JP2001313521A - 電波減衰体 - Google Patents

電波減衰体

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JP2001313521A JP2000130212A JP2000130212A JP2001313521A JP 2001313521 A JP2001313521 A JP 2001313521A JP 2000130212 A JP2000130212 A JP 2000130212A JP 2000130212 A JP2000130212 A JP 2000130212A JP 2001313521 A JP2001313521 A JP 2001313521A
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弘 栗原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、且つ電波の入射方向や電波の
偏波状態によって特性が大きく変化することなく不要な
電波を抑制することができるようにする。 【解決手段】 電波減衰体10は、金属板によって形成
された電波反射体11を有している。電波反射体11に
は格子状に配列された凹部と凸部が形成されている。電
波減衰体10は、電波を反射する複数の第1の反射面2
1と、第1の反射面21から電波の到来側に所定の距離
だけ離れた位置に配置され、電波を反射する複数の第2
の反射面22とを備えている。第1の反射面21は電波
反射体11の凹部によって形成され、第2の反射面22
は電波反射体11の凸部によって形成されている。第1
の反射面21と第2の反射面22は、面積の等しい正方
形形状をなしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動料金収
受システムにおいて路上側アンテナと車載器側アンテナ
との双方向通信において発生する不要な電波を抑制する
ために用いられる電波減衰体に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、有料道路の料金所における渋滞を
緩和する手段として、自動料金収受システム(ETC
(Electronic Toll Collection System)とも呼ばれ
る。)が注目されている。このシステムは、路上側アン
テナと車に搭載した車載器における車載器側アンテナと
の間で、通行料金に関する情報を無線で双方向通信する
ことによって、自動的に通行料金の収受を行うものであ
る。
【0003】このシステムにおいて、路上側アンテナ
は、料金所のゲートや路上に設置された表示器等に設置
され、ゲートを通過する車に対して上方より電波を放射
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、立体交差に
おいて、下側の道路に自動料金収受システムを採用した
料金所が設けられた場合には、路上側アンテナより放射
された電波が道路面と上側の道路の下面との間で多重反
射する可能性がある。そのため、車載器側アンテナが受
信可能なしきい値以上の電波の到達範囲が目標とする範
囲よりも広がり、その到達範囲内に、同一レーンや隣接
する複数のレーンを走行中の複数の車が入り、システム
が誤動作する可能性があるという問題点がある。
【0005】また、立体交差の場合に限らず、路上側ア
ンテナより放射された電波が道路面と、路上に設置され
た表示器との間で多重反射したり、路上側アンテナより
放射された電波が道路面と、料金所のゲートの屋根部分
との間で多重反射したりして、同様の問題を生じる可能
性もある。更には、路上側アンテナより放射された電波
が、表示器の支持部や料金所のゲートの側部で反射し
て、同様の問題を生じる可能性もある。また、複数のレ
ーンにおいて自動料金収受システムが採用されている場
合には、あるレーンにおける路上側アンテナより放射さ
れた電波が、隣接する他のレーンに漏れて、隣接する複
数のレーン間において混信が発生する可能性もある。
【0006】ところで、従来より、不要な電波を減衰さ
せるものとして、フェライト等の電波吸収材料を用いて
構成された電波吸収体が知られている。そこで、このよ
うな電波吸収体を、上述のような自動料金収受システム
における不要電波を抑制するために用いることも考えら
れる。
【0007】しかし、自動料金収受システムにおいて、
上記電波吸収体のような、不要電波抑制のための手段を
設ける場合には、その手段は必然的に屋外に設置され
る。そのため、自動料金収受システムにおける不要電波
抑制のための手段としては、耐久性や設置の容易性を高
めるために、構成の簡単な手段が望まれる。
【0008】特開平11−261283号公報には、反
射波の位相を反転させる凹凸の表面形状を有する反射体
を用いた電波吸収体が開示されている。しかしながら、
特開平11−261283号公報では、その第4欄第1
1〜13行目には「通信用電波の波長λ以上の凹凸とす
ることにより、凹凸面の反射波同士で低減させる」と記
載されている一方で、その図2(B)では凹凸の段差が
「λ/2」と記載されており、反射波を低減させるため
に必要な凹凸の段差がどのような大きさであるかは不明
である。
【0009】また、特開平11−261283号公報の
図2(B)に示されるように凹凸の段差の大きさをλ/
2とした場合には、後で実施の形態の欄でも説明するよ
うに、0°から50°程度の範囲内の入射角度で入射す
