JP2001310931A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

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JP2001310931A
JP2001310931A JP2000132911A JP2000132911A JP2001310931A JP 2001310931 A JP2001310931 A JP 2001310931A JP 2000132911 A JP2000132911 A JP 2000132911A JP 2000132911 A JP2000132911 A JP 2000132911A JP 2001310931 A JP2001310931 A JP 2001310931A
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molding material
sealing
compound
resin molding
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Kazuyoshi Tendou
一良 天童
Mitsuo Katayose
光雄 片寄
Seiichi Akagi
清一 赤城
Megumi Matsui
恵 松井
Ken Nanaumi
憲 七海
Teruki Aizawa
輝樹 相沢
Akira Matsui
章 松井
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】銅リードフレームに対しても、成形性や耐リフ
ロークラック性、耐湿性等の信頼性が優れた封止用エポ
キシ樹脂成形材料、及びこれにより封止した素子を備え
た電子部品装置を提供する。 【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
(C)硬化促進剤、(D)無機充填剤を必須成分とし、
(B)成分の硬化剤が、(E)一般式(I)で示される
フェノール化合物及び(F)フェノール性水酸基を有す
る化合物(a)とトリアジン誘導体(b)とアルデヒド
基を有する化合物(c)との重縮合物を含むことを特徴
とする封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこの封止用エ
ポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた電子
部品装置。 【化1】 (ここで、R1は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は置換又は非置換の芳香族炭化水素基、mは1
〜10の整数、nは0〜10の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に銅リードフレ
ームを用いた電子部品装置に好適な、高接着性でかつ低
吸水性で、耐湿性、耐リフロークラック性などの信頼性
に優れた封止用エポキシ樹脂成形材料及びこの封止用エ
ポキシ樹脂成形材料により封止した素子を備えた電子部
品装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランジスタ、IC等の電子
部品封止の分野ではエポキシ樹脂成形材料が広く用いら
れている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特
性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着
性などの諸特性にバランスがとれているためである。特
に、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェ
ノールノボラック硬化剤の組み合わせはこれらのバラン
スに優れており、封止用成形材料のベース樹脂の主流に
なっている。近年では、電子部品のプリント配線板への
高密度実装化に伴い、電子部品装置は従来のピン挿入型
から、表面実装型のパッケージが主流になってきてい
る。表面実装型のIC、LSIなどは、実装密度を高く
して実装高さを低くするために、薄型、小型のパッケー
ジになっており、素子のパッケージに対する占有体積が
大きくなり、パッケージの肉厚は非常に薄くなってき
た。さらに、これらのパッケージは従来のピン挿入型の
ものと実装方法が異なっている。即ち、ピン挿入型パッ
ケージはピンを配線板に挿入した後、配線板裏面からは
んだ付けを行うため、パッケージが直接高温にさらされ
ることがなかった。しかし、表面実装型パッケージは配
線板表面に仮止めを行い、はんだバスやリフロー装置な
どで処理されるため、直接はんだ付け温度にさらされ
る。この結果、パッケージが吸湿した場合、はんだ付け
時に吸湿水分が急激に膨張し、パッケージをクラックさ
せてしまう。現在、この現象が表面実装型パッケージに
係わる大きな問題となっている。一方、素子を搭載して
外部との電気的なコンタクトを確保するためのリードフ
レームの材質としては、これまで42アロイ(Fe−4
2%Ni合金)が広く用いられてきたが、電子部品装置
の高密度化、高集積化に伴い熱放散性の観点から、熱伝
導率が高く低コストな銅リードフレームを42アロイに
換えて用いる装置が増加している。しかし、銅リードフ
レームは42アロイリードフレームと比較して熱処理に
より表面が酸化され易く、素子をリードフレームに固定
する工程、次いで金線で素子とリードフレームを接続す
る工程などで加えられる熱によってリードフレーム表面
に酸化膜が形成されて、封止用エポキシ樹脂成形材料と
の密着性が低下する傾向にあり、表面実装型パッケージ
において耐リフロークラック性の低下を引き起こすとい
う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題に対する対
策として、例えば、素子をリードフレームに固定する工
程、金線で素子とリードフレームを接続する工程などを
窒素雰囲気中で行う、または比較的低温で行うことによ
り酸化膜の形成を抑制し剥離を防止する方法、銅リード
フレームの表面をめっきで被覆して耐熱性を改善する方
法等が検討されてきたが、これらの手法は、コストや金
線の接続強度が低下する点で実用的ではなかった。封止
用エポキシ樹脂成形材料からの改良としては、銅リード
フレームと封止用エポキシ樹脂成形材料の接着性を向上
させるために、ベンゾトリアゾール骨格を有する非水溶
性化合物を含有させる方法(特開平11−35796号
公報)や8−キノリノールのようなフェノール性水酸基
を有するキレート試薬を含有させる方法(特開平10−
330595公報)等が提案されているが、これらはい
ずれも銅に対する接着力の向上効果は認められるもの
の、耐リフロークラック性の改善は十分でなく、特に素
子の封止工程までに加わる熱処理条件が厳しく、銅リー
ドフレームの酸化が進んでいる場合には、むしろ耐リフ
ロークラック性が低下するという問題があった。本発明
はかかる状況に鑑みなされたもので、従来の封止用エポ
キシ樹脂成形材料の欠点を改善し、銅リードフレームを
用いた場合にも、成形性、耐リフロークラック性、耐湿
性等の信頼性が優れた封止用エポキシ樹脂成形材料及び
これにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供す
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、硬化剤に、
特定のフェノール化合物と、フェノール性水酸基を有す
る化合物とトリアジン誘導体とアルデヒド基を有する化
合物との重縮合物を配合することにより信頼性の優れた
封止用エポキシ樹脂成形材料が得られ、上記の目的を達
成しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)(A)エポキ
シ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機
充填剤を必須成分とし、(B)成分の硬化剤が、(E)
一般式(I)で示されるフェノール化合物及び(F)フ
ェノール性水酸基を有する化合物(a)とトリアジン誘
導体(b)とアルデヒド基を有する化合物(c)との重
縮合物を含むことを特徴とする封止用エポキシ樹脂成形
材料、
【化4】 (ここで、R1は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は置換又は非置換の芳香族炭化水素基、mは1
〜10の整数、nは0〜10の整数を示す。) (2)(E)一般式(I)で示されるフェノール化合物
の150℃における溶融粘度が7p以下である上記
(1)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、(3)
(F)重縮合物に用いられるトリアジン誘導体(b)が
メラミン及び/又はベンゾグアナミンである上記(1)
又は(2)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、(4)
(F)重縮合物に用いられるフェノール性水酸基を有す
る化合物(a)がフェノール・ノボラック樹脂である上
記(1)〜(3)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹
脂成形材料、(5)(F)重縮合物の数平均分子量が3
00〜1500で、かつ重量平均分子量が650〜10
000である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の封
止用エポキシ樹脂成形材料、(6)(F)重縮合物の分
