JP2001302629A - Tan−2547関連化合物、その製造法および用途 - Google Patents

Tan−2547関連化合物、その製造法および用途

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JP2001302629A JP2000127508A JP2000127508A JP2001302629A JP 2001302629 A JP2001302629 A JP 2001302629A JP 2000127508 A JP2000127508 A JP 2000127508A JP 2000127508 A JP2000127508 A JP 2000127508A JP 2001302629 A JP2001302629 A JP 2001302629A
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Kozo Hayashi
浩三 林
Keiji Iwamoto
圭司 岩本
Shigeru Kondo
滋 近藤
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロテイン チロシン ホスファターゼ阻害
薬の提供。 【解決手段】 一般式 【化1】 〔式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子、置換されていてもよいC1-19炭化水素基また
は置換されていてもよいC1-13アシル基を示す〕で表わ
される化合物またはその塩、または一般式 【化2】 〔式中、R3およびR4はそれぞれ同一または異なって、
水素原子、置換されていてもよいC1-19炭化水素基また
は置換されていてもよいC1-13アシル基を示す〕で表わ
される化合物またはその塩、その製造法、その生産菌 D
idymobotryum rigidum NF-12441、該化合物またはその
塩を含有してなる糖尿病の治療・予防剤、該化合物また
はその塩を含有してなるPTP阻害薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロテイン チロ
シン ホスファターゼ(以下、PTPと略すことがある)
阻害作用を有し、糖尿病等の治療・予防剤として有用な
新規化合物およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞においては、可逆的なチロシンのリ
ン酸化および脱リン酸化により様々な酵素活性が調節さ
れている。この可逆的なリン酸化は、プロテイン キナ
ーゼとプロテイン ホスファターゼにより調節されてい
る。PTPの生理的役割はまだよく分かっていない部分が
あるが、細胞の増殖、形質転換、分化、細胞死、代謝、
遺伝子発現、免疫反応などと関連があると考えられてい
る(セル(Cell)、80巻、225頁、(1995)、および87巻、3
65頁、(1996))。これまで、PTP-1Bの過剰発現と乳癌や
卵巣癌との関連が指摘されており(ジャーナル・オブ・
ナショナル・キャンサー・インスティテュート(Journa
l of National Cancer Institute)、86巻、372頁(199
4))、PTP-1CとSHPTP2はplateletderived growth facto
rやepidermal growth factorの活性化との関連が指摘さ
れており(モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロ
ジー(Molecular and Cellular Biology)、14巻、509
頁(1994)、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケ
ミストリー(The Journal of Biological Chemistry、2
71巻、10385頁(1996))、PTP阻害薬はある種の癌や関節
炎の治療薬になると考えられている。インスリンシグナ
ルはインスリン受容体の自己リン酸化とそれに伴って起
きるinsulin receptor substrate(IRS)などの細胞内タ
ンパク質のチロシンリン酸化によって伝達される(ザ・
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Th
e Journal of Biological Chemistry)、269巻、1頁、
(1994))。PTP-1B、LAR、LRPなどがチロシンリン酸化さ
れたインスリン受容体の脱リン酸化を行うことが報告さ
れており(バイオケミカル・ジャーナル(Biochemical
Journal)、284巻、569頁、(1992))、PTP-1B欠損マウ
スではインスリンシグナルが増強されていることが報告
され(サイエンス(Science)、283巻、1544頁、(199
9))、PTP阻害薬が糖尿病治療薬になると考えられてい
る。CD45はT細胞の活性化に必要で(アニュアル・レビ
ュー・オブ・イムノロジー(Annual Review of Immunolo
gy)、12巻、85頁(1994))、また、マスト細胞の脱顆
粒に関係していることが知られている(ジャーナル・オ
ブ・エクスペリメンタル・メディスン(Journal of Exp
erimental Medicine)、180巻、471頁(1994))。一方、
PTP-1Cは免疫細胞の形成において負の調節を行っている
と考えられている。これらのことから、PTP阻害薬は自
己免疫疾患やアレルギーの治療薬として、あるいは免疫
賦活薬として利用できると考えられている。さらに、Ye
rsiniaやワクシニアウイルスなどの病原性とPTPの関連
性が指摘されているので(セミナーズ・イン・セル・バ
イオロジー(Seminars in Cell Biology)、4巻、389
頁、(1993))、PTP阻害薬は感染症治療薬として利用で
きるとも考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、PTPの阻害剤と
してはバナジウム誘導体やホスホチロシン誘導体などが
知られているが、これらは阻害活性の特異性や細胞内へ
の透過性などに問題があり、実用化には至っていない。
そこで、インスリンシグナル伝達に関与することが明ら
かになりつつあるPTP-1BなどPTPを阻害する薬剤を見出
すことができれば、糖尿病などの治療、予防薬として利
用することができる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題に鑑み、鋭意検討した結果、TAN−2547Aお
よびTAN−2547Dと命名した新規化合物を糸状菌
に属する微生物の培養液中より単離する事に成功し、こ
れら化合物が強力なPTP-1B阻害作用を有し、さらにラッ
ト骨格筋由来の培養細胞において、細胞内への糖の取り
込みを亢進させることを見いだした。本発明者らは、こ
れらの知見に基づき、さらに研究を重ね、本発明を完成
するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)一般式
【化5】 〔式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子、置換されていてもよいC1-19炭化水素基また
は置換されていてもよいC1-13アシル基を示す〕で表さ
れる化合物またはその塩、(2)化合物が
【化6】 で表されるTAN−2547Aまたはその塩、(3)一
般式
【化7】 〔式中、R3およびR4はそれぞれ同一または異なって、
水素、置換されていてもよいC1-19炭化水素基または置
換されていてもよいC1-13アシル基を示す〕で表される
化合物またはその塩、(4)化合物が
【化8】 で表されるTAN−2547Dまたはその塩、(5)糸
状菌に属し、上記(2)記載の化合物TAN−2547
Aおよび/または上記(4)記載のTAN−2547D
を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養物
中に化合物TAN−2547Aおよび/またはTAN−
2547Dを生成蓄積せしめ、これを採取することを特
徴とする上記(2)記載の化合物TAN−2547Aお
よび/または上記(4)記載のTAN−2547D、ま
たはその塩の製造法、(6)微生物が糸状菌 Didymobot
ryum rigidum NF-12441(FERM BP−7131)
である請求項5記載の製造法、(7)糸状菌 Didymobot
ryum rigidum NF-12441(FERM BP−713
1)、(8)上記(1)または上記(3)記載の化合物
またはその塩を含有してなる医薬、(9)糖尿病の治療
・予防剤である第(8)項記載の医薬、(10)上記
(1)または上記(3)記載の化合物またはその塩を含
有してなるプロテイン チロシン ホスファターゼ阻害
薬、および(11)上記(1)または上記(3)記載の
化合物またはその塩を含有してなるプロテイン チロシ
ン ホスファターゼ−1B阻害薬などを提供する。
【0006】一般式〔I〕または一般式〔III〕にお
いて、R1〜R4で表される置換されていても良いC1-19
炭化水素基としては、具体的には、(1)炭素数1ないし
8のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等、
特に炭素数1ないし4のアルキル基)、(2)炭素数2な
いし8のアルケニル基(例、ビニル、アリル、イソプロ
ペニル、1−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニ
ル、2−ヘキセニル、2−オクテニル等、特に、炭素数
2ないし4のアルケニル基)、(3)炭素数2ないし8の
アルキニル基(例、エチニル、1−プロピニル、2−プ
ロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニ
ル、2−ヘキシニル、2−オクチニル等、特に、炭素数
