JP2001308376A - 半導体発光素子用エピタキシャルウェハ - Google Patents
半導体発光素子用エピタキシャルウェハInfo
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Abstract
シャルウェハを提供する。 【解決手段】n型GaAs基板上に、第1のn型GaA
lAs層、キャリヤ濃度が1〜3×1017cm-3の範囲
内のn型GaAlAsクラッド層、発光波長が850〜
900nmの範囲内のp型GaAlAs活性層、p型G
aAlAsクラッド層、及び第1のp型GaAlAs層
を積層した後に、前記n型GaAs基板を除去する構造
とし、n型GaAlAsクラッド層の第1のn型GaA
lAs層との界面から2μm以内の領域の炭素濃度の極
大値を1×1017原子/cm3未満、n型GaAlAs
クラッド層、及びp型GaAlAsクラッド層の成長開
始位置と成長終了位置とのAl組成比差を0.02未満
とする。
Description
エピタキシャルウェハに関し、更に詳しくは、赤外線を
利用した光通信や空間伝送用に使用される高出力赤外発
光素子を作製するためのエピタキシャルウェハに関す
る。
下、GaAlAsとする)系化合物半導体を利用した発
光素子(以下、LEDとする)は赤外から赤色用の光源
として広く用いられている。赤外LEDは光通信や空間
伝送用に使用されているが、伝送するデータの大容量
化、伝送距離の長距離化に伴い、高出力の赤外LEDへ
の要求が高くなっている。
s系LEDにおいて、シングルヘテロ構造よりもダブル
へテロ構造(以下、DH構造とする)の方が出力が高
く、また基板を除去することでさらなる高出力化がはか
られている。
とする)のエピタキシャルウェハを作製する際、通常の
DH構造、即ちp型クラッド層、活性層、n型クラッド
層の3層構造のみをエピタキシャル成長して基板を除去
すると製品の厚さが薄くなり、素子化工程におけるハン
ドリングが困難になると同時に、このエピタキシャルウ
ェハから作製される素子の底面からpn接合までの高さ
が不十分で、基材に素子を接着する際に使用する導電性
ペーストが素子側面を這い上がりpn接合を短絡すると
いう問題が発生する。これを防ぐために、基板除去後の
全厚と素子底面からpn接合までの距離を稼ぐための第
4のエピタキシャル層をDH構造に付加することがDD
H構造では標準的な構成になっている。第4のエピタキ
シャル層はバンドギャップを活性層よりも広く設計し、
活性層からの発光光を吸収しないようにする。
lAs系のエピタキシャル層において、n型のドーパン
ト(ドナー)にはTeが一般的に使用されている。とこ
ろが、Teは偏析係数の温度依存性が大きく、成長温度
が下がるにつれて偏析係数は大きくなる。ここで、前記
DDH構造の第4のエピタキシャル層としてとしてクラ
ッド層側に厚いn型GaAlAs層を付加しようとする
と、その層厚を稼ぐために、第4のエピタキシャル層を
成長させる温度範囲を広く取らざるを得なくなる。従っ
て上記で説明したようにn型GaAlAs層の成長開始
部分ではTe濃度、即ちキャリヤ濃度が低くなり、成長
終了部分ではキャリヤ濃度が高くなってしまう。キャリ
ヤ濃度が低すぎると素子のVFが上昇し、高すぎると結
晶性が損なわ出力が低下してしまうので、この厚いn型
GaAlAs層のキャリヤ濃度を最適化する事は困難で
ある。
して一般的に使用されているZnは偏析係数の温度依存
性が小さいので成長温度幅を大きくしてもエピタキシャ
ル層内のキャリヤ濃度変化は小さい。
4のエピタキシャル層はDH構造のp型クラッド層側に
厚いp型GaAlAs層として付加する方が有利であ
る。
ャル層をp型クラッド層側に付加したDDH構造の採用
により素子化工程におけるハンドリングが容易となり生
産性が高まったが、発光出力の面では高度化した市場要
求を十分に満足させるものではなかった。すなわち、こ
の構造では出力とVF(順方向電圧)がトレードオフの
関係になり、出力の上昇とともにVFも上昇してしまう
といった問題が生じている。
する要求レベルを満足し、かつ高出力が得られる、赤外
LED用エピタキシャルウェハ、赤外LED、該LED
を組み込んだ光通信、空間伝送機器を提供することを目
的とする。
て図1のような構造が知られている。この構造はn型基
板を使用して徐冷法によりによりn型クラッド層1から
順次積層し、基板を除去した後、n型クラッド層1側
(=成長開始部分)を上側にしてLEDを作製する。
いて鋭意、研究を進めたところ、n型クラッド層1のキ
