JP2009026798A - 発光素子用エピタキシャルウェハ及びその製造方法並びに発光素子 - Google Patents

発光素子用エピタキシャルウェハ及びその製造方法並びに発光素子 Download PDF

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隆 竹内
Masakazu Omura
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Abstract

【課題】 発光素子の長時間動作に対する信頼性を向上させ、1枚のエピウェハから製造される発光素子の歩留まりを改善させる。
【解決手段】 基板と、基板上にエピタキシャル成長させたn型クラッド層及びp型クラッド層と、を備えた発光素子用エピタキシャルウェハであって、n型クラッド層中の炭素濃度が3.5×1015atoms/cm以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主にLD(Laser Diode)、LED(Light Emitted Diode)等の発光素子用エピタキシャルウェハ(以下エピウェハとも呼ぶ)及びその製造方法並びに発光素子に関する。
化合物半導体を用いたLDは、デジタルバーサタイルディスク(DVD)やコンパクトディスク(CD)等の光ディスクシステムにおいて、読み取り用光源や書き込み用光源として広く用いられている。また、化合物半導体を用いたLEDは、ディスプレイ、リモコン、センサ、車載用ランプ等のさまざまな用途に用いられている。
化合物半導体結晶を成長させる方法の一つに、有機金属気相成長法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy、以下MOVPE法)がある。MOVPE法は、III族有機金属原料ガスとV族原料ガスとを高純度水素キャリアガスとの
混合ガスとして成長炉内に導入し、成長炉内で過熱された基板付近で原料を熱分解させることにより基板上に化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させる方法である。基板上に半導体結晶をエピタキシャル成長させたものをエピウェハという。発光素子に用いられるエピウェハは、例えば、n型導電性基板上にn型バッファ層、n型クラッド層、ガイド層、活性層、ガイド層、p型クラッド層、及びp型キャップ層等が順次積層されてなる(例えば特許文献1参照)。
特開平10−270797号公報
近年、例えばDVDへの書き込み速度の倍速化や2層書き込みへの対応等により、LDにはさらなる高出力化が求められている。LDの特性の一つに動作電流(Iop)がある。Iopとは、所定のレーザ出力を得るためにLDを流れる順電流であるが、高出力化が進むと、LDに求められる特性も厳しくなり、Iopを増加させる必要が生じる。しかしながら、Iopを増加させるとLDの消費電力や発熱量が増大するため、長期間の使用に伴ってLDの特性が劣化し、信頼性を損なってしまう場合があった。
また、1枚のエピウェハからは複数の発光素子が製造されるが、これら複数の発光素子の間で特性が不均一となってしまう場合があった。そのため、1枚のエピウェハから製造した複数の発光素子を長時間動作させて信頼性試験を行った場合、生存率が低く、良好な歩留まりを得られにくい場合があった。
本発明の目的は、発光素子の長時間動作に対する信頼性を向上させ、1枚のエピウェハから製造される発光素子の歩留まりを改善させることが可能な発光素子用エピタキシャルウェハ及びその製造方法並びに発光素子を提供することにある。
本発明の第1の態様は、基板と、前記基板上にエピタキシャル成長させたn型クラッド層及びp型クラッド層と、を備えた発光素子用エピタキシャルウェハであって、前記n型クラッド層中の炭素濃度が3.5×1015atoms/cm以下である発光素子用エピタキシャルウェハである。
本発明の第2の態様は、前記n型クラッド層及びp型クラッド層はAlGaInPから
なり、前記n型クラッド層中にはSiがドーピングされている第1の態様に記載の発光素子用エピタキシャルウェハである。
本発明の第3の態様は、加熱した基板上にIII族原料ガス、V族原料ガス、ドーパント
原料、及びキャリアガスを供給し、前記基板上に少なくともn型クラッド層とp型クラッド層とをエピタキシャル成長させる発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法であって、前記n型クラッド層をエピタキシャル成長させる時に、前記基板へのV族原料ガスの供給流量をIII族原料ガスの供給流量よりも多くすることにより、前記n型クラッド層中の
