JP2007280566A - ディスク記録面のイレーズ処理方法及びディスク・ドライブ装置 - Google Patents

ディスク記録面のイレーズ処理方法及びディスク・ドライブ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録面の所望の領域をイレーズする。
【解決手段】本発明の一実施形態において、HDD1はサーボ・アドレス基準でヘッド素子部12を半サーボ・トラック・ピッチで移動して記録面のイレーズを行う。HDD1は、記録面の実際のイレーズを開始する前に、データ・トラック基準で構成されている管理テーブルから、サーボ・アドレス基準で構成された管理テーブルを生成する。イレーズ処理においては、HDD1は、このサーボ・アドレス基準の管理テーブルを参照して、ゾーンに対応したパレメータ設定や管理領域のスキップを実行する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ディスクの記録面をイレーズ処理する方法及びディスク・ドライブ装置に関し、特に、記録面に記録されているサーボ・データをヘッドによって読み出し、そのヘッドによってイレーズを行う方法に関する。
ディスク・ドライブ装置として、光ディスク、光磁気ディスクあるいはフレキシブル磁気ディスクなどの様々な態様のメディアを使用する装置が知られているが、その中で、ハードディスク・ドライブ(Hard Disk Drive:HDD)は、コンピュータの記憶装置として広く普及し、現在のコンピュータ・システムにおいて欠かすことができない記憶装置の一つとなっている。更に、コンピュータにとどまらず、動画像記録再生装置、カーナビゲーション・システム、あるいはデジタル・カメラなどで使用されるリムーバブルメモリなど、HDDの用途は、その優れた特性により益々拡大している。
ヘッド素子部によりデータの記録再生を行うHDDは、磁気ディスク上に形成されたサーボ・データに基づき、ヘッド素子部の位置決め制御を行う。磁気ディスク上で同心円状に形成されたトラックのそれぞれは複数のサーボ・セクタを備え、各サーボ・セクタはサーボ・データとユーザ・データから構成されている。
HDDにおいて、そのデータ記憶容量を増加することは重要な開発目標の一つである。磁気ディスクの記録密度を向上する技術として、垂直磁気記録方式が提案されている。垂直磁気記録方式は、記録磁化を記録面に対して垂直方向に向かせて記録する。垂直磁気記録は、記録磁化方向が記録面に平行な面内磁気記録と異なり、記録密度の増加に従い隣接磁区による消磁界が小さくなるため、高記録密度において高い記録安定性を実現することができる。
しかし、垂直磁気記録においては、記録面におけるDCイレーズ領域(DC磁化領域)がリード素子によるデータの読み出しに悪影響を及ぼすことが知られている。DCイレーズ領域の磁界がリード素子に対する外乱となり、リード信号のSERが大きく低下する。このため、特許文献1は、データ・トラック間の領域を含むユーザ領域全域をACイレーズすることを提案する。
データ・トラック間にDCイレーズ領域が存在すると、この領域からの磁界がリード素子に対する外乱となり、SER(Soft Error Ratio)を大きく低下させる。従って、具体的には、この領域をサーボ・データの書き込み前、あるいは、記録面へのサーボ・データの書き込み工程において、サーボ・ライタによってACイレーズ(AC磁化)することを提案している。
特開2002−230734号公報
しかし、サーボ・ライト工程がセルフ・サーボ・ライトを使用する場合、サーボ・ライト前、あるいはサーボ・ライト工程において、ACイレーズを行うことができない場合がある。セルフ・サーボ・ライトは、HDDのヘッド素子部によってパターンを書き込み、そのパターンをヘッド素子部によって読み出しながら、ヘッド素子部の位置決め及びタイミングを計った新たなパターン書き込みを行う。
セルフ・サーボ・ライトは、書き込みタイミングを測定するための基準となるタイミング・パルスやヘッド素子部の位置決めを行うラディアル・パターンを記録面に書き込むが、これらのパターンが、ACイレーズされた周囲の磁化によって、正確に検出することができないことがある。また、サーボ・ライトの手法に限らず、記録面にサーボ・データを書き込んだ後に記録面のACイレーズ処理を行う場合において、記録面における所望領域をACイレーズすることが要求される。
本発明の一態様に係るディスク・ドライブ装置は、ユーザ・データを記憶するユーザ・データ領域を有するディスク上のサーボ・データを読み出し、指定された位置において前記ディスクの記録面のイレーズを行うヘッドと、前記ヘッドを支持し、そのヘッドを移動するアクチュエータと、サーボ・アドレスを使用して前記ヘッドのターゲット位置を順次指定するイレーズ処理制御部と、前記アクチュエータを制御して、前記イレーズ処理制御部によって指定されたターゲット位置に前記ヘッドを順次移動させるリード・ライト処理部制御部を備える。サーボ・アドレスを使用して前記ヘッドのターゲット位置を順次指定することで、記録面における所望位置のイレーズを行うことができる。
好ましくは、前記イレーズ処理制御部は、データ・アドレスと制御情報とを対応づけるテーブルを参照し、そのデータ・アドレスに対応するサーボ・アドレスを特定し、前記制御情報とそのサーボ・アドレスとを対応づける。さらに、前記ターゲット位置の指定において、前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスを参照し、そのターゲット位置に応じて前記制御情報を使用した処理を行う。制御情報とサーボ・アドレスとを対応付けておくことで、サーボ・アドレスを使用してターゲット位置を指定する場合においても、適切な制御を行うことができる。
好ましい一例として、前記制御情報は前記ユーザ・データ領域のゾーンを特定し、前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスは、対応付けられたゾーンの境界を特定し、前記イレーズ処理制御部は、前記次のターゲット位置の指定において、参照したサーボ・アドレスと次のターゲットのサーボ・アドレスとから、前記次のターゲットが現在のゾーンと異なるゾーンであるか判定する。これによってゾーンに応じた制御を行うことができる。