子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6〜
15である上記(5)記載の封止用エポキシ樹脂成形材
料、(7)(A)エポキシ樹脂が結晶性エポキシ樹脂及
び/又はノボラック型エポキシ樹脂を含有してなる上記
(1)〜(6)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂
成形材料、(8)結晶性エポキシ樹脂が下記一般式(I
I)で示されるエポキシ樹脂である上記(7)記載の封
止用エポキシ樹脂成形材料、
【化5】 (ここで、R1〜R4は水素原子及び炭素数1〜10の置
換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、すべてが
同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示
す。) (9)(C)硬化促進剤が第三ホスフィンとキノン化合
物との付加物を含有してなる上記(1)〜(8)のいず
れかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料及び(10)
(C)硬化促進剤が下記一般式(III)で示される第三
ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物を含有してな
る上記(9)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料並びに
【化6】 (ここで、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及
び炭素数1〜4のアルコキシ基から選ばれ、mは1〜3
の整数を示し、mが2又は3の場合、Rは互いに同一で
も異なっていてもよい。) (11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の封止
用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた
電子部品装置及び(12)銅リードフレームを用いてな
る上記(11)記載の電子部品装置に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
エポキシ樹脂としては特に制限はないが、例えば、封止
用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されている1分子
中に2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂で、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、ク
レゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及
び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキ
シナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデ
ヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化
合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノ
ボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置
換又は非置換のビフェノール等のジグリシジルエーテ
ル、スチルベン系フェノール類のジグリシジルエーテ
ル、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒ
ドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポ
キシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸
等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得ら
れるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエンとフェノ−ル類の共縮合樹脂のエポキシ化物、ナ
フタレン環を有するエポキシ樹脂、ナフトールアラルキ
ル樹脂のエポキシ化物、トリメチロールプロパン型エポ
キシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレフィン結合
を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキ
シ樹脂、脂環族エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを
単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも成形性と耐リフロークラック性の両立の観点から
は結晶性エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂が
好ましい。結晶性エポキシ樹脂としては下記一般式(I
I)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂が好ましく、
ノボラック型エポキシ樹脂としては下記一般式(IV)で
示されるノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これら
のスチルベン型エポキシ樹脂とノボラック型エポキシ樹
脂を併用することがより好ましい。
【0007】
【化7】 (ここで、R1〜R4は水素原子及び炭素数1〜10の置
換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、すべてが
同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示
す。)
【化8】 (ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜5の整
数を示す。)
【0008】上記一般式(II)で示されるスチルベン型
エポキシ樹脂は、原料であるスチルベン系フェノール類
とエピクロルヒドリンとを塩基性物質の存在下で反応さ
せて得ることができる。この原料であるスチルベン系フ
ェノール類を例示すると、3−t−ブチル−4,4′−
ジヒドロキシ−3′,5,5′−トリメチルスチルベ
ン、3−t−ブチル−2,4′−ジヒドロキシ−3′,
5′,6−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−
4,4′−ジヒドロキシ−3′,5′,6−トリメチル
スチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,
5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−
5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルス
チルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t
−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−
ジメチルスチルベン等が挙げられ、中でも3−t−ブチ
ル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,5,5′−トリメ
チルスチルベン及び4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラメチルスチルベンが好ましい。
これらのスチルベン系フェノール類は単独で用いても2
種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明で用
いられる上記一般式(II)で示されるスチルベン型エポ
キシ樹脂は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0009】上記一般式(IV)中のRとしては、例え
ば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、
ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハ
ロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカ
プト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、中でもメチル
基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がよ
り好ましい。上記一般式(IV)で示されるノボラック型
エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げ
られ、中でも、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂が好ましい。
【0010】結晶性エポキシ樹脂及びノボラック型エポ
キシ樹脂の配合量は、特に制限はないが、耐リフローク
ラック性の観点から(A)エポキシ樹脂に対して合わせ
て60重量%以上とすることが好ましい。上記一般式
(II)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂と一般式