る電波に対してはほとんど電波吸収体としての機能を果
たさない。特開平11−261283号公報の図1から
も分かるように、電波吸収体としては、実用上、0°か
ら50°程度の範囲内の入射角度で入射する電波を吸収
することが必要な場合が多いと考えられるが、特開平1
1−261283号公報の図2(B)に示された電波吸
収体では、この要求を満たすことができない。
【0010】更に、特開平11−261283号公報で
は、電波の入射角度と凹凸の段差の大きさとの関係は全
く考慮されておらず、所定の入射角度で入射する電波に
対する反射波を低減させるために必要な凹凸の段差の大
きさも不明である。
【0011】また、特開平11−261283号公報に
は、凹凸の表面形状として、三角波面の形状と矩形波面
の形状が示されている。しかしながら、このような三角
波面の形状や矩形波面の形状を有する反射体を用いた電
波吸収体では、反射面の形状が等方的ではないため、電
波吸収体に対する電波の入射方向や、電波の偏波状態に
よって特性が大きく変化する可能性がある。
【0012】なお、特開昭58−34602号公報や特
開平9−181474号公報には、電波吸収体に凹凸面
を形成して、電波吸収帯域を広げる技術が開示されてい
る。しかしながら、これらの技術では、いずれも、電波
の吸収は主に電波吸収体によるものであり、凹凸面によ
るものではない。また、これらの技術では、電波吸収体
に凹凸面を形成するので、製造が難しいという問題点が
ある。
【0013】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、簡単な構成で、所定の入射角度で入
射する電波に対する反射波を効果的に減衰させることが
できるようにした電波減衰体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の電波減衰体は、
電波を反射する第1の反射面と、第1の反射面から電波
の到来側に所定の距離だけ離れた位置に配置され、電波
を反射する第2の反射面とを備え、第2の反射面に対す
る電波の入射角度をθ、電波の波長をλ、第1の反射面
と第2の反射面との間の部分の比誘電率をεr、mを0
以上の整数としたとき、第1の反射面と第2の反射面と
の距離dが、d=(2m+1)λ/{4√(εr−si
2θ)}で表されるものである。
【0015】本発明の電波減衰体では、第2の反射面に
対する入射角度がθで電波が入射したときに、第1の反
射面で反射された電波と第2の反射面で反射された電波
の間に2分の1波長の奇数倍に相当する位相差が生じ、
この位相差により、2つの反射波が重なった後の電波が
減衰される。
【0016】本発明の電波減衰体において、第1の反射
面で反射する電波から見た第1の反射面の面積の合計
と、第2の反射面で反射する電波から見た第2の反射面
の面積の合計は等しくてもよい。
【0017】本発明の電波減衰体において、第1の反射
面および第2の反射面に対して平行で且つ互いに直交す
る2方向について、第1の反射面と第2の反射面が交互
に配置されていてもよい。この場合、2方向のそれぞれ
について、第1の反射面と第2の反射面の境界部分の間
隔は電波の波長以上であってもよい。
【0018】また、本発明の電波減衰体において、第1
の反射面と第2の反射面は電気的に連続していてもよい
し、電気的に不連続であってもよい。
【0019】また、本発明の電波減衰体において、第1
の反射面と第2の反射面は、第1の反射面となる凹部と
第2の反射面となる凸部とを有する電波反射体によって
形成されていてもよい。
【0020】また、本発明の電波減衰体において、第1
の反射面は、板状の第1の電波反射体によって形成さ
れ、第2の反射面は、第1の反射面および第2の反射面
に対して平行で且つ互いに直交する2方向についてそれ
ぞれ所定の間隔を空けて配列された複数の孔を含む板状
の第2の電波反射体によって形成されていてもよい。こ
の場合、本発明の電波減衰体は、更に、第1の電波反射
体と第2の電波反射体との間に充填された充填部材を備
えていてもよい。充填部材は吸音性を有していてもよ
い。また、充填部材は誘電体であってもよい。
【0021】また、本発明の電波減衰体において、第1
の反射面と第2の反射面は、可視光を透過させる電波反
射体によって形成されていてもよい。この場合、可視光
を透過させる電波反射体は、光学的に透明な誘電体と、
誘電体の面上に形成された光学的に透明な導電性の薄膜
とを有していてもよい。また、誘電体は、ガラスまたは
透明な有機高分子からなっていてもよい。また、導電性
の薄膜は、金属酸化物、金属窒化物、金属またはこれら
の混合体からなっていてもよい。
【0022】また、本発明の電波減衰体において、第1
の反射面および第2の反射面の少なくとも一方は、電波
を反射する材料によって形成されたメッシュによって形
成されていてもよい。この場合、第1の反射面がメッシ
ュによって形成され、電波減衰体は、更に、メッシュに
おける電波到来側とは反対側に配置された吸音材を備え
ていてもよい。
【0023】また、本発明の電波減衰体は、更に、第1
の波長の電波に対して第1の反射面として機能する面を
有する第1の反射部と、第1の波長の電波に対して第2
の反射面として機能する面を有する第2の反射部とを備
え、第1の反射部は、第1の波長よりも短い第2の波長
の電波に対して第1の反射面および第2の反射面として
機能する2つの反射面を有し、第2の反射部は、第2の
波長の電波に対して第1の反射面および第2の反射面と
して機能する2つの反射面を有していてもよい。この場