好ましい他の一例として、前記制御情報は前記記録面において制御コードを含む制御データが記録されている管理領域を表し、前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスは、その対応づけられた前記管理領域の境界を特定し、前記イレーズ処理制御部は、前記次のターゲット位置の指定において、参照したサーボ・アドレスと次のターゲットのサーボ・アドレスとから、前記次のターゲットが前記管理領域にあるか判定する。これによって、管理領域に応じた処理を行うことができる。
隣接するターゲット位置の間隔は前記ヘッドのライト幅以下であることが好ましい。これによって、イレーズされない領域を低減することができる。あるいは、前記ヘッドは、サーボ・データ間に挟まれた領域を一単位としてイレーズすることが好ましい。これによって、円周方向においてイレーズされない領域を低減することができる。
本発明の他の態様は、サーボ・データと、ユーザ・データを記憶するユーザ・データ領域と、を有するディスクの記録面をイレーズ処理する方法である。その方法は、サーボ・アドレスを使用してターゲット位置を指定し、前記指定されたターゲット位置へ前記ヘッドを移動し、前記ヘッドがその指定されたターゲット位置をフォローイングしている状態においてイレーズを行い、前記イレーズの後にサーボ・アドレスを使用して次のターゲット位置を指定し、前記ヘッドの移動、イレーズ及び次のターゲット位置の指定を繰り返して前記記録面をイレーズする。サーボ・アドレスを使用して前記ヘッドのターゲット位置を順次指定することで、記録面における所望位置のイレーズを行うことができる。
好ましくは、さらに、データ・アドレスと、そのデータ・アドレスに対応付けられた制御情報を取得し、前記データ・アドレスに対応するサーボ・アドレスを特定しそのデータ・アドレスに対応付けられた制御情報とそのサーボ・アドレスとを対応付け、前記次のターゲット位置の指定において、前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスを参照してそのターゲット位置に応じて前記制御情報を使用した処理を行。制御情報とサーボ・アドレスとを対応付けておくことで、サーボ・アドレスを使用してターゲット位置を指定する場合においても、適切な制御を行うことができる。
好ましい一例において、前記制御情報は前記ユーザ・データ領域のゾーンを特定し、前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスは、対応付けられたゾーンの境界を特定し、前記次のターゲット位置の指定において、参照したサーボ・アドレスと次のターゲットのサーボ・アドレスとから、前記次のターゲットが現在のゾーンと異なるゾーンであるか判定する。これによってゾーンに応じた制御を行うことができる。特に、前記次のターゲット位置が現在のゾーンと異なるゾーンにある場合、その異なるゾーンに対応したパラメータ設定を行うことが好ましい。また、前記パラメータ設定は、前記異なるゾーン内のデータ・トラックを指定したシーク・コマンドを使用する。これによって、ディスク・ドライブ装置が備える通常機能を利用してパラメータ設定することができる。
好ましい他の一例において、前記制御情報は前記記録面において制御コードを含む制御データが記録されている管理領域を表し、前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスは、その対応づけられた前記管理領域の境界を特定し、前記次のターゲット位置の指定において、参照したサーボ・アドレスと次のターゲットのサーボ・アドレスとから、前記次のターゲットが前記管理領域にあるか判定する。これによって、管理領域に応じた処理を行うことができる。特に、前記次のターゲット位置が前記管理領域にある場合、そのターゲット位置におけるイレーズをスキップすることが好ましい。
本発明によれば、記録面に書き込まれているサーボ・データを使用してヘッド位置決めし、記録面における所望領域をイレーズすることができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態を説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。
以下においては、ディスク・ドライブ装置の一例であるハードディスク・ドライブ(HDD)を例として、本発明の実施形態を説明する。本形態のHDDは、サーボ・アドレスによってヘッド素子部のシーク先(ターゲット・アドレス)を指定し、そのシーク先において記録面のイレーズを行う。サーボ・アドレス基準においてヘッド素子部のシーク先を指定することで、データ・アドレス基準によるターゲット・アドレスの指定と異なり、記録面における所望の領域をイレーズすることができる。
本実施形態の特徴点の理解を容易とするため、最初に、HDDの全体構成の概略を説明する。図1は、本実施の形態に係るHDD1の構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、HDD1は、密閉されたエンクロージャ10内に、記録ディスクの一例である磁気ディスク11、ヘッドの一例であるヘッド素子部12、アーム電子回路(AE:Arm Electronics)13、スピンドル・モータ(SPM)14、ボイス・コイル・モータ(VCM)15、そしてアクチュエータ16を備えている。
HDD1は、さらに、エンクロージャ10の外側に固定された回路基板20を備えている。回路基板20上には、リード・ライト・チャネル(RWチャネル)21、モータ・ドライバ・ユニット22、ハードディスク・コントローラ(HDC)とMPUの集積回路(以下、HDC/MPU)23及びRAM24などの各ICを備えている。尚、各回路構成は一つのICに集積すること、あるいは、複数のICに分けて実装することができる。
