JP2002105527A - 高清浄度鋼の製造方法 - Google Patents
高清浄度鋼の製造方法Info
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- JP2002105527A JP2002105527A JP2000291984A JP2000291984A JP2002105527A JP 2002105527 A JP2002105527 A JP 2002105527A JP 2000291984 A JP2000291984 A JP 2000291984A JP 2000291984 A JP2000291984 A JP 2000291984A JP 2002105527 A JP2002105527 A JP 2002105527A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Abstract
(57)【要約】
【課 題】 アルミナクラスターの生成を抑制し、かつ
介在物を微細化し、介在物に起因する欠陥の少ない高清
浄度鋼の製造方法を提供する。 【解決手段】 溶銑を精錬して、Siを0.50〜1.00質量
%,Mnを 1.0〜2.0 質量%含有する溶鋼を溶製し、次い
でMg,Al,ZrおよびREM を添加して複合脱酸処理を行な
い、Mgを0.0005〜0.0050質量%,Alを 0.005質量%以
下,Zrを 0.001〜0.005 質量%, REMを0.0005〜0.005
質量%を含有する溶鋼を溶製する。
介在物を微細化し、介在物に起因する欠陥の少ない高清
浄度鋼の製造方法を提供する。 【解決手段】 溶銑を精錬して、Siを0.50〜1.00質量
%,Mnを 1.0〜2.0 質量%含有する溶鋼を溶製し、次い
でMg,Al,ZrおよびREM を添加して複合脱酸処理を行な
い、Mgを0.0005〜0.0050質量%,Alを 0.005質量%以
下,Zrを 0.001〜0.005 質量%, REMを0.0005〜0.005
質量%を含有する溶鋼を溶製する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巨大介在物やクラ
スター状介在物を生成させることなく溶鋼を脱酸し、か
つ介在物を微細化して分散し、介在物に起因する欠陥の
少ない製品を得るための高清浄度鋼の製造方法に関す
る。
スター状介在物を生成させることなく溶鋼を脱酸し、か
つ介在物を微細化して分散し、介在物に起因する欠陥の
少ない製品を得るための高清浄度鋼の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼を製造する場合、高炉で溶製
された溶銑を転炉で脱炭精錬した後、取鍋内に出鋼し、
Alで脱酸して溶鋼中の酸素を酸化物として除去し、さら
に成分調整を行なってから連続鋳造して鋳片を得てい
る。さらに、Alで脱酸する際、ガス攪拌やRH脱ガス装
置を用いて酸化物を凝集・合体させ、酸化物の浮上を促
進する方策が採られているが、鋳片には不可避的に酸化
物すなわちアルミナが残留する。
された溶銑を転炉で脱炭精錬した後、取鍋内に出鋼し、
Alで脱酸して溶鋼中の酸素を酸化物として除去し、さら
に成分調整を行なってから連続鋳造して鋳片を得てい
る。さらに、Alで脱酸する際、ガス攪拌やRH脱ガス装
置を用いて酸化物を凝集・合体させ、酸化物の浮上を促
進する方策が採られているが、鋳片には不可避的に酸化
物すなわちアルミナが残留する。
【0003】このアルミナは互いに凝集・合体してクラ
スターを形成しやすく、特にそのクラスターが鋳片の表
層部に捕捉された場合、美麗さを要求される自動車用鋼
板などの薄鋼板製品の表面性状が損なわれる。したがっ
て、この種の鋼板においてアルミナクラスターの発生を
防止することは極めて重要である。これまでアルミナク
ラスターの生成を防止するための鋼の脱酸手段として
は、例えば、特公昭63-41671号公報には、溶鋼中のCa濃
度が 0.001質量%以上になるようにCaを添加してAlとの
