JP2001302833A - 軟質ポリエステル樹脂組成物及び該組成物からの壁紙 - Google Patents

軟質ポリエステル樹脂組成物及び該組成物からの壁紙

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JP2001302833A
JP2001302833A JP2000123512A JP2000123512A JP2001302833A JP 2001302833 A JP2001302833 A JP 2001302833A JP 2000123512 A JP2000123512 A JP 2000123512A JP 2000123512 A JP2000123512 A JP 2000123512A JP 2001302833 A JP2001302833 A JP 2001302833A
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軟質ポリエステル発泡性、及びカレンダー加
工により壁紙などのシート状物を製造するに際して発生
する不都合、特に大量の炭酸カルシウムを配合した軟質
ポリエステル組成物を用いて前記加工を行う際の不都合
を改善した軟質ポリエステル組成物及びこれを用いて得
られる壁紙の提供 【構成】 共縮合ポリエステルを構成するジオール単位
の50%以上がエチレングリコールからなる非晶性のラ
ンダム共縮合ポリエステル100重量部に対し、0.5
〜20重量部の(メタ)アクリル酸系重合体及び発泡剤
を添加してたことを特徴とする軟質ポリエステル組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡剤を添加した
軟質ポリエステル樹脂に(メタ)アクリル酸系重合体を
配合することによって発泡性を改善したポリエステル樹
脂組成物、更に炭酸カルシウムを配合した軟質ポリエス
テル樹脂組成物、特にカレンダー加工における、例えば
肌荒れの発生、耳部のパサツキの発生、発泡性及びドロ
ー性などを改善した軟質ポリエステル組成物及び該組成
物を用いた壁紙に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニル組成物やポリ塩化ビニリ
デン組成物は、カレンダー加工性が良いことなどからか
ら、壁紙などのシート状製品を製造するのに用いられて
きたが、近年これに代替しうる樹脂組成物材料の開発が
精力的になされてきた。そのような材料として、ポリオ
レフィン系樹脂をはじめポリエステル樹脂その他の多く
の樹脂類が検討されてきた。このような中で、ポリエス
テル樹脂を用いた壁紙材などのシート状の材料の開発に
おいては、特に使用後の分解性などを考慮した生分解性
脂肪族ポリエステル樹脂を用いた発泡性の壁装材が提案
されている。また、厚さ0.1〜10mmの範囲の発泡
シートに、ポリエステル樹脂類を用いる技術も多く提案
されている。その中にはポリエステル樹脂として共縮重
合ポリエステルを用いることも提案されており、このよ
うな樹脂類を用いることによって均一微細な気泡及び高
い発泡倍率の熱的にも安定なシートが得られることも報
告されている(特開平7−165968号公報、特開平
6−73223号公報等を参照)。しかし、これら2件
に記載のポリエステル発泡体は、インスタントラーメン
などの容器を目的としたものであり、均一微細なセルが
形成されると記載されているけれども、壁紙に要求され
る特性から見ると表面は不均一で、使用上不都合があっ
た。
【0003】このような中で、本発明者等もポリオレフ
ィン系樹脂をはじめポリエステル樹脂を代替樹脂材料と
する組成物を種々提案してきた。しかしながら、現在ま
でに提案されている前記ポリエステル樹脂を使用して
も、従来のポリ塩化ビニル樹脂などを使用して得られる
化粧シートに匹敵する十分な特性を有する製品は得られ
ていないし、前記ポリエステル樹脂は前記ポリ塩化ビニ
ル樹脂に比べて、シート製品を製造するための加工性の
点でも満足すべきものではない、という問題があった。
本発明者等が提案してきた、壁紙製造用の軟質ポリエス
テル組成物においても、また、更に難燃性等を改善する
目的のために大量の炭酸カルシウムを配合した軟質ポリ
エステル組成物においても、発泡性において、また、カ
レンダー加工によるシート状物を製造する際して、シー
ト表面に肌荒が発生したり、耳部にパサツキが発生した
り、加工時の伸び性が良くないなどの、不都合があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本願発明の課
