには、図16、図17に示すように、ギャ
ップ長GLが0.12μm以下となる必要がある。
【0119】直流消去が行われない記録では、図16に
示すように、−30dB以下のO/Wを実現するため
に、ギャップ長GLが0.10μm以上であることが必
要であるため、これらのトラック密度の基準およびO/
Wの基準を両立させるためには、ギャップ長GLの設計
値が、0.10μm≦GL≦0.12μmの条件を満た
さなくてはならない。この条件は、製造公差等を考慮す
ると非常に厳しいものである。さらに、トラック密度の
基準をより厳しくして0.1μm以下のガードバンド幅
を要求された場合には、解がなくなる。このように、直
流消去が行われない記録では、低いO/Wと高いトラッ
ク密度の両立が将来的に困難になることがわかる。
【0120】これに対して、直流消去を行った後に記録
前補正を行った記録では、図17に示すように、ギャッ
プ長GLが0.05μmであっても基準となる−30d
BというO/Wを十分に下回る。このため、上記トラッ
ク密度の基準およびO/Wの基準を両立させるために
は、ギャップ長GLの設計値は、0.05μm≦GL≦
0.12μmの条件を満たせば十分である。このよう
に、直流消去を行った後に記録前補正を伴う記録を行う
HDDでは、0.1μm以下のギャップ長GLでも十分
なO/Wが得られ、高トラック密度化が容易である。
【0121】<繰り返し直流消去>図18は、O/Wの
繰り返し直流消去回数依存性を表すグラフである。
【0122】同図の横軸は、直流消去の回数を表し、縦
軸は、O/Wを表す。直流消去回数0回を表す縦軸上に
存在する白菱形、白四角、および白三角それぞれは、い
ずれも、比LF/HFが0.125である場合の、直流
消去を伴わない記録のO/Wの実測結果である。これら
の3つのHDDそれぞれは、上記白菱形、白四角、およ
び白三角それぞれによって表されるように、O/Wが−
12.2dB、−16.5dB、−22.5dBそれぞ
れを示すものである。同図の黒菱形、黒四角、および黒
三角それぞれは、上記白菱形、白四角、および白三角そ
れぞれによって表されるO/Wを示す各HDDの、直流
消去と記録前補正を伴う記録におけるO/Wの実測結果
を表す。
【0123】いずれのHDDも、図10を用いて説明し
たように、直流消去回数が増大するにつれて、O/Wが
単調に減少した。詳しく述べると、いずれのHDDも、
直流消去を行わない場合と比較して、1回の直流消去で
O/Wは6dB以上低減し、2回の直流消去でO/Wは
10dB以上低減し、10回の直流消去でO/Wは17
dB以上低減した。
【0124】この結果から、直流消去を伴わない場合の
O/Wが−30dBより大きな記録ヘッドであっても、
繰り返し直流消去を行うことで−30dBを達成でき使
用に耐えるものとなることがわかる。このように、理論
的には、所望のS/N比が得られる程度に記録能力のあ
る記録ヘッドであれば、直流消去を行わない場合のO/
Wが例えば−12dBと劣った記録ヘッドであっても、
繰り返し直流消去と記録前補正を併用することで、低い
O/Wを示す、すなわち低いエラーレートをもたらす良
好な記録ヘッドとして使用することが可能となる。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高記録密度でかつエラーレートを低減するように情報の
記録を行う情報記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハードディスクドライブの一実施
形態を示す図である。
【図2】本実施形態のHDDに用いられた複合型磁気ヘ
ッドの側断面図である。
【図3】本実施形態のHDDに用いられた複合型磁気ヘ
ッドの浮上面図(正面図)である。
【図4】図2に示す複合型磁気ヘッドにおける記録ヘッ
ドの主要積層膜近傍の側断面図である。
【図5】HTSの説明図である。
【図6】前歴磁化によるHTSのシフト量の変化を説明
する図である。
【図7】記録前補正の説明図である。
【図8】本実施形態のHDDの機能ブロック図である。
【図9】情報の消去および記録のフローチャートであ
る。
【図10】繰り返し直流消去の説明図である。
【図11】O/Wの記録密度依存性を示す第1のグラフ
である。
【図12】O/Wの記録密度依存性を示す第2のグラフ
である。
【図13】O/Wの記録密度依存性を示す第3のグラフ
である。
【図14】O/Wのギャップ長依存を示すグラフであ
る。
【図15】記録磁界のトラック幅方向の強度分布を示す
グラフである。
【図16】ガードバンド幅とO/Wのギャップ長依存を
示す第1のグラフである。
【図17】ガードバンド幅とO/Wのギャップ長依存を
示す第2のグラフである。
