JP2001315245A - 複層材料の製造方法 - Google Patents

複層材料の製造方法

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JP2001315245A
JP2001315245A JP2000136307A JP2000136307A JP2001315245A JP 2001315245 A JP2001315245 A JP 2001315245A JP 2000136307 A JP2000136307 A JP 2000136307A JP 2000136307 A JP2000136307 A JP 2000136307A JP 2001315245 A JP2001315245 A JP 2001315245A
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Japan
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pressure
resin
layer
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JP2000136307A
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English (en)
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Masaaki Fundou
正昭 分銅
Koji Takahata
耕治 高畠
Toshio Awaji
敏夫 淡路
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性に優れ、各種の基材に対する接着不良
が充分に抑制され、しかも、硬化物が優れた接着強度等
の基本性能を有する複層材料を、簡便に、かつ、安定的
に製造することができる方法を提供する。 【解決手段】 硬化性樹脂、補強繊維及び光増感剤を含
んでなる硬化性成形材料層と、感圧粘着層とを含む複層
材料を製造する方法であって、硬化性成形材料層形成工
程と感圧粘着層積層工程とを同一工程において行う複層
材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複層材料の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】硬化性成形材料層を含んでなる複層材料
は、硬化前は柔軟性を有することから、任意のサイズや
形状に加工することができたり、加工したものを基材に
施工したりすることが容易にできるものであり、また、
硬化後は繊維強化プラスチックと同等の優れた機械的、
化学的、電気的特性等の基本性能を有するものである。
【0003】このような硬化性成形材料層を含んでなる
複層材料は、加工や施工することが容易であって充分な
作業時間が確保でき、また、金属、プラスチック、ゴ
ム、ガラス、陶磁器、石材、木材等の各種の基材におけ
る多様な表面状態や複雑な形状に対応して充分な接着性
を有し、基材への接着不良による不具合の発生が充分に
抑制されたものであれば、各種の建造物、機械類、自動
車、船舶、家庭用品等における構造部材、配管類、ライ
ニング材等や、それらを補強するためや補修するための
補強材等として様々な用途に用いることができることと
なる。
【0004】特開昭59−1250号公報には、不飽和
ポリエステル樹脂や光増感剤等の混合物を補強繊維に含
浸させた硬化性成形材料層を、スチレンを透過させない
離型用フィルムでシールした後に熟成させて製造されて
なる硬化性プリプレグを、プライマーにより多少膨潤さ
せることにより、プリプレグの鋼板への接着不良をある
程度抑制できることが開示されている。
【0005】特開昭63−186744号公報には、ビ
ニルエステル樹脂や光増感剤等の混合物を補強繊維に含
浸させた硬化性成形材料層の上に、離型用フィルムを外
側に有するポリエステルフィルムをのせた後に熟成させ
て製造されてなる光硬化性プリプレグが透明性のシート
により硬化物表面が平滑となることが開示されている。
【0006】特開昭57−99375号公報には、エポ
キシビニルエステル樹脂や光増感剤等の混合物を上下二
層の離型用フィルムに付着させた樹脂付着フィルム間
に、補強繊維を挟み込んで含浸させた硬化性成形材料層
を熟成させて製造されてなる硬化性成形材料層を、特定
の二塩基酸やオリゴエステルを樹脂骨格中に含む光硬化
性エポキシビニルエステル樹脂を用いて薄鋼板に接着さ
せることにより、硬化性成形材料層の薄鋼板に対する接
着強度をある程度向上できることが開示されている。
【0007】これらのプリプレグでは、特定の基材に対
して、ある程度は接着強度を向上させることができる。
しかしながら、基材によっては充分な接着性が確保され
なかったり、プリプレグやプライマーが施工中に硬化す
るため、施工時間が制約されてプリプレグを基材に充分
に密着することができなかったりすることからも、接着
不良を充分に抑制することができないおそれがある。ま
た、プライマー等を用いて施工する必要があるため、施
工における作業が煩雑である。更に、これらは、その製
造においても、プリプレグとプライマーとを別個に製造
する必要があることから、効率よく簡便に行うことがで
きないものであった。
【0008】即ち、硬化性成形材料の施工においては、
材料の取り扱い易さ、作業時間の短縮、基材の表面状
態、形状等への対応の必要があるが、充分な接着強度を
発現させる為に、硬化性成形材料を施工する前に、基材
に塗装技術を要するプライマー処理等の前処理を施す工
程が必要であり、取り扱い易さ、作業時間の問題があっ
た。また、硬化性成形材料を施工する基材に応じて前処
理を施す工程を変更する必要があったり、施工すること
ができない場合があったりする等の問題もあった。一
方、硬化性成形材料の製造において、充分な性能を発揮
するものを安定的に製造することができれば、接着不良
を充分に抑制することができたり、要求される基本性能
等を充分に発揮する硬化性成形材料を供給することがで
きることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、施工性に優れ、各種の基材
に対する接着不良が充分に抑制され、しかも、硬化物が
優れた接着強度等の基本性能を有する複層材料を、簡便
に、かつ、安定的に製造することができる方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、硬化性樹脂、
補強繊維及び光増感剤を含んでなる硬化性成形材料層
と、感圧粘着層とを含む複層材料を製造する方法であっ
て、硬化性成形材料層形成工程と感圧粘着層積層工程と
を同一工程において行う複層材料の製造方法である。
【0011】本発明者らは、複層材料の製造方法につい
ての問題点を綿密に精査したうえで鋭意研究を行った結
果、複層材料の製造方法を上述したものとすることによ
り、煩雑なプライマー処理等を施さなくても多様な基材
に対して接着強度の高い強度及び耐久性に優れた硬化層
を簡単に形成しうる複層材料を、安定的に、しかも効率
的で簡便に製造することができる劇的な効果が生じる事
実に遭遇し、本発明に到達したものである。以下に本発
明を詳述する。
【0012】本発明の複層材料の製造方法は、硬化性成
形材料層と、感圧粘着層とを含む複層材料を製造する方
法である。上記複層材料を構成する各層は、フィルム状
又はシート状である。上記硬化性成形材料層は、硬化性
樹脂、補強繊維及び光増感剤を含んでなる。また、充填
剤を更に含んでいてもよい。このような硬化性成形材料
層は、異なる成形材料を積層してなるものであってもよ
い。
【0013】上記硬化性樹脂としては、成形材料として
用いることができるものであれば特に限定されず、例え
ば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂(エ
ポキシアクリレート樹脂)、(メタ)アクリルシラッ
プ、ジアリルフタレート樹脂等のラジカル重合型樹脂;
エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリルウレ
タン樹脂、ポリウレタン、ポリブタジエン等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。これらの中でも、ラジカル重合型樹脂等の光硬
化性のものであることが好ましい。より好ましくは、複
層材料の加工性や施工性が向上すること、硬化物が充分
な基本性能を有することから、不飽和ポリエステル樹脂
である。
【0014】上記不飽和ポリエステル樹脂としては特に
限定されず、例えば、酸成分と、アルコール成分とを縮
合させて得られる重量平均分子量(Mw)が数百〜数万
程度の重合体をビニルモノマーに溶解してなるラジカル
重合型樹脂等が挙げられる。上記酸成分としては特に限
定されず、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、メサコン酸、シト
ラコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸;フタ
ル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ハロゲ
ン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット酸、メチルテト
ラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無
水フタル酸等の飽和二塩基酸;トリメリト酸、トリメリ
ト酸無水物、ピロメリト酸、ピロメリト酸二無水物等の
三官能以上の多塩基酸等が挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】上記アルコール成分としては特に限定され
ず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化
ビスフェノールA、ビスフェノールAのプロピレンオキ
サイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物等のグリコール;グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の三官能以上のアルコ
ール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピク
ロルヒドリン等のエポキシド等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】上記ビニルモノマーとしては、反応性モノ
マーであり、硬化時に上記重合体が有する不飽和基と架