複合脱酸とし、生成する酸化物が Al2O3 −CaOやTiO
2 −CaO等の低融点組成物に形態を変更する方法が提案
されている。
スターを形成しやすく、特にそのクラスターが鋳片の表
層部に捕捉された場合、美麗さを要求される自動車用鋼
板などの薄鋼板製品の表面性状が損なわれる。したがっ
て、この種の鋼板においてアルミナクラスターの発生を
防止することは極めて重要である。これまでアルミナク
ラスターの生成を防止するための鋼の脱酸手段として
は、例えば、特公昭63-41671号公報には、溶鋼中のCa濃
度が 0.001質量%以上になるようにCaを添加してAlとの
複合脱酸とし、生成する酸化物が Al2O3 −CaOやTiO
2 −CaO等の低融点組成物に形態を変更する方法が提案
されている。
【0004】しかしながら、この方法では、Ca合金とし
てCaSi,CaAl,FeCaを用い、溶鋼中のCa濃度を 0.001質
量%以上になるように添加するが、Caの蒸気圧が高いた
めに、その歩留りが低いばかりでなく、Ca濃度が安定せ
ず、しかも溶鋼の飛散やヒュームが発生して操業を妨げ
る。また、溶鋼中のCa濃度が 0.001質量%以上になる
と、冷延鋼板に錆が発生しやすくなるという問題もあ
る。
てCaSi,CaAl,FeCaを用い、溶鋼中のCa濃度を 0.001質
量%以上になるように添加するが、Caの蒸気圧が高いた
めに、その歩留りが低いばかりでなく、Ca濃度が安定せ
ず、しかも溶鋼の飛散やヒュームが発生して操業を妨げ
る。また、溶鋼中のCa濃度が 0.001質量%以上になる
と、冷延鋼板に錆が発生しやすくなるという問題もあ
る。
【0005】また、Alとの複合脱酸法による酸化物の形
態変更方法として、特公昭57-7216号公報には、Caを用
いずに、Al:15〜89.5 mol%,Ti:10〜80 mol%,およ
びY,Ceまたはミッシュメタルの1種または2種以上の
金属を 0.5〜5 mol%含有する合金を添加する方法であ
る。しかしながら、この方法を採用すると、デンドライ
ト状の酸化物系介在物の生成を防止したり巨大なクラス
ター状介在物の発生防止には効果が認められるが、自動
車用冷延鋼板で問題となるような直径100 μm程度のク
ラスター状介在物の低減は不十分である。
態変更方法として、特公昭57-7216号公報には、Caを用
いずに、Al:15〜89.5 mol%,Ti:10〜80 mol%,およ
びY,Ceまたはミッシュメタルの1種または2種以上の
金属を 0.5〜5 mol%含有する合金を添加する方法であ
る。しかしながら、この方法を採用すると、デンドライ
ト状の酸化物系介在物の生成を防止したり巨大なクラス
ター状介在物の発生防止には効果が認められるが、自動
車用冷延鋼板で問題となるような直径100 μm程度のク
ラスター状介在物の低減は不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題を解決し、アルミナクラスターの生成を抑制し、か
つ介在物を微細化して分散し、介在物に起因する欠陥の
少ない高清浄度鋼の製造方法を提供することを目的とす
る。
問題を解決し、アルミナクラスターの生成を抑制し、か
つ介在物を微細化して分散し、介在物に起因する欠陥の
少ない高清浄度鋼の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶銑を精錬し
て、Si:0.50〜1.00質量%、Mn: 1.0〜2.0 質量%、を
含有する溶鋼を溶製し、次いでMg、Al、Zrおよび希土類
元素を添加して複合脱酸処理を行ない、Mg:0.0005〜0.
0050質量%、Al: 0.005質量%以下、Zr: 0.001〜0.00
5 質量%、希土類元素:0.0005〜0.005 質量%を含有す
る溶鋼を溶製する高清浄度鋼の製造方法である。
て、Si:0.50〜1.00質量%、Mn: 1.0〜2.0 質量%、を
含有する溶鋼を溶製し、次いでMg、Al、Zrおよび希土類
元素を添加して複合脱酸処理を行ない、Mg:0.0005〜0.