【図18】O/Wの繰り返し直流消去回数依存性を表す
グラフである。
【符号の説明】
1 下部副磁極 2 非磁性膜 3 上部副磁極 10 再生ヘッド 11 素子部 12 再生下部シールド 20 記録ヘッド 21 再生上部シールド、下部磁極 22 第1の絶縁層 23 記録コイル 24 第2の絶縁層 25 上部磁極 26 レジスト 30 複合型磁気ヘッド 51 アクセス判定部 52 空き領域情報取得部 53 記録情報取得部 54 記録領域決定部 55 記録ヘッド制御部 55_1 消去制御部 55_2 記録制御部 100 HDD 101 ハウジング 102 回転軸 103 磁気ディスク 104 浮上ヘッドスライダ 105 アーム軸 106 キャリッジアーム 107 アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 裕二 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5D091 AA10 FF20 HH20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の各微小領域に磁化を担持するディ
    スク状の記録媒体の該各微小領域に磁界を印加して該各
    微小領域の磁化の方向を反転させることにより該記録媒
    体に情報を記録する情報記録装置において、 前記記録媒体に近接あるいは接触して配置されて、前記
    記録媒体に対して相対的に移動し、該記録媒体の各微小
    領域上を通過する際に該各微小領域に磁界を印加する磁
    気ヘッドと、 前記磁気ヘッドを制御して、前記記録媒体に少なくとも
    情報の記録が行われない待機中に、該磁気ヘッドに、該
    記録媒体の所定の空き領域中の各微小領域に磁界を印加
    させて該各微小領域の磁化の方向を揃えることにより該
    所定の空き領域中の情報を消去させる磁気ヘッド制御部
    とを備えたものであることを特徴とする情報記録装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気ヘッド制御部が、前記磁気ヘッ
    ドを制御して、該磁気ヘッドに、情報を消去した前記空
    き領域中の各微小領域に磁界を該磁界の方向に応じた各
    タイミングで印加させることにより情報を記録させるも
    のであることを特徴とする請求項1記載の情報記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記磁気ヘッド制御部が、前記磁気ヘッ
    ドを制御して該磁気ヘッドに、前記各微小領域に対して
    磁界を2回以上印加させることにより該各微小領域中の
    情報を消去させるものであることを特徴とする請求項1
    記載の情報記録装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気ヘッド制御部が、情報を記録す
    る際よりも情報を消去する際により強い磁界を前記磁気
    ヘッドに印加させるものであることを特徴とする請求項
    1記載の情報記録装置。
  5. 【請求項5】 前記磁気ヘッドが、情報の記録を行う記
    録ヘッドを有するものであって、該記録ヘッドが情報の
    消去をも兼ねるものであることを特徴とする請求項1記
    載の情報記録装置。
  6. 【請求項6】 表面の各微小領域に磁化を担持する回転
    自在なディスク状の記録媒体の該各微小領域に磁界を印
    加して該各微小領域の磁化の方向を反転させることによ
    り該記録媒体に情報を記録する情報記録装置において、 前記記録媒体に近接あるいは接触しながら該記録媒体に
    対して相対的に移動し該記録媒体の各微小領域上を通過
    する際に該各微小領域に磁界を印加することにより情報
    を記録する、所定の回転中心を有し先端部が前記記録媒
    体上を該記録媒体の直径方向に移動するアームの該先端
    部に固着された記録ヘッドと、 前記記録ヘッドを制御して、該記録ヘッドに、前記記録
    媒体の所定の領域中の各微小領域に磁界を印加させて該
    各微小領域の磁化の方向を互いに揃えることにより該所
    定の領域中の情報を消去させ、該記録ヘッドに、情報を
    消去した該所定の領域の各微小領域に磁界を該磁界の方
    向に応じた各タイミングで印加させることにより情報を
    記録させる記録ヘッド制御部とを備えたものであること
    を特徴とする情報記録装置。
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