橋反応するものであれば特に限定されず、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルス
チレン、酢酸ビニル、アリルアルコール、エチレングリ
コールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノ
アリルエーテル、アクリロニトリル、マレイミド類;ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカ
ルボン酸、及び、これら不飽和モノカルボン酸のモノエ
ステル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸等の不飽和ジカルボン酸、及び、これら不飽和ジカ
ルボン酸のモノエステル;エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多
官能(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン、ジアリ
ルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0017】上記不飽和ポリエステル樹脂における酸成
分、アルコール成分及びビニルモノマーの種類や使用量
としては特に限定されず、例えば、硬化物に要求される
基本性能等に応じて適宜設定すればよい。上記酸成分の
うち5〜100重量%が不飽和二塩基酸であることが好
ましい。また、酸成分及びアルコール成分を縮合させる
方法としては特に限定されず、例えば、反応温度や反応
時間等の反応条件も適宜設定すればよい。上記重合体
は、例えば、ジシクロペンタジエン等のジエン化合物、
末端官能性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等の
ゴム成分等の種々の成分により変性されてもよい。
【0018】上記ビニルエステル樹脂としては特に限定
されず、例えば、エポキシ樹脂の末端に、ビニル系不飽
和カルボン酸を付加重合させて得られる反応物を上記の
ビニルモノマーに溶解してなるラジカル重合型樹脂等が
挙げられる。上記エポキシ樹脂としては特に限定され
ず、例えば、ビスフェノールタイプ、ノボラックタイ
プ、環状脂肪族タイプ、エポキシ化ポリブタジエンタイ
プ等のものが挙げられる。
【0019】上記ビニル系不飽和カルボン酸としては特
に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が
挙げられる。上記ビニルモノマーとしては特に限定され
ず、例えば、上述したものと同様のものが挙げられる。
これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0020】上記ビニルエステル樹脂におけるエポキシ
樹脂、ビニル系不飽和カルボン酸及びビニル系単量体の
種類や使用量としては特に限定されず、硬化物に要求さ
れる基本性能等に応じて適宜設定すればよい。また、エ
ポキシ樹脂及びビニル系不飽和カルボン酸を付加重合さ
せる方法としては特に限定されず、例えば、反応温度や
反応時間等の反応条件も上記と同様に適宜設定すればよ
い。
【0021】上記(メタ)アクリルシラップとしては特
に限定されず、例えば、単量体である(メタ)アクリル
酸エステル、(メタ)アクリル酸エステルの重合体を含
んでなる混合物であり、必要に応じて、架橋剤、上述し
たビニルモノマーを更に含んでなるラジカル重合型樹脂
等が挙げられる。
【0022】上記(メタ)アクリル酸エステルとしては
特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、
(メタ)アクリルアミドを用いることもできる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。こ
れらの中でも、複層材料の硬化物層による基本性能、外
観、安全性等をより一層向上させることができることか
ら、メチルメタクリレート、又は、メチルメタクリレー
トを主成分とする(メタ)アクリル酸エステルが好まし
い。
【0023】上記(メタ)アクリル酸エステルの重合体
は、(メタ)アクリル酸エステルや必要に応じてビニル
モノマーを含んだものを単量体成分として重合すること
により得られる。上記(メタ)アクリル酸エステルの重
合体における重合度としては特に限定されない。
【0024】上記架橋剤としては特に限定されず、例え
ば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレー
ト;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリル
イソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】上記(メタ)アクリルシラップにおける
(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エス
テルの重合体、架橋剤、及び、必要に応じて用いられる
ビニルモノマーの種類や使用量としては特に限定され
ず、硬化物に要求される基本性能等に応じて適宜設定す
ればよい。
【0026】上記硬化性樹脂が二種以上の樹脂を含有
し、混合物となる場合、各々の樹脂の含有量としては特
に限定されない。また、上記硬化性樹脂としてラジカル
重合型樹脂を用いる場合には、上述したラジカル重合型
樹脂以外のラジカル重合型樹脂を含有してもよい。
【0027】上記硬化性成形材料層における補強繊維と
しては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維、セラミックからなる繊維等の無機繊維;
アラミド、ポリエステル、ビニロン、フェノール、テフ
ロン(登録商標)等からなる有機繊維;天然繊維等が挙
げられる。また、これらの繊維の形態としては特に限定
されず、例えば、クロス(織物)状;チョップドストラ
ンドマット、プリフォーマブルマット、コンテニュアン
スストランドマット、サーフェーシングマット等のマッ
ト状;チョップ状;ロービング状;不織布状等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。これらの中でも、ガラス繊維が好ましい。
【0028】上記硬化性成形材料層における光増感剤と
しては特に限定されず、例えば、「表面」、27〔7〕
(1989)山岡、p.548や、「第3回ポリマー材
料フォーラム要旨集」(1994)佐藤、IBP18等
に記載の可視光領域に感光性を有する可視光重合開始剤
等が挙げられる。上記光増感剤は単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。なお、光増感剤は光硬化剤
と呼称される場合もあり、本明細書中では、「光増感
剤」と「光硬化剤」との用語を光増感剤に統一して用い
る。上記可視光重合開始剤としては、380〜780n
mの波長域に感光性を有する光重合開始剤等であれば特
に限定されず、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α
−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン、ベンジ
ル、ジアセチル、アントラキノン、メチルアントラキノ
ン、クロロアントラキノン、カンファーキノン、アセト
フェノン、アセトフェノンベンジル、ジメトキシアセト
フェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノン、ジエト
キシアセトフェノン、ベンジルジメチルケトン、ベンゾ
フェノン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィン
オキサイド等のカルボニル化合物;ジフェニルサルファ
イド、ジフェニルジサルファイド、ジフェニルスルフィ
ド、ジチオカーバメート、メチルチオキサントン等の硫
黄原子を有する化合物;α−クロロメチルナフタリン等
の多縮合環系炭化水素のハロゲン化物類;アクリルフラ
ビン、フルオレセン等の色素類;硝酸ウラニル、塩化
鉄、塩化銀等の金属塩類;p−メトキシベンゼンジアゾ
ニウム、ヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルア
イオドニウム、トリフェニルスルフォニウム等のオニウ
ム塩;ジシクロペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタ
フルオロフェニル)等が挙げられる。また、有機過酸化
物/色素系、ジフェニルヨードニウム塩/色素、イミダ
ゾール/ケト化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化
合物/水素供与性化合物、メルカプトベンゾチアゾール
/チオピリリウム塩、金属アレーン/シアニン色素、特
公昭45−37377号公報に記載のヘキサアリールビ
イミダゾール/ラジカル発生剤等の公知の複合開始剤系
等も挙げられる。
【0029】上記光増感剤は、更に、紫外光領域から可
視光領域まで感光性を有するものを用いることもでき
る。このような光増感剤としては、例えば、ビス(2,
6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル
ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−ト
リメチルベンゾイル)−メチルフォスフィンオキサイ
ド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホ
スフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−
ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン
オキサイド系化合物等が挙げられる。これらは、市販品
を用いることができ、例えば、Darocur1173
(商品名、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)とを75
/25(重量比)の割合で混合したイルガキュア170
0(商品名、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社
製);イルガキュア184(商品名、チバ・スペシャリ
ティー・ケミカルズ社製、1−ヒドロキシ−シクロヘキ
シル−フェニルケトン)とビス(2,6−ジメトキシベ
ンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフ
ィンオキサイド(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ
社製)とを75/25(重量比)の割合で混合したイル