炭素濃度を低下させる発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法である。
本発明の第4の態様は、前記n型クラッド層をエピタキシャル成長させる時に、前記基板へのV族原料ガスの供給流量を前記基板へのIII族原料ガスの供給流量の120倍以上
とする第3の態様に記載の発光素子用エピタキシャルウェハである。
本発明の第5の態様は、加熱した基板上にIII族原料ガス、V族原料ガス、ドーパント
原料、及びキャリアガスを供給し、前記基板上に少なくともn型クラッド層とp型クラッド層とをエピタキシャル成長させる発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法であって、前記n型クラッド層をエピタキシャル成長させる時に、前記基板を高温に保持することにより前記n型クラッド層中の炭素濃度を低下させる発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法である。
本発明の第6の態様は、前記n型クラッド層をエピタキシャル成長させる時に、前記基板を750℃に保持することにより前記n型クラッド層中の炭素濃度を低下させる第5の態様に記載の発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法である。
本発明の第7の態様は、第1または2の態様に記載した発光素子用エピタキシャルウェハを用いて製造した発光素子である。
本発明によれば、発光素子の長時間動作に対する信頼性を向上させ、1枚のエピウェハから製造される発光素子の歩留まりを改善させることが可能となる。
上述した通り、Iopを増加させるとLDの消費電力や発熱量が増加し、長期間の使用にともなってLDの特性が劣化し、信頼性を損なってしまう場合があった。また、1枚のエピウェハから製造した複数のLDを長時間動作させて信頼性試験を行った場合に、生存率が低く、良好な歩留まりを得られにくい場合があった。
発明者等は、かかる原因について鋭意研究を行った。その結果、n型クラッド層中に意図せずに炭素が混入することがあり、混入した炭素が、発光素子の長期信頼性の低下や歩留まりの悪化に影響していることを突き止めた。
炭素は、III族とV族とのp型化合物半導体を製造する際に、p型のドーパントとして
作用する。そのため、p型化合物半導体を製造する際には、例えば四臭化炭素(CBr)などのドーピング原料をその量を制御しながら供給して、意図的に炭素のドーピングを行う場合がある。しかしながら、上述の場合とは異なり、意図せずに炭素がドーピングされてしまう場合があることを発明者は突き止めたのである。例えば、III族原料ガス等は
有機金属原料を気化させることにより得られるが、有機金属原料に含まれるメチル基が分解してエピタキシャル層中に取り込まれてしまい、意図せずに炭素がドーピングされてしまう場合があることを発明者は突き止めたのである。
このように、意図せずにドーピングされた炭素は不純物であり、発光素子の特性を損なう一要因になる。例えば、n型クラッド層に炭素が混入すると、n型のドーパントが打ち消されてキャリア濃度が低下してしまう。そして、長期間の使用にともなって発光素子の特性が劣化し、信頼性を損ねてしまう場合があることを発明者等は突き止めたのである。
また、意図せずにドーピングされる炭素は、その混入量が制御されていないため、エピウェハの面内で炭素濃度が不均一となってしまう。その結果、1枚のエピウェハから製造した複数の発光素子間で特性が不均一となり、例えば、長時間動作させて信頼性試験を行った場合、生存率が低く、良好な歩留まりを得られにくいことを発明者等は突き止めたのである。
さらに、発明者等は、n型クラッド層中の炭素濃度を低下させる方法についても鋭意研究をおこなった。その結果、n型クラッド層をエピタキシャル成長させる際のIII族原料
ガスの流量とV族原料ガスの流量との比率や、エピタキシャル成長させる際の基板の温度によって、n型クラッド層中の炭素濃度を制御できることを突き止めたのである。本発明は、発明者等が得た上述の知見に基づいてなされたものである。
(1)発光素子用エピタキシャルウェハ及び発光素子
以下に、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる発光素子用エピタキシャルウェハの断面構成図である。図1に示すように、本発明の一実施形態にかかる発光素子用エピタキシャルウェハ1はLD用エピウェハとして構成されており、基板2上にIII族原料ガス及びV族原料ガ
