JPH1017645A - エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および半導体装置

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JPH1017645A
JPH1017645A JP17462596A JP17462596A JPH1017645A JP H1017645 A JPH1017645 A JP H1017645A JP 17462596 A JP17462596 A JP 17462596A JP 17462596 A JP17462596 A JP 17462596A JP H1017645 A JPH1017645 A JP H1017645A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
curing accelerator
curing
melting point
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JP17462596A
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English (en)
Inventor
Yasuaki Tsutsumi
康章 堤
Masayuki Tanaka
正幸 田中
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂組成物において、流動性、保存
安定性、およびブロッキング性の向上したエポキシ樹脂
組成物を提供すること。 【解決手段】 エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤から
なる樹脂組成物であって、前記硬化促進剤の融点が85
℃以上295℃以下にあるものを必須成分として含むこ
とを特徴とするエポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形時の流動性に
優れ、保存安定性、およびブロッキング防止性に優れる
エポキシ樹脂組成物、および該エポキシ樹脂組成物で封
止してなる半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は耐熱性、耐湿性、電気特
性、接着性などに優れており、さらに配合処方により種
々の特性が付与できるため、塗料、接着剤、電気絶縁材
料など工業材料として利用されている。
【0003】たとえば、半導体装置などの電子回路部品
の封止方法として従来より金属やセラミックスによるハ
ーメチックシールとフェノール樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されている。し
かし、経済性、生産性、物性のバランスの点からエポキ
シ樹脂による樹脂封止が中心になっている。
【0004】一方、最近はプリント基板への半導体装置
パッケージの実装において高密度化、自動化が進められ
ており、従来のリードピンを基板の穴に挿入する“挿入
実装方式”に代り、基板表面にパッケージを半田付けす
る“表面実装方式”が盛んになってきた。
【0005】それに伴い、パッケージも従来のDIP
(デュアル・インライン・パッケージ)から、高密度実
装、表面実装に適した薄型のFPP(フラット・プラス
チック・パッケージ)に移行しつつある。
【0006】さらに、微細加工技術の進歩によりICチ
ップの集積度は向上しているがそれ以上に集積数を上げ
るために、パッケージ中のICチップの占有面積が増加
し、さらにパッケージが大型、多ピン化してきている。
【0007】これらのパッケージを封止するには封止樹
脂の流動性を高レベルで保持しなければパッケージの未
充填や、ボイドが発生し、生産不良となる。
【0008】半導体装置の封止は、最近ではタブレット
形状のエポキシ樹脂組成物を使用し、低圧トランスファ
ー成形機を用いて、150℃以上に加熱した金型にエポ
キシ樹脂組成物を流し込み、硬化させることで行われて
いる。
【0009】しかし、エポキシ樹脂組成物はトランスフ
ァー成形する前の室温においても徐々に硬化反応がすす
み、流動性、接着力などが劣化している。
【0010】劣化したエポキシ樹脂組成物を用いると半
導体装置のパッケージの外観不良(未充填、ボイド、ピ
ンホール)、内部不良(ワイヤーフロー、ステージ変
動、ボイド)が発生するだけでなく耐湿信頼性や半田耐
熱性など信頼性が低下する。
【0011】これを防ぐために、成形する前の行程では
冷凍、冷蔵保存されている。
【0012】成形前の行程とは、エポキシ樹脂組成物が
溶融混練された直後からトランスファー成形する前まで
あり、保管と輸送工程も含む。ここで保管、輸送には冷
蔵、冷蔵庫を必須とし、コストアップの要因となってい
る。
【0013】また、トランスファー成形する直前には冷
凍、冷蔵庫から取り出し、室温に戻してから成形、封止
する。量産規模が大きくなると、タブレット形状を有す
る全てのエポキシ樹脂組成物室温戻しに時間がかかり、
梱包体外側と内側の熱履歴が異なり、外側のエポキシ樹
脂組成物が劣化してしまう問題がある。これ避けるため
にエポキシ樹脂を小規模で梱包すると、梱包作業および
室温戻し作業が煩雑になりコストがかかる。
【0014】組成面で改良を考えたときには、一つに硬
化促進剤について考えられる。しかし、これまでのエポ
キシ樹脂組成物の硬化促進剤は、その反応機構、溶解
性、分散性、pHなど種々の要因から、エポキシ樹脂組
成物で封止した半導体装置の外観や信頼性を悪化させる
傾向が大きく、改善は容易ではなかった。
【0015】エポキシ樹脂組成物の硬化促進剤につい
て、室温での硬化反応の促進を抑制するために、塩もし
くは錯体にして使用することが、テトラフェニルフォス
フォニウムとテトラフェニルボレートの系において、特
開平6−271653号公報に、また有機フォスフィン
と有機ボロン塩について特開平6−322073号公
報、特開平6−326220号公報に提案されている。
【0016】しかし、これらは生産効率を低下させるブ
ロッキング防止性については、十分なものではなかっ
た。
【0017】エポキシ樹脂組成物は、各原料が溶融混練
された後に、粉砕されて粉末状にされる。ここで直ちに
タブレット状に成形し、ユーザーへ出荷できないため
に、粉末状態で一時冷蔵保存される。この保存の期間に
粉末が塊になるというブロッキングが生じる。
【0018】タブレット打錠の際にブロッキングしたエ
ポキシ樹脂組成物は再粉砕しなければならず作業工程が
増すことになり、また十分に粉砕できない場合には、均