ガキュア1800(商品名、チバ・スペシャルティー・
ケミカルズ社製)や50/50(重量比)の割合で混合
したイルガキュア1850(商品名、チバ・スペシャル
ティー・ケミカルズ社製);イルガキュア819(商品
名、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホス
フィンオキサイド);Lucirin TPO(商品
名、BASF社製、2,4,6−トリメチルベンゾイル
−ジフェニルホスフィンオキサイド);Darocur
1173(商品名、チバ・スペシャルティー・ケミカル
ズ社製、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン)とLucirin TPOとを50
/50(重量比)の割合で混合したDarocur42
65(商品名、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社
製)等を用いることができる。
【0030】上記硬化性成形材料層は、熱硬化性を有す
るものとするために、例えば、硬化剤等を含んでもよ
く、光増感剤及び硬化剤を含む場合には、光硬化性とと
もに熱硬化性を有するものとなる。上記硬化剤としては
特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パー
オキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ヘキシルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等
の有機過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキ
シバレロニトリル等のアゾ化合物等のラジカル重合開始
剤等が挙げられる。
【0031】上記充填剤としては特に限定されず、例え
ば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ガラ
スパウダー、ミルドファイバー、クリストバライト、シ
リカ(珪砂)、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、ガラス
粉末等の無機充填剤;有機充填剤等が挙げられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、複層材料の機械的特性等の基本性能が
向上することから、水酸化アルミニウムを必須成分とす
るものであることが好ましい。また、耐摩耗性用途に
は、クリストバライト、シリカ、川砂等が好ましい。こ
のように、これらは複層材料が用いられる用途に応じて
選択することが好ましい。
【0032】上記硬化性成形材料層は、更に必要に応じ
て、その他の添加剤を含有してもよい。上記その他の添
加剤としては特に限定されず、例えば、増粘剤、低収縮
化剤、内部離型剤、着色剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、
紫外線吸収剤、減粘剤、カップリング剤、抗菌剤等が挙
げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。上記硬化性成形材料層が光硬化
性のものである場合、その光硬化性を阻害しないよう
に、その他の添加剤の種類や使用量等を適宜設定して用
いることが好ましい。
【0033】上記増粘剤としては特に限定されず、例え
ば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の
多価金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム等の多価金属水酸化物;多官能イソシアネート等が挙
げられる。
【0034】上記低収縮化剤としては特に限定されず、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、三次元架橋ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、セルロースブチレート、アセテート(アセチルセル
ロース)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカプ
ロラクトン、飽和ポリエステル等の熱可塑性ポリマー等
が挙げられる。
【0035】上記着色剤としては特に限定されず、例え
ば、硬化性樹脂に使用することができる無機顔料、有機
顔料、及び、トナー等が挙げられる。上記重合禁止剤と
しては特に限定されず、例えば、p−t−ブチルカテコ
ール、p−メトキシフェノール、ヒドロキノン、p−ベ
ンゾキノン、クロラニル、m−ジニトロベンゼン、ニト
ロベンゼン、p−フェニルジアミン、硫黄、ジフェニル
ピクリルヒドラジル、ジ−p−フルオロフェニルアミ
ン、トリ−p−ニトロフェニルメチル等が挙げられる。
【0036】上記紫外線吸収剤としては特に限定され
ず、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系
等の硬化性樹脂に使用することができるものを用いるこ
とができる。上記減粘剤、上記カップリング剤及び上記
抗菌剤としては特に限定されず、例えば、硬化性樹脂に
使用することができるものを用いることができる。
【0037】上記複層材料における硬化性成形材料層
は、硬化前は複層材料を充分に加工や施工することがで
きる可塑性や柔軟性を有し、硬化後は充分な曲げ強度や
曲げ弾性率等の強度、耐久性を有し、樹脂や充填剤の種
類により、耐侯性、耐水性、耐摩耗性、高電気特性等の
充分な基本性能を有する。上記硬化性成形材料層は、加
工や施工の作業を阻害するような表面のベタツキがない
ものが好ましく、速硬化性を有するものが好ましい。
【0038】上記複層材料における感圧粘着層として
は、例えば、粘着剤のみにより形成されるフィルム(支
持体なし);粘着剤層を有する支持体により形成される
フィルム等が挙げられる。また、これらを積層したもの
であってもよい。上記粘着剤層は、粘着剤により形成さ
れるものである。
【0039】上記粘着剤としては特に限定されず、例え
ば、スチレン−ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、イ
ソプレンゴム、ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴムを主
成分とするゴム系粘着剤;アクリル樹脂、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエー
テル、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン
−ブチレンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル等
を主成分とする合成樹脂系粘着剤等が挙げられる。これ
らは、溶剤型、エマルション型、ホットメルト型、水溶
性型等のいずれでもよく、また、単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル
系の粘着剤が好ましい。
【0040】上記粘着剤は、必要に応じて、粘着付与
剤、可塑剤や、上述した添加剤等を含有してもよい。こ
れらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。上記粘着付与剤及び上記可塑剤としては、通
常、粘着剤に用いることができるものであれば特に限定
されず、例えば、粘着付与剤としては、ロジン、テルペ
ン系樹脂等の天然樹脂;クマロンインデン樹脂等の石油
炭化水素系樹脂;フェノール系樹脂;キシレン系樹脂等
が挙げられ、可塑剤としては、プロセスオイル等の石油
系可塑剤;液状ポリイソブチレン、液状ポリブテン等の
液状ゴム系可塑剤;二塩基酸エステル等の樹脂系可塑剤
等が挙げられる。
【0041】上記支持体としては、複層材料の施工性を
損なうことがない強度及び柔軟性並びに硬化性成形材料
に含まれるモノマーや溶媒に対する耐久性を有するもの
であれば特に限定されず、例えば、紙や樹脂材料により
形成されるフィルム、織布、不織布、発泡体等が挙げら
れ、プレス加工、エンボス加工等を施したものであって
もよい。
【0042】上記紙としては特に限定されず、例えば、
天然繊維、合成繊維、無機繊維等により形成されるもの
が挙げられ、シリコン処理等で表面処理されたものであ
ってもよい。上記樹脂材料としては特に限定されず、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポ
リスチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポ
リオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステル;テトラフルオロ
エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリモノクロロトリ
フルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリブタジエン、ポ
リカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリフ
ェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
エーテルサルホン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリメチルペンテン、アイオノ
マー樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコー
ル、セルロースジアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0043】上記感圧粘着層は、複層材料が用いられる
基材において、充分な接着性を有し、かつ、複層材料を
充分に施工することができる柔軟性を有する。上記感圧
粘着層により、複層材料が基材への密着性を有し、密着
後、硬化性成形材料層及び感圧粘着層が形状保持性を有
することになる。また、粘着剤そのものの強度、硬化後
の硬化性成形材料層との密着性、基材との密着性によ
り、優れた接着強度を有することになる。
【0044】上記感圧粘着層は、その性能が優れたもの
となることから、硬化性を有するものであることが好ま
しい。上記感圧粘着層に硬化性を付与する方法としては
特に限定されず、例えば、粘着剤が硬化性樹脂や光増感
剤等を含むことによって光硬化性のものとすることが好
ましい。この場合、感圧粘着層の強度等が向上すること
から、硬化性樹脂に含まれるビニルモノマーとしては、
多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。ま