(IV)で示されるノボラック型エポキシ樹脂を併用する
場合、その併用割合は特に制限はないが、重量比で(I
I)/(IV)=9/1〜1/9であることが好ましく、
9/1〜5/5がより好ましい。一般式(II)で示され
るスチルベン型エポキシ樹脂の割合が多くなりすぎると
成形性が低下する傾向にあり、一般式(IV)で示される
ノボラック型エポキシ樹脂の割合が多くなりすぎると耐
リフロークラック性が低下する傾向にある。
【0011】本発明において用いられる(B)硬化剤と
しては、少なくとも(E)一般式(I)で示されるフェ
ノール化合物及び(F)フェノール性水酸基を有する化
合物(a)とトリアジン誘導体(b)とアルデヒド基を
有する化合物(c)との重縮合物を含んでいればよく、
それ以外に封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用さ
れている硬化剤を併用することもできる。併用する硬化
剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、レゾル
シン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノ
ール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジ
ヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデ
ヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で
縮合又は共縮合させて得られる樹脂、フェノール類及び
/又はナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス
(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノー
ル・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等の
アラルキル型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール
樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0012】本発明において用いられる(B)硬化剤に
含まれる(E)成分のフェノール化合物は、下記一般式
(I)で示されるフェノール化合物である。(E)下記
一般式(I)で示されるフェノール化合物としては、m
個の構成単位(x)及びn個の構成単位(y)をランダ
ムに含むもの、交互に含むもの、規則的に含むもの、ブ
ロック状に含むもののいずれか1種又は2種以上の混合
物が挙げられるが、両末端又は片末端がフェノール骨格
以外の芳香族炭化水素のものを含んでいてもよい。中で
も、構成単位(x)のブロック重合体と構成単位(y)
のブロック重合体をランダムに含むものを主成分とする
フェノール化合物が好ましい。
【化9】
【化10】
【0013】上記一般式(I)中のR1は、水素原子又
は炭素数1〜6のメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
シクロヘキシル基等のアルキル基から選ばれ、中でも水
素原子及びメチル基が好ましい。また、R2は例えばフ
ェニレン基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン
基、トリメチルフェニレン基、テトラメチルフェニレン
基、エチルフェニレン基、ジエチルフェニレン基、ナフ
チレン基、メチルナフチレン基、ジメチルナフチレン
基、エチルナフチレン基、ジエチルナフチレン基等の置
換又は非置換の芳香族炭化水素基から選ばれ、中でもア
ルキル置換芳香族炭化水素基が好ましく、メチル基置換
フェニレン基がより好ましく、ジメチルフェニレン基が
より好ましい。また、上記一般式(I)中のmは1〜1
0の整数を示し、1〜8が好ましく、1〜5がより好ま
しくい。nは0〜10の整数を示し、2〜8が好まし
い。nが0以外の場合は、上記一般式(I)で示される
フェノール化合物(E)はm個の構成単位(x)とn個
の構成単位(y)との共重合物であるが、その共重合モ
ル比m/nは特に制限はないが、エポキシ樹脂硬化物の
耐熱性や強度向上観点から1/0〜1/4が好ましく、
1/0.5〜1/2がより好ましい。
【0014】(E)上記一般式(I)で示されるフェノ
ール化合物の製造方法としては、特に制限はなく、例え
ば、ベンゼン、ナフタレン等の非置換芳香族炭化水素、
トルエン、キシレン、メシチレン、ジュレン等のアルキ
ルベンゼンなどの置換芳香族炭化水素の1種を単独で又
は2種以上を組み合わせて用いて、酸性触媒等の触媒存
在下でアルデヒド基を有する化合物と反応させて得られ
る置換又は非置換芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹
脂と、フェノール性水酸基を有する化合物及び必要に応
じてアルデヒド基を有する化合物を酸性触媒等の触媒存
在下で60〜180℃、好ましくは80〜140℃で1
〜6時間、好ましくは2〜4時間反応させて得ることが
できる。(E)上記一般式(I)で示されるフェノール
化合物の両末端がフェノール性水酸基を有する化合物と
するためには、置換又は非置換芳香族炭化水素−ホルム
アルデヒド樹脂の両末端にフェノール性水酸基を有する
化合物と反応するメチロール基、メトキシ基がなるべく
多く結合していることが好ましい。フェノール性水酸基
を有する化合物としては、フェノール、カテコール、レ
ゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、エチルフェノール、tert−ブチルフェノー
ル、ハイドロキノン等が挙げられ、これらを単独で又は
2種以上を組み合わせて用いることができる。アルデヒ
ド基を有する化合物としては、ホルムアルデヒド、パラ
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。また、触媒としては蓚酸、
硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸等の酸性触媒を用いることができる。
【0015】(E)上記一般式(I)で示されるフェノ
ール化合物の150℃における溶融粘度は特に制限はな
いが、流動性の観点から7p以下が好ましく、硬化性及
び流動性の観点から0.5〜6pがより好ましく、1〜
5pがさらに好ましい。ここで、150℃における溶融
粘度はICIコーンプレート法による粘度をいう。
【0016】(E)上記一般式(I)で示されるフェノ
ール化合物としては、例えば、下記一般式(V)〜(VI
II)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
【化11】 上記一般式(V)〜(VIII)中のmは1〜10の整数を
示し、nは0〜10の整数を示す。上記一般式(V)〜
(VIII)で示されるフェノール樹脂としては、m個、n
個の構成単位をランダムに含むもの、交互に含むもの、
規則的に含むもの、ブロック状に含むもののいずれか1
種又は2種以上の混合物が挙げられるが、それぞれの構
成単位のブロック重合物をランダムに含むものを主成分
とするフェノール樹脂が好ましい。中でも、平均核体数
が2〜15、すなわちm+nの平均値が2〜15のもの
が好ましく、2〜9のものがより好ましい。硬化性及び
流動性の観点からは、上記一般式(VI)で示されるフェ
ノール変性キシレン樹脂が好ましい。
【0017】(E)上記一般式(I)で示されるフェノ
ール化合物の配合量は、特に制限はないが、その性能を
発揮するために(B)硬化剤に対して40重量%以上が
好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%
以上がさらに好ましい。
【0018】本発明において用いられる(B)硬化剤に
含まれる(F)成分の重縮合物は、フェノール性水酸基
を有する化合物(a)とトリアジン誘導体(b)とアル
デヒド基を有する化合物(c)との重縮合物である。
(F)重縮合物において原料として用いられるフェノー
ル性水酸基を有する化合物(a)としては特に制限はな
く、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、
エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノー
ル、オクチルフェノール等のアルキルフェノール類、レ
ゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールS等の多価フェノール類、α−
ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン
等のナフトール類、又は、フェニルフェノール、アミノ
フェノール等のフェノール誘導体などが挙げられ、さら
にこれらとホルムアルデヒド等のアルデヒド基を有する
化合物とを酸性触媒等の触媒存在下で縮合又は共縮合さ
せて得られる樹脂などが挙げられる。中でも、成形性の
観点からはフェノール、クレゾール、フェノール・ノボ
ラック樹脂が好ましい。これらのフェノール性水酸基を
有する化合物は単独で用いても2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0019】(F)重縮合物において原料として用いら
れるトリアジン誘導体(b)としては、分子中にトリア
ジン核を有する化合物であれば特に制限はなく、例え