一なタブレット得られず、得られた半導体装置のパッケ
ージの外観不良や内部不良を生じることになる。。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は保存安定性の
向上およびブロッキング防止性の向上を主たる課題と
し、望ましくは成形時の流動性が向上するエポキシ樹脂
組成物を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エポキシ
樹脂組成物の硬化促進剤に注目し検討した結果、特定の
および硬化促進剤を用いることで本発明を達成した。
【0021】すなわち本発明は、エポキシ樹脂(A)、
硬化剤(B)および硬化促進剤(C)を含有するエポキ
シ樹脂組成物であって、前記硬化促進剤(C)の融点が
85℃以上295℃以下である物を少なくとも1種類以
上含むエポキシ樹脂組成物、好ましくは、前記エポキシ
樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)が150℃に
おけるICI溶融粘度が3ps以下であることを特徴と
するエポキシ樹脂組成物、および前記エポキシ樹脂組成
物で封止してなる半導体装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳述する。
本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0023】本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、1
分子中に2個以上のエポキシ基を有するものでとくに限
定されず、これらの具体例としては、例えばクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複
素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂および
ハロゲン化エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0024】本発明において、エポキシ樹脂(A)は用
途によっては2種類以上用いることができる。 これら
のエポキシ樹脂(A)のなかで広く用いられているのが
フェノール系ノボラック型エポキシ樹脂であり、例えば
下記(III )式に示されるものが使用できる。
【化2】 (ただし、式中のRは水素原子、有機基、ハロゲン原子
を示す) 好まいエポキシ樹脂としては、下記一般式(I)で表さ
れる骨格を有するビフェニル型エポキシ樹脂を成分とし
て含有するものが用いられる。
【化3】 (ただし、式中のR1 〜R8 は、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基またはハロゲン原子を示す)。
【0025】特に好ましくはエポキシ樹脂(A)は、上
記一般式(I)で表される骨格を有するビフェニル型エ
ポキシ樹脂を50重量%以上、特に70重量%以上含有
することが好ましい。
【0026】上記式(I)で表されるエポキシ樹脂骨格
の好ましい具体例としては、4,4´−ビス(2,3−
エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´
−テトラメチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−
エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメ
チル−2−クロロビフェニル、4,4´−ビス(2,3
−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラ
メチル−2−ブロモビフェニル、4,4´−ビス(2,
3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テト
ラエチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラブチルビ
フェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)ビフェニル、および4,4´−ビス(2,3−エポ
キシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル
ビフェニルなどが挙げられる。
【0027】上記のエポキシ樹脂はそれぞれ単独でも、
または混合系で用いる場合でも十分に効果を発揮する。
また上記エポキシ樹脂がエポキシ基の反応により部分的
に付加した化合物も使用できる。
【0028】本発明において好ましく使用されるもの
は、成形性(流動性)がすぐれている点で、ICI溶融
粘度が3ps以下のエポキシ樹脂が用いられる。
【0029】本発明において、上記エポキシ樹脂(A)
の配合量は、通常3〜15重量%、好ましくは3〜12
重量%,さらに好ましくは3〜11重量%、である。エ
ポキシ樹脂(A)の配合量が3重量%未満では成形性や
接着性が不十分であり、また15重量%を越えると線膨
脹係数が大きくなり、低応力化が困難になる傾向があ
る。
【0030】本発明における硬化剤(B)は、エポキシ
樹脂(A)と反応して硬化させるものであれば特に限定
されず、それらの具体例としては、たとえばフェノ−ル
ノボラック樹脂、クレゾ−ルノボラック樹脂、ビスフェ
ノ−ルAやレゾルシンから合成される各種ノボラック樹
脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、ジヒドロキ
シビフェニルなどの多種多価フェノ−ル化合物、無水マ
レイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸などの酸
無水物およびメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェ
ニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族
アミンなどがあげられる。半導体封止用としては、耐熱
性、耐湿性および保存性の点から、フェノ−ル系硬化剤
が好ましく用いられ、用途によっては2種類以上の硬化
剤を併用してもよい。
【0031】本発明において、硬化剤(B)の配合量は
組成物全体から通常0.1〜10重量%、好ましくは
0.5〜7重量%さらに好ましくは1〜6重量%であ
る。さらには、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の配
合比は、機械的性質および耐湿信頼性の点から(A)に
対する(B)の化学当量比が0.5〜1.5、特に0.