た、硬化性成形材料層中に含まれるスチレン等のビニル
モノマーが感圧粘着層に移行しても、ビニルモノマーが
感圧粘着層の硬化に寄与して、感圧粘着層の硬化を充分
に行うことができることになる。
【0045】上記複層材料は、硬化性成形材料層及び感
圧粘着層以外に、遮光層や離型層を含んでなることが好
ましい。上記複層材料において、片面に遮光層を有し、
他の片面に内側から粘着層及び離型層をこの順で有する
ことにより、硬化性成形材料層を遮光するために、片面
に遮光層を有し、硬化性成形材料層を基材に接着させる
ために、他の片面に粘着層を有し、複層材料が加工や施
工されるまで粘着層を保護するために、粘着層の外側の
片面に離型層を有することとなる。
【0046】上記遮光層としては特に限定されず、例え
ば、紙や樹脂材料に遮光材を蒸着、コーティング又は分
散したフィルム等が挙げられる。また、これらを積層し
たものであってもよい。例えば、このような紙や樹脂材
料に遮光材を蒸着したフィルムとしては、遮光材として
アルミニウム等の金属による蒸着膜を片面又は両面に形
成したフィルム等が挙げられ、遮光材をコーティングし
たフィルムとしては、遮光材として顔料等を分散した塗
膜やインキ膜を片面又は両面に形成したフィルム等が挙
げられ、遮光材を分散したフィルムとしては、遮光材と
して顔料等を分散したフィルム等が挙げられる。
【0047】上記顔料としては、フィルムに遮光性を付
与することができるものであれば特に限定されず、例え
ば、カーボンブラック;酸化チタン、酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミ
ナ、カオリンクレイ、タルク、マイカ等の無機顔料;ア
ルミニウムやステンレス等の金属粉末;フタロシアニン
ブルー等の有機顔料;ミルドファイバー、コールダスト
等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。上記紙やフィルムとしては特に限
定されず、例えば、上述したものと同様のものが挙げら
れる。
【0048】上記遮光層は、複層材料が加工や施工され
る間、硬化性成形材料層が硬化することにより複層材料
の加工性や施工性が損なわれることがないように硬化性
成形材料層を遮光する作用(遮光性)を有し、かつ、複
層材料を充分に加工や施工することができる柔軟性を有
する。
【0049】上記複層材料における離型層としては特に
限定されず、例えば、紙、又は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等の上述した樹脂材料により形成されるフィル
ム;アルミ箔等の金属材料により形成されるフィルム等
を離型剤処理したフィルム等が挙げられる。
【0050】上記離型剤としては特に限定されず、例え
ば、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレンワックス
等の離型性樹脂を主成分とするもの等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。上記離型層は、複層材料が加工される間、感圧粘着
層を保護し、感圧粘着層の粘着性を保ったまま感圧粘着
層と離型層とを剥離することができる作用(離型性)を
有し、かつ、複層材料を充分に施工することができる柔
軟性を有する。
【0051】上記感圧粘着層や上記離型層は、遮光層と
ともに硬化性成形材料層の両面を遮光することにより、
複層材料の加工性や施工性、接着性等を向上して接着不
良を充分に抑制することができることから、遮光性を有
するものであることが好ましい。この場合、感圧粘着層
及び離型層の両方が遮光性を有するものであってもよ
く、感圧粘着層及び離型層の少なくとも1つが遮光性を
有するものであってもよい。
【0052】上記感圧粘着層に遮光性を付与する方法と
しては特に限定されず、例えば、顔料を分散した粘着剤
を用いたり、遮光性を有する支持体を用いたりして行う
ことができる。上記離型層に遮光性を付与する方法とし
ては特に限定されず、例えば、遮光性を有する紙やフィ
ルムを用いることにより行うことができる。
【0053】上記複層材料においては、複層材料の硬化
を妨げることがなく、かつ、複層材料の基材への密着性
を妨げることがない限り、硬化性成形材料層及び感圧粘
着層や、遮光層、離型層以外のフィルム層が含まれても
よく、遮光層と硬化性成形材料層との間に、透明なフィ
ルム等の光透過性フィルムがあってもよい。
【0054】本発明の複層材料の製造方法は、上記硬化
性成形材料層形成工程と上記感圧粘着層積層工程とを同
一工程において行うものである。上記硬化性成形材料層
形成工程と上記感圧粘着層積層工程とを同一工程におい
て行うことにより、硬化性成形材料層と感圧粘着層との
層間における密着性が向上し、また、硬化性成形材料層
中に含まれるビニルモノマー等が感圧粘着層に移行して
硬化後に複層材料が優れた接着強度を有し、かつ、硬化
性成形材料層及び感圧粘着層が形状保持性を有すること
になる。
【0055】上記硬化性成形材料層と上記感圧粘着層と
を同一工程において行うとは、例えば、感圧粘着層上で
硬化性成形材料層を形成すること;硬化性成形材料層を
形成しつつ、感圧粘着層を積層すること等を意味する。
【0056】上記感圧粘着層上で硬化性成形材料層を形
成する方法としては特に限定されず、例えば、硬化性樹
脂、補強繊維及び光増感剤を含む上述した各成分を混合
して樹脂混合溶液としてSMC(シートモールディング
コンパウンド)を作製する方法において、硬化性成形材
料層をキャリアフィルム上に形成し、該キャリアフィル
ムを感圧粘着層とすること等により行うことができる。
このような方法をSMC製造装置を用いて行う場合に
は、例えば、キャリアフィルム上に樹脂混合溶液を塗布
して補強繊維を散布若しくは積載し、もう一枚のキャリ
アフィルムに樹脂混合溶液を塗布したもので挟み込んだ
り、又は、キャリアフィルム上に補強繊維を散布若しく
は積載して樹脂混合溶液を塗布したりした後、圧着・含
浸することにより硬化性成形材料層の形成を行うに際
し、いずれかのキャリアフィルムを感圧粘着層とするこ
とにより行うことができる。上記硬化性成形材料層を形
成しつつ、感圧粘着層を積層する方法としては特に限定
されず、例えば、硬化性成形材料層をキャリアフィルム
上に形成し、連続した工程において、その上に感圧粘着
層を積層すること等により行うことができる。
【0057】上記同一工程において行う方法において
は、感圧粘着層上で硬化性成形材料層を形成する方法が
好ましい。これにより、硬化性成形材料層と感圧粘着層
との密着性を充分に向上させ、また、製造コストを上昇
させることなく、安定的で簡便に複層材料を製造するこ
とができることになる。尚、該感圧粘着層は、同一工程
内で形成しても良いし、予め別工程で形成した該層を用
いても良い。
【0058】上記複層材料の製造方法は、更に、増粘工
程を含み、該増粘工程は、加熱及び/又は活性エネルギ
ー線の照射により行われることが好ましい。この場合、
硬化性成形材料層が光硬化性を有し、活性エネルギー線
の照射により硬化させるものであるときには、増粘工程
が加熱により行われることが好ましく、硬化性成形材料
層が熱硬化性を有し、熱により硬化させるものであると
きには、増粘工程が活性エネルギー線の照射により行わ
れることが好ましい。また、硬化性成形材料層が光硬化
性と熱硬化性とを有し、活性エネルギー線の照射と熱に
より硬化させるものであるときには、増粘の調整が容易
であることから、増粘工程が加熱により行われることが
好ましい。
【0059】上記増粘工程を含むときには、硬化性成形
材料層形成工程と感圧粘着層積層工程とが行われた直後
に、補強繊維に含浸させた樹脂混合溶液が充分に増粘さ
れることから、シートを巻き取った後に樹脂混合溶液が
移動して、樹脂混合溶液の多い部分ができることを軽減
できたり、防止できるし、また、連続した工程におい
て、複層材料を所定の大きさに切断する工程と、複層材
料を遮光性を有するアルミ蒸着フィルム製等の包装材や
缶等に梱包する工程とを含めることができることにな
る。切断工程が含められた場合、複層材料の施工におい
て、切断作業等をする手間が省けて作業性が向上して作
業時間が短縮されることから、作業環境による影響が抑
制されて多様な表面状態や複雑な形状に対応して充分な
接着性を確保することができ、基材への接着不良による
不具合の発生を充分に抑制することができることとな
る。また、1〜7日間程度熟成して増粘させる通常の場
合と比べて、硬化性成形材料層形成工程の後に短時間で
遮光性を有する包装材や缶等に梱包することができるこ
とから、製造における硬化性成形材料層の光硬化を充分
に抑制して柔軟性を保つことができ、複層材料の施工に
おける作業性を向上させることができることとなる。更
に、硬化性成形材料層形成工程と感圧粘着層積層工程と
の後に、複層材料を巻き取るか、又は、つづら折りして
から熟成して増粘させる通常の場合と比べて、複層材料
に皺等が生じにくくなることからも、硬化性成形材料層
と感圧粘着層との密着性が向上し、また、施工における
作業性や接着性が向上することとなる。
【0060】上記増粘工程は、硬化性成形材料層形成工
程の後に行うことができ、例えば、硬化性成形材料層を
キャリアフィルム上に形成し、該キャリアフィルムを感
圧粘着層とする場合では、キャリアフィルム上に硬化性
成形材料層が形成された後に行うことができる。また、
硬化性成形材料層をキャリアフィルム上に形成し、連続
した工程において、その上に感圧粘着層を積層する場合
では、硬化性成形材料層がキャリアフィルム上に形成さ
れた後か、又は、感圧粘着層が積層された後に行うこと
ができる。
【0061】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の一例を図1及
び図2に示す。図1及び図2は、本発明における複層材
料の製造工程の一例であり、SMC製造装置により複層
材料を作製している状態を示す。図1に示す製造装置に
おいては、キャリアフィルム供給装置1aからシートを
切断するまでの間、また、図2に示す製造装置において
は、キャリアフィルム供給装置1aからシート巻き取り
装置12までの間、キャリアフィルム2aが平坦部13
を等速で移動している。
【0062】図1において、(1)の箇所では、塗布装
置としてナイフコーター4aを用いて、キャリアフィル
ム供給装置1aから供給されるキャリアフィルム2a上
に樹脂混合溶液3aを塗布し、(2)の箇所では、チョ
ップ状補強繊維7をキャリアフィルム2a上の樹脂混合
溶液に散布し、(3)の箇所では、塗布装置としてナイ
フコーター4bを用いて、キャリアフィルム供給装置1
bから供給されるキャリアフィルム2b上に樹脂混合溶
液3bを塗布したフィルムを貼り合わせて圧着させ、
(4)の箇所では、含浸ロール9により圧力をかけて補
