JP2020102494A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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康之 柴田
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Abstract

【課題】発光効率の更なる向上を可能とした半導体発光素子を提供する。【解決手段】少なくとも基板の上に、第1の導電型を有する第1のクラッド層と、障壁層32の間に量子井戸層31が挟み込まれた活性層22と、第1の導電型とは反対となる第2の導電型を有する第2のクラッド層とが、順次積層された構造を備える半導体発光素子であって、量子井戸層31は、Alを含有しないIn系化合物半導体からなり、活性層22は、基板側から見て、量子井戸層31から障壁層32へと変化する量子井戸層31と障壁層32との間に、少なくとも障壁層32よりも高い濃度のAlを含有した第1の中間層33Aを含む。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体発光素子及びその製造方法に関する。
例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD:Laser Diode)などの半導体発光素子がある。半導体発光素子では、基板の上に、n型クラッド層と、活性層(発光層)と、p型クラッド層とをエピタキシャル成長により順次積層したダブルヘテロ構造を備えたものが主流となっている。
また、各層のエピタキシャル成長には、有機金属気相堆積法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)が用いられている。MOCVDは、原料ガスとなる有機金属材料ガスの熱分解反応によって、この原料ガス中の金属成分を基板の上に結晶成長させる気相エピタキシャル成長方法(VPE:Vapor Phase Epitaxy)の一種である。
さらに、半導体発光素子の中には、上述したMOCVDを用いて、バンドギャップが小さい極めて薄い層(「量子井戸層」という。)をバンドギャップが大きい層(「障壁層」という。)で挟み込むように形成した量子井戸構造を活性層に用いたものがある(例えば、下記特許文献1を参照。)。
量子井戸構造では、量子井戸層にキャリア(電子及び正孔)を閉じ込めることができるため、発光効率を高めることが可能である。さらに、最下層に位置する障壁層と、最上層に位置する障壁層との間で、障壁層と量子井戸層とを交互に複数積層したものは、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)と呼ばれている。
特表2009−545865号公報
ところで、活性層に量子井戸構造を用いた半導体発光素子では、障壁層と量子井戸層との界面での組成変化が急峻であるほど、上述した量子井戸層へのキャリアの閉じ込め効果が高まるため、発光効率の改善が期待できる。
一方、半導体発光素子の製造方法では、障壁層の原料ガスを用いてエピタキシャル成長により障壁層を形成する工程と、量子井戸層の原料ガスを用いてエピタキシャル成長により量子井戸層を形成する工程とを交互に切り替えながら、上述した量子井戸構造を有する活性層の形成が行われている。
しかしながら、このような活性層の形成方法では、障壁層と量子井戸層との界面での組成変化を急峻にすることが課題と考えられる。例えば、量子井戸層にGaAsよりも格子定数の大きいInGaAsを用い、障壁層にGaAsよりも格子定数の小さいGaAsPを用いて、活性層を形成した場合について、障壁層と量子井戸層との界面での組成変化が緩やかとなっていた。
活性層では、GaAsからなる基板の上に、GaAsよりも格子定数の大きいInGaAsからなる量子井戸層と、GaAsよりも格子定数の小さいGaAsPからなる障壁層とを交互に積層することによって、基板との格子定数の違いによる歪みバランスを調整している。
障壁層と量子井戸層との界面での組成変化が急峻でない場合、上述した歪みバランスが崩れ易くなり、どちらかに偏ると、歪みによる転位が発生して、出力低下に繋がることになると考えられる。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、発光効率の更なる向上を可能とした半導体発光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 少なくとも基板の上に、第1の導電型を有する第1のクラッド層と、障壁層の間に量子井戸層が挟み込まれた活性層と、前記第1の導電型とは反対となる第2の導電型を有する第2のクラッド層とが、順次積層された構造を備える半導体発光素子であって、
前記量子井戸層は、Alを含まないIn系化合物半導体からなり、
前記活性層は、前記基板側から見て、前記量子井戸層から前記障壁層へと変化する前記量子井戸層と前記障壁層との界面に、少なくとも前記障壁層よりも高い濃度のAlを含むことを特徴とする半導体発光素子。
〔2〕 前記量子井戸層は、Alを含まないInGaAs系化合物半導体からなることを特徴とする前記〔1〕に記載の半導体発光素子。
〔3〕 前記活性層は、前記基板側から見て、前記障壁層から前記量子井戸層へと変化する前記障壁層と前記量子井戸層との界面に、少なくとも前記障壁層よりも高い濃度のAlを含むことを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の半導体発光素子。
〔4〕 前記障壁層は、Alを含まないGaAsP系化合物半導体、又は、前記障壁層と前記量子井戸層との界面よりもAlの濃度が低いAlGaAsP系化合物半導体からなることを特徴とする前記〔3〕に記載の半導体発光素子。
〔5〕 前記活性層は、前記基板側から見て、前記量子井戸層から前記障壁層へと変化する前記量子井戸層と前記障壁層との間に、少なくとも前記障壁層よりも高い濃度のAlを含む第1の中間層と、前記障壁層から前記量子井戸層へと変化する前記障壁層と前記量子井戸層との間に、少なくとも前記障壁層よりも高い濃度のAlを含む第2の中間層とを有し、
前記第1の中間層は、前記第2の中間層よりもInの濃度が高いことを特徴とする前記〔3〕又は〔4〕に記載の半導体発光素子。
〔6〕 前記活性層は、前記基板側から見て、最下層に位置する障壁層と、最上層に位置する障壁層との間で、前記障壁層と前記量子井戸層とが交互に積層された多重量子井戸構造を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕の何れか一項に記載の半導体発光素子。
〔7〕 少なくとも基板の上に、第1の導電型を有する第1のクラッド層と、障壁層の間に量子井戸層が挟み込まれた活性層と、前記第1の導電型とは反対となる第2の導電型を有する第2のクラッド層とが、順次積層された構造を備える半導体発光素子の製造方法であって、
前記障壁層の原料ガスを用いてエピタキシャル成長により前記障壁層を形成する工程と、前記量子井戸層の原料ガスを用いてエピタキシャル成長により前記量子井戸層を形成する工程とを交互に切り替えながら、前記障壁層の間に前記量子井戸層が挟み込まれた前記活性層を形成する際に、
前記量子井戸層を形成する工程において、Alを含まないIn系化合物半導体を結晶成長させ、
前記量子井戸層を形成する工程から前記障壁層を形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガスを用いてエピタキシャル成長によりAlを結晶成長させることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