8〜1.2の範囲にあることが好ましい。
【0032】本発明において硬化促進剤(C)とは、エ
ポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進するものであり、一
般的な物が使用できる。この中には第三級アミン、有機
金属化合物、有機ホスフィン、イミダゾール、ホウ素化
合物などが利用でき、以下のものが例示される。
【0033】第3級アミンには、ベンジルジメチルアミ
ン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル、2、
4、6−トリス(ジアミノメチル)フェノ−ル、2、
4、6−トリス(ジアミノメチル)フェノ−ルとトリ−
2−エチルヘキシル酸塩などがある。
【0034】有機金属化合物には、アセチルアセトネ−
トクロム、アセチルアセトネ−ト亜鉛、アセチルアセト
ネ−トニッケル、トリエタノ−ルアミンチタネ−ト、オ
クチル酸スズなどがある。
【0035】有機ホスフィンには、トリパラトリルホス
フィン、トリス−4−メトキシフェニルホスフィン、テ
トラブチルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニ
ルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウ
ムテトラフェニルボレ−ト、トリフェニルホスフィン、
トリフェニルホスフィントリフェニルボラン、トリフェ
ニルホスフィン1、4−ベンゾキノン付加物などがあ
る。
【0036】イミダゾ−ル類には、2−メチルイミダゾ
−ル、2−アミノイミダゾ−ル、2−メチル−1−ビニ
ルイミダゾ−ル、2−エチル−4−メチルイミダゾ−
ル、2−ヘプタデシルイミダゾ−ル、2−フェニルイミ
ダゾ−ル、2−ウンデシルイミダゾ−ル、1−アリルイ
ミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾ−
ル、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾ−ル、
1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリ
メリテ−ト、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムト
リメリテート、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジ
ルイミダオリウムクロライド、2−メチルイミダゾリウ
ムイソシアヌレート、2−フェニルイミダゾリウムイソ
シアヌレート、2、4−ジアミノ−6−[2−メチルイ
ミダゾリル−(1)]エチルS−トリアジン、1、3−
ジベンジル−2−メチルイミダゾリウムクロライド、
1、3−ジアゾールイミナゾール、1−シアノエチル−
2−フェニル−4、5−ジ(シアノエトキシメチル)イ
ミダゾール、2−フェニルー4、5−ジヒドロキシメチ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒド
ロキシメチルイミダゾール、2、4−ジアミノ−6−
[2−ウンデシルイミダゾリル−(1)]エチル−S−
トリアジンなどがある。
【0037】ホウ素化合物には、三フッ化ホウ素−n−
ヘキシルアミン、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン、
三フッ化ホウ素−ベンジルアミン、三フッ化ホウ素−ジ
エチルアミン、三フッ化ホウ素−ピペリジン、三フッ化
ホウ素−トリエチルアミン、三フッ化ホウ素−アニリ
ン、四フッ化ホウ素−n−ヘキシルアミン、四フッ化ホ
ウ素−モノエチルアミン、四フッ化ホウ素−ベンジルア
ミン、四フッ化ホウ素−ジエチルアミン、四フッ化ホウ
素−ピペリジン、四フッ化ホウ素−トリエチルアミン、
四フッ化ホウ素−アニリン、などがある。
【0038】その他に1、8−ジアザビシクロ−(5、
4、0)ウンデセン7、1、8ジアザビシクロ−(5、
4、0)ウンデセン7とフェノ−ルノボラック樹脂塩、
1、5ジアザビシクロ(4、3、0)ノネン5とフェノ
−ルノボラック樹脂塩、6−ジブチルアミノ−1、8ジ
アザビシクロ−(5、4、0)ウンデセン7とフェノー
ルノボラック樹脂塩などがある。
【0039】そして、エポキシ樹脂組成物の保存安定
性、およびブロッキング防止性の点から、硬化促進剤と
しては融点は85℃から295℃のものを含有する。特
定融点のものを使用することによって、これらの効果が
発現する理由は不明であるが、融点が特定温度以上のも
のを使用した場合、保存中に効果促進剤の組成物中の分
子運動が抑止されることがひとつの理由として推測され
る。また融点が高すぎるものはエポキシ樹脂組成物の硬
化性が遅くなるという傾向がある。
【0040】さて融点とは、硬化促進剤と他の物質との
塩との状態、または付加物の状態である場合にはその融
点を意味する。他の物質とはエポキシ樹脂、硬化剤、別
種の硬化促進剤などがある。
【0041】なかでも、硬化促進剤としては、エポキシ
樹脂組成物の流動性が優れることからトリフェニルフォ
スフィン誘導体が好ましく用いられる。
【0042】トリフェニルフォスフィン誘導体には例え
ばトリフェニルフォスフィンとエポキシ硬化剤との塩、
トリフェニルフォスフィンオキサイド(融点156