本形態の磁気ディスク11は垂直磁気記録方式の磁気ディスクであって、記録磁化を記録面に対して垂直方向に向かせて記録する。磁気ディスク11は、SPM14に固定されている。SPM14は所定の角速度で磁気ディスク11を回転する。HDC/MPU23からの制御データに従って、モータ・ドライバ・ユニット22がSPM14を駆動する。各ヘッド素子部12はスライダ(不図示)に固定されている。また、スライダはアクチュエータ16の先端部に固定されている。アクチュエータ16はVCM15に連結され、揺動軸を中心に揺動することによって、ヘッド素子部12(及びスライダ)を回転する磁気ディスク11上においてその半径方向に移動する。モータ・ドライバ・ユニット22は、HDC/MPU23からの制御データ(本明細書においてDACOUTと呼ぶ)に従ってVCM15を駆動する。
ヘッド素子部12には、磁気ディスク11への記録データ(ライト・データ)に応じて電気信号を磁界に変換するライト素子、及び磁気ディスク11からの磁界を電気信号に変換するリード素子を備えている。なお、磁気ディスク11は、1枚以上あればよく、記録面は磁気ディスク11の片面あるいは両面に形成することができる。
AE13は、複数のヘッド素子部12の中から磁気ディスク11へのアクセスを行う1つのヘッド素子部12を選択し、選択されたヘッド素子部12により再生される再生信号を一定のゲインで増幅(プリアンプ)し、RWチャネル21に送る。また、RWチャネル21からの記録信号を選択されたヘッド素子部12に送る。RWチャネル21は、AE13から供給されたリード信号を一定の振幅となるように増幅し、取得したリード信号からデータを抽出し、デコード処理を行う。読み出されるデータは、ユーザ・データとサーボ・データを含む。デコード処理されたユーザ・データは、HDC/MPU23に供給される。また、RWチャネル21はHDC/MPU23から供給されたライト・データをコード変調し、更にコード変調されたライト・データをライト信号に変換してAE13に供給する。
HDC/MPU23において、MPUはRAM24にロードされたコードに従って動作する。HDD1の起動に伴い、RAM24には、MPU上で動作するコードの他、制御及びデータ処理に必要とされるデータが磁気ディスク11あるいはROM(不図示)からロードされる。HDC/MPU23は、リード/ライト処理制御、コマンド実行順序の管理、サーボ信号を使用したヘッド素子部12のポジショニング制御(サーボ制御)、インターフェース制御、ディフェクト管理などのデータ処理に関する必要な処理の他、HDD1の全体制御を実行する。本形態のHDC/MPU23は、磁気ディスク11の各記録面のイレーズ処理を実行する。この点については、後に詳述する。
図2を参照して、磁気ディスク11上の記録データについて説明する。図2に示すように、磁気ディスク11の記録面には、磁気ディスク11の中心から半径方向に放射状に延び、所定の角度毎に離間して形成された複数のサーボ領域111と、隣り合う2つのサーボ領域111の間にデータ領域112が形成されている。各サーボ領域111には、ヘッド素子部12の位置決め制御を行うためのサーボ・データが記録される。
データ領域112は、ユーザ・データを記憶するユーザ・データ領域と、HDD1の制御データを記憶する管理領域を有している。磁気ディスク11の記録面には、半径方向に所定幅を有し、同心円状に形成された複数のデータ・トラック113が形成される。ユーザ・データは、データ・トラックに沿って記録される。一つのデータ・トラックは、複数のデータ・セクタ(ユーザ・データの記録単位)を備えている。
データ・トラックは、磁気ディスク11の半径方向の位置に従って、複数のゾーン114a−114cにグループ化されている。図2においては、3つのゾーン114a−114cが例示されている。ゾーン毎に記録周波数が異なり、1つのデータ・トラックに含まれるデータ・セクタの数は、ゾーンのそれぞれに設定される。同様に、磁気ディスク11は、半径方向に所定幅を有し、同心円状に形成された複数のサーボ・トラックを備えている。各サーボ・トラックは、データ領域112で分離された複数のサーボ・データから構成されている。
図3は、データ領域112とサーボ領域111の一部を模式的に示している。本形態の磁気ディスク11は、データ・トラック・ピッチとサーボ・トラック・ピッチとが異なるアダプティブ・フォーマットに従ってデータを記録している。データ・トラック・ピッチとサーボ・トラック・ピッチの大小関係は、HDD1の設計によって変化し、同一HDD1内の磁気ディスク毎に変化させることができる。
また、図3は、データ読み取り時及びデータ書き込み時のライト素子121とリード素子121の位置を模式的に示している。本例において、ヘッド素子部12が磁気ディスク11上に位置するときに、ライト素子とリード素子とは、半径方向に異なる位置にある。このライト素子とリード素子の半径方向の位置の差異(距離)はリード・ライト・オフセットとよばれている。
図3において、ライト素子位置121aとリード素子位置122aとは、データ読み取り時におけるヘッド位置を示し、ライト素子位置121bとリード素子位置122bとは、データ書き込み時におけるヘッド位置を示している。また、121及び122の矩形の半径方向の寸法は、それぞれ、ライト幅及びリード幅に相当する。ライト幅はライト素子がデータを書き込む領域の半径方向の寸法であり、リード幅は、リード素子がデータを読み出す領域の半径方向の寸法である。
図3において、リード素子122aはデータ・トラックDTr_mをリードする位置に位置決めされている。一方、リード素子122bは、ライト素子121bがデータ・トラックDTr_m-2にユーザ・データを書き込むための位置に位置決めされている。データ・トラックDTr_mのリード及びデータ・トラックDTr_m-2のライトの双方において、ターゲットのサーボ・アドレスは、サーボ・トラックSTr_n上にあり、そのサーボ・トラックSTr_n内における位置が異なる。