〔8〕 前記量子井戸層を形成する工程において、Alを含まないInGaAs系化合物半導体を結晶成長させることを特徴とする前記〔7〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔9〕 前記障壁層を形成する工程から前記量子井戸層を形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガスを用いてエピタキシャル成長によりAlを結晶成長させることを特徴とする前記〔7〕又は〔8〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔10〕 前記障壁層を形成する工程において、Alを含まないGaAsP系化合物半導体、又は、前記障壁層と前記量子井戸層との界面よりもAlの濃度が低いAlGaAsP系化合物半導体を結晶成長させることを特徴とする前記〔9〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔11〕 前記Alを含む原料ガスとして、トリメチルアルミニウム(TMA)を用いることを特徴とする前記〔7〕〜〔10〕の何れか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔12〕 前記基板側から見て、最下層に位置する障壁層と、最上層に位置する障壁層との間で、前記障壁層と前記量子井戸層とが交互に複数積層された多重量子井戸構造を有する前記活性層を形成することを特徴とする前記〔7〕〜〔11〕の何れか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
以上のように、本発明によれば、発光効率の更なる向上を可能とした半導体発光素子及びその製造方法を提供することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を示す断面図である。 図1に示す半導体発光素子が備えるエピタキシャル成長層の構成を示す断面模式図である。 図2に示すエピタキシャル成長層が備える活性層の構成を示す断面模式図である。 図3に示す活性層を形成する際の各原料ガスの供給を切り替える手順を示すシーケンス図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子が備える活性層の構成を示す断面模式図である。 図5に示す活性層を形成する際の各原料ガスの供給を切り替える手順を示すシーケンス図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体発光素子が備える活性層の構成を示す断面模式図である。 図7に示す活性層を形成する際の各原料ガスの供給を切り替える手順を示すシーケンス図である。 実施例1の半導体発光素子が備える基板及びエピタキシャル成長層の構成を示す断面模式図である。 図9に示すエピタキシャル成長層を構成する各層を形成する際の各原料ガスの供給を切り替える手順を示すシーケンス図である。 実施例2のサンプルの構成を示す断面模式図である。 図11に示すサンプルのSIMS分析による測定結果を示すグラフである。 図11に示すサンプルにおけるInの組成変化を測定した結果を示すグラフである。 図13中に示すグラフの一部を拡大したグラフである。 図11に示すサンプルの活性層を構成する各層のエネルギー準位を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1〜図3に示す半導体発光素子1について説明する。
なお、図1は、半導体発光素子1の構成を示す断面図である。図2は、半導体発光素子1が備えるエピタキシャル成長層3の積層構造を示す断面図である。図3は、エピタキシャル成長層3が備える活性層22の構成を示す断面図である。
本実施形態の半導体発光素子1は、例えば、赤外光(例えばピーク波長が940nmの赤外光)を発する発光ダイオード(LED)に本発明を適用したものである。なお、赤外光のピーク波長については、780nm超〜1μmの範囲が好ましく、より好ましくは880nm〜940nmの範囲である。
具体的に、この半導体発光素子1は、図1に示すように、基板2の一面(図1中の下面)側に、エピタキシャル成長層3と、絶縁層4と、p側コンタクト電極5と、反射層6と、第1の保護層7と、第2の保護層8と、第3の保護層9とを有している。
基板2は、第1の導電型(本実施形態ではn型)を有する半導体基板からなる。エピタキシャル成長層3は、後述するエピタキシャル成長によって基板2の面上に設けられている。絶縁層4は、エピタキシャル成長層3の面上の一部を覆うように設けられている。p側コンタクト電極5は、絶縁層4を含むエピタキシャル成長層3の面上を覆うように設けられている。反射層6は、p側コンタクト電極5の全面を覆うように設けられている。第1の保護層7は、反射層6の全面を覆うように設けられている。第2の保護層8は、エピタキシャル成長層3及び第1の保護層7の側面を覆うように設けられている。第3の保護層9は、第1の保護層の面上を覆うように設けられている。
一方、本実施形態の半導体発光素子1は、基板2の他面(図1中の上面)側に、全反射抑制層10と、n側コンタクト電極11と、パッド電極12とを有している。
全反射抑制層10は、基板2のコンタクト部2aを除く基板2の他面上を覆うように設けられている。n側コンタクト電極11は、基板2のコンタクト部2a上に設けられている。パッド電極12は、n側コンタクト電極11上に設けられている。
なお、本実施形態では、例えば、基板2にAlGaAsと、絶縁層4にSiOと、p側コンタクト電極5にITO(Indium Tin Oxide)と、反射層6にAg/Ptと、第1の保護層7にTiW/Pt/Auと、第2の保護層8にSiOと、第3の保護層9にTi/Pt/Auと、全反射抑制層10にTiO/SiOと、n側コンタクト電極11にAuGe/Niと、パッド電極12にTi/Auとを用いているが、これらの材料に必ずしも限定されるものではない。また、各部の厚みについても任意に設定することが可能である。
また、本実施形態の半導体発光素子1は、上述した構成に必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
エピタキシャル成長層3は、図2に示すように、少なくとも基板2の上に、第1の導電型(本実施形態ではn型)を有する第1のクラッド層21と、発光層となる活性層22と、第1の導電型とは反対となる第2の導電型(本実施形態ではp型)を有する第2のクラッド層23とが順次積層されたダブルヘテロ構造を有している。
また、エピタキシャル成長層3は、分離閉じ込めヘテロ構造(SCH:Separated Confinement Heterostructure)として、活性層22を挟んだ厚み方向の両側に、第1のクラッド層21よりも屈折率が大きい第1のSCH層24と、第2のクラッド層23よりも屈折率が大きい第2のSCH層25とが設けられた構成となっている。
さらに、エピタキシャル成長層3は、キャリアの広がり抵抗を低減させるCSL層(CSL:Current Spereading Layer)として、第1のクラッド層21と基板2との間に第1のCSL層26と、第2のクラッド層23とp側コンタクト電極5との間に第2のCSL層27とが設けられた構成となっている。