ば、メラミン、ジアリルメラミン、ブチルメラミン、ジ
メチルメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン
等のグアナミン誘導体、シアヌル酸、メチルシアヌレー
ト等のシアヌル酸誘導体などが挙げられ、これらを単独
で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中
でも、成形性、信頼性の観点からはメラミン、ベンゾグ
アナミン等のグアナミン誘導体が好ましく、メラミンが
より好ましい。また、(F)重縮合物において原料とし
て用いられるアルデヒド基を有する化合物(c)として
は、例えば、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホル
ムアルデヒド等が挙げられる。
【0020】(F)重縮合物の製造方法は特に制限はな
く、フェノール性水酸基を有する化合物(a)、トリア
ジン誘導体(b)及びアルデヒド基を有する化合物
(c)の各原料を反応させることにより製造できる。例
えば、フェノール性水酸基を有する化合物(a)、トリ
アジン誘導体(b)及びアルデヒド基を有する化合物
(c)とを、付加縮合重合反応等により重縮合させるな
どの一般的な方法で合成することができる。還流反応さ
せた後昇温脱水して重縮合させることもできる。
【0021】(F)重縮合物を合成する場合の反応温度
は、50〜250℃とすることが好ましく、より好まし
くは60〜220℃、さらに好ましくは80〜180℃
である。50℃未満では、反応が不十分となり、分子量
が上がらず、成形性、耐熱性、耐水性、難燃性、強度等
が低下する傾向があり、250℃を超えると(E)成分
を合成する際に、生産設備的に不利となる傾向がある。
反応時間は、1〜30時間とするのが好ましく、より好
ましくは1〜15時間、さらに好ましくは2〜10時間
である。1時間未満では反応が不十分となりがちで、分
子量が上がらず、成形性、耐熱性、耐水性、強度等が低
下する傾向があり、30時間を超えても収量的なメリッ
トが得られなくなるため、経済的に不利である。反応終
了後、必要に応じて、加熱減圧下等で未反応成分、水等
を除去することができるが、その条件は、温度が80〜
220℃、より好ましくは100〜180℃、圧力が1
00mmHg以下、より好ましくは60mmHg以下、
時間が0.5〜10時間とすることが好ましい。また、
反応には必要に応じてトリメチルアミン、トリエチルア
ミン等のアミン系触媒、蓚酸等の酸触媒を、反応触媒と
してフェノール性水酸基を有する化合物(a)1モルに
対して、0.00001〜0.01モル程度加えてもよ
い。反応系のpHは、1〜10程度とするのが好まし
い。
【0022】(F)重縮合物の製造原料として用いられ
るフェノール性水酸基を有する化合物(a)、トリアジ
ン誘導体(b)及びアルデヒド基を有する化合物(c)
の配合割合は、(F)重縮合物の窒素含有量が1〜20
重量%、より好ましくは1〜15重量%、さらに好まし
くは2〜10重量%となるように設定されることが好ま
しい。具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物
(a)100g対して、トリアジン誘導体(b)を3〜
50gとすることが好ましく、4〜30gとすることが
より好ましい。また、アルデヒド基を有する化合物
(c)は、フェノール性水酸基を有する化合物(a)1
00g対して5〜100gとすることが好ましく、6〜
50gとすることがより好ましい。このような範囲とす
ることで、最終的に得られる(F)重縮合物の窒素含有
量、分子量分布等を所望の範囲に調整することができ
る。
【0023】(F)重縮合物の数平均分子量(Mn)
(ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定し、標準
ポリスチレン換算した値)は、300〜1500の範囲
内であることが好ましく、より好ましくは350〜12
00、さらに好ましくは380〜1000である。数平
均分子量が300未満であると成形性、耐リフロークラ
ック性が低下する傾向があり、1500を超えると流動
性が低下する傾向がある。(F)重縮合物の重量平均分
子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフで
測定し、標準ポリスチレン換算した値)は、650〜1
0000の範囲内であることが好ましく、より好ましく
は700〜8000、さらに好ましくは800〜900
0である。重量平均分子量が650未満であると耐リフ
ロークラック性が低下する傾向があり、10000を超
えると流動性が低下する傾向がある。(F)重縮合物の
分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)
は、1.6〜15の範囲内であることが好ましく、より
好ましくは1.8〜12である。分子量分布が1.6未
満であると耐リフロークラック性が低下する傾向があ
り、15を超えると流動性が低下する傾向がある。
【0024】(F)重縮合物は、フェノール誘導体の2
核体含有量が15〜40重量%であることが好ましく、
20〜40重量%であることがより好ましい。フェノー
ル誘導体の2核体含有量が15重量%未満では、軟化点
が高くなり、流動性や混練性が低下する傾向があり、4
0重量%を超えると成形性が低下する傾向がある。
(F)重縮合物の軟化点は、40〜150℃であること
が好ましく、60〜100℃であることがより好まし
い。40℃未満では、成形性が低下する傾向があり、1
50℃を超えると、流動性、混練性が低下する傾向があ
る。(F)重縮合物の窒素含有率は、接着性、信頼性の
観点から、上述したように、1〜20重量%であること
が好ましい。
【0025】本発明の(F)重縮合物を例示すると、例
えば、下記構造式(IX)〜(XVI)で示される樹脂等が
挙げられる。
【化12】
【化13】
【化14】 上記式(IX)〜(XVI)中のm、n、lは互いに独立に
1〜10の整数を示す。これらの式は、m個、n個、l
個の構成単位をランダムに含むもの、交互に含むもの、
規則的に含むもの、ブロック状に含むもののいずれかを
示している。中でも、平均核体数が2〜15、すなわ
ち、m+n+lの平均値が2〜15のものが好ましい。
【0026】本発明における(F)重縮合物の配合量は
特に制限はないが、(B)硬化剤に対して0.5〜40
重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましく、2
〜20重量%がさらに好ましい。(F)重縮合物の配合
量が0.5重量%未満では接着性が低下する傾向があ
り、40重量%を超えると封止用エポキシ樹脂成形材料
のリフロー温度での弾性率が高くなり耐リフロークラッ
ク性の改善効果が少なくなる傾向がある。
【0027】本発明における(A)エポキシ樹脂と
(E)フェノール化合物及び(F)重縮合物を含む
(B)硬化剤との配合比率は、それぞれの未反応分を少
なく抑えるために全エポキシ樹脂のエポキシ当量に対す
る全硬化剤の水酸基当量の比率(硬化剤中の水酸基数/
エポキシ樹脂中のエポキシ基数)が0.5〜2の範囲に
設定されることが好ましく、0.7〜1.3がより好ま
しい。特に成形性、耐リフロークラック性に優れる成形
材料を得るためにはこの比率が0.8〜1.2の範囲に
設定されることがさらに好ましい。
【0028】本発明において用いられる(C)硬化促進
剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されて
いるもので特に制限はないが、例えば、1,8−ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジア
ザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5、5,6−ジブチ
ルアミノ−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウン
デセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの化合
物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−
トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル
ベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3
−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、
2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル
−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェ
ニルメタン、フェノール樹脂などのπ結合をもつ化合物
を付加してなる分子内分極を有する化合物、ベンジルジ
メチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノ
エタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル等の3級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイ
ミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル
−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれ
らの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニル
ホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メ
チルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フ
ェニルホスフィン等の有機ホスフィン類及びこれらのホ
スフィン類に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジア
ゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化
合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物、テ
トラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、ト
リフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エ
チル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレー
ト、N−メチルモリホリンテトラフェニルボレート等の
テトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙げ
られる。これらの硬化促進剤は、単独で用いても2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】中でも、硬化性及び流動性の観点からは第
三ホスフィンとキノン化合物との付加物が好ましく、そ
の配合量は(C)硬化促進剤に対して60重量%以上が
好ましく、80重量%以上がより好ましい。第三ホスフ
ィンとしては特に限定するものではないが、例えば、ジ
ブチルフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィ
ン、エチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリ
ス(4−エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−プ
ロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4−ブチルフェ
ニル)ホスフィン、トリス(イソプロピルフェニル)ホ
スフィン、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフィン、
トリス(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリ
ス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス
(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス
(2,6−ジメチル−4−エトキシフェニル)ホスフィ
ン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ
ス(4−エトキシフェニル)ホスフィンなどのアリール
基を有する第三ホスフィンが好ましく、成形性の点から
トリフェニルホスフィンが好ましい。キノン化合物とし
ては特に限定するものではないが、例えば、o−ベンゾ
キノン、p−ベンゾキノン、ジフェノキノン、1,4−
ナフトキノン、アントラキノンなどが挙げられ、中で
も、耐湿性及び保存安定性の観点からp−ベンゾキノン
が好ましい。
【0030】第三ホスフィンとキノン化合物との付加物
の製造方法としては、特に制限はないが、原料となる第
三ホスフィンとキノン化合物がともに溶解する溶媒中で
両者を撹拌混合する方法等が挙げられる。この場合の製
造条件としては、室温から80℃の範囲で、原料の溶解
度が高く生成した付加物の溶解度が低いメチルイソブチ
ルケトン、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン
類などの溶媒中で、1時間〜12時間撹拌し、付加反応
させることが好ましい。
【0031】成形性及び高温放置特性の観点からは、下
記一般式(III)で示される第三ホスフィンとp−ベン
ゾキノンとの付加物を用いることがより好ましい。この
ような付加物としては下記一般式(XVII)で示される構
造の化合物等が挙げられる。
【化15】 ここで、上記一般式(III)及び一般式(XVII)中のR
は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数1〜
4のアルコキシ基から選ばれ、mは1〜3の整数を示
し、mが2又は3の場合、Rは互いに同一でも異なって
いてもよい。
【0032】上記一般式(III)で示される第三ホスフ
ィンとp−ベンゾキノンとの付加物を例示すると、トリ
ス(4−メチルフェニル)ホスフィンとp−ベンゾキノ
ンとの付加物、トリス(4−エチルフェニル)ホスフィ
ンとp−ベンゾキノンとの付加物、トリス(4−プロピ
ルフェニル)ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加
物、トリス(4−ブチルフェニル)ホスフィンとp−ベ
ンゾキノンとの付加物、トリス(イソプロピルフェニ
ル)ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物、トリス
(t−ブチルフェニル)ホスフィンとp−ベンゾキノン
との付加物、トリス(2,4−ジメチルフェニル)ホス
フィンとp−ベンゾキノンとの付加物、トリス(2,6
−ジメチルフェニル)ホスフィンとp−ベンゾキノンと
の付加物、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホ
スフィンとp−ベンゾキノンとの付加物、トリス(2,
6−ジメチル−4−エトキシフェニル)ホスフィンとp
−ベンゾキノンとの付加物、トリス(4−メトキシフェ
ニル)ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物、トリ
ス(4−エトキシフェニル)とp−ベンゾキノンとの付
加物等が挙げられ、中でも成形性及び流動性の観点から
はトリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加
物が好ましい。これらは、単独で用いても2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0033】上記一般式(III)で示される第三ホスフ
ィンとp−ベンゾキノンとの付加物の構造を例示する
と、下記一般式(XVIII)〜(XXI)で示される付加物等
が挙げられ、中でも一般式(XVIII)で示される付加物
が好ましい。
【化16】
【0034】(C)硬化促進剤の配合量は、硬化促進効
果が達成される量であれば特に限定されるものではない
が、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.005〜
2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好
ましい。0.005重量%未満では短時間での硬化性に
劣る傾向があり、2重量%を超えると硬化速度が速すぎ
て良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。
【0035】本発明において用いられる(D)無機充填
剤は、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度
向上のために封止用エポキシ樹脂成形材料に配合される
ものであり、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミ
ナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタ
ン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化
ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステラ
イト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等
の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維な
どが挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤と
しては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸
亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。これらの無機
充填剤は単独で用いても2種類以上を組み合わせて用い
てもよい。上記の無機充填剤の中で、線膨張係数低減の
観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアル
ミナが好ましく、充填剤形状は成形時の流動性及び金型
摩耗性の点から球形が好ましい。(D)無機質充填剤の
配合量は、成形性、吸湿性、線膨張係数の低減及び強度
向上の観点から、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して
70重量%以上が好ましく、80〜95重量%の範囲が