ャリヤ濃度を1〜3×1017cm-3範囲内にすると出力
が格段に向上することが明らかになった。しかし前述の
ように、n型クラッド層のキャリヤ濃度を下げたために
LEDのVFが上昇してしまう。本発明者は、VFが上
昇する要因についてさらに検討を進めたところ、VFを
決める要因としてはn型クラッド層の抵抗値よりも、n
型クラッド層とその表面に形成する電極間の抵抗値が高
いことが原因であることを見出した。このn型クラッド
層表面の抵抗を下げる方法について検討したところ、図
2に示すようにn型GaAs基板上にn型クラッド層6
を成長する前に、キャリヤ濃度が5×1017cm-3程度
のn型GaAlAs層5を成長させ、その後にn型クラ
ッド層6を成長した構造にすると、発光の高出力化を維
持したままVFを下げられることを見出し本発明を完成
させた。
板上に、第1のn型GaAlAs層、キャリヤ濃度が1
〜3×1017cm-3の範囲内のn型GaAlAsクラッ
ド層、発光波長が850〜900nmの範囲内であるp
型GaAlAs活性層、p型GaAlAsクラッド層、
及び第1のp型GaAlAs層を、液相エピタキシャル
成長法により順次積層した後に、前記n型GaAs基板
を除去することを特徴とする半導体LED用エピタキシ
ャルウェハに関する。
As層5とn型クラッド層6との間にp反転層が形成さ
れ、このエピタキシャルウェハから作製したLEDがサ
イリスタ不良を示すことがあった。この反転層が形成さ
れる原因について鋭意研究を進めたところ、n型クラッ
ド層6の成長開始部分では成長が急速に進むため、本
来、偏析係数が小さい炭素が、界面から2μm以内の領
域でスパイク状に濃度が高くなっていることが原因であ
ることがわかった。この急速成長に起因する炭素濃度ス
パイクはサイリスタが発生していないLEDからも検出
されたが、比較検討した結果、この領域における炭素濃
度のスパイクのピークが3×1017原子/cm3以下の
場合はサイリスタ不良とはならないことを見出した。
AlAsクラッド層の、第1のn型GaAlAs層との
界面から2μm以内の領域における炭素濃度の極大値
が、1×1017原子/cm3未満であることを特徴とす
る請求項1に記載の半導体LED用エピタキシャルウェ
ハに関する。
について検討したところ、クラッド層の成長開始部分と
成長終了部分とのAl組成比の差をそれぞれ0.02以
内とすると発光出力の更なる向上がはかられることがわ
かった。
aAlAsクラッド層及びp型GaAlAsクラッド層
の、成長開始位置と成長終了位置のAl組成比の差が、
それぞれ0.02未満であることを特徴とする請求項1
または2に記載の半導体LED用エピタキシャルウェハ
に関する。
シャルウェハの製造方法を用いて半導体LED用エピタ
キシャルウェハ及びLEDを製造することにより、特に
高出力の赤外LEDを得ることができる。特に本発明の
LEDを、光通信や空間伝送用途に使用すると、従来得
られにくかった大容量のデータ伝送、長距離データ伝送
に対応できる光通信、空間伝送機器を製造することがで
きる。
の何れか1項に記載の半導体LED用エピタキシャルウ
ェハを用いて作製したLED、本願第5の発明は、請求
項4に記載のLEDを用いた光通信、空間伝送機器に関
する。
る。
示すような配合でGaメタル、GaAs多結晶、金属A
l、及びドーパントを入れた5つの黒鉛製ルツボをセッ
トした。液相エピタキシャル成長を行う際の各ルツボで
の基板の浸漬温度、分離温度は表1の条件とした。
ーにn型GaAs基板をセットした。これらを石英反応
管にセットし、水素気流中で940℃まで加熱してルツ
ボ中の原料を完全に溶解させた。
ホルダーを移動させてGaAs基板と第1メルトを接触
させた。この状態で系の温度を885℃まで1℃/分の
割合で降温して第1のn型GaAlAs層を成長した。
系の温度が885℃に到達した後、基板ホルダーを再び
移動して第1メルトから分離し第2メルトと接触させ
た。以下同様の手順で表1に示した温度範囲で各エピタ
キシャル層を成長させた。
温まで冷却し、エピタキシャルウェハを取り出した。図
2の、第1のp型層5の表面を耐酸シートで保護して、
アンモニア−過酸化水素系エッチャントでGaAs基板
を選択的に除去した後、ウェーハ両面にAu電極を形成
し、ダイシングで350μm角に分離して素子とした。
作製された素子の発光波長は870nm、またn型Ga
AlAsクラッド層の成長開始位置と成長終了位置のA
l組成比の差は0.01、p型GaAlAsクラッド層
の成長開始位置と成長終了位置のAl組成比の差は0.