したがって、このエピタキシャル成長層3は、基板2側から見て、第1のCSL層26と、第1のクラッド層21と、第1のSCH層24と、活性層22と、第2のSCH層25と、第2のクラッド層23と、第2のCSL層27とが、エピタキシャル成長により順次積層された構造を有している。また、第2のCSL層27の上には、p側コンタクト層28がエピタキシャル成長により形成されている。
活性層22は、図3に示すように、バンドギャップが小さい極めて薄い量子井戸層31をバンドギャップが大きい障壁層32で挟み込む量子井戸構造を有している。また、活性層22は、基板2側から見て、最下層に位置する障壁層32と、最上層に位置する障壁層32との間で、障壁層32と量子井戸層31とを交互に複数積層した多重量子井戸構造(MQW)を有している。
本実施形態の活性層22は、例えば、6つの障壁層32と5つの量子井戸層31とが交互に積層された11層構造を有している。なお、図2及び図3では、便宜上、2つの障壁層32の間に1つの量子井戸層31が挟み込まれた活性層22のみを図示するものとする。
ところで、本実施形態の活性層22は、基板2側から見て、量子井戸層31から障壁層32へと変化する量子井戸層31と障壁層32との間に、少なくとも障壁層32よりも高い濃度のAlを含む第1の中間層33Aと、障壁層32から量子井戸層31へと変化する障壁層32と量子井戸層31との間に、少なくとも障壁層32よりも高い濃度のAlを含む第2の中間層33Bとを有している。
すなわち、第1の中間層33Aは、量子井戸層31の成長終了側と障壁層32との間に設けられている。一方、第2の中間層33Bは、障壁層32の成長終了側と量子井戸層31との間に設けられている。また、第1の中間層33Aは、量子井戸層31の基板2から遠い側の表面と障壁層32との間に設けられている。一方、第2の中間層33Bは、量子井戸層31の基板2から近い側の表面と障壁層32との間に設けられている。
量子井戸層31は、Alを含まないIn系化合物半導体からなる。その中でも、例えばAlを含まないInGaAs系化合物半導体からなる。障壁層32は、Alを含まないGaAsP系化合物半導体からなる。なお、障壁層32は、Alを含む材料、例えば、AlGaAs、AlGaAsPなどの材料からなどから構成することもできる。
本実施形態の活性層22では、GaAsからなる基板2の上に、GaAsよりも格子定数の大きいInGaAsからなる量子井戸層31と、GaAsよりも格子定数の小さいGaAsPからなる障壁層32とを交互に積層することによって、基板2との格子定数の違いによる歪みバランスを調整することができる。
なお、本発明において「Alを含まない」とは、化合物半導体の組成としてAlを完全に含まない又はAlを実質的に含まないことを意味する。
第1の中間層33Aは、量子井戸層31と障壁層32との界面に、少なくとも障壁層32よりも高い濃度のAlを含んで構成される。具体的に、第1の中間層33Aは、量子井戸層31の表面全体を覆う層であってもよく、量子井戸層31の表面に島状に分散して設けられた層であってもよい。また、第1の中間層33Aは、量子井戸層31と障壁層32との間で混晶化されたAlを含む層であってもよく、量子井戸層31と障壁層32との間でAlの濃度が相対的に高くなっている層であってもよい。
同様に、第2の中間層33Bは、障壁層32と量子井戸層31との界面にAlを含んで構成される。具体的に、第2の中間層33Bは、障壁層32の表面全体を覆う層であってもよく、障壁層32の表面に島状に分散して設けられた層であってもよい。また、第2の中間層33Bは、障壁層32と量子井戸層31との間で混晶化されたAlを含む層であってもよく、障壁層32と量子井戸層31との間でAlの濃度が相対的に高くなっている層であってもよい。
本実施形態の活性層22において、第1の中間層33A及び第2の中間層33Bの厚みは、1nm以上、3nm以下、より具体的には、2モノレイヤー以上、6モノレイヤー以下であることが好ましい。これにより、障壁高さが上がることによる半導体発光素子1の順方向電圧(Vf)の上昇が抑えられる。
一方、第1の中間層33A及び第2の中間層33Bの厚みが薄過ぎると、上述した第1の中間層33A及び第2の中間層33Bを設けたことによる効果が十分に得られなくなる。また、面内の膜厚分布にバラツキが生じ易くなる。逆に、第1の中間層33A及び第2の中間層33Bの厚みが厚過ぎると、キャリアのブロック層として働き始めるため、上述したVfの上昇に繋がることになる。
また、第1の中間層33Aは、第2の中間層33BよりもInの濃度が高くなっている。第1の中間層33Aでは、In系化合物半導体からなる量子井戸層31の成長後に表面に残留するInを取り込むことによって、障壁層32へのInの混入や拡散を防止することが行われていると考えられる。
以上のように、本実施形態の半導体発光素子1では、上述した第1の中間層33Aにより量子井戸層31と障壁層32との界面での組成変化を急峻とし、第2の中間層33Bにより障壁層32と量子井戸層31との界面での組成変化を急峻とすることで、量子井戸層31へのキャリアの閉じ込め効果を改善し、この半導体発光素子1の発光効率を更に向上させることが可能である。
(半導体発光素子の製造方法)
次に、本実施形態の半導体発光素子1の製造方法について、図4を参照しながら説明する。
なお、図4は、上記活性層22を形成する際の各原料ガスの供給を切り替える手順を示すシーケンス図である。
本実施形態の半導体発光素子1の製造方法では、MOCVDを用いて、基板2の上に、第1のCSL層26と、第1のクラッド層21と、第1のSCH層24と、活性層22と、第2のSCH層25と、第2のクラッド層23と、第2のCSL層27とを、エピタキシャル成長により順次積層することによって、エピタキシャル成長層3を形成する。
また、障壁層32の原料ガスを用いてエピタキシャル成長により障壁層32を形成する工程と、量子井戸層31の原料ガスを用いてエピタキシャル成長により量子井戸層31を形成する工程とを交互に切り替えながら、障壁層32の間に量子井戸層31が挟み込まれた量子井戸構造を有する活性層22を形成する。なお、本実施形態では、上述した6つの障壁層32と5つの量子井戸層31とを交互に積層した活性層22を形成する。
活性層22を形成する際は、図4に示すように、障壁層32の原料ガスとして、ホスフィン(PH)、アルシン(AsH)、トリメチルガリウム(TMG)を用いて、エピタキシャル成長によりGaAsPからなる障壁層32を形成する。
また、量子井戸層31の原料ガスとして、アルシン(AsH)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルガリウム(TMG)を用いて、エピタキシャル成長によりInGaAsからなる量子井戸層31を形成する。
さらに、Alを含む原料ガスとして、トリメチルアルミニウム(TMA)を用いて、エピタキシャル成長によりAlを含む第1の中間層33A及び第2の中間層33Bを形成する。
本実施形態の半導体発光素子1の製造方法では、量子井戸層31を形成する工程から障壁層32を形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガス(TMA)を用いて、エピタキシャル成長によりAlを結晶成長させることで、Alを含む第1の中間層33Aを形成している。
また、本実施形態の半導体発光素子1の製造方法では、障壁層32を形成する工程から量子井戸層31を形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガス(TMA)を用いて、エピタキシャル成長によりAlを結晶成長させることで、Alを含む第2の中間層33Bを形成している。