スを用いてIII−V族化合物半導体を結晶させてなるエピタキシャル層3を形成したもの
である。
エピタキシャル層3は、基板2上に、n型バッファ層4、n型第2バッファ層5、n型クラッド層6、ガイド層7、活性層8、第2ガイド層9、p型第1クラッド層10、エッチングストップ層11、p型第2クラッド層12、中間層13、及びコンタクト層14を順次積層してなる。なお、n型第2バッファ層5が設けらる場合に限らず、n型バッファ層4の上にn型クラッド層6が直接積層されていてもよい。
n型バッファ層4及びn型第2バッファ層5は、基板2とn型クラッド層6との格子不整合を緩和するために形成される。n型クラッド層6、p型第1クラッド層10、及びp型第2クラッド層12は、活性層8に隣接あるいは近接して形成され、屈折率が低く、バンドギャップエネルギーが高い半導体材料から構成される。ガイド層7は活性層8を成長させる際のバッファ層として機能し、第2ガイド層9はp型第1クラッド層10を成長させる際のバッファ層として機能する。中間層13は、p型第2クラッド層12とコンタクト層14との格子不整合を緩和するために形成される。コンタクト層14は、キャリア密度が高く、電極(陽極)とのオーミック接触を得るために形成される。
n型クラッド層6、p型第1クラッド層10、及びp型第2クラッド層12は、例えばAlGaInPから構成されている。また、n型クラッド層6には、n型のドーパントとして例えばSiがドーピングされる。
さて、本実施形態にかかるn型クラッド層6の炭素濃度は、3.5×1015atoms/cm以下となるように構成されている。また、n型クラッド層6の炭素濃度は、発光素子用エピタキシャルウェハ1の面内全域にわたって略均一となるように構成されている。
上述のように炭素濃度を低下させたことにより、n型クラッド層6において、n型のドーパントが炭素により打ち消されてキャリア濃度が低下してしまうことが抑制され、LDの長時間動作に対する信頼性を向上させることが可能となる。また、発光素子用エピタキシャルウェハ1の面内全域にわたって炭素濃度を均一化させたことにより、1枚のエピウェハから製造される発光素子の特性を均一化させて、歩留まりを改善させることが可能となる。
(2)発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法
続いて、本発明の一実施形態にかかる発光素子用エピタキシャルウェハ1の製造方法を説明する。
まず、MOVPE装置などの半導体製造装置の炉(反応炉)内に基板2を搬入する。半導体製造装置には、III族原料ガス、V族原料ガス、ドーパント原料、及びキャリアガス
を炉内にそれぞれ供給するガス供給手段を接続しておく。
この状態で、基板2をヒータにより加熱し、加熱した基板2上に、ガス供給手段からIII族原料ガス、V族原料ガス、ドーパント原料、及びキャリアガスを供給し、上述した各
層4〜14をMOVPE法などの結晶成長法により順次成長させて積層し、上述したエピタキシャル層3を備えた発光素子用エピタキシャルウェハ1を得る。
なお、上記においては、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、基板2へのV族原料ガスの供給流量をIII族原料ガスの供給流量よりも多くすることにより、n型
クラッド層6中の炭素濃度を低下させる。具体的には、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、基板2へのV族原料ガスの供給流量を基板2へのIII族原料ガスの供
給流量の120倍以上とする。すなわち、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、(V族原料ガスの供給流量)/(III族原料ガスの供給流量)=V/III比を120以上として、n型クラッド層6中の炭素濃度を低下させる。なお、V族原料ガス及びIII
族原料ガスは、基板2の面内全域に対して均等な量を供給する。
また、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、基板2を高温に保持することによりn型クラッド層6中の炭素濃度を低下させることも可能である。具体的には、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、基板2を750℃に保持することによりn型クラッド層6中の炭素濃度を低下させることが可能である。なお、基板2の面内全域において均等な温度となるように加熱する。
