JP2001316639A - 粘着体 - Google Patents

粘着体

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JP2001316639A
JP2001316639A JP2000136282A JP2000136282A JP2001316639A JP 2001316639 A JP2001316639 A JP 2001316639A JP 2000136282 A JP2000136282 A JP 2000136282A JP 2000136282 A JP2000136282 A JP 2000136282A JP 2001316639 A JP2001316639 A JP 2001316639A
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plastic film
pressure
sensitive adhesive
weight
film
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JP2000136282A
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Hideaki Suzuki
秀明 鈴木
Hideo Kuroda
秀雄 黒田
Yoshio Taguchi
善男 田口
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光性プラスチックフィルムと基体とを強固
に接着することができ、その結果、液晶表示パネルの作
製工程における精密な作業を円滑に進行させることがで
きる一方、液晶表示パネルの作製終了後は、紫外線照射
により容易に透光性プラスチックフィルムを剥離するこ
とができる粘着体を提供する。 【解決手段】 一層の薄膜形状を有する粘着体であっ
て、紫外線照射前は、その上に載置される透光性プラス
チックフィルム及びその下に配置される固定用の基体と
強固に接着して一体化する一方、紫外線照射後は、前記
透光性プラスチックフィルムとの接着力が、前記基体と
の接着力よりも小さくなり、前記透光性プラスチックフ
ィルムを容易に剥離させることができる粘着体であっ
て、弾性重合体100重量部、紫外線架橋性樹脂5〜1
50重量部、粘着付与剤1〜100重量部、及び、重合
開始剤0.1〜20重量部からなる粘着体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示パネルを
作製する際に用いられる粘着体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示パネルにおいては、
基板にガラス、樹脂シート等が使用されているが、最近
の電子機器の軽薄短小化の要求から、樹脂シートの使用
量が段々と多くなってきている。
【0003】樹脂シートを用いて液晶表示パネルを作製
する際には、「液晶ディスプレイの構成材料」(電子材
料、1988年2月号、P.37〜P.44)や「見に
くい液晶のイメージを一新する白黒STNパネル」(日
経マイクロデバイス、1987年10月号、P.78〜
P.98)に記載されているような方法が用いられてい
た。即ち、2枚の樹脂シート上に、直接、それぞれ透光
性酸化金属電極及び配向膜等を形成して積層体を作製
し、ラビング処理等を施した後、スペーサを散布し、続
いて、これら2枚の積層体の重ね合わせと接着剤による
周辺部のシール、液晶の注入と注入口の封じ、偏向板や
カラーフィルタの積層、ICチップと樹脂シート上の電
極との接続等の工程を行っていた。
【0004】しかし、高精度の大面積液晶表示パネルを
可撓性を有する樹脂シート上に作製する場合、従来のよ
うに樹脂シート上に、直接、電極の形成等を行った場合
には、基材樹脂シートがたわみを生じ易いので、3次元
的な意味での一定の形状の保持が難しく、そのためにガ
ラス基板上での加工のように精度の高い加工を行うこと
ができず、工程上、位置合わせの精度の確保や自動化を
図ることが難しいという問題があった。
【0005】そこで、所定の基体上に極めて平坦な透光
性プラスチックフィルムを載置して基体と密着させ、こ
の透光性プラスチックフィルム上に配向膜等の種々の層
を形成する方法がとられていた。この方法では、まず、
基体に密着させた透光性プラスチックフィルム上に透光
性酸化金属電極を形成し、続いて配向膜等を形成して第
一の積層基板を作製した後、この配向膜の上にスペーサ