ここで、InGaAsからなる量子井戸層31を形成した直後は、量子井戸層31の表面に、結晶化する前のIn原子、Ga原子、As原子が付着していると考えられる。特に、InGaAsは、GaAsとの間で格子定数の不整合が大きいため、In原子が結晶化せずに、未反応のInGaAsが量子井戸層31の表面に留まっていると考えられる。
その後、TMAの供給により、量子井戸層31の表面にAl原子が付着すると、Alは結晶化し易いため、このAlを起点にして未反応のInGaAsの結晶化が進むと考えられる。一方、その後に形成される障壁層32にIn原子が取り込まれることを抑制することができる。これにより、第1の中間層33Aを介して量子井戸層31と障壁層32との界面での組成変化を急峻にすることが可能である。
一方、GaAsPからなる障壁層32を形成した直後に、TMAの供給により、量子井戸層31の表面にAl原子を付着させることで、量子井戸層31となるIn原子が取り込み易くなると考えられる。これにより、第2の中間層33Bを介して障壁層32と量子井戸層31との界面での組成変化を急峻にすることが可能である。
以上のように、本実施形態の半導体発光素子1の製造方法では、上述した量子井戸層31を形成する工程から障壁層32を形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガス(TMA)を用いて、Alを含む第1の中間層33Aを形成し、障壁層32を形成する工程から量子井戸層31を形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガス(TMA)を用いて、Alを含む第2の中間層33Bを形成することが可能である。これにより、上述した量子井戸層31へのキャリアの閉じ込め効果を改善し、発光効率に優れた半導体発光素子1を得ることが可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、図5に示す半導体発光素子1が備える活性層22Aについて説明する。
なお、図5は、活性層22Aの構成を示す断面模式図である。また、以下の説明では、上記活性層22と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態の半導体発光素子1は、上記図3に示す活性層22の代わりに、図5に示す活性層22Aを備えた構成であり、それ以外は上記半導体発光素子1と基本的に同じ構成を有している。
具体的に、この活性層22Aは、第2の中間層33BよりもAlの濃度が低いAlGaAsP系化合物半導体からなる障壁層32Aを有する以外は、上記活性層22と基本的に同じ構成を有している。
したがって、この活性層22Aのうち、障壁層32Aについては、AlGaAsP系化合物半導体からなる構成とすることもできる。その場合、第2の中間層33Bについては、障壁層32AよりもAlの濃度が高い構成とすることができる。
本実施形態の活性層22Aでは、GaAsからなる基板2の上に、GaAsよりも格子定数の大きいInGaAsからなる量子井戸層31と、GaAsよりも格子定数の小さいAlGaAsPからなる障壁層32Aとを交互に積層することによって、基板2との格子定数の違いによる歪みバランスを調整することができる。
また、本実施形態の活性層22Aは、基板2側から見て、量子井戸層31から障壁層32Aへと変化する量子井戸層31と障壁層32Aとの間に、少なくとも障壁層32Aよりも高い濃度のAlを含む第1の中間層33Aと、障壁層32Aから量子井戸層31へと変化する障壁層32Aと量子井戸層31との間に、少なくとも障壁層32Aよりも高い濃度のAlを含む第2の中間層33Bとを有している。
これにより、本実施形態の活性層22Aでは、上記活性層22と同様に、第1の中間層33Aを介して量子井戸層31と障壁層32Aとの界面での組成変化を急峻にし、第2の中間層33Bを介して障壁層32Aと量子井戸層31との界面での組成変化を急峻にすることができる。また、その間にある第1の中間層33A及び第2の中間層33Bを高バンドギャップにすることで、量子井戸層31へのキャリアの閉じ込め効果を高めることが可能である。
また、活性層22Aを形成する際の各原料ガスの供給を切り替える手順を図6に示す。なお、図6は、活性層22Aを形成する際の各原料ガスの供給を切り替える手順を示すシーケンス図である。
活性層22Aを形成する際は、図6に示すように、障壁層32の原料ガスとして、ホスフィン(PH)、アルシン(AsH)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)を用いて、エピタキシャル成長によりAlGaAsPからなる障壁層32Aを形成する。
また、量子井戸層31の原料ガスとして、アルシン(AsH)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルガリウム(TMG)を用いて、エピタキシャル成長によりInGaAsからなる量子井戸層31を形成する。
さらに、Alを含む原料ガスとして、トリメチルアルミニウム(TMA)を用いて、エピタキシャル成長によりAlを含む第1の中間層33A及び第2の中間層33Bを形成する。
したがって、上記活性層22を形成する場合と同様に、上述した量子井戸層31を形成する工程から障壁層32Aを形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガス(TMA)を用いて、Alを含む第1の中間層33Aを形成し、障壁層32Aを形成する工程から量子井戸層31を形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガス(TMA)を用いて、Alを含む第2の中間層33Bを形成することが可能である。
以上のように、本実施形態の半導体発光素子1では、上述した第1の中間層33Aにより量子井戸層31と障壁層32Aとの界面での組成変化を急峻とし、第2の中間層33Bにより障壁層32Aと量子井戸層31との界面での組成変化を急峻とすることで、量子井戸層31へのキャリアの閉じ込め効果を改善し、この半導体発光素子1の発光効率を更に向上させることが可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、図7に示す半導体発光素子1が備える活性層22Bについて説明する。
なお、図7は、活性層22Bの構成を示す断面模式図である。また、以下の説明では、上記活性層22と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態の半導体発光素子1は、上記図3に示す活性層22の代わりに、図7に示す活性層22Bを備えた構成であり、それ以外は上記半導体発光素子1と基本的に同じ構成を有している。
具体的に、この活性層22Bは、上記活性層22に設けられた第2の中間層33Bを省略した以外は、上記活性層22と基本的に同じ構成を有している。すなわち、この活性層22Bは、基板2側から見て、量子井戸層31から障壁層32へと変化する量子井戸層31と障壁層32との間にのみ、少なくとも障壁層32よりも高い濃度のAlを含む第1の中間層33Aが設けられた構成となっている。
これにより、本実施形態の活性層22Bでは、第1の中間層33Aを介して量子井戸層31と障壁層32Aとの界面での組成変化を急峻にすることができる。また、その間にある第1の中間層33Aを高バンドギャップにすることで、量子井戸層31へのキャリアの閉じ込め効果を高めることが可能である。
すなわち、本実施形態の活性層22Bでは、上記活性層22に設けられた第2の中間層33Bを省略した構成であっても、上述した第1の中間層33Aにより量子井戸層31から障壁層32AへとIn原子が取り込まれることを抑制することで、量子井戸層31と障壁層32との界面での組成変化を急峻とすることが可能である。