2ないし4のアルキニル基)、(4)炭素数3ないし6の
シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、(5)炭素数
6ないし14のアリール基(例、フェニル、ナフチル
等)および (6)炭素数7ないし19のアラルキル基
(例、ベンジル,フェネチルなどのフェニル−C1-6
ルキル基、ベンズヒドリルなどのジフェニル−C1-6
ルキル基、トリチル等)などが用いられる。これら炭化
水素基の中でも、例えば、(1)炭素数1ないし8のアル
キル基、(2)炭素数2ないし8のアルケニル基、(3)炭素
数7ないし19のアラルキル基などが好ましい。
【0007】このような炭化水素基は、置換可能な位置
に、例えば、(i)(a)炭素数1ないし4のアルキル基
(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等)、(b)炭
素数1ないし6のアルカノイル基(例、ホルミル、アセ
チル,プロピオニル,イソプロピオニル、ブチリル、イ
ソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘ
キサノイル等)、(c)1ないし3個の炭素数1ないし4
のアルキルで置換されていてもよい炭素数7ないし11
のアロイル基(例、ベンゾイル、p-トルオイル、ナフト
イル等)、(d)炭素数2ないし7のアルコキシカルボニ
ル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert-ブ
トキシカルボニル等)および (e)炭素数8ないし14の
アラルキルオキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカ
ルボニル,フェネチルオキシカルボニルなどのフェニル
−C 1-6アルキルカルボニル等)から選ばれる1ないし
2個の置換基を有していてもよいアミノ基、(ii)(a)炭
素数1ないし6のアルキル基(例、メチル,エチル,プ
ロピル,イソプロピル,ブチル、イソブチル、sec-ブチ
ル、tert-ブチル等)、(b)炭素数7ないし12のアラル
キル基(例、ベンジル,フェネチルなどのフェニル−C
1-6アルキル等)、(c)炭素数1ないし6のアルカノイル
基(例、ホルミル、アセチル,プロピオニル,イソプロ
ピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバ
レリル、ピバロイル、ヘキサノイル等)および(d)1な
いし3個の炭素数1ないし4のアルキルで置換されてい
てもよい炭素数7ないし11のアロイル基(例、ベンゾ
イル、p-トルオイル、ナフトイル等)から選ばれる置換
基を有していてもよい水酸基、(iii)(a)炭素数1ないし
4のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソ
プロピル,ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブ
チル等)、(b)炭素数7ないし12のアラルキル基
(例、ベンジル,フェネチルなどのフェニル−C1-6
ルキル等)、(c)炭素数1ないし6のアルカノイル基
(例、ホルミル、アセチル,プロピオニル,イソプロピ
オニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレ
リル、ピバロイル、ヘキサノイル等)および(d)1ない
し3個の炭素数1ないし4のアルキルで置換されていて
もよい炭素数7ないし11のアロイル基(例、ベンゾイ
ル、p-トルオイル、ナフトイル等)から選ばれる置換基
を有していてもよいメルカプト基、(iv)カルボキシル
基、(v)カルバモイル基、(vi)炭素数2ないし7のアル
コキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル,エトキ
シカルボニル等)、(vii)炭素数8ないし14のアラル
キルオキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニ
ル等)、(viii)ニトロ基で置換されていてもよいグアニ
ジル基、(ix)ニトロ基、(x)ハロゲン原子(例、フッ
素,塩素,臭素,よう素等)、および(xi)炭素原子以外
に酸素、硫黄、窒素等から選ばれる1ないし4個のヘテ
ロ原子を含む5または6員の複素環、またはそれとベン
ゼン環もしくは炭素原子以外に酸素原子,硫黄原子,酸
素原子等から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含む
5または6員の複素環との縮合複素環基(例、チエニ
ル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イ
ソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラ
ゾリル、ピリジル、ピリミジル、キノリル、インドリル
等)などから選ばれる1ないし3個の置換基を有してい
てもよい。
【0008】また、R1〜R4で示される炭化水素基が炭
素数3ないし6のシクロアルキル基、炭素数6ないし1
4のアリール基または炭素数7ないし19のアラルキル
基の場合、上記した(i)〜(xi)の置換基、(xii)炭素数
1ないし8のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル等)、(xiii)炭素数2ないし8のアルケニル基
(例、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニ
ル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、2
−オクテニル等)、(xiv)炭素数2ないし8のアルキニ
ル基(例、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニ
ル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−
ヘキシニル、2−オクチニル等)などから選ばれる1な
いし3個の置換基を有していてもよい。R1〜R4で示さ
れる炭化水素基の置換基としては、上記したものの中で
も、C 1-6アルコキシ基などが好ましい。一般式〔I〕
において、R1〜R4で表される置換されていてもよいC
1-13アシル基としては、例えば、有機カルボン酸または
アミノ酸由来のアシル基が用いられる。有機カルボン酸
由来のアシル基としては、例えば、炭素数1ないし13
のアシルなどが用いられる。具体的には、(1)炭素数1
ないし6のアルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、
プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、イソブチ
リル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノ
イル等)、(2)炭素数3ないし6のアルケノイル基
(例、アクリロイル、メタクリロイル、クロトノイル、
イソクロトノイル等)、(3)炭素数4ないし7のシクロ
アルキルカルボニル基(例、シクロプロピルカルボニ
ル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニ
ル、シクロヘキシルカルボニル等)、(4)炭素数7ない
し11のアロイル基(例、ベンゾイル、ナフトイル
等)、(5)炭素数8ないし13のアリールアルカノイル
基(例、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル、フ
ェニルブチリルなどのフェニル−C2-6アルカノイル
等)および (6)炭素数9ないし13のアリールアルケノ
イル基(例、シンナモイル、アトロポイルなどのフェニ
ル−C2-6アルケノイル等)などが用いられる。上記有
機カルボン酸由来のアシル基の中でも、例えば、(1)炭
素数1ないし6のアルカノイル基、(2)炭素数3ないし
6のアルケノイル基、(3)炭素数4ないし7のシクロア
ルキルカルボニル基、(4)炭素数7ないし11のアロイ
ル基、(5)炭素数8ないし13のアリールアルカノイル
基などが好ましく用いられ、特に、炭素数1ないし6の
アルカノイル基が好ましい。
【0009】アミノ酸由来のアシル基としては、例え
ば、天然型あるいは非天然型アミノ酸由来のアシル基
(例、グリシル、L-およびD-アラニル、L-およびD-
バリル、L-およびD-ロイシル、L-およびD-イソロイ
シル、L-およびD-プロリル、L-およびD-ヒドロキシ
プロリル、L-およびD-フェニルアラニル、L-および
D-トリプトファニル、L-およびD-セリル、L-および
D-トレオニル、L-およびD-チロシル、L-およびD-
アスパラギル、L-およびD-アスパラギニル、L-およ
びD-グルタミル、L-およびD-グルタミニル、L-およ
びD-メチオニル、L-およびD-システイニル、L-およ
びD-シスチル、L-およびD-リシル、L-およびD-ア
ルギニル、L-およびD-ヒスチジル等)などが用いられ
る。これらアシル基は、置換可能な位置に、前述の炭化
水素基における置換基と同様の置換基を1ないし3個有
していてもよい。なかでも、アミノ基、C1-6アルコキ
シ基、ハロゲン原子、カルボキシル基などが好ましい。
1〜R4としては、特に水素原子が好ましく用いられ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる糸状菌NF-124
41株は、沖縄県西表島で採集された枯死した竹から分離
され、以下の性質を示す。 1.形態学的特徴 NF-12441株は、麦芽エキス寒天培地、バレイショ−ブド
ウ糖寒天培地およびオートミール寒天培地等で良好に生
育する。気生菌糸は分枝を繰り返し、無色で隔壁を有す
る。その表面は滑らかで、直径は約1.0−2.2 オmであ
る。分化生子柄は、暗褐色から黒色で気生菌糸上に直立