合、第2の波長は、第1の波長の8分の1以下であって
もよい。
【0024】また、本発明の電波減衰体は、自動料金収
受システムにおける路上側アンテナと車載器側アンテナ
との双方向通信において発生する不要な電波を抑制する
ために用いられてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]始めに、図1を参照して、本発明
の第1の実施の形態に係る電波減衰体と、この電波減衰
体が適用される自動料金収受システムの概要について説
明する。
【0026】図1は、本実施の形態が適用される自動料
金収受システムにおける料金所の周辺の構成の一例を示
す説明図である。この例では、料金所1にはゲート2が
設けられ、ゲート2の上部に、自動料金収受システムに
おける路上側アンテナ3が設けられている。自動料金収
受システムでは、路上側アンテナ3と、車4に搭載した
車載器5における車載器側アンテナとの間で、通行料金
に関する情報を無線で交信することによって、自動的に
通行料金の収受を行うようになっている。路上側アンテ
ナ3は、料金所1が設置されている道路6に向けて電波
を放射するようになっている。
【0027】また、料金所1の上方には、道路6と立体
交差する他の道路7が配置されている。このような状況
において、本実施の形態に係る電波減衰体を用いない場
合には、路上側アンテナ3より放射された電波が、下側
の道路6の上面と、上側の道路7の下面との間で多重反
射する可能性がある。その結果、車載器5における車載
器側アンテナが受信可能なしきい値以上の電波の到達範
囲が目標とする範囲よりも広がり、その到達範囲内に、
同一レーンや隣接する複数のレーンを走行中の複数の車
が入り、システムが誤動作する可能性がある。
【0028】これを防止するために、本実施の形態に係
る電波減衰体10は、例えば、路上側アンテナ3より放
射される電波の不要な進行方向の先の周辺構造物である
上側の道路7に取り付けられる。具体的には、電波減衰
体10は、料金所の上方に配置された道路7の下の桁に
おいて、路上側アンテナ3から放射され、下方の道路6
で反射した電波の進行方向の先の位置に取り付けられて
いる。
【0029】次に、図2および図3を参照して、本実施
の形態に係る電波減衰体10の構成について説明する。
図2は電波減衰体10の正面図、図3は図2のA−A線
断面図である。
【0030】電波減衰体10は、例えば金属板によって
形成された電波反射体11を有している。この電波反射
体11には格子状に配列された凹部と凸部が形成されて
いる。なお、便宜上、図2では、凹部はハッチングを付
して表している。
【0031】また、電波減衰体10は、電波を反射する
複数の第1の反射面21と、第1の反射面21から電波
の到来側に所定の距離だけ離れた位置に配置され、電波
を反射する複数の第2の反射面22とを備えている。第
1の反射面21は電波反射体11の凹部によって形成さ
れ、第2の反射面22は電波反射体11の凸部によって
形成されている。
【0032】第1の反射面21と第2の反射面22は、
面積の等しい正方形形状をなしている。また、第1の反
射面21と第2の反射面22は、第1の反射面21およ
び第2の反射面22に対して平行で且つ互いに直交する
2方向、すなわち図2における上下方向および左右方向
について交互に配置されている。
【0033】図2における上下方向および左右方向の2
方向のそれぞれについて、第1の反射面21と第2の反
射面22の境界部分の間隔、すなわち第1の反射面21
と第2の反射面22の一辺の長さLは、各反射面21,
22が実際に電波を反射する面として機能するように、
電波の波長以上であることが好ましい。一方、長さLが
大き過ぎると、反射面21で反射した電波と反射面22
で反射した電波との重なり方が小さくなるので、長さL
は、電波の波長の3倍以下であることが好ましい。
【0034】また、本実施の形態では、後述するように
位相差を有する第1の反射面21での反射波と第2の反
射面22での反射波とを重ね合わせることによって電波
の強度を減衰させるので、電波減衰体10の全体におい
て、第1の反射面21で反射する電波から見た第1の反
射面21の面積の合計と、第2の反射面22で反射する
電波から見た第2の反射面22の面積の合計は、等しい
か、ほぼ等しいことが好ましい。
【0035】ここで、図4を参照して、上述の第1の反
射面21で反射する電波から見た第1の反射面21の面
積の合計と、第2の反射面22で反射する電波から見た
第2の反射面22の面積の合計の意味について説明す
る。図4に示したように、第1の反射面21および第2
の反射面22に対して斜め方向から電波が入射する場合
には、第2の反射面22では、その全体の領域A2に電
波が入射し、且つ入射した電波は全て第2の反射面22
の前方に出射される。これに対し、第1の反射面21で
は、その一部の領域A1に入射した電波のみが第1の反
射面21で反射し、且つ第2の反射面22の前方に出射
される。従って、第1の反射面21の領域A1の面積の
合計と、第2の反射面22の領域A2の面積の合計と
が、等しいか、ほぼ等しいことが好ましい。第1の反射
面21で反射する電波から見た第1の反射面21の面積
の合計とは上記領域A1の面積の合計であり、第2の反
射面22で反射する電波から見た第2の反射面22の面
積の合計とは上記領域A2の面積の合計である。
【0036】なお、第1の反射面21および第2の反射
面22に対して電波に垂直に入射する場合には、第1の
反射面21で反射する電波から見た第1の反射面21の