また、活性層22Bを形成する際の各原料ガスの供給を切り替える手順を図8に示す。なお、図8は、活性層22Bを形成する際の各原料ガスの供給を切り替える手順を示すシーケンス図である。
活性層22Bを形成する際は、図6に示すように、障壁層32の原料ガスとして、ホスフィン(PH)、アルシン(AsH)、トリメチルガリウム(TMG)を用いて、エピタキシャル成長によりAlGaAsPからなる障壁層32を形成する。
また、量子井戸層31の原料ガスとして、アルシン(AsH)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルガリウム(TMG)を用いて、エピタキシャル成長によりInGaAsからなる量子井戸層31を形成する。
さらに、Alを含む原料ガスとして、トリメチルアルミニウム(TMA)を用いて、エピタキシャル成長によりAlを含む第1の中間層33Aを形成する。
したがって、上記活性層22を形成する場合と同様に、上述した量子井戸層31を形成する工程から障壁層32Aを形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガス(TMA)を用いて、Alを含む第1の中間層33Aを形成することが可能である。
以上のように、本実施形態の半導体発光素子1では、上述した第1の中間層33により量子井戸層31と障壁層32Aとの界面での組成変化を急峻とすることで、量子井戸層31へのキャリアの閉じ込め効果を改善し、この半導体発光素子1の発光効率を更に向上させることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、半導体発光素子として、赤外光を発するLEDに本発明を適用した場合を例示しているが、赤外レーザー光を発するレーザーダイオード(LD)に本発明を適用することも可能である。さらに、赤外光以外の光を発するLEDや、赤外レーザー光以外のレーザー光を発するLDに本発明を適用することも可能である。
また、このような半導体発光素子の用途としては、例えば、ドライバーモニタリング用の赤外光源として、人の顔画像を認識し、居眠りやよそ見を検知して警告するシステムに用いることが可能である。また、監視カメラや防犯カメラなどの照明や、ナイトビジョンなどの夜間照明として用いることができる。また、赤外ライトカーテンなどの光源として、侵入禁止エリアに人やモノが入ったときに検知するシステムに用いることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
先ず、実施例1の半導体発光素子について、図9及び図10を参照しながら説明する。
なお、図9は、実施例1の半導体発光素子が備える基板及びエピタキシャル成長層の構成を示す断面模式図である。また、図9では、基板及びエピタキシャル成長層を構成する各層の組成及び厚み[nm]を示している。
図10は、エピタキシャル成長層を構成する各層を形成する際の各原料ガスの供給を切り替える手順を示すシーケンス図である。また、図10では、各層を形成する際に供給される原料ガスの流量[μmol/min]を示している。
また、以下の説明における「x・e・n」(nは整数を表す。)という表記は、「x×10」を意味している。
実施例1では、図9に示すように、MOCVDを用いて、基板(wafer)の上に、第1のCSL層(nCSL)と、第1のクラッド層(nClad)と、第1のSCH層(nSCH)と、活性層(MQW)と、第2のSCH層(pSCH)と、第2のクラッド層(pClad)と、第2のCSL層(pCSL)と、p側コンタクト層(pcontact)とを、エピタキシャル成長により順次積層した。
また、活性層(MQW)として、6つの障壁層(barrier)と5つの量子井戸層(Well)とを交互に積層した。なお、図9では、便宜上、2つの障壁層(barrier)の間に1つの量子井戸層(Well)が挟み込まれた活性層(MQW)のみを図示するものとする。
具体的には、先ず、GaAsからなる仮の基板を準備する。仮の基板の主面は、GaAsの(100)面である。また、仮の基板には、Siがドープされてn型導電性が付与されており、その濃度は約1e18atom/cm−3である。
次に、この仮の基板の主面上に、液相エピタキシャル成長法(LPE:Liquid Phase Epitaxy)を用いて、厚み250μmのAl0.3Ga0.7Asを結晶成長させる。なお、このAlGaAs層のことを支持層と呼ぶことにする。
LPEには、主として温度差法と徐冷法とがある。ここでは、後述するように、温度差法を採用している。また、支持層の成長装置には、例えばスライドボート型のものを用いることができる。支持層には、Teの濃度が1e17atom/cm−3となるように、成長中にTeがドープされている。
成長用溶液には、Ga溶媒中にGaAs、Al及びTeを溶解させたものを用いている。メルト槽内に満たされた成長用溶液の上下方向の温度勾配は、約5℃/cmである。種結晶が接触する成長用溶液の下部温度は850〜950℃である。なお、成長用溶液の下部温度及び温度勾配は、成長中ほぼ一定に保持されている。
次に、仮の基板をエッチングにより除去する。仮の基板は、アンモニア水と過酸化水素水とを体積比で1:20に混合したエッチング液を用いたウェットエッチングにより除去する。このとき、支持層がエッチングストッパとして機能する。これにより、支持層のみが残る。
次に、支持層の表面を研削し、表面の凹凸を少なくする。さらに、研削された表面を研磨して加工ダメージを除去した後、化学機械研磨(CMP)による最終仕上げを行う。一般に、温度差法で成長させた層は、徐冷法で成長させた層に比べて、表面の平坦性が悪い。CMPによる最終仕上げを行うことにより、表面の平坦性を高めることができる。
以上のような工程を経ることによって、上述した支持層(TeドープAl0.3Ga0.7As)からなる基板(wafer)を作製した。
次に、図10に示すように、MOCVDを用いて、成長基板となる基板(wafer)の上に、エピタキシャル成長層を形成する。
なお、Alの濃度が30%のAlGaAsは、酸素雰囲気下において、容易に酸化される。すなわち、Al0.3Ga0.7Asからなる基板(wafer)は、大気に曝されると、その表面が瞬時に酸化(自然酸化)される。このため、基板(wafer)は、窒素雰囲気中にて希釈したHClに浸漬し、表面の酸化膜を除去した後、大気に曝されないようにして、MOCVD装置の内部に設置する。
具体的には、先ず、MOCVD装置内で、Hを流しながら、成長圧力(Pressure)を10kPa、成長温度(Tempreture)を700℃にした後に、AsHを8900μmol/minで5min流す。なお、キャリアガスとバブリングガスは、成長中は全てHである。また、基板(wafer)の表面の自然酸化膜を除去するため、AsHの還元雰囲気中で5分間の成長前熱処理を行う。このとき、基板(wafer)は60rpmで回転している。
次に、III族元素の供給源として、TMGを45μmol/min、TMAを7.95μmol/minで流しながら、V族元素の供給源として、AsHを2650μmol/minで52min流す。また、III族元素と置換して、n型を示す不純物のジエチルテルル(DETe)を0.04μmol/minで52min流す。これにより、第1のCSL層(nCSL)として、厚み2000nm、Teの濃度が8e16atom/cm−3となるTeドープAl0.2Ga0.8Asを形成した。
