JP2001303123A - Fe−Ni系合金材料製造用鋳塊の製造方法 - Google Patents

Fe−Ni系合金材料製造用鋳塊の製造方法

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JP2001303123A
JP2001303123A JP2000125873A JP2000125873A JP2001303123A JP 2001303123 A JP2001303123 A JP 2001303123A JP 2000125873 A JP2000125873 A JP 2000125873A JP 2000125873 A JP2000125873 A JP 2000125873A JP 2001303123 A JP2001303123 A JP 2001303123A
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etching
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Kaoru Fujimoto
馨 藤本
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Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチングむら品位を低下することなく、コ
スト低減可能なシャドウマスク用等のFe−Ni系合金材料
製造用鋳塊の製造方法の提供。 【解決手段】 特定量のNiを含みエッチング処理される
Fe−Ni系合金材料製造用鋳塊の製造方法であり、真空誘
導加熱精錬法でArの吹き込みを含む脱酸精錬をした溶湯
を、鋳造して鋳塊とする。Arの吹き込み終了以前に脱酸
剤を溶湯1t当たり、Alで0.1kg/t以下添加とすると
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてシャドウ
マスク材等エレクトロニクス関連製品の分野で使用さ
れ、質量で20−80%のNiを含む、とりわけフォト
エッチング(以下エッチングと記す)による加工を行っ
て使用される際に、優れた性能を発揮するFe−Ni系
合金材料製造用鋳塊の鋳造方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】質量で20−80%、特に30−50%
のNiを含むFe−Ni系合金は、エッチング処理を経
て、シャドウマスク材、リードフレーム材等に広く使用
されている。シャドウマスクは、Fe−Ni系合金材料
製造用鋳塊を分塊、熱間圧延、冷間圧延を経て薄板材と
し、該薄板材をエッチングにより所定の間隔、形状の多
数の微細孔を穿孔し、軟化焼鈍後所定の3次元曲面形状
にプレス成形して製造される。
【0003】エッチング後のシャドウマスク薄板材を反
射光または透過光で観察すると、「スジむら」と呼ばれ
る圧延方向に平行な多数のエッチングむらによるスジ模
様が見える場合がある。また該スジむら以外にも種々の
エッチングむらが知られている。これらのむらの部分
は、微細孔が所定の径あるいは形状から偏倚したり、エ
ッチング面の荒れ等を呈しており、これらは、画像の部
分的な色調や明るさの乱れを生じたり電子線を散乱する
等の原因となる。特に近年普及の著しいコンピュータの
モニタ用に使用される高精細なブラウン管では、これら
のエッチングむらによる乱れ等の影響が顕著となる。こ
のエッチングむらの原因としては、AlやMnS
等の非金属介在物およびNi、Mn等の成分のミクロ偏
析が考えられている。
【0004】シャドウマスク用Fe−Ni系合金は、低
熱膨張特性、エッチング速度およびエッチングむら品
位、プレス成形性等の関係から、質量で例えば、Ni3
4〜38%、C≦0.005%、Mn:0.25〜0.
35%、S≦0.0025%、O≦0.0050%、残
部がFeおよび不可避的不純物等の組成とされる。この
ように組成的にC、O、Sが極度に低いため、製造方法
としては、特許第2795703号が述べているよう
に、従来、真空誘導加熱精錬法(以下VIMと記す)に
よりCを下げ、さらに真空アーク再溶解炉(以下VAR
と記す)でOを下げて溶製されていた。しかし、VIM
においてはSを下げることができないため、極低Sの原
料を用いなければならなかった。
【0005】特許第2795703号は、この極低Sの
原料は非常に高価格のため、コスト低減の目的から、第
1工程:脱硫を主目的とする溶解でSが質量で20pp
m以下のNi−Fe系合金の母材を造塊する工程、第2
工程:前記母材を用いて脱炭を主目的とし消耗電極を溶
製する工程および第3工程:前記消耗電極を用いてVA
Rにより再溶解する工程からなるFe−Ni系合金の溶
製方法を提案している。この方法は、高価格である極低
Sの原料を必要としない点で有効な方法である。また、
特開平6−128662号は、シャドウマスク用等のF
e−Ni系合金インゴットの造塊方法として、Cが50
質量ppm以下の消耗電極を作る第1の工程と、最終的
な鋳塊のSが20質量ppm以下、Oが50質量ppm
以下の再溶解鋳塊を作る第2の工程からなる方法を提案
しており、該第1および2の工程の望ましい方法とし
て、それぞれVIMおよびエレクトロスラグ再溶解法
(以下ESRと記す)を挙げている。また、特開平5−
222541号は、特定組成のNi−Fe系合金の製造
方法として、VIMで溶解、脱炭、脱酸し、真空中で鋳
造する方法を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】シャドウマスク用Fe
−Ni系合金において、最近、特に高精細のブラウン管
への要求からエッチングむらに関するより高い品質的要
求や、コスト低減等の要求が強くなってきた。本発明
は、エッチングむら品位を低下することなく、コスト低
減可能なシャドウマスク用等のFe−Ni系合金製造用
鋳塊の製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来、実施または提案さ
れてきたVARやESRの再溶解工程の役割は、脱酸、
脱硫、非金属介在物の低減等である。そこで、本発明者
等は、VIM工程でArガス吹き込み精錬をすることに
より、上記従来の再溶解工程の省略に成功した。
【0008】すなわち、本発明は、質量%で20−80
%のNiを含みエッチング処理されるFe−Ni系合金
材料製造用鋳塊の製造方法において、真空誘導加熱精錬
法でArの吹き込みを含む脱酸精錬をした溶湯を鋳造し
て鋳塊とするFe−Ni系合金材料製造用鋳塊の製造方
法である。本発明において、真空誘導加熱精錬法でAr
の吹き込みを含む脱酸精錬をした後、必要に応じて、温
度変更、鎮静、フラックスの添加もしくはフィルタによ
る濾過等を行なうことができる。なお、本発明において
鋳塊とは、インゴットケースへの鋳造によるもののみな
らず、連続鋳造のスラブも含まれる。
【0009】また、本発明でいうFe−Ni系合金と
は、Feと少なくともNiが20−80%、望ましくは
30−50%、さらに望ましくは34−48%含まれて
いるものであり、その合金薄板がエッチング加工される
ものに限定される。但し、Niが上記の範囲であれば、
合金の脱酸や強化等のために添加される、例えばSi、
Mn、Al、Ti、Ca、Mg、B、Cr、Mo、V、
Co、Nbなどの他の元素が含まれても良いものとす
る。
【0010】本発明において、VIMは、溶湯の冷却を
防止して精錬に必要な十分な時間に亘り必要な温度保持
または昇温を可能とし、また加熱手段からの汚染がな
い。本発明は、このVIMで、Arガスの吹き込みによ
り、C−O反応の十分なレベルまでの進行と非金属介在
物の浮上分離を行い、最終的に脱酸生成物が非金属介在
物として残留する恐れのあるSi、Mn、Al、Ti、
Ca、Mg等の脱酸剤を使用するにしても、Alで0.