して形成される。その表面は滑面で、棍棒状をしてお
り、先端は最大 4.2 オm まで膨れる。一ヶ月以上の長
期培養をすると黒色のシンネマを形成する。分生子は、
単生ポロ型分生子で、二細胞である。厚さ最大 1.5 オm
までの明瞭な黒色の隔壁を有する。形は長楕円形から円
筒形を示し、暗褐色から黒色で、表面は平滑である。分
生子柄の先端に連鎖して形成され、大きさは、11.8−1
7.1×3.2−5.4 μmである。 2.寒天培地上での性状 (1)麦芽エキス寒天培地:生育は良好で、24℃、2週
間後のコロニーの直径は 50 mm である。表面は綿毛状
の菌糸体よりなり、外縁は規則正しく縁取られている。
気生菌糸の発達は良好であるが、培養2週間では、分生
子の形成は認められない。中央部から中間部にかけて灰
黄色からオリーブ色を呈し、部分的に暗褐灰色を呈す
る。周辺部は灰白色を呈する。裏面中央部から中間部に
かけて暗黄褐色を呈し、周辺部は灰白色を呈する。可溶
性色素の生成は認められない。 (2)バレイショ−ブドウ糖寒天培地:生育は良好で、
24℃、2週間後のコロニーの直径は 45 mm である。表
面は綿毛状の菌糸体よりなり、外縁は規則正しく縁取ら
れている。気生菌糸の発達は良好であるが、培養2週間
で、分生子の形成は認められない。中央部から中間部に
かけて淡黄灰色からオリーブ色を呈し、周辺部は象牙色
を呈する。中央部に部分的に暗褐色色素の生成が認めら
れる。裏面中央部から中間部にかけて暗褐色を呈し、周
辺部はベージュ色を呈する。小麦色の可溶性色素の生成
が認められる。 (3)オートミール寒天培地:生育は良好で、24℃、2
週間後のコロニーの直径は 45 mm である。表面は綿毛
状の菌糸体よりなり、外縁は規則正しく縁取られてい
る。気生菌糸の発達は良好であり、分生子の形成も良好
である。中央部は部分的に灰色を呈し、中間部から周辺
部にかけて淡灰色から灰白色を呈する。裏面中央部から
中間部にかけて緑灰白色を呈し、周辺部は黄白色を呈す
る。可溶性色素の生成は認められない。 (4)プレーンアガー培地(2%素寒天培地):生育は
やや遅く、24℃、2週間後のコロニーの直径は 35 mm
である。表面は平坦な菌糸体よりなり、外縁はやや不規
則に縁取られている。気生菌糸の発達は悪いが、分生子
の形成は旺盛である。中央部から中間部にかけて、分生
子形成に伴い、部分的にオリーブ色を呈し、周辺部は淡
白色を呈する。裏面も同様に、中央部から中間部にかけ
て、部分的にオリーブ色を呈し、周辺部は淡白色を呈す
る。可溶性色素の生成は認められない。
【0011】3.生理学的性質本菌株の生育条件をバレ
イショ−ブドウ糖寒天培地で調べた。生育温度範囲は、
10℃〜30℃で、至的温度は18℃〜28℃である。またpH
4〜pH9のいずれでも生育は良好である。以上の菌学
的性状を基に、バーネットとヒュンター著「イラストレ
イティッド・ジェネラ・オブ・インパーフェクト・ファ
ンジャイ」(Illustrated genera of Imperfect fung
i)およびEllis著「ディマティアセウス・ハイフォマイ
セーテス」(Dematiaceous Hyphomycetes)を検索した
ところ、本菌株はディディモボトリウム・リジダム(Di
dymobotryum rigidum (Berk.& Br.) Sacc.)の菌種記載
と一致した。したがって、NF-12441 株をディディモボ
トリウム・リジダムNF-12441(Didymobotryum rigidum
NF-12441)と称する。本菌株は、平成12年4月12日に茨
城県つくば市東1−1−3、通商産業省工業技術院生命
工学工業研究所(NIBH)に受託番号FERM BP
−7131としてブタペスト条約に基づいて寄託されて
いる。ディディモボトリウム属菌は、微生物の一般的性
質として自然的または変異剤によって変異を起こしう
る。例えば、X線、ガンマー線、紫外線等の放射線の照
射、種々の薬剤による処理または薬剤を含有する培地上
での培養、その他の手段で変異させて得られる多くの変
異株、あるいは自然的に得られる多くの変異株であって
も、化合物TAN-2547類(より具体的には、TAN-2547Aお
よびTAN-2547D)を生産する性質を有するものはすべて
本発明の方法に利用できる。
【0012】本発明方法の培養に用いられる培地は、用
いられる菌株が利用し得る栄養源を含むものなら液状で
も固体状でもよいが、大量に処理するときに液状培地を
用いるのがより適当である。培地には、当該化合物生産
培地が同化し得る炭素源、窒素源、無機物質、微量栄養
源を適宜配合する。炭素源としては、例えばグルコー
ス、乳糖、ショ糖、麦芽糖、デキストリン、澱粉、グリ
セリン、マンニトール、ソルビトール、油脂類(綿実
油、大豆油、ラード油、チキン油など)、n-パラフィン
などが、窒素源としては、例えば、肉エキス、酵母エキ
ス、麦芽エキス、乾燥酵母、大豆粉、コーン・スティー
プ・リカー、ペプトン、生大豆粉、綿実粉、トマトペー
スト、ピーナッツミール、廃糖蜜、尿素、アンモニア塩
類(硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモ
ニウム、酢酸アンモニウムなど)などを用いる。さら
に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム
などを含む塩類、鉄、マンガン、亜鉛、コバルト、ニッ
ケルなどの金属塩類、リン酸、ほう酸、硫酸などの塩類
や酢酸、プロピオン酸などの有機酸の塩類を用いてもよ
い。その他、アミノ酸(グリシン、グルタミン酸、アス
パラギン酸、アラニン、リシン、メチオニン、プロピン
など)、ペプチド(ジペプチド、トリペプチドなど)、
ビタミン類(B1、B2、ニコチン酸、B12、Cなど)、核酸
類(プリン、ピリミジン、その誘導体など)などを含有
させてもよい。もちろん、培地中のpHを調整する目的で
無機または有機の酸またはアルカリ類、緩衝剤などを加
え、あるいは消泡の目的で油脂類、界面活性剤などの適
量を添加して差し支えない。培養の手段は静置培養、振
とう培養あるいは通気攪拌培養法等の手段を用いてもよ
い。大量の処理には、いわゆる深部通気攪拌培養による
ものが望ましい。培養の条件は培地の状態、組成、菌株
の種類、培養の手段によって異なるが、通常、約18℃〜
28℃の温度、初発pH約6〜7の条件が望ましい。培養時
間も前記の諸条件により一定しないが、諸生理活性物質
濃度が最大となるまで培養するのが望ましい。これに要
する時間は、液体培地を用いる振とう培養または通気攪
拌培養の場合、通常約6〜10日間である。
【0013】培養液から目的とする化合物を採取する方
法を以下に記載する。例えば、本発明の化合物TAN−
2547AおよびTAN−2547Dは脂溶性であるの
で、この性質を利用する一般手段を採用すればよい。ま
ず培養液または培養濾過液を水と混和しない有機溶媒、
例えばジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸
エチル等のエステル類、メチルイソブチルケトン等のケ
トン類あるいはイソブチルアルコール等のアルコール類
などを加え、本発明化合物を抽出する。得られた有機溶
媒層を水で洗浄後、濃縮すると本発明化合物を含有する
粗物質が得られる。
【0014】粗物質をさらに精製し、純粋な本発明化合
物を得るには、周知の種々のクロマトグラフィー法が有
利に用いられる。担体としては活性炭、シリカゲル、微
結晶セルロース、吸着性樹脂など化合物の吸着性の差を
利用するもの、または分子ふるい性樹脂など化合物の分
子量の差を利用するもの等が有利に用いられる。これら
担体から目的とする化合物を溶出するためには担体の種
類、性質によって組み合わせが異なるが、適当な有機溶
媒(例、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化
炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化
水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル等
のエステル類、アセトン等のケトン類、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコ
ール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類
など)、有機酸(例、酢酸、ぎ酸等)、水溶液〔例え
ば、水、アルカリ(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム等)含有水溶液、酸(例、塩
酸、酢酸、ぎ酸、りん酸等)含有水溶液、塩類含有水溶
液(例、食塩水、酢酸緩衝液、りん酸緩衝液等)など〕
の単独あるいは適宜の割合の混合溶媒が用いられる。さ
らに詳しくは、担体としてクロマト用活性炭(武田薬品
工業社製),キーゼルゲル60(メルク社製、ドイ
ツ)、微結晶セルロース〔例、アビセル(旭化成社
製)、フナセル(フナコシ株式会社製)等〕、吸着性樹
脂〔例、ダイヤイオンHP−20またはSP−207
(三菱化学社製)、アンバーライトXAD−IまたはII
(ローム・アンド・ハース社製、米国)等〕、分子ふる
い性樹脂〔例、セファデックスLH−20(ファルマシ
ア・アップジョン社製,スウェーデン)等〕などが有利
に用いられる。
【0015】さらに、化合物を精製する場合に、分取用
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法も有利に用
いられる。この方法を適用する場合、担体としてはオク
タデシルシラン(ODS)系、ポリマー系およびシリカ
ゲル系のものが有利に用いられる。例えばODSの場
合、YMCゲル ODS(ワイエムシイ社製)あるいは
TSKゲル ODS(東ソー社製)などが、ポリマー系
の場合、ポリマーにオクタデシル基を導入したODP
(旭化成社製)あるいはポリマーにポリアミンを導入し
たNH2P(旭化成社製)などが用いられ、移動相とし