次に、III族元素の供給源として、TMGを45μmol/min、TMAを17.5μmol/minで流しながら、V族元素の供給源として、AsHを3130μmol/minで13min流す。また、III族元素と置換して、n型を示す不純物のジエチルテルル(DETe)を0.052μmol/minで13min流す。これにより、第1のクラッド層(nClad)として、厚み500nm、Teの濃度が1.5e18atom/cm−3となるTeドープAl0.4Ga0.6Asを形成した。
なお、第1のクラッド層(nClad)のAl濃度を第1のCSL層(nCSL)よりも高くし、バンドギャップを大きくしているのは、キャリアのブロック層として機能させるためである。
次に、III族元素の供給源として、TMGを45μmol/min、TMAを7.95μmol/minで流しながら、V族元素の供給源として、AsHを2650μmol/minで13min流す。これにより、第1のSCH層(nSCH)として、厚み500nmとなるノンドープAl0.2Ga0.8Asを形成した。
次に、III族元素の供給源として、TMGを26μmol/minで流しながら、V族元素の供給源として、AsHを2520μmol/min、PHを7860μmol/minで20sec流す。これにより、障壁層(barrier)として、厚み10nmとなるノンドープGaAs0.90.1を形成した。
なお、障壁層(barrier)については、後述する量子井戸層(Well)がGaAsよりも格子定数が大きいInGaAsからなるため、この量子井戸層(Well)が臨界膜厚以上となるように、GaAsよりも格子定数が小さいGaAsPにより形成した。また、障壁層(barrier)は、Pの濃度が10%のGaAsPとした。
次に、障壁層(barrier)を形成した後に、TMG及びPHの供給を停止し、AsHを瞬時に6130μmol/minに変更して0.5sec流した後に、TMAを7.4μmol/minで0.5sec流すことによって、Alを含む第2の中間層(Alml2)を形成した。
次に、TMAの供給を停止し、V族元素の供給源として、AsHを6130μmol/minで流しながら、0.5sec後に、III族元素の供給源として、TMGを26μmol/min、TMIを4.9μmol/minで20sec流す。これにより、量子井戸層(well)として、厚み10nmとなるノンドープIn0.13Ga0.87Asを形成した。
次に、量子井戸層(well)を形成した後に、TMG及びTMIの供給を停止し、AsHを瞬時に2520μmol/minに変更して0.5sec流した後に、TMAを7.4μmol/minで0.5sec流すことによって、Alを含む第1の中間層(Alml1)を形成した。
次に、TMAの供給を停止し、V族元素の供給源として、AsHを2520μmol/minで流しながら、0.5sec後に、III族元素の供給源として、TMGを26μmol/min、PHを7860μmol/minで20sec流す。これにより、障壁層(barrier)として、厚み10nmとなるノンドープGaAs0.90.1を形成した。
そして、上述した工程を繰り返しながら、活性層(MQW)として、最下層に位置する障壁層(barrier)と、最上層に位置する障壁層(Well)との間で、6つの障壁層(barrier)と5つの量子井戸層(Well)とを交互に積層した。また、障壁層(barrier)と量子井戸層(Well)との各間にAlを含む第2の中間層(Alml2)と、量子井戸層(Well)と障壁層(barrier)との各間にAlを含む第1の中間層(Alml1)とを形成した。
次に、III族元素の供給源として、TMGを45μmol/min、TMAを7.95μmol/minで流しながら、V族元素の供給源として、AsHを2650μmol/minで13min流す。これにより、第2のSCH層(pSCH)として、厚み500nmとなるノンドープAl0.2Ga0.8Asを形成した。
次に、III族元素の供給源として、TMGを45μmol/min、TMAを17.5μmol/minで流しながら、V族元素の供給源として、AsHを3130μmol/minで13min流す。また、V族元素と置換して、p型を示す不純物の四臭化炭素(CBr)を1.48μmol/minで13min流す。これにより、第2のクラッド層(pClad)として、厚み500nm、Cの濃度が8e17atom/cm−3となるCドープAl0.4Ga0.6Asを形成した。
次に、III族元素の供給源として、TMGを45μmol/min、TMAを7.95μmol/minで流しながら、V族元素の供給源として、AsHを2650μmol/minで4min流す。また、V族元素と置換して、p型を示す不純物の四臭化炭素(CBr)を2.38μmol/minで4min流す。これにより、第2のCSL層(pCSL)として、厚み150nm、Cの濃度が8e17atom/cm−3となるCドープAl0.2Ga0.8Asを形成した。
次に、成長温度(Tempreture)を550℃に下げた後、III族元素の供給源として、TMGを85.3μmol/min、TMAを14.7μmol/minで流しながら、V族元素の供給源として、AsHを450μmol/minで90sec流す。また、V族元素と置換して、p型を示す不純物の四臭化炭素(CBr)を14μmol/minで90sec流す。これにより、p側コンタクト層(pcontact)として、厚み100nm、Cの濃度が1e20atom/cm−3となるCドープAl0.2Ga0.8Asを形成した。
なお、p側コンタクト層(pcontact)の上には、上述したITOからなるp側コンタクト電極5が形成されるため、良好な接触抵抗を得るためには高濃度の不純物が必要である。このため、AsHを450μmol/minまで下げ、Cの濃度を1e20atom/cm−3としている。
以上の工程を経ることによって、基板(wafer)の上に、エピタキシャル成長層を形成した。実施例1では、このエピタキシャル成長層が形成された基板(wafer)を用いて、上記図1に示す半導体発光素子1と同様の構成を有する半導体発光素子を作製した。
(比較例1)
比較例1では、上述した障壁層(barrier)を形成する工程と、量子井戸層(Well)を形成する工程との間で、TMAの供給を行わずに、活性層(MQW)を形成した以外は、実施例1と同様の半導体発光素子を作製した。
すなわち、比較例1では、第1の中間層(Alml1)及び第2の中間層(Alml2)を形成する工程を省略した以外は、実施例1の半導体発光素子と同じ条件にて半導体発光素子を作製した。
そして、これら実施例1及び比較例1の半導体発光素子について、出力(W)[mW]、順方向電圧(Vf)[V]、発振波長(Λp)[nm]を測定した結果を下記表1に示す。
Figure 2020102494
表1に示すように、実施例1の半導体発光素子は、比較例1の半導体発光素子よりも出力Wが高く、約8%の出力向上が確認された。また、実施例1の半導体発光素子は、比較例1の半導体発光素子よりも順方向電圧(Vf)が低く抑えられていることがわかる。さらに、実施例1の半導体発光素子は、比較例1の半導体発光素子よりも発振波長(Λp)が高くなっていることがわかる。
(実施例2)
次に、実施例2のサンプルについて、図11〜図15を参照しながら説明する。
なお、図11は、サンプルの構成を示す断面模式図である。図12は、サンプルのSIMS分析による測定結果を示すグラフである。図13は、実施例2及び比較例2のサンプルにおけるInの組成変化を測定した結果を示すグラフである。図14は、図13中に示すグラフの一部を拡大したグラフである。図15は、サンプルの活性層を構成する各層のエネルギー準位を示す模式図である。