このように、データ・トラック・ピッチとサーボ・トラック・ピッチとが異なる場合、ヘッド素子部12のターゲット位置は、常にはサーボ・トラックの中心とならず、ターゲット位置によってサーボ・トラック内の位置が異なる。そのため、ヘッド素子部12の位置決め制御のために、ターゲット位置に従って、異なるバーストを使用することが必要とされる。なお、図3は各要素を模式的に示すもので、各寸法や位置関係は実際の製品のものを正確に反映するものではない。
本形態のHDD1は、磁気ディスク11の各記録面のイレーズ処理を実行する。垂直磁気記録方式のHDDにおいて、記録面におけるDCイレーズ領域が、リード素子122によるデータの読み出しに悪影響を及ぼす。DCイレーズ領域の磁界がリード素子122に対する外乱となり、リード信号のSERが大きく低下する。特にHDD内部の機械機構を使用してサーボ・データを磁気ディスク11に書き込むセルフ・サーボ・ライトは、典型的にその記録面をDCイレーズして行うため、垂直時記録方式のHDDにおいて問題となる。そこで、本形態のHDD1は、ヘッド素子部12によって記録面のACイレーズ処理を行うことで、DCイレーズ領域をACイレーズ領域に変換する。ACイレーズは、記録面に所定周波数のパターンを書き込む。典型的には、その周波数は一定であり、ヘッド素子部が書き込むことができる最も高い周波数が選択される。
HDD1は、ユーザ・データを記録する領域をできる限りACイレーズすることが重要である。ここで、図3に示すように、データ・トラック・ピッチはライト素子121のライト幅よりも大きい。これによって、ヘッド素子部12の位置決めにおける揺れによってスクイーズが起きることを防ぐことができる。しかし、このため、データ・トラックのセンタにライト素子121を位置決めしても、データ・トラック間にDCイレーズ領域が残ってしまう。リード処理におけるSERを改善するためには、各データ・トラックに加え、このデータ・トラック間の領域もACイレーズすることが要求される。
本形態のHDD1は、サーボ・トラックを基準としてヘッド素子部12を順次位置決めし、その位置決めした位置においてライト素子121によるイレーズを行う。ターゲット位置をサーボ・アドレスで指定し、その位置にヘッド素子部12を移動する。ヘッド素子部12がそのターゲット位置をフォローイングした状態において、記録面のイレーズを行う。そのターゲット位置における1周のイレーズが終了してイレーズ・トラックが生成される。次のターゲット位置をサーボ・アドレスで指定し、ヘッド素子部12をそこに移動する。この処理を繰り返す。具体的には、図4(a)に示すように、HDD1は、ヘッド素子部12(リード素子122)を半サーボ・トラック・ピッチでターゲット位置に順次シークし、そのターゲット位置にヘッド素子部12(リード素子122)を位置決めした状態において、ライト素子121による磁気ディスク1周分のイレーズを行う。
ライト幅は半サーボ・トラック・ピッチよりも大きいため、上記処理を繰り返すことで、全データ・トラック及び各データ・トラック間を含むユーザ・データを記録する全領域をACイレーズすることができる。確実かつ効率的にACイレーズするため、半サーボ・トラック・ピッチで順次ヘッド素子部12を同一半径方向に移動することが好ましいが、隣接ターゲット位置の間隔がライト幅以下であることによって、実施的に、半径方向における消し残しの領域をなくすことができる。また、半サーボ・トラック・ピッチより小さいピッチでヘッド素子部12を移動してもよい。処理制御の容易化及び処理効率の点から、等ピッチのターゲット位置を同一方向に順次してACイレーズすることが好ましい。
図4(a)の例において、リード素子122は、外周(OD)側から内周(ID)側に向かって半サーボ・トラック・ピッチずつ順次移動し、結果としてライト素子121も実質的に同様に移動する。半サーボ・トラック・ピッチの移動であるので、リード素子122は同一サーボ・トラックにおいて異なる位置を2周回する。半サーボ・トラック・ピッチで正確にシークするため、HDD1は、ターゲットをサーボ・アドレスで指定する。
サーボ・アドレスは、サーボ・トラックID(サーボ・トラック番号)、サーボ・セクタID(サーボ・セクタ番号)及びPES(Position Error Signal)を使用して表される。磁気ディスク11の半径方向のサーボ・アドレスは、サーボ・トラックIDとPESとによって特定される。なお、本明細書におけるサーボ・アドレスは、サーボ・データによってアドレスを意味し、上記3つのアドレス要素の一部及び全部で表されるアドレスを含む。
サーボ・アドレスについて説明する。図4(a)に示すように、各サーボ・データは、サーボAGC(Auto Gain Control:AGC)、サーボ・アドレス・マーク(SAM)、グレイ・コードからなりサーボ・トラックを特定するサーボ・トラックID(SERVO TRACK)、サーボ・トラック内におけるサーボ・セクタを特定するサーボ・セクタID(SERVO SECTOR)、そして細かい位置制御をするためのバースト・パターンを備えている。
HDD1は、サーボAGCの読み出し振幅を使用してAGCのゲイン値を決定する。SAMは、RWチャネル21がサーボ・データを処理するためのタイミングを与える。サーボ・トラック番号は各サーボ・トラックを特定し、サーボ・セクタIDはサーボ・トラック内における各サーボ・セクタを特定する。
バースト・パターンは、円周方向位置、半径方向位置の異なる4つのバーストA、B、C、Dからなっている。また、各バーストは、バーストA、B、C、Dの順で内周側から配列されている。各バーストの再生信号の振幅によって、サーボ・トラック内の相対位置を決定することができる。図4(b)に示すように、本例において、サーボ・トラック内の位置は、半径方向に256分割されたPES値で表される。つまり、半径方向における位置はサーボ・トラックIDとPES値で表される。
図4(b)の例においては、サーボ・トラック内において、内周(ID)側端がPES0であり、外周(OD)側端がPES255である。隣接サーボ・トラックのPES0とPES256との位置は同一である。各サーボ・トラックの中心はPES128である。PESは、バースト・パターンによって決定される。具体的には、本形態のHDD1は、バーストA及びバーストBを使用して計算するメインPES(MPES)と、バーストC及びバーストDを使用して計算するセカンダリPES(SPES)とを、位置決め制御において使用する。
