JP2002055330A - 液晶表示パネル用積層シートの作製方法 - Google Patents

液晶表示パネル用積層シートの作製方法

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JP2002055330A
JP2002055330A JP2000244317A JP2000244317A JP2002055330A JP 2002055330 A JP2002055330 A JP 2002055330A JP 2000244317 A JP2000244317 A JP 2000244317A JP 2000244317 A JP2000244317 A JP 2000244317A JP 2002055330 A JP2002055330 A JP 2002055330A
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sheet
crystal display
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English (en)
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Shoji Hiuga
章二 日向
Hideo Kuroda
秀雄 黒田
Hideaki Suzuki
秀明 鈴木
Yoshio Taguchi
善男 田口
Akihiro Ikeguchi
明宏 池口
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Bando Chemical Industries Ltd
Seiko Epson Corp
Panac Co Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Seiko Epson Corp
Panac Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性シートと透光性プラスチックフィルム
との間にエアー溜まりが発生しない液晶表示パネル用積
層シートの作製方法を提供する。 【解決手段】 基材樹脂シートとこのシートの一面に形
成されたUV硬化性粘着剤層Aと他面に形成されたアク
リル系粘着剤及び紫外線架橋性化合物を含む粘着剤層B
とからなり、紫外線照射前は粘着剤層A上に載置される
液晶表示パネル用の透光性プラスチックフィルム及び粘
着剤層Bの下に配置される固定用の基体と強固に接着す
る一方、紫外線照射後は透光性プラスチックフィルムの
みとの接着力が低下し、透光性プラスチックフィルムを
基体及び液晶表示パネル用接着性シートから容易に剥離
させることができるように構成された液晶表示パネル用
接着性シートを、粘着剤層Bを介して基体と接着すると
共に、粘着剤層Aを介して透光性プラスチックフィルム
と接着する液晶表示パネル用積層シートの作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示パネル用
積層シートを作製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示パネルにおいては、
基板にガラス、樹脂シート等が使用されているが、最近
の電子機器の軽薄短小化の要求から、樹脂シートの使用
量が段々と多くなってきている。
【0003】樹脂シートを用いて液晶表示パネルを作製
する際には、「液晶ディスプレイの構成材料」(電子材
料、1988年2月号、P.37〜P.44)や「見に
くい液晶のイメージを一新する白黒STNパネル」(日
経マイクロデバイス、1987年10月号、P.78〜
P.98)に記載されているような方法が用いられてい
た。即ち、2枚の樹脂シート上に、直接、それぞれ透光
性酸化金属電極及び配向膜等を形成して積層体を作製
し、ラビング処理等を施した後、スペーサを散布し、続
いて、これら2枚の積層シートの重ね合わせと接着剤に
よる周辺部のシール、液晶の注入と注入口の封じ、偏向
板やカラーフィルタの積層、ICチップと樹脂シート上
の電極との接続等の工程を行っていた。
【0004】しかし、高精度の大面積液晶表示パネルを
可撓性を有する樹脂シート上に作製する場合、従来のよ
うに樹脂シート上に、直接、電極の形成等を行った場合
には、基材樹脂シートがたわみを生じ易いため、3次元
的な意味での一定の形状の保持が難しく、そのためにガ
ラス基板上での加工のように精度の高い加工を行うこと
ができず、工程上、位置合わせの精度の確保や自動化を
図ることが難しいという問題があった。
【0005】そこで、所定の基体上に極めて平坦な透光
性プラスチックフィルムを載置して基体と密着させるこ
とにより、液晶表示パネル用積層シートを作製し、この
積層シートの透光性プラスチックフィルム上に透光性酸
化金属電極等の種々の層を形成する方法がとられてい
た。この方法では、まず、基体に密着させた透光性プラ
スチックフィルム上に透光性酸化金属電極を形成し、続
いて配向膜等を形成して第一の積層基板を作製した後、
この配向膜の上にスペーサを散布して配向膜上にスペー
サを載置する。一方、スペーサを散布しないほかは、上
記方法と同様の方法で第二の積層基板を作製し、その周
囲にシール剤の層等を形成し、このシール剤層が形成さ
れた第二の積層基板に第一の積層基板を重ねて貼り合わ
せ、液晶の注入と注入口の封止を行うことにより液晶表