てはメタノールあるいはアセトニトリルと水あるいは酸
または塩類含有水溶液の混合溶液が有利に用いられる。
シリカゲル系の場合は、例えば、球状シリカゲルを高圧
充填したYMCゲル SIL(ワイエムシイ社製)やT
SKゲル Silica−60(東ソー社製)などが用
いられる。移動相としては、有機溶媒(例、ジクロロメ
タン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、トルエン等
の芳香族炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、アセ
トン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール
類、アセトニトリル等のニトリル類など)、有機酸
(例、酢酸、ぎ酸等)あるいは水などの単独あるいは適
宜の割合の混合溶媒が有利に用いられる。後に記載する
実施例2で得られたTAN−2547Aの上記構造式
は、物理化学的データおよびNMRスペクトルの詳細な
検討などにより決定した。
【0016】次に、上記化合物〔I〕もしくは上記化合
物〔III〕またはその塩の製造法について記載する。
なお、反応に際して、原料の反応に関与すべきでない官
能基の保護、ならびにその保護基の脱離などは、自体公
知の手段から適宜選択しうる。一般式〔I〕または一般
式〔III〕においてR1〜R4が置換されていてもよい
1-19炭化水素基で表される化合物は、例えば、一般式
〔I〕または一般式〔III〕においてR1〜R4が水素
である化合物またはその塩を、ジアゾアルカン(例、ジ
アゾメタン、ジアゾエタン、ジフェニルジアゾメタン、
トリメチルシリルジアゾメタンなど)と反応させること
によって製造することができる。本反応は、通常溶媒中
で行なわれる。該溶媒としては、例えば、アミド類
(例、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-
ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等)、スル
ホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、芳香族塩
基類(例、ピリジン等)、炭化水素類(例、ペンタン、
ヘキサン、ベンゼン、トルエン等)、ハロゲン化炭化水
素類(例、クロロホルム,ジクロロメタン等)、エーテ
ル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、
エステル類(例、酢酸エチル,ぎ酸エチル等)、アルコ
ール類(例、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール等)など、あるいはこれらの適宜の割合の混
合物などが用いられる。反応温度は、反応が進行する限
り特に限定されないが、通常約−70℃〜150℃、好
ましくは約−30℃〜80℃で行なわれる。反応時間
は、用いられる原料,塩基,反応温度,溶媒の種類によ
り異なるが、通常数分から数十時間反応させる。
【0017】一般式〔I〕または一般式〔III〕にお
いてR1〜R4が置換されていてもよいC1-19炭化水素基
で表される化合物は、例えば、一般式〔I〕または一般
式〔III〕においてR1〜R4が水素である化合物また
はその塩を、1−アルキル−3−アリールトリアゼン類
(例、3−メチル−1−p−トリルトリアゼン、1−エ
チル−3−p−トリルトリアゼン、1−ベンジル−3−
p−トリルトリアゼン、3−(2−ヒドロキシエチル)
−1−フェニルトリアゼン、3−(3−ヒドロキシプロ
ピル)−1−フェニルトリアゼン等)と反応させること
によって製造することができる。本反応は、上記したジ
アゾアルカンとの反応と同様に溶媒、反応温度および反
応時間を適宜選択して行われる。一般式〔I〕または一
般式〔III〕においてR1〜R4が置換されていてもよ
いC1-19炭化水素基で表される化合物は、例えば、一般
式〔I〕または一般式〔III〕においてR1〜R4が水
素である化合物またはその塩を、塩基の存在下、脱離基
を有する化合物と反応させることによっても製造するこ
とができる。脱離基を有する化合物とは、化学反応によ
って容易に置換される官能基を有する化合物を表わし、
具体的には、ハロゲン化物(例、よう化メチル、よう化
エチル、よう化プロピル、よう化イソプロピル、よう化
ブチル、よう化ペンチル、臭化アリル、臭化ベンジル
等)、スルホン酸エステル類(例、メタンスルホン酸メ
チル、p-トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホ
ン酸エチル、ベンゼンスルホン酸メチル、トリフルオロ
メタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン
酸エチル等)、硫酸エステル類(例、ジメチル硫酸、ジ
エチル硫酸等)などが用いられる。塩基としては、例え
ば、水素化アルカリ金属(例、水素化ナトリウム、水素
化カリウム等)、水素化アルカリ土類金属(例、水素化
カルシウム等)、アルカリ金属のアルコキシド(例、ナ
トリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、アル
カリ金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウム,水酸化カ
リウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウ
ム,炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ
土類金属の水酸化物(例、水酸化カルシウム等)、3級
アミン(例、トリメチルアミン,トリエチルアミン,ト
リプロピルアミン,N-メチルピペリジン,N-メチルピロ
リジン,シクロヘキシルジメチルアミン,N-メチルモル
ホリン等)、2級アミン(例、ジ-n-ブチルアミン,ジ
イソブチルアミン,ジシクロヘキシルアミン等)、芳香
族塩基(例、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、ル
チジン、コリジン等),アルキルリチウム(例、メチル
リチウム、ブチルリチウム等)などが用いられる。
【0018】本反応は、上記したジアゾアルカンとの反
応の場合と同様に、溶媒、反応温度および反応時間を適
宜選択して行われる。一般式〔I〕または一般式〔II
I〕においてR1〜R4が置換されていてもよいアシル基
である化合物またはその塩は、例えば、一般式〔I〕ま
たは一般式〔III〕においてR1〜R4が水素である化
合物またはその塩を、アシル化反応に付すことにより製
造することができる。水酸基のアシル化は、溶媒中で原
料化合物とアシル化剤、例えば、有機酸(例、有機カル
ボン酸等)あるいはその反応性誘導体を反応させること
により行なうことができる。有機酸の反応性誘導体とし
ては、例えば、酸ハライド、酸無水物、活性エステルな
どが用いられ,このような反応性誘導体を具体的に記載
すると次の通りである。 1)酸ハライド ここで酸ハライドとしては、例えば、酸クロリド,酸ブ
ロミドなどが用いられる。 2)酸無水物 ここで酸無水物としては、例えば、脂肪族カルボン酸
(例,酢酸,吉草酸,ヘキサン酸等)または芳香族カル
ボン酸(例,安息香酸等)からなる混合酸無水物あるい
は対称型酸無水物などが用いられる。 3)活性エステル ここで活性エステルとしては、例えば、メチルエステ
ル,エチルエステル,メトキシメチルエステル,プロパ
ルギルエステル,4-ニトロフェニルエステル,2,4-ジニ
トロフェニルエステル,トリクロロフェニルエステル,
ペンタクロロフェニルエステル,メシルフェニルエステ
ルなどのエステルの他,1-ヒドロキシ-1H-2-ピリドン,
N-ヒドロキシこはく酸イミド,N-ヒドロキシフタールイ
ミド, 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)などとの
エステルが用いられる。カルボン酸と直接反応させる場
合には、例えば、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(DCC)、塩酸 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド(WSC),N,N'-ジイソプロピルカルボ
ジイミド(DIC)などの縮合剤が用いられる。これらの
縮合剤は、上述の活性エステル、例えば、1-ヒドロキシ
-1H-2-ピリドン,N-ヒドロキシこはく酸イミド、N-ヒド
ロキシフタルイミド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
(HOBT)などとのエステル合成に用いてもよい。
【0019】本反応において塩基の存在下実施される場
合があり、用いられる塩基としては、例えば、上記アル
キル化反応と同様のものが用いられる。本反応は、上記
したジアゾアルカンとの反応やアルキル化の場合と同様
に、溶媒、反応温度および反応時間を適宜選択して行わ
れる。
【0020】次に、化合物〔I〕もしくは化合物〔II
I〕の塩の製造法について記載する。上記の製造法によ
って得られた化合物〔I〕もしくは化合物〔III〕
は、塩として用いてもよく、好ましくは、薬理学的に許
容される塩が用いられる。このような塩としては、例え
ば、アルカリ金属(例、ナトリウム、カリウム等)との
塩、アルカリ土類金属(例、カルシウム、マグネシウム
等)との塩などの塩基付加塩、および例えば、無機酸
(例、塩酸、硫酸、りん酸等)との塩あるいは有機酸
(例、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ
酸、シュウ酸、メタンスルホン酸等)との塩などの酸付
加塩があげられる。
【0021】化合物〔I〕もしくは化合物〔III〕ま
たはその塩は、例えば、PTP(例、PTP-1B)阻害作用を
有しており、PTPに起因する疾患、例えば、糖尿病、乳
