JP2001316615A - 粉体塗料 - Google Patents

粉体塗料

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JP2001316615A
JP2001316615A JP2000133819A JP2000133819A JP2001316615A JP 2001316615 A JP2001316615 A JP 2001316615A JP 2000133819 A JP2000133819 A JP 2000133819A JP 2000133819 A JP2000133819 A JP 2000133819A JP 2001316615 A JP2001316615 A JP 2001316615A
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powder coating
coating
powder
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JP2000133819A
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Kazuhiko Nakayama
和彦 中山
Katsuhiko Rindo
克彦 林藤
Yukiya Sato
幸哉 佐藤
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合塗布し
た際にも、均一な色相を有し、かつ耐溶剤性にも優れた
塗膜が得られる粉体塗料を提供する。 【解決手段】2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合塗
布する塗装方法に用いられる、樹脂、着色剤、硬化剤を
含有してなる粉体塗料であって該着色剤として白色の着
色剤及び/又は白色以外の着色剤が配合され、該白色以
外の着色剤が、テトラヒドロフランに可溶であり、テト
ラヒドロフランを展開溶媒とする薄層クロマトグラフィ
ーにより測定される移動率(Rf T)が0.1以上であ
る着色成分(成分X)を含み、かつアセトンを展開溶媒
とする薄層クロマトグラフィーにより測定される移動率
(Rf A)が0.2を超える着色成分(成分Y) を、該
白色以外の着色剤中に0.1〜20重量%含有するもの
である粉体塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2種以上の色相の
異なる粉体塗料を混合塗布する塗装方法に用いられる粉
体塗料、該粉体塗料を含有した粉体塗料組成物、該粉体
塗料又は粉体塗料組成物を用いた塗装方法及び該塗装方
法により得られる塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、樹脂、硬化剤、添加剤等に
所望の色相を出すための数色の着色剤を加え、混合した
後、溶融混練し、その後、冷却、粉砕、必要に応じて分
級することにより、製造されている。そのため、要求さ
れる色相毎に塗料を用意せざるを得ず、その品揃えは膨
大な数にのぼっている。
【0003】これに対し、熱硬化性粉体塗料の調色工程
を簡素化するために、数種の着色粉体を混合した粉体塗
料が提案されている。
【0004】特表平4−504431号公報には、好ま
しくは10μm以下の数種の着色粉体を混合した後に凝
集させて15〜75μmの粒子に造粒し、塗装する方
法、すなわち、異なった色の粒子は塗膜を形成した後で
さえはっきりとした境界を残しているため、色の違いが
目では見分けることができない粒子径、最大サイズが1
0μm以下の粉体を、異なった色の粒子の偏析を生じな
いように造粒して一般の静電塗装機でも塗装可能とする
方法が提案されている。しかしながら、粉体塗料を好ま
しくは10μm以下に粉砕し、造粒するため製造工程が
煩雑となり、このような塗膜を得るには時間、コストが
かかる。
【0005】また、EP724611には、“blee
ding”染料・顔料を含有する数種の着色熱硬化粉体
塗料を混ぜて特殊コートする方法、すなわち、“ble
eding”染料・顔料を含有する塗料を混合、塗装、
焼き付けして第1層を形成した後、第1層から染・顔料
を“bleed”させる透明なトップコート(第2層)
を塗装、焼き付けして形成する方法が提案されている。
しかしながら、使用する染料・顔料が“bleed”し
易いため、得られる塗膜は溶剤により色落ちしやすく、
また2コート2ベイクが必要とされるため塗装工程が煩
雑である。
【0006】また、特開平10−279695号公報に