示パネルを作製する。
【0006】上記工程で使用される基体は、基本的に液
晶表示パネルを構成しないものであり、作製工程のいず
れかの段階で剥離させて取り除く必要がある。そのた
め、第二の積層基板と第一の積層基板とを重ねて貼り合
わせた後に2つの基体を剥離させて取り除くか、又は、
貼り合わせを行う前の工程で片方の積層基板について基
体を剥離させて取り除いておき、第二の積層基板と第一
の積層基板とを貼り合わせた後に、もう片方の積層基体
を剥離させて取り除く方法をとっていた。
【0007】このような液晶表示パネルの作製工程にお
いては、基体上に透光性プラスチックフィルムを密着さ
せた後、積層基板から基体を剥離する工程に至るまで、
精密な作業を円滑に進行させるために、基体上に透光性
プラスチックフィルムが強く固定されていなければなら
ない。
【0008】透光性プラスチックフィルムの基体への固
定が弱いと、透光性プラスチックフィルムにしわや折れ
等が発生し、精密な作業が困難となる。一方、液晶の注
入と注入口の封止を行った後等においては、基体が不要
となるため、透光性プラスチックフィルム及びその上に
作製した積層基板から基体を容易に剥離させることがで
きる必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、透光性プラス
チックフィルム上で種々の作業を行う際には透光性プラ
スチックフィルムとの接着性が高く、一方、剥離する際
には、特定波長域の紫外線を照射することにより、剥離
が容易となる接着性シートを透光性プラスチックフィル
ムと基体との間に挿入することにより固定する方法をと
っていたが、このような接着性シートを使用した場合で
あっても、配向膜形成のための加熱工程において、透光
性プラスチックフィルムと接着性シートとの間に薄い空
気層(以下、エアー溜まりという)が形成されてしま
い、その後の工程で精密な作業が困難になるという問題
があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み、鋭意検討を行った結果、液晶表示パネルの作製に用
いる液晶表示パネル用積層シートを作製する際に、接着
性シートと透光性プラスチックフィルムとを接着させる
粘着剤層にUV硬化性の粘着剤層を形成するだけでな
く、接着性シートと基体とを接着させる粘着剤層に、ア
クリル系粘着剤と紫外線架橋性化合物を含ませることに
より、基体と接着性シートとがより強固に接着するよう
になるため、接着性シートや透光性プラスチックフィル
ムがズレたり、しわや折れ等が発生したりすることがな
く、接着性シートと透光性プラスチックフィルムとの間
にエアー溜まりが発生しない液晶表示パネル用積層シー
トを作製できることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0011】すなわち、第一の本発明の液晶表示パネル
用積層体の作製方法は、基材樹脂シートと該基材樹脂シ
ートの一面に形成されたUV硬化性の粘着剤層Aと他の
一面に形成されたアクリル系粘着剤及び紫外線架橋性化
合物を含む粘着剤層Bとからなり、紫外線照射前は、上
記粘着剤層Aの上に載置される液晶表示パネル用の透光
性プラスチックフィルム及び上記粘着剤層Bの下に配置
される固定用の基体と強固に接着して一体化する一方、
紫外線照射後は、上記透光性プラスチックフィルムのみ
との接着力が低下し、上記透光性プラスチックフィルム
を上記基体及び液晶表示パネル用接着性シートから容易
に剥離させることができるように構成された液晶表示パ
ネル用接着性シートを、上記粘着剤層Bを介して上記基
体と接着するとともに、上記粘着剤層Aを介して上記透
光性プラスチックフィルムと接着することを特徴とす
る。
【0012】また、第二の本発明の液晶表示パネル用積
層シートの作製方法は、粘着剤層A及び/又は粘着剤層
Bの表面に離型フィルムを有する上記液晶表示パネル用
接着性シートを用い、上記離型フィルムを剥離して露出
させたか、又は、初めから露出している上記粘着剤層B
を介して上記接着性シートを上記基体と接着するととも
に、上記離型フィルムを剥離して露出させたか、又は、
初めから露出している上記粘着剤層Aを介して上記接着
性シートを上記透光性プラスチックフィルムと接着する
ことを特徴とする。以下に本発明を詳述する。
【0013】第一の本発明の液晶表示パネル用積層シー
トの作製方法は、液晶表示パネル用接着性シート(以
下、単に接着性シートともいう)を、上記粘着剤層Bを
介して上記基体と接着するとともに、上記粘着剤層Aを
介して上記透光性プラスチックフィルムと接着すること
を特徴とする。
【0014】第一の本発明の作製方法では、接着性シー
トを用いる。上記接着性シートは、紫外線を透過し得る
通常の材質からなる基材樹脂シートとその一面に形成さ
れた特定波長域の紫外線の照射により粘着性が変化する
粘着剤層A及び他の一面に形成された紫外線の照射によ
り粘着性が変化しない粘着剤層Bからなる。
【0015】上記基材樹脂シートとしては、紫外線を透
過させ得る樹脂シートであれば特に限定されず、例え
ば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重
合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリ
塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン、ポリビニルアル