を散布して配向膜上にスペーサを載置する。一方、スペ
ーサを散布しないほかは、上記方法と同様の方法で第二
の積層基板を作製し、その周囲にシール剤の層等を形成
し、このシール剤層が形成された第二の積層基板に第一
の積層基板を重ねて貼り合わせ、液晶の注入と注入口の
封止を行うことにより液晶表示パネルを作製する。
【0006】上記工程で使用される基体は、基本的に液
晶表示パネルを構成しないものであり、作製工程のいず
れかの段階で剥離させて取り除く必要がある。そのた
め、第二の積層基板と第一の積層基板とを重ねて貼り合
わせた後に2つの基体を剥離させて取り除くか、又は、
貼り合わせを行う前の工程で片方の積層基板について基
体を剥離させて取り除いておき、第二の積層基板と第一
の積層基板とを貼り合わせた後に、もう片方の積層基体
を剥離させて取り除く方法をとっていた。
【0007】このような液晶表示パネルの作製工程にお
いては、透光性プラスチックフィルムの基体への固定が
弱いと、透光性プラスチックフィルムにしわや折れ等が
発生し、精密な作業が困難となる。そのため、基体上に
透光性プラスチックフィルムを密着させた後、積層基板
から基体を剥離する工程に至るまでは、精密な作業を円
滑に進行させるために、基体上に透光性プラスチックフ
ィルムが強く固定されているなければならない。
【0008】一方、液晶の注入と注入口の封止を行った
後等においては、基体が不要となるので、透光性プラス
チックフィルム及びその上に作製した積層基板から基体
を容易に剥離させることができる必要がある。
【0009】透光性プラスチックフィルムと基体とを接
着させるためには、接着性シートを用いる方法や、透光
性プラスチックフィルムに粘着層を形成する方法(特開
平7−325297号公報)等が試みられている。接着
性シートは、通常、3層構造を有しており、基材樹脂シ
ートと、基材樹脂シートの1面に形成された透光性プラ
スチックフィルム用粘着層と、基材樹脂シートの他の1
面に形成された基体用粘着層とからなる。3層構造を有
する接着性シートは、透光性プラスチックフィルム側の
粘着層と、基体側の粘着層の組成を変えることにより、
液晶表示パネルの作製時においては、透光性プラスチッ
クフィルムと基体とを強固に接着し、一方、液晶表示パ
ネル作製終了後は紫外線照射等により、透光性プラスチ
ックフィルム側の接着力のみを低下させることができ
る。
【0010】しかし、省資源、作業の簡素化等の観点か
ら、1層のみの粘着体で、透光性プラスチックフィルム
と基体との接着を行うことが望まれている。しかしなが
ら、液晶表示パネルの作製時においては、透光性プラス
チックフィルムと基体とを強固に接着し、一方、液晶表
示パネル作製終了後は紫外線照射等により、透光性プラ
スチックフィルムのみを容易に剥離することができる粘
着体は未だ知られておらず、従来の1層構造の粘着体に
は、透光性プラスチックフィルム側の接着力を低下しよ
うとすると、固定する基体(ガラス板)との接着力も低
減してしまい、粘着体が透光性プラスチックフィルム上
に残留したり、透光性プラスチックフィルムを剥がしに
くくなるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、透光性プラスチックフィルムと基体とを強固に接
着することができ、その結果、液晶表示パネルの作製工
程における精密な作業を円滑に進行させることができる
一方、液晶表示パネルの作製終了後は、紫外線照射によ
り容易に透光性プラスチックフィルムを剥離することが
できる粘着体を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み、鋭意検討を行った結果、透光性プラスチックフィル
ムと基体とを接着させるために、特定の組成を有する一
層構造の粘着体を用いることにより、透光性プラスチッ
クフィルムと基体とをより強固に接着することができ、
紫外線照射後は透光性プラスチックフィルムとの接着力
が、基体との接着力よりも小さくなることにより、容易
に透光性プラスチックフィルムのみを剥離することがで
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明の粘着体は、一層の薄膜形状
を有する粘着体であって、紫外線照射前は、その上に載
置される透光性プラスチックフィルム及びその下に配置
される固定用の基体と強固に接着して一体化する一方、
紫外線照射後は、前記透光性プラスチックフィルムとの
接着力が、前記基体との接着力よりも小さくなり、前記