℃)、エチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド
(融点206℃)、ブチルトリフェニルフォスフォニウ
ムブロマイド(融点240℃)、ベンジルトリフェニル
フォスフォニウムクロライド(融点295℃)、トリフ
ェニルフォスフィントリフェニルボラン(融点210
℃)、トリフェニルフォスフィン1,4−ベンゾキノン
付加物(融点250℃)などがある。
【0043】さらに、中でも流動性、保存安定性、ブロ
ッキング防止性が優れる点からトリフェニルフォスフィ
ン1,4−ベンゾキノン付加物(融点250℃)が特に
好ましく用いられる。
【0044】これらの硬化促進剤は、用途によっては二
種以上を併用してもよい。そして、融点が85℃から2
95℃の効果促進剤が、効果促進剤全体に対して、40
重量%以上、さらに60重量%含有されているのが、本
発明の特徴を発揮する上で好ましい。
【0045】本発明において硬化促進剤(C)の添加量
は生産効率(成形性)の点からエポキシ樹脂(A)と硬
化剤(B)の総量に対して通常10重量から0.5重量
%添加し、好ましくは7重量%から1重量%である。
【0046】本発明におけるエポキシ樹脂組成物には以
下の物質も添加することができる。充填剤としては、溶
融シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ
酸カルシウム、酸化チタン、酸化アンチモン、アスベス
ト、ガラス繊維などが挙げられるが、なかでも溶融シリ
カが線膨張係数を低下させる効果が大きく、低応力化に
有効なため好ましく用いられる。
【0047】ここでいう溶融シリカとは真比重2.3以
下の非晶性シリカを意味する。その製造は必ずしも溶融
状態を経る必要はなく、任意の製造法を用いることがで
きる。たとえば、結晶性シリカを溶融する方法、各種原
料から合成する方法などが挙げられる。
【0048】溶融シリカの形状および粒径は特に限定さ
れないが、平均粒径5μm以上30μm以下の球状溶融
シリカ99〜50重量%と平均粒径1μm以下の球状溶
融シリカ1〜50重量%からなる溶融シリカを充填剤中
に40重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに
好ましくは90重量%以上含有することが流動性の点か
ら好ましい。
【0049】ここでいう平均粒径は、累積重量50%に
なる粒径(メジアン径)を意味する。 本発明におい
て、充填剤の割合は成形性および低応力性の点から全体
の75〜95重量%、好ましくは80〜95重量%であ
る。
【0050】本発明において、充填剤をシランカップリ
ング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング
剤であらかじめ表面処理することが、半導体装置を封止
する場合、信頼性の点で好ましい。
【0051】カップリング剤としてエポキシシラン、ア
ミノシラン、メルカプトシランなどのシランカップリン
グ剤が好ましく用いられる。
【0052】本発明の組成物では、必須成分ではないが
ブロム化合物を配合できる。また実質的に存在するブロ
ム化合物は、通常半導体封止用エポキシ樹脂組成物に難
燃剤として添加されるもので、特に限定されず、公知の
ものであってよい。
【0053】存在するブロム化合物の好ましい具体例と
しては、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブ
ロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などのブロ
ム化エポキシ樹脂、ブロム化ポリカーボネート樹脂、ブ
ロム化ポリスチレン樹脂、ブロム化ポリフェニレンオキ
サイド樹脂、テトラブロモビスフェノールA、デカブロ
モジフェニルエーテルなどがあげられ、なかでも、ブロ
ム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂などのブロム化エポキシ
樹脂が、成形性の点から特に好ましい。
【0054】本発明の組成物では、必須成分ではないが
アンチモン化合物を配合できる。これは通常半導体封止
用エポキシ樹脂組成物に難燃助剤として添加されるもの
で、特に限定されず、公知のものが使用できる。アンチ
モン化合物の好ましい具体例としては、三酸化アンチモ
ン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンがあげられ
る。
【0055】本発明のエポキシ樹脂組成物には、カーボ
ンブラック、酸化鉄などの着色剤、ハイドロタルサイト
などのイオン捕捉剤、シリコ−ンゴム、オレフィン系共
重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエンゴム、
変性シリコ−ンオイルなどのエラストマ−、ポリエチレ
ンなどの熱可塑性樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属
塩、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミド、パラ
フィンワックスなどの離型剤および有機過酸化物などの
架橋剤を任意に添加することができる。
【0056】本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法と