0050質量%、Al: 0.005質量%以下、Zr: 0.001〜0.00
5 質量%、希土類元素:0.0005〜0.005 質量%を含有す
る溶鋼を溶製する高清浄度鋼の製造方法である。
【0008】前記した発明においては、好適態様とし
て、希土類元素が、La,Ce,Pr,NdおよびYのうちの1
種または2種以上であることが好ましい。
て、希土類元素が、La,Ce,Pr,NdおよびYのうちの1
種または2種以上であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】鋳片の材質を向上させる方法とし
て微細な介在物を鋼材内に分散させて、これを変態ある
いは析出物の核として利用する技術がある。この場合、
介在物は微小であることが必須であり、粒径 0.5〜5μ
m程度であることが望ましい。特に粒径10μm以上の大
きな介在物の生成は、鋳片の材質、特に割れ感受性に悪
影響を与える。さらに、クラスター状介在物は粒径50μ
m以上に巨大化し、鋼板の表面品質やバーリング特性に
悪影響を及ぼす。そのため粒径50μm以上の巨大なクラ
スター状介在物を生成させずに、介在物を可能な限り低
減し、全体として微細な介在物を多数分散させる必要が
ある。
て微細な介在物を鋼材内に分散させて、これを変態ある
いは析出物の核として利用する技術がある。この場合、
介在物は微小であることが必須であり、粒径 0.5〜5μ
m程度であることが望ましい。特に粒径10μm以上の大
きな介在物の生成は、鋳片の材質、特に割れ感受性に悪
影響を与える。さらに、クラスター状介在物は粒径50μ
m以上に巨大化し、鋼板の表面品質やバーリング特性に
悪影響を及ぼす。そのため粒径50μm以上の巨大なクラ
スター状介在物を生成させずに、介在物を可能な限り低
減し、全体として微細な介在物を多数分散させる必要が
ある。
【0010】脱酸過程で生成した酸化物等の介在物は、
凝固までの時間内に介在物同士が衝突すると、高融点で
あるため球状化しにくく、塊状生成物となり、凝集して
クラスターを生成する。そのためクラスター生成の抑制
方法として、介在物の融点を下げ、溶鋼段階で介在物自
身が溶融していることが必要である。この方法として、
以下に説明する脱酸元素を添加することにより介在物の
低融点化を図り、介在物のクラスター化を抑制する。
凝固までの時間内に介在物同士が衝突すると、高融点で
あるため球状化しにくく、塊状生成物となり、凝集して
クラスターを生成する。そのためクラスター生成の抑制
方法として、介在物の融点を下げ、溶鋼段階で介在物自
身が溶融していることが必要である。この方法として、
以下に説明する脱酸元素を添加することにより介在物の
低融点化を図り、介在物のクラスター化を抑制する。
【0011】以下に本発明におけるSi,Mn,Mg,Al,Zr
および希土類元素(以下、REMという)の含有量の限
定理由を説明する。 Si:0.50〜1.00質量% Siは、脱酸のために必要な元素であるが、その含有量が
1.00質量%を超えると靱性の低下を招く。一方、Siの含
有量が0.50質量%未満では脱酸不足となり、鋼中の酸素
濃度が上がり清浄度が悪化する。したがってSiの含有量
を0.50〜1.00質量%の範囲内に限定した。
および希土類元素(以下、REMという)の含有量の限
定理由を説明する。 Si:0.50〜1.00質量% Siは、脱酸のために必要な元素であるが、その含有量が
1.00質量%を超えると靱性の低下を招く。一方、Siの含
有量が0.50質量%未満では脱酸不足となり、鋼中の酸素
濃度が上がり清浄度が悪化する。したがってSiの含有量
を0.50〜1.00質量%の範囲内に限定した。
【0012】Mn: 1.0〜2.0 質量% Mnは、脱酸および靱性改善のために必要な元素であり、
靱性改善の効果はMn/C比が大きいほど良い。しかしな
がらMnの含有量が 2.0質量%を超えると、強度が大きく
なりすぎて靱性の低下を招く。一方、Mnの含有量が 1.0
質量%未満では靱性改善の効果が得られない。したがっ
てMnの含有量を 1.0〜2.0 質量%の範囲内に限定した。
靱性改善の効果はMn/C比が大きいほど良い。しかしな
がらMnの含有量が 2.0質量%を超えると、強度が大きく
なりすぎて靱性の低下を招く。一方、Mnの含有量が 1.0
質量%未満では靱性改善の効果が得られない。したがっ
てMnの含有量を 1.0〜2.0 質量%の範囲内に限定した。
【0013】Mg:0.0005〜0.0050質量% Mgは、本発明の重要な構成要素である。Mg系酸化物はア
ルミナクラスターの生成を防止し、微細化して分散させ
る効果がある。Mgの含有量が0.0005質量%未満では、脱