透光性プラスチックフィルムを容易に剥離させることが
できる粘着体であって、弾性重合体100重量部、紫外
線架橋性樹脂5〜150重量部、粘着付与剤1〜100
重量部、及び、重合開始剤0.1〜20重量部からなる
粘着体である。以下に本発明を詳述する。
【0014】本発明の粘着体は、一層の薄膜形状を有す
る粘着体であって、かつ、液晶表示パネル用の透光性プ
ラスチックフィルムの液晶形成面とは逆の面側に形成さ
れ、紫外線照射前は、その上に載置される透光性プラス
チックフィルム及びその下に配置される固定用の基体と
強固に接着して一体化する一方、紫外線照射後は、上記
透光性プラスチックフィルムとの接着力が、上記基体と
の接着力よりも小さくなり、上記透光性プラスチックフ
ィルムを容易に剥離させることができる粘着体である。
【0015】上記透光性プラスチックフィルムとして
は、液晶表示パネルに使用されるフィルムシートであれ
ば特に限定されず、例えば、ポリカーボネート、ポリエ
ーテルスルホン等からなる樹脂シートを挙げることがで
きる。上記樹脂シートは、液晶表示パネルに使用するた
めに、ガスバリア層、耐薬品層が形成されていてもよ
い。
【0016】上記固定用の基体としては、透光性プラス
チックフィルムを3次元的な意味での一定の形状に保持
できるものであれば特に限定されず、例えば、ガラス板
等を挙げることができる。
【0017】本発明の粘着体は、弾性重合体、紫外線架
橋性樹脂、粘着付与剤、及び、重合開始剤からなる。上
記弾性重合体としては、例えば、アクリル樹脂系粘着
剤、飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げ
ることができる。なかでも、アクリル樹脂系粘着剤が好
ましい。上記アクリル樹脂系粘着剤としては、例えば、
アクリル酸エステルモノマーと他の共重合可能なモノマ
ーとの共重合体等を挙げることができる。このアクリル
酸エステルモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共
重合体は、粘着性を付与するために、低いガラス転移点
を有する重合体を形成することが可能な上記アクリル酸
エステルモノマーを主なモノマーとして使用し、一方、
上記他の共重合可能なモノマーとして、凝集性を付与す
るために高いガラス転移点を有する固い重合体を形成す
ることが可能なモノマーと、架橋性や接着性を改良する
ためにカルボン酸基、アミド基、グリシジル基、ヒドロ
キシル基等の官能基を有するモノマーとを使用すること
により得られる。
【0018】上記アクリル酸エステルモノマーとして
は、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキル
エステル等を挙げることができる。
【0019】上記高いガラス転移点を有する固い重合体
を形成することが可能なモノマーとしては、例えば、酢
酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル等を挙げることができる。ま
た、上記カルボン酸基、アミド基、グリシジル基、ヒド
ロキシル基等の官能基を有するモノマーとしては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ヒドロキ
シルエチルメタクリレート、ヒドロキシルプロピルメタ
クリレート、アクリルアミド、グリシジルメタクリレー
ト等を挙げることができる。
【0020】上記紫外線架橋性樹脂としては、例えば、
特定波長域の紫外線の照射により架橋するオリゴマー又
はモノマーとしてのアクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステルを挙げることができ、これらは、分子内に少
なくとも2つのアクリロイル基又はメタクリロイル基を
有するものであることが好ましい。
【0021】上記オリゴマーとしては、例えば、オリゴ
エステルアクリレート等を挙げることができ、上記モノ
マーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート等の多価アルコール
とアクリル酸とのエステル、又は、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多
価アルコールとメタクリル酸とのエステル等を挙げるこ
とができる。また、そのほかにも、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート等を挙げることができる。