なお、n型クラッド層6中の炭素濃度は、例えばSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry;2次イオン質量分析)によって測定することが出来る。SIMS分析は、O やCs+3のようなイオンを試料表面に照射し、スパッタされた原子の中でイオン化された二次イオンを質量分析することにより、物質の成分や不純物の分析を行う方法である。イオンによって試料表面がスパッタされるので、試料の表面からの深さ方向の元素分布を得ることが可能である。
(3)本実施形態にかかる効果
上述したとおり、本実施形態においては、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、基板2へのV族原料ガスの供給流量をIII族原料ガスの供給流量よりも多くする
ことにより、n型クラッド層6中の炭素濃度を低下させることが出来る。具体的には、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、基板2へのV族原料ガスの供給流量を基板2へのIII族原料ガスの供給流量の120倍以上として、n型クラッド層6中の炭素
濃度を低下させることが出来る。
また、本実施形態においては、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、基板2を高温に保持することによりn型クラッド層6中の炭素濃度を低下させることも可能である。具体的には、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、基板2を750℃に保持することによりn型クラッド層6中の炭素濃度を低下させることが可能である。
そして、n型クラッド層6中の炭素濃度を3.5×1015atoms/cm以下とすることにより、n型クラッド層6において、n型のドーパントが炭素により打ち消されてキャリア濃度が低下してしまうことを抑制することが可能となり、発光素子用エピタキシャルウェハ1から製造するLDの長時間動作に対する信頼性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態においては、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、基板2の面内全域にわたり、V族原料ガスの供給流量とIII族原料ガスの供給流量との比率
が均一になるように制御している。また、基板2の面内全域にわたり、温度を調整するように制御している。その結果、発光素子用エピタキシャルウェハ1の面内全域にわたってn型クラッド層6の炭素濃度を均一に低下させることが可能となる。その結果、1枚のエピウェハから製造される発光素子の特性を均一化させ、歩留まりを改善させることが可能となる。
上述の実施形態では、発光素子用エピタキシャルウェハ1としてLD用のエピウェハの例で説明したが、本実施形態にかかる発光素子用エピタキシャルウェハ1及びその製造方法は、MOVPE成長法により製造するLED用のエピウェハにも好適に適用可能である。
また、本実施形態にかかる発光素子用エピタキシャルウェハ1及びその製造方法は、AlGaInPやAlGaAsに限らず、青紫LDや青色LED等に用いられるGaN系のエピウェハにも好適に適用可能である。
以下に、本発明の実施例を比較例を交えながら説明する。図2は、本発明の実施例にかかるV/III比とn型クラッド層中の炭素濃度との相関を示すグラフ図である。図3は、
本発明の実施例にかかる発光素子用エピタキシャルウェハの構成を示す表図である。図4は、本発明の実施例を比較例を交えながら説明するグラフ図である。
(実施例1)
まず、基板2を加熱するヒータの温度を700℃とし、V/III比を変化させながら(
Al0.7Ga0.30.51In0.49Pからなるn型クラッド層6を成長させ、n型クラッド層6中の炭素濃度を測定した。n型クラッド層6中の炭素濃度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry;2次イオン質量分析)によって測定した。炭素濃度の検出加減は1〜2×1015atoms/cmである。
測定結果を図2の破線に示す。図2によれば、V/III比を高くすることにより炭素濃