強繊維に樹脂混合溶液を充分に含浸させ、(5)の箇所
では、増粘装置10により補強繊維に含浸させた樹脂混
合溶液を増粘させ、(6)の箇所では、図示していない
が、切断装置によりシートを所定の大きさに切断してい
る。この後に、図示していないが、所定の大きさに切断
されたシートが遮光性を有する包装材や缶等に梱包され
て、保管や輸送等する間、硬化性成形材料層の硬化を充
分に抑制することができることになる。上記(1)〜
(4)の箇所では、硬化性成形材料層形成工程と感圧粘
着層積層工程とが行われ、上記(5)の箇所では、増粘
工程が行われている。
【0063】上記実施形態では、キャリアフィルム2a
又は2bのいずれかに、感圧粘着層及び離型層を積層し
たフィルムを用いる。上記キャリアフィルムとしては特
に限定されず、例えば、紙や樹脂材料により形成される
フィルム、アルミ箔等の金属材料により形成されるフィ
ルム等が挙げられ、紙や樹脂材料に遮光材を蒸着、コー
ティング又は分散したフィルムであってもよく、離型剤
処理したフィルムであってもよい。また、これらを積層
したものや、プレス加工、エンボス加工等を施したもの
であってもよい。
【0064】上記樹脂材料により形成されるフィルム
は、例えば、樹脂材料に顔料や添加剤等を混合して、カ
レンダーフィルム;押出フィルム;キャストフィルム;
Tダイ法、インフレーション法によるフィルム等として
得ることができる。また、一軸延伸フィルムや二軸延伸
フィルム等の延伸フィルムとしてもよい。
【0065】上記紙や樹脂材料に遮光材を蒸着、コーテ
ィング又は分散したフィルムとしては、例えば、蒸着し
たフィルムは、アルミニウム等の金属をフィルムの片面
又は両面に蒸着することにより得ることができ、コーテ
ィングしたフィルムは、顔料を分散した塗料やインキを
フィルムの片面又は両面に塗布又は印刷することにより
得ることができる。また、上記離型剤処理したフィルム
は、硬化性成形材料層が塗布される片面に離型剤を塗布
することにより得ることができる。これらの場合、蒸
着、塗布、印刷又は離型剤処理の前に、フィルムの表面
をプラズマ処理、コロナ放電処理、薬品処理等してもよ
い。
【0066】上記キャリアフィルムとして用いる感圧粘
着層及び離型層を積層したフィルムとしては特に限定さ
れず、例えば、片面に離型層を有する両面粘着テープ等
を用いることができる。上記感圧粘着層の厚みとしては
特に限定されず、例えば、3μm〜10mmであること
が好ましい。3μm未満であると、複層材料の基材に対
する接着不良が抑制されないおそれがあり、10mmを
超えると、複層材料の加工性や施工性が低下し、また、
硬化物の基本性能が低下するおそれがある。より好まし
くは、10μm〜5mmである。また、離型層の厚みと
しては特に限定されず、例えば、3〜2000μmであ
ることが好ましい。3μm未満であると、離型層が充分
な離型性を有しないおそれがあり、2000μmを超え
ると、複層材料の加工性や施工性が低下するおそれがあ
る。より好ましくは、10〜500μmである。
【0067】上記(1)の箇所に供給される樹脂混合溶
液3aを調製する方法としては特に限定されず、例え
ば、樹脂混合溶液における各成分をディスパー等の撹拌
機により混合して行うことができる。この場合、各成分
の混合順序や混合方法等としては、硬化性成形材料層が
その作用を有することとなる限り特に限定されない。
【0068】上記樹脂混合溶液3aにおける各成分の種
類及び配合量としては、それらの組み合わせ、硬化性成
形材料層を形成するための条件、又は、硬化物に要求さ
れる基本性能やその用途等に応じて適宜設定すればよく
特に限定されず、例えば、複層材料を施工した後に光硬
化させるための光増感剤の配合量としては、硬化性樹脂
100重量部に対して、0.01〜20重量部となるよ
うにすることが好ましい。0.01重量部未満である
と、硬化性成形材料層の光硬化性が劣るおそれがあり、
20重量部を超えると、硬化性成形材料層の光硬化性が
それ以上向上することを期待することができない。より
好ましくは、0.05〜15重量部であり、更に好まし
くは、1〜10重量部である。また、充填剤の配合量と
しては、硬化性樹脂100重量部に対して、300重量
部以下となるようにすることが好ましい。300重量部
を超えると、樹脂混合溶液の流動性が劣るため、硬化性
成形材料層の作製における作業性が低下するおそれがあ
る。
【0069】上記樹脂混合溶液の粘度としては特に限定
されず、例えば、10〜10万mPa・sに設定するこ
とが好ましい。10mPa・s未満であると、粘度が低
過ぎて樹脂混合溶液が取り扱いにくくなり、また、硬化
性成形材料層の厚さを適切なものとすることができなく
なるおそれがある。10万mPa・sを超えると、粘度
が高過ぎて樹脂混合溶液が取り扱いにくくなり、また、
樹脂混合溶液を補強繊維に充分に含浸させることができ
なくなるおそれがある。より好ましくは、50〜5万m
Pa・sであり、更に好ましくは、100〜2万mPa
・sである。なお、上記粘度は、塗布する前の樹脂混合
溶液をJIS K 5400の回転粘度計法により測定
した値を意味する。
【0070】上記(1)の箇所において、塗布装置とし
ては、樹脂混合溶液を一定の厚みで塗布することができ
る装置であれば特に限定されず、例えば、ナイフコータ
ーの他、ロールコーター、カーテンコーター、フローコ
ーター、スプレーコーター、ダイコーター等の各種コー
ター;スプレー、刷毛、ローラー等による塗布装置等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。これらの中でも、樹脂混合溶液を均一
な厚みで簡便に効率よく塗布することができることか
ら、ナイフコーターが好ましい。これらの塗布装置に樹
脂混合溶液を供給する手段としては特に限定されない。
【0071】上記(2)の箇所において、補強繊維の散
布方法としては特に限定されず、例えば、図1(2)に
示すように、ロービング状補強繊維5を6〜50mm程
度の長さに切断する切断装置によりチョップ状補強繊維
7にして散布することにより行うことが好ましい。この
ような切断装置としては、例えば、複数のカッターを備
えたカッターロール6aとゴムロール6bとを左右両方
から挟むように回転させて切断する装置等を用いること
ができる。また、(2)の箇所においては、補強繊維を
キャリアフィルム上に供給することができればよく、例
えば、各種繊維のチョップドストランドマット、コンテ
ィニュアスストランドマット等の繊維をバインダーで布
状にしたもの、織布や不織布状のものを積載することに
より行うこともできる。
【0072】上記(3)の箇所において、樹脂混合溶液
3bが塗布されたキャリアフィルムを圧着させる方法と
しては特に限定されず、例えば、圧着ロール8により圧
力をかけて行うことができる。この場合に、圧着ロール
としては、シートを充分に貼り合わせることがきるロー
ルであれば特に限定されず、例えば、表面が平滑な形状
や、波形であるロールを用いることができる。
【0073】上記(3)の箇所においてはまた、樹脂混
合溶液3bを調製する方法や塗布方法としては特に限定
されず、例えば、(2)の箇所における場合と同様にし
て行うことができる。更に、キャリアフィルム2bとし
ては特に限定されず、例えば、紙や樹脂材料により形成
されるフィルム、アルミ箔等の金属材料により形成され
るフィルム等が挙げられ、紙や樹脂材料に遮光材を蒸
着、コーティング又は分散したフィルムや離型剤処理し
たフィルムであってもよく、これらを積層したものであ
ってもよく、プレス加工、エンボス加工等を施したもの
であってもよい。
【0074】上記(4)の箇所において、補強繊維に樹
脂混合溶液を充分に含浸させる方法としては、含浸ロー
ル9により圧力をかける方法の他、特に限定されない。
この場合に用いる含浸ロール9としては特に限定され
ず、例えば、表面が平滑な形状や、波形であるロールを
用いることができ、充分な含浸を行うため、波形のロー
ルを複数用いることが好ましい。また、シートの上下か
ら挟むように含浸ロールを配置して行ってもよく、複数
の含浸ロールにベルトをかけて行ってもよい。上記
(4)の箇所においては、更に、含浸操作と合わせて、
脱泡等の操作を行うことができる。
【0075】上記実施形態においては、キャリアフィル
ム2a及び2bのいずれかに、遮光性を有するフィルム
を用いることが好ましい。これにより、このフィルムを
複層材料における遮光層とすることができ、複層材料の
光硬化が防止され、施工時間を充分に取れ、施工後に遮
光層を取り除くことによって硬化性成形材料層を早く硬
化させることができることになる。このような遮光層の
厚みとしては特に限定されず、例えば、5〜2000μ
mであることが好ましい。5μm未満であると、遮光層
が充分な剥離に耐える強度を有しないおそれがあり、2
000μmを超えると、複層材料の施工性が損なわれる
おそれがある。より好ましくは、10〜500μmであ
る。
【0076】上記実施形態においてはまた、キャリアフ
ィルム2a又は2bのいずれかに光透過性フィルムを用
いたり、遮光性を有するフィルム及び光透過性フィルム
を有する複層フィルムを用いたりして、硬化性成形材料
層の片側が光透過性フィルムとなるようにすることもで
きる。更に、キャリアフィルム2a又は2bのいずれか
に遮光性を有するフィルムを用い、このフィルム上に光
透過性フィルムを貼り合わせたり、重ね合わせてもよ
い。これにより、遮光層を剥がした後に光透過性フィル
ムが付いたまま硬化させて、硬化後剥離することによっ
て複層材料の表面状態をよりなめらかにすることができ
ることになる。
【0077】上記(5)の箇所において、増粘装置10
としては、加熱及び/又は活性エネルギー線の照射を行
うことができる装置であれば特に限定されず、例えば、
加熱装置としては、熱風加熱式、遠赤外線等による輻射
加熱式等の加熱装置(オーブン);加熱装置付きのキャ
リアフィルム搬送台;温水槽等を用いることができる。
また、活性エネルギー線の照射装置としては、紫外用蛍
光ランプ等の低圧水銀ランプ;紫外用水銀ランプ等の
(超)高圧水銀ランプ;紫外用メタルハライドランプ等
のメタルハライドランプ;マーキュリーハロゲンランプ
等のハロゲンランプ;エキシマレーザ等のレーザ照射装
置;キセノンランプ;カドミウムランプ、重水素ラン
プ、アルゴングローランプ、エキシマランプ、カーボン
アーク灯、写真証明用ランプ、タングステン灯等を用い
ることができる。
【0078】上記(5)の箇所において、加熱により増
粘工程を行う場合には、増粘剤が硬化性樹脂100重量
部に対して0.1〜10重量部樹脂混合溶液に配合され
るか、及び/又は、樹脂に熱硬化性を与える硬化剤が硬
化性樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部樹
脂混合溶液に配合されることが好ましい。増粘剤が0.