【0022】本発明の粘着体を調製する際には、上記弾
性重合体100重量部に対して、上記紫外線架橋性樹脂
5〜150重量部を添加する。上記紫外線架橋性樹脂の
添加量が5重量部未満では、紫外線照射前後で粘着体の
接着力が実質的に変化しないことがあり、一方、150
重量部を超えると、紫外線照射後に粘着体の接着力は低
下するものの、透光性プラスチックフィルムを粘着体か
ら剥離する際に、透光性プラスチックフィルムに粘着体
の一部が残留することがある。好ましくは、10〜10
0重量部である。なお、重量部は、固形分の重量の割合
を示す。
【0023】上記粘着付与剤としては特に限定されず、
従来より粘着剤として用いられているものを使用するこ
とができ、例えば、キシレン樹脂、ロジンや重合ロジ
ン、水添ロジン、ロジンエステル等の変性ロジン系樹
脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンフ
ェノール樹脂等のテルペン系樹脂、脂肪族系、芳香族系
及び脂環式系石油樹脂、クマロン樹脂、スチレン系樹
脂、アルキルフェノール樹脂等を挙げることができる。
【0024】上記粘着付与剤の配合量は、上記弾性重合
体100重量部に対して1〜100重量部である。上記
粘着付与剤の配合量が少なすぎると、本発明の粘着体の
接着力が不充分であり、一方、上記粘着付与剤の配合量
が多すぎると、本発明の粘着体から透光性プラスチック
フィルムを剥離する際に、透光性プラスチックフィルム
に本発明の粘着体の一部が残留することがある。好まし
くは、5〜50重量部である。
【0025】上記重合開始剤は、上記紫外線架橋性樹脂
の紫外線照射による架橋を促進するために用いられる。
本発明においては、従来より公知の重合開始剤を用いる
ことができる。これらの重合開始剤としては、例えば、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテ
ル等のベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾイン、ベ
ンジル、ベンゾフェノン等の芳香族オキシケトン類や芳
香族ケトン類、ベンジルジメチルケタール、ポリビニル
ベンゾフェノン等を挙げることができる。
【0026】上記重合開始剤の配合量は、上記弾性重合
体100重量部に対して0.1〜20重量部である。上
記重合開始剤の配合量が0.1重量部未満では、紫外線
を照射しても紫外線架橋性樹脂の架橋が進行しないの
で、接着力の低下の度合いが小さく、20重量部を超え
ても、重合開始剤としての効果は余り変わらず、経済的
でないので上記範囲に限定される。好ましくは、0.5
〜10重量部である。
【0027】透光性プラスチックフィルムの接着性シー
トと接する面には、通常、耐溶剤性を付与するために耐
薬品層が形成されている。この耐薬品層には、ガスバリ
ヤー層を保護するために、無機系化合物又は有機系化合
物が表面コートされている。上記無機系化合物として
は、例えば、アルミナ、酸化ケイ素等が使用される。上
記有機系化合物としては、例えば、アクリル系ポリマ
ー、ポリアミド系ポリマー等が使用される。本発明の接
着性シートを耐薬品層に無機系化合物が配合されていな
い透光性プラスチックフィルムに適用する場合、本発明
の接着性シートの粘着剤層は、更に、シリコーンレジン
を含有することが好ましい。この場合シリコーンレジン
が配合されていないと加熱工程後の接着力の低下が不充
分となる。
【0028】上記シリコーンレジンとしては特に限定さ
れず、例えば、高度に3次元架橋した網目構造を持つシ
リコーンレジン、Si原子に複数のOH基とメチル基と
が結合した構造を有するシリコーンレジン等を挙げるこ
とができる。これらのシリコーンレジンは、粘着体を調
製する際、微粉末として添加することが好ましい。ま
た、これらのなかでは、特に、少数のSiOH基と多数
のメチル基とを有する各種有機溶剤やシリコーンオイル
に可溶なシリコーンレジンパウダーが好ましい。上記有
機溶剤に可溶なシリコーンレジンパウダーとしては、具
体的には、例えば、トレフィルR−910(東レ・ダウ
コーニング社製)等を挙げることができる。
【0029】上記シリコーンレジンの配合量は、上記弾
性重合体100重量部に対して0.1〜30重量部であ
るのが好ましい。上記シリコーンレジンの配合量が、
0.1重量部未満では、120〜130℃の高温下での
作業工程を経た際の紫外線照射後の接着力の低下の度合
いが小さく、30重量部を超えると、接着体表面がかな