しては、50〜170℃程度の温度での溶融混練による
ものが好ましく、たとえばバンバリーミキサー、ニーダ
ー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機およびコニーダ
ーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することによ
り製造される。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中の%は、重量%を示す。
【0058】実施例1〜5、比較例1〜4 表1に示した成分を、表2に示した組成比でミキサーに
よりドライブレンドした。これを、ロール表面温度90
℃のミキシングロールを用いて5分間加熱混練後、冷却
・粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造し
た。
【0059】
【表1】
【0060】各種物性は以下の方法で行い、結果を表2
に示した。
【0061】流動性(スパイラルフロー):EMMI型
評価用金型を用いて175℃で成形速度25m/sec
で測定した。
【0062】保存安定性:保存前のスパイラルフローの
値を基準とし、28℃50%RHで96時間保存した後
に成形し、そのスパイラルフローの値の低下率を表わし
た。値が小さいほど保存安定性に優れることを意味す
る。
【0063】ブロッキング防止性:溶融混練後、粉砕さ
れたエポキシ樹脂組成物を20Kg分包し、5℃で3日
間保存した。これを室温で5時間放置した後に開封し観
察した。塊のない状態を○とし、5cm未満の塊がある
場合△、5cm以上の塊が見られる場合×とした。
【0064】
【表2】
【0065】表2にみられるように、実施例1〜5のエ
ポキシ樹脂組成物は、保存安定性、ブロッキング防止性
に優れている。また実施例1〜4のエポキシ樹脂組成物
は流動性にも優れる。
【0066】
【表3】
【0067】これに対して表3に示した比較例1〜4
は、保存安定性およびブロッキング防止性が低下してい
ることが分かる。
【0068】またブロッキング防止性試験を評価した実
施例に記載のエポキシ樹脂組成物を、打錠機を用いてタ
ブレットの形状とした。この樹脂組成物のタブレットを
用いて、トランスファー成形機にて、半導体素子を封止
して、半導体装置としたが、成形性、外観、内部状態に
問題は認められなかった。
【0069】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、流動性
に優れ、保存安定性、およびブロッキングの低下がな
く、トランスファ成形が主に使用される半導体装置の封
止に好適である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)およ
    び硬化促進剤(C)を含有するエポキシ樹脂組成物であ
    って、前記硬化促進剤(C)において、融点が85℃以
    上295℃以下であるものを少なくとも1種類以上含む
    ことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、硬
    化促進剤(C)からなるエポキシ樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂(A)の150℃におけるICI溶融
    粘度が3ps以下であることを特徴とする請求項1のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、硬
    化促進剤(C)からなるエポキシ樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂(A)が下記式(I)に示される化合
    物を少なくとも1種類以上含む物であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (ただし、式中のR1 〜R8 は、水素原子、炭素数1〜
    4のアルキル基、またはハロゲン原子を示す。)
  4. 【請求項4】タブレットの形状を有するものである請求
    項1〜3いずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4いずれかに記載のエポキシ樹
    脂組成物で、半導体素子を封止したことを特徴とする半
    導体装置。
  6. 【請求項6】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、融点
    が85℃以上295℃以下のものを含有する硬化促進剤
    (C)および充填剤を溶融混合することを特徴とする半
    導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6194491B1 (en) * 1997-10-03 2001-02-27 Hitachi Chemical Company, Ltd. Biphenyl epoxy resin, naphthalene-containing phenolic resin and accelerator triphenylphosphine/p-benzoquinone
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