題は、基本的には発泡剤を添加した軟質ポリエステル樹
脂の発泡性を改善することであり、更に前記軟質ポリエ
ステル樹脂のカレンダー加工により壁紙などのシート状
物を製造するに際して発生する不都合、特に大量の炭酸
カルシウムを配合した軟質ポリエステル組成物を用いた
前記加工において、前記不都合をなくした軟質ポリエス
テル組成物及びこれを用いて製造される壁紙を提供する
ことである。前記課題を解決すべく、前記不都合を取り
除く配合成分を鋭意検討する中で、従来、発泡成型用ス
チレン系樹脂組成物などの真空成形性の改善の配合剤と
して利用されているものを、前記軟質ポリエステル樹脂
組成物に配合したところ、発泡性が改善されると共に、
前記カレンダー加工における不都合が改善されることを
発見し、前記課題を解決した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基本的には、
共縮合ポリエステルを構成するジオール単位の50%以
上がエチレングリコールからなる非晶性のランダム共縮
合ポリエステル100重量部に対し、0.1〜20重量
部の(メタ)アクリル酸系重合体、及び発泡剤を添加し
てたことを特徴とする軟質ポリエステル組成物であり、
更には、共縮合ポリエステルを構成するジオール単位の
50%以上がエチレングリコールからなる非晶性のラン
ダム共縮合ポリエステル100重量部に対し、0.5〜
20重量部の(メタ)アクリル酸系重合体、40〜80
重量部の炭酸カルシウム、構造式Aを含む可塑剤を5〜
40重量部、少なくとも(I)式で表されるリン酸エス
テル系滑剤を0.01〜5.0重量部、及び発泡剤を添
加してたことを特徴とする軟質ポリエステル組成物 (−CH(R1)−CH(R2)−O−)m・・・構造式A (R1,R2はCn2n+1であり、n=0または1以上で
ある。mは1以上の整数であり、mが2以上の場合、構
造式AはR1および/またはR2が異なるアルキレンオキ
サイド単位または異なるアルキレンオキサイド単位から
なるブロックから構成されていても良い。また、アルキ
レンオキサイド単位内のR1とR2とは異なっていても良
い。)。 (R−O)nPO(OH)3-n (I)式 (式中nは、1又は2の整数、Rはアルキル基、アルキ
ルフェニル基、アルキルポリオキシエチレン基及びアル
キルフェニルポリオキシエチレン基を示す。)である。
好ましくは、(メタ)アクリル酸系重合体が重合性分の
少なくとも50〜95重量%が(メタ)アクリル酸メチ
ルであることを特徴とする前記軟質ポリエステル組成物
であり、より好ましくは、リン酸エステル系滑剤はリン
酸モノエステルとリン酸ジエステルとの10:1〜1:
10の割合の混合物であることを特徴とする前記軟質ポ
リエステル組成物であり、更に好ましくは、更に難燃剤
として水酸化アルミニウム、三酸化アンチモンを配合す
ることを特徴とする前記軟質ポリエステル組成物であ
る。
【0006】本発明の第2は、前記いずれかの軟質ポリ
エステル樹脂組成物を用いて製造された壁紙である。
【0007】
【本発明の実施の態様】本発明をより詳細に説明する。 A.本発明において使用される共重合ポリエステル樹脂
としては、低結晶性、特に実質的に非晶質のもを使用す
るのが好ましい。特に共重合体ポリエステルは、ランダ
ム共重合体であることがより好ましい。ランダム共縮合
非晶性ポリエステル樹脂は、製造工程における加熱、製
品の再加熱においても結晶相を生成することなく極めて
熱的に安定な特性を持つことが知られている。1.前記
ランダム共重合ポリエステルについて。このようなポリ
エステルの製造に使用される多価カルボン酸としては、
テレフタル酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、スルホ
イソフタル酸ナトリウム、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジメチレンカルボン酸、パラ
フェニレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、シクロヘキサンジ酢酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸などの2価のカルボン酸、トリメ
リット酸等の3価のカルボン酸、ピロメリット酸等の4
価のカルボン酸が挙げられる。これらのカルボン酸は1
種またはそれ以上とされる。ただ、3価以上のカルボン
酸は最大量0.5%モル程度である。これらの酸に対応
する酸無水物、エステル及び酸塩化物が含まれることを