より好ましい。70重量%未満では耐リフロークラック
性が低下する傾向があり、95重量%を超えると流動性
が不足する傾向がある。
【0036】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、必要に応じて従来公知の難燃剤を添加することがで
きる。例えば、ブロム化エポキシ樹脂、三酸化アンチモ
ン、リン酸エステル、赤燐、メラミン、メラミン誘導
体、トリアジン環を有する化合物、シアヌル酸誘導体、
イソシアヌル酸誘導体等の窒素含有化合物、シクロホス
ファゼン等の燐/窒素含有化合物、酸化亜鉛、酸化鉄、
酸化モリブデン、フェロセン等の金属化合物などが挙げ
られ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0037】また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材
料には、ICの耐湿性、高温放置特性を向上させる目的
で陰イオン交換体を添加することもできる。陰イオン交
換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いる
ことができるが、例えば、ハイドロタルサイト類や、マ
グネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビ
スマスから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、こ
れらを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いて
もよい。中でも、下記一般式(XXII)で示されるハイド
ロタルサイトが好ましい。
【化17】 Mg1-XAlX(OH)2(CO3X/2・mH2O ……(XXII) (0<X≦0.5、mは正の整数)
【0038】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、必要に応じて樹脂成分と無機充填剤との接着性を高
めるためのカップリング剤として、エポキシシラン、メ
ルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレ
イドシラン、ビニルシラン等のシラン系化合物、チタン
系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジ
ルコニウム系化合物等の公知の添加剤を用いることがで
きる。これらは単独で用いても2種類以上を組み合わせ
て用いてももよい。カップリング剤以外に、銅フレーム
と封止用エポキシ樹脂成形材料との接着性を向上させる
ために、必要に応じて接着促進剤を用いることができ
る。この接着促進剤としては、例えば、イミダゾール、
トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等及びこれら
の誘導体、アントラニル酸、没食子酸、マロン酸、リン
ゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等及び
これらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバ
ミン酸塩、チアジアゾール誘導体などが挙げられ、これ
らを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いても
もよい。また、その他の添加剤として、高級脂肪酸、高
級脂肪酸金属塩、エステル系ワックス、ポリオレフィン
系ワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等の離型
剤、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタ
ン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイルやシ
リコーンゴム粉末等の応力緩和剤などを必要に応じて配
合することができる。
【0039】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、
各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかな
る手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、
所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合し
た後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し
た後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形
条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使
いやすい。
【0040】本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形
材料により封止した素子を備えた電子部品装置として
は、リードフレーム上に半導体素子を固定し、素子の端
子部(ボンディングパッド等)とリード部をワイヤボン
ディングやバンプ等で接続した後、封止用エポキシ樹脂
成形材料を用いてトランスファ成形法等により封止して
得られる一般的な樹脂封止型ICパッケージなどが挙げ
られる。これを例示すればDIP(Dual Inline Packag
e)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Ou
tline Package)、SOJ(Small Outline J-lead pack
age)、TSOP(Thin Small Outline Package)、T
QFP(Thin Quad Flat Package)等が挙げられる。特
に表面実装法により配線板に実装される電子部品装置に
適用した場合、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は
優れた信頼性を発揮できる。また、上記に示したリード
(外部接続端子)を有する樹脂封止型パッケージの形態
であれば、封止される素子はトランジスタ、サイリス
タ、IC、LSI、ダイオード等の半導体素子ばかりで
なく、抵抗体、抵抗アレイ、コンデンサ、ポリスイッチ
等のスイッチ類なども対象となり、本発明の封止用エポ
キシ樹脂成形材料はこれらの素子に対しても優れた信頼
性を提供できるとともに、各種素子や電子部品をセラミ
ック基板に搭載した後に全体を封止してなるハイブリッ
トICについても優れた信頼性を得ることができる。本
発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて、
電子部品装置を封止する方法としては、低圧トランスフ
ァー成形法が最も一般的であるが、インジェクション成
形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
【0041】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、本発
明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0042】硬化剤を以下のように合成した。 合成例1:フェノール化合物1〜3の合成 キシレン及びホルムアルデヒドを原料に、硫酸を触媒に
して合成したキシレンホルムアルデヒド樹脂(原料1〜
3)1500gに、フェノール2216g、p−トルエ
ンスルホン酸0.6gを加え、110℃で1時間反応さ
せた。その後80℃に冷却し、ホルマリン400g、蓚
酸12gを加えて105℃で2時間反応させた。次い
で、160℃で減圧濃縮してフェノール化合物1〜3を
得た。原料として使用したキシレンホルムアルデヒド樹
脂及び得られたフェノール化合物1〜3の粘度、軟化
点、水酸基当量を表1に示す。尚、表1中の硬化剤の粘
度はICIコーンプレート法による150℃における溶
融粘度(単位:p)、原料粘度は25℃における粘度
(単位:cps)を示す。
【0043】
【表1】
【0044】合成例2:重縮合物1の合成 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにフェ
ノール94g(1モル)、37重量%ホルマリン水3
2.4g(0.4モル)を入れ、トリエチルアミンを用
いてpHを9に調整後、還流脱水させながら140℃ま
で8時間で昇温させ、次いで140℃で6時間反応させ
た。その後、140℃にて60mmHgの減圧下で未反
応フェノール、未反応ホルムアルデヒド及び水を除去
し、フェノール樹脂21.7gを得た。更にメラミン
1.89g(0.015モル)、37重量%ホルマリン
水3.2g(0.04モル)を入れ、蓚酸を用いてpH
を2に調整後、100℃で8時間反応させた。その後、
140℃にて60mmHgの減圧下で未反応アルデヒド
及び水を除去して、下記一般式(IX)で示される構成単
位を有する重縮合物1を得た。得られた重縮合物1の量
は18.5gであった。
【化18】
【0045】合成例3:重縮合物2の合成 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにフェ
ノール94g(1モル)、37重量%ホルマリン水48
g(0.6モル)を入れ、10重量%蓚酸を用いてpH
を2に調整後、還流脱水させながら140℃まで8時間
で昇温させ、次いで140℃で6時間反応させてフェノ
ール樹脂を得た後に、更にメラミン4.345g(0.