は、粒径が大きくても20μmである着色粒子を粉体塗
料に加えて攪拌混合する方法が提案されている。しかし
ながら、着色粒子の添加量が多いと塗膜の機械的物性や
光沢が低下し、添加量が少ないと色相の範囲が狭くなる
ため、数多くの着色粉体を用意しなければならないとい
う問題がある。
【0007】さらに本発明者らは、単独では250℃以
下で硬化しないが、他種の粉体塗料と混合塗布すること
により250℃以下で硬化する粉体塗料を用いる方法
(特許2899966号公報)を開発したが、混合する
樹脂の組み合わせによっては、得られる塗膜の鮮映性及
び光沢性が不十分であることから、さらなる改良が望ま
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、2種以上の
色相の異なる粉体塗料を混合塗布した際にも、均一な色
相を有し、かつ耐溶剤性にも優れた塗膜が得られる粉体
塗料、該粉体塗料を含有した粉体塗料組成物、該粉体塗
料又は粉体塗料組成物を用いた塗装方法及び該塗装方法
により得られる塗膜を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 2種
以上の色相の異なる粉体塗料を混合塗布する塗装方法に
用いられる、樹脂、着色剤、硬化剤を含有してなる粉体
塗料であって、該着色剤として白色の着色剤及び/又は
白色以外の着色剤が配合され、該白色以外の着色剤が、
テトラヒドロフランに可溶であり、テトラヒドロフラン
を展開溶媒とする薄層クロマトグラフィーにより測定さ
れる移動率(Rf T)が0.1以上である着色成分(成
分X)を含み、かつアセトンを展開溶媒とする薄層クロ
マトグラフィーにより測定される移動率(Rf A)が
0.2を超える着色成分(成分Y) を、該白色以外の着
色剤中に0.1〜20重量%含有するものである粉体塗
料、(2) 2種以上の色相の異なる粉体塗料からなる
粉体塗料組成物であって、前記(1)記載の粉体塗料を
少なくとも1種含有してなる粉体塗料組成物、(3)
2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合塗布して均一な
色相の塗膜を形成させる塗装方法であって、前記(1)
記載の粉体塗料を少なくとも1種用いる塗装方法、
(4) 前記(2)記載の粉体塗料組成物を用いて塗布
する塗装方法、並びに(5) 前記(3)又は(4)記
載の塗装方法により得られる塗膜、に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の粉体塗料には、着色剤と
して白色の着色剤及び/又は白色以外の着色剤を配合さ
れ、白色以外の着色剤は、テトラヒドロフラン(TH
F)に可溶であり、THFを展開溶媒とする薄層クロマ
トグラフィーにより測定される移動率(Rf T)が0.
1以上である着色成分(成分X)を含み、かつアセトン
を展開溶媒とする薄層クロマトグラフィーにより測定さ
れる移動率(Rf A)が0.2を超える着色成分(成分
Y) を含有したものである。
【0011】成分XのRf Tは、0.1以上、好ましく
は0.5以上、より好ましくは0.8以上である。着色
剤がRf Tが0.1以上の成分を有していないと、粉体
塗料を焼き付けた際の着色剤の移動が不十分で、色相の
異なる粉体塗料と組み合わせて混合塗布しても十分な色
相の均一性を有する塗膜は得られず、Rf T値の大きな
着色成分の含有量が多いほど、着色剤が粉体塗料間を十
分に移動し、より均一な色相の塗膜が得られる。なお、
本明細書で言う“均一”な色相の塗膜とは、形成された
塗膜の色相が均質であるため、混合塗布した各粉体塗料
の色が目視では見分けることができない程度のことを言
う。
【0012】また、白色以外の着色剤中における成分Y
の含有量は、0.1〜20重量%、、好ましくは0.1
〜15重量%、より好ましくは0.1〜5重量%であ
る。成分Yの含有量が20重量%を越えると、得られる
塗膜の耐溶剤性、耐光性等が悪化し、色落ち、変色等の
問題が生じやすいが、成分Yの含有量が少ないほど、塗
膜の耐溶剤性及び耐光性は向上する。
【0013】さらに、白色以外の着色剤は、テトラヒド
ロフランに不溶な着色成分(成分Z)を含むことが好ま
しく、成分Y/成分Z(重量比)は、0.1/99.9
〜20/80が好ましく、0.1/99.9〜15/8
5がより好ましく、0.1/99.9〜10/90が特
に好ましい。また、成分Yと成分Zの総量は、白色以外
の着色剤中、50重量%以上が好ましく、70〜100
重量%がより好ましく、90〜100重量%が特に好ま
しい。
【0014】また、THFに可溶であり、Rf Tが0.