理解されたい。
【0008】2.多価アルコールとしては、エチレング
リコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール(重合度5程度まで)、ポリテトラメチレング
リコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、P−キシレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグ
リコール、で例示される脂肪族/脂環式ジオールまたは
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、等の2
価のアルコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール等の3、4価アルコールなどを用いてもよ
い。3価以上のアルコールは、得られるポリエステルか
らの成形性の観点から最大量0.5%モル程度すること
が望ましい。
【0009】多くの多価カルボン酸および多価アルコー
ルを挙げたが、非晶質の共重合ポリエステルは、多価カ
ルボン酸としてイソフタル酸、2,6−ナフタレン酸、
2,6−ナフタレンジメチレンカルボン酸のようにポリ
エステルの結晶性を低下させる成分をテレフタル酸と併
用することによって得られ、この際グリコール成分とし
てはエチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメ
タノール(CHDM)を単独で使用しても良い。また
は、グリコール成分として結晶性を低下させる、1,4
−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)をエチレン
グリコールと併用することによっても非晶質共重合ポリ
エステルを得ることができる。後者の共重合ポリエステ
ルが特に好ましい。いずれにしても、前記ポリエステル
の共重合化による特性の改善技術において、多価カルボ
ン酸としてテレフタル酸からのエステル単位を含めるこ
とが、実用的な共重合体ポリエステルを設計する上で重
要である。従って、ランダム共縮合非晶性ポリエステル
系樹脂は、例えばテレフタル酸とエチレングリコールか
らのエステル単位を主成分とし、ジカルボン酸および/
またはジオールに非晶質性を付与する化合物を用い共縮
合させることによって得られる。非晶質性を付与する化
合物としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
イソフタル酸などを好ましいものとして挙げることがで
きる。具体的なポリマーとしては、エチレンテレフタレ
ート(ET)単位と1,4−シクロヘキシレンメチレン
テレフタレート(CHDMT)単位を含み、特にET単
位>CHDMT単位であり、平均分子量が約26000
(Mn)で、極限粘度I.Vが0.75である共重合ポ
リエステル(PETG6763、イーストマンケミカル
社製)を挙げることができる。
【0010】B.本発明において、発泡特性の改善、更
にカレンダー加工性などを改善するために配合される
(メタ)アクリル酸系重合体としては、(メタ)アクリ
ル酸メチルの単独重合体又は重合性分の50〜95重量
%が(メタ)アクリル酸メチルであり、共重合成分とし
ては、例えば、炭素数2〜18のアルコールのメタクリ
ル酸エステル、炭素数1〜18のアルコールのアクリル
酸エステル、スチレン、α−メチルスチレンなど芳香族
ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレ
イン酸、イタコン酸などを挙げることができる。これら
共重合成分は単独又は2種以上組み合わせて用いること
ができる。また、これらの(メタ)アクリル系重合体
は、重量平均分子量が50万〜500万の範囲にあるも
のが特に好ましい。具体的な製品としては、三菱レイヨ
ン(株)から販売されている、商品名メタブレンP−5
01、530、531、550及び551を挙げること
ができる。
【0011】C.滑剤について。前記(I)式で表され
る滑剤のRのアルキル基、アルキルフェニル基のアルキ
ル基は炭素数6〜20のアルキル基、アルキルポリオキ
シエチレン基及びアルキルフェニルポリオキシエチレン
基のアルキル基としては炭素数6〜20のアルキル基、
特に炭素数9以上のアルキル基を挙げることができ、ポ
リオキシエチレンとしては、2以上のオキシエチレン単
位を付加したものを挙げることができる。化合物(I)
の添加量は、非晶性ランダム共重合ポリエステル系樹脂