面積の合計は、第1の反射面21の全体の領域の面積の
合計となる。
【0037】また、本実施の形態では、図3に示したよ
うに第2の反射面22に対する電波の入射角度をθと
し、電波の波長をλ、第1の反射面21と第2の反射面
22との間の部分の比誘電率をεr、mを0以上の整数
としたとき、第1の反射面21と第2の反射面22との
距離dは、以下の式(1)で表されるようにする。
【0038】 d=(2m+1)λ/{4√(εr−sin2θ)} …(1)
【0039】なお、第1の反射面21と第2の反射面2
2との間の部分が空気の場合には、εr=1となり、上
記式(1)は、d=(2m+1)λ/(4cosθ)と
なる。また、距離dは、m=0のときに最も小さくな
り、この場合には、式(1)は、d=λ/(4cos
θ)となる。
【0040】また、本実施の形態では、凹部と凸部を有
する電波反射体11によって、第1の反射面21と第2
の反射面22とを形成したので、第1の反射面21と第
2の反射面22は電気的に連続している。しかし、第1
の反射面21と第2の反射面22は電気的に不連続であ
ってもよい。
【0041】次に、本実施の形態に係る電波減衰体10
の作用について説明する。図3に示したように、同じ位
相の電波が第2の反射面22に対して入射角度θで入射
する場合において、第1の反射面21と第2の反射面2
2との距離dが式(1)を満たす場合には、第1の反射
面21での反射波と第2の反射面22での反射波との間
には、2分の1波長の奇数倍に相当する位相差が生じ
る。第1の反射面21での反射波と第2の反射面22で
の反射波は、それぞれ広がりを有するので、電波減衰体
10から十分離れた位置では、2つの反射波は重なり合
う。ここで、第1の反射面21での反射波と第2の反射
面22での反射波の強度が等しければ、この2つの反射
波が重なった後の電波の強度は原理的にはゼロになる。
また、第1の反射面21での反射波と第2の反射面22
での反射波の強度が多少異なっていても、2つの反射波
が重なった後の電波の強度は、各反射波単独の強度に比
べて大幅に減少し、ゼロに近い値となる。このように、
本実施の形態に係る電波減衰体10によれば、この電波
減衰体10に対して所定の入射角度θで入射する電波を
減衰させることができる。
【0042】また、本実施の形態に係る電波減衰体10
では、第1の反射面21および第2の反射面22に対し
て平行で且つ互いに直交する2方向について、第1の反
射面21と第2の反射面22が交互に配置されている。
従って、第1の反射面21と第2の反射面22とを含む
電波減衰体10の反射面全体の形状は、ほぼ等方的であ
る。そのため、本実施の形態に係る電波減衰体10で
は、電波の入射方向や電波の偏波状態によって特性が大
きく変化することを防止することができる。なお、電波
の偏波状態には、電界が入射面に垂直な直線偏波である
TE(TransverseElectronic)波、磁界が入射面に垂直
な直線偏波であるTM(Transverse Magnetic)波、円
偏波等がある。
【0043】図5は、シミュレーションで求めた本実施
の形態に係る電波減衰体10の特性の一例を示す特性図
である。ここでは、電波の周波数を5.8GHzとして
いる。この場合、電波の波長λは約51.7mmとな
る。図5には、第1の反射面21と第2の反射面22と
の距離dが13mm、14mm、15mm、17mm、
26mmおよび30mmの6つの場合について、それぞ
れ、入射角度と反射減衰量との関係を示している。式
(1)によれば、dが13mm、14mm、15mm、
17mm、26mmおよび30mmの6つの場合は、そ
れ入射角度θが約4°、約23°、約30°、約40
°、約60°および約64°の場合に対応する。
【0044】図5に示した例では、dが13mm、14
mm、15mm、17mm、26mmおよび30mmの
6つの場合には、それぞれ、入射角度が約4°、約23
°、約30°、約40°、約60°および約64°の近
傍において反射減衰量が大きくなっている。
【0045】ここで、dが26mm、すなわちλ/2の
場合は、入射角度が約60°のときに反射減衰量がピー
クに達するが、0°から50°程度の範囲内の入射角度
で入射する電波に対しては反射減衰量が小さく、電波減
衰体としての機能を果たさない。このことから、特開平
11−261283号公報の図2(B)に示された電波
吸収体では、0°から50°程度の範囲内の入射角度で
入射する電波に対しては電波吸収体としての機能を果た
さないことが分かる。また、dを更に大きくし、例えば
30mmとすると、反射減衰量のピークは、入射角度が
より大きい方へ移動する。
【0046】次に、試作した電波減衰体10の特性の測
定結果の一例について説明する。試作した電波減衰体1
0は、入射角度30°で入射する周波数5.8GHzの
電波を減衰させるようにdを15mmとし、且つ第1の
反射面21と第2の反射面22の境界部分の間隔を、電
波の波長λの約2倍である100mmとしたものであ
る。試作した電波減衰体10の特性の測定では、周波数
5.8GHzの円偏波の電波を2°、20°および40
°の入射角度で電波減衰体10に入射させて、反射減衰
量を測定した。その結果、入射角度が2°、20°およ
び40°のときの電波減衰体10による反射減衰量は、
それぞれ13.4dB、15.6dBおよび12.4d
Bであった。なお、入射角度が2°、20°および40
°のときの電波減衰体10による反射減衰量の計算値
は、それぞれ12.2dB、17.0dBおよび15.