コール、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、アセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート
等からなる樹脂シートを挙げることができる。
【0016】上記基材樹脂シートの一面には、粘着剤層
Aが形成されている。上記粘着剤層Aは、例えば、アク
リル樹脂系粘着剤、紫外線架橋性化合物、重合開始剤等
からなるUV硬化性のものが好ましい。
【0017】上記アクリル樹脂系粘着剤としては、例え
ば、アクリル酸エステルモノマーと他の共重合可能なモ
ノマーとの共重合体等を挙げることができる。このアク
リル酸エステルモノマーと他の共重合可能なモノマーと
の共重合体は、粘着性を付与するために、低いガラス転
移点を有する重合体を形成することが可能な上記アクリ
ル酸エステルモノマーを主なモノマーとして使用し、一
方、上記他の共重合可能なモノマーとして、凝集性を付
与するために高いガラス転移点を有する固い重合体を形
成することが可能なモノマーと、架橋性や接着性を改良
するためにカルボン酸基、水酸基、アミド基、クリシジ
ル基、ヒドロキシル基等の官能基を有するモノマーとを
使用することにより得られる。
【0018】上記アクリル酸エステルモノマーとして
は、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキル
エステル等を挙げることができる。
【0019】上記高いガラス転移点を有する固い重合体
を形成することが可能なモノマーとしては、例えば、酢
酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル等を挙げることができる。ま
た、上記カルボン酸基、水酸基、アミド基、クリシジル
基、ヒドロキシル基等の官能基を有するモノマーとして
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
ヒドロキシルエチルメタクリレート、ヒドロキシルプロ
ピルメタクリレート、アクリルアミド、グリシジルメタ
クリレート等を挙げることができる。
【0020】上記紫外線架橋性化合物としては、例え
ば、特定波長域の紫外線の照射により架橋するオリゴマ
ー又はモノマーとしてのアクリル酸エステル又はメタク
リル酸エステルを挙げることができ、これらは、分子内
に少なくとも2つのアクロイル基又はメタクリロイル基
を有するものであることが好ましい。
【0021】上記オリゴマーとしては、例えば、オリゴ
エステルアクリレート等を挙げることができ、上記モノ
マーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート等の多価アルコール
とアクリル酸とのエステル、又は、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多
価アルコールとメタクリル酸とのエステル等を挙げるこ
とができる。また、そのほかにも、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート等を挙げることができる。
【0022】上記粘着剤層Aを調製する際には、例え
ば、アクリル樹脂系粘着剤100重量部に対して、上記
紫外線架橋性化合物15〜200重量部を添加すること
が好ましい。上記紫外線架橋性化合物の添加量が15重
量部未満では、紫外線照射前後で粘着剤層Aの接着力が
実質的に変化しないことがあり、一方、200重量部を
超えると、紫外線照射後に粘着剤層Aの接着力は低下す
るものの、透光性プラスチックフィルムを粘着剤層Aか
ら剥離する際に、該透光性プラスチックフィルムに粘着
剤が残留することがある。より好ましくは、50〜15
0重量部である。なお、重量部は、固形分の重量の割合
を示す。
【0023】上記重合開始剤は、上記紫外線架橋性化合
物の紫外線照射による架橋を促進するために用いられ
る。第一の本発明においては、従来より公知の重合開始
剤を用いることができる。これらの重合開始剤として
は、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプ
ロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、ベ
ンゾイン、ベンジル、ベンゾフェノン等の芳香族オキシ
ケトン類や芳香族ケトン類、ベンジルジメチルケター
ル、ポリビニルベンゾフェノン等を挙げることができ
る。
【0024】上記重合開始剤の配合量は、上記紫外線架
橋性化合物100重量部に対して1〜20重量部が好ま
しい。
【0025】上記粘着剤層Aは、更に、粘着付与剤、重
合禁止剤、無機フィラー、充填剤、老化防止剤、着色剤
等を含有していてもよい。上記粘着付与剤としては特に
限定されず、従来より粘着剤として用いられているもの
を使用することができる。このような粘着付与剤として
は、例えば、キシレン樹脂、ロジンや重合ロジン、水添
ロジン、ロジンエステル等の変性ロジン系樹脂、テルペ
ン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンフェノール樹
脂等のテルペン系樹脂、脂肪族系、芳香族系及び脂環式
系石油樹脂、クマロン樹脂、スチレン系樹脂、アルキル
フェノール樹脂等を挙げることができる。
【0026】上記粘着付与剤の配合量は、上記アクリル