MPESは|A−B|/(A+B)を使用して算出される。また、SPESは、|C−D|/(C+D)を使用して算出される。ここで、各アルファベットは、各バーストの読み出し振幅値を表している。HDC/MPU23は、ヘッド位置に従って使用するPESを変更する。具体的には、HDC/MPU23は、ヘッド素子部12が読み出したターゲット・サーボ・アドレスがPES64〜PES192の間にある場合にMPESを使用する。読み出したサーボ・アドレスがそれ以外の領域にある場合に、HDD1はSPESを使用する。
64PESと192PESで使用するバーストが切り替わるが、これらの近傍において、PESと物理移動量との関係が他の領域と異なり、関係の歪が存在する。具体的には、64PESと192PESの近傍において、PES変化量に対する物理移動量の変化率が増加し、位置決めの安定性が低下する。このため、本例においては、各サーボ・トラックにおいて、これらのPES値から離れた32PES及び160PESをターゲット・サーボ・アドレスとして、順次ヘッド素子部12を移動していく。32PESと160PESの間隔は128PESとなり、半サーボ・トラック幅と一致する。
上述のように、本形態のHDD1は、サーボ・アドレスを基準としてヘッド素子部12を位置決めする。一方、通常のリード処理及びライト処理において、HDD1はホスト51からデータ・アドレスによってアクセス先が指定される。典型的には、HDD1は、LBA(Logical Block Address)によって、アクセス先を指定する。このほか、データ・アドレスの一つとして、CHS(Cylinder Head Sector)が知られている。データ・アドレスは、ユーザ・データのアドレスを表しており、データ・トラックを基準としたアクセス先のアドレスである。
HDD1は、データ・トラック位置で指定されたターゲット位置を、サーボ・アドレスのターゲット位置に変換し、ヘッド素子部12でサーボ・アドレスを読み出しながらシーク及びフォローイングを行う。このため、HDD1は、ディフェクト管理や回路パラメータの設定などの制御は、データ・アドレスを使用して行う。本明細書において、データ・アドレスは、LBAやCHSの他、LBAやCHSの一部のみで表されるアドレスを含む。
例えば、磁気ディスク11のゾーンによってデータの記録状態が異なるため、HDD1は、ゾーン毎にRWチャネル21やAE12のパラメータを設定する。イレーズ処理においても、同様に、HDD1はゾーンの変更に応じてパラメータを設定することが必要である。しかし、ゾーンの境界を示すテーブルは、データ・アドレス(データ・トラック)で指定されている。あるいは、イレーズ処理は、ユーザ・データを記録する領域をACイレーズするが、HDD1を制御するコードを含む制御データを保存する管理領域をスキップすることが必要である。しかし、この管理領域を特定するテーブルも同様に、データ・トラックで特定されている。
本形態のイレーズ処理は、サーボ・アドレスを使用してターゲット・アドレスを直接に指定する。このため、データ・トラックで構成されたテーブルから各ゾーンや管理領域を直接に特定することができない。HDD1は、通常のリード処理及びライト処理のために、データ・トラック番号(データ・アドレス)からサーボ・アドレスを算出する機能を備えているが、その逆の計算を行うことはない。また、上述ように、本形態のHDD1はアダプティブ・フォーマットを採用しているため、サーボ・アドレスからデータ・トラック番号を容易に特定できず、ヘッド素子部12によりイレーズ工程を実行しながらその計算を行うことは困難である。
そこで、本形態のイレーズ処理は、記録面の実際のイレーズを開始する前に、データ・トラック基準で構成されている管理テーブルから、サーボ・アドレス基準で構成された管理テーブルを生成する。イレーズ処理においては、HDD1は、このサーボ・アドレス基準の管理テーブルを参照して、ゾーンに対応したパレメータ設定や管理領域のスキップを実行する。
図5は、本形態のイレーズ処理に関連する構成要素を模式的に示すブロック図である。ACイレーズ処理制御部231は、磁気ディスク11の各記録面のイレーズ処理を制御する。ACイレーズ処理制御部231は、HDC/MPU23の論理構成要素として実装され、HDC/MPU23のMPUがコードに従って動作することによってACイレーズ処理制御部231として機能する。あるいは、HDC/MPU23のハードウェア構成の一部とコードに従って動作するMPUとで、ACイレーズ処理制御部231を構成することができる。
RW処理制御部232は、HDD1内における通常のリード及びライト処理を実行制御する論理構成要素である。また、本形態においては、RW処理制御部232は、ACイレーズ処理制御部231の指示に従って、本形態のイレーズ処理におけるヘッド素子部12の位置決め制御や記録面の実際のイレーズなどの実行を制御する。RW処理制御部232は、HDC/MPU23のハードウェア構成の一部とコードに従って動作するMPUとで構成される。
イレーズ処理の開始において、ACイレーズ処理制御部231は、サーボ・アドレス基準のゾーン境界テーブル242と、サーボ・アドレス基準の管理領域テーブル243とを生成する。ゾーン境界テーブル242は、各ゾーンの境界を特定するテーブルである。図6(b)は、サーボ・アドレス基準のゾーン境界テーブル242の一例を示している。ACイレーズ処理制御部231は、RW処理制御部232の機能を利用して、図6(a)に示したデータ・トラック基準のゾーン境界テーブル244から、このサーボ・アドレス基準のゾーン境界テーブル242を生成する。
図6(b)に示すように、サーボ・アドレス基準のゾーン境界テーブル242は、制御情報の一例である各ゾーンを同定するゾーン番号と、それに対応付けられたサーボ・トラック番号を有している。各サーボ・トラック番号は、各ゾーンにおける最大のサーボ・トラック番号を示している。内周側から外周側にサーボ・トラック番号が増加する場合は、そのゾーンの最外周のサーボ・トラック番号となる。一方、図6(a)に示すように、データ・トラック基準のゾーン境界テーブル244は、ゾーン番号とそれに対応する最大データ・トラック番号とを有している。なお、ゾーンの境界が特定するために、他のサーボ・アドレスを使用してもよい。