り白濁し、紫外線を照射しても紫外線が透過せず、接着
力の低下がみられないことがあるので上記範囲に限定さ
れる。より好ましくは、0.5〜20重量部である。
【0030】本発明の粘着体は、更に、重合禁止剤を含
有することが好ましい。上記重合禁止剤は、上記紫外線
架橋性樹脂が紫外線照射以外の要因、例えば、加熱等に
より重合することを防止するために用いられる。上記重
合禁止剤としては特に限定されず、従来より公知の重合
禁止剤を用いることができる。これらの重合禁止剤とし
ては、例えば、ピクリン酸、フェノール、ハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を挙げること
ができる。
【0031】上記重合禁止剤の配合量としては、上記弾
性重合体100重量部に対して、0.01〜5重量部で
あるのが好ましい。0.01重量部未満であると、加熱
等の紫外線照射以外の要因によっても重合することがあ
り、5重量部を超えても、更なる重合防止効果の向上は
見られない。より好ましくは、0.05〜2重量部であ
る。
【0032】本発明の粘着体は、更に、上記弾性重合体
100重量部に対して、シリカ1〜50重量部を含有す
ることが好ましい。シリカの配合量が1重量部未満であ
ると、本発明の粘着体を剥離する際に粘着体の一部が上
記透光性プラスチックフィルムに残ることがあり、50
重量部を超えると、初期接着力が不充分になりやすい。
より好ましくは、3〜30重量部を含有する。本発明の
粘着体は、更に必要に応じて、充填剤、老化防止剤、着
色剤等を含有していてもよい。
【0033】本発明の粘着体を構成する各成分に、これ
らを溶解する適量の有機溶媒、例えば、芳香族炭化水
素、ケトン類、又は、これらの混合物を添加して、溶解
させることにより、粘着体形成用の均一組成を有する溶
液組成物(以下、溶液組成物ともいう)を得ることがで
き、この溶液組成物を上記透光性プラスチックフィルム
上、上記基体上、又は、離型フィルム上等に、従来より
公知の方法により塗布し、乾燥させることにより、本発
明の粘着体を形成することができる。上記有機溶媒とし
ては、トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶媒が好
ましい。
【0034】また、上記アクリル樹脂系粘着剤や粘着付
与剤は、通常、溶液の形態で市販されているので、これ
らの市販品を使用するのが便利であり、この場合、これ
らの市販品の溶液を混合し、これに、上記紫外線架橋性
樹脂、上記重合開始剤、更に、必要に応じて、その他の
添加剤を添加して、均一に溶解させることにより上記溶
液組成物を調製してもよい。上記溶液組成物中のアクリ
ル樹脂系粘着剤の配合量としては特に限定されないが、
通常、10〜50重量%が好ましい。
【0035】本発明の粘着体は、一層構造でありなが
ら、紫外線照射前は、透光性プラスチックフィルムと基
体とを強固に接着する一方、紫外線照射後は、透光性プ
ラスチックフィルムと粘着体との接着力が、基体と粘着
体との接着力よりも小さくなり、上記透光性プラスチッ
クフィルムのみを容易に剥離することができる。
【0036】本発明の粘着体は、上記透光性プラスチッ
クフィルム上又は上記基体上に形成された後、そのま
ま、上記基体又は上記透光性プラスチックフィルムと貼
り合わせて、液晶表示パネルの作製に用いてもよいし、
上記透光性プラスチックフィルム又は上記基体と接して
いる面と反対の面に離型フィルムを貼り付けてもよい。
このように離型フィルムを貼り付けておくことにより、
一旦、粘着体を作製した後、保管したり、運搬したりす
る場合に、埃や塵等が付着しないように保護することが
できる。上記離型フィルムとしては、例えば、シリコン
処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、シリコ
ーンフィルム等を挙げることができる。
【0037】本発明の粘着体を介した固定用の基体と透
光性プラスチックフィルムとの接着力は、紫外線照射前
の常温において、1N/25mm以上であることが好ま
しい。液晶表示パネルの作製工程においては、上記透光
性プラスチックフィルム上に、種々の層を物理的な方法
や化学的な方法等を用いて形成する際に、様々な力が作
用するが、上記作製工程を円滑に進めるためには、上記
透光性プラスチックフィルムはしっかりと基体に固定さ
れている必要があるからである。
【0038】一方、紫外線照射後は、本発明の粘着体と