癌などの悪性腫瘍、慢性関節リウマチや骨関節炎等の関
節疾患、自己免疫疾患、アレルギー、免疫不全、感染症
などの治療・予防薬として有用である。化合物〔I〕も
しくは化合物〔III〕またはその塩を、例えば、哺乳
動物(例、ヒト、サル、ラット、マウス)に投与する場
合は、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される担
体、賦形剤、希釈剤と混合し、医薬組成物として経口的
または非経口的に安全に投与することができる。上記医
薬組成物としては、経口剤として、例えば散剤、顆粒
剤、カプセル剤、錠剤等が、非経口剤として、例えば注
射剤、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤
等)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤等)等が用いられ
る。これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用い
られる自体公知の方法により製造することができる。
【0022】経口剤は、化合物〔I〕もしくは化合物
〔III〕またはその塩に、例えば、賦形剤(例、乳
糖、白糖、デンプン、マンニトールなど)、崩壊剤
(例、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカ
ルシウムなど)、結合剤(例、α化デンプン、アラビア
ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロ
リドン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)または滑
沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエ
チレングリコール6000など)などを添加して圧縮成
形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性ある
いは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティング
することにより製造することができる。コーティング剤
としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、セルロ
ースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレートおよびオイドラギット(ローム社
製、ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重合物)な
どが用いられる。注射剤は、化合物〔I〕もしくは化合
物〔III〕またはその塩を分散剤(例、ツイーン(Twe
en)80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO 60
(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコール、カル
ボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムな
ど)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベ
ン、ベンジルアルコール、クロロブタノールなど)、等
張化剤(例、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトー
ル、ブドウ糖など)などと共に水性注射剤として、ある
いはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物
油、プロピレングリコールなどに溶解、懸濁あるいは乳
化して油性注射剤として成形することにより製造するこ
とができる。
【0023】外用剤は、化合物〔I〕もしくは化合物
〔III〕またはその塩を固状、半固状または液状の組
成物とすることにより製造される。例えば、上記固状の
組成物は、化合物〔I〕もしくは化合物〔III〕をそ
のまま、あるいは賦形剤(例、ラクトース、マンニトー
ル、デンプン、微結晶セルロース、白糖など)、増粘剤
(例、天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合
体など)などを添加、混合して粉状とすることにより製
造することができる。上記液状の組成物は、注射剤の場
合とほとんど同様で、油性あるいは水性懸濁剤とするこ
とにより製造される。半固状の組成物は、水性または油
性のゲル剤、あるいは軟膏状のものがよい。また、これ
らの組成物は、いずれもpH調節剤(例、炭酸、りん
酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤
(例、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノー
ル、塩化ベンザルコニウムなど)などを含んでいてもよ
い。坐剤は、化合物〔I〕もしくは化合物〔III〕ま
たはその塩を油性または水性の固状、半固状あるいは液
状の組成物とすることにより製造することができる。該
組成物に用いる油性基剤としては、例えば、高級脂肪酸
のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナ
マイトノーベル社製)など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリ
オール類(ダイナマイトノーベル社製)など〕、あるい
は植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などがあ
げられる。水性基剤としては、例えばポリエチレングリ
コール類、プロピレングリコールなどがあげられる。ま
た、水性ゲル基剤としては、例えば、天然ガム類、セル
ロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体など
があげられる。
【0024】化合物〔I〕もしくは化合物〔III〕ま
たはその塩の製剤中の含量は、通常約0.1ないし10
0重量/重量%である。化合物〔I〕もしくは化合物
〔III〕またはその塩をヒトに用いる場合の投与量
は、対象疾病の種類、患者の年齢、投与ルートなどで変
動し得るが、例えば、糖尿病の治療目的で経口的に投与
する場合、通常有効成分として、1日成人(体重50k
g)1人当たり約2mg〜1g、とりわけ約10mg〜
500mgの化合物〔I〕またはその塩を用いることが
好ましい。これらの製剤は、1日1〜3回に分けて投与
することができる。化合物〔I〕もしくは化合物〔II
I〕またはその塩を、例えば、骨粗鬆症の治療のため
に、注射剤として非経口的に皮下、静脈内または筋肉内
に投与する場合、その投与量は1日成人1人当たり約1
mg〜200mg、好ましくは2mg〜100mgであ
る。
【0025】
【実施例】以下に実施例および試験例をあげて、本発明
を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定
されるものではない。なお、培地におけるパーセント
(%)は、特に断りのない限り、重量/容量パーセント
を表す。混合溶媒において混合比を示した数値は各溶媒
の容量混合比である。NMRスペクトルは、ブルカーD
PX−300型スペクトルメーター(1H NMR; 300MHz,
13C NMR; 75MHz)を用いて測定した。内部基準として、
テトラメチルシランを用い、全δ値をppmで示した。ま
た、本明細書中の記号は次のような意味を有する。s:
シングレット,d:ダブレット、t:トリプレット、q:
カルテット、dd:ダブルダブレット、dt:ダブルトリプ
レット、ddq:ダブルダブルカルテット、ddd:ダブルダ
ブルダブレット、m:マルチプレット,br:幅広い、Q:
4級炭素、CH:メチン、CH2:メチレン、CH3:メチル クローニング方法および塩基配列の決定法などの遺伝子
操作法は、公知の方法(例えば、モレキュラー・クロー
ニング(Molecular Cloning)、Sambrook et al., Cold
Spring Harbor Lab. Press (1989)等に記載の方法)に
従って行った。
【0026】実施例1 NF-12441の培養 バレイショ−ブドウ糖斜面寒天培地に培養したディディ
モボトリウム・リジダムNF-12441を200 ml三角フラスコ
内のグルコース2%、マルトース3%、生大豆粉1.5
%、コーン・スティープ・リカー1%、ポリペプトン0.
5%、酵母エキス0.3%、塩化ナトリウム0.3%を含む40m
lの種培地(pH7.0)に接種し、24℃、7日間回転振とう
機上で培養した。この培養液1 mlを200 ml三角フラス
コのグルコース1%、デキストリン4%、生大豆粉0.5
%、麦芽エキス0.5%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス
0.2%、硫酸鉄(II)七水和物0.05%、硫酸マグネシ
ウム七水和物0.05%、硫酸マンガン(II)五水和物0.
05%、リン酸二水素カリウム0.1%、炭酸カルシウム0.5
%を含む40mlの主培養(pH7.5)、25本(計1 L)に接
種し、回転数毎分220回転で24℃、7日間培養し、主培
養液を得た。
【0027】実施例2 TAN−2547AおよびDの単離 実施例1で得られた培養液(1L)のpHを2.0に調
整後、酢酸エチル(1L)を加え、30分間攪拌した
後、濾過補助剤(ラジオライト600、昭和化学工業社
製)を用いて濾過した。有機層を分離後、水(2x1
L)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、濃縮乾固し褐色粉末(4.32g)を得た。これを
シリカゲル(100g、シリカゲル60、70−230
メッシュ、イー・メルク社、ドイツ)のカラムクロマト
グラフィーに付し、クロロホルム/ぎ酸(10:0.