樹脂系粘着剤100重量部に対して10〜200重量部
が好ましい。上記粘着付与剤の配合量が少なすぎると、
粘着剤層Aの接着力が不充分な場合があり、一方、上記
粘着付与剤の配合量が多すぎると、透光性プラスチック
フィルムを粘着剤層Aから剥離する際に、該透光性プラ
スチックフィルムに粘着付与剤が残留することがある。
【0027】上記重合禁止剤は、上記紫外線架橋性化合
物が紫外線照射以外の要因、例えば、加熱等により重合
することを防止するために必要に応じて用いられる。上
記重合禁止剤としては特に限定されず、従来より公知の
重合禁止剤を用いることができる。これらの重合禁止剤
としては、例えば、ピクリン酸、フェノール、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を挙げる
ことができる。上記重合禁止剤の配合量は、上記紫外線
架橋性化合物100重量部に対して0.1〜1重量部が
好ましい。
【0028】上記粘着剤層Aを構成する各成分に、これ
らを溶解する適量の有機溶媒、例えば、芳香族炭化水
素、ケトン類、又は、これらの混合物を添加して、溶解
させることにより、粘着剤層形成用の均一組成を有する
溶液組成物(以下、溶液組成物ともいう)を得ることが
でき、この溶液組成物を基材樹脂シート上に、従来より
公知の方法により塗布し、乾燥させることにより、上記
粘着剤層Aを形成することができる。上記有機溶媒とし
ては、トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶媒が好
ましい。
【0029】また、上記アクリル樹脂系粘着剤や粘着付
与剤は、通常、溶液の形態で市販されているため、これ
らの市販品を使用するのが便利であり、この場合、これ
らの市販品の溶液を混合し、これに、上記紫外線架橋性
化合物、上記重合開始剤、更に、必要に応じて、その他
の添加剤を添加して、均一に溶解させることにより溶液
組成物を調製してもよい。
【0030】上記溶液組成物中のアクリル樹脂系粘着剤
の配合量としては特に限定されないが、通常、10〜5
0重量%が好ましい。
【0031】上記接着性シートの一面に形成される粘着
剤層Aは、紫外線照射前は、その上に載置される透光性
プラスチックフィルムと強固に接着する一方、紫外線照
射後は、その接着力が低下して上記透光性プラスチック
フィルムから容易に剥離させることができるように構成
されている。
【0032】上記基材樹脂シートの他の一面には、粘着
剤層Bが形成されている。上記粘着剤層Bは、アクリル
樹脂系粘着剤及び紫外線架橋性化合物を含んでいる。第
一の本発明の接着性シートは、上記粘着剤層Bに上記ア
クリル樹脂系粘着剤及び紫外線架橋性化合物を含んでい
るため、上記接着性シートを用いて、液晶表示パネルを
作製すると、基体と接着性シートとがより強固に密着す
る結果、透光性プラスチックフィルムと接着性シートの
間の平坦性が増し、配向膜形成のための加熱工程におい
ても、透光性プラスチックフィルムと接着性シートとの
間にエアー溜まりが形成されることはない。
【0033】上記アクリル樹脂系粘着剤及び紫外線架橋
性化合物としては、例えば、上記粘着剤層Aで使用する
アクリル樹脂系粘着剤及び紫外線架橋性化合物と同様の
もの等を挙げることができる。
【0034】上記粘着剤層Bを調製する際には、例え
ば、アクリル樹脂系粘着剤100重量部に対して、上記
紫外線架橋性化合物5〜100重量部を添加する。上記
紫外線架橋性化合物の添加量が5重量部未満では、透光
性プラスチックフィルムと接着性シートとの間にエアー
溜まりが発生し易くなることがあり、100重量部を超
えると、上記粘着剤層Bと上記基体との間に充分な接着
性が得られないことがある。なお、重量部は、固形分の
重量の割合を示す。
【0035】上記粘着剤層は、更に必要に応じて、粘着
付与剤、重合禁止剤、無機フィラー、充填剤、老化防止
剤、着色剤等を含有していてもよい。上記粘着付与剤や
重合禁止剤としては、例えば、上記粘着剤層Aで使用す
る粘着付与剤や重合禁止剤と同様のもの等を挙げること
ができる。
【0036】上記接着性シートの他の一面に形成される
粘着剤層Bは、紫外線照射の前後においても、接着性は
変わらず、基材樹脂シート及び固定用の基体と強固に接
着するように構成されている。
【0037】第一の本発明の液晶表示パネル用積層シー
トの作製方法においては、上記した構成からなる接着性
シートを、上記粘着剤層Bを介して上記基体と接着する
ともに、上記粘着剤層Aを介して上記透光性プラスチッ
クフィルムと接着する。
【0038】上記基体としては、透光性プラスチックフ
ィルムを3次元的な意味での一定の形状に保持できるも
のであれば特に限定されず、例えば、ガラス基板等の透
明性を有し、剛性が高く、変形しにくいものを挙げるこ
とができる。
【0039】上記透光性プラスチックフィルムとして
は、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエーテル/エ
ーテルケトン等からなるものを挙げることができる。ま
た、上記透光性プラスチックフィルムは、二次加工によ
りガスバリアー層、ハードコート層、透明導電膜層等が
形成されたされたものであってもよい。
【0040】上記接着の際の条件は特に限定されず、常
温、常圧下に行ってもよいが、加熱及び加圧下に行うこ
とが好ましい。加熱を行う際の温度としては40〜15
0℃が好ましく、50〜130℃がより好ましい。ま