酸剤の添加にともなう介在物の生成が少なく、巨大介在
物が生成する。一方、Mgの含有量が0.0005質量%を超え
ると、介在物中のMg酸化物の濃度が高くなり、介在物の
融点が上昇する。そのため介在物はクラスター化し、微
細な介在物が減少する。したがってMgの含有量を0.0005
〜0.0050質量%の範囲内に限定した。なおMgの含有量
(質量%)と介在物あるいはクラスターの個数との関係
は図1に示す通りである。
ルミナクラスターの生成を防止し、微細化して分散させ
る効果がある。Mgの含有量が0.0005質量%未満では、脱
酸剤の添加にともなう介在物の生成が少なく、巨大介在
物が生成する。一方、Mgの含有量が0.0005質量%を超え
ると、介在物中のMg酸化物の濃度が高くなり、介在物の
融点が上昇する。そのため介在物はクラスター化し、微
細な介在物が減少する。したがってMgの含有量を0.0005
〜0.0050質量%の範囲内に限定した。なおMgの含有量
(質量%)と介在物あるいはクラスターの個数との関係
は図1に示す通りである。
【0014】Al:0.005 質量%以下 Alは、強脱酸元素であるため、少量でもSiO2 やMnOを
還元し、 Al2O3 を形成する。Alの含有量が高くなると
介在物中の Al2O3 濃度が高くなり、介在物の融点が上
昇する。そのため介在物はクラスター化し、微細な介在
物は減少する。したがってAlの含有量は少ないほど良
く、許容上限値は0.005 質量%とした。なおAlの含有量
(質量%)と介在物あるいはクラスターの個数との関係
は図2に示す通りである。
還元し、 Al2O3 を形成する。Alの含有量が高くなると
介在物中の Al2O3 濃度が高くなり、介在物の融点が上
昇する。そのため介在物はクラスター化し、微細な介在
物は減少する。したがってAlの含有量は少ないほど良
く、許容上限値は0.005 質量%とした。なおAlの含有量
(質量%)と介在物あるいはクラスターの個数との関係
は図2に示す通りである。
【0015】Zr: 0.001〜0.005 質量% Zrは、介在物をクラスター化せず微細な球状にし、かつ
均一に分散させる効果がある。Zrの含有量が 0.001質量
%未満では、脱酸剤の添加にともなう介在物の生成が少
なく、巨大介在物が生成する。一方、Zrの含有量が 0.0
05質量%を超えると、介在物中のZr酸化物の濃度が高く
なり、介在物の融点が上昇する。そのため介在物はクラ
スター化し、微細な介在物が減少する。したがってZrの
含有量を0.001〜0.005 質量%の範囲内に限定した。な
おZrの含有量(質量%)と介在物あるいはクラスターの
個数との関係は図3に示す通りである。
均一に分散させる効果がある。Zrの含有量が 0.001質量
%未満では、脱酸剤の添加にともなう介在物の生成が少
なく、巨大介在物が生成する。一方、Zrの含有量が 0.0
05質量%を超えると、介在物中のZr酸化物の濃度が高く
なり、介在物の融点が上昇する。そのため介在物はクラ
スター化し、微細な介在物が減少する。したがってZrの
含有量を0.001〜0.005 質量%の範囲内に限定した。な
おZrの含有量(質量%)と介在物あるいはクラスターの
個数との関係は図3に示す通りである。
【0016】REM :0.0005〜0.005 質量% REM は、Zrと同様に、介在物をクラスター化せず微細な
球状にし、かつ均一に分散させる効果がある。REM の含
有量が0.0005質量%未満では、脱酸剤の添加にともなう
REM酸化物の生成が少なく、巨大介在物が生成する。一
方、REM の含有量が0.005 質量%を超えると、介在物中
の REM酸化物の濃度が高くなり、介在物の融点が上昇す
る。そのため介在物はクラスター化し、微細な介在物が
減少する。したがって REMの含有量を0.0005〜0.005 質
量%の範囲内に限定した。なお REMの含有量(質量%)
と介在物あるいはクラスターの個数との関係は図4に示
す通りである。
球状にし、かつ均一に分散させる効果がある。REM の含
有量が0.0005質量%未満では、脱酸剤の添加にともなう
REM酸化物の生成が少なく、巨大介在物が生成する。一
方、REM の含有量が0.005 質量%を超えると、介在物中
の REM酸化物の濃度が高くなり、介在物の融点が上昇す
る。そのため介在物はクラスター化し、微細な介在物が
減少する。したがって REMの含有量を0.0005〜0.005 質
量%の範囲内に限定した。なお REMの含有量(質量%)
と介在物あるいはクラスターの個数との関係は図4に示
す通りである。
【0017】なお本発明においては、REM は1種の元素
を用いても良いし、2種以上の元素を用いても良い。RE