上述のように、RW処理制御部232は、通常のリード/ライト処理において、データ・アドレスからサーボ・アドレスを計算している。ACイレーズ処理制御部231は、各データ・トラック番号をRW処理制御部232に渡し、それに対応するサーボ・トラック番号を取得する。このようにして、サーボ・アドレス基準のゾーン境界テーブル242を容易に生成することができる。
図7は、サーボ・アドレス基準の管理領域テーブル243の一例を示している。ゾーン境界テーブル242と同様に、ACイレーズ処理制御部231は、データ・トラック基準の管理領域テーブル(不図示)から、RW処理制御部232のアドレス変換機能を使用して、サーボ・アドレス基準の管理領域テーブル243を生成する。管理領域テーブル243は、制御情報の一例である管理領域の内周側境界を同定するデータ(ID)とそれに関連付けられたサーボ・トラック番号(SERVO TRACK_ID)を有する。さらに、制御情報の一例である管理領域の外周側境界を同定するデータ(OD)とそれに関連付けられたサーボ・トラック番号(SERVO TRACK_OD)とを有している。
図5に戻って、ACイレーズ処理制御部231は、ゾーン境界テーブル242と管理領域テーブル243とを生成すると、各記録面のACイレーズを開始する。ACイレーズ処理制御部231は、RW処理制御部232にターゲットとなるサーボ・アドレス(SERVO TARGET)を指定して、そのターゲット位置におけるACイレーズを指示する。RW処理制御部232は、ヘッド素子部12からAE13及びRWチャネル21を介して取得したサーボ・アドレス(SERVO DATA)を使用して、ヘッド素子部12をターゲット・サーボ・アドレスにシークさせる。具体的には、ターゲットのサーボ・アドレスと取得した現在のサーボ・アドレスとから、VCM15に流すVCM電流(VCM CURRENT)の値を決定し、それを示す制御データ(DACOUT)をモータ・ドライバ・ユニット22に出力する。
ヘッド素子部12をターゲット位置の位置決めした状態において、RW処理制御部232はRWチャネル21に制御信号(CONTROL SIGNALS)によって、その位置におけるACイレーズを指示する。RWチャネル21は、RW処理制御部232に指示されている間、AE13にACイレーズの信号を出力する。本形態のRWチャネル21は、1サーボ・セクタを1単位としてACイレーズを行う。この点については後に説明する。
ターゲット位置における磁気ディスク11の1周回のイレーズが終了すると、図4(b)を参照して説明したように、ACイレーズ処理制御部は、半サーボ・トラック・ピッチ分ヘッド素子部12を移動する。以下、ヘッド素子部12のシーク、位置決め及びイレーズを繰り返し実行して、ユーザ・データ領域におけるイレーズを進めていく。
次にシークするターゲット・サーボ・アドレスが現在のゾーンと異なるゾーンにある場合、HDD1は、新たなパラメータの設定処理(パラメータの更新)を行うことが必要となる。ACイレーズ処理制御部231は、次のターゲット位置にシークする前に、ゾーン境界テーブル242を参照し、次のターゲット・サーボ・アドレスが現在のヘッド位置のゾーンと異なるゾーンにあるかを確認する。次のターゲット・サーボ・アドレスが現在と同一のゾーンにある場合は、ACイレーズ処理制御部231はそのままシーク指示を行う。
次のターゲット・サーボ・アドレスが現在と異なるゾーンにある場合、ACイレーズ処理制御部231は、ゾーン変更の処理を実行する。具体的には、ACイレーズ処理制御部231は、次のゾーンのデータ・トラック・アドレスを指定して、RW処理制御部232にシークを指示する。RW処理制御部232は、その通常機能として、ゾーン変更がある場合に移動先のゾーンに対応したパラメータを設定する機能を有している。
RW処理制御部232は、通常、データ・トラックのアドレスを使用して動作するため、サーボ・アドレスによるシークではゾーン境界を判定することができない。しかし、データ・トラック・アドレスによってRW処理制御部232にシークを指示することで、RW処理制御部232のパラメータ設定機能を使用することができる。このように、RW処理制御部232の通常機能を使用することで、ACイレーズ処理制御部231のコード・サイズ及び開発期間の縮小を図ることができる。
具体的には、RW処理制御部232は、データ・トラック・アドレスによるシーク指示をACイレーズ処理制御部231から受けると、データ・アドレス基準のゾーン境界テーブル244を参照し、そのシーク先のゾーンを確認する。さらに、RW処理制御部232はゾーン・パラメータ・テーブル241を参照し、移動先のゾーンに対応するパラメータ・セットを取得する。
図8に示すように、ゾーン・パラメータ・テーブル241は、各ゾーンを同定するゾーン番号と各ゾーン番号に対応したパラメータ・セットを有している。RW処理制御部232が設定するパラメータは、RWチャネル21のフィルタ係数や、AE13のライト電流値などである。RW処理制御部232は、各パラメータ値(PARAMETER SET)をRWチャネル21及びAE13のレジスタに格納する。
ゾーンに対応したパラメータの設定が完了すると、RW処理制御部232は、新たなゾーンの端にあるサーボ・アドレスをターゲットとして指定して、RW処理制御部232にACイレーズを指示する。上述のように、HDD1はターゲット位置へのヘッド・シーク、フォローイング、そしてイレーズを繰り返す。その後、次のゾーン境界にヘッド素子部12が到着すると、上述と同様の処理を行いパラメータ設定する。
ゾーン境界の他に、ACイレーズ処理制御部231は管理領域の検出及びそのスキップ処理を実行する。通常のリード/ライト処理においては、ターゲットとして指定されるデータ・アドレスが管理領域内にあることはない。しかし、本形態のイレーズ処理はサーボ・アドレスを指定してヘッド素子部12の移動を行うので、管理領域をイレーズする可能性がある。ACイレーズ処理制御部231は、次にシークする位置が管理領域内にある場合、ヘッド素子部12にその位置を通過させる。