た、加圧を行う際の圧力としては、0.01〜10MP
aが好ましい。このような条件で上記接着工程を行うこ
とにより、上記接着性シートと上記透光性プラスチック
フィルム、及び、上記接着性シートと上記基体とをより
強固に接着することができる。
【0041】上記加熱及び加圧下において、上記接着性
シートを上記粘着剤層Bを介して、上記基体と接着する
方法としては、例えば、上記基体上に粘着剤層Bが下側
になるように接着性シートを載置した後、ロールを用い
て加熱、加圧し、接着する方法等を挙げることができ
る。
【0042】また、上記接着性シートを上記粘着剤層A
を介して、上記透光性プラスチックフィルムと接着する
方法としては、上記接着性シートの粘着剤層Aの上に上
記透光性プラスチックフィルムを載置した後、加圧して
ラミネートする方法等を挙げることができる。
【0043】具体的には、ロール又はドラムを接着性シ
ート上に載置した透光性プラスチックフィルムに押しつ
けて回転させ、ラミネートする。このとき用いるロール
又はドラムは加熱可能なものが好ましい。上記透光性プ
ラスチックフィルムは、その厚さが数10μm〜数10
0μmと薄いため、上記ロール等を加熱しておくことに
より、加圧時の透光性プラスチックフィルム及び接着性
シートの温度をロールの温度とほぼ同じ温度にすること
ができる。また、上記したように、ロール又はドラムを
用いて、接着性シートと透光性プラスチックフィルムと
を接着することにより、上記粘着剤層Aが気泡を含有し
ていた場合には、上記気泡を粘着剤層Aから追い出すこ
とができる。
【0044】液晶表示パネルの作製工程においては、上
記透光性プラスチックフィルム上に、種々の層を物理的
な方法や化学的な方法等を用いて形成する際に、様々な
力が上記透光性プラスチックフィルムに作用するが、上
記作製工程を円滑に進めるためには、上記透光性プラス
チックフィルムはしっかりと基体に固定されている必要
がある。第一の本発明の作製方法を用いて作製された液
晶表示パネル用積層シートにおいて、接着性シートは、
液晶表示パネル用の透光性プラスチックフィルム及びそ
の下に配置される固定用の基体と強固に接着して一体化
するように構成されているので、上記透光性プラスチッ
クフィルムは、ズレたり、しわや折れ等が発生したりす
ることがない。
【0045】上記液晶表示パネル用積層シートにおいて
は、接着性シートと紫外線照射前の常温における透光性
プラスチックフィルム及び固定用の基体との接着力が、
100g/25mm以上であることが好ましい。上記液
晶表示パネルの作製工程では、常温において、液晶表示
パネル用積層シートに種々の大きな力が作用するからで
ある。
【0046】また、上記接着性シートにおいては、接着
性シートと紫外線照射前の100〜200℃の温度下に
おける透光性プラスチックフィルム及び固定用の基体と
の接着力が、40g/25mm以上であることが好まし
い。上記液晶表示パネルの作製工程では、配向膜を形成
する際等において、これらの系を加熱する必要があり、
このような高温雰囲気下においても、密着性を維持する
必要があるからである。
【0047】一方、紫外線を照射しても、上記接着性シ
ートと上記基体との接着力は維持され、上記接着性シー
トと上記基体とは強固に接着されたままであるのに対
し、この紫外線照射により、上記接着性シートと上記透
光性プラスチックフィルムとの接着力は低下し、上記透
光性プラスチックフィルムから上記接着性シートを容易
に剥離させることができる。より容易に剥離を行うため
には、紫外線照射後の常温における接着性シートと透光
性プラスチックフィルムとの接着力は、20g/25m
m以下であることが好ましい。
【0048】このように、上記液晶表示パネル用積層シ
ートにおいては、紫外線照射後に接着性シートと上記透
光性プラスチックフィルムとの接着力のみが低減する結
果、例えば、上記透光性プラスチックフィルム上に複数
の層の形成等を行い、液晶表示パネルを作製する工程が
終了した際に、例えば、高圧水銀灯を用いて紫外線を照
射することにより、上記接着性シートを容易に剥離させ
ることができ、目的とする液晶表示パネル用の積層体等
を容易に得ることができる。
【0049】上記粘着剤層に紫外線を照射する方法とし
ては特に限定されず、従来より用いられている方法を用
いることができ、例えば、キセノンランプ、低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等の紫外線
源を用いて、数秒〜数分間照射する方法等を挙げること
ができる。
【0050】上記粘着剤層は、低圧水銀灯の254nm
を主波長とする紫外線によっては、接着力が殆ど低下せ
ず、一方、高圧水銀灯の365nmを主波長とする紫外
線によって、接着力が大きく低下するものであることが
好ましい。液晶表示パネルの作製工程においては、例え
ば、フォトレジストのパターニングを行う際に、低圧水
銀灯の254nmを主波長とする紫外線を照射する場合
があるからである。
【0051】第二の本発明の液晶表示パネル用積層シー
トの作製方法は、粘着剤層A及び/又は粘着剤層Bの表
面に離型フィルムを有する請求項1記載の液晶表示パネ
ル用接着性シートを用い、上記離型フィルムを剥離して
露出させたか、又は、初めから露出している上記粘着剤
層Bを介して上記接着性シートを上記基体と接着すると
ともに、上記離型フィルムを剥離して露出させたか、又
は、初めから露出している上記粘着剤層Aを介して上記