100重量部に対して0.01〜5.0重量部、好まし
くは0.05〜2.0重量部配合するのが好ましい。
0.01重量部以下では滑剤としての効果が十分でな
く、5.0重量部より多く配合すると、加工時のプレー
トアウト、経時でのブルーム、ブリードを起こし易くな
り、得られるフイルムの透明性などが低下する。本発明
で使用する前記(I)式で表される滑剤とを組み合わせ
た混合物の滑剤としての特性を検討したところ、低密度
酸化型及び高密度酸化型ポリエチレンワックス(酸価:
1〜40mgKOH/gおよび平均分子量10000以
下の部分酸化ポリエチレン)は前記(I)式の滑剤とし
ての効果を向上させることが確認された。特に得られる
フイルムの透明性を考慮した場合、前記ポリエチレンワ
ックスの配合量は、非晶性ランダム共重合ポリエステル
系樹脂100重量部に対して0.01〜5.0重量部配
合するのが好ましい。
【0012】D.可塑剤について。本発明の目的の軟質
ポリエステル組成物は少量の可塑剤の配合では得ること
ができず、最低でも5重量部程度の配合が必要である。
したがって、共重合ポリエステル側から見た場合、多く
の可塑剤と相溶性を有するものである。しかし40重量
部以上ではブリードを起こし易いので、5〜40重量部
の範囲が好ましい。また、可塑剤はポリマーと相溶性が
良いことが好ましいことから、これのある程度の指標と
なるSP(溶解度パラメータ)値が、8.7以上、好ま
しくは9.0以上あることが好ましい、また、化学構造
的には、ポリエステルを構成する成分と類似の構造のも
のが好ましい。フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エス
テル、トリメリット酸エステル、エポキシ化油など、ポ
リ塩化ビニル用の可塑剤を使用することができる。しか
しながら、従来からポリエステル樹脂の可塑剤としては
使用されていなかった、エチレンオキサイド(−CH2
−CH2−O−)単位および/またはプロピレンオキサ
イド(−CH2−CH(CH3)−O−)単位を持つポリ
アルキレンオキサイド構造を持つ化合物類が共重合ポリ
エステルに対して相溶性を持ち可塑剤として極めて効果
の大きなものがあることが、多くの実験の結果分かっ
た。エチレンオキサイド(−CH2−CH2−O−)単位
を持つ好ましい可塑剤としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール等もしくはこれらのエステルまたは
エーテル化合物を挙げることができる。同様に、プロピ
レンオキサイド(−CH2−CH(CH3)−O−)単位
を持つものとして、プロピレングリコ−ル、ジプロピレ
ングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル等もしくはこ
れらのエステルまたはエーテルを挙げることができる。
またエチレンオキサイド(−CH2−CH2−O−)単位
およびプロピレンオキサイド(−CH2−CH(CH3
−O−)単位から構成された、並びにポリエチレンオキ
サイドおよびポリプロピレンオキサイドのブロックから
構成されたポリアルキレングリコール化合物も当然に本
発明のポリエステル組成物を構成する可塑剤として有用
である。ポリ(プロピレンオキサイド)グリコールのエ
チレンオキサイド付加物、エチレンオキサイドとプロピ
レンオキサイドとの共重合体は前記両構造を持つ物質と
して挙げることができる。エーテル化合物として、アル
キルフェノールエチレンオキサイドnモル付加物、高級
アルコールエチレンオキサイドnモル付加物等がありエ
ステル化合物としては、脂肪酸エチレンオキサイドnモ
ル付加物、脂肪族2塩基酸エステルのエチレンオキサイ
ドnモル付加物等がある。この他の、前記単位を持つ化
合物としては、高級脂肪酸アミンのエチレンオキサイド
nモル付加物、脂肪酸アミドのエチレンオキサイドnモ
ル付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイドnモ
ル付加物、等が前記構造式Aの構造を持つ物質として挙
げられる。なお前記構造式Aにおいて、mは1〜20、
このましくは2〜16である。
【0013】前記可塑剤の中で好ましい化合物は、分子
量が300〜900で、前記構造式Aにおいてmが2以
上のものが、共重合ポリエステル樹脂との相溶性が優
れ、可塑性の向上に有用である。また化学構造的には、
前記ポリアルキレンオキサイドのエーテルまたはエステ
ル類が好ましく、ポリエチレンオキサイドのエーテルま
たはエステル類がより好ましく、モノエーテルまたはエ