具体的には、ACイレーズ処理制御部231は、シークの前に、管理領域テーブル242を参照する。ACイレーズ処理制御部231は、次のターゲット・サーボ・アドレスが、管理領域の境界を示すサーボ・アドレスSERVO TRACK_IDとSERVO TRACK_ODの間にあるか判定する。ターゲット・サーボ・アドレスが管理領域にある場合、ACイレーズ処理制御部231は、そこにシークすることなく、管理領域のサーボ・トラック数分先のサーボ・トラックを次のターゲット・サーボ・アドレスとして指定する。これによって、サーボ・アドレス制御によって管理領域をイレーズすることを防止する。
本形態のイレーズ処理は、1データ・セクタ単位ではなく、1サーボ・セクタ単位で記録面のイレーズを行う。ここで、サーボ・セクタは、一つサーボ・データから次のサーボ・データまでの領域に相当する。図9(a)は通常のデータ・セクタの記録状態を模式的に示し、図9(b)は、本形態における記録面のイレーズ状態を模式的に示している。
HDD1は、ユーザ・データをデータ・セクタ(DATA SECTOR)単位で記録する。各データ・セクタは、複数のセクションから構成さており、シンク・パターン(SYNC)、データ・アドレス・マーク(DAM)、ユーザ・データ及びECC(Error Correction Code)の各セクションを有している。シンク・パターンはクロック同期を取るための信号であり、データ・アドレス・マークはユーザ・データの開始位置を示す。
典型的には、サーボ・データ(SERVO)間に複数のデータ・セクタが存在する。データ・セクタ間にはギャップが存在し、そこにデータは記録されない。また、各サーボ・セクタはユーザ・データ及びECC以外のデータを有している。ACイレーズにおいて、ユーザ・データに代えてACイレーズ用のパターンをデータ・セクタ単位で書き込むと、データ・セクタ間の領域及びデータ・アドレス・マークなどの領域がACイレーズされずに残ることになる。
そこで、本形態のHDD1は、サーボ・データ間の領域を1単位としてACイレーズを行う。HDD1は、サーボ・データ間を1ACイレーズ・セクタ(AC ERASE SECTOR)として、ACイレーズ用のパターンを書き込む。これによって、円周方向におけるサーボ・データ間の実質的な全領域を、ACイレーズすることができる。
図5に戻って、具体的には、ACイレーズ処理制御部231は、記録面のACイレーズを開始する前に、RWチャネル21及びRW処理制御部232に、ACイレーズのための設定を行う(AC ERASE SET)。RWチャネル21及びRW処理制御部232は、ACイレーズ設定されると、通常のデータ・ライトと異なり、1サーボ・セクタ単位でのACイレーズ・パターンの書き込みを行う。RWチャネル21はその内部でACイレーズ・パターンを生成し、RW処理制御部232からの制御信号に従って、隣接するサーボ・データ間を1ACイレーズ・セクタとしてACイレーズ・パターンを出力する。
以上、本発明の好ましい形態を説明したが、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、本発明は、HDDに好適であるが、他の記録ディスクを使用するディスク・ドライブ装置に適用することができる。また、本発明は、上述のように、垂直磁気記録のACイレーズに特に有用であるが、面内記録におけるDCイレーズ処理などに適用することを妨げるものではない。
本発明は、アダプティブ・フォーマットで記録されたディスクのイレーズに特に有用であるが、これと異なるフォーマットの記録面のイレーズに本発明を適用することができる。また、ユーザ・データ領域の一部のイレーズに本発明を適用してもよい。ヘッド素子部の移動は、半径方向における同一方向に順次移動することが好ましいが、他の移動方法を採用してもよい。
上述のゾーン境界や管理領域境界以外のデータについて、サーボ・アドレス基準による新たな対応テーブルを生成することができる。また、ゾーン境界ではなく、ゾーン・パラメータとサーボ・アドレスを対応づけたテーブルを生成してもよい。上述においては、管理領域の境界はサーボ・トラック番号で特定されるが、PESまで含めたサーボ・アドレスでその境界を特定してもよい。
本実施形態において、HDDの全体構成を模式的に示すブロック図である。 本実施形態において、磁気ディスクの記録面の記録データの状態を模式的に示す図である。 本実施形態において、データ読み取り時及びデータ書き込み時のライト素子とリード素子の位置を模式的に示す図である。 本実施形態において、サーボ・データのデータ・フォーマット及びイレーズ処理におけるリード素子(ヘッド素子部)の移動方法を模式的に示す図である。 本実施形態において、イレーズ処理に関連する論理構成要素を模式的に示すブロック図である。 本実施形態において、データ・トラック基準のゾーン境界テーブルとサーボ・トラック基準のゾーン境界テーブルの一例を示している。 本実施形態において、サーボ・トラック基準の管理領域テーブルの一例を示している。 本実施形態において、ゾーン・パラメータ・テーブルの一例を示している。 本実施形態において、1サーボ・セクタ単位でのイレーズ状態を示すための模式図である。
符号の説明
1 ハードディスク・ドライブ、10 エンクロージャ、11 磁気ディスク
12 ヘッド素子部、13 アーム・エレクトロニクス、14 スピンドル・モータ
15 ボイス・コイル・モータ、16 アクチュエータ、20 回路基板
21 RWチャネル、22 モータ・ドライバ・ユニット
23 ハードディスク・コントローラ/MPU、24 RAM、51 ホスト
111 サーボ領域、112 データ領域、113 データ・トラック
114a−114c ゾーン、121a、b ライト素子、122a、b リード素子
231 ACイレーズ処理制御部、232 RW処理制御部
241 ゾーン・パラメータ・テーブル
242 サーボ・アドレス基準のゾーン境界テーブル