2dBである。
【0047】以上説明したように、本実施の形態に係る
電波減衰体10によれば、第1の反射面21と第2の反
射面22とを備えた簡単な構成で不要な電波を抑制する
ことが可能になる。
【0048】また、本実施の形態によれば、第1の反射
面21と第2の反射面22との距離dを、式(1)で表
されるように設定したので、電波減衰体10に対して所
定の入射角度で入射する電波に対する反射波を効果的に
減衰させることができる。なお、本実施の形態に係る電
波減衰体10では、反射減衰量が十分大きくなる入射角
度の範囲は狭い。しかし、電波減衰体10を自動料金収
受システムに用いる場合には、電波減衰体10に対する
不要な電波の入射角度は、ある一定の狭い角度範囲内に
限られる場合が多いので、電波減衰体10によって不要
な電波を十分減衰させることができる。
【0049】また、本実施の形態に係る電波減衰体10
によれば、第1の反射面21と第2の反射面22とを含
む電波減衰体10の反射面全体の形状がほぼ等方的であ
るため、電波の入射方向や電波の偏波状態によって特性
が大きく変化することなく不要な電波を抑制することが
可能になる。
【0050】また、本実施の形態によれば、電波減衰体
10を、図1に示したように自動料金収受システムにお
ける路上側アンテナ3と車載器側アンテナとの双方向通
信において発生する不要な電波の進路に設けることによ
り、不要な電波を抑制することができる。その結果、本
実施の形態によれば、自動料金収受システムの誤動作を
防止することができる。
【0051】ところで、本実施の形態において、電波反
射体11は、金属板によって形成されたものに限らず、
他の材料によって形成されていてもよい。例えば、電波
反射体11は、樹脂製の基材に導電性の薄膜をコーティ
ングして形成されたものでもよい。
【0052】また、電波反射体11は、可視光を透過さ
せるものであってもよい。このような可視光を透過させ
る電波反射体11は、例えば、光学的に透明な誘電体
と、その面上に形成された光学的に透明な導電性の薄膜
とを有するものであってもよい。この場合、光学的に透
明な誘電体は、例えば、透明なガラスからなっていても
よいし、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
カーボネート、ABS樹脂、アクリル、塩化ビニール、
テフロン等の有機高分子からなっていてもよい。また、
導電性の薄膜としては、例えば、金属酸化物、金属窒化
物、金属またはこれらの混合体からなる薄膜がある。こ
のような薄膜としては、具体的には、酸化錫、酸化錫ド
ープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、窒化チタン
または銀等からなる薄膜がある。また、光学的に透明な
誘電体の面上に光学的に透明な導電性の薄膜を形成する
方法としては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング等がある。また、光学的に透明な導電性の薄膜の
面抵抗値は、0Ω□より大きく、50Ω□以下であるこ
とが好ましい。すなわち、この場合には、導電性の薄膜
によって十分に大きな反射量を得ることができる。
【0053】電波反射体11が金属板のように可視光を
透過させないものである場合には、既設の照明装置や表
示板等の目視が必要な物の前に電波減衰体10を設置す
ることができない。これに対し、電波反射体11が可視
光を透過させるものである場合には、電波減衰体10は
照明装置からの光を透過させ、あるいは電波減衰体10
を通して表示板等を目視することが可能になるので、既
設の照明装置や表示板等の前に電波減衰体10を設置す
ることも可能になる。
【0054】[第2の実施の形態]次に、図6および図
7を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る電波減
衰体30について説明する。図6は電波減衰体30の正
面図、図7は図6のB−B線断面図である。
【0055】本実施の形態に係る電波減衰体30は、板
状の第1の電波反射体31と、この第1の電波反射体3
1から電波の到来側に所定の距離だけ離れた位置におい
て第1の電波反射体31に対して平行に配置された板状
の第2の電波反射体32と、第1の電波反射体31と第
2の電波反射体32との間に充填された充填部材33と
を備えている。第1の電波反射体31および第2の電波
反射体32は、例えば、金属板によって形成されていて
もよいし、樹脂製の基材に導電性の薄膜をコーティング
して形成されていてもよい。また、第1の電波反射体3
1および第2の電波反射体32は、可視光を透過させる
ものであってもよい。
【0056】第2の電波反射体32には、第1の電波反
射体31および第2の電波反射体32に対して平行で且
つ互いに直交する2方向、すなわち図6における上下方
向および左右方向についてそれぞれ所定の間隔を空けて
配列された複数の正方形の孔32aが形成されている。
本実施の形態では、第1の反射面は、第1の電波反射体
31のうち、第2の電波反射体32の孔32aに対応す
る部分によって形成され、第2の反射面は第2の電波反
射体32の孔32a以外の部分によって形成される。な
お、孔32aの形状は、正方形に限らず、円形等でもよ
い。
【0057】充填部材33は、電波を透過させる材料に
よって形成される。充填部材33は吸音性を有していて
もよい。また、充填部材33は誘電体であってもよい。
充填部材33としては、例えば、吸音性を有し且つ誘電
体であるグラスウールを用いてもよい。なお、充填部材
33を設けずに、第1の電波反射体31と第2の電波反
射体32の間の部分を空気としてもよい。この場合に
は、例えば枠によって、第1の電波反射体31と第2の
電波反射体32とを所定の間隔を隔てて保持するように
してもよい。
【0058】図6における上下方向および左右方向の2
方向のそれぞれについて、第1の反射面と第2の反射面
の境界部分の間隔は、電波の波長以上、電波の波長の3
倍以下であることが好ましい。
【0059】また、電波反射体30の全体において、第
1の反射面で反射する電波から見た第1の反射面の面積
の合計と、第2の反射面で反射する電波から見た第2の
反射面の面積の合計は、等しいか、ほぼ等しいことが好
ましい。
【0060】本実施の形態に係る電波減衰体30は、電
波反射体に凹凸を形成する必要がないので製造が容易で
ある。
【0061】また、本実施の形態において、充填部材3