ステル類、例えば、ポリオキシエチレンモノメチルエー
テル、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエ
チレングリコールC8酸エステル等が最も好ましい。
【0014】E.発泡剤について発泡性軟質ポリエステ
ル層を形成する樹脂組成物用の発泡剤としては、例えば
ADCA、OBSH、TSH(パラトルエンスルホニル
ヒドラジッド)DPT(ジニトロペンタメチレンテトラ
ミン)又はこれらの発泡剤の混合ブレンド等の化学発泡
剤が好ましい。前記発泡剤は前記共重合ポリエステル樹
脂組成物と組み合わせることにより良好な発泡特性を持
つ発泡性化粧シートを製造できる。使用する共重合ポリ
エステル樹脂組成物の軟化温度との関係で、発泡助剤
(キツカー)、例えばZnOを0.5〜1重量部添加す
ることにより、発泡剤の分解開始温度を下げることで発
泡性が向上する。特に可塑剤の添加により共重合ポリエ
ステル樹脂組成物の軟化温度が下がるので、発泡助剤
(キツカー)が必要な場合がある。しかし、本発明で
は、共重合ポリエステル樹脂組成物が発泡に適した広い
軟化温度範囲を有するので、通常は必要としない。発泡
倍率は好ましくは、2〜20倍、より好ましくは5〜2
0倍である。壁紙の場合JIS A1321に定める標
準温度曲線を越える温度時間面積(tdθに対応する)
で示される難燃性特性を良好にするためにはできるだけ
軽くすることが重要である。そのために、外観上必要な
厚みを持たせながら軽くするためには、発泡構造とする
ことが有利であり、従って壁紙を作る材料には良好な発
泡性が要求され、少なくとも発泡倍率は2倍以上必要で
あり、ボリューム感を出すためには少なくとも5倍以上
の発泡倍率が必要である。しかしながら、20倍以上の
倍率にすると現在のところセル荒れがひどく、商品価値
を十分満足させることができない。
【0015】シート製品(フイルム製品)の加工にはカ
レンダー法を採用することができ、厚みが0.1〜1.
0mm程度フイルムを製造することができる。カレンダ
ーの適正温度範囲は100〜220℃、好ましくは12
0〜200℃である。基材層を有する発泡性化粧シート
は、壁紙基材用の紙に加熱加圧ラミネートすることによ
り製造できる。可塑剤を添加した軟質共重合ポリエステ
ル樹脂組成物から得られたフイルムは加熱加圧ラミネー
ト特性がある点でも有利である。得られた、発泡性化粧
シートには、更に装飾性、艶消し性などの処理をするこ
とができる。例えば、装飾の一手段であるプリント(絵
柄印刷)には、グラビア印刷機の彫刻ロールでアクリル
樹脂系および/またはウレタン樹脂系ベヒクルによるプ
リントインキによる印刷をし、乾燥炉で乾燥させる方法
を採用することができる。また、艶消し処理等の表面処
理にも、前記と同様の印刷手段などにより艶調整処理剤
を適用する方法を採用できる。処理剤のベヒクルとして
も前記アクリル樹脂系および/またはウレタン樹脂系処
理剤を採用することができる。本発明の発泡性化粧シー
トは、軟質ポリエステルであることによる、インキや処
理剤に対して親和性が良い点でも好ましい。更に、本発
明の発泡性化粧シートは、絞り転写性も良好である。
【0016】
【実施例】実施例1および比較例 共重合体ポリエステルとして、市販のPETG6763、1
00重量部に表1に記載の可塑剤化合物、滑剤、炭酸カ
ルシウム、発泡剤、及び(メタ)アクリル酸系重合体
を、表1に記載のように配合してカレンダー成型用のポ
リエステル樹脂組成物を調製した。また、テストロール
によるカレンダー成型条件も表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】表1でメタブレンP530を添加していな
い(1)に対して、添加した(2)においてはカレンダ
ー加工における加工性が向上していることが理解され
る。更に、発泡セル状態が改善されており、10〜11
倍の発泡においても良好な外観を持った製品が得られ
た。
【0019】実施例2 ここでは、炭酸カルシウムの配合量を変えた場合の、得
られたシートの難燃性の特性の関係を図1に示す。図1
において、縦軸のtdθはJIS A1321による測定値であ
り、小さいほど難燃性であることを示す。組成物の配合
量は表2に示す。炭酸カルシウムの配合量を増加させる
ことにより、難燃性特性が改善されることが理解され
る。また、成型物の表面特性を調べたところ、炭酸カル
シウムを70部配合したものでは、表面に多くの凹凸が
発生した。
【0020】
【表2】