243 サーボ・アドレス基準の管理領域テーブル
244 データ・トラック基準のゾーン境界テーブル

Claims (16)

  1. ユーザ・データを記憶するユーザ・データ領域を有するディスク上のサーボ・データを読み出し、指定された位置において前記ディスクの記録面のイレーズを行うヘッドと、
    前記ヘッドを支持し、そのヘッドを移動するアクチュエータと、
    サーボ・アドレスを使用して前記ヘッドのターゲット位置を順次指定するイレーズ処理制御部と、
    前記アクチュエータを制御して、前記イレーズ処理制御部によって指定されたターゲット位置に前記ヘッドを順次移動させるリード・ライト処理部制御部と、
    を備えるディスク・ドライブ装置。
  2. 前記イレーズ処理制御部は、データ・アドレスと制御情報とを対応づけるテーブルを参照し、そのデータ・アドレスに対応するサーボ・アドレスを特定し、前記制御情報とそのサーボ・アドレスとを対応づけ、さらに、前記ターゲット位置の指定において、前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスを参照し、そのターゲット位置に応じて前記制御情報を使用した処理を行う、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  3. 前記制御情報は前記ユーザ・データ領域のゾーンを特定し、
    前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスは、対応付けられたゾーンの境界を特定し、
    前記イレーズ処理制御部は、前記次のターゲット位置の指定において、参照したサーボ・アドレスと次のターゲットのサーボ・アドレスとから、前記次のターゲットが現在のゾーンと異なるゾーンであるか判定する、
    請求項2に記載のディスク・ドライブ装置。
  4. 前記制御情報は前記記録面において制御コードを含む制御データが記録されている管理領域を表し、
    前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスは、その対応づけられた前記管理領域の境界を特定し、
    前記イレーズ処理制御部は、前記次のターゲット位置の指定において、参照したサーボ・アドレスと次のターゲットのサーボ・アドレスとから、前記次のターゲットが前記管理領域にあるか判定する、
    請求項2に記載のディスク・ドライブ装置。
  5. 隣接するターゲット位置の間隔は前記ヘッドのライト幅以下である、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  6. 前記ヘッドは、サーボ・データ間に挟まれた領域を一単位としてイレーズする、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  7. サーボ・データと、ユーザ・データを記憶するユーザ・データ領域と、を有するディスクの記録面をイレーズ処理する方法であって、
    サーボ・アドレスを使用してターゲット位置を指定し、
    前記指定されたターゲット位置へ前記ヘッドを移動し、
    前記ヘッドがその指定されたターゲット位置をフォローイングしている状態においてイレーズを行い、
    前記イレーズの後に、サーボ・アドレスを使用して次のターゲット位置を指定し、
    前記ヘッドの移動、イレーズ及び次のターゲット位置の指定を繰り返して前記記録面をイレーズする、方法。
  8. さらに、データ・アドレスと、そのデータ・アドレスに対応付けられた制御情報と、を取得し、
    前記データ・アドレスに対応するサーボ・アドレスを特定し、そのデータ・アドレスに対応付けられた制御情報とそのサーボ・アドレスとを対応付け、
    前記次のターゲット位置の指定において、前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスを参照し、そのターゲット位置に応じて前記制御情報を使用した処理を行う、
    請求項7に記載の方法。
  9. 前記制御情報は前記ユーザ・データ領域のゾーンを特定し、
    前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスは、対応付けられたゾーンの境界を特定し、
    前記次のターゲット位置の指定において、参照したサーボ・アドレスと次のターゲットのサーボ・アドレスとから、前記次のターゲットが現在のゾーンと異なるゾーンであるか判定する、
    請求項8に記載の方法。
  10. 前記次のターゲット位置が現在のゾーンと異なるゾーンにある場合、その異なるゾーンに対応したパラメータ設定を行う、
    請求項9に記載の方法。
  11. 前記パラメータ設定は、前記異なるゾーン内のデータ・トラックを指定したシーク・コマンドを使用する、
    請求項10に記載の方法。
  12. 前記制御情報は前記記録面において制御コードを含む制御データが記録されている管理領域を表し、
    前記制御情報と対応付けられたサーボ・アドレスは、その対応づけられた前記管理領域の境界を特定し、
    前記次のターゲット位置の指定において、参照したサーボ・アドレスと次のターゲットのサーボ・アドレスとから、前記次のターゲットが前記管理領域にあるか判定する、
    請求項8に記載の方法。
  13. 前記次のターゲット位置が前記管理領域にある場合、そのターゲット位置におけるイレーズをスキップする、
    請求項12に記載の方法。
  14. 隣接するターゲット位置の間隔は前記ヘッドのライト幅以下である、
    請求項7に記載の方法。
  15. 前記フォローイングしている状態におけるイレーズにおいて、サーボ・データ間に挟まれた領域を一単位としてイレーズする、
    請求項7に記載の方法。
  16. 隣接するターゲット位置の間隔は、前記ヘッドのライト幅以下である、
    請求項15に記載の方法。
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