1以上、かつRf Aが0.2以下の成分の含有量は、白
色以外の着色剤中、0.1重量%以下が好ましい。
【0015】本発明において、着色剤中の成分X〜Z
は、以下の方法によって測定される。すなわち、着色剤
0.2gを精秤し、THF100mlに加え、1時間攪
拌して分散させる。この分散液全量を孔径0.20μm
のPTFEフィルターにて濾過し、フィルターとともに
105℃で3時間乾燥し、残渣を成分Zの含量として求
める。一方、濾液をTLCアルミニウムプレート「シリ
カゲル60F254 」(メルク社製、7cm×7cm、シ
リカゲル層の厚さ約200μm)上で、THFを展開溶
媒として展開させ、移動率が0.1以上の成分を成分X
とする。なお、移動率は目視により求め、範囲を有する
場合は、最も大きい値を成分XのRf Tとして採用す
る。さらに、濾液を2ml程度になるまで濃縮した溶液
を、PTLCプレート「シリカゲル60F254 」(メル
ク社製、20cm×20cm、シリカゲル層の厚さ2m
m)上にのせて、乾燥する。これをアセトンを展開溶媒
として展開させ、移動率が0.2を超える着色成分のみ
をシリカゲルごと分取しTHFで抽出して、孔径0.2
0μmのPTFEフィルターにて濾過し、濾液から溶媒
を除去して105℃で3時間乾燥後、残渣を成分Yの含
量として求める。なお、通常のTHFには安定剤として
ジブチルヒドロキシトルエンが250ppm程度含まれ
るため、本測定においては、この安定剤を含まないTH
Fを用いることが好ましい。
【0016】着色剤中の成分X〜Zの含有量を調整する
手段としては、顔料と染料とを適宜組み合わせて着色剤
として用いる方法や、着色成分の物理的、化学的性質を
変える各種変性処理方法により、着色成分のRf T、R
f Aを調整する方法等が挙げられる。
【0017】なお、着色剤の物理的、化学的性質を変え
る変性処理方法としては、一般によく知られている着色
剤誘導体処理、ポリマー処理等が挙げられる(「最新顔
料分散技術」(1995年)、(株)技術情報協会発
行、36〜41頁;「色材」(1999年)、72
〔4〕、238〜245頁、有機顔料の表面処理、中村
幸治著)。
【0018】前記着色剤誘導体処理とは、使用される着
色剤をこれと同一又は近似する骨格を有する着色剤の誘
導体で処理する方法であり、かかる着色剤誘導体とは、
カルボキシル基、スルホン基、三級アミノ基、ポリマー
等の官能基や化合物等を着色剤骨格中に置換基として直
接導入した化合物の総称である。前記ポリマー処理と
は、in situ重合法、相分離法等により着色剤表
面をポリマーで被覆する方法であり、使用されるポリマ
ーとしては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体、ポリビニルトルエン、スチレン/アクリル酸
エステル共重合体、エチルセルロース、尿素アルデヒド
樹脂等が挙げられる。これらの処理方法の中では、着色
剤表面を分子レベルでより確実に変性できる点から、着
色剤誘導体処理が好ましい。
【0019】本発明における着色剤としては、白色の着
色剤としては、酸化チタン等が挙げられ、また白色以上
の着色剤としては、イエローではジスアゾエロー、アセ
ト酢酸アリールアミド系モノアゾ黄色顔料;マゼンタで
はカーミン6B、ピグメントレッド;シアンでは銅フタ
ロシアニン;グリーンでは塩素化及び/又は臭素化銅フ
タロシアニン;黒ではカーボンブラック等の顔料や、ソ
ルベントブルー等の染料を、必要に応じて前記の変性処
理を施し、含有する着色成分のRf T及びRfAを所望
の値に調整して用いることができ、これらは2種以上の
混合物であってよい。なお、成分X、Y以外の着色成分
を目的に応じて有していてもよい。
【0020】着色剤の含有量は、目的とする色の濃度や
配合する粉体塗料の比率等に応じて適宜決定すればよい
が、例えば樹脂100重量部に対して、好ましくは0.