【0021】実施例3 ここでは、難燃化剤として、水酸化アルミニウム、又は
三酸化アンチモンを配合量を変えて加えて得られたシー
ト(厚さ0.15mm)の難燃性特性を図2示す。加工
に使用した組成物の配合量を表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明において、
(メタ)アクリル酸系重合体を配合することによって、
カレンダー加工により壁紙を製造するのに使用される、
軟質ポリエステルの加工性を著しく改善でき、特に発泡
特性を落とさずに炭酸カルシウムの配合量を多くするこ
とを可能とし、且つこれに伴って壁紙の難燃性が向上す
るという顕著な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 炭酸カルシウム(NS#100)の配合量とtdθ
の関係
【図2】 炭酸カルシウム(Ca)と難燃剤(α)(水
酸化アルミニウム、三酸化アンチモン)の併用とtdθ
の関係
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/02 C08L 67/02 //(C08L 67/02 (C08L 67/02 33:04) 33:04) Fターム(参考) 4F074 AA47 AA48 AA65 AA76 AC17 AC20 AC26 AD16 AG01 AG02 AG10 AG11 BA13 BA16 BA17 DA59 4J002 BG042 BG052 CF041 CF061 CH02Y DE129 DE149 ED027 ES006 EV216 EW048 FD02Y FD027 FD138 FD139 FD326

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共縮合ポリエステルを構成するジオール
    単位の50%以上がエチレングリコールからなる非晶性
    のランダム共縮合ポリエステル100重量部に対し、
    0.1〜20重量部の(メタ)アクリル酸系重合体、及
    び発泡剤を添加してたことを特徴とする軟質ポリエステ
    ル組成物。
  2. 【請求項2】 共縮合ポリエステルを構成するジオール
    単位の50%以上がエチレングリコールからなる非晶性
    のランダム共縮合ポリエステル100重量部に対し、
    0.5〜20重量部の(メタ)アクリル酸系重合体、4
    0〜80重量部の炭酸カルシウム、構造式Aを含む可塑
    剤を5〜40重量部、少なくとも(I)式で表されるリ
    ン酸エステル系滑剤を0.01〜5.0重量部、及び発
    泡剤を添加してたことを特徴とする軟質ポリエステル組
    成物。 (−CH(R1)−CH(R2)−O−)m・・・構造式A (R1,R2はCn2n+1であり、n=0または1以上で
    ある。mは1以上の整数であり、mが2以上の場合、構
    造式AはR1および/またはR2が異なるアルキレンオキ
    サイド単位または異なるアルキレンオキサイド単位から
    なるブロックから構成されていても良い。また、アルキ
    レンオキサイド単位内のR1とR2とは異なっていても良
    い。)。 (R−O)nPO(OH)3-n (I)式 (式中nは、1又は2の整数、Rはアルキル基、アルキ
    ルフェニル基、アルキルポリオキシエチレン基及びアル
    キルフェニルポリオキシエチレン基を示す。)
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリル酸系重合体が重合性分
    の少なくとも50〜95重量%が(メタ)アクリル酸メ
    チルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の軟
    質ポリエステル組成物。
  4. 【請求項4】 リン酸エステル系滑剤がリン酸モノエス
    テルとリン酸ジエステルとの10:1〜1:10の割合
    の混合物であることを特徴とする請求項1、2又は3に
    記載の軟質ポリエステル組成物。
  5. 【請求項5】 更に難燃剤として水酸化アルミニウム、
    三酸化アンチモンを配合することを特徴とする請求項
    1、2、3又は4に記載のポリエステル組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかの軟質ポリエス
    テル樹脂組成物を用いて製造された壁紙。
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