度を低下できていることが分かる。なお、炭素濃度はn型クラッド層6の最上層から略1μmの深さで測定した。なお、Ga0.51In0.49Pからなるn型クラッド層6を成長させて測定を行ったところ、上記とほぼ同様の試験結果を得た。
(実施例2)
続いて、基板2を加熱するヒータの温度を750℃として、実施例1と同様にn型クラッド層6を成長させ、n型クラッド層6中の炭素濃度を測定した。
測定結果を図2の実線に示す。図2によれば、基板2を加熱するヒータの温度を750℃とすることにより、さらに炭素濃度を低下できていることが分かる。すなわち、n型クラッド層6をエピタキシャル成長させる時に、基板2を高温に保持することにより、n型クラッド層6中の炭素濃度をさらに低減できていることが分かる。なお、Ga0.51In0.49Pからなるn型クラッド層6を成長させて測定を行ったところ、上記とほぼ同様の試験結果を得た。
(実施例3)
上述した製造方法を用い、図3に示す構造のエピウェハを製造した。なお、図3においてはn型、p型をそれぞれ“n−”,“p−”で示し、不純物を添加しないものはアンドープと呼び“un−”で示した。なお、実施例3においては、Ga原料としてTMG(トリメチルガリウム)、Al原料としてTMA(トリメチルアルミニウム)、In原料としてTMI(トリメチルインジウム)、As原料としてAsH(アルシン)、P原料としてPH(ホスフィン)、Si原料としてSi(ジシラン)、p型の不純物であるZn原料としてDMZ(ジメチル亜鉛)を用いた。
具体的には、n型GaAs基板として構成された厚さ500μmの導電性の基板2上に、n型バッファ層4として厚さ200nmのn型GaAs層(キャリア濃度1.×1018atoms/cm)、n型第2バッファ層5として厚さ200nmのn型Ga0.51In0.49P層(キャリア濃度1.0×1018atoms/cm)、n型クラッド層6として厚さ2500nmのn型(Al0.68Ga0.320.51In0.49P層、ガイド層7として厚さ15nmの不純物を添加しない(Al0.68Ga0.320.51In0.49P層を順に成長させた。
そして、ガイド層7上に厚さ49nmの活性層8を成長させた。活性層8は、Ga0.51In0.49Pをウェル、(Al0.5Ga0.50.51In0.49Pをバリアとした3重の量子井戸構造とした。なお、活性層8には不純物は添加していない。
そして、活性層8上に、第2ガイド層9として厚さ70nmのガイド層7と同様の結晶からなる層、p型第1クラッド層10として厚さ300nmの(Al0.7Ga0.30.51In0.49P層(キャリア濃度1.0×1018atoms/cm)、エッチングストップ層11として厚さ9nmの不純物を添加しないGa0.55In0.45P層、p型第2クラッド層12として厚さ1500nmのp型第1クラッド層10と同様の結晶からなる層、中間層13としてp型第2クラッド層12とコンタクト層14との格子不整合を緩和する厚さ50nmのp型Ga0.51In0.49P層(キャリア濃度1.5×1018atoms/cm)を順に成長させ、最上層には、コンタクト層14として厚さ300nmのp型高濃度のGaAs(キャリア濃度5.0×1018atoms/cm)を成長させた。
なお、n型クラッド層6を成長させる際には、n型クラッド層6中の炭素濃度がそれぞれ1.5×1015、2.5×1015、3.5×1015atoms/cmとなるようにV/III比、及び基板2を加熱するヒータの温度を調整した。
そして、上述の発光素子用エピタキシャルウェハ1を用いて複数のLDを製造してそれぞれ100個ずつ抽出し、1000時間の信頼性試験を実施した。かかる試験結果を図4の○記号にて示す。図4の横軸はn型クラッド層6中の炭素濃度を示しており、縦軸は信頼性試験に合格したLDの割合をパーセントで示している。図4によれば、n型クラッド
層6中の炭素濃度が3.5×1015atoms/cm以下であれば、長時間動作に対する信頼性は高く、1枚のエピウェハから製造される発光素子の歩留まりは良好であることが分かる。
(比較例)
一方、V/III比および基板2を加熱するヒータの温度を調整して、n型クラッド層6
中の炭素濃度を3.5×1015atoms/cmを超える範囲とし、実施例3と同様の発光素子用エピタキシャルウェハ1を6枚製造した。具体的には、n型クラッド層6中の炭素濃度を3.64×1015、3.76×1015、3.89×1015、4.5×1015、5.5×1015、7.5×1015atoms/cmとなるようにV/III比、及び基板2を加熱するヒータの温度を調整した。