5、15x50ml、フラクション1−15)で溶出分
画した。フラクション4−9を濃縮乾固し、TAN−2
547AおよびDを含む粉末(1.1g)を得た。この
粉末を分取HPLC〔カラム;YMC-Pack SH-363-15, OD
S(ワイエムシイ社製)、移動相;水/0.05% トリフル
オロ酢酸:アセトニトリル/0.05% トリフルオロ酢酸=
40:60(O分)〜25:75(40分)〜25:75(20分)の直線濃
度勾配法、流速;20ml/分〕に付した。保持時間37
−42分の画分を集め、減圧下アセトニトリルを留去
し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固して、TAN−2547
A(450mg)を紫色粉末として得た。保持時間31
−34分の画分を集め、減圧下アセトニトリルを留去
し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固して、TAN−2547
Dを含有する粉末(34mg)を得た。この粉末をさら
に、分取HPLC〔カラム;YMC-Pack SH-343-15, ODS
(ワイエムシイ社製)、移動相;60%アセトニトリル/
0.05% トリフルオロ酢酸、流速;10ml/分〕に付し、
溶出容量380−420mlの画分を集め、減圧下アセ
トニトリルを留去し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を
水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固して、
TAN−2547D(20mg)を紫色粉末として得
た。 TAN−2547A 1)外観:紫色粉末 2)分子量:FAB−マススペクトル;m/z 507
(M+H)+ 3)元素分析値:(%)(水分0.25モルとして計算) 計算値;C, 75.20; H, 6.01; N, 5.48 実測値;C, 75.22; H, 5.89; N, 5.26 4)紫外線(UV)吸収スペクトル:メタノール中 極大値:225 nm (E1% 860), 280 nm (E1% 440) 5)赤外線(IR)スペクトル:KBr 錠剤中、主な吸収を
示す(波数,cm-1)。3400, 3380, 3320, 2965, 2910, 1
635, 1455, 1340, 1280, 1240, 995 6)1H核磁気共鳴(NMR)スペクトル:300 MHz、重ジメ
チルスルホキシド中、δppm 1.64 (3H, s), 1.67 (3H,
s), 1.72 (6H, s), 3.31 (2H, d, J = 7.0 Hz), 3.37
(2H, d, J = 7.0 Hz), 5.29 (1H, t, J = 7.0 Hz), 5.3
4 (1H, t, J =7.0 Hz), 6.75 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.
00 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.07 (1H, d, J = 8.0 Hz),
7.10 (1H, s), 7.10 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.43 (2H,
d, J =7.8 Hz), 7.51 (1H, d, J = 2.1 Hz), 10.65 (2
H, br s), 10.83 (1H, s), 11.38 (1H, br s) 7)13C NMR スペクトル:75 MHz、重ジメチルスルホキ
シド中、δppm137.3 (Q), 135.7 (Q), 135.6 (Q), 133.
2 (Q), 132.0 (Q), 130.7 (Q), 127.2(CH), 126.3 (Q),
126.1 (Q), 124.4 (CH), 121.3 (CH), 121.2 (CH), 12
0.8 (CH), 119.3 (CH), 119.2 (CH), 118.5 (CH), 111.
3 (CH), 111.2 (Q), 111.0 (Q), 109.8 (CH), 104.3
(Q), 101.0 (Q), 33.9 (CH2), 26.3 (CH2), 25.5 (C
H3),25.4 (CH3), 17.6 (CH3), 17.5 (CH3) なお、キノ
ン環上の酸素の結合している炭素(4種)は観測されな
かった。 TAN−2547D 1)外観:紫色粉末 2)分子量:FAB−マススペクトル;m/z 439(M+H)+ 高分解能FAB−マススペクトル;m/z 439.1662(M+H)
+ (C27H23N2O4+H)+としたときの計算値439.1667 3)紫外線(UV)吸収スペクトル:メタノール中 極大値:277 nm (E1% 480) 4)赤外線(IR)スペクトル:KBr 錠剤中、主な吸収を
示す(波数,cm-1)。3395, 3320, 1630, 1530, 1460, 1
340, 1295, 1240, 985 5)1H核磁気共鳴(NMR)スペクトル:300 MHz、重クロ
ロホルム中、δppm1.79 (3H, s), 1.86 (3H, s), 4.77
(2H, d, J = 6.8 Hz), 5.45 (1H, t, J = 6.8 Hz), 7.1
5〜7.30 (4H, m), 7.38 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.43 (1
H, d, J = 8.0 Hz), 7.56 (1H, s), 7.63 (1H, d, J =
2.6 Hz), 7.66 (2H, d, J = 7.9 Hz), 8.14 (2H, br
s), 8.49 (1H, br s) 6)13C NMR スペクトル:75 MHz、重クロロホルム中、
δppm137 0 (Q), 136.1 (Q), 135.8 (Q), 130.4 (CH),
127.1 (CH), 126.8 (Q), 126.0 (Q), 122.6 (CH), 122.
1 (CH), 121.9 (CH), 121.9 (CH), 120.3 (CH), 120.0
(CH), 119.4 (CH), 111.3 (CH), 111.0 (Q), 110.5
(Q), 109.9 (CH), 104.7 (Q), 102.8 (Q), 44.6 (CH2),
25.7 (CH3), 18.1 (CH3) なお、キノン環上の酸素の
結合している炭素(4種)は観測されなかった。
【0028】実施例3 TAN−2547A(50mg)をメタノール(15m
l)に溶解後、ジアゾメタンのジエチルエーテル飽和溶
液(15ml)を加え室温で30分攪拌した。反応液を
濃縮後、分取HPLC〔カラム;YMC-Pack SH-343-15,
ODS(ワイエムシイ社製)、移動相;75%アセトニトリ
ル/0.05% トリフルオロ酢酸、流速;10ml/分〕に付
し、溶出容量250−290mlの画分を集め、減圧下
アセトニトリルを留去し、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固し
て、TAN−2547AのO、O−ジメチル体(41m
g、収率 78%)を紫色粉末として得た。1 H NMR (CDCl3); 1.73 (3H, s), 1.74 (3H, s), 1.76
(3H, s), 1.78 (3H, s),3.32 (2H, d, J = 7.5 Hz), 3.
44 (2H, d, J =7.5 Hz), 3.68 (3H, s), 3.79 (3H, s),
5.34 (1H, t, J = 7.5 Hz), 5.40 (1H, t, J = 7.5 H
z), 6.95 (1H, d,J = 8.0 Hz), 7.13 (1H, s), 7.18 (1
H, t, J = 7.8 Hz), 7.24 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.25
(1H, d, J = 8.0 Hz), 7.41 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.5
7 (1H, d,J = 2.2 Hz), 7.59 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.
08 (1H, s), 8.57 (1H, br s).
【0029】実施例4 PTP-1B遺伝子のクローニングおよびタンパク精製 Genbank(M31724)データベースに登録されているヒトPTP
-1Bの配列を基にしてプライマー1およびプライマー2を
合成し、ヒトskeletal muscle cDNAライブラリー(Clone
tech社 HL5002a) より、これらのプライマーを用いたP
CR法によりPTP-1B cDNAを増幅した。反応は98℃、10
秒、58℃、30秒、72℃、90秒を35サイクル繰り返した。
PCR反応生成物(1322bp)は、pT7 Blue-Tベクター (Novag
en社)にクローニングし、塩基配列を確認した。次に、P
TP-1Bの酵素活性ドメインをコードする1-321アミノ酸領
域を発現するため、ヒトPTP-1B cDNA (1322bp)100 ngを
プライマー 3およびプライマー4を用いて増幅した。PCR
反応生成物(976bp)は、pT7 Blue-Tベクター (Novagen
社)にクローニングし、塩基配列を確認した。pT7 Blue-
Tベクター-ヒトPTP-1B cDNA(976bp)を制限酵素NdeIとSa
lI(宝酒造(株))で切断処理し、0.7% アガロースゲル
電気泳動で泳動後、969bp断片を切り出し、精製した。
この断片を、制限酵素NdeIとXhoI(宝酒造(株))で切断
処理したpET32a(+)ベクター(Novagen社)に導入し、T7 l
acプロモーター制御下にPTP-1B(321アミノ酸)をC末端に
6個のヒスチジン残基を結合した形で発現するベクターp
ET32a(+)-ヒトPTP-1B cDNA(969bp)を構築した。pET32a
(+)-ヒトPTP-1B cDNA(969bp)を大腸菌BL21 DE3 pLysS
(Novagen社)に形質転換し、アンピシリン(50μg/ml)耐
性菌を取得した。2xYT培地(アンピシリン(50μg/ml))
5 Lを用い、37℃でシェ−カー培養し、OD600nmが0.5に
達したときに、IPTG(Isopropylβ-D-Thiogalactoside)
を1 mMとなるよう添加し、タンパク発現を誘導し、さら
に一夜37℃で培養した。菌体は遠心分離(8000rpm,10分,
4℃)で集めた。菌体をlysis buffer 50 ml (20 mM Tris
HCl (pH8.0)、0.5 M NaCl、1 mM PMSF、5 mM benzamidi
ne、Lysozyme 5 mg)に懸濁し、超音波破砕した。遠心分
離(12000rpm、10分、4℃)した上清にimidazoleを50 mM
となるよう添加し、Niイオンを結合したHis Bind resin
(Novagen社)と混ぜた(4℃、一夜)。(20 mM TrisHCl (p
H8.0)、0.5 M NaCl、1 mM PMSF、5 mM benzamidine、50
mM imidazole) 200mlで洗浄後、(20 mM TrisHCl (pH8.
0)、0.5M NaCl、 1 mM PMSF、5 mM benzamidine、400 m
M imidazole)で溶出し、Ultrafree-15 Biomax-50 (MILL
IPORE社)を用いて遠心濃縮した(11 mg/ml、4 ml)。SD
S-PAGEとCoomassie Blue染色、抗PTP1B抗体(UBI社)を用
いたウェスタンブロティングで、精製タンパク(PTP-1B)
を確認した。
【0030】試験例1 PTP-1B活性測定 PTP-1B活性は、96穴マイクロタイタープレートを用い
て、p-nitrophenylphosphate(pNPP)を脱リン酸化する活
性(405 nmの吸光度の変化)を測定した。活性測定用緩衝
液(0.1 M酢酸ナトリウム (pH6.5)、1 mM EDTA、10 mM
DTT)10 mlに、PTP-1B酵素液2μlを添加し、各穴に100
μlずつ加えた。次いで各穴に、化合物のDMSO溶液を10
μl、2 mM pNPP/活性測定用緩衝液を90μl添加し、405
nmの吸光度を測定した。さらに、37℃で1時間保温後、
もう一度吸光度を測定して吸光度の変化を求めた。な
お、化合物無添加のときの吸光度の変化を100%と
し、50%阻害に必要な化合物濃度(IC50値)として
PTP-1B阻害活性を示した。その結果、TAN−2547
AおよびTAN−2547DのIC50値は、それぞれ1.
2μMおよび2.6μMであった。
【0031】試験例2 ラット筋肉細胞株を用いた糖取り込み促進活性の測定 ラット筋肉細胞株L6は、10% FBS、G418(Sigma社)300μg
/ml含有MEM-α培地で継体培養し、OPAQUE 96穴プレート
(コースター社)に、30000細胞/100μl/穴分注し、一夜
培養した。血清培地を除き、無血清、5.5 mMフルクトー
ス添加MEM-α培地120μl/穴に交換し、4時間培養した。
無血清、5.5 mMフルクトース添加MEM-α培地90μl/穴に
交換し、DMSOあるい化合物のDMSO溶液を5μl/穴添加
し、30分間培養した。さらに、インスリン (0、20 nM)
を、5μl/穴添加(最終濃度0、1 nM)し、30分間培養し
た。1 mM 2-デオキシ-D-グルコース、10μl/ml 2-デオ
キシ-D-[1-3H]グルコース(37 MBq/ml)(アマシャム フ
ァルマシア バイオテク社)、KRH緩衝液(20 mM HEPE
S、140 mM NaCl、5 mM KCl、2.5 mM MgSO4、1 mM CaC
l2、BSA 2 g/L (pH 7.4))を20μl/穴 添加し、37℃で1
時間培養した。培地を除去し、PBS 150μl/穴で3回洗浄
し、エタノール20μl/穴、液体シンチレータOptiphase
Supermix (Wallac社)100μl/穴を加え、細胞が取り込ん
だ2-デオキシ-D-[1- 3H]グルコース量を1450 MicroBeta
液体シンチレーションカウンター (Wallac社)で測定し
た。表1で示す結果は、インスリンも化合物も添加しな
い時のカウントを100%としたときの相対値で表し
た。
【表1】 この結果より、TAN−2547Aが糖取り込みの促進
活性を有することが分かった。
【0032】
【発明の効果】本発明の化合物〔I〕もしくは化合物
〔III〕またはその塩は、例えば、PTP(例、PTP-1B)阻
害作用を有しており、PTPに起因する疾患、例えば、糖
尿病、乳癌などの悪性腫瘍、慢性関節リウマチや骨関節
炎等の関節疾患、自己免疫疾患、アレルギー、免疫不
全、感染症などの治療・予防薬として有用である。
【0033】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕実施例4において使用したプライマー1
の塩基配列を示す。 〔配列番号:2〕実施例4において使用したプライマー2
の塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕実施例4記載のPTP-1B cDNA(1322bp)
の塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕実施例4において使用したプライマー3
の塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕実施例4において使用したプライマー4
の塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕実施例4に記載したPCR反応生成物(97
6bp)の塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕実施例4に記載したPTP-1B酵素活性ド
メインのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:8〕実施例4に記載のpET32a(+)に挿入した
PTP-1B cDNA断片の塩基配列を示す。
【0034】
【配列表フリーテキスト】 〔配列番号:1〕 Designed oligonucleotide primer to amplify PTP1B cDNA 〔配列番号:2〕 Designed oligonucleotide primer to amplify PTP1B cDNA 〔配列番号:4〕 Designed oligonucleotide primer to amplify PTP1B cDNA 〔配列番号:5〕 Designed oligonucleotide primer to amplify PTP1B cDNA
【0035】
【配列表】 <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> TAN-2547 Related Compound, Its Production and Use <130> 170808 <160> 8 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleodite primer to amplify PTP1B cDNA <400> 1 ccgtcatgga gatggaaaag 20 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify PTP1B cDNA <400> 2 agggtcaggc tatgtgttgc 20 <210> 3 <211> 1322 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 3 ccgtcatgga gatggaaaag gagttcgagc agatcgacaa gtccgggagc tgggcggcca 60 tttaccagga tatccgacat gaagccagtg acttcccatg tagagtggcc aagcttccta 120 agaacaaaaa ccgaaatagg tacagagacg tcagtccctt tgaccatagt cggattaaac 180 tacatcaaga agataatgac tatatcaacg ctagtttgat aaaaatggaa gaagcccaaa 240 ggagttacat tcttacccag ggccctttgc ctaacacatg cggtcacttt tgggagatgg 300 tgtgggagca gaaaagcagg ggtgtcgtca tgctcaacag agtgatggag aaaggttcgt 360 taaaatgcgc acaatactgg ccacaaaaag aagaaaaaga gatgatcttt gaagacacaa 420 atttgaaatt aacattgatc tctgaagata tcaagtcata ttatacagtg cgacagctag 480 aattggaaaa ccttacaacc caagaaactc gagagatctt acatttccac tataccacat 540 ggcctgactt tggagtccct gaatcaccag cctcattctt gaactttctt ttcaaagtcc 600 gagagtcagg gtcactcagc ccggagcacg ggcccgttgt ggtgcactgc agtgcaggca 660 tcggcaggtc tggaaccttc tgtctggctg atacctgcct cttgctgatg gacaagagga 720 aagacccttc ttccgttgat atcaagaaag tgctgttaga aatgaggaag tttcggatgg 780 ggctgatcca gacagccgac cagctgcgct tctcctacct ggctgtgatc gaaggtgcca 840 aattcatcat gggggactct tccgtgcagg atcagtggaa ggagctttcc cacgaggacc 900 tggagccccc acccgagcat atccccccac ctccccggcc acccaaacga atcctggagc 960 cacacaatgg gaaatgcagg gagttcttcc caaatcacca gtgggtgaag gaagagaccc 1020 aggaggataa agactgcccc atcaaggaag aaaaaggaag ccccttaaat gccgcaccct 1080 acggcatcga aagcatgagt caagacactg aagttagaag tcgggtcgtg gggggaagtc 1140 ttcgaggtgc ccaggctgcc tccccagcca aaggggagcc gtcactgccc gagaaggacg 1200 aggaccatgc actgagttac tggaagccct tcctggtcaa catgtgcgtg gctacggtcc 1260 tcacggccgg cgcttacctc tgctacaggt tcctgttcaa cagcaacaca tagcctgacc 1320 ct 1322 <210> 4 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify PTP1B cDNA <400> 4 tacatatggagatggaaaagg 21 <210> 5 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify PTP1B cDNA <400> 5 tagtcgacattgtgtggctccagg 24 <210>6 <211>976 <212>DNA <213>Homo sapiens <400> 6 tacatatgga gatggaaaag gagttcgagc agatcgacaa gtccgggagc tgggcggcca 60 tttaccagga tatccgacat gaagccagtg acttcccatg tagagtggcc aagcttccta 120 agaacaaaaa ccgaaatagg tacagagacg tcagtccctt tgaccatagt cggattaaac 180 tacatcaaga agataatgac tatatcaacg ctagtttgat aaaaatggaa gaagcccaaa 240 ggagttacat tcttacccag ggccctttgc ctaacacatg cggtcacttt tgggagatgg 300 tgtgggagca gaaaagcagg ggtgtcgtca tgctcaacag agtgatggag aaaggttcgt 360 taaaatgcgc acaatactgg ccacaaaaag aagaaaaaga gatgatcttt gaagacacaa 420 atttgaaatt aacattgatc tctgaagata tcaagtcata ttatacagtg cgacagctag 480 aattggaaaa ccttacaacc caagaaactc gagagatctt acatttccac tataccacat 540 ggcctgactt tggagtccct gaatcaccag cctcattctt gaactttctt ttcaaagtcc 600 gagagtcagg gtcactcagc ccggagcacg ggcccgttgt ggtgcactgc agtgcaggca 660 tcggcaggtc tggaaccttc tgtctggctg atacctgcct cttgctgatg gacaagagga 720 aagacccttc ttccgttgat atcaagaaag tgctgttaga aatgaggaag tttcggatgg 780 ggctgatcca gacagccgac cagctgcgct tctcctacct ggctgtgatc gaaggtgcca 840 aattcatcat gggggactct tccgtgcagg atcagtggaa ggagctttcc cacgaggacc 900 tggagccccc acccgagcat atccccccac ctccccggcc acccaaacga atcctggagc 960 cacacaatgt cgacta 976 <210> 7 <211> 321 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 7 Met Glu Met Glu Lys Glu Phe Glu Gln Ile Asp Lys Ser Gly Ser Trp 1 5 10 15 Ala Ala Ile Tyr Gln Asp Ile Arg His Glu Ala Ser Asp Phe Pro Cys 20 25 30 Arg Val Ala Lys Leu Pro Lys Asn Lys Asn Arg Asn Arg Tyr Arg Asp 35 40 45 Val Ser Pro Phe Asp His Ser Arg Ile Lys Leu His Gln Glu Asp Asn 50 55 60 Asp Tyr Ile Asn Ala Ser Leu Ile Lys Met Glu Glu Ala Gln Arg Ser 65 70 75 80 Tyr Ile Leu Thr Gln Gly Pro Leu Pro Asn Thr Cys Gly His Phe Trp 85 90 95 Glu Met Val Trp Glu Gln Lys Ser Arg Gly Val Val Met Leu Asn Arg 100 105 110 Val Met Glu Lys Gly Ser Leu Lys Cys Ala Gln Tyr Trp Pro Gln Lys 115 120 125 Glu Glu Lys Glu Met Ile Phe Glu Asp Thr Asn Leu Lys Leu Thr Leu 130 135 140 Ile Ser Glu Asp Ile Lys Ser Tyr Tyr Thr Val Arg Gln Leu Glu Leu 145 150 155 160 Glu Asn Leu Thr Thr Gln Glu Thr Arg Glu Ile Leu His Phe His Tyr 165 170 175 Thr Thr Trp Pro Asp Phe Gly Val Pro Glu Ser Pro Ala Ser Phe Leu 180 185 190 Asn Phe Leu Phe Lys Val Arg Glu Ser Gly Ser Leu Ser Pro Glu His 195 200 205 Gly Pro Val Val Val His Cys Ser Ala Gly Ile Gly Arg Ser Gly Thr 210 215 220 Phe Cys Leu Ala Asp Thr Cys Leu Leu Leu Met Asp Lys Arg Lys Asp 225 230 235 240 Pro Ser Ser Val Asp Ile Lys Lys Val Leu Leu Glu Met Arg Lys Phe 245 250 255 Arg Met Gly Leu Ile Gln Thr Ala Asp Gln Leu Arg Phe Ser Tyr Leu 260 265 270 Ala Val Ile Glu Gly Ala Lys Phe Ile Met Gly Asp Ser Ser Val Gln 275 280 285 Asp Gln Trp Lys Glu Leu Ser His Glu Asp Leu Glu Pro Pro Pro Glu 290 295 300 His Ile Pro Pro Pro Pro Arg Pro Pro Lys Arg Ile Leu Glu Pro His 305 310 315 320 Asn 321 <210> 8 <211>969 <212>DNA <213>Homo sapiens <400> 8 tatggagatg gaaaaggagt tcgagcagat cgacaagtcc gggagctggg cggccattta 60 ccaggatatc cgacatgaag ccagtgactt cccatgtaga gtggccaagc ttcctaagaa 120 caaaaaccga aataggtaca gagacgtcag tccctttgac catagtcgga ttaaactaca 180 tcaagaagat aatgactata tcaacgctag tttgataaaa atggaagaag cccaaaggag 240 ttacattctt acccagggcc ctttgcctaa cacatgcggt cacttttggg agatggtgtg 300 ggagcagaaa agcaggggtg tcgtcatgct caacagagtg atggagaaag gttcgttaaa 360 atgcgcacaa tactggccac aaaaagaaga aaaagagatg atctttgaag acacaaattt 420 gaaattaaca ttgatctctg aagatatcaa gtcatattat acagtgcgac agctagaatt 480 ggaaaacctt acaacccaag aaactcgaga gatcttacat ttccactata ccacatggcc 540 tgactttgga gtccctgaat caccagcctc attcttgaac tttcttttca aagtccgaga 600 gtcagggtca ctcagcccgg agcacgggcc cgttgtggtg cactgcagtg caggcatcgg 660 caggtctgga accttctgtc tggctgatac ctgcctcttg ctgatggaca agaggaaaga 720 cccttcttcc gttgatatca agaaagtgct gttagaaatg aggaagtttc ggatggggct 780 gatccagaca gccgaccagc tgcgcttctc ctacctggct gtgatcgaag gtgccaaatt 840 catcatgggg gactcttccg tgcaggatca gtggaaggag ctttcccacg aggacctgga 900 gcccccaccc gagcatatcc ccccacctcc ccggccaccc aaacgaatcc tggagccaca 960 caatgtcga 969
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 17/16 C12P 17/16 4C204 // C12N 9/16 C12N 9/16 B 15/09 ZNA (C12N 1/14 A (C12N 1/14 C12R 1:645) C12R 1:645) (C12P 17/16 (C12P 17/16 C12R 1:645) C12R 1:645) C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 近藤 滋 大阪府吹田市津雲台5丁目18番D73−103 号 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 BA11 CA04 DA06 EA04 GA11 4B050 CC03 DD11 LL03 4B064 AE54 CA05 DA03 4B065 AA26X AA58X AA93Y AB01 AC14 CA18 CA31 CA44 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BC13 MA01 MA04 NA14 ZC20 ZC35 4C204 AB12 BB01 CB03 DB04 DB15 EB02 EB03 FB01 FB04 GB13 GB26 GB28

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子、置換されていてもよいC1-19炭化水素基また
    は置換されていてもよいC1-13アシル基を示す〕で表さ
    れる化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】 化合物が 【化2】 で表されるTAN−2547Aまたはその塩。
  3. 【請求項3】一般式 【化3】 〔式中、R3およびR4はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子、置換されていてもよいC1-19炭化水素基また
    は置換されていてもよいC1-13アシル基を示す〕で表さ
    れる化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】化合物が 【化4】 で表されるTAN−2547Dまたはその塩。
  5. 【請求項5】 糸状菌に属し、請求項2記載のTAN−
    2547Aおよび/または請求項4記載のTAN−25
    47Dを生産する能力を有する微生物を培地に培養し、
    培養物中にTAN−2547Aおよび/またはTAN−
    2547Dを生成蓄積せしめ、これを採取することを特
    徴とする請求項2記載のTAN−2547Aおよび/ま
    たは請求項4記載のTAN−2547D、またはその塩
    の製造法。
  6. 【請求項6】 微生物が糸状菌 Didymobotryum rigidum
    NF-12441(FERM BP−7131)である請求項
    5記載の製造法。
  7. 【請求項7】 糸状菌 Didymobotryum rigidum NF-1244
    1(FERM BP−7131)。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の化合物もしくは請求項3
    記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬。
  9. 【請求項9】 糖尿病の治療・予防剤である請求項8記
    載の医薬。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の化合物もしくは請求項
    3記載の化合物またはその塩を含有してなるプロテイン
    チロシン ホスファターゼ阻害薬。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の化合物もしくは請求項
    3記載の化合物またはその塩を含有してなるプロテイン
    チロシン ホスファターゼ−1B阻害薬。
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