034モル)、37重量%ホルマリン水8.0g(0.
1モル)を入れ、還流脱水させながら140℃まで4時
間で昇温させ、次いで140℃で8時間反応させた。そ
の後、140℃にて60mmHgの減圧下で未反応アル
デヒド及び水を除去して、上記一般式(IV)で示される
構成単位を有する重縮合物2を得た。得られた重縮合物
2の量は72gであった。
【0046】合成例4:重縮合物3の合成 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにフェ
ノール94g(1モル)、37重量%ホルマリン水6
4.8g(0.8モル)を入れ、10重量%蓚酸を用い
てpHを2に調整後、還流脱水させながら140℃まで
8時間で昇温させ、次いで140℃で6時間反応させ
た。その後、140℃にて60mmHgの減圧下で未反
応フェノール、未反応ホルムアルデヒド及び水を除去
し、フェノール樹脂53.8gを得た。更にメラミン
2.9g(0.023モル)、ベンゾグアンミン4.3
g(0.023モル)、37重量%ホルマリン水16.
0g(0.2モル)を入れ、100℃で8時間反応させ
た。その後、140℃にて60mmHgの減圧下で未反
応アルデヒド及び水を除去して、下記一般式(XV)で示
される構成単位を有する重縮合物4を得た。得られた重
縮合物4の量は88.6gであった。
【化19】
【0047】合成例5:重縮合物4の合成 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにフェ
ノール94g(1モル)、37重量%ホルマリン水2
5.1g(0.3モル)、メラミン4.34g(0.0
34モル)をいれ、トリエチルアミンを用いてPHを8
に調整後、還流脱水させながら140℃まで4時間で昇
温させ、次いで140℃で5時間反応させた。その後、
140℃にて60mmHgの減圧下で未反応アルデヒ
ド、未反応フェノール及び水を除去して、上記一般式
(IV)で示される構成単位を有する重縮合物4を得た。
得られた重縮合物4の量は40.8gであった。
【0048】上記合成例2〜5で得られた重縮合物1〜
4の数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布(重量
平均分子量Mw/数平均分子量Mn)、フェノール2核
体含有量、軟化点及び窒素含有率を表2に示す。ここ
で、数平均分子量、重量平均分子量は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーを用い、標準ポリスチレンを
使用した検量線により換算し算出した。分子量分布(重
量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)、フェノール2
核体含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーを用い、面積法で算出した。また、窒素含有量は元素
分析法から算出した。なお、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーは、以下の条件で行った。 カラム:ゲルパックGL R-420+R-430+R-440 (日立化成工業株式会社製商品名) カラム温度:40℃ 検出器:RI 溶離液:テトラヒドロフラン 流量:1.6ml/min 検量線は、分子量が186,000(品番F-20)、43,900(品
番F-4)、10,300(品番F-1)、2,800(品番A-2500)及
び平均456(品番A-300、分子量578、402、370、266、16
2の5個のフラクションを含む)の標準ポリスチレン
(トーソー株式会社製商品名TSK standard)を使用し
て、横軸に保持時間(分)、縦軸に分子量の対数をとり
作成した。
【0049】
【表2】
【0050】実施例1〜16、比較例1〜6 エポキシ樹脂として、エポキシ当量200、融点67℃
のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量
210、融点120℃のスチルベン型エポキシ樹脂(住
友化学工業株式会社製商品名ESLV−210)、エポ
キシ当量375、軟化点80℃、臭素含量48重量%の
ビスフェノールA型ブロム化エポキシ樹脂、硬化剤とし
て水酸基当量108、軟化点80℃のフェノールノボラ
ック樹脂、(E)フェノール化合物として合成例1で得
られたフェノール化合物1〜3、(F)重縮合物として
合成例2〜5で得られた重縮合物1〜4、硬化促進剤と
してトリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとの付
加物、無機充填剤として平均粒径17.5μm、比表面
積3.8m2/gの球状溶融シリカ、その他の添加剤と
してカルナバワックス、カーボンブラック、三酸化アン
チモンをそれぞれ表3及び表4に示す重量部で配合し、
混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を
行い、実施例1〜16及び比較例1〜6の封止用エポキ
シ樹脂成形材料を作製した。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】実施例、比較例の封止用エポキシ樹脂成形
材料を、次の各試験により評価した。 (1)スパイラルフロー(流動性の指標) EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金
型を用いて成形し、流動距離(cm)を求めた。 (2)熱時硬度 封止用エポキシ樹脂成形材料をトランスファプレスを用
いて180±3℃、6.9±0.17MPa、90秒の
条件で直径50mm×厚さ3mmの円板に成形し、成形
後直ちにショアD型硬度計を用いて測定した。 (3)吸水率 封止用エポキシ樹脂成形材料をトランスファプレスを用
いて180±3℃、6.9±0.17MPa、90秒の
条件で直径50mm×厚さ3mmの円板に成形した後、
85℃/85%RHの条件下で168時間放置し、放置
前後の重量変化を測定して吸水率を評価した。 (4)接着力 封止用エポキシ樹脂成形材料をトランスファプレスにて
180±3℃、6.9±0.17MPa、90秒の条件
で30μmのアルミ箔及び銅箔上に成形し、その後18
0±5℃、5時間後硬化を行った後、室温にて90度方
向のピール強度を測定した。 (5)耐リフロークラック性 銅リードフレーム上に8×10mmのシリコーンチップ
を搭載した外形寸法20×14×2mmの80ピンフラ
ットパッケージをトランスファ成形により作製し、85
℃/85%RHの条件で加湿して所定時間毎に215℃
/90秒の条件でリフロー処理を行い、クラックの有無
を観察し、不良パッケージ数/測定パッケージ数で評価
した。なお、フラットパッケージは、トランスファプレ
スにて180±3℃、6.9±0.17MPa、90秒
の条件で封止用エポキシ樹脂成形材料を成形し、その後
180±5℃、5時間後硬化を行って作製した。 (6)耐湿性 線幅10μm、厚さ1μmのアルミ配線を施した6×6
×0.4mmのテスト用シリコーンチップを搭載した外
形寸法19×14×2.7mmの80ピンフラットパッ
ケージをトランスファ成形により作製し、前処理を行っ
た後、PCT処理(121℃、0.2MPa)して所定
