JPH08104683A - エポキシコハク酸誘導体 - Google Patents

エポキシコハク酸誘導体

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JPH08104683A
JPH08104683A JP6265686A JP26568694A JPH08104683A JP H08104683 A JPH08104683 A JP H08104683A JP 6265686 A JP6265686 A JP 6265686A JP 26568694 A JP26568694 A JP 26568694A JP H08104683 A JPH08104683 A JP H08104683A
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JP
Japan
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group
compound
trans
carbonyl
carbon atoms
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Withdrawn
Application number
JP6265686A
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English (en)
Inventor
Shigetoshi Tsuboya
重利 坪谷
Masayuki Takizawa
正之 瀧澤
Mikio Shirasaki
幹雄 白崎
Yukio Fujisawa
幸夫 藤沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】チオ−ルプロテア−ゼ阻害剤、骨疾患の予防お
よび治療剤として有用な化合物の提供。 【構成】一般式 【化1】 〔式中、R1はエステル化またはアミド化されていても
よいカルボキシル基を、R2は置換基を有していてもよ
い環式基または極性基を、nは0から6までの整数を、
3は水素または置換基を有していてもよい炭化水素残
基を、R4は(1)保護されていてもよいアミノ基で置
換された炭化水素残基または(2)アルケニル基を示
し、R3とR4とはこれらが結合する窒素原子と共に少な
くとも2個のヘテロ原子を含有する複素環基を形成して
もよい〕で表される化合物またはその塩。 【効果】本発明によれば、チオ−ルプロテア−ゼ阻害
剤、骨疾患の予防および治療剤として有用な化合物が提
供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カテプシンLおよびB
等のチオールプロテアーゼ阻害作用を有し、骨粗鬆症等
の骨疾患の予防および治療剤として有用な新規エポキシ
コハク酸誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】骨組織では骨吸収と骨形成がバランスを
保ちながら常に繰り返され、骨の恒常性が維持されてお
り、骨粗鬆症などの骨疾患は、このバランスが骨吸収側
に傾くことによって引き起こされる。近年、骨疾患の予
防・治療作用を有するエポキシ化合物が報告されている
(特開昭62−76号、ヨーロッパ特許公開26931
1号)。以下、本明細書において、アミノ酸,ペプチド
等に関し、略号で表示する場合、IUPAC−IUB
コミッション・オン・バイオケミカル・ノメンクレーチ
ャー(Commission on Biochemical Nomenclature)によ
る略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくもの
とし、また、アミノ酸に光学異性体があり得る場合特に
明示しなければL体を示すものとする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、骨粗鬆症の予防
及び治療にはエストロゲン剤、カルシトニン等の骨吸収
抑制物質が用いられている。しかし、これらの薬剤は破
骨細胞のリソゾームから分泌されるチオールプロテアー
ゼに対する阻害作用はなく、また、これらの治療薬を投
与する場合、投与対象が限定されたり、効果が不確実で
ある場合もあり、十分な効果が得られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した状
況に鑑み、チオールプロテアーゼ、その中でも最近、骨
吸収に主な役割を果たしていることが明らかになりつつ
あるカテプシンL〔エイチ・カケガワ(H. Kakegawa)
ら、フェブス・レターズ(FEBS Letters)、321巻、247頁
(1993)〕に着目し、このカテプシンLを選択的に阻害
する薬剤を見い出すことが出来るならば、骨粗鬆症など
の骨疾患の予防および治療剤が得られると確信し、その
起源を微生物代謝産物の中に求めた。鋭意探索の結果、
下記式で示されるTAN−1756A,B,CおよびD
をケトミウム (Chaetomium) 属に属する微生物から、T
AN−1854AおよびBをトリポクラディウム(Toly
pocladium)属に属する微生物から、TAN−1803
を、またトリコデルマ(Trichoderma) 属に属する微生物
から、TAN−1868をアスペルギルス(Aspergillu
s)属に属する微生物から見いだした。また、本発明者
らはこれらの化合物の合成法も確立した。さらに、本発
明者らはこれらの知見に基づいて、エポキシコハク酸誘
導体の研究を重ね、本発明を完成した。
【0005】
【化4】
【化5】 〔(S)は当該記号の付された炭素原子がS配位であるこ
とを示す。〕
【0006】すなわち本発明は、(1)一般式
【化6】 〔式中、R1はエステル化またはアミド化されていても
よいカルボキシル基を、R2は置換基を有していてもよ
い環式基または極性基を、nは0から6までの整数を、
3は水素または置換基を有していてもよい炭化水素残
基を、R4は(1)保護されていてもよいアミノ基で置
換された炭化水素残基または(2)アルケニル基を示
し、R3とR4とはこれらが結合する窒素原子と共に少な
くとも2個のヘテロ原子を含有する複素環基を形成して
もよい〕で表される化合物またはその塩、(2)R1
エステル化されていてもよいカルボキシル基である上記
(1)記載の化合物、(3)R1がカルボキシル基であ
る上記(1)記載の化合物、(4)R2が置換基を有し
ていてもよい環式基である上記(1)記載の化合物、
(5)環式基がアリール基である上記(4)記載の化合
物、(6)アリール基が炭素数6ないし14のアリール
基である上記(5)記載の化合物、(7)R3で表され
る炭化水素残基がアルキル基である上記(1)記載の化
合物、(8)R4がアミノアルキル基である上記(1)
記載の化合物、(9)R3とR4とはこれらが結合する窒
素原子と共に少なくとも2個のヘテロ原子を含有する複
素環基を形成する上記(1)記載の化合物、(10)複
素環基が6員複素環基である上記(9)記載の化合物、
(11)化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキ
シオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル}-1,4
-ジアミノブタンである上記(1)記載の化合物、(1
2)化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカル
ボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル}
-1,4-ジアミノブタンである上記(1)記載の化合物、
(13)化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニル}モルホリンである上記(1)記載の化合物、(1
4)化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオ
キシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル}モルホリ
ンである上記(1)記載の化合物、(15)化合物がN-
{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボニルオキシラ
ン-2-カルボニル]-L-チロシル}モルホリンである上記
(1)記載の化合物、(16)化合物がN-{N-[(2S,3S)-
3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-チ
ロシル}モルホリンである上記(1)記載の化合物、
(17)化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナフチル)-
L-アラニル}モルホリンである上記(1)記載の化合
物、(18)化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カル
ボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナフチル)-L-ア
ラニル}モルホリンである上記(1)記載の化合物、
(19)一般式
【化7】 〔式中、R11はエステル化またはアミド化されていても
よいカルボキシル基を、R12は置換基を有していてもよ
い多環式芳香環基を、n’は0から6までの整数を、R
13およびR14は水素またはアルキル基を示す〕で表され
る化合物またはその塩、(20)R11がエステル化され
ていてもよいカルボキシル基である上記(19)記載の
化合物、(21)多環式芳香環基が炭素数8ないし12
の2環性芳香環基である上記(19)記載の化合物、
(22)化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナフチル)-
L-アラニル}-1-アミノ-3-メチルブタンである上記(1
9)記載の化合物、(23)化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-
トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-
ナフチル)-L-アラニル}-1-アミノ-3-メチルブタンであ
る上記(19)記載の化合物、(24)一般式
【化8】 〔式中、R21はエステル化またはアミド化されていても
よいカルボキシル基を、R22はアルキル基を、R23およ
びR24は同一または異なって保護されていてもよいアミ
ノ基で置換されたアルキル基を示す〕で表される化合物
またはその塩、(25)R21がカルボキシル基である上
記(24)記載の化合物、(26)R22が炭素数3ない
し5のアルキル基である上記(24)記載の化合物、
(27)R23およびR24がアミノアルキル基である上記
(24)記載の化合物、(28)上記(1),(19)
または(24)記載の化合物を含有してなるチオールプ
ロテアーゼ阻害剤、(29)上記(1),(19)また
は(24)記載の化合物を含有してなる骨疾患の予防お
よび治療剤、および(30)骨疾患が骨粗鬆症である上
記(29)記載の予防および治療剤、に関する。
【0007】一般式(I)において、R1で表されるエ
ステル化されていてもよいカルボキシル基としては、例
えば薬理学的に享受しうるもの、あるいは生体内におい
てはじめて薬理学的に享受しうるものに変化するものが
用いられる。エステル化されたカルボキシル基は、好ま
しくは、式−COOR5で表される。ここにおいて、R5
は、例えば(1)(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,
塩素,フッ素等)、(c)炭素数2ないし6のアルカノイ
ルオキシ基(例、アセチルオキシ,プロピオニルオキ
シ,イソプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブ
チリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、
ピバロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ等)等から選ば
れる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数1
ないし6のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,
tert-ブチル,ペンチル,イソペンチル,sec-ペンチ
ル,ネオペンチル,tert-ペンチル,ヘキシル等)、(2)
(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,塩素,フッ素
等)、(c)炭素数1ないし4のアルコキシ基(例、メト
キシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキ
シ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)
から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい
炭素数6ないし14のアリール基(例、フェニル,ナフ
チル等)、(3)(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,
塩素,フッ素等)、(c)炭素数1ないし4のアルコキシ
基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポ
キシ,ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-
ブトキシ等)から選ばれる1ないし3個の置換基を有し
ていてもよい炭素数7ないし12のアラルキル基(例、
ベンジル,フェネチル等)等を示す。R5は、好ましく
は(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,塩素,フッ素
等)、(c)炭素数2ないし6のアルカノイルオキシ基
(例、アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,イソプロ
ピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキ
シ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ピバロイル
オキシ、ヘキサノイルオキシ等)等から選ばれる1ない
し3個の置換基を有していてもよい炭素数1ないし6の
アルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロ
ピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチ
ル,ペンチル,イソペンチル,sec-ペンチル,ネオペン
チル,tert-ペンチル,ヘキシル等)である。R5は、さ
らに好ましくは炭素数1ないし6のアルキル基(例、メ
チル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソ
ブチル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,イソペ
ンチル,sec-ペンチル,ネオペンチル,tert-ペンチ
ル,ヘキシル等)である。
【0008】一般式(I)において、R1で表されるア
ミド化されていてもよいカルボキシル基としては、例え
ば薬理学的に享受しうるもの、あるいは生体内において
はじめて薬理学的に享受しうるものに変化するものが用
いられる。アミド化されたカルボキシル基は、好ましく
は、式−CONHR6で表される。ここにおいて、R
6は、例えば(1)水素、(2)(a)ニトロ基、(b)ハロゲン
(例、臭素,塩素,フッ素等)等から選ばれる1ないし
3個の置換基を有していてもよい炭素数1ないし6のア
ルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピ
ル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチル,
ペンチル,イソペンチル,sec-ペンチル,ネオペンチ
ル,tert-ペンチル,ヘキシル等)、(3)(a)ニトロ基、
(b)ハロゲン(例、臭素,塩素,フッ素等)、(c)炭素数
1ないし4のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,
プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ、イソブトキ
シ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)から選ばれる1
ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数6ないし
14のアリール基(例、フェニル,ナフチル等)、(4)
(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,塩素,フッ素
等)、(c)炭素数1ないし4のアルコキシ基(例、メト
キシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキ
シ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)
から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい
炭素数7ないし12のアラルキル基(例、ベンジル,フ
ェネチル等)等を示す。R6は、好ましくは(a)ニトロ
基、(b)ハロゲン(例、臭素,塩素,フッ素等)等から
選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素
数1ないし6のアルキル基(例、メチル,エチル,プロ
ピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチ
ル,tert-ブチル,ペンチル,イソペンチル,sec-ペン
チル,ネオペンチル,tert-ペンチル,ヘキシル等)で
ある。R6は、さらに好ましくは炭素数1ないし6のア
ルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピ
ル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチル,
ペンチル,イソペンチル,sec-ペンチル,ネオペンチ
ル,tert-ペンチル,ヘキシル等)である。
【0009】一般式(I)において、R1は、好ましく
はエステル化されていてもよいカルボキシル基である。
1は、さらに好ましくは炭素数1ないし6のアルキル
基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブ
チル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチ
ル,イソペンチル,sec-ペンチル,ネオペンチル,tert
-ペンチル,ヘキシル等)でエステル化されていてもよ
いカルボキシル基である。
【0010】一般式(I)において、R2で表される置
換基を有していてもよい環式基における環式基として
は、例えば(1)炭素数3ないし8のシクロアルキル基
(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチ
ル,シクロヘキシル等)、(2)炭素数3ないし8のシク
ロアルケニル基(例、シクロプロペニル,1−シクロペ
ンテニル,2−シクロペンテニル,3−シクロペンテニ
ル,1−シクロヘキセニル,2−シクロヘキセニル,3
−シクロヘキセニル等)、(3)炭素数6ないし14のア
リール基(例、フェニル,1−または2−ナフチル,1
−,2−または9−アントリル,1−,2−,3−,4
−または9−フェナントリル,1−,2−,4−,5−
または6−アズレニル等)、(4)炭素原子以外に酸素,
硫黄,窒素等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含
む5ないし6員複素環またはその縮合複素環基(例、2
−または3−チエニル,2−または3−フリル,2−ま
たは3−ピロリル,3−、4−または5−ピラゾリル,
2−、4−または5−チアゾリル,3−、4−または5
−イソチアゾリル,2−、4−または5−オキサゾリ
ル,3−、4−または5−イソオキサゾリル,2−、4
−または5−イミダゾリル,1,2,3−または1,2,4
−トリアゾリル,1Hまたは2H−テトラゾリル,2
−、3−または4−ピリジル,2−、4−または5−ピ
リミジル,3−または4−ピリダジニル,キノリル,イ
ソキノリル,インドリル等)等が用いられる。これらの
中で、炭素数6ないし14のアリール基(例、フェニ
ル,1−または2−ナフチル,1−,2−または9−ア
ントリル,1−,2−,3−,4−または9−フェナン
トリル,1−,2−,4−,5−または6−アズレニル
等)、炭素原子以外に酸素,硫黄,窒素等から選ばれる
ヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし6員複素環また
はその縮合複素環基(例、2−または3−チエニル,2
−または3−フリル,2−または3−ピロリル,2−ま
たは3−インドリル,2−、4−または5−イミダゾリ
ル等)が好ましい。環式基は、さらに好ましくは炭素数
6ないし14のアリール基(例、フェニル,1−または
2−ナフチル,1−,2−または9−アントリル,1
−,2−,3−,4−または9−フェナントリル,1
−,2−,4−,5−または6−アズレニル等)であ
る。環式基は、特に好ましくは炭素数6ないし10のア
リール基(例、フェニル,1−または2−ナフチル等)
である。
【0011】上述の環式基は、置換可能な位置に、例え
ば(1)(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,塩素,フ
ッ素等)等から選ばれる1ないし3個の置換基を有して
いてもよい炭素数1ないし15のアルキル基(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブ
チル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,イソペン
チル,sec-ペンチル,ネオペンチル,tert-ペンチル,
ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ノニル,デシル,ウン
デシル,ドデシル,トリデシル,テトラデシル,ペンタ
デシル等)、(2)炭素数3ないし10のシクロアルキル
基(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチ
ル,シクロヘキシル等)、(3)(a)ニトロ基、(b)ハロゲ
ン(例、臭素,塩素,フッ素等)等から選ばれる1ない
し3個の置換基を有していてもよい炭素数2ないし10
のアルケニル基(例、ビニル,アリル,2−メチルアリ
ル,2−ブテニル,3−ブテニル,3−オクテニル
等)、(4)炭素数2ないし10のアルキニル基(例、エ
チニル,2−プロピニル,3−ヘキシニル等)、(5)炭
素数3ないし10のシクロアルケニル基(例、シクロプ
ロペニル,シクロペンテニル,シクロヘキセニル等)、
(6)炭素数6ないし10のアリール基(例、フェニル,
ナフチル等)、(7)炭素数7ないし12のアラルキル基
(例、ベンジル,フェネチル等)、(8)ニトロ基、(9)水
酸基、(10)メルカプト基、(11)オキソ基、(12)チオキソ
基、(13)シアノ基、(14)カルバモイル基、(15)カルボキ
シル基、(16)炭素数2ないし5のアルコキシカルボニル
基(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル
等)、(17)炭素数7ないし11のアリールオキシカルボ
ニル基(例、フェノキシカルボニル等)、(18)炭素数8
ないし13のアラルキルオキシカルボニル基(例、ベン
ジルオキシカルボニル,フェネチルオキシカルボニル
等)、(19)スルホ基、(20)ハロゲン(例、フッ素,塩
素,臭素,ヨウ素)、(21)炭素数1ないし4のアルコキ
シ基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロ
ポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,sec-ブトキシ,tert
-ブトキシ等)、(22)炭素数6ないし10のアリールオ
キシ基(例、フェノキシ等)、(23)炭素数7ないし12
のアラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ,フェネチ
ルオキシ等)、(24)炭素数1ないし6のアルカノイルオ
キシ基(例、ホルミルオキシ,アセチルオキシ,プロピ
オニルオキシ,イソプロピオニルオキシ,ブチリルオキ
シ,イソブチリルオキシ,バレリルオキシ,イソバレリ
ルオキシ,ピバロイルオキシ,ヘキサノイルオキシ
等)、(25)炭素数7ないし11のアリールカルボニルオ
キシ基(例、ベンゾイルオキシ,p−トルオイルオキ
シ,1−ナフトイルオキシ,2−ナフトイルオキシ
等)、(26)炭素数1ないし4のアルキルチオ基(例、メ
チルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,イソプロピ
ルチオ,n−ブチルチオ,tert−ブチルチオ等)、(27)
炭素数6ないし10のアリールチオ基(例、フェニルチ
オ,ナフチルチオ等)、(28)炭素数1ないし6のアルキ
ルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル,エチルス
ルフィニル,プロピルスルフィニル等)、(29)炭素数6
ないし10のアリールスルフィニル基(例、フェニルス
ルフィニル等)、(30)炭素数1ないし6のアルキルスル
ホニル基(例、メチルスルホニル,エチルスルホニル,
プロピルスルホニル等)、(31)炭素数6ないし10のア
リールスルホニル基(例、フェニルスルホニル,トシル
等)、(32)アミノ基、(33)炭素数1ないし6のアルカノ
イルアミノ基(例、アセチルアミノ,プロピオニルアミ
ノ等)、(34)モノ−またはジ−C1-4アルキルアミノ基
(例、メチルアミノ,エチルアミノ,n−プロピルアミ
ノ,イソプロピルアミノ,n−ブチルアミノ,ジメチル
アミノ,ジエチルアミノ等)、(35)炭素数3ないし8の
シクロアルキルアミノ基(例、シクロプロピルアミノ,
シクロブチルアミノ,シクロペンチルアミノ,シクロヘ
キシルアミノ等)、(36)炭素数6ないし10のアリール
アミノ基(例、アニリノ等)、(37)炭素数7ないし11
のアリールカルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミ
ノ,p−トルオイルアミノ,1−ナフトイルアミノ,2
−ナフトイルアミノ等)、(38)炭素数2ないし5のアル
コキシカルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルア
ミノ,エトキシカルボニルアミノ,tert−ブトキシカル
ボニルアミノ等)、(39)炭素数8ないし13のアラルキ
ルオキシカルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカル
ボニルアミノ,フェネチルオキシカルボニルアミノ
等)、(40)炭素数1ないし6のアルキルスルホニルアミ
ノ基(例、メチルスルホニルアミノ,エチルスルホニル
アミノ,プロピルスルホニルアミノ等)、(41)炭素数6
ないし10のアリールスルホニルアミノ基(例、フェニ
ルスルホニルアミノ,トシルアミノ等)、(42)モノ−ま
たはジ−C1-4アルキルカルバモイル基(例、メチルカ
ルバモイル,エチルカルバモイル,n−プロピルカルバ
モイル,イソプロピルカルバモイル,n−ブチルカルバ
モイル,ジメチルカルバモイル,ジエチルカルバモイル
等)、(43)炭素数1ないし6のアルカノイル基(例、ホ
ルミル,アセチル,プロピオニル,イソプロピオニル,
ブチリル,イソブチリル,バレリル,イソバレリル,ピ
バロイル,ヘキサノイル等)、(44)炭素数7ないし11
のアリールカルボニル基(例、ベンゾイル,p−トルオ
イル,1−ナフトイル,2−ナフトイル等)、(45)炭素
数8ないし13のアラルキルカルボニル基(例、ベンジ
ルカルボニル,フェネチルカルボニル等)、及び(46)炭
素原子以外に酸素,硫黄,窒素等から選ばれるヘテロ原
子を1ないし4個含む5ないし6員複素環またはその縮
合複素環基(例、2−または3−チエニル,2−または
3−フリル,2−または3−ピロリル,3−、4−また
は5−ピラゾリル,2−、4−または5−チアゾリル,
3−、4−または5−イソチアゾリル,2−、4−また
は5−オキサゾリル,3−、4−または5−イソオキサ
ゾリル,2−、4−または5−イミダゾリル,1,2,3
−または1,2,4−トリアゾリル,1Hまたは2H−テ
トラゾリル,2−、3−または4−ピリジル,2−、4
−または5−ピリミジル,3−または4−ピリダジニ
ル,キノリル,イソキノリル,インドリル等)等から選
ばれる1ないし5個の置換基を有していてもよい。
【0012】一般式(I)において、R2で表される極
性基としては、例えば(1)ニトロ基、(2)水酸基、(3)オ
キソ基、(4)チオキソ基、(5)シアノ基、(6)カルバモイ
ル基、(7)カルボキシル基、(8)炭素数2ないし5のアル
コキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル,エトキ
シカルボニル等)、(9)炭素数8ないし13のアラルキ
ルオキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニ
ル,フェネチルオキシカルボニル等)、(10)炭素数7な
いし11のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキ
シカルボニル等)、(11)スルホ基、(12)メルカプト基、
(13)炭素数1ないし4のアルコキシ基(例、メトキシ,
エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ、イ
ソブトキシ,sec-ブトキシ,tert-ブトキシ等)、(14)
炭素数6ないし10のアリールオキシ基(例、フェノキ
シ等)、(15)炭素数7ないし12のアラルキルオキシ基
(例、ベンジルオキシ,フェネチルオキシ等)、(16)炭
素数1ないし6のアルカノイルオキシ基(例、ホルミル
オキシ,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,イソプ
ロピオニルオキシ,ブチリルオキシ,イソブチリルオキ
シ,バレリルオキシ,イソバレリルオキシ,ピバロイル
オキシ,ヘキサノイルオキシ等)、(17)炭素数7ないし
11のアリールカルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオ
キシ,p−トルオイルオキシ,1−ナフトイルオキシ,
2−ナフトイルオキシ等)、(18)炭素数1ないし4のア
ルキルチオ基(例、メチルチオ,エチルチオ,n−プロ
ピルチオ,イソプロピルチオ,n−ブチルチオ,tert−
ブチルチオ等)、(19)炭素数6ないし10のアリールチ
オ基(例、フェニルチオ,ナフチルチオ等)、(20)炭素
数7ないし19のアラルキルチオ基(例、ベンジルチ
オ,トリチルチオ等)、(21)炭素数1ないし6のアルキ
ルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル,エチルス
ルフィニル,プロピルスルフィニル等)、(22)炭素数6
ないし10のアリールスルフィニル基(例、フェニルス
ルフィニル等)、(23)ハロゲン原子(例、フッ素,塩
素,臭素,ヨウ素等)で1ないし3個置換されていてい
もよい炭素数1ないし6のアルキルスルホニル基(例、
メチルスルホニル,エチルスルホニル,プロピルスルホ
ニル等)、(24)炭素数6ないし10のアリールスルホニ
ル基(例、フェニルスルホニル,トシル等)、(25)アミ
ノ基、(26)炭素数1ないし8のアルカノイルアミノ基
(例、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ等)、(27)
モノ−またはジ−C1-4アルキルアミノ基(例、メチル
アミノ,エチルアミノ,n−プロピルアミノ,イソプロ
ピルアミノ,n−ブチルアミノ,ジメチルアミノ,ジエ
チルアミノ等)、(28)炭素数7ないし11のアリールカ
ルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ,p−トルオ
イルアミノ,1−ナフトイルアミノ,2−ナフトイルア
ミノ等)、(29)炭素数2ないし5のアルコキシカルボニ
ルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ,エトキシ
カルボニルアミノ,tert−ブトキシカルボニルアミノ
等)、(30)炭素数8ないし13のアラルキルオキシカル
ボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ,フェネチルオキシカルボニルアミノ等)、(31)炭素
数1ないし6のアルキルスルホニルアミノ基(例、メチ
ルスルホニルアミノ,エチルスルホニルアミノ等)、(3
2)炭素数6ないし10のアリールスルホニルアミノ基
(例、フェニルスルホニルアミノ,トシルアミノ等)、
(33)炭素数1ないし6のアルカノイル基(例、ホルミ
ル,アセチル,プロピオニル,イソプロピオニル,ブチ
リル,イソブチリル,バレリル,イソバレリル,ピバロ
イル,ヘキサノイル等)、(34)炭素数8ないし13のア
ラルキルカルボニル基(例、ベンジルカルボニル,フェ
ネチルカルボニル等)、(35)炭素数7ないし11のアリ
ールカルボニル基(例、ベンゾイル,p−トルオイル,
1−ナフトイル,2−ナフトイル等)、(36)モノ−また
はジ−C1-4アルキルカルバモイル基(例、メチルカル
バモイル,エチルカルバモイル,n−プロピルカルバモ
イル,イソプロピルカルバモイル,n−ブチルカルバモ
イル,ジメチルカルバモイル,ジエチルカルバモイル
等)、(37)ホスホノ基、(38)モノ−またはジ−C1-4
ルキルホスホノ基(例、メチルホスホノ,エチルホスホ
ノ,n−プロピルホスホノ,イソプロピルホスホノ,n
−ブチルホスホノ,ジメチルホスホノ,ジエチルホスホ
ノ等)、(39)ニトロ基で置換されていてもよいグアニジ
ル基、(40)アミジノ基、(41)モノ−またはジ−C1-4
ルキルスルファモイル基(例、メチルスルファモイル,
エチルスルファモイル,n−プロピルスルファモイル,
イソプロピルスルファモイル,n−ブチルスルファモイ
ル,ジメチルスルファモイル,ジエチルスルファモイル
等)等が挙げられる。
【0013】これらの中で、(1)水酸基、(2)カルバモイ
ル基、(3)カルボキシル基、(4)炭素数2ないし5のアル
コキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル,エトキ
シカルボニル等)、(5)炭素数8ないし13のアラルキ
ルオキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニ
ル,フェネチルオキシカルボニル等)、(6)炭素数7な
いし11のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキ
シカルボニル等)、(7)炭素数1ないし4のアルコキシ
基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポ
キシ,ブトキシ、イソブトキシ,sec-ブトキシ,tert-
ブトキシ等)、(8)炭素数6ないし10のアリールオキ
シ基(例、フェノキシ等)、(9)炭素数7ないし12の
アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ,フェネチル
オキシ等)、(10)炭素数1ないし6のアルカノイルオキ
シ基(例、ホルミルオキシ,アセチルオキシ,プロピオ
ニルオキシ,イソプロピオニルオキシ,ブチリルオキ
シ,イソブチリルオキシ,バレリルオキシ,イソバレリ
ルオキシ,ピバロイルオキシ,ヘキサノイルオキシ
等)、(11)炭素数7ないし11のアリールカルボニルオ
キシ基(例、ベンゾイルオキシ,p−トルオイルオキ
シ,1−ナフトイルオキシ,2−ナフトイルオキシ
等)、(12)アミノ基、(13)炭素数1ないし6のアルカノ
イルアミノ基(例、アセチルアミノ,プロピオニルアミ
ノ等)、(14)モノ−またはジ−C1-4アルキルアミノ基
(例、メチルアミノ,エチルアミノ,n−プロピルアミ
ノ,イソプロピルアミノ,n−ブチルアミノ,ジメチル
アミノ,ジエチルアミノ等)、(15)炭素数7ないし11
のアリールカルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミ
ノ,p−トルオイルアミノ,1−ナフトイルアミノ,2
−ナフトイルアミノ等)、(16)炭素数2ないし5のアル
コキシカルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルア
ミノ,エトキシカルボニルアミノ,tert-ブトキシカル
ボニルアミノ等)、(17)炭素数8ないし13のアラルキ
ルオキシカルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカル
ボニルアミノ,フェネチルオキシカルボニルアミノ
等)、(18)炭素数1ないし6のアルキルスルホニル
アミノ基(例、メチルスルホニルアミノ,エチルスルホ
ニルアミノ等)、(19)炭素数6ないし10のアリー
ルスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミ
ノ,トシルアミノ等)等が好ましい。
【0014】一般式(I)において、R2は好ましくは
置換基を有していてもよい環式基である。R2は、さら
に好ましくは置換基を有していてもよい炭素数6ないし
10のアリール基(例、フェニル,1−または2−ナフ
チル等)である。
【0015】一般式(I)において、R3で表される置
換基を有していてもよい炭化水素残基における炭化水素
残基としては、例えば(1)炭素数1ないし15のアルキ
ル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,
ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペン
チル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ノニル,デシ
ル,ウンデシル,ドデシル,トリデシル,テトラデシ
ル,ペンタデシル等)、(2)炭素数3ないし8のシクロ
アルキル基(例、シクロプロピル,シクロブチル,シク
ロペンチル,シクロヘキシル等)、(3)炭素数2ないし
10のアルケニル基(例、ビニル,アリル,2−メチル
アリル,2−ブテニル,3−ブテニル,3−オクテニル
等)、(4)炭素数2ないし10のアルキニル基(例、エ
チニル,2−プロピニル,3−ヘキシニル等)、(5)炭
素数3ないし10のシクロアルケニル基(例、シクロプ
ロペニル,シクロペンテニル,シクロヘキセニル等)、
(6)炭素数6ないし14のアリール基(例、フェニル,
ナフチル等)、(7)炭素数7ないし16のアラルキル基
(例、ベンジル,フェネチル等)等が用いられる。これ
らの中で、炭素数1ないし15のアルキル基(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブ
チル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,ヘキシ
ル,ヘプチル,オクチル,ノニル,デシル,ウンデシ
ル,ドデシル,トリデシル,テトラデシル,ペンタデシ
ル等)が好ましい。
【0016】このような炭化水素基は、置換可能な位置
に、例えば(1)ニトロ基、(2)水酸基、(3)オキソ基、(4)
チオキソ基、(5)シアノ基、(6)カルバモイル基、(7)カ
ルボキシル基、(8)炭素数2ないし5のアルコキシカル
ボニル基(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニ
ル等)、(9)炭素数8ないし13のアラルキルオキシカ
ルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル,フェネチ
ルオキシカルボニル等)、(10)炭素数7ないし11のア
リールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル
等)、(11)スルホ基、(12)ハロゲン(例、フッ素,塩
素,臭素,ヨウ素等)、(13)炭素数1ないし4のアルコ
キシ基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプ
ロポキシ,ブトキシ、イソブトキシ,sec-ブトキシ,te
rt-ブトキシ等)、(14)炭素数6ないし10のアリール
オキシ基(例、フェノキシ等)、(15)ハロゲノフェノキ
シ(例、o−、m−またはp−クロロフェノキシ,o
−、m−またはp−ブロモフェノキシ等)、(16)炭素数
7ないし12のアラルキルオキシ基(例、ベンジルオキ
シ,フェネチルオキシ等)、(17)炭素数1ないし6のア
ルカノイルオキシ基(例、ホルミルオキシ,アセチルオ
キシ,プロピオニルオキシ,イソプロピオニルオキシ,
ブチリルオキシ,イソブチリルオキシ,バレリルオキ
シ,イソバレリルオキシ,ピバロイルオキシ,ヘキサノ
イルオキシ等)、(18)炭素数7ないし11のアリールカ
ルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ,p−トルオ
イルオキシ,1−ナフトイルオキシ,2−ナフトイルオ
キシ等)、(19)炭素数1ないし4のアルキルチオ基
(例、メチルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,イ
ソプロピルチオ,n−ブチルチオ,tert-ブチルチオ
等)、(20)炭素数6ないし10のアリールチオ基(例、
フェニルチオ,ナフチルチオ等)、(21)炭素数1ないし
6のアルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニ
ル,エチルスルフィニル,プロピルスルフィニル等)、
(22)炭素数6ないし10のアリールスルフィニル基
(例、フェニルスルフィニル等)、(23)炭素数1ないし
6のアルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル,エ
チルスルホニル,プロピルスルホニル等)、(24)炭素数
6ないし10のアリールスルホニル基(例、フェニルス
ルホニル,トシル等)、(25)アミノ、(26)炭素数1ない
し6のアルカノイルアミノ基(例、アセチルアミノ,プ
ロピオニルアミノ等)、(27)モノ−またはジ−C1-4
ルキルアミノ基(例、メチルアミノ,エチルアミノ,n
−プロピルアミノ,イソプロピルアミノ,n−ブチルア
ミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ等)、(28)炭素
数7ないし11のアリールカルボニルアミノ基(例、ベ
ンゾイルアミノ,p−トルオイルアミノ,1−ナフトイ
ルアミノ,2−ナフトイルアミノ等)、(29)炭素数1な
いし5のアルコキシカルボニルアミノ基(例、メトキシ
カルボニルアミノ,エトキシカルボニルアミノ,tert-
ブトキシカルボニルアミノ等)、(30)炭素数8ないし1
3のアラルキルオキシカルボニルアミノ基(例、ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ,フェネチルオキシカルボニ
ルアミノ等)、(31)炭素数1ないし6のアルキルスルホ
ニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ,エチルス
ルホニルアミノ等)、(32)炭素数6ないし10のアリー
ルスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミ
ノ,トシルアミノ等)、(33)炭素数1ないし6のアルカ
ノイル基(例、ホルミル,アセチル,プロピオニル,イ
ソプロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレリル,
イソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル等)、(34)炭
素数8ないし13のアラルキルカルボニル基(例、ベン
ジルカルボニル,フェネチルカルボニル等)、(35)炭素
数7ないし11のアリールカルボニル基(例、ベンゾイ
ル,p−トルオイル,1−ナフトイル,2−ナフトイル
等)、(36)モノ−またはジ−C1-4アルキルカルバモイ
ル基(例、メチルカルバモイル,エチルカルバモイル,
n−プロピルカルバモイル,イソプロピルカルバモイ
ル,n−ブチルカルバモイル,ジメチルカルバモイル,
ジエチルカルバモイル等)、(37)ホスホノ基、(38)モノ
−またはジ−C1-4アルキルホスホノ基(例、メチルホ
スホノ,エチルホスホノ,n−プロピルホスホノ,イソ
プロピルホスホノ,n−ブチルホスホノ,ジメチルホス
ホノ,ジエチルホスホノ等)、(39)ニトロ基で置換され
ていてもよいグアニジル基、(40)アミジノ基、(41)(a)
ハロゲン(例、臭素,塩素,フッ素等)、(b)炭素数1
ないし4のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル等)及び(c)ハロゲノフェノキシ等
(例、o−、m−またはp−クロロフェノキシ,o−、
m−またはp−ブロモフェノキシ等)から選ばれる1な
いし4個の置換基を有していてもよい炭素原子以外に酸
素、硫黄、窒素等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4
個含む5ないし6員複素環またはその縮合複素環基
(例、2−または3−チエニル,2−または3−フリ
ル,2−または3−ピロリル,3−、4−または5−ピ
ラゾリル,2−、4−または5−チアゾリル,3−、4
−または5−イソチアゾリル,2−、4−または5−オ
キサゾリル,3−、4−または5−イソオキサゾリル,
2−、4−または5−イミダゾリル,1,2,3−または
1,2,4−トリアゾリル,1Hまたは2H−テトラゾリ
ル,2−、3−または4−ピリジル,2−、4−または
5−ピリミジル,3−または4−ピリダジニル,キノリ
ル,イソキノリル,インドリル等)、及び(42)炭素数1
ないし10のハロアルキル基(例、ジフルオロメチル,
トリフルオロメチル,トリフルオロエチル,トリクロロ
エチル等)等から選ばれる1ないし5個の置換基を有し
ていてもよいほか、炭化水素基がシクロアルキル、シク
ロアルケニル、アリールまたはアラルキル基である場合
は炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル等)を置換基とし
て1ないし4個有していてもよい。一般式(I)におい
て、R3は好ましくは水素である。
【0017】一般式(I)において、R4で表される保
護されていてもよいアミノ基で置換された炭化水素残基
における炭化水素残基は、前記したR3で表される置換
基を有していてもよい炭化水素残基における炭化水素残
基と同様のものが用いられる。炭化水素残基は、好まし
くは炭素数1ないし15のアルキル基(例、メチル,エ
チル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,
sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,イソペンチル,
ネオペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ノニ
ル,デシル,ウンデシル, ドデシル,トリデシル,テ
トラデシル,ペンタデシル等)等が用いられる。
【0018】一般式(I)において、R4で表される保
護されていてもよいアミノ基で置換された炭化水素残基
におけるアミノ基の保護基としては、例えば(1)ホルミ
ル、(2)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素
等)、(b)炭素数2ないし7のアルカノイル基(例、ア
セチル,プロピオニル,イソプロピオニル,ブチリル,
イソブチリル,バレリル,イソバレリル,ピバロイル,
ヘキサノイル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1な
いし3個の置換基を有していてもよい炭素数2ないし7
のアルカノイル基(例、アセチル,プロピオニル,イソ
プロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレリル,イ
ソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル等)、(3)(a)ハ
ロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数
2ないし7のアルカノイル基(例、アセチル,プロピオ
ニル,イソプロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バ
レリル,イソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル等)
及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基
を有していてもよい炭素数7ないし11のアリールカル
ボニル基(例、ベンゾイル,p−トルオイル,1−ナフ
トイル,2−ナフトイル等)、(4)(a)ハロゲン原子
(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数2ないし7
のアルカノイル基(例、アセチル,プロピオニル,イソ
プロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレリル,イ
ソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル等)及び(c)ニ
トロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有してい
てもよい炭素数2ないし7のアルコキシカルボニル基
(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロ
ポキシカルボニル,イソプロポキシカルボニル,tert-
ブトキシカルボニル等)、(5)(a)ハロゲン原子(例、塩
素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数2ないし7のアルカ
ノイル基(例、アセチル,プロピオニル,イソプロピオ
ニル,ブチリル,イソブチリル,バレリル,イソバレリ
ル,ピバロイル,ヘキサノイル等)及び(c)ニトロ基等
から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい
炭素数7ないし11のアリールオキシカルボニル基
(例、フェノキシカルボニル等)、(6)(a)ハロゲン原子
(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数2ないし7
のアルカノイル基(例、アセチル,プロピオニル,イソ
プロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレリル,イ
ソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル等)及び(c)ニ
トロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有してい
てもよい炭素数8ないし13のアラルキルカルボニル基
(例、ベンジルカルボニル,フェネチルカルボニル
等)、(7)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素
等)、(b)炭素数2ないし7のアルカノイル基(例、ア
セチル,プロピオニル,イソプロピオニル,ブチリル,
イソブチリル,バレリル,イソバレリル,ピバロイル,
ヘキサノイル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1な
いし3個の置換基を有していてもよい炭素数8ないし1
3のアラルキルオキシカルボニル基(例、ベンジルオキ
シカルボニル,フェネチルオキシカルボニル等)、(8)
(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭
素数2ないし7のアルカノイル基(例、アセチル,プロ
ピオニル,イソプロピオニル,ブチリル,イソブチリ
ル,バレリル,イソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイ
ル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の
置換基を有していてもよいトリチル基、(9)(a)ハ
ロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素
数2ないし7のアルカノイル基(例、アセチル,プロピ
オニル,イソプロピオニル,ブチリル,イソブチリル,
バレリル,イソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル
等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置
換基を有していてもよいフタロイル基、(10)(a)ハロゲ
ン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数2な
いし7のアルカノイル基(例、アセチル,プロピオニ
ル,イソプロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレ
リル,イソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル等)及
び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を
有していてもよい炭素数6ないし10のアリールスルホ
ニル基(例、フェニルスルホニル,トシル等)、(11)
(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭
素数2ないし7のアルカノイル基(例、アセチル,プロ
ピオニル,イソプロピオニル,ブチリル,イソブチリ
ル,バレリル,イソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイ
ル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の
置換基を有していてもよい炭素数1ないし6のアルキル
スルホニル基(例、メチルスルホニル,エチルスルホニ
ル,プロピルスルホニル等)、(12)(a)ハロゲン原子
(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数2ないし7
のアルカノイル基(例、アセチル,プロピオニル,イソ
プロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレリル,イ
ソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル等)及び(c)ニ
トロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有してい
てもよい炭素数1ないし6のアルキル基(例、メチル,
エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチ
ル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,ヘキシル
等)、(13)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素
等)、(b)炭素数2ないし7のアルカノイル基(例、ア
セチル,プロピオニル,イソプロピオニル,ブチリル,
イソブチリル,バレリル,イソバレリル,ピバロイル,
ヘキサノイル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1な
いし3個の置換基を有していてもよい炭素数1ないし6
のアミノアルキル基(例、アミノメチル,アミノエチ
ル,3−アミノプロピル,4−アミノブチル,5−アミ
ノペンチル,6−アミノヘキシル等)、(14)(a)ハロゲ
ン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数2な
いし7のアルカノイル基(例、アセチル,プロピオニ
ル,イソプロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレ
リル,イソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル等)及
び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を
有していてもよい炭素数7ないし12のアラルキル基
(例、ベンジル,フェネチル等)等が挙げられる。
【0019】一般式(I)において、R4で表されるア
ルケニル基としては、炭素数2ないし10のアルケニル
基(例、ビニル,アリル,1−プロペニル,1−、2−
または3−ブテニル,2−メチルアリル,1−、2−、
3−または4−ペンテニル,2−または3−メチル−2
−ブテニル,1−、2−、3−、4−または5−ヘキセ
ニル,1−、2−、3−、4−、5−または6−ヘプテ
ニル,1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−
オクテニル,1−、2−、3−、4−、5−、6−、7
−または8−ノネニル,1−、2−、3−、4−、5
−、6−、7−、8−または9−デセニル等)等が用い
られる。
【0020】一般式(I)において、R4は、好ましく
は保護されていてもよいアミノ基で置換された炭化水素
残基である。R4は、さらに好ましくは保護されていて
もよいアミノ基で置換された炭素数1ないし15のアル
キル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピ
ル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチル,
ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル,ヘ
プチル,オクチル,ノニル,デシル,ウンデシル, ド
デシル,トリデシル,テトラデシル,ペンタデシル等)
である。
【0021】一般式(I)における、R3とR4とがこれ
らが結合する窒素原子と共に形成する少なくとも2個の
ヘテロ原子を含有する複素環基としては、例えば窒素原
子以外に例えば酸素原子,硫黄原子,窒素原子などのヘ
テロ原子を1ないし4個含む5ないし8員複素環または
その縮合複素環等が用いられる。具体的には、(1)例え
ば1,3−ジアザシクロペンタン−1−イル,1−アザ
−3−オキサシクロペンタン−1−イル,1−アザ−3
−チアシクロペンタン−1−イル,ピラゾリル,ピラゾ
リジニル,3−ピラゾリン−2−イル,2−イミダゾリ
ン−1−イル,1H−または2H−1,2,3−トリアゾ
リル,1H−または4H−1,2,4−トリアゾリル,1
H−または2H−テトラゾリル等の窒素原子以外に酸素
原子,硫黄原子,窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を
1ないし3個含む5員複素環基、(2)例えばチオモルホ
リノ,モルホリノ,ピペラジニル,4H−1,4−オキ
サジニル,4H−1,4−チアジニル等の窒素原子以外
に酸素原子,硫黄原子,窒素原子等から選ばれたヘテロ
原子を1ないし2個含む6員複素環基、(3)例えば1H
−インダゾール−1−イル,プリン−1−イル,フェノ
チアジン−10−イル,フェノオキサジン−10−イル等の
窒素原子以外に酸素原子,硫黄原子,窒素原子等から選
ばれたヘテロ原子を1ないし3個含む2環性または3環
性縮合複素環基等が用いられる。
【0022】これらの中で、(1)例えば1,3−ジアザシ
クロペンタン−1−イル,1−アザ−3−オキサシクロ
ペンタン−1−イル,1−アザ−3−チアシクロペンタ
ン−1−イル,ピラゾリル,ピラゾリジニル,3−ピラ
ゾリン−2−イル,2−イミダゾリン−1−イル,1H
−または2H−1,2,3−トリアゾリル,1H−または
4H−1,2,4−トリアゾリル,1H−または2H−テ
トラゾリル等の窒素原子以外に酸素原子,硫黄原子,窒
素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし2個含む5
員複素環基、(2)例えばチオモルホリノ,モルホリノ,
ピペラジニル,4H−1,4−オキサジニル,4H−1,
4−チアジニル等の窒素原子以外に酸素原子,硫黄原
子,窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし2個
含む6員複素環基が好ましい。複素環基は、さらに好ま
しくは例えばチオモルホリノ,モルホリノ,ピペラジニ
ル,4H−1,4−オキサジニル,4H−1,4−チアジ
ニル等の窒素原子以外に酸素原子,硫黄原子,窒素原子
等から選ばれたヘテロ原子を1ないし2個含む6員複素
環基である。
【0023】このような複素環基は、置換可能な位置
に、例えば(1)炭素数1ないし6のアルキル基(例、メ
チル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソ
ブチル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,イソペ
ンチル,sec-ペンチル,ネオペンチル,tert-ペンチ
ル,ヘキシル等)、(2)炭素数2ないし10のアルケニ
ル基(例、ビニル,1-メチルビニル,1-プロペニル,ア
リル,2-メチルアリル,2-ブテニル,3-ブテニル,3-オ
クテニル等)、(3)炭素数2ないし10のアルキニル基
(例、エチニル,1-プロピニル,プロパルギル,3-ヘキ
シニル等)、(4)炭素数3ないし8のシクロアルキル基
(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチ
ル,シクロヘキシル基等)、(5)炭素数3ないし10の
シクロアルケニル基(例、シクロプロペニル,シクロペ
ンテニル,シクロヘキセニル基等)、(6)炭素数7ない
し12のアラルキル基(例、ベンジル,α-メチルベン
ジル,フェネチル等)、(7)炭素数6ないし10のアリ
ール基(例、フェニル,ナフチル等)、(8)炭素数1な
いし6のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,プロ
ポキシ,イソプロポキシ,n-ブトキシ,イソブトキシ,
sec-ブトキシ,tert-ブトキシ基等)、(9)炭素数6ない
し10のアリールオキシ基(例、フェノキシ等)、(10)
炭素数7ないし12のアラルキルオキシ基(例、ベンジ
ルオキシ,α-メチルベンジルオキシ,フェネチルオキ
シ等)、(11)炭素数1ないし6のアルカノイル基(例、
ホルミル,アセチル,プロピオニル,イソプロピオニ
ル,ブチリル,イソブチリル,バレリル,イソバレリ
ル,ピバロイル,ヘキサノイル等)、(12)炭素数7ない
し11のアリールカルボニル基(例、ベンゾイル,p−
トルオイル,1−ナフトイル,2−ナフトイル等)、(1
3)炭素数8ないし13のアラルキルカルボニル基(例、
ベンジルカルボニル,α-メチルベンジルカルボニル,
フェネチルカルボニル等)、(14)炭素数1ないし6のア
ルカノイルオキシ基(例、ホルミルオキシ,アセチルオ
キシ,プロピオニルオキシ,イソプロピオニルオキシ,
ブチリルオキシ,イソブチリルオキシ,バレリルオキ
シ,イソバレリルオキシ,ピバロイルオキシ,ヘキサノ
イルオキシ等)、(15)炭素数7ないし11のアリールカ
ルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ,p−トルオ
イルオキシ,1−ナフトイルオキシ,2−ナフトイルオ
キシ等)、(16)カルボキシル基、(17)炭素数2ないし7
のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル,
エトキシカルボニル,n-プロポキシカルボニル,イソプ
ロポキシカルボニル,n-ブトキシカルボニル,イソブト
キシカルボニル,tert-ブトキシカルボニル基等)、(1
8)炭素数8ないし13のアラルキルオキシカルボニル基
(例、ベンジルオキシカルボニル,フェネチルオキシカ
ルボニル等)、(19)炭素数7ないし11のアリールオキ
シカルボニル基(例、フェノキシカルボニル等)、(20)
カルバモイル基、(21)N−モノ−C1-4アルキルカルバ
モイル基(例、N-メチルカルバモイル,N-エチルカルバ
モイル,N-プロピルカルバモイル,N-イソプロピルカル
バモイル,N-ブチルカルバモイル等)、(22)N,N−ジ
−C1-4アルキルカルバモイル基(例、N,N-ジメチルカ
ルバモイル,N,N-ジエチルカルバモイル,N,N-ジプロピ
ルカルバモイル,N,N-ジブチルカルバモイル等)、(23)
環状アミノカルボニル基(例、1-アジリジニルカルボニ
ル,1-アゼチジニルカルボニル,1-ピロリジニルカルボ
ニル,1-ピペリジニルカルボニル,N-メチルピペラジニ
ルカルボニル,モルホリノカルボニル基等)、(24)ハロ
ゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素等)、(25)
モノ−,ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル基
(例、クロロメチル,ジクロロメチル,トリフルオロメ
チル,トリフルオロエチル等)、(26)オキソ基、(27)チ
オキソ基、(28)アミジノ基、(29)イミノ基、(30)アミノ
基、(31)モノ−C1-4アルキルアミノ基(例、メチルア
ミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,イソプロピルア
ミノ,ブチルアミノ等)、(32)ジ−C1-4アルキルアミ
ノ基(例、ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,ジプロピ
ルアミノ,ジイソプロピルアミノ,ジブチルアミノ
等)、(33)炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子,
硫黄原子,窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ない
し3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミノ基
(例、アジリジニル,アゼチジニル,ピロリジニル,ピ
ロリニル,ピロリル,イミダゾリル,ビラゾリル,イミ
ダゾリジニル,ピペリジノ,モルホリノ,ジヒドロピリ
ジル,ピリジル,N-メチルピペラジニル,N-エチルピペ
ラジニル基等)、(34)炭素原子1ないし6のアルカノイ
ルアミノ基(例、ホルミルアミノ,アセチルアミノ,ト
リフルオロアセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチ
リルアミノ,イソブチリルアミノ等)、(35)炭素数7な
いし11のアリールカルボニルアミノ基(例、ベンゾイ
ルアミノ,p−トルオイルアミノ,1−ナフトイルアミ
ノ,2−ナフトイルアミノ等)、(36)炭素数2ないし7
のアルコキシカルボニルアミノ基(例、メトキシカルボ
ニルアミノ,エトキシカルボニルアミノ,tert-ブトキ
シカルボニルアミノ等)、(37)炭素数8ないし13のア
ラルキルオキシカルボニルアミノ基(例、ベンジルオキ
シカルボニルアミノ,フェネチルオキシカルボニルアミ
ノ等)、(38)炭素数1ないし6のアルキルスルホニルア
ミノ基(例、メチルスルホニルアミノ,エチルスルホニ
ルアミノ,プロピルスルホニルアミノ等)、(39)炭素数
6ないし12のアリールスルホニルアミノ基(例、フェ
ニルスルホニルアミノ,トシルアミノ等)、(40)カルバ
モイルアミノ基、(41)N−C1-4アルキルカルバモイル
アミノ基(例、N-メチルカルバモイルアミノ,N-エチル
カルバモイルアミノ,N-プロピルカルバモイルアミノ,
N-イソプロピルカルバモイルアミノ,N-ブチルカルバモ
イルアミノ等)、(42)N,N−ジ−C1-4アルキルカル
バモイルアミノ基(例、N,N-ジメチルカルバモイルアミ
ノ,N,N-ジエチルカルバモイルアミノ,N,N-ジプロピル
カルバモイルアミノ,N,N-ジブチルカルバモイルアミノ
等)、(43)炭素数1ないし3のアルキレンジオキシ基
(例、メチレンジオキシ,エチレンジオキシ基等)、(4
4)-B(OH)2、(45)ヒドロキシ基、(46)エポキシ基(−
O−)、(47)ニトロ基、(48)シアノ基、(49)メルカプト
基、(50)スルホ基、(51)スルフィノ基、(52)ホスホノ
基、(53)スルファモイル基、(54)炭素数1ないし6のモ
ノアルキルスルファモイル基(例、N-メチルスルファモ
イル,N-エチルスルファモイル,N-プロピルスルファモ
イル,N-イソプロピルスルファモイル,N-ブチルスルフ
ァモイル等)、(55)ジ−C1-4アルキルスルファモイル
基(例、N,N-ジメチルスルファモイル,N,N-ジエチルス
ルファモイル,N,N-ジプロピルスルファモイル,N,N-ジ
ブチルスルファモイル等)、(56)炭素数1ないし6のア
ルキルチオ基(例、メチルチオ,エチルチオ,プロピル
チオ,イソプロピルチオ,n-ブチルチオ,sec-ブチルチ
オ,tert-ブチルチオ等)、(57)炭素数6ないし10の
アリールチオ基(例、フェニルチオ,ナフチルチオ
等)、(58)炭素数1ないし6のアルキルスルフィニル基
(例、メチルスルフィニル,エチルスルフィニル,プロ
ピルスルフィニル,ブチルスルフィニル等)、(59)炭素
数6ないし10のアリールスルフィニル基(例、フェニ
ルスルフィニル等)、(60)炭素数1ないし6のアルキル
スルホニル基(例、メチルスルホニル,エチルスルホニ
ル,プロピルスルホニル,ブチルスルホニル等)、及び
(61)炭素数6ないし10のアリールスルホニル基(例、
フェニルスルホニル,トシル等)から選ばれた1ないし
5個の置換基を有していてもよい。
【0024】一般式(I)において、R3およびR4は、
これらが結合する窒素原子と共に形成する少なくとも2
個のヘテロ原子を含有する複素環基であることが好まし
い。該複素環基は、好ましくは例えばチオモルホリノ,
モルホリノ,ピペラジニル,4H−1,4−オキサジニ
ル,4H−1,4−チアジニル等の窒素原子以外に酸素
原子,硫黄原子,窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を
1ないし2個含む6員複素環基である。
【0025】化合物(I)またはその塩の好ましい例と
しては、例えばN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシ
オキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル}-1,4-
ジアミノブタン,N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニル}-1,4-ジアミノブタン,N-{N-[(2S,3S)-3-トランス
-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル}モルホリン,N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニル}モルホリン,N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-チロシル}モル
ホリン,N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオキシ
ラン-2-カルボニル]-L-チロシル}モルホリン,N-{N-[(2
S,3S)-3-トランス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カ
ルボニル]-3-(2-ナフチル)-L-アラニル}モルホリン,N-
{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カル
ボニル]-3-(2-ナフチル)-L-アラニル}モルホリンまたは
それらの塩等が挙げられる。
【0026】一般式(XI)において、R11で表されるエ
ステル化またはアミド化されていていもよいカルボキシ
ル基は、前記した一般式(I)におけるR1と同様のも
のが用いられる。一般式(XI)において、R12で表され
る多環式芳香環基は、好ましくは炭素数8ないし18の
多環式芳香環基である。具体的には、例えば1−,2−
または3−ペンタレニル、1−または2−ナフチル、1
−,2−,4−,5−または6−アズレニル、キノリ
ル、イソキノリル、インドリル等の炭素数8ないし12
の2環性芳香環基、例えば1−,2−または9−アント
リル、1−,2−,3−,4−または9−フェナントリ
ル等の炭素数12ないし18の3環性芳香環基等が用い
られる。多環式芳香環基は、さらに好ましくは例えば1
−,2−または3−ペンタレニル、1−または2−ナフ
チル、1−,2−,4−,5−または6−アズレニル、
キノリル、イソキノリル、インドリル等の炭素数8ない
し12の2環性芳香環基である。このような多環式芳香
環基は、置換可能な位置に、1ないし5個の置換基を有
していてもよい。ここにおいて、置換基は、前記した一
般式(I)における、R2で表される環式基において定
義した置換基と同様のものが用いられる。一般式(XI)
において、R13およびR14で表されるアルキル基として
は、例えば炭素数1ないし15のアルキル基(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブ
チル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,イソペン
チル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ノニル,デシ
ル,ウンデシル,ドデシル,トリデシル,テトラデシ
ル,ペンタデシル等)が用いられる。
【0027】化合物(XI)またはその塩の好ましい例と
しては、例えばN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカ
ルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナフチル)-L-
アラニル}-1-アミノ-3-メチルブタン,N-{N-[(2S,3S)-3
-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-
ナフチル)-L-アラニル}-1-アミノ-3-メチルブタンまた
はそれらの塩等が挙げられる。
【0028】一般式(XXI)において、R21で表される
エステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシ
ル基は、前記した一般式(I)におけるR1と同様のも
のが用いられる。上記一般式(XXI)において、R22
表されるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブ
チル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシ
ル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシ
ル、ペンタデシル等の炭素数1ないし15のアルキル基
等が用いられる。これらの中で、炭素数2ないし10の
アルキル基が好ましい。特に好ましくは炭素数3ないし
5のアルキル基である。
【0029】上記一般式(XXI)において、R23および
24で表わされる保護されていてもよいアミノ基で置換
されたアルキル基におけるアミノ基の保護基としては、
例えば(1)ホルミル、(2)(a)ハロゲン原子(例、塩素,
臭素,フッ素等)、(b)炭素数2ないし7 のアルカノイ
ル(例、アセチル,プロピオニル,ブチリル,バレリル
等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置
換基を有していてもよい例えばアセチル,プロピオニ
ル,ブチリル,バレリル等の炭素数2ないし7のアルカ
ノイル、(3)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素
等)、(b)炭素数2ないし7のアルカノイル(例、アセ
チル,プロピオニル,ブチリル,バレリル等)及び(c)
ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有して
いてもよい例えばフェニルカルボニル等の炭素数7ない
し11のアリールカルボニル基、(4)(a)ハロゲン原子
(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数2ないし7
のアルカノイル(例、アセチル,プロピオニル,ブチリ
ル,バレリル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1な
いし3個の置換基を有していてもよい例えばメトキシカ
ルボニル,エトキシカルボニル等の炭素数1ないし6の
アルコキシカルボニル基、(5)(a)ハロゲン原子(例、塩
素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数2ないし7のアルカ
ノイル(例、アセチル,プロピオニル,ブチリル,バレ
リル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個
の置換基を有していてもよい例えばフェニルオキシカル
ボニル等の炭素数7ないし11のアリールオキシカルボ
ニル基、(6)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素
等)、(b)炭素数2ないし7のアルカノイル(例、アセ
チル,プロピオニル,ブチリル,バレリル等)及び(c)
ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有して
いてもよい例えばベンジルカルボニル,フェネチルカル
ボニル等の炭素数8ないし13のアラルキルカルボニル
基、(7)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素
等)、(b)炭素数2ないし7のアルカノイル(例、アセ
チル,プロピオニル,ブチリル,バレリル等)及び(c)
ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有して
いてもよい例えばベンジルオキシカルボニル,フェネチ
ルオキシカルボニル等の炭素数8ないし13のアラルキ
ルオキシカルボニル基、(8)(a)ハロゲン原子(例、塩
素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数2ないし7のアルカ
ノイル(例、アセチル,プロピオニル,ブチリル,バレ
リル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個
の置換基を有していてもよいトリチル基、(9)(a)ハロゲ
ン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数2な
いし7のアルカノイル(例、アセチル,プロピオニル,
ブチリル,バレリル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれ
る1ないし3個の置換基を有していてもよいフタロイル
基、(10)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素
等)、(b)炭素数2ないし7のアルカノイル(例、アセ
チル,プロピオニル,ブチリル,バレリル等)、(c)ニ
トロ基及び(d)炭素数1ないし6のアルキル(例、メチ
ル,エチル,ブチル等)等から選ばれる1ないし3個の
置換基を有していてもよい例えばフェニルスルホニル等
の炭素数6ないし10のアリールスルホニル基等が挙げ
られる。
【0030】R23およびR24は、好ましくはハロゲン原
子(例、塩素,臭素,フッ素等)、炭素数2ないし7の
アルカノイル(例、アセチル,プロピオニル,ブチリ
ル,バレリル等)及びニトロ基等から選ばれる1ないし
3個の置換基を有していてもよい例えばベンジルオキシ
カルボニル、フェネチルオキシカルボニル等の炭素数8
ないし13のアラルキルオキシカルボニル基で保護され
ていてもよいアミノ基で置換されたアルキル基である。
23およびR24は、さらに好ましくはアミノアルキル基
である。このようなアルキル基としては、例えばメチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブ
チル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,イソペン
チル,ネオペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,
ノニル,デシル,ウンデシル,ドデシル,トリデシル,
テトラデシル,ペンタデシル等の炭素数1ないし15の
アルキル基等が用いられる。これらの中で、炭素数1な
いし10のアルキル基が好ましい。さらに炭素数1ない
し6のアルキル基が特に好ましい。
【0031】本発明の化合物TAN−1756A、B、
Cおよび/またはDを生産する微生物としてはケトミウ
ム属に属し、TAN−1756A、B、Cおよび/また
はDを生産する能力を有する微生物であればいずれのも
のでもよい。その例としては、大阪府の土壌から新たに
分離された糸状菌の一菌株FL−41927株があげら
れる。本菌株は以下の性質を示す。 a)形態的特徴 本菌株FL−41927は麦芽エキス寒天培地、バレイ
ショ・ブドウ糖寒天培地やオートミール寒天培地等で良
好に生育し、子のう殻を形成する。子のう殻は表在性、
暗オリーブ褐色、亜球形から卵形で頂端に孔口を持ち、
65−75μm×95−105μmの大きさを有してい
る。子のう殻にはオリーブ褐色の頂毛が多数密生し、か
らまった塊状となる。頂毛は隔壁を有しており、幅2.
5−3.0μmで、基部より波形に曲折、或はゆるくコ
イル状に巻き分岐しない。淡オリーブ褐色の側毛は、直
生或はわずかに波形で子のう殻上部では頂毛と一体とな
る。子のうはこん棒形で8個の胞子を有している。子の
う胞子(7−9μm×10−12μm)はオリーブ褐
色、レモン形で両端はややとがっている。
【0032】b)寒天培地上の性状 (1)麦芽エキス寒天培地:24℃での生育は良好で、
2週間後のコロニーの直径は78−83mmに達する。
表面は薄い羊毛状の菌糸体よりなり、中央部に黒灰色の
斑点が塊になり、中間部から周辺部にかけては放射状に
薄く拡がっている。外縁は規則正しく縁取られている。
気生菌糸の発達は良好で、10日目頃から黒色の子のう
果を形成し2週間後には中央部に塊となる。中央部から
中間部にかけて黒灰色から灰白色を呈し、周辺部はクリ
ーム色を呈する。裏面の中央部から中間部にかけては、
淡黒灰色から淡灰色を呈し、周辺部は象牙色を呈する。
可溶性色素の生成は認められない。 (2)バレイショ・ブドウ糖寒天培地:24℃での生育
は良好で、2週間後のコロニーの直径は55−60mm
に達する。表面はやや盛り上がった羊毛状の菌糸体より
なり、中央部はくぼんでいて、中間部から周辺部にかけ
ては放射状に薄く拡がっている。外縁は規則正しく縁取
られている。気生菌糸の発達は非常によく、10日目頃
から黒色の子のう果を形成し、2週間後にはコロニー全
体に拡がる。中央部は暗黒灰色、中間部は淡黒灰色、周
辺部は淡灰色を呈する。裏面の中央部から中間部にかけ
ては、淡黒灰色から淡灰色を呈し、周辺部は象牙色を呈
する。可溶性色素の生成は認められない。
【0033】(3)ツァペック寒天培地:24℃での生
育は遅く貧弱で、2週間後のコロニーの直径は40−5
0mmである。表面は平坦で薄い羊毛状の菌糸体よりな
り、外縁は不規則で波状に縁取られている。気生菌糸の
発達は悪く、子のう果の形成は認められない。全体に白
色ないし黄白色を呈する。裏面は淡黄褐色ないし黄褐色
を呈する。可溶性色素の生成は認められない。 c)生理学的性状 本菌株の生育条件をバレイショ・ブドウ糖寒天培地で調
べた。生育温度範囲は10−36℃で、至適温度は18
−28℃であった。 またpH4−pH12のいずれで
も生育は良好であった。以上の結果、主に形態的特徴を
基にして、かびの分離・培養と同定(D. Malloch著、宇
田川俊一訳、1983年、医歯薬出版株式会社)及び菌
類図鑑(上)(宇田川俊一・椿啓介ら著、1978年、
講談社サイエンティフィック)さらにジ・アスコマイセ
ーテ・ジーナス・ケトミウム(The Ascomycete Genus C
haetomium)、ジェイ・エー・フォン・アルクス/ジェ
イ・グアロ/エム・ジェイ・フィグレアス(J. A. von
Arx/J. Guarro/M. J. Figueras)著、1986年、ジ
ェイ・クラマー(J. Cramer)出版を参照して、本菌株
をケトミウム・グロボサム(Chaetomium globosum)F
L−41927株と同定した。本菌株は、平成5年8月
17日に財団法人発酵研究所(IFO)に受託番号IF
O 32580として、また平成5年10月18日に通
商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIB
H)に受託番号FERM BP−4443としてそれぞ
れ寄託されている。
【0034】本発明の製造法に使用されるTAN−18
54Aおよび/またはBを生産する微生物としてはトリ
ポクラディウム属に属し、TAN−1854Aおよび/
またはBを生産する能力を有する微生物であればいずれ
のものでもよい。その例としては、奈良県の土壌から新
たに分離された糸状菌の一菌株FL−43974株があ
げられる。本菌株は以下の性質を示す。 a)形態的特徴 本菌株FL−43974は麦芽エキス寒天培地、バレイ
ショ・ブドウ糖寒天培地やオートミール寒天培地等で良
好に生育し、分生子も豊富に形成する。菌糸は隔壁を有
しており、気生菌糸から分生子柄が不規則に分岐してい
る。フィアライド(0.3〜1.6μm×5.0〜8.0μ
m)は瓶型で先端は細まり、単生、時に2〜3個が輪生
する。分生子は連鎖せず、円筒形で2.1〜2.3μm×
2.6〜2.8μmの大きさを有し、その表面は平滑であ
り、フィアライドの先端に分生子塊を形成する。 b)寒天培地上の性状 (1)麦芽エキス寒天培地:24℃での生育は中程度
で、コロニーの拡がりは遅く極限的で、2週間後のコロ
ニーの直径は35mmであった。表面の中央部は盛り上
がった羊毛状の菌糸体よりなり、外縁は規則正しく縁取
られている。中央部は白色からクリーム色、中間部及び
外周部は白色を呈し、裏面は淡黄色を呈する。可溶性色
素の生成は認められない。
【0035】(2)バレイショ・ブドウ糖寒天培地:2
4℃での生育は中程度で、コロニーの拡がりは極限的
で、2週間後のコロニーの直径は35〜37mmであっ
た。表面はやや盛り上がった羊毛状の菌糸体よりなり、
外縁は規則正しく縁取られている。中央部から周辺部に
かけては淡灰白色から淡灰黄色、裏面は淡黄褐色を呈す
る。可溶性色素の生成は認められない。 (3)ツァペック寒天培地:24℃での生育は貧弱で、
2週間後のコロニーの直径は25mmであった。表面は
平坦で、羊毛状の菌糸体が中央部から周辺部にかけて疎
らに形成され、外縁はやや不規則に縁取られている。中
央部から周辺部にかけては淡灰白色を呈し、裏面は中央
部から周辺部にかけて象牙色からクリーム色を呈する。
可溶性色素の生成は認められない。 c)生理学的性状 本菌株の生育条件をバレイショ・ブドウ糖寒天培地で調
べた。生育温度範囲は6〜33℃で、至適温度は18〜
24℃であった。またpH3〜pH12のいずれでも良
好に生育した。以上の諸性質を基に、ジェイ・エー・フ
ォン・アルクス(J. A. von Arx)著「ザ・ジェネラ・
オブ・ファンジャイ・スポルレイティング・イン・ピュ
ア・カルチャー(The Genera of Fungi Sporulating in
Pure Culture)」〔1981年、ジェイ・クラマー(J. Cr
amer)社〕及びカナデアン・ジャーナル・オブ・ボトニ
ー(Canadian Journal of Botany)61巻、1331頁
(1983年)ジェイ・ビセット(J. Bissett); ノー
ツ・オン・トリポクラディウム・アンド・リレーテド・
ジェネラ(Notes on Tolypocladium and Related Gener
a)を参照して、本菌株をトリポクラディウム・シリン
ドロスポラム(Tolypocladium cylindrosporum)FL−
43974株と同定した。
【0036】本菌株は、平成5年8月17日に財団法人
発酵研究所(IFO)に受託番号IFO 32582と
して、また平成5年10月18日に通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所(NIBH)に受託番号FE
RM BP−4445としてそれぞれ寄託されている。
ケトミウム属に属するTAN−1756A、B、Cおよ
び/またはD生産菌およびトリポクラディウム属に属す
るTAN−1854Aおよび/またはB生産菌は、他の
糸状菌の場合と同様に、たとえば紫外線、放射線などの
照射、単細胞分離、種々の変異処理、その他の手段で変
異させることができ、このような変異株あるいは自然に
得られる突然変異株であっても、上記した分類学的性状
との比較において実質的に別種とするに足らず、しかも
当該化合物を生産する性質を有するものは、すべて本発
明方法に利用し得る。
【0037】TAN−1756A、B、Cおよび/また
はD生産菌およびTAN−1854Aおよび/またはB
生産菌の培養に用いられる培地は、該菌が利用し得る栄
養源を含むものなら、液状のものでも固状のものでもよ
いが、大量に処理するときは液体培地を用いるのがより
適当である。培地には、当該生産菌が同化し得る炭素
源、窒素源、無機物質、微量栄養源が適宜配合される。
炭素源としては、たとえばグルコース、ラクトース、シ
ュークロース、マルトース、デキストリン、スターチ、
グリセリン、マンニトール、ソルビトール、油脂類
(例、大豆油、ラード油、チキン油など)、n−パラフ
ィンその他が、窒素源としては、たとえば肉エキス、酵
母エキス、乾燥酵母、大豆粉、コーン・スティープ・リ
カー、ペプトン、綿実粉、廃糖蜜、尿素、アンモニウム
塩類(例、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸
アンモニウム、酢酸アンモニウムなど)その他が用いら
れる。更に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、鉄、マンガン、亜鉛、コバルト、ニッケルな
どの塩類、リン酸、ホウ酸などの塩類や酢酸、プロピオ
ン酸などの有機酸の塩類が適宜用いられる。その他、ア
ミノ酸類(例、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニ
ン、リジン、メチオニン、プロリンなど)、ペプチド類
(例、ジペプチド、トリペプチドなど)、ビタミン類
(例、B1、B2、ニコチン酸、B12,Cなど)、核酸類
(例、プリン、ピリジン、その誘導体など)等を含有さ
せてもよい。もちろん、培地のpHを調節する目的で無
機または有機の酸またはアルカリ類、緩衝剤などを加
え、あるいは消泡の目的で油脂類、界面活性剤等の適量
を添加して差し支えない。液体培養に際しては、培地の
pHは中性付近、特にpH5.5〜8が好ましい。
【0038】培養温度は約24℃〜30℃が好ましい。
培養時間は48時間〜168時間が好ましい。培養物か
ら目的とする化合物TAN−1756A、B、Cおよび
/またはD,TAN−1854Aおよび/またはBを採
取するには微生物の生産する代謝物をその微生物培養物
から採取するのに通常使用される分離手段が適宜利用さ
れる。例えばTAN−1756A、B、CおよびD,T
AN−1854AおよびBは水溶性両性物質の性質を示
し、主として培養濾液中に含まれるので、まず培養液に
ろ過補助剤を加えてろ過、あるいは遠心分離によって菌
体を除去し、得られた培養濾液を適宜担体に接触させて
濾液中の有効成分を吸着させ、ついで適宜の溶媒で有効
物質を脱着させ、分別採取する手段が有利に利用され
る。クロマトグラフィーの担体としては活性炭、シリカ
ゲル,微結晶セルロース,吸着性樹脂など化合物の吸着
性の差を利用するもの、またはイオン交換樹脂,イオン
交換セルロース,イオン交換セファデックスなど化合物
の官能基の差を利用するもの、あるいは分子ふるい性担
体類など化合物の分子量の差を利用するもの等が有利に
用いられる。これら担体から目的とする化合物を溶出す
るためには担体の種類、性質によって組み合わせが異な
るが、例えば水と混和し得る有機溶媒(例、メタノー
ル,エタノール,アセトン,アセトニトリル等)と水,
希アルカリ(例、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,
炭酸水素ナトリウム等)水,希酸(例、塩酸,酢酸,ギ
酸,リン酸等)水,緩衝液(例、酢酸緩衝液,リン酸緩
衝液等),食塩水などとの適宜の割合の混合溶媒が用い
られる。
【0039】さらに詳しくは、担体として陽イオン交換
樹脂、例えばアンバ−ライトIR−120,IRC−5
0(ローム・アンド・ハース社製,米国),ダウエック
ス50W(ダウ・ケミカル社製,米国),ダイヤイオン
SK1A(三菱化成社製)または陰イオン交換樹脂、例
えばアンバーライトIRA−402,IRA−68(ロ
ーム・アンド・ハース社製,米国),ダウエックス1
(ダウ・ケミカル社製,米国),ダイヤイオンSA10
B,PA−404,WA−30(三菱化成社製)などを
用いると濾液中の本化合物が吸着され、塩類,アルカリ
あるいは酸含有の水溶液あるいは緩衝液などで溶出され
る。また、イオン交換分子ふるい性樹脂、例えばQAE
またはCM−セファデックス(ファルマシア社製,スウ
ェーデン)などの担体に本化合物を吸着せしめ、塩類,
アルカリあるいは酸含有の水溶液あるいは緩衝液などに
よって溶出させることができる。これらの溶出液中の塩
類、着色物質などを取り除くためにはクロマト用活性炭
(武田薬品工業社製),吸着性樹脂、例えばダイヤイオ
ンHP−20またはSP−207(三菱化成社製),ア
ンバーライトXAD−IまたはII(ローム・アンド・ハ
ース社製,米国),分子ふるい性樹脂、例えばセファデ
ックスLH−20(ファルマシア社製,スウェーデン)
あるいは微結晶セルロース、例えばアビセル(旭化成社
製)またはフナセル(フナコシ株式会社製)などが有利
に用いられる。
【0040】さらに、化合物を最終的に精製する場合に
分取用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法も有
利に用いられる。この方法を適用する場合、担体として
はオクタデシルシラン(ODS)系、アミノプロピルシ
ラン系、ポリアミン系およびシリカゲル系のものが有利
に用いられる。例えばODSの場合、YMCゲル(山村
化学研究所製)あるいはTSKゲル(東洋曹達工業社
製)などが用いられ、移動相としてはメタノールあるい
はアセトニトリルと水あるいは塩類含有水溶液の混合溶
液が有利に用いられる。TAN−1756A、B、Cお
よびD,TAN−1854AおよびBは両性物質なの
で、自体公知の方法によりナトリウム塩,カリウム塩な
どのアルカリ金属塩、カルシウム塩,マグネシウム塩な
どのアルカリ土類金属塩などの塩や、酸付加塩、とりわ
け薬理学的に許容される酸付加塩としても得ることがで
き、たとえば、無機酸(例、塩酸,硫酸,リン酸)ある
いは有機酸(例、酢酸,プロピオン酸,クエン酸,酒石
酸,リンゴ酸,蓚酸,メタンスルホン酸,オクタンスル
ホン酸)などの塩があげられる。
【0041】本発明のTAN−1803を生産する微生
物としてはトリコデルマ属に属し、TAN−1803を
生産する能力を有する微生物であればいずれのものでも
よい。その具体例として、例えばインドの土壌から新た
に分離された糸状菌の一菌株FL−42547株があげ
られる。
【0042】本菌株は以下の性質を示す。 a)形態的特徴 本菌株FL−42547は麦芽エキス寒天培地、バレイ
ショ・ブドウ糖寒天培地やオートミール寒天培地等で良
好に生育し、分生子も豊富に形成する。菌糸は隔壁を有
しており、気生菌糸から長い分生子柄が直立あるいは不
規則な向きに、単生あるいは輪生し、不稔菌糸を欠く。
フィアライド(2.5〜3.0μmx5.0〜6.0μm)
は、瓶型で3〜5個が輪生する。分生子は連鎖せず、倒
卵形、下端裁断状で2.1〜2.3μmx2.6〜2.8μ
mの大きさを有し、その表面は平滑である。 b)寒天培地上の性状 (1)麦芽エキス寒天培地:24℃での生育は良好で、
2週間後のコロニーの直径は90mm以上に達する。表
面は平坦で、薄い羊毛状の気生菌糸を生じる。外縁は規
則正しく縁取られている。分生子の形成は良好で輪状に
拡がり輪紋状となり、分生子の形成にしたがって暗緑色
から暗青緑色となる。裏面の中央部から周辺部にかけて
淡黄緑色から淡黄灰色を呈する。可溶性色素の生成は認
められない。 (2)バレイショ・ブドウ糖寒天培地:24℃での生育
は良好で、2週間後のコロニーの直径は90mm以上に
達する。表面は平坦で、羊毛状の気生菌糸を生じる。外
縁は規則正しく縁取られている。分生子の形成は良好で
輪状に拡がり輪紋状となり、分生子の形成にしたがって
淡緑色から暗緑色となる。裏面の中央部から周辺部にか
けて淡黄緑色から淡黄灰色を呈する。可溶性色素の生成
は認められない。
【0043】(3)ツァペック寒天培地:24℃での生
育は良好で、2週間後のコロニーの直径は90mm以上
に達する。外縁は規則正しく縁取られている。気生菌糸
は放射状に薄く拡がり、分生子の形成は中程度である。
中央部から周辺部にかけて灰白色ないし灰色を呈する。
裏面は淡灰色ないし象牙色を呈する。可溶性色素の生成
は認められない。 c)生理学的性状 本菌株の生育条件をバレイショ・ブドウ糖寒天培地で調
べた。生育温度範囲は12〜36℃で、至適温度は19
〜23℃であった。またpH3〜pH12のいずれでも
生育はするが、pH9以上での生育は貧弱であった。
【0044】以上の諸性質を基に、「かびの分離・培養
と同定」〔デー・マローチ(D. Malloch)著、宇田川俊
一訳、1983年、医歯薬出版株式会社〕及びエム・エ
ー・リファイ(M. A. Rifai)著「ア・リビジョン・オブ
・ザ・ジーナス・トリコデルマ(A Revision of the Gen
us Trichoderma)」〔1986年、コモヌエルス・マイ
コロジカル・インスティチュート・キュー・サレイ・イ
ングランド(Commonwealth Mycological Institute Kew,
Surrey, England)〕を参照して、本菌株をトリコデル
マ・オーレオビリデ(Trichoderma aureoviride)FL
−42547株と同定した。本菌株は、平成5年8月1
7日に財団法人発酵研究所(IFO)に受託番号IFO
32581として、また平成5年10月18日に通商
産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)
に受託番号FERM BP−4444としてそれぞれ寄
託されている。本発明の化合物TAN−1868を生産
する微生物としてはアスペルギルス属に属し、TAN−
1868を生産する能力を有する微生物であればいずれ
のものでもよい。その具体例として、例えば大阪府の土
壌から新たに分離された糸状菌の一菌株FLー4795
8株があげられる。
【0045】本菌株は以下の性質を示す。 a)形態的特徴 本菌株FL−47958は麦芽エキス寒天培地、バレイ
ショ・ブドウ糖寒天培地やオートミール寒天培地等で良
好に生育する。菌糸は隔壁を有しており、分生子柄が気
生菌糸上に形成される。分生子柄はやや湾曲しており、
80〜160μmの長さを示し、表面は平滑である。先
端は肥大して頂のうとなる。頂のうは、直径15〜20
μmの半球形で、上部1/2よりメトレを生じる。メト
レは3.5〜4.5x1.5〜2.0μmの円筒形で、その
上に瓶型で表面は滑面のフィアライド(5〜6μmx
1.0〜2.0μm)が2〜4本束生する。分生子(2.
0〜2.5μmx1.0〜2.0μm)は球形から亜球形
で連鎖し、その表面は平滑である。 b)寒天培地上の性状 (1)麦芽エキス寒天培地:24℃での生育は中程度
で、コロニーの拡がりは極限的で、2週間後のコロニー
の直径は35mmであった。表面は平坦で、中央部が幾
分盛り上がったビロード状の菌糸体よりなり、外縁は規
則正しく縁取られている。気生菌糸の発達は良好である
が、分生子の形成は悪い。中央部から周辺部にかけては
淡灰白色ないし淡黄白色を呈する。裏面は中央部から周
辺部にかけて暗黄褐色ないし淡黄褐色を呈する。可溶性
色素の生成は認められない。 (2)バレイショ・ブドウ糖寒天培地:24℃での生育
は中程度で、コロニーの拡がりは極限的で、2週間後の
コロニーの直径は33mmであった。表面は平坦で、中
央部が幾分盛り上がったビロード状の菌糸体よりなり、
外縁はやや不規則に縁取られている。気生菌糸の発達は
良好であるが、分生子の形成は悪い。中央部から中間部
にかけては淡灰白色、周辺部は白色を呈する。裏面中央
部は暗赤褐色ないし赤褐色、中間部は暗赤褐色、周辺部
は淡黄褐色を呈する。可溶性色素の生成は認められな
い。
【0046】(3)オートミール寒天培地:24℃での
生育は中程度で、2週間後のコロニーの直径は30mm
であった。表面はやや盛り上がった粉状からビロード状
の菌糸体よりなり、中央部が幾分くぼみ、周辺部は薄く
なっている。外縁は規則正しく縁取られている。気生菌
糸の発達、分生子の形成は良好である。中央部は黄褐色
でわずかに灰白色のまじりを呈し、中間部は環状に淡黄
褐色、中間部から周辺部はクリーム色ないし淡灰白色を
呈する。裏面中央部は淡黄褐色ないしクリーム色、中間
部から周辺部にかけて淡黄褐色ないし象牙色を呈する。
可溶性色素の生成は認められない。 c)生理学的性状 本菌株の生育条件をバレイショ・ブドウ糖寒天培地で調
べた。生育温度範囲は12〜37℃で、至適温度は23
〜29℃であった。またpH3〜pH12のいずれでも
良好に生育した。以上の諸性質を基に、「かびの分離・
培養と同定」〔デー・マローチ(D. Malloch)著、宇田
川俊一訳、1983年、医歯薬出版株式会社〕を参照す
ると、本菌株はアスペルギルス属に属することが明かと
なり、本菌株をアスペルギルス エスピー(Aspergillus
sp.) FL−47958株と称することにした。本菌株
は、平成5年8月17日に財団法人発酵研究所(IF
O)に受託番号IFO 32583として、また平成5
年10月18日に通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所(NIBH)に受託番号FERM BP−44
46としてそれぞれ寄託されている。
【0047】トリコデルマ属に属するTAN−1803
生産菌およびアスペルギルス属に属するTAN−186
8生産菌は、他の糸状菌の場合と同様に、たとえば紫外
線、放射線などの照射、単細胞分離、種々の変異処理、
その他の手段で変異させることができ、このような変異
株あるいは自然に得られる突然変異株であっても、上記
した分類学的性状との比較において実質的に別種とする
に足らず、しかも当該化合物を生産する性質を有するも
のは、すべて本発明方法に利用し得る。TAN−180
3生産菌およびTAN−1868生産菌の培養に用いら
れる培地は、前記したTAN−1756A,B,Cおよ
び/またはD生産菌およびTAN−1854Aおよび/
またはB生産菌の培養に用いられる培地と同様のものが
用いられる。
【0048】培養物から目的とする化合物TAN−18
03またはTAN−1868を採取するには,微生物の
生産する代謝物をその微生物培養物から採取するのに通
常使用される分離手段が適宜利用される。TAN−18
03は水溶性両性物質の性質、またTAN−1868は
水溶性酸性物質の性質を示すので、これらの化合物は、
前記したTAN−1756A,B,Cおよび/またはD
およびTAN−1854Aおよび/またはBの場合と同
様にして採取される。
【0049】TAN−1803は両性物質なので、自体
公知の方法によりナトリウム塩,カリウム塩などのアル
カリ金属塩、カルシウム塩,マグネシウム塩などのアル
カリ土類金属塩などの塩や、酸付加塩、とりわけ薬理学
的に許容される酸付加塩としても得ることができ、たと
えば、無機酸(例、塩酸,硫酸,リン酸)あるいは有機
酸(例、酢酸,プロピオン酸,クエン酸,酒石酸,リン
ゴ酸,蓚酸,メタンスルホン酸)などの塩が挙げられ
る。また、TAN−1868は酸性物質なので,自体公
知の方法によりナトリウム塩,カリウム塩などのアルカ
リ金属塩、カルシウム塩,マグネシウム塩などのアルカ
リ土類金属塩などとして得ることができる。
【0050】次に、上記化合物(I)またはその塩の製
造法について述べる。なお、以下の本文中で常用される
保護基および試薬を下記の略号で表記する。 Fmoc :9−フルオレニルメチルオキシカルボニル Z :ベンジルオキシカルボニル Boc :tert−ブトキシカルボニル Bzl :ベンジル Ph :フェニル Trt :トリチル But :ブチリル Ts :p−トルエンスルホニル TFA :トリフルオロ酢酸 Tos :p−トルエンスルホン酸 DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド BOP :ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホ
スフェート DIC :N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド HONB :N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,
3−ジカルボキシイミド HOBT :1−ハイドロキシベンゾトリアゾール WSC :水溶性カルボジイミド〔1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸
塩〕 R− :R−配位 S− :S−配位
【0051】前記一般式(I)で表わされる化合物また
はその塩は、一般式
【化9】 〔式中、R1、R2およびnは前記と同意義を有する〕で
表される化合物またはその塩と、一般式
【化10】 〔式中、R3およびR4は前記と同意義を有する〕で表さ
れる化合物またはその塩とを反応させ、要すれば脱保護
基反応に付すことにより、あるいは一般式
【化11】 〔式中、R1は前記と同意義を有する〕で表される化合
物またはその塩と、一般式
【化12】 〔式中、R2,R3,R4およびnは前記と同意義を有す
る〕で表される化合物またはその塩とを、反応させ、要
すれば脱保護基反応に付すことより製造することができ
る。
【0052】上記製造法は、例えば液相合成法、固相合
成法等のペプチド合成の常套手段が用いられる。このよ
うなペプチド合成の手段は、任意の公知の方法に従えば
よく、たとえば、エム・ボンダスキー(M. Bondasky)
およびエム・オンデッティ(M. Ondetti)著、ペプチド
・シンセシス(Peptide Synthesis)、インターサイエ
ンス、ニューヨーク、1966年;エフ・エム・フィン
(F. M. Finn)およびケー・ホフマン(K. Hofmann)
著、ザ・プロテインズ(The Proteins)、第2巻、エイ
チ・ネンラース(H. Nenrath)、 アール・エル・ヒル
(R. L. Hill)編集、アカデミックプレスインク、ニュ
ーヨーク、1976年:泉屋信夫他著、「ペプチド合成
の基礎と実験」丸善(株)1985年;矢島治明、榊原俊
平他著、「生化学実験講座1」、日本生化学会編、東京
化学同人、1977年;木村俊他著、「続生化学実験講
座2」、日本生化学会編、東京化学同人、1987年;
ジェイ・エム・スチワート(J. M. Stewart)およびジ
ェイ・ディー・ヤング(J. D. Young)著、ソリッド・
フェイズ・ペプチド・シンセシス(Solid Phase Peptid
e Synthesis)、ピアスケミカルカンパニー、イリノ
イ、1984年などに記載された方法またはそれに準じ
た方法により製造される。該方法の具体例として、例え
ば、化合物(II)またはその塩および化合物(IV)また
はその塩のカルボン酸を活性化して化合物(III)また
はその塩および化合物(V)またはその塩とそれぞれ縮
合させるアジド法、クロライド法、酸無水物法、混合酸
無水物法、DCC法、活性エステル法、ウッドワード試
薬Kを用いる方法、カルボニルイミダゾール法、酸化還
元法、DCC/HONB法、DIC/HONB法、DC
C/HOBT法、WSC/HOBT法、BOP試薬を用
いる方法などが挙げられる。
【0053】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などもまた自体公知のものあるい
は自体公知の手段から適宜選択しうる。本反応におい
て、塩基の存在下実施される場合があり、用いられる塩
基としては、例えば、トリメチルアミン,トリエチルア
ミン,トリプロピルアミン,N-メチルピペリジン,N-メ
チルピロリジン,シクロヘキシルジメチルアミン,N-メ
チルモルホリンなどの第三アミン、ジ-n-ブチルアミ
ン,ジイソブチルアミン,ジシクロヘキシルアミンなど
の第二アミン、ピリジン,ルチジン,コリジンなどの芳
香族アミン、リチウム,ナトリウム,カリウムなどのア
ルカリ金属の水酸化物または塩、カルシウム,マグネシ
ウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物または塩などが
用いられる。
【0054】本方法においては、化合物(III)または
(V)1モルに対して化合物(II)または(IV)のカル
ボン酸の反応性誘導体をそれぞれ通常1モル用いるが、
反応に支障のない限り過剰に用いることもできる。塩基
を用いる場合、塩基の使用量は用いられる原料化合物、
カルボン酸の反応性誘導体の種類、 その他の反応条件に
よって異なるが、 化合物(III)または(V)1モルに
対して通常1ないし5モル、好ましくは約1ないし3モ
ルである。本反応は通常反応に悪影響を及ぼさない溶媒
中で行われる。該溶媒としては、ペプチド縮合反応に使
用しうることが知られているものから適宜選択されう
る。例えばホルムアミド,N,N−ジメチルホルムアミ
ド,N−メチルピロリドンなどのアミド類、ジメチルス
ルホキサイドなどのスルホキシド類、ピリジンなどの芳
香族アミン類、クロロホルム,ジクロロメタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン,ジオキサン
などのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類、
酢酸エチル,ギ酸エチルなどのエステル類、あるいはこ
れらの適宜の割合の混合物などが挙げられる。反応温度
は、反応が進行する限り特に限定されないが、 通常−5
0℃ないし150℃、 好ましくは−30℃ないし80℃
で行われる。反応時間は、用いられる原料,塩基,反応
温度,溶媒の種類により異なるが、 通常数十分から数十
時間反応させる。
【0055】一般式(I)で表わされる化合物またはそ
の塩は、要すれば上記の方法により製造した化合物また
はその塩を脱保護基反応に付すことより製造することが
できる。脱保護基反応は自体公知の方法、例えばペプチ
ド化学に常用の方法により行うことができる。〔泉屋信
夫,大野素徳,加藤哲夫,青柳東彦著,「合成化学シリ
ーズ,ペプチド合成」,丸善株式会社発行,1975年
参照〕 ウレタン型保護基で保護されたアミノ基の脱保護基反応
は、無溶媒もしくは反応に悪影響を与えない溶媒中で、
酸と接触することにより行われる。該溶媒としては、ハ
ロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン,クロロホル
ム,1,2−ジクロロエタンなど)、アルコール類
(例、メタノール,エタノールなど)、水およびこれら
の適宜の割合の混合物が用いられる。酸としては、例え
ばハロ酢酸(例、トリフルオロ酢酸など)、ハロゲン化
水素酸(例、塩化水素酸,臭化水素酸など)等が用いら
れる。N−ベンジルオキシカルボニル(Z)基,N−4
−メトキシベンジルオキシカルボニル基は、例えばパラ
ジウム触媒(例、パラジウム/硫酸バリウム,パラジウ
ム活性炭素,パラジウム黒等),ロジウム触媒等を用い
て接触水素添加によって除去するのが有利である。反応
は、反応に悪影響を与えない溶媒中で行われる。該溶媒
としては、例えばアミド類(例、N,N−ジメチルホル
ムアミド,アセトアミドなど)、アルコール類(例、メ
タノール,エタノールなど),環状エーテル(例、テト
ラヒドロフランなど),有機カルボン酸(例、酢酸,プ
ロピオン酸など),水等、もしくはこれらの適宜の割合
の混合物が用いられる。
【0056】N−9−フルオレニルメチルオキシカルボ
ニル(Fmoc)基は、例えばジエチルアミン,ピペリジ
ン,モルホリン,4−ジメチルアミノピリジン,ジシク
ロヘキシルアミンなどの有機アミン類を用いて除去する
のが有利である。反応は、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。該溶媒としては、例えばアミド類(例、
N,N−ジメチルホルムアミド,アセトアミドなど)、
アルコール類(例、メタノール,エタノールなど)等、
もしくはこれらの適宜の割合の混合物が用いられる。 N−2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル基
は、有機カルボン酸(例、酢酸,プロピオン酸など)と
共に、金属(例、亜鉛など)を用いて除去するのが有利
である。反応は、反応に悪影響を与えない溶媒中で行わ
れる。該溶媒としては、上記有機カルボン酸、アルコー
ル類(例、メタノール,エタノールなど)、水等、もし
くはこれらの適宜の割合の混合物が用いられる。アシル
化ヒドロキシ基の脱保護基反応(脱アシル化反応)は、
反応に悪影響を与えない溶媒中で、酸と接触することに
より行われる。該溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類
(例、ジクロロメタン,クロロホルム,1,2−ジクロ
ロエタンなど)、アルコール類(例、メタノール,エタ
ノールなど)、水およびこらの適宜の割合の混合物が用
いられる。酸としては、例えばハロ酢酸(例、トリフル
オロ酢酸など)、ハロゲン化水素酸(例、塩化水素酸,
臭化水素酸など)等が用いられる。
【0057】O−ベンジル(Bzl)基は、例えばパラジ
ウム触媒(例、パラジウム/硫酸バリウム、パラジウム
活性炭素,パラジウム黒)又はロジウム触媒を用いて接
触水素添加によって除去するのが有利である。その際文
献から公知の溶剤、例えば環状エーテル(例、テトラヒ
ドロフランなど)を場合により他の不活性溶剤〔例、低
級脂肪族酸アミド(例、ジメチルホルムアミドなど)な
ど〕と混合して使用する。O−テトラヒドロピラニル基
またはO−tert−ブチル基は、上記脱アシルと同様に、
酸による加水分解により行うことができる。カルボキシ
ル保護基の脱離は、上記と同様に、酸による加水分解に
より行うことができる。また、例えばベンジルエステル
は、前記のO−ベンジル基脱離の場合と同様に接触水素
添加によって脱離することができる。さらに、 例えばメ
チルエステル,エチルエステルは、反応に悪影響を与え
ない溶媒中で塩基と接触することによって脱離すること
ができる。該溶媒としては、アルコール類(例、メタノ
ール,エタノールなど)、環状エーテル類(例、テトラ
ヒドロフラン),水およびこれらの適宜の割合の混合物
が用いられる。塩基としては、例えば水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等
が用いられる。2−(トリメチルシリル)−エチル基は
中性条件下に、例えば弗化水素酸の塩、例えば特に第四
級窒素塩基と弗化水素酸の塩(例、テトラエチルアンモ
ニウムフルオリドなど)を適当な溶媒中で作用させるこ
とによって脱離させることができる。
【0058】このようにして製造された化合物(I)ま
たはその塩は、反応終了後、ペプチドの分離手段、例え
ば抽出,分配,再沈殿,結晶化,再結晶,各種クロマト
グラフィー,高速液体クロマトグラフィーなどによって
採取される。上記化合物(II)またはその塩は、化合物
(IV)またはその塩と一般式
【化13】 〔式中、R2およびnは前記と同意義を有し、R7は保護
されたカルボキシル基を示す〕で表される化合物または
その塩とを、前述と同様なペプチド合成の常套手段を用
いて縮合させ、カルボキシル基の保護基を脱保護するこ
とにより製造することができる。
【0059】上記R7で表される保護されたカルボキシ
ル基におけるカルボキシル基の保護基としては、例えば
(1)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、
(b)炭素数2ないし7のアルカノイル基(例、アセチ
ル,プロピオニル,ブチリル,バレリル等)及び(c)ニ
トロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有してい
てもよい炭素数1ないし6のアルキル基(例、メチル、
エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチ
ル,sec−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,イソペン
チル,sec−ペンチル,ネオペンチル,tert−ペンチ
ル,ヘキシル等)、(2)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭
素,フッ素等)、(b)炭素数1ないし6のアルコキシ基
(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキ
シ,ブトキシ,イソブトキシ,sec−ブトキシ,tert−
ブトキシ等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし
3個の置換基を有していてもよい炭素数6ないし10の
アリール基(例、フェニル,ナフチル等)、(3)(a)ハロ
ゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数1
ないし6のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,プ
ロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,
sec−ブトキシ,tert−ブトキシ等)及び(c)ニトロ基等
から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい
炭素数7ないし12のアラルキル基(例、ベンジル,フ
ェネチル等)、(4)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,
フッ素等)、(b)炭素数2ないし7のアルカノイル基
(例、アセチル,プロピオニル,ブチリル,バレリル
等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置
換基を有していてもよいトリチル基、(5)トリ−C1-4
ルキルシリル基(例、トリメチルシリル,トリエチルシ
リル等)等が用いられる。
【0060】上記化合物(V)またはその塩は、一般式
【化14】 〔式中、R2およびnは前記と同意義を有し、R8は保護
されたアミノ基を示す〕で表される化合物またはその塩
と、化合物(III)またはその塩とを、前述と同様なペ
プチド合成の常套手段を用いて縮合させ、アミノ基の保
護基を脱保護することにより製造することができる。上
記R8で表される保護されたアミノ基におけるアミノ基
の保護