1重量部未満であったり、硬化剤が0.01重量部未満
であったりすると、補強繊維に含浸させた樹脂混合溶液
が増粘しにくくなるおそれがあり、増粘剤や硬化剤が1
0重量部を超えると、増粘し過ぎて硬化性成形材料層の
柔軟性が低下するおそれがある。増粘剤においては、よ
り好ましくは、0.1〜8重量部であり、更に好ましく
は、0.5〜5重量部であり、硬化剤においては、より
好ましくは、0.01〜8重量部であり、更に好ましく
は、0.05〜5重量部である。
【0079】上記加熱方法としては特に限定されず、例
えば、熱したり熱風を用いたりすることができ、また、
温水を用いて行ってもよい。これらの中でも、増粘の調
整が容易であることから、熱風を用いる加熱装置により
行うことが好ましい。上記加熱方法における加熱条件と
しては、樹脂混合溶液の粘度、樹脂混合溶液を補強繊維
に含浸させた後の厚さ、硬化性成形材料層に要求される
柔軟性等により適宜設定すればよく、特に限定されず、
例えば、熱風を用いる加熱装置による場合では、雰囲気
温度が30〜200℃で10秒〜1時間加熱することが
好ましい。30℃未満であったり、加熱時間が10秒未
満であったりすると、補強繊維に含浸させた樹脂混合溶
液の増粘が不充分となるおそれがあり、200℃を超え
たり、加熱時間が1時間を超えたりすると、増粘し過ぎ
て硬化性成形材料層の柔軟性が低下するおそれがある。
より好ましくは、雰囲気温度が40〜160℃で加熱時
間が30秒〜30分であり、更に好ましくは、雰囲気温
度が50〜120℃で加熱時間が1〜15分である。
【0080】上記(5)の箇所で加熱により増粘工程を
行う場合には、増粘工程の後に、加熱されたシートを強
制的に冷却する操作等を行ってもよい。上記冷却方法と
しては特に限定されず、例えば、空冷、水冷等の方法を
用いることができる。
【0081】上記(5)の箇所において、活性エネルギ
ー線の照射により増粘工程を行う場合には、増粘させる
ための光増感剤が硬化性樹脂100重量部に対して0.
01〜10重量部樹脂混合溶液に配合されることが好ま
しい。0.01重量部未満であると、補強繊維に含浸さ
せた樹脂混合溶液が増粘しにくくなるおそれがあり、1
0重量部を超えると、増粘し過ぎて硬化性成形材料層の
柔軟性が低下するおそれがあり、また、硬化物の基本性
能が劣るおそれがある。より好ましくは、0.05〜8
重量部であり、更に好ましくは、0.1〜5重量部であ
る。なお、硬化性成形材料層が光硬化性を有し、活性エ
ネルギー線の照射により硬化させるものであるときに
は、増粘させるための光増感剤としては、複層材料を施
工した後に光硬化させるための光増感剤の一部を用いる
ことができる。
【0082】上記活性エネルギー線の照射方法としては
特に限定されず、例えば、紫外線、赤外線、電子線、放
射線、レーザー光線、高周波、マイクロ波等を照射する
ことにより行うことができる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、光
増感剤を用いることにより増粘させやすいことから、3
80〜1200nmにおける紫外線から近赤外線領域の
波長領域を用いることが好ましい。また、硬化性成形材
料層を主に太陽光線により硬化させる場合には、380
〜780nmにおける紫外線の波長領域を用いることが
好ましい。更に、異なる波長領域において作用する2種
以上の光増感剤を配合して、増粘工程における増粘を一
方の波長領域を用いて行い、複層材料を施工した後に硬
化させるときには他の一方の波長領域を用いるようにし
てもよい。
【0083】上記活性エネルギー線の照射方法における
照射条件としては、照射装置や照射距離、樹脂混合溶液
に配合された光増感剤の種類や量等により、樹脂混合溶
液の粘度、樹脂混合溶液を補強繊維に含浸させた後の厚
さ、硬化性成形材料層に要求される柔軟性等を考慮して
適宜設定すればよく、特に限定されず、例えば、照射時
間が10秒〜15分であることが好ましい。より好まし
くは、30秒〜10分であり、更に好ましくは、1〜5
分である。
【0084】上記(6)の箇所において、増粘したシー
トを所定の大きさに切断する方法としては特に限定され
ず、例えば、カッターロールやシャーリング機等により
行うことができる。上記(6)の箇所で切断されたシー
トは、その後速やかに、遮光性を有する包装材や缶等に
梱包され、保管や輸送等する間、硬化性成形材料層の硬
化を充分に抑制することができる。これにより、切断さ
れたシートが光に曝される時間を短縮することができ、
硬化性成形材料層や粘着層が柔軟性や接着性等の特性を
阻害されることなく、複層材料を保管することができる
ことになる。
【0085】上記実施形態において作製される硬化性成
形材料層の厚みとしては特に限定されず、例えば、0.
1〜10mmであることが好ましい。0.1mm未満で
あると、硬化物が充分な強度を有しないおそれがあり、
10mmを超えると、複層材料の加工性や施工性が低下
し、また、硬化性成形材料層の光硬化性が低下するおそ
れがある。より好ましくは、0.5〜5mmである。こ
れにより、(1)及び(3)の箇所における樹脂混合溶
液の塗布厚や、(2)の箇所における補強繊維の散布量
を適宜設定すればよい。また、フローコーターでの樹脂
混合溶液の塗布と補強繊維の散布を複数回繰り返しても
よい。
【0086】上記補強繊維の散布量の目安としては、例
えば、硬化性樹脂100重量部に対して、5〜100重
量部となるようにすることが好ましい。5重量部未満で
あっても、100重量部を超えても、複層材料の基本性
能が低下するおそれがある。より好ましくは、10〜6
5重量部である。
【0087】上記図1においては、硬化性樹脂及び光増
感剤を含む樹脂混合溶液を調製し、キャリアフィルムに
上側から感圧粘着層及び離型層をこの順で有するフィル
ムを用いて、該樹脂混合溶液を感圧粘着層上に塗布した
後に補強繊維を散布又は積載することにより硬化性成形
材料層を形成することが好ましい。このような硬化性成
形材料層の形成方法としては、例えば、キャリアフィル
ム2aに上側から感圧粘着層及び離型層をこの順で有す
るフィルムを用いて、該樹脂混合溶液を感圧粘着層上に
塗布した後に補強繊維を散布又は積載することにより硬
化性成形材料層を形成する方法;キャリアフィルム2b
に上側から感圧粘着層及び離型層をこの順で有するフィ
ルムを用いて、上記樹脂混合溶液を感圧粘着層上に塗布
した後に補強繊維を散布又は積層することにより硬化性
成形材料層を形成する方法等が挙げられる。これらの方
法により、硬化性成形材料層と感圧粘着層との層間に気
泡等ができにくくなり、密着性が向上し、硬化性成形材
料層と感圧粘着層との界面強度が充分な複層材料を製造
することができる。また、硬化性成形材料層中に含まれ
るビニルモノマー等が感圧粘着層に移行しやすくなるこ
とから、感圧粘着層が硬化性のものである場合には、そ
の硬化性を向上させることができる。
【0088】上記図2において、(1)の箇所では、塗
布装置としてナイフコーター4aを用いて、キャリアフ
ィルム供給装置1aから供給されるキャリアフィルム2
a上に樹脂混合溶液3aを塗布し、(2)の箇所では、
チョップ状補強繊維7をキャリアフィルム2a上の樹脂
混合溶液に散布し、(3)の箇所では、フローコーター
4cを用いて、キャリアフィルム2a上に散布されたチ
ョップ状補強繊維7の上に樹脂混合溶液3を塗布し、
(4)の箇所では、含浸ロール9により圧力をかけて補
強繊維に樹脂混合溶液を充分に含浸させ、(5)の箇所
では、キャリアフィルム供給装置1cから供給されるキ
ャリアフィルム2cを貼り合わせて圧着させ、(6)の
箇所では、増粘装置10により補強繊維に含浸させた樹
脂混合溶液を増粘させている。この後に、シート巻き取
り装置12により複層材料を巻き取っている。これによ
り、シート巻き取り後における樹脂混合溶液の垂れ、偏
りが防止できることになる。この後に、そのままで、又
は、所定の大きさに切断してから遮光性を有する包装材
や缶等に梱包したり、巻き取ったロールの両側面とシー
ト表面とを遮光したりすることにより、保管や輸送する
間、硬化性成形材料層の硬化を充分に抑制することがで
きることになる。上記図2において、(1)〜(6)の
箇所において使用する材料や操作方法としては特に限定
されず、例えば、図1における場合と同様にすることが
できる。
【0089】上記図2においては、硬化性樹脂及び光増
感剤を含む樹脂混合溶液を調製し、キャリアフィルム2
aに上側から感圧粘着層及び離型層をこの順で有するフ
ィルムを用いて、補強繊維を感圧粘着層上に散布又は積
載する前および/またはした後に該樹脂混合溶液を塗布
することにより硬化性成形材料層を形成することが好ま
しい。補強繊維を感圧粘着層上に散布又は積載する前な
らば、ナイフコーターやフローコーター等により塗布す
ることができ、補強繊維を感圧粘着層上に散布又は積載
した後ならばフローコーター等により塗布できる。さら