3が吸音性を有するようにした場合には、騒音を低減す
ることも可能になる。
【0062】また、本実施の形態において、充填部材3
3を誘電体とした場合には、式(1)における右辺の分
母が大きくなるので、第1の反射面と第2の反射面との
距離dを小さくすることができる。従って、第1の電波
反射体31と第2の電波反射体32との距離を小さくす
ることができ、その結果、電波減衰体30の厚みを小さ
くすることができる。
【0063】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0064】[第3の実施の形態]次に、図8を参照し
て、本発明の第3の実施の形態に係る電波減衰体40に
ついて説明する。図8は電波減衰体40の断面図であ
る。
【0065】本実施の形態に係る電波減衰体40は、電
波を反射する材料によって形成されたメッシュよりなる
第1の電波反射体41と、この第1の電波反射体41か
ら電波の到来側に所定の距離だけ離れた位置において第
1の電波反射体41に対して平行に配置された第2の電
波反射体42とを備えている。第1電波反射体41は第
1の反射面を形成し、第2の電波反射体42は第2の反
射面を形成する。第1の電波反射体41としてのメッシ
ュの格子間隔は、電波の波長の10分の1以下であるこ
とが好ましい。
【0066】第2の電波反射体42の形状は、第2の実
施の形態における第2の電波反射体32と同様である。
第2の電波反射体42は、例えば、金属板によって形成
されていてもよいし、樹脂製の基材に導電性の薄膜をコ
ーティングして形成されていてもよいし、第1の電波反
射体41と同様のメッシュによって形成されていてもよ
い。
【0067】また、第1の電波反射体41と第2の電波
反射体42の間に充填部材を設けてもよいし、枠等によ
って第1の電波反射体41と第2の電波反射体42とを
所定の間隔を隔てて保持するようにしてもよい。
【0068】また、図8に示したように、第1の電波反
射体41における第2の電波反射体42とは反対側、す
なわち電波到来側とは反対側に、吸音材43を配置して
もよい。この場合には、吸音材43によって騒音を低減
することが可能になる。しかも、吸音材43の前面に
は、金属板ではなく、第1の電波反射体41としてのメ
ッシュが配置されるので、吸音材43による吸音効果を
高めることができる。
【0069】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1または第2の実施の形態と同様であ
る。
【0070】[第4の実施の形態]次に、図9を参照し
て、本発明の第4の実施の形態に係る電波減衰体50に
ついて説明する。図9は電波減衰体50の構成を示す説
明図である。
【0071】本実施の形態に係る電波減衰体50は、所
定の第1の波長λ1の電波に対して第1の反射面として
機能する反射面S1を有する第1の反射部51と、第1
の波長λ1の電波に対して第2の反射面として機能する
反射面S2を有する第2の反射部52とを備えている。
反射面S1と反射面S2の距離d1は、以下の式(2)
で表されるようにする。
【0072】 d1=(2m+1)λ1/{4√(εr−sin2θ)} …(2)
【0073】また、反射面S1および反射面S2に平行
で且つ互いに直交する2方向について、反射面S1と反
射面S2の境界部分の間隔は、第1の波長λ1以上、波
長λ1の3倍以下であることが好ましい。
【0074】図9において、第1の反射部51の一部を
拡大して示したように、第1の反射部51は、それぞれ
第1の波長λ1よりも短い所定の第2の波長λ2の電波
に対して第1の反射面および第2の反射面として機能す
るる反射面S11および反射面S12を有している。同
様に、第2の反射部52は、所定の第2波長λ2の電波
に対して第1の反射面および第2の反射面として機能す
る反射面S21および反射面S22を有している。
【0075】第1の反射部51における反射面S11と
反射面S12の距離と、第2の反射部52における反射
面S21と反射面S22の距離は等しく、これをd2と
する。この距離d2は、以下の式(3)で表されるよう
にする。
【0076】 d2=(2m+1)λ2/{4√(εr−sin2θ)} …(3)
【0077】また、第1の反射部51における反射面S
11と反射面S12に平行で且つ互いに直交する2方向
について、反射面S11と反射面S12の境界部分の間
隔L2は、第2の波長λ2以上、波長λ2の3倍以下で
あることが好ましい。第2の反射部52における反射面
S21と反射面S22に平行で且つ互いに直交する2方
向についての反射面S21と反射面S22の境界部分の
間隔は、上記の間隔L2と同じである。
【0078】第2の波長λ2は、例えば第1の波長λ1
の8分の1以下である。ここで、式(2)および式
(3)におけるmの値を等しく(例えば1に)すると、
第2の波長λ2が第1の波長λ1の8分の1以下の場合
には、距離d2も距離d1の8分の1以下になる。この
場合には、第1の波長λ1の電波から見れば、距離d2
は無視できる程度の距離となる。
【0079】また、第2の波長λ2が第1の波長λ1の
8分の1以下の場合には、間隔L2は、例えば間隔L1
の8分の1以下になる。この場合には、第1の波長λ1
の電波から見れば、間隔L2は無視できる程度の間隔と
なる。
【0080】従って、第1の反射部51における反射面
S1は、実際には距離d2の段差を有する反射面S11
と反射面S12を含んだものであるが、第1の波長λ1
の電波から見れば1つの第1の反射面とみなすことがで
きる。同様に、第2の反射部52における反射面S2
も、実際には距離d2の段差を有する反射面S21と反
射面S22を含んだものであるが、第1の波長λ1の電
波から見れば1つの第2の反射面とみなすことができ
る。
【0081】反射面S1と反射面S2との位置関係、反
射面S11と反射面S12との位置関係、および反射面
S21と反射面S22との位置関係についてのその他の
条件は、第1ないし第3の実施の形態における第1の反
射面と第2の反射面との位置関係の場合と同様である。
また、第1の反射部51および第2の反射部52を構成
する材料は、第1ないし第3の実施の形態における電波
反射体の場合と同様である。
【0082】本実施の形態に係る電波減衰体50では、
第1の波長λ1の電波は、第1の反射部51の反射面S
1と第2の反射部52の反射面S2とによって減衰され
る。一方、第2の波長λ2の電波は、第1の反射部51