実施例2では、先ず、図11に示すように、サンプルとして、MOCVDを用いて、基板(wafer)の上に、第1のSCH層(nSCH)と、活性層(MQW)と、第2のSCH層(pSCH)とを、エピタキシャル成長により順次積層したサンプルを作製した。
また、サンプルは、図11中に示すような組成及び厚み[nm]を有している。すなわち、このサンプルは、第1のSCH層(nSCH)及び第2のSCH層(pSCH)の組成が「ノンドープAl0.1Ga0.9As」となっている以外は、実施例1と同じ活性層(MQW)を有しており、実施例1と同じ条件にてサンプルを作製した。
したがって、実施例2の活性層(MQW)は、6つの障壁層(barrier)と5つの量子井戸層(Well)とが交互に積層され、量子井戸層(Well)と障壁層(barrier)との各間にAlを含む第1の中間層(Alml1)と、障壁層(barrier)と量子井戸層(Well)との各間にAlを含む第2の中間層(Alml2)とが設けられている。
次に、得られたサンプルの活性層(MQW)のSIMS分析による測定結果を図12に示す。なお、本測定では、「In0.53Ga0.47As」及び「Al0.31Ga0.69As」を標準試料として、定量測定により組成比を求めた。
実施例2では、図12に示すように、Alの組成比0.1を基準にして、縦線を引き、各層の組成について検討を行った。
図12に示す測定結果から、GaAs0.80.1からなる障壁層(barrier)を形成した後、TMAの供給によりAlを含む第2の中間層(Alml2)が形成され、In0.13Ga0.87Sからなる量子井戸層(well)を形成した後に、TMAの供給によりAlを含む第1の中間層(Alml1)とが形成されたことを確認した。
このうち、第1の中間層(Alml1)は、P及びAsの組成比を求める別途のSIMS分析結果と併せて検討したところ、Al、Ga、InAs、Pの混晶により形成された厚み2nmの(Al0.12Ga0.81In0.07As)0.910.09からなると考えられる。第1の中間層(Alml1)は、第2の中間層(Alml2)に比べてInの濃度が高く、このInの濃度は、量子井戸層(well)側から障壁層(barrier)側に向かって低くなっている。
したがって、第1の中間層(Alml1)では、量子井戸層(well)の結晶成長の後に、この量子井戸層(well)に取り込まれていないIn原子が7%ほどAlによって取り込まれたと考えられる。また、第1の中間層(Alml1)は、In原子を取り込むことによって、その後に結晶成長させる障壁層(barrier)へのIn原子の取り込みとIn原子の拡散とを防止する機能を果たしているものと考えられる。
一方、第2の中間層(Alml2)は、P及びAsの組成比を求める別途のSIMS分析結果と併せて検討したところ、Al、Ga、In、As、Pの混晶により形成された厚み2nmの(Al0.12Ga0.85In0.03As)0.960.04からなると考えられる。第2の中間層(Alml2)は、第1の中間層に比べてInの濃度が低く、このInの濃度は、量子井戸層(well)側から障壁層(barrier)側に向かって低くなっている。
したがって、第2の中間層(Alml2)では、Al原子を供給した後にIn原子が供給されるため、第1の中間層(Alml1)ほどIn原子の取り込みは見られないが、Inの3%程度の取り込みが見られた。また、第2の中間層(Alml2)は、その後に結晶成長させる量子井戸層(well)から障壁層(barrier)へのIn原子の拡散を防止する機能を果たしているものと考えられる。
なお、第2の中間層(Alml2)では、Pの濃度が極めて低く、第1の中間層におけるPの濃度よりも低い。
また、第1の中間層(Alml1)及び第2の中間層(Alml2)では、Al濃度の増加と、Ga濃度の減少とが対応している。
また、第1の中間層(Alml1)及び第2の中間層(Alml2)では、何れもAl濃度がIn濃度よりも大きい。
また、二次イオン強度の結果より、As及びPのそれぞれの増減を確認することができた。
また、量子井戸構造の両側に、Alの組成比が0.1以上を示す層が確認できるが、TMAの供給を切り替えたときに意図せずに形成された層であり、第1のSCH層(nSCH)及び第2のSCH層(pSCH)の一部と捉えている。
次に、上記実施例2のサンプルについて、活性層(MQW)におけるInの組成変化をSIMS分析により測定した結果を図13及び図14中の実線で示す。
(比較例2)
また、比較例2として、上述した障壁層(barrier)を形成する工程と、量子井戸層(Well)を形成する工程との間で、TMAの供給を行わず、活性層(MQW)を形成したサンプルを作製した。そして、この比較例2のサンプルについて、活性層(MQW)におけるInの組成変化をSIMS分析により測定した結果を図13及び図14中の破線で示す。
図13及び図14に示すように、実施例2のサンプルでは、比較例2のサンプルに比べて、量子井戸層(Well)と障壁層(barrier)との界面でのInの組成変化が急峻であることわかる。また、第1の中間層(Alml1)及び第2の中間層(Alml2)により障壁層(barrier)へのInの混入や拡散を抑制し、所定量のIn組成を有する量子井戸層(Well)を形成することができたものと考えられる。したがって、実施例2のサンプルでは、比較例2のサンプルに比べて、量子井戸層(Well)へのキャリアの閉じ込め効果を高めることによって、高い出力を得ることが可能である。
次に、上記実施例2のサンプルについて、活性層(MQW)を構成する各層について見積もったエネルギー準位を図15に示す。
量子井戸層(Well)のIn0.13Ga0.87Asのバンドギャップは、1.317eV、障壁層(barrier)のGaAs0.90.1のバンドギャップは、1.547eVと見積もることができた。
第1の中間層(Alml1)の(Al0.12Ga0.81In0.07As)0.910.09のバンドギャップは、1.603eV、第2の中間層(Alml2)の(Al0.12Ga0.85In0.03As)0.960.04のバンドギャップは、1.586eVと見積もることができた。
以下、バンドギャップの算出方法について説明する。
先ず、GaAsのバンドギャップは、1.424eVである。AlAsのバンドギャップは、2.168eVである。InAsのバンドギャップは、0.354eVである。GaPのバンドギャップは、2.26eVである。
ここで、GaAs−AlAs混晶系においては、Al組成が0.45未満である場合は直接遷移型、Al組成が0.45以上である場合は間接遷移型のため、バンドギャップと組成比との関係を示す図においては、Al組成が0.45近傍で変曲点を有する。また、第1の中間層(Alml1)及び第2の中間層(Alml2)は、何れもAl組成が0.45未満である。
そこで、第1の中間層(Alml1)及び第2の中間層(Alml2)のバンドギャップの算出においては、Al組成が0.45未満である直接遷移領域のバンドギャップを近似した直線により、Al組成が1.0の場合である2.671eVを、AlAsのバンドギャップとして用いた。
また、InAs−GaP混晶系においても、Pの組成が0.45未満である場合は直接遷移型、P組成が0.45以上である場合は間接遷移型のため、バンドギャップと組成比との関係を示す図において、P組成が0.45近傍で変曲点を有する。また、障壁層(barrier)、第1の中間層(Alml1)及び第2の中間層(Alml2)は、何れもP組成が0.45未満である。