そして、上述の発光素子用エピタキシャルウェハ1から複数のLDを製造してそれぞれ100個ずつ抽出し、1000時間の信頼性試験を実施した。かかる試験結果を図4の●記号にて示す。図4によれば、n型クラッド層6中の炭素濃度が3.5×1015atoms/cmを超えた場合には、長時間動作に対する信頼性が低下し、1枚のエピウェハから製造される発光素子の歩留まりが悪化していることが分かる。
本発明の一実施形態にかかる発光素子用エピタキシャルウェハの断面構成図である。 本発明の実施例にかかるV/III比とn型クラッド層中の炭素濃度との相関を示すグラフ図である。本発明の実施例にかかる発光素子用エピタキシャルウェハの構成を示す表図である。 本発明の実施例にかかる発光素子用エピタキシャルウェハの構成を示す表図である。 本発明の実施例を比較例を交えながら説明するグラフ図である。
符号の説明
1 発光素子用エピタキシャルウェハ
2 基板
3 エピタキシャル層
4 n型バッファ層
5 n型第2バッファ層
6 n型クラッド層
7 ガイド層
8 活性層
9 第2ガイド層
10 p型第1クラッド層
11 エッチングストップ層
12 p型第2クラッド層
13 中間層
14 コンタクト層

Claims (7)

  1. 基板と、前記基板上にエピタキシャル成長させたn型クラッド層及びp型クラッド層と、を備えた発光素子用エピタキシャルウェハであって、
    前記n型クラッド層中の炭素濃度が3.5×1015atoms/cm以下である
    ことを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハ。
  2. 前記n型クラッド層及びp型クラッド層はAlGaInPからなり、前記n型クラッド層中にはSiがドーピングされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子用エピタキシャルウェハ。
  3. 加熱した基板上にIII族原料ガス、V族原料ガス、ドーパント原料、及びキャリアガス
    を供給し、前記基板上に少なくともn型クラッド層とp型クラッド層とをエピタキシャル成長させる発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法であって、
    前記n型クラッド層をエピタキシャル成長させる時に、前記基板へのV族原料ガスの供給流量をIII族原料ガスの供給流量よりも多くすることにより、前記n型クラッド層中の
    炭素濃度を低下させる
    ことを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。
  4. 前記n型クラッド層をエピタキシャル成長させる時に、前記基板へのV族原料ガスの供給流量を前記基板へのIII族原料ガスの供給流量の120倍以上とする
    ことを特徴とする請求項3に記載の発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。
  5. 加熱した基板上にIII族原料ガス、V族原料ガス、ドーパント原料、及びキャリアガス
    を供給し、前記基板上に少なくともn型クラッド層とp型クラッド層とをエピタキシャル成長させる発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法であって、
    前記n型クラッド層をエピタキシャル成長させる時に、前記基板を高温に保持することにより前記n型クラッド層中の炭素濃度を低下させる
    ことを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。
  6. 前記n型クラッド層をエピタキシャル成長させる時に、前記基板を750℃に保持することにより前記n型クラッド層中の炭素濃度を低下させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。
  7. 請求項1または2に記載した発光素子用エピタキシャルウェハを用いて製造した
    ことを特徴とする発光素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018098356A (ja) * 2016-12-13 2018-06-21 三菱電機株式会社 Iii−v族窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法

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