01であった。
クラッド層のキャリヤ濃度とVFの関係を示す。図中、
黒四角は図1の構造の素子における結果、白抜きの丸
は、本発明の、図2の構造の素子における結果を示す。
なお、図1に示した構造は、上述の成長工程のうち、第
1メルトを省略した条件で成長させた。
素子とすることにより、従来構造に比べVFが低減でき
ることがわかる。VFに関してエピタキシャル層の直列
抵抗の寄与が大きいとすると、図2の構造は図1の構造
に第1のn型GaAlAs層5を付加したものであるの
で、こちらの方がVFは高くなるはずだが、結果として
は図3に示すように図2の構造の方が、VFが低い。こ
のことからVFを決める要因としては、素子表面の電極
とエピタキシャル層との界面の寄与が大きく、これが第
1のn型GaAlAs層5を付加することにより改善さ
れたことがわかる。
6のキャリヤ濃度とLED出力の関係を示す。この図よ
りキャリヤ濃度を下げると出力が上昇することがわかる
が、図3と比較すると明らかなように、出力の上昇とと
もにVFも上昇してしまう。図3に示したVFの上限値
と図4に示した出力の目標値を同時に満足するn型クラ
ッド層のキャリヤ濃度は図3、図4の比較により1〜3
×1017cm-3の範囲内であることがわかる。
造の、LEDのSIMS分析結果を示す。この図から明
らかなように、第1のn型GaAlAs層とn型クラッ
ド層との界面で、炭素濃度のピークが存在していること
がわかる。これはn型クラッド層積層開始時の析出が不
安定なためと考えられる。アクセプタである炭素がこの
部分で高くなるためn型層内で反転構造が形成される。
この炭素濃度のスパイクを解消する方法としては、n型
クラッド層のキャリヤ濃度を上げて補償することも考え
られるが、前記のようにn型クラッド層のキャリヤ濃度
には最適範囲があるため、それを越える量をドープする
ことは特性上不利である。
方法について種々の検討を重ねた結果、第1のn型Ga
AlAs層の成長が終了してからn型クラッド層成長用
メルトへ漬換えるまでの時間を延長すると、このピーク
高さが減少することがわかった。これは、漬換え前の等
温保持中にメルトの過飽和分が析出する結果、漬換え時
にn型クラッド層成長用メルトの過飽和分が減少して成
長開始時の不安定さが解消されるためと考えられる。
前の等温保持時間と、図5に示した領域の炭素濃度ピー
ク高さとの関係を示す。図6において、白抜きの丸はサ
イリスタの発生しないもの、黒丸はサイリスタの発生し
たものを示す。この結果から、前述の漬換え前の等温保
持時間を30分以上100分以下として炭素ピーク高さ
を1×1017原子/cm3未満に制御すればサイリスタ
不良を発生させないことがわかる。
よれば、DDH構造のLEDにおいてもVFを低減した
高出力の赤外LED用エピタキシャルウェハを提供する
ことが可能となった。
ッド層の、第1のn型層との界面から2μm以内の領域
における炭素濃度の極大値を、1×1017原子/cm3
未満とすることによりLEDの更なる高出力化をはかる
ことが可能となった。
出力化を実現する半導体LED用エピタキシャルウェハ
を提供することができた。
て製造されたLEDは、赤外線を利用した光通信や空間
伝送用途に適しており、本発明の高出力赤外LEDを組
み込んだ光通信、空間伝送機器により、大容量データ伝
送、長距離データ伝送が可能となった。
示す。図中、黒四角は図1の構造における結果、白抜き
の丸は図2の構造における結果を示す。
係を示す。
GaAlAs層とn型クラッド層界面付近の炭素濃度プ
ロファイルを示す。
と、第1のn型GaAlAs層とn型クラッド層との界
面付近の炭素濃度の関係を示す。
とVF(500mA)との関係 11 図2の構造におけるn型クラッド層キャリヤ濃度
とVF(500mA)との関係
Claims (5)
- 【請求項1】n型GaAs基板上に、第1のn型Ga
1-X1AlX1As層、キャリヤ濃度が1〜3×1017cm
-3の範囲内のn型Ga1-X2AlX2Asクラッド層、発光
波長が850〜900nmの範囲内であるp型Ga1-X3
AlX3As活性層、p型Ga1-X4AlX4Asクラッド
層、及び第1のp型Ga1-X5AlX5As層を、液相エピ
タキシャル成長法により順次積層した後に、前記n型G
aAs基板を除去することを特徴とする半導体発光素子
用エピタキシャルウェハ。 - 【請求項2】n型Ga1-X2AlX2Asクラッド層の、第
1のn型Ga1-X1AlX1As層との界面から2μm以内
の領域における炭素濃度の極大値が、1×1017原子/
cm3未満であることを特徴とする請求項1に記載の半
導体発光素子用エピタキシャルウェハ。 - 【請求項3】n型Ga1-X2AlX2Asクラッド層及びp
型Ga1-X4AlX4Asクラッド層の、成長開始位置と成
長終了位置のAl組成比の差が、それぞれ0.02未満
であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導
体発光素子用エピタキシャルウェハ。 - 【請求項4】請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体
発光素子用エピタキシャルウェハを用いて作製した発光
素子。 - 【請求項5】請求項4に記載の発光素子を用いた光通
信、空間伝送機器。
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---|---|---|---|
JP2000122154A JP4570728B2 (ja) | 2000-04-24 | 2000-04-24 | 半導体発光素子用エピタキシャルウェハ |
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