接着性シートを上記透光性プラスチックフィルムと接着
することを特徴とする。
【0052】第二の本発明で用いる接着性シートは、粘
着剤層A及び/又は粘着剤層Bの表面に離型フィルムを
有する点において、第一の本発明で用いる接着性シート
と異なる。しかし、基材樹脂シート、粘着剤層A及び粘
着剤層Bは、第一の本発明で用いる接着性シートと同様
に構成されている。
【0053】このように、粘着剤層A及び/又は粘着剤
層Bの表面に離型フィルムが貼り付けられているのは、
一旦、接着性シートを作製した後、この接着性シートを
保管したり、他の場所に運搬する場合、粘着剤層に埃や
塵等が付着しないようにする必要があるからである。
【0054】粘着剤層A側又は粘着剤層B側のどちらか
片側のみに上記離型フィルムが貼り付けられた接着性シ
ートを挙げたのは、接着性シートを積層したり、巻き付
けてテープ状にして保管等することを考慮したためであ
り、粘着剤層A側及び粘着剤層B側の両側に上記離型フ
ィルムが貼り付けられた接着性シートを挙げたのは、シ
ート状でそのまま保管等することを考慮したためであ
る。
【0055】また、通常は、基材樹脂シート上に、直接
的に粘着剤層を形成するが、離型フィルムを用いる場合
には、離型フィルム上に粘着剤層用の溶液組成物を塗布
し、乾燥させることにより粘着剤層を形成し、この粘着
剤層の形成された離型フィルムを上記基材樹脂シートに
ラミネート転写等の方法を用いて接着することにより接
着性シートを作製してもよい。
【0056】上記離型フィルムとしては、例えば、ポリ
エチレンテレフタレートフィルム、シリコーン離型PE
Tフィルム、ポリエチレンフィルム等を挙げることがで
きる。
【0057】第二の本発明の作製方法では、液晶表示パ
ネル用積層シートを作製する際に、必要に応じて、離型
フィルムを剥離した後、接着性シートを上記粘着剤層B
を介して基体と接着するとともに、上記粘着剤層Aを介
して上記透光性プラスチックフィルムと接着する。
【0058】次に、第二の本発明の液晶表示パネル用積
層シートの作製方法を用いた液晶表示パネルの作製方法
について具体的に説明する。液晶表示パネルを作製する
際には、まず、図1(a)に示すように、粘着剤層B1
2側の離型フィルム(図示せず)を剥離した後、ガラス
等からなる基体11上に、粘着剤層A14側に離型シー
ト19が貼り付けられた、基材樹脂シート13と粘着剤
層A14と粘着剤層B12とからなる接着性シート20
を粘着剤層B12を介して接着する。
【0059】次に、図1(b)に示すように、粘着剤層
A14側の離型フィルム19を剥離した後、接着性シー
ト20の接着されたガラス等からなる基体11上に、ロ
ール18を用い、加熱及び加圧を行いながら、粘着剤層
A14を介して透光性プラスチックフィルム15をラミ
ネートすることにより、図(c)に示すような液晶表示
パネル用積層シート21を作製する。
【0060】次に、図1(d)に示すように、透光性プ
ラスチックフィルム15の上に、透光性酸化金属電極1
6、配向膜17等を形成し、液晶表示パネルに用いる積
層体を作製する。図1(d)に示す工程において、配向
膜17を形成する際には、液晶表示パネル用積層シート
21を含む部分が加熱される。通常、配向膜17を形成
する際には、これらの系を100〜200℃で1〜3時
間保持する。上記方法により作製された液晶表示パネル
用積層シート21は、このような高温下においても、透
光性プラスチックフィルム15と接着性シート20と基
体11とが強固に密着している。その結果、図1(d)
に示す工程における精密な作業を円滑に進行させること
ができる。
【0061】なお、ガラス等の固体からなる基体11上
に、粘着剤層B12を介して接着性シート20を接着し
ているのは、接着性シート20をしっかりした基体11
に固着するためである。このようにすることで、液晶表
示パネル用積層シート21を構成する基材樹脂シート1
3や透光性プラスチックフィルム15が曲がったり、折
れたりするのを防止することができる。
【0062】次に、粘着剤層A14に、例えば、高圧水
銀灯の365nmを主波長とする紫外線を照射すること
により、図1(e)に示すように、接着性シート20と
基体11とを透光性プラスチックフィルム15等から容
易に剥離させることができる。接着性シート20を透光
性プラスチックフィルム15から剥離させる時期として
は特に限定されず、上記液晶表示パネルの作製工程にお
いて、作業が円滑に進行するように、適時、剥離を行え
ばよい。この後、従来の場合と同様にして、液晶表示パ
ネルを作製する。
【0063】このように、上記方法により液晶表示パネ
ルを作製した場合、高温雰囲気下を経た後でも、上記接
着性シートと透光性プラスチックフィルムとの間には、
エアー溜まりが発生することがない。これは、上記液晶
表示パネル用積層シートの粘着剤層Bには、アクリル系
粘着剤と紫外線架橋性化合物とが含まれているおり、液
晶表示パネルの製造工程において、接着性シートと基体
とが粘着剤層Bを介して強固に接着し、接着性シートと
透光性プラスチックフィルムとの界面が平坦化されてい
るためと考えられる。
【0064】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、以下の実施例及び比較例における各成
分の配合量に関し、固形分の重量部である。
【0065】実施例1 まず、表1に示す配合量のアクリル系粘着剤、紫外線架