に、キャリアフィルム2cを貼り合わせる前に含浸ロー
ル9により圧力をかけて、補強繊維に樹脂混合溶液を充
分に含浸させ、余分な気泡を抜くことができる。これに
より、硬化性成形材料層と感圧粘着層との層間の密着性
がより向上し、硬化性成形材料層と感圧粘着層との界面
強度が優れた複層材料を製造することができる。なお、
チョップ状補強繊維7を散布した後に樹脂混合溶液を塗
布する方法として、上記フローコーター4cを用いる以
外に、ナイフコーターを用いて、キャリアフィルム2c
上に樹脂混合溶液3を塗布したフィルムを貼り合わせて
圧着して行うこともできる。
【0090】上記図1又は上記図2に示す工程により、
複層材料の作製を完了することになり、上記SMC製造
装置を用いることにより、設備コストを抑制して複層材
料の製造を行うことができる。本発明の複層材料の製造
方法はこれらの実施形態に限定されるものではなく、例
えば、各装置の構造や大きさ、樹脂混合溶液の塗布や補
強繊維の散布における順序や回数等は特に限定されず、
また、感圧粘着層をキャリアフィルム上に塗布すること
により形成したり、他の機能を有するフィルム等を積層
させる操作を行ったりしてもよい。
【0091】上記図1及び上記図2に示すように、硬化
性成形材料層形成工程と感圧粘着層積層工程とを同一工
程において行うことにより、施工性に優れ、硬化物の接
着強度等の基本性能が優れた複層材料を簡便に、かつ、
安定的に製造することができることになる。従って、こ
のような製造方法により製造されてなる複層材料は、金
属、プラスチック、ゴム、ガラス、陶磁器、石材、木材
等の各種の基材における多様な表面状態や複雑な形状に
対応して充分な接着強度を有し、各種の建造物、機械
類、自動車、船舶、家庭用品等における構造部材、配管
類、ライニング材等や、それらを補強するためや補修す
るための補強材等として様々な用途に用いることができ
る。
【0092】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、「部」は、「重量部」を示す。
【0093】合成例1 温度計、窒素ガス導入管、及び、撹拌機を備えた反応器
としての四ツ口フラスコに、飽和二塩基酸としてのイソ
フタール酸498部、並びに、多価アルコールとしての
プロピレングリコール418部及びジプロピレングリコ
ール670部を仕込んだ後、フラスコ内を窒素ガス置換
した。次に、この混合物を撹拌しながら最高温度が21
5℃となるように加熱し、脱水反応を行った。これによ
り、酸価が10になったところで温度を50℃に下げ、
更に、不飽和二塩基酸としての無水マレイン酸を686
部仕込み、最高温度が215℃となるように加熱し、脱
水反応を継続して酸価が28の不飽和ポリエステルを得
た。そして、この不飽和ポリエステル(固形分)60
部、ビニルモノマーとしてのスチレン40部、及び、安
定剤としてのハイドロキノン0.02部を混合すること
により、不飽和ポリエステル樹脂Aを得た。
【0094】合成例2 温度計、窒素ガス導入管、及び、撹拌機を備えた反応器
としての四ツ口フラスコに、ビスフェノールAとエピク
ロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ当量18
9のエピクロン850(商品名、大日本インキ化学工業
社製)458部、メタクリル酸215部、ハイドロキノ
ン0.35部及びトリエチルアミン2.1部を加えて、
含酸素気流中で110℃まで昇温し、6時間反応させて
重合性ビニル基を有するエポキシアクリレートを得た。
そして、このエポキシアクリレート65部、ビニルモノ
マーとしてのスチレン35部、及び、安定剤としてのハ
イドロキノン0.02部を混合することにより、エポキ
シアクリレート樹脂Bを得た。
【0095】実施例1 硬化性樹脂として合成例1で得られた不飽和ポリエステ
ル樹脂A 100部、増粘剤としてMgO#20(商品
名、協和化学工業社製)1.4部、充填剤として水酸化
アルミニウムであるB−308(商品名、アルコア化成
社製)110部、光開始剤としてダロキュアー1173
(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
1.0部、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン50
0ppm、及び、スチレン5部を添加し、ディスパーに
て10分間撹拌して樹脂混合溶液を得た。この溶液の粘
度は、35.5ポイズ(25℃)であった。
【0096】次いで、SMC含浸機に、幅500mmの
キャリアフィルムとして、両面粘着テープであるDCT
−210(商品名、中国化工社製)を離型層が外側にな
るようにセットした。このキャリアフィルムを移動さ
せ、その上にナイフコーターにより幅400mmで上記
樹脂混合溶液を均一に塗布し、その層の上にガラスロー
ビングであるAF210W(商品名、旭ファイバーグラ
ス社製)を自動カッターで約1インチに切断したガラス
チョップを散布した。その積層物の上に、遮光材として
赤色顔料を分散して遮光性を付与したナイロンフィルム
をキャリアフィルムとし、同様に樹脂混合溶液を塗布し
た層で覆い、含浸ロールによる脱泡、含浸を行った。そ
の脱泡、含浸後のシートを雰囲気温度が80℃の熱風オ
ーブン中で5分間熟成・増粘させてから、空冷し、50
cm×30cmの大きさに切断し、アルミ蒸着ポリエス
テルフィルム製の包装材で密封包装し、更に、40℃で
24時間熟成させて本発明の複層材料(光硬化プリプレ
グFRPシート)を得た。
【0097】得られた光硬化プリプレグFRPシート
を、太陽光がよくあたる場所で、基材として直径200
mmの円筒(厚さ1mm冷間圧延鋼板製)を用いて、幅
150mmで円筒の周囲全体に接着施工した。尚、基材
は前もって、汚れ、油質、ワックス等を充分に除去して
おいた。施工は、光硬化プリプレグFRPシートを包装
材から取り出し、接着施工に必要な大きさに切断する加
工工程、離型紙を剥がして基材に密着して接着させる接
着工程、遮光性フィルムを剥がして太陽光にて硬化させ
る硬化工程、太陽光不足部分(日陰部分)にハンディタ
イプ紫外線照射装置(ハンディキュアー800:ウシオ
電気社製)を用いて硬化させる補助硬化工程により、硬
化するまでに要した作業時間は45分であった。図3
(1)に光硬化プリプレグFRPシートを施工した後の
円筒を示した。この施工における作業性(施工性)を以
下の基準により評価した。
【0098】◎:光硬化プリプレグFRPシートが充分
な柔軟性を保ち、接着作業も容易であることから、作業
を容易に行うことができた。 ○:光硬化プリプレグFRPシートの硬化が始まったた
め柔軟性が損なわれたが、接着作業が容易であることか
ら、作業を行うことができた。 △:光硬化プリプレグFRPシートが充分な柔軟性を保
っていたが、接着作業が容易ではないため、作業を行う
ことが容易ではなかった。 ×:光硬化プリプレグFRPシートの硬化が始まったた
め柔軟性が損なわれ、接着作業が容易ではないため、作
業を行うことが困難であった。
【0099】実施例2 実施例1において、不飽和ポリエステル樹脂Aを合成例
2で得られたエポキシアクリレート樹脂Bとし、増粘剤
としてMgO#20 1.4部をメチレンジイソシアネ
ートであるスミジュール44V20(商品名、住友化学
工業社製)11部としたこと以外は同様にして光硬化プ
リプレグFRPシートを得た。得られた光硬化プリプレ
グFRPシートを実施例1と同様にして評価した。その
結果を表1に記載した。なお、評価において、試験条件
は実施例1と同様になるようにした。
【0100】実施例3 実施例1において得られた光硬化プリプレグFRPシー
トを、太陽光がよくあたる場所で、基材として30×3
0cmの鋼板(厚さ1mm冷間圧延鋼板製)を用いて全
面に接着、施工した。図3(2)に光硬化プリプレグF
RPシートを施工した後の鋼板を示した。なお、太陽不
足部分がないため、補助硬化過程は必要なかった。その
評価を実施例1と同じようにして結果を表1に記載し
た。
【0101】実施例4 実施例1と同様にして光硬化樹脂混合溶液を調製し、次
いでSMC含浸機に、幅500mmのキャリアフィルム
として、DCT−210を離型層が外側になるようにセ
ットした。このキャリアフィルムを移動させ、その上に
ガラスロービングであるAF210W(商品名、旭ファ
イバーグラス社製)を自動カッターで約1インチに切断
したガラスチョップを散布した。その上に、上記樹脂混
合溶液をフローコーターにより幅400mmに塗布し、
含浸ロールで加圧含浸させた後、遮光材として赤色顔料
を分散して遮光性を付与したナイロンフィルムをキャリ
アフィルムとして貼り合わせた後、両面粘着テープの離
型紙を外側にして紙管に巻き取った。紙管ごとアルミ蒸
着ポリエステルフィルム製の包装材で密封包装した後、
これを40℃で48時間熟成、増粘し、本発明の複層材
料(光硬化プリプレグFRPシート)を得た。得られた