上記透光性プラスチックフィルムとの接着力が著しく低
下し、本発明の粘着体から上記透光性プラスチックフィ
ルムを容易に剥離することができる。より容易に剥離す
るためには、紫外線照射後の常温における本発明の粘着
体と上記透光性プラスチックフィルムとの接着力は、
0.2N/25mm以下であることが好ましい。また、
紫外線照射後の常温における本発明の粘着体と上記透光
性プラスチックフィルムとの接着力は、本発明の粘着体
と上記基体との接着力より小さく、その差は0.3N/
25mm以上であることが好ましい。
【0039】このように、紫外線照射後に本発明の粘着
体と上記透光性プラスチックフィルムとの接着力が著し
く低減する結果、例えば、上記透光性プラスチックフィ
ルム上に複数の層の形成等を行い、液晶表示パネルを作
製する工程が終了した際に、例えば、高圧水銀灯を用い
て紫外線を照射することにより、上記透光性プラスチッ
クフィルムを容易に剥離させることができ、目的とする
液晶表示パネル用の積層体等を容易に得ることができ
る。
【0040】本発明の粘着体に紫外線を照射する方法と
しては特に限定されず、従来より用いられている方法を
用いることができ、例えば、キセノンランプ、低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯又は超高圧水銀灯等の紫外
線源を用いて、数秒〜数分間照射する方法等を挙げるこ
とができる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、以下の実施例及び比較例における各成
分の配合量は、固形分の重量部である。
【0042】実施例1〜3及び比較例1〜2まず、表1
に示す配合量のアクリル樹脂系粘着剤、紫外線架橋性樹
脂、粘着付与剤、重合開始剤、重合禁止剤、シリカ及び
シリコーンレジンを容器にとって、固形分が35重量%
となるようにメチルエチルケトン(MEK)を加えて混
合し、粘着体用の溶液組成物を調製した。
【0043】次に、上記溶液組成物を離型処理した厚さ
38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(離型
PETフィルム)の一面に塗布し、120℃で1分間乾
燥させることにより、20μmの厚みの粘着体を形成し
た後、得られた粘着体をラミネート転写により透光性プ
ラスチックフィルムの耐薬品層面に貼り付けた。透光性
プラスチックフィルムとしては、無機系化合物を含有し
ない耐薬品層を有するポリカーボネートフィルム(PC
フィルム)を用いた。
【0044】[試験片の作製] (1)接着力測定用試験片の作製 粘着体を貼り付けた透光性プラスチックフィルムを幅2
5mm、長さ100mmに裁断し、離型PETフィルム
を剥離し、気泡が形成されないように粘着体をガラス基
体に重ね、密着させ、3kgローラにて5回往復して押
圧密着させ、室温で20分間放置することにより、試験
片を作製した。
【0045】得られた試験片について、紫外線照射前の
常温下での粘着体とPCフィルムとの接着力、及び、粘
着体とガラス板との接着力、並びに、紫外線照射後の常
温下での粘着体とPCフィルムとの接着力、及び、粘着
体とガラス板との接着力を以下に示す方法を用いて測定
し、評価を行った。結果を表1に示した。
【0046】[評価方法] (1)紫外線照射前の接着力の測定 インストロン1175型の試験機を用い、常温下、引張
速度300mm/分の条件で試験片の90°剥離試験を
行い、その接着力を測定した。
【0047】(2)紫外線照射後の接着力の測定 試験片にガラス基体側より、主波長365nm、80W
/cmにて紫外線を1000mJ照射した。その後、イ
ンストロン1175型の試験機を用い、常温下、引張速
度300mm/分の条件で、この試験片の90°剥離試
験を行い、その接着力を測定した。
【0048】
【表1】
【0049】上記表1に示したように、実施例1〜3で
作製した粘着体とPCフィルムとの接着力は、UV照射
前は大きく、UV照射により著しく低減した。一方、実
施例1〜3で作製した粘着体とガラス板とのUV照射後
の接着力は、粘着体とPCフィルムとの接着力よりも大
きかった。このため、UV照射によりPCフィルムを容
易に剥離することができた。
【0050】これに対し、比較例1〜2では、PCフィ
ルムとの接着力は、UV照射により余り変化しないのに
対して、粘着体とガラス板との接着力は、UV照射によ
り大幅に低減した。このため、PCフィルムとガラス板
を剥離すると粘着体はPCフィルム側に残ってしまっ
た。