の反射面S11と反射面S12とによって減衰されると
共に、第2の反射部52の反射面S21と反射面S22
とによって減衰される。従って、電波減衰体50は、2
つの波長の電波に対して電波を減衰させる機能を有す
る。
【0083】本実施の形態に係る電波減衰体50によれ
ば、波長(周波数)の異なる複数の電波を減衰させるこ
とが可能になる。従って、本実施の形態に係る電波減衰
体50は、例えば、自動料金収受システムにおいて使用
される電波(周波数5.8GHz)やミリ波衝突防止用
車載レーダにおいて使用される電波(周波数60GHz
または77GHz)等の波長(周波数)の異なる複数の
電波を使用するトンネル内や高速道路等のコーナー部分
に使用することができる。この場合には、波長(周波
数)の異なる複数の電波による電波障害を改善すること
が可能になる。
【0084】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1ないし第3の実施の形態と同様であ
る。
【0085】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れず、種々の変更が可能である。例えば、本発明の電波
減衰体は、料金所の上方に配置された道路の下に限ら
ず、料金所のゲートの前方に配置される表示器やその支
持部に取り付けてもよいし、ゲートの屋根部分の下やゲ
ートの側部に取り付けてもよい。また、本発明の電波減
衰体は、複数のレーンの間に配置してもよい。また、本
発明の電波減衰体は、自動料金収受システム以外に用い
てもよい。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし2
0のいずれかに記載の電波減衰体によれば、第1の反射
面と第2の反射面とを備えた簡単な構成で不要な電波を
抑制することが可能になると共に、第2の反射面に対す
る電波の入射角度をθ、電波の波長をλ、第1の反射面
と第2の反射面との間の部分の比誘電率をεr、mを0
以上の整数としたとき、第1の反射面と第2の反射面と
の距離dを、d=(2m+1)λ/{4√(εr−si
2θ)}としたので、所定の入射角度で入射する電波
に対する反射波を効果的に減衰させることができるとい
う効果を奏する。
【0087】また、請求項3または4記載の電波減衰体
によれば、第1の反射面および第2の反射面に対して平
行で且つ互いに直交する2方向について第1の反射面と
第2の反射面を交互に配置したので、電波の入射方向や
電波の偏波状態によって特性が大きく変化することなく
不要な電波を抑制することが可能になるという効果を奏
する。
【0088】また、請求項8ないし11のいずれかに記
載の電波減衰体によれば、第1の反射面を板状の第1の
電波反射体によって形成し、第2の反射面を、第1の反
射面および第2の反射面に対して平行で且つ互いに直交
する2方向についてそれぞれ所定の間隔を空けて配列さ
れた複数の孔を含む板状の第2の電波反射体によって形
成したので、製造が容易になるという効果を奏する。
【0089】また、請求項10記載の電波減衰体によれ
ば、第1の電波反射体と第2の電波反射体との間に、吸
音性を有する充填部材を設けたので、騒音を低減するこ
とも可能になるという効果を奏する。
【0090】また、請求項11記載の電波減衰体によれ
ば、第1の電波反射体と第2の電波反射体との間に、誘
電体よりなる充填部材を設けたので、第1の電波反射体
と第2の電波反射体との距離を小さくでき、その結果、
電波減衰体の厚みを小さくすることができるという効果
を奏する。
【0091】また、請求項12ないし15のいずれかに
記載の電波減衰体によれば、第1の反射面と第2の反射
面を、可視光を透過させる電波反射体によって形成した
ので、照明装置や表示板等の前に電波減衰体を設置する
ことも可能になるという効果を奏する。
【0092】また、請求項17記載の電波減衰体によれ
ば、第1の反射面を、電波を反射する材料によって形成
されたメッシュによって形成し、このメッシュにおける
電波到来側とは反対側に吸音材を配置したので、吸音材
によって騒音を低減することが可能になると共に、吸音
材の前面にはメッシュが配置されるので、吸音材による
吸音効果を高めることができるという効果を奏する。
【0093】また、請求項18または19記載の電波減
衰体によれば、第1の波長の電波に対して第1の反射面
として機能する面を有する第1の反射部と、第1の波長
の電波に対して第2の反射面として機能する面を有する
第2の反射部とを備え、第1の反射部は、第1の波長よ
りも短い第2の波長の電波に対して第1の反射面および
第2の反射面として機能する2つの反射面を有し、第2
の反射部は、第2の波長の電波に対して第1の反射面お
よび第2の反射面として機能する2つの反射面を有する
ようにしたので、波長の異なる複数の電波を減衰させる
ことが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態が適用される料金所
の周辺の構成の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る電波減衰体の
正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る電波減衰体に
おける第1の反射面と第2の反射面の面積について説明
するための説明図である。
【図5】シミュレーションで求めた本発明の第1の実施
の形態に係る電波減衰体の特性の一例を示す特性図であ
る。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る電波減衰体の
正面図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る電波減衰体の
断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る電波減衰体の
構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1…料金所、2…ゲート、3…路上側アンテナ、4…
車、5…車載器、6…道路、7…道路、10…電波減衰
体、11…電波反射体、21…第1の反射面、22…第
2の反射面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝沢 幸治 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5E321 AA33 AA41 BB02 BB23 BB24 BB25 BB41 GG05 GG12 GH01 GH05 5J020 AA03 BA06 BA17 CA04 DA00 DA06 DA08

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波を反射する第1の反射面と、 前記第1の反射面から電波の到来側に所定の距離だけ離
    れた位置に配置され、電波を反射する第2の反射面とを
    備え、 前記第2の反射面に対する電波の入射角度をθ、電波の
    波長をλ、前記第1の反射面と前記第2の反射面との間
    の部分の比誘電率をεr、mを0以上の整数としたと
    き、前記第1の反射面と前記第2の反射面との距離d
    は、d=(2m+1)λ/{4√(εr−sin2θ)}
    で表されることを特徴とする電波減衰体。
  2. 【請求項2】 前記第1の反射面で反射する電波から見
    た第1の反射面の面積の合計と、前記第2の反射面で反
    射する電波から見た第2の反射面の面積の合計は等しい
    ことを特徴とする請求項1記載の電波減衰体。
  3. 【請求項3】 前記第1の反射面および前記第2の反射
    面に対して平行で且つ互いに直交する2方向について、
    前記第1の反射面と前記第2の反射面が交互に配置され
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の電波減
    衰体。
  4. 【請求項4】 前記2方向のそれぞれについて、前記第
    1の反射面と前記第2の反射面の境界部分の間隔は電波
    の波長以上であることを特徴とする請求項3記載の電波
    減衰体。
  5. 【請求項5】 前記第1の反射面と前記第2の反射面は
    電気的に連続していることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載の電波減衰体。
  6. 【請求項6】 前記第1の反射面と前記第2の反射面は
    電気的に不連続であることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載の電波減衰体。
  7. 【請求項7】 前記第1の反射面と前記第2の反射面
    は、前記第1の反射面となる凹部と前記第2の反射面と
    なる凸部とを有する電波反射体によって形成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    記載の電波減衰体。
  8. 【請求項8】 前記第1の反射面は、板状の第1の電波
    反射体によって形成され、 前記第2の反射面は、前記第1の反射面および前記第2
    の反射面に対して平行で且つ互いに直交する2方向につ
    いてそれぞれ所定の間隔を空けて配列された複数の孔を
    含む板状の第2の電波反射体によって形成されているこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電
    波減衰体。
  9. 【請求項9】 更に、前記第1の電波反射体と前記第2
    の電波反射体との間に充填された充填部材を備えたこと
    を特徴とする請求項8記載の電波減衰体。
  10. 【請求項10】 前記充填部材は吸音性を有することを
    特徴とする請求項9記載の電波減衰体。
  11. 【請求項11】 前記充填部材は誘電体であることを特
    徴とする請求項9または10記載の電波減衰体。
  12. 【請求項12】 前記第1の反射面と前記第2の反射面
    は、可視光を透過させる電波反射体によって形成されて
    いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の記載の電波減衰体。
  13. 【請求項13】 前記可視光を透過させる電波反射体
    は、光学的に透明な誘電体と、前記誘電体の面上に形成
    された光学的に透明な導電性の薄膜とを有することを特
    徴とする請求項12記載の電波減衰体。
  14. 【請求項14】 前記誘電体は、ガラスまたは透明な有
    機高分子からなることを特徴とする請求項13記載の電
    波減衰体。
  15. 【請求項15】 前記導電性の薄膜は、金属酸化物、金
    属窒化物、金属またはこれらの混合体からなることを特
    徴とする請求項13または14記載の電波減衰体。
  16. 【請求項16】 前記第1の反射面および前記第2の反
    射面の少なくとも一方は、電波を反射する材料によって
    形成されたメッシュによって形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれかに記載の記載の電波
    減衰体。
  17. 【請求項17】 前記第1の反射面は前記メッシュによ
    って形成され、 更に、前記メッシュにおける電波到来側とは反対側に配
    置された吸音材を備えたことを特徴とする請求項16記
    載の電波減衰体。
  18. 【請求項18】 更に、第1の波長の電波に対して第1
    の反射面として機能する面を有する第1の反射部と、前
    記第1の波長の電波に対して第2の反射面として機能す
    る面を有する第2の反射部とを備え、 前記第1の反射部は、第1の波長よりも短い第2の波長
    の電波に対して第1の反射面および第2の反射面として
    機能する2つの反射面を有し、 前記第2の反射部は、前記第2の波長の電波に対して第
    1の反射面および第2の反射面として機能する2つの反
    射面を有することを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の記載の電波減衰体。
  19. 【請求項19】 前記第2の波長は、前記第1の波長の
    8分の1以下であることを特徴とする請求項18記載の
    電波減衰体。
  20. 【請求項20】 自動料金収受システムにおける路上側
    アンテナと車載器側アンテナとの双方向通信において発
    生する不要な電波を抑制するために用いられることを特
    徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の電波減
    衰体。
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