M として1種の元素を用いる場合は、その元素が0.0005
〜0.005 質量%含有されるように溶鋼を溶製し、REM と
して2種以上の元素を用いる場合は、それらの元素が合
計0.0005〜0.005 質量%含有されるように溶鋼を溶製す
る。
を用いても良いし、2種以上の元素を用いても良い。RE
M として1種の元素を用いる場合は、その元素が0.0005
〜0.005 質量%含有されるように溶鋼を溶製し、REM と
して2種以上の元素を用いる場合は、それらの元素が合
計0.0005〜0.005 質量%含有されるように溶鋼を溶製す
る。
【0018】またREM として、La,Ce,Pr,NdおよびY
のうちの1種または2種以上を用いると、介在物を微細
な球状にして均一に分散させる効果が顕著に現われる。
したがって本発明においては、REM として、La,Ce,P
r,NdおよびYのうちの1種または2種以上を用いるの
が好ましい。
のうちの1種または2種以上を用いると、介在物を微細
な球状にして均一に分散させる効果が顕著に現われる。
したがって本発明においては、REM として、La,Ce,P
r,NdおよびYのうちの1種または2種以上を用いるの
が好ましい。
【0019】
【実施例】(実施例1)容量30kgの高周波溶解炉を用い
て、Ar雰囲気中のMgO坩堝でSi:0.50〜1.00質量%,M
n: 1.0〜2.0 質量%の成分範囲の溶鋼を30kg溶製した
後、1580℃の温度に保持した。この溶鋼中にMgを添加
し、さらに約1分後にAl,ZrおよびREM (La−Ce合金)
の脱酸元素を添加して複合脱酸処理を行なった後、鋳造
して鋼塊を得た。
て、Ar雰囲気中のMgO坩堝でSi:0.50〜1.00質量%,M
n: 1.0〜2.0 質量%の成分範囲の溶鋼を30kg溶製した
後、1580℃の温度に保持した。この溶鋼中にMgを添加
し、さらに約1分後にAl,ZrおよびREM (La−Ce合金)
の脱酸元素を添加して複合脱酸処理を行なった後、鋳造
して鋼塊を得た。
【0020】このようにして得られた鋼塊を切断加工
し、光学顕微鏡で粒径1μm以上の介在物の分布を調査
した。各試料の化学組成、脱酸元素の添加量および最大
介在物の粒径を表1に示す。
し、光学顕微鏡で粒径1μm以上の介在物の分布を調査
した。各試料の化学組成、脱酸元素の添加量および最大
介在物の粒径を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】発明例1〜10は、溶鋼にMg,Al,Zrおよび
REM (La−Ce合金)を添加して複合脱酸処理を行なった
例である。一方、比較例1〜9は、溶鋼にMg,Al,Zrお
よびREM の一部のみを添加し、本発明の複合脱酸処理を
行なわなかった例である。比較例10は、溶鋼にMg,Al,
ZrおよびREM を添加して複合脱酸処理を行なったもの
の、Mg,Al,ZrおよびREM の含有量が本発明の範囲を外
れた例である。
REM (La−Ce合金)を添加して複合脱酸処理を行なった
例である。一方、比較例1〜9は、溶鋼にMg,Al,Zrお
よびREM の一部のみを添加し、本発明の複合脱酸処理を
行なわなかった例である。比較例10は、溶鋼にMg,Al,
ZrおよびREM を添加して複合脱酸処理を行なったもの
の、Mg,Al,ZrおよびREM の含有量が本発明の範囲を外
れた例である。
【0023】発明例1〜10では最大介在物の粒径が2〜
9μmであるのに対して、比較例1〜10では最大介在物
の粒径が52〜71μmであった。 (実施例2)280tonの上底吹き転炉でC:0.03質量%、
Si:0.50質量%、Mn: 1.0質量%を含有する溶鋼をRH
脱ガス装置を用いて環流し、脱炭処理後に金属Mgを0.1
kg/t添加して脱酸処理を行なった。5分間の環流で溶
鋼中のフリー酸素は300ppmから100ppmに低下した。その
後、この溶鋼にAlを0.05kg/t,Zrを 0.9kg/t,REM
を 0.075kg/t添加して10分間環流した。その結果、タ
ンディッシュでの溶鋼中のトータル酸素量は50 ppmであ
り、Mg,Al,Zr,REM の含有量は、それぞれMg: 0.001
質量%,Al: 0.004質量%,Zr: 0.045質量%,REM :
0.003質量%であった。なおMg,Al,Zr,REM の添加量
(kg/t)は、溶鋼1tあたりの添加量(kg)を指す。
9μmであるのに対して、比較例1〜10では最大介在物
の粒径が52〜71μmであった。 (実施例2)280tonの上底吹き転炉でC:0.03質量%、
Si:0.50質量%、Mn: 1.0質量%を含有する溶鋼をRH