1kg/t(溶湯)以下、Al以外の脱酸剤では0.1
kg/t×当量比(当該脱酸剤の当量/Alの当量)以
下の少量とし、該の脱酸剤の添加後にArガスの吹き込
みを終了することで、該添加による脱酸生成物も十分に
凝集、浮上させることにより、VAR、ESR等による
非金属介在物除去を不必要としたものである。なお、当
量とは酸素の1/2グラム原子と化合する他の元素の量
である。
【0011】脱炭方法等として、AOD(アルゴン−酸
素吹き脱炭法)法、VOD(真空−酸素吹き脱炭法)法
等が公知である(例えば、特開昭62−174351号
等)が、これらの方法では酸素ガスを使用するため、そ
の後の脱酸剤の使用により非金属介在物となる可能性が
ある脱酸生成物を多量に発生することになる。本発明の
VIMでのArガス吹き込みの効果は、大気圧下で取鍋
底からArガスを送入するAOD法に対して、真空中で
溶湯にガスを吹き込むことにより少量のガスで大きな攪
拌効果が期待され、C−O反応促進や脱ガス効果の点で
大きく優れる。また、取鍋精錬法として、ASEA−S
KF法、VAD法、LF法等が知られているが、これら
の方法は、黒鉛電極による電弧加熱を行うものであるた
め、本発明の対象材料である極低C材料に対してはCの
ピックアップが懸念される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、Arガスの吹き
込み方法は、ポーラスプラグを用いる等による炉底吹き
込み法が、攪拌による反応促進効果、非金属介在物の浮
上効果、Ar使用効率等の点で有効である。また、高価
なArガスの吹き込みのみで十分に脱酸することはコス
ト上不利となるから、Al等の脱酸剤を併用するのが望
ましく、その際は脱酸剤の添加後Arガスの吹き込みを
継続または再開することで、脱酸剤添加による脱酸生成
物の浮上分離を図る。
【0013】
【実施例】36%NiのFe−Ni合金塊をVIMで再
溶解し、圧力を133Pa以下に保持しつつ、Arガス
を吹き込み(本発明)および吹き込まず(比較例)、真
空精錬により脱C、脱Oし、脱酸剤としてAlを添加し
た後真空中で鋳造し、該鋳塊を分塊、熱間および冷間圧
延を経て薄板とし、エッチングテストに供した。なお、
本発明でのAlの添加はArガス吹き込み継続中に行な
った。表1にAr吹き込みの有無、Al添加前の残留酸
素量、Al添加量、圧延途中のスラブ段階での清浄度
(d(a+b+c))および薄板状態でのエッチングむ
ら品位を示す。
【0014】表1から、本発明のNo.1および2、特
に1は、十分なAr吹き込みにより十分に脱酸され、A
lの添加を少量としても残留酸素量は低いため、その後
のスラブ段階での清浄度が高く、薄板でのエッチングむ
ら品位も高いこと、これに対して、比較例のNo.3お
よび4は、Ar吹き込みが無いため残留酸素が多く、脱
酸剤としてのAl添加量も多くなり、スラブ段階での清
浄度も、薄板でのエッチングむら品位も低いことが分
る。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明は以上に述べたように、VIMで
Arの吹き込みを含む脱酸精錬を行いC−O反応による
脱炭、脱酸を高度に進行させることにより、脱酸後非金
属介在物となる可能性がある脱酸剤の使用量を少量と
し、しかもこれらの脱酸生成物をArの吹き込みにより
十分に浮上させることで高度に清浄化して鋳造するもの
であり、エッチングむら品位を低下することなく、精錬
工程を短縮して大幅なコスト低減を可能とするものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21C 7/06 C21C 7/06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で20−80%のNiを含みエッ
    チング処理されるFe−Ni系合金材料製造用鋳塊の製
    造方法において、真空誘導加熱精錬法でArの吹き込み
    を含む脱酸精錬をした溶湯を鋳造して鋳塊とすることを
    特徴とするFe−Ni系合金材料製造用鋳塊の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 Arの吹き込み終了以前に脱酸剤を添加
    するもので、該脱酸剤の添加量は溶湯1t当たり、Al
    で0.1kg/t以下、Al以外の脱酸剤では0.1k
    g/t×当量比(当該脱酸剤の当量/Alの当量)以下
    である請求項1のFe−Ni系合金材料製造用鋳塊の製
    造方法。
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