1〜60重量部、より好ましくは0.3〜50重量部で
ある。
【0021】本発明の粉体塗料は、以上説明した着色剤
に加えて、少なくとも樹脂及び硬化剤を含有する、熱硬
化性の粉体塗料である。
【0022】樹脂としては、従来より公知である樹脂が
特に限定されることなく使用可能である。例えば、ポリ
エチレン、ナイロン樹脂、塩化ビニルなどの非反応性樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂な
どの反応性樹脂等が挙げられ、これらは2種以上を混合
して用いてもよい。これらのなかでは、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂が好ましく、ポリエ
ステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を主成分として、結
着樹脂中、50〜100重量%含有することがより好ま
しい。また、本発明では、焼き付け時に着色剤を十分に
移動させて、均一な色相の塗膜を得るために、より溶融
粘度が低い樹脂が好ましい。
【0023】硬化剤としては、従来より公知である硬化
剤が特に限定されることなく使用可能である。例えば、
トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト等のポリイソシアネート系硬化剤;1,3,5−トリ
グリシジルイソシアヌレート等のイソシアヌレート系硬
化剤;ブロックイソシアネート系硬化剤;ビスフェノー
ルA型ジグリシジルエーテル等のエポキシ系硬化剤;ア
ルコキシシラン系硬化剤;ポリアジリジン系硬化剤;オ
キサゾリン系硬化剤等が挙げられる。硬化剤の含有量
は、樹脂中に存在する官能基の量にもよるが、官能基の
当量比で0.8〜1.2の範囲が好ましい。
【0024】また、本発明の粉体塗料には、分散剤、分
散助剤等が含有されていてもよい。分散剤及び分散助剤
は、使用する樹脂、着色剤との組み合わせによって適宜
選択される。分散剤及び分散助剤を用いると、着色剤の
分散が良好となり、光沢に優れる塗膜が得られるばかり
でなく、塗料の溶融粘度が低下して着色剤が移動し易く
なり、より色相の均一な塗膜が得られる。
【0025】分散剤としては、付加反応、縮合反応、ラ
ジカル重合反応等により生成する、極性基を1個以上有
する界面活性能を有する化合物等を用いることができ、
具体的には、ポリエチレンイミン誘導体、ポリアリルア
ミン誘導体、ポリウレタン誘導体、(メタ)アクリル酸
アミノアルキルエステル共重合体又はその4級化物等の
カチオン性高分子;芳香族スルホン酸ホルマリン縮合
物、(メタ)アクリル酸共重合体、ポリオキシアルキレ
ン(炭素数2〜3)アルキル(炭素数8〜18)フェニ
ルエーテル硫酸エステル及びそれらの塩等のアニオン性
高分子;ポリオキシアルキレン(炭素数2〜3)アルキ
ル(炭素数12〜20)エーテル、ポリオキシアルキレ
ン(炭素数2〜3)アルキル(炭素数8〜18)フェニ
ルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル又はそのポリオ
キシエチレン付加物、(メタ)アクリル酸ポリアルキレ
ングリコールエステル共重合体等のノニオン性高分子等
が挙げられる。これらの中では、着色剤分散安定性及び
溶融粘度調整能の観点から、カチオン性高分子が好まし
く、ポリエチレンイミン誘導体及びポリアリルアミン誘
導体がより好ましく、ポリエチレンイミン誘導体が特に
好ましい。また、分散助剤としては、「ソルスパースS
5000」、「ソルスパースS22000」(以上、ア
ビシア社製)等が挙げられる。これらの分散剤及び分散
剤助剤は、単独で、又は2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0026】分散剤及び分散助剤の含有量は、それぞれ
樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜15
重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、特に好ま
しくは0.3〜7重量部である。
【0027】粉体塗料には、必要に応じて、アクリレー
ト重合体等の流展剤、各種触媒や有機系スズ化合物等の
架橋促進剤、ベンゾイン等のワキ防止剤等の添加剤等が
含有されていてもよい。これらの添加剤の含有量は、そ
れぞれ樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部が好
ましい。
【0028】本発明に用いられる粉体塗料は、例えば、
樹脂、硬化剤、着色剤、添加剤等を押出機等で溶融混練
し、冷却後、例えば、ハンマーミル、ジェット衝撃ミル
等の粉砕装置を用いて物理的粉砕を行い、ついで空気分
級機、マイクロン・クラッシファイアーなどの分級機を
用いて分級することにより調製することができる。ま
た、樹脂、硬化剤、着色剤等を、樹脂が溶解する溶媒に
分散させ、スプレードライ、相分離等の方法、または樹