光硬化プリプレグFRPシートを実施例1と同様にして
評価した。その結果を表1に記載した。なお、評価にお
いて、試験条件は実施例1と同様になるようにした。
【0102】比較例1 実施例1と同様にして光硬化樹脂混合溶液を調整、次い
でSMC含浸機に幅500mmのキャリアフィルムとし
て、赤色顔料を分散して遮光性を付与したナイロンフィ
ルムをセットした。このキャリアフィルムを移動させ、
その上にナイフコーターにより幅400mmで上記樹脂
混合溶液を均一に塗布し、その層の上にガラスロービン
グであるAF210Wを自動カッターで約1インチに切
断したガラスチョップを散布した。その積層物の上に、
上記と同じナイロンフィルムをキャリアフィルムとし、
同様に樹脂混合溶液を塗布した層で覆い、含浸ロールに
よる脱泡、含浸を行った後、紙管に巻き取った。紙管ご
とアルミ蒸着ポリエステルフィルム製の包装材で密封包
装した後、これを40℃で48時間熟成、増粘し、比較
の光硬化プリプレグFRPシートを得た。
【0103】得られた光硬化プリプレグFRPシート
を、実施例1と同様にして接着硬化施工を行った。尚、
基材は、光硬化プリプレグFRPシートを接着する部分
に、前もって、汚れ、油質、ワックス等を充分に除去し
た後プライマー処理工程を行った。プライマー(マイテ
ィグリップ−9036、商品名、イーテック社製)を3
00gr/m2 の量を塗布し充分に乾燥した後に実施例
1と同様に加工、接着、硬化、補助硬化施工した。その
評価を実施例1と同じようにして結果を表1に記載し
た。
【0104】比較例2 比較例1において、キャリアフィルムとして透明なポリ
エチレンフィルムを用いたこと以外は同様にして、比較
の光硬化プリプレグFRPシートを接着硬化施工した。
その評価を実施例1と同じようにして結果を表1に記載
した。
【0105】比較例3 比較例1において、光開始剤としてダロキュアー117
3を1.0部から0.5部に変更したこと以外は同様に
して、比較の光硬化プリプレグFRPシートを接着硬化
施工した。その評価を実施例1と同じようにして結果を
表1に記載した。
【0106】
【表1】
【0107】表1から明らかなように、実施例1〜4に
おいて、本発明における複層材料は、施工工程数が少な
く、作業時間も短時間であり、施工性に優れたものであ
ることから、基材への接着を安定的に行うことができて
接着不良が充分に抑制され、充分な基本性能を有するも
のであることがわかった。
【0108】
【発明の効果】本発明の複層材料の製造方法は、上述の
構成よりなるので、施工性に優れ、硬化物が充分な基本
性能を有し、金属、プラスチック、ゴム、ガラス、陶磁
器、石材、木材等の各種の基材における多様な表面状態
や複雑な形状に対応して充分な接着強度を有し、各種の
建造物、機械類、自動車、船舶、家庭用品等における構
造部材、配管類、ライニング材等や、それらを補強する
ためや補修するための補強材等として様々な用途に用い
られても、基材への接着不良による不具合の発生が抑制
されたものとなる複層材料を、簡便に、かつ、安定的に
製造することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複層材料の製造方法において、硬化性
成形材料層形成工程と感圧粘着層積層工程とを同一工程
で行っている状態を示す一実施形態における断面模式図
である。
【図2】本発明の複層材料の製造方法において、硬化性
成形材料層形成工程と感圧粘着層積層工程とを同一工程
で行っている状態を示す一実施形態における断面模式図
である。
【図3】(1)は、実施例において用いられた円筒鋼板
に光硬化プリプレグFRPシートを施工した後の状態を
示す模式図である。(2)は、実施例において用いられ
た鋼板に光硬化プリプレグFRPシートを施工した後の
状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c キャリアフィルム供給装置 2a,2b,2c キャリアフィルム 3,3a,3b 樹脂混合溶液 4a,4b ナイフコーター 4c フローコーター 5 ロービング状補強繊維 6a カッターロール 6b ゴムロール 7 チョップ状補強繊維 8 圧着ロール 9 含浸ロール 10 増粘装置 11 テンションロール 12 シート巻き取り装置 13 平坦部 14 硬化性成形材料層 15 感圧粘着層 16 基材 17 接合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 淡路 敏夫 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4F072 AA07 AB09 AB14 AD38 AE02 AF24 AG03 AG20 AH04 AH13 AH16 AH20 AH25 AH41 AJ04 AJ16 AJ22 AL09 4F100 AA19H AG00 AH02H AK01A AK44 AK48 AR00B AR00C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C CA23A CA30A DG01A DH01A EH462 EH762 EJ422 EJ522 EJ91C GB07 GB31 GB90 JB12A JK06 JL13B 4J002 AC031 BD152 BE022 BF051 BG031 CC032 CC161 CC181 CD001 CD201 CF002 CF221 CK021 CL062 DA017 DA067 DD078 DE147 DF038 DJ007 DL007 EA046 EB118 EB126 EB158 EC036 ED056 EE038 EE048 EE058 EF046 EF076 EH076 EH106 EH146 EQ018 ET006 EU026 EU118 EU186 EU196 EV048 EV148 EV308 EV348 EW058 EW148 EZ008 FA042 FA047 FD098 FD146 FD158

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性樹脂、補強繊維及び光増感剤を含
    んでなる硬化性成形材料層と、感圧粘着層とを含む複層
    材料を製造する方法であって、硬化性成形材料層形成工
    程と感圧粘着層積層工程とを同一工程において行うこと
    を特徴とする複層材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記硬化性成形材料層は、キャリアフィ
    ルム上に形成されるものであり、該キャリアフィルム
    は、感圧粘着層であることを特徴とする請求項1記載の
    複層材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 硬化性樹脂及び光増感剤を含む樹脂混合
    溶液を調製し、該樹脂混合溶液を感圧粘着層上に塗布し
    た後に補強繊維を散布又は積載することにより硬化性成
    形材料層を形成することを特徴とする請求項1又は2記
    載の複層材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 硬化性樹脂及び光増感剤を含む樹脂混合
    溶液を調製し、補強繊維を感圧粘着層上に散布又は積載
    した後に該樹脂混合溶液を塗布することにより硬化性成
    形材料層を形成することを特徴とする請求項1又は2記
    載の複層材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 更に、増粘工程を含み、該増粘工程は、
    加熱及び/又は活性エネルギー線の照射により行われる
    ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の複層材
    料の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003286355A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Showa Highpolymer Co Ltd 硬化性プリプレグシート及びその製造方法と硬化方法
JP2009179989A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Dic Corp 床構造体
JP2012001665A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd シート材、配管部材及びシート材の製造方法
KR101209858B1 (ko) 2011-08-23 2012-12-11 주식회사 화인텍 광경화성 시트 몰딩 컴파운드의 제조 및 적용 방법

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