橋性化合物、重合開始剤及び粘着付与剤を容器にとっ
て、固形分が35重量%となるようにメチルエチルケト
ン(MEK)を加えて混合し、粘着剤層A形成用の溶液
組成物Aを調製した。
【0066】また、上記溶液組成物Aとは別に、表1に
示す配合量のアクリル系粘着剤、紫外線架橋性化合物及
び粘着付与剤を容器にとって、固形分が35重量%とな
るようにMEKを加えて混合し、粘着剤層B形成用の溶
液組成物Bを調製した。
【0067】次に、上記溶液組成物Aを厚さ38μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィル
ム)の一面に塗布し、120℃で1分間乾燥させること
により、20μmの厚みの粘着剤層Aを形成した後、直
ちに、粘着剤層A上にポリカーボネートフィルムを載置
し、その温度が100℃のロールを用い、0.1MPa
の圧力で、透光性プラスチックフィルムに押しつけて回
転させることによりラミネートを行った。
【0068】これとは別に、シリコーン離型PETフィ
ルム上に上記溶液組成物Bを塗布し、120℃で1分間
乾燥させることにより、20μmの厚みの粘着剤層Bを
形成した後、この粘着剤層B側を50℃の温度下でラミ
ネート転写することにより粘着剤層Aを形成したPET
フィルムの他の一面に貼り付け、透光性プラスチックフ
ィルムと接着された接着性シートを作製した。
【0069】次に、上記接着性シートを幅25mm、長
さ100mmに裁断し、離型シリコーンフィルムを剥離
した後、粘着剤層B側をガラス基板に気泡を形成しない
ように重ね、ゴムロールを用いて貼り付けることにより
液晶表示パネル用積層シートを作製した。得られた液晶
表示パネル用積層シートについて、下記の評価方法を用
いて評価を行った。結果を表1に示した。
【0070】評価方法 (1)紫外線照射前の接着力の測定 インストロン1175型の試験機を用い、常温下、引張
速度300mm/分の条件で試験片の90°剥離試験を
行い、その接着力を測定した。
【0071】(2)紫外線照射前の130℃雰囲気下で
のエアー溜まりの測定 試験片を130℃のオーブンに2時間入れた後取り出
し、ルーペを用いて、エアー溜まりの有無を目視観察し
た。
【0072】(3)紫外線照射後の接着力の測定 試験片にガラス基板側より、主波長365μm、80W
/cmにて紫外線を1000mJ照射した。その後、イ
ンストロン1175型の試験機を用い、常温下、引張速
度300mm/分の条件で、この試験片の90°剥離試
験を行い、その接着力を測定した。
【0073】実施例2 表1に示す配合量の溶液組成物A及び溶液組成物Bを調
製した。次に、上記溶液組成物Aを厚さ38μmのPE
Tフィルムの一面に塗布し、120℃で1分間乾燥させ
ることにより、20μmの厚さの粘着剤層Aを形成した
後、直ちに粘着剤層A上にシリコーン離型PETフィル
ムを載置し、常温のロールを用い、0.1MPaの圧力
で離型フィルムに押しつけて、回転させることによりラ
ミネートを行った。
【0074】これとは別に、シリコーン離型PETフィ
ルム上に上記溶液組成物Bを塗布し、120℃で1分間
乾燥させることにより、20μmの厚みの粘着剤層Bを
形成した後、この粘着剤層B側を50℃の温度下でラミ
ネート転写することにより粘着剤層Aを形成したPET
フィルムの他の一面に貼り付け、両面に離型フィルムの
貼り付けられた接着性シートを作製した。
【0075】次に、上記接着性シートを幅25mm、長
さ100mmに裁断し、粘着剤層B側のシリコーン離型
PETフィルムを剥離した後、接着性シートをガラス基
板上に載置し、粘着剤層B側とガラス基板との間で気泡
を形成しないように、ゴムロールを用いて貼り付けた。
【0076】更に、粘着剤層A側のシリコーン離型PE
Tフィルムを剥離した後、粘着剤層A上にポリカーボネ
ートフィルムを載置し、その温度が100℃のロールを
0.1MPaの圧力で、ポリカーボネートフィルムに押
しつけて回転させることによりラミネートを行い、液晶
表示パネル用積層シートを作製した。得られた液晶表示
パネル用積層シートについて、実施例1と同様にして、
種々の特性を測定し、評価を行った。結果を表1に示し
た。
【0077】比較例1〜2 溶液組成物A及び溶液組成物Bの配合量を表1に示すよ
うに代えた以外は、実施例1と同様にして、接着性シー
ト及び試験片を作製し、実施例1と同様にして、種々の
特性を測定し、評価を行った。結果を表1に示した。
【0078】
【表1】
【0079】上記表1に示したように、実施例1〜2で
作製した液晶表示パネル用積層シートは、高温雰囲気下
に放置した際にもエアー溜まりが発生することがなかっ
た。これは、接着性シートと基体とが接着剤層Bを介し
て強固に接着し、平坦化されているためであると考えら
れる。また、この液晶表示パネル用積層シートにおける
接着性シートと透光性プラスチックフィルムとのUV照
射前の接着力は大きかったのに対し、UV照射後の接着
力は著しく低減し、透光性プラスチックフィルムを接着
性シートから容易に剥離させることができた。
【0080】これに対し、比較例1〜2で作製した液晶
表示パネル用積層シートは、高温雰囲気下に放置した際
にエアー溜まりが発生していた。これは、粘着剤層Bに
紫外線架橋性化合物が配合されていないため、接着性シ
ートと基体との接着力が余り強くなく、ズレ等が生じた
ためである考えられる。さらに、比較例2で作製した液
晶表示パネル用積層シートでは、粘着剤層Aに重合開始