脂を構成するモノマーに硬化剤、着色剤等を混合し、懸
濁重合等の方法により粉体粒子を得てもよい。さらに、
粉体塗料の表面には、シリカ、アルミナ、チタニア又は
ジルコニア等の流動性調整剤が添加されていてもよい。
【0029】本発明では、最大粒子径が20μm以上の
粉体塗料であっても、均一な色相の塗膜を得ることがで
きる。なお、最大粒子径は色相の均一性の観点から、1
00μm以下が好ましい。本発明の粉体塗料の重量平均
粒子径は、粉体塗料の凝集を防止するために、5μm以
上、色相の均一性、塗膜の平滑性等の観点から、50μ
m以下が好ましく、より好ましくは10〜40μm、特
に好ましくは20〜40μm、最も好ましくは20〜3
0μmである。
【0030】本発明の塗装方法は、2種以上の粉体塗料
を混合塗布し、焼き付け、塗膜を形成される方法であれ
ば、特に限定されない。ここで用いる粉体塗料は少なく
とも1種が本発明の粉体塗料である。
【0031】本発明では、2種以上の粉体塗料を予め混
合した本発明の粉体塗料組成物を用いて塗布するのが好
ましいが、2種以上の粉体塗料を塗装機に連続的に供給
しながら塗布する方法やそれぞれの粉体塗料に対応した
塗装機を用いて塗布してもよい。
【0032】本発明の粉体塗料組成物は、2種以上の色
相の異なる粉体塗料からなる粉体塗料組成物であって、
以上説明した本発明の粉体塗料を少なくとも1種、好ま
しくは10重量%以上、さらに好ましくは40重量%以
上含有する。2種以上の粉体塗料を混合する方法として
は、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪
拌機で乾式混合する方法等の従来より知られている方法
がすべて使用可能である。なお、各粉体塗料の使用量
は、目的とする塗膜の色相に応じて適宜選択される。
【0033】粉体塗料を塗布する方法は、特に限定され
ず、静電スプレー、電子ガン等を用いる塗布方法、流動
浸漬法、プラスチック溶射法等が挙げられ、これらのな
かでは、コロナ方式又は摩擦方式の静電スプレーを用い
る塗装方法が好ましい。
【0034】本発明の粉体塗料を静電スプレーにて被塗
物に塗布する際には、混合する粉体塗料の帯電量の差
は、色の偏析を防止するために、5μC/g以内が好ま
しく、3μC/g以内がより好ましく、2μC/g以内
が特に好ましい。帯電量を調整する手段としては、使用
する樹脂の酸価、アミン価を調整する方法、四級アンモ
ニウム塩、金属石鹸、染料などを添加する方法、シリ
カ、アルミナなどを外添する方法などが挙げられる。
【0035】粉体塗料の焼き付けは、十分に硬化が終了
する条件であれば、特に限定されない。焼き付けの際の
温度、時間等は、粉体塗料に含有される樹脂の種類、組
み合わせた粉体塗料の混合物の硬化開始温度等によって
異なるため、一概には決定できないが、通常、120〜
200℃で、10〜30分程度が好ましい。なお、本発
明では、焼き付け時に着色剤を十分に移動させて、均一
な色の塗膜を得るために、粉体塗料が十分に溶融し、粘
度が低くなる条件で行うことが好ましい。
【0036】本発明の塗装方法では、1回の塗布と1回
の焼付けで均一な色相の塗膜を形成させることができ、
工程の煩雑さ、コスト等の観点から有用で好ましい。
【0037】本発明の塗装方法により得られる塗膜は、
混合塗布した粉体塗料に含有される着色剤が、粉体塗料
間を移動し、十分に混合された状態で形成されるため、
2種の色相の異なる粉体塗料の混合塗布であっても、色
相の均一性に非常に優れた塗膜である。さらに、優れた
耐溶剤性をも有することから、外観性だけでなく、機能
性をも兼ね備えた塗膜である。
【0038】なお、本発明の粉体塗料を用い、2種以上
の色相の異なる粉体塗料の混合比を変化させながら塗布
することにより、粉体塗料の個々の色調が目視により区
別されず、連続的に色が変化するグラデーション模様の
塗膜を得ることもできる。
【0039】2種以上の粉体塗料の混合比を変化させな
がら塗布する方法としては、用いる粉体塗料の数に合わ
せて複数の粉体塗料用塗装装置を用意し、各粉体塗料の
吐出量を調整することによりそれらの重量比を変化させ
て塗布させる方法、特開平10−5635号公報、特開
平9−262537号公報、特開平11−90309号
公報等に記載された多色粉体塗料用の塗装装置を用い
て、各粉体塗料の塗装機への供給量を調整して塗布する
方法等が挙げられる。
【0040】本発明の粉体塗料は、塗装に際して、予
め、2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合し、造粒
化、複合化等の処理を施すことなく、混合塗布するのみ
で、粒径に係わらず均一な色相の塗膜が得られるため、
簡便な塗装が可能となる。
【0041】
【実施例】粉体塗料の製造例1〜4 表1に示す種類及び量の樹脂、着色剤、流展剤「ディス
パロンPL540」(楠本化成社製)1重量部、ワキ防
止剤としてベンゾイン1重量部及び硬化触媒としてフェ