【0051】実施例4〜6及び比較例3〜4 まず、表2に示す配合量のアクリル樹脂系粘着剤、紫外
線架橋性樹脂、粘着付与剤、重合開始剤、重合禁止剤、
シリカ及びシリコーンレジンを容器にとって、固形分が
35重量%となるようにメチルエチルケトン(MEK)
を加えて混合し、粘着体形成用の溶液組成物を調製し
た。
【0052】PCフィルムとして表面に無機系化合物を
含有する耐薬品層を有するものを使用した以外は、実施
例1と同様に試験片を作製し、試験片に対して実施例1
と同様な評価を行った。
【0053】
【表2】
【0054】上記表2に示したように、実施例4〜6で
は、粘着体とPCフィルムとの接着力は、UV照射前は
大きく、UV照射により著しく低減した。一方、粘着体
とガラス板とのUV照射後の接着力は、粘着体とPCフ
ィルムとの接着力よりも大きかった。このため、UV照
射によりPCフィルムを容易に剥離することができた。
【0055】これに対し、比較例3〜4では、UV照射
による接着力の減少の程度が、粘着体とPCフィルムと
の間よりも、粘着体とガラス板との間の方が大きかっ
た。このため、PCフィルムとガラス板を剥離すると粘
着体はPCフィルム側に残ってしまった。
【0056】
【発明の効果】本発明の粘着体は、上述の構成からなる
ので、一層構造でありながら、透光性プラスチックフィ
ルムと基体とを強固に接着することができ、その結果、
液晶表示パネルの作製工程における精密な作業を円滑に
進行させることができる一方、液晶表示パネルの作製終
了後は、紫外線照射により容易に透光性プラスチックフ
ィルムのみを剥離することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 善男 神戸市兵庫区明和通3−2−15 バンドー 化学株式会社内 Fターム(参考) 2H090 JA06 JB03 JB06 JD03 JD14 JD15 4F100 AA20B AA20H AK01B AK42A AK45C AK52B AL05B AR00C AT00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C CA16B CA23B CA30B EJ54 GB41 JB14B JB15B JK06 JL09B JL13B JL14 JN01 JN01C YY00B 4J004 AA01 AA02 AA04 AA06 AA10 AA11 AA12 AA14 AA15 AA17 AA18 AB01 AB07 BA02 FA01 FA05 FA10 4J040 BA202 DB032 DF041 DF042 DK012 DN032 DN072 EB032 EB082 ED011 ED012 ED021 ED022 EF001 EF002 EK032 EL012 FA141 FA142 FA261 FA262 FA291 FA292 GA05 GA07 GA11 GA22 HA306 HB13 HB19 HB37 HC17 JA09 JB08 JB09 KA13 KA19 KA26 LA06 MA10 MB03 NA17 NA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一層の薄膜形状を有する粘着体であっ
    て、紫外線照射前は、その上に載置される透光性プラス
    チックフィルム及びその下に配置される固定用の基体と
    強固に接着して一体化する一方、紫外線照射後は、前記
    透光性プラスチックフィルムとの接着力が、前記基体と
    の接着力よりも小さくなり、前記透光性プラスチックフ
    ィルムを容易に剥離させることができる粘着体であっ
    て、弾性重合体100重量部、紫外線架橋性樹脂5〜1
    50重量部、粘着付与剤1〜100重量部、及び、重合
    開始剤0.1〜20重量部からなることを特徴とする粘
    着体。
  2. 【請求項2】 更に、シリコーンレジン0.1〜30重
    量部を含有することを特徴とする請求項1記載の粘着
    体。
  3. 【請求項3】 更に、重合禁止剤0.01〜5重量部を
    含有することを特徴とする請求項1又は2記載の粘着
    体。
  4. 【請求項4】 更に、シリカ1〜50重量部を含有する
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の粘着体。
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