脱ガス装置を用いて環流し、脱炭処理後に金属Mgを0.1
kg/t添加して脱酸処理を行なった。5分間の環流で溶
鋼中のフリー酸素は300ppmから100ppmに低下した。その
後、この溶鋼にAlを0.05kg/t,Zrを 0.9kg/t,REM
を 0.075kg/t添加して10分間環流した。その結果、タ
ンディッシュでの溶鋼中のトータル酸素量は50 ppmであ
り、Mg,Al,Zr,REM の含有量は、それぞれMg: 0.001
質量%,Al: 0.004質量%,Zr: 0.045質量%,REM :
0.003質量%であった。なおMg,Al,Zr,REM の添加量
(kg/t)は、溶鋼1tあたりの添加量(kg)を指す。
【0024】このようにして得られた溶鋼を、タンディ
ッシュを介して 260×1600mmの連続鋳造鋳型に注入し、
1.5m/分の鋳造速度で鋳造して鋳片を得た。この鋳片
を加熱し、さらに熱間圧延および冷間圧延を施して、厚
さ 0.8mmの冷延鋼板として、表面欠陥不良率を調査し
た。その結果、従来の単独Al添加で脱酸したキルド鋼か
ら製造した冷延鋼板の表面欠陥不良率が 0.8%であった
のに対して、本発明で得られた溶鋼から製造した冷延鋼
板の表面欠陥不良率は0%であった。
ッシュを介して 260×1600mmの連続鋳造鋳型に注入し、
1.5m/分の鋳造速度で鋳造して鋳片を得た。この鋳片
を加熱し、さらに熱間圧延および冷間圧延を施して、厚
さ 0.8mmの冷延鋼板として、表面欠陥不良率を調査し
た。その結果、従来の単独Al添加で脱酸したキルド鋼か
ら製造した冷延鋼板の表面欠陥不良率が 0.8%であった
のに対して、本発明で得られた溶鋼から製造した冷延鋼
板の表面欠陥不良率は0%であった。
【0025】このように本発明に基づいて製造された冷
延鋼板は、アルミナクラスターが認められず、表面性状
が極めて優れており、介在物に起因する表面欠陥は皆無
であった。
延鋼板は、アルミナクラスターが認められず、表面性状
が極めて優れており、介在物に起因する表面欠陥は皆無
であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によると、巨大介在物やクラスタ
ー状介在物を生成させることなく溶鋼を脱酸し、介在物
に起因する欠陥の発生を防止することが可能になる。
ー状介在物を生成させることなく溶鋼を脱酸し、介在物
に起因する欠陥の発生を防止することが可能になる。
【図1】Mgの含有量と介在物の個数あるいはクラスター
の個数との関係を示すグラフである。
の個数との関係を示すグラフである。
【図2】Alの含有量と介在物の個数あるいはクラスター
の個数との関係を示すグラフである。
の個数との関係を示すグラフである。
【図3】Zrの含有量と介在物の個数あるいはクラスター
の個数との関係を示すグラフである。
の個数との関係を示すグラフである。
【図4】REM の含有量と介在物の個数あるいはクラスタ
ーの個数との関係を示すグラフである。
ーの個数との関係を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21C 7/04 C21C 7/04 D 7/10 7/10 A // C22C 38/00 301 C22C 38/00 301Z 38/14 38/14
Claims (2)
- 【請求項1】 溶銑を精錬して、 Si:0.50〜1.00質量%、 Mn: 1.0〜2.0 質量%、 を含有する溶鋼を溶製し、次いでMg、Al、Zrおよび希土
類元素を添加して複合脱酸処理を行ない、 Mg:0.0005〜0.0050質量%、 Al: 0.005質量%以下、 Zr: 0.001〜0.005 質量%、 希土類元素:0.0005〜0.005 質量%を含有する溶鋼を溶
製することを特徴とする高清浄度鋼の製造方法。 - 【請求項2】 前記希土類元素が、La、Ce、Pr、Ndおよ
びYのうちの1種または2種以上であることを特徴とす
る請求項1に記載の高清浄度鋼の製造方法。
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JP2000291984A JP2002105527A (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 高清浄度鋼の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2000-09-26 JP JP2000291984A patent/JP2002105527A/ja active Pending
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