剤が配合されていないため、接着性シートと透光性プラ
スチックフィルムとの接着力がUV照射後にもほとんど
低減せず、接着性シートを基体から容易に剥離させるこ
とができなかった。
【0081】
【発明の効果】本発明の液晶表示パネル用積層シートの
作製方法は、上述の構成からなるので、用いる接着性シ
ートと透光性プラスチックフィルム及び基体とを強固に
接着させることができ、特に、上記接着性シートと上記
基体とを強固に接着できるため、上記接着性シートと上
記透光性プラスチックフィルムの界面が平坦化され、液
晶表示パネルの作製工程における高温雰囲気下において
も、エアー溜まりが発生しない。その結果、液晶表示パ
ネルの作製工程における精密な作業を円滑に進行させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、本発明の液晶表示パネル用
積層シートの作製方法を含む液晶表示パネルの作製工程
を説明するための説明図である。
【符号の説明】
11 基体 12 粘着剤層B 13 基材樹脂シート 14 粘着剤層A 15 透光性プラスチックフィルム 16 透光性酸化金属電極 17 配向膜 18 ロール 19 離型シート 20 接着性シート 21 液晶表示パネル用積層シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日向 章二 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 黒田 秀雄 神戸市兵庫区明和通3−2−15 バンドー 化学株式会社内 (72)発明者 鈴木 秀明 神戸市兵庫区明和通3−2−15 バンドー 化学株式会社内 (72)発明者 田口 善男 神戸市兵庫区明和通3−2−15 バンドー 化学株式会社内 (72)発明者 池口 明宏 神戸市兵庫区明和通3−2−15 バンドー 化学株式会社内 Fターム(参考) 2H090 JB03 JB11 JD13 JD15 4F100 AG00D AK01A AK01B AK25C AK42A AT00D BA04 BA07 BA10A BA10D BA13 EC181 EC182 EH461 EJ191 EJ192 EJ861 EJ911 GB41 JB14B JB14C JL02 JL05 JL13B JL13C JL14B JN01A 4J004 AA10 AA17 AB01 AB07 DB02 EA05 FA05 4J040 DF001 JA09 JB08 JB09 NA20 PA23 PA32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材樹脂シートと該基材樹脂シートの一
    面に形成されたUV硬化性の粘着剤層Aと他の一面に形
    成されたアクリル系粘着剤及び紫外線架橋性化合物を含
    む粘着剤層Bとからなり、紫外線照射前は、前記粘着剤
    層Aの上に載置される液晶表示パネル用の透光性プラス
    チックフィルム及び前記粘着剤層Bの下に配置される固
    定用の基体と強固に接着して一体化する一方、紫外線照
    射後は、前記透光性プラスチックフィルムのみとの接着
    力が低下し、前記透光性プラスチックフィルムを前記基
    体及び液晶表示パネル用接着性シートから容易に剥離さ
    せることができるように構成された液晶表示パネル用接
    着性シートを、前記粘着剤層Bを介して前記基体と接着
    するとともに、前記粘着剤層Aを介して前記透光性プラ
    スチックフィルムと接着することを特徴とする液晶表示
    パネル用積層シートの作製方法。
  2. 【請求項2】 粘着剤層A及び/又は粘着剤層Bの表面
    に離型フィルムを有する請求項1記載の液晶表示パネル
    用接着性シートを用い、前記離型フィルムを剥離して露
    出させたか、又は、初めから露出している前記粘着剤層
    Bを介して前記接着性シートを前記基体と接着するとと
    もに、前記離型フィルムを剥離して露出させたか、又
    は、初めから露出している前記粘着剤層Aを介して前記
    接着性シートを前記透光性プラスチックフィルムと接着
    することを特徴とする液晶表示パネル用積層シートの作
    製方法。
  3. 【請求項3】 液晶表示パネル用接着性シートを、40
    〜150℃の温度下、前記粘着剤層Bを介して前記基体
    と接着するとともに、前記粘着剤層Aを介して前記透光
    性プラスチックフィルムと接着することを特徴とする請
    求項1又は2記載の液晶表示パネル用積層シートの作製
    方法。
  4. 【請求項4】 粘着剤層Aは、アクリル系粘着剤、紫外
    線架橋性化合物及び重合開始剤からなる請求項1、2又
    は3記載の液晶表示パネル用接着性シートの作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007310215A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Swancor Ind Co Ltd 軟式液晶ディスプレイパネルの製造方法
KR101326232B1 (ko) 2010-12-13 2013-11-11 삼성코닝정밀소재 주식회사 평판 디스플레이 및 그 제조 방법

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