そこで、障壁層(barrier)、第1の中間層(Alml1)及び第2の中間層(Alml2)のバンドギャップの算出においては、P組成が0.45未満である直接遷移領域のバンドギャップを近似した直線により、P組成が1.0の場合である2.6529eVを、GaPのバンドギャップとして用いた。
すなわち、GaAsのバンドギャップ(Eg(GaAs))は、1.424eV、AlAsのバンドギャップ(Eg(AlAs))は、2.671eV、InAsのバンドギャップ(Eg(InAs))は、0.354eV、GaPのバンドギャップ(Eg(GaP))は、2.6529eVとして、以下の算出を行った。
第1の中間層(Alml1)は、(Al0.12Ga0.81In0.07As)0.910.09 であることから、下記式(1)により、この第1の中間層(Alml1)のバンドキャップ(Eg1)を求めることができる。
Eg1=(0.12×Eg(AlAs)+0.81×Eg(GaAs)+0.07×Eg(InAs))×0.91+0.09×Eg(GaP) …(1)
Eg1=(0.32051+1.15344+0.02478)×0.91+0.238761=1.602614
第2の中間層(Alml2)は、(Al0.12Ga0.85In0.03As)0.960.04であることから、下記式(2)により、この第2の中間層(Alml2)のバンドキャップ(Eg2)を求めることができる。
Eg2=(0.12×Eg(AlAs)+0.85×Eg(GaAs)+0.03×Eg(InAs))×0.96+0.04×Eg(GaP) …(2)
Eg2=(0.32051+1.2104+0.01062)×0.96+0.106116=1.585994
すなわち、第1の中間層(Alml1)及び第2の中間層(Alml2)は、障壁層(barrier)よりも広いバンドギャップを有している。これにより、量子井戸層(Well)のバンドギャップの揺らぎを抑制することができるため、量子井戸層(Well)へのキャリアの閉じ込め効果を維持することができると考えられる。
1…半導体発光素子 2…基板 3…エピタキシャル成長層 4…絶縁層 5…p側コンタクト電極 6…反射層 7…第1の保護層 8…第2の保護層 9…第3の保護層 10…全反射抑制層 11…n側コンタクト電極 12…パッド電極 21…第1のクラッド層 22,22A,22B…活性層 23…第2のクラッド層 24…第1のSCH層 25…第2のSCH層 26…第1のCSL層 27…第2のCSL層 28…p側コンタクト層 31…量子井戸層 32,32A…障壁層 33A…第1の中間層 33B…第2の中間層

Claims (12)

  1. 少なくとも基板の上に、第1の導電型を有する第1のクラッド層と、障壁層の間に量子井戸層が挟み込まれた活性層と、前記第1の導電型とは反対となる第2の導電型を有する第2のクラッド層とが、順次積層された構造を備える半導体発光素子であって、
    前記量子井戸層は、Alを含まないIn系化合物半導体からなり、
    前記活性層は、前記基板側から見て、前記量子井戸層から前記障壁層へと変化する前記量子井戸層と前記障壁層との界面に、少なくとも前記障壁層よりも高い濃度のAlを含むことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記量子井戸層は、Alを含まないInGaAs系化合物半導体からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記活性層は、前記基板側から見て、前記障壁層から前記量子井戸層へと変化する前記障壁層と前記量子井戸層との界面に、少なくとも前記障壁層よりも高い濃度のAlを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記障壁層は、Alを含まないGaAsP系化合物半導体、又は、前記障壁層と前記量子井戸層との界面よりもAlの濃度が低いAlGaAsP系化合物半導体からなることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光素子。
  5. 前記活性層は、前記基板側から見て、前記量子井戸層から前記障壁層へと変化する前記量子井戸層と前記障壁層との間に、少なくとも前記障壁層よりも高い濃度のAlを含む第1の中間層と、前記障壁層から前記量子井戸層へと変化する前記障壁層と前記量子井戸層との間に、少なくとも前記障壁層よりも高い濃度のAlを含む第2の中間層とを有し、
    前記第1の中間層は、前記第2の中間層よりもInの濃度が高いことを特徴とする請求項3又は4に記載の半導体発光素子。
  6. 前記活性層は、前記基板側から見て、最下層に位置する障壁層と、最上層に位置する障壁層との間で、前記障壁層と前記量子井戸層とが交互に積層された多重量子井戸構造を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の半導体発光素子。
  7. 少なくとも基板の上に、第1の導電型を有する第1のクラッド層と、障壁層の間に量子井戸層が挟み込まれた活性層と、前記第1の導電型とは反対となる第2の導電型を有する第2のクラッド層とが、順次積層された構造を備える半導体発光素子の製造方法であって、
    前記障壁層の原料ガスを用いてエピタキシャル成長により前記障壁層を形成する工程と、前記量子井戸層の原料ガスを用いてエピタキシャル成長により前記量子井戸層を形成する工程とを交互に切り替えながら、前記障壁層の間に前記量子井戸層が挟み込まれた前記活性層を形成する際に、
    前記量子井戸層を形成する工程において、Alを含まないIn系化合物半導体を結晶成長させ、
    前記量子井戸層を形成する工程から前記障壁層を形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガスを用いてエピタキシャル成長によりAlを結晶成長させることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記量子井戸層を形成する工程において、Alを含まないInGaAs系化合物半導体を結晶成長させることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子の製造方法。
  9. 前記障壁層を形成する工程から前記量子井戸層を形成する工程へと切り替わる間に、Alを含む原料ガスを用いてエピタキシャル成長によりAlを結晶成長させることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体発光素子の製造方法。
  10. 前記障壁層を形成する工程において、Alを含まないGaAsP系化合物半導体、又は、前記障壁層と前記量子井戸層との界面よりもAlの濃度が低いAlGaAsP系化合物半導体を結晶成長させることを特徴とする請求項9に記載の半導体発光素子の製造方法。
  11. 前記Alを含む原料ガスとして、トリメチルアルミニウム(TMA)を用いることを特徴とする請求項7〜10の何れか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記基板側から見て、最下層に位置する障壁層と、最上層に位置する障壁層との間で、前記障壁層と前記量子井戸層とが交互に複数積層された多重量子井戸構造を有する前記活性層を形成することを特徴とする請求項7〜11の何れか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
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