ニルイミダゾリン0.1重量部を、スーパーミキサーに
て良く混合した後、ブッス・コニーダー(ブッス社製)
を使用して混練し、冷却したのち「パルペライザーAC
M10A」(ホソカワミクロン製)で粉砕、分級し、重
量平均粒子径24μmの粉体を得た。得られた粉体10
0重量部とシリカ「アエロジルM−5」(日本アエロジ
ル社製)0.2重量部とをヘンシェルミキサーで均一に
混合し、粉体塗料を得た。
【0042】
【表1】
【0043】実施例1、比較例1、2 表2に示す粉体塗料(a)50重量部と粉体塗料(b)
50重量部とをヘンシェルミキサーを用いて混合した。
得られた混合物を脱脂したスチール板に静電塗装機にて
塗装し、その後180℃の恒温槽に入れて20分間焼き
付けを行い、塗膜を得た。得られた塗膜の色相及び以下
に示す方法により評価した耐溶剤性を表2に示す。
【0044】〔耐溶剤性〕アセトンを含ませたキムワイ
プ(クレシア製)にて、1kgf/cm2 の圧力で塗膜
を10往復擦り、かかる処理前後の塗膜の状態の変化を
目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。 (評価基準) ○:色落ちがないか、あってもごくわずかであり、実用
可。 ×:色落ちが激しく、実用不可。
【0045】
【表2】
【0046】以上の結果から、比較例1、2で得られた
塗膜に対して、所望の着色剤を含有した粉体塗料を用い
た実施例1の塗膜は、均一な色相を有し、かつ耐溶剤性
にも優れていることが分かる。
【0047】
【発明の効果】本発明により、2種以上の色相の異なる
粉体塗料を混合塗布した際にも、均一な色相を有し、か
つ耐溶剤性にも優れた塗膜が容易に得られるという優れ
た効果が奏される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 幸哉 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 Fターム(参考) 4J038 CB021 CB022 CD021 CD022 CG001 CG002 DB001 DB002 DD001 DD002 DH001 DH002 HA166 KA03 KA08 NA01 PA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合
    塗布する塗装方法に用いられる、樹脂、着色剤、硬化剤
    を含有してなる粉体塗料であって、該着色剤として白色
    の着色剤及び/又は白色以外の着色剤が配合され、該白
    色以外の着色剤が、テトラヒドロフランに可溶であり、
    テトラヒドロフランを展開溶媒とする薄層クロマトグラ
    フィーにより測定される移動率(Rf T)が0.1以上
    である着色成分(成分X)を含み、かつアセトンを展開
    溶媒とする薄層クロマトグラフィーにより測定される移
    動率(Rf A)が0.2を超える着色成分(成分Y)
    を、該白色以外の着色剤中に0.1〜20重量%含有す
    るものである粉体塗料。
  2. 【請求項2】 白色以外の着色剤が、テトラヒドロフラ
    ンに不溶な着色成分(成分Z)をさらに含み、成分Y/
    成分Z(重量比)が0.1/99.9〜20/80であ
    る請求項1記載の粉体塗料。
  3. 【請求項3】 白色以外の着色剤が、成分Yと成分Zと
    を合わせて、該白色以外の着色剤中に50重量%以上含
    有してなる請求項2記載の粉体塗料。
  4. 【請求項4】 樹脂がポリエステル及び/又はエポキシ
    樹脂を主成分とする請求項1〜3いずれか記載の粉体塗
    料。
  5. 【請求項5】 2種以上の色相の異なる粉体塗料からな
    る粉体塗料組成物であって、請求項1〜4いずれか記載
    の粉体塗料を少なくとも1種含有してなる粉体塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】 2種以上の色相の異なる粉体塗料を混合
    塗布して均一な色相の塗膜を形成させる塗装方法であっ
    て、請求項1〜4いずれか記載の粉体塗料を少なくとも
    1種用いる塗装方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の粉体塗料組成物を用いて
    塗布する塗装方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の塗装方法により得
    られる塗膜。
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JP2008031349A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Nippon Paint Co Ltd 粉体塗料組成物の製造方法

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