時間毎にアルミ配線腐食による断線不良を調べ、不良パ
ッケージ数/測定パッケージ数で評価した。なお、フラ
ットパッケージはトランスファプレスにて180±3
℃、6.9±0.17MPa、90秒の条件で封止用エ
ポキシ樹脂成形材料を成形し、その後180±5℃、5
時間後硬化を行って作製した。前処理は85℃、85%
RH、72時間の条件でフラットパッケージを加湿し、
215℃、90秒間ベーパーフェーズリフロー処理を行
った。評価結果を表5及び表6に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】本発明における(B)硬化剤を含まない比
較例1〜6は、いずれも本発明の特性を満足していな
い。すなわち、(B)硬化剤に(E)フェノール化合物
を用いていない比較例5及び6は、吸水率、耐リフロー
クラック性及び耐湿性に劣り、接着力についても不十分
である。(B)硬化剤に(F)重縮合物を用いていない
比較例3及び4は、耐リフロークラック性に劣り、銅接
着力が低い。(E)フェノール化合物及び(F)重縮合
物を両方とも含有しない比較例1及び2は、吸水率、接
着力、耐リフロークラック性及び耐湿性が著しく劣って
いる。これに対して、実施例1〜16は、熱時硬度、吸
水率、接着力、耐リフロークラック性及び耐湿性のいず
れも良好であり、(E)フェノール化合物として粘度7
p以下のフェノール化合物1及び2を用いた実施例1〜
14は、流動性も良好である。
【0057】
【発明の効果】本発明になる封止用エポキシ樹脂成形材
料は、成形性、接着性において良好な特性を示し、特
に、銅リードフレームを用いた場合においても実施例で
示したように優れた耐リフロークラック性、耐湿性を示
し、信頼性の高い電子部品装置を得ることができ、その
工業的価値は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 松井 恵 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 七海 憲 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 (72)発明者 相沢 輝樹 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 (72)発明者 松井 章 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 Fターム(参考) 4J002 CC27X CC28Y CD00W CD06W CD17W EW017 FD016 FD14X FD14Y FD157 GQ05 4J036 AA01 AA05 AD10 AF06 DA04 DD07 FA01 FB08 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA03 EA04 EB02 EC01 EC05 EC09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
    (C)硬化促進剤、(D)無機充填剤を必須成分とし、
    (B)成分の硬化剤が、(E)一般式(I)で示される
    フェノール化合物、及び(F)フェノール性水酸基を有
    する化合物(a)とトリアジン誘導体(b)とアルデヒ
    ド基を有する化合物(c)との重縮合物を含むことを特
    徴とする封止用エポキシ樹脂成形材料。 【化1】 (ここで、R1は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル
    基、R2は置換又は非置換の芳香族炭化水素基、mは1
    〜10の整数、nは0〜10の整数を示す。)
  2. 【請求項2】(E)一般式(I)で示されるフェノール
    化合物の150℃における溶融粘度が7p以下である請
    求項1記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】(F)重縮合物に用いられるトリアジン誘
    導体(b)がメラミン及び/又はベンゾグアナミンであ
    る請求項1又は請求項2記載の封止用エポキシ樹脂成形
    材料。
  4. 【請求項4】(F)重縮合物に用いられるフェノール性
    水酸基を有する化合物(a)がフェノール・ノボラック
    樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の封止用エポ
    キシ樹脂成形材料。
  5. 【請求項5】(F)重縮合物の数平均分子量が300〜
    1500で、かつ重量平均分子量が650〜10000
    である請求項1〜4のいずれかに記載の封止用エポキシ
    樹脂成形材料。
  6. 【請求項6】(F)重縮合物の分子量分布(重量平均分
    子量/数平均分子量)が1.6〜15である請求項5記
    載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  7. 【請求項7】(A)エポキシ樹脂が結晶性エポキシ樹脂
    及び/又はノボラック型エポキシ樹脂を含有してなる請
    求項1〜6のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形
    材料。
  8. 【請求項8】結晶性エポキシ樹脂が下記一般式(II)で
    示されるエポキシ樹脂である請求項7記載の封止用エポ
    キシ樹脂成形材料。 【化2】 (ここで、R1〜R4は水素原子及び炭素数1〜10の置
    換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、すべてが
    同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示
    す。)
  9. 【請求項9】(C)硬化促進剤が第三ホスフィンとキノ
    ン化合物との付加物を含有してなる請求項1〜8のいず
    れかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  10. 【請求項10】(C)硬化促進剤が下記一般式(III)
    で示される第三ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加
    物を含有してなる請求項9記載の封止用エポキシ樹脂成
    形材料。 【化3】 (ここで、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及
    び炭素数1〜4のアルコキシ基から選ばれ、mは1〜3
    の整数を示し、mが2又は3の場合、Rは互いに同一で
    も異なっていてもよい。)
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の封止
    用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた
    電子部品装置。
  12. 【請求項12】銅リードフレームを用いてなる請求項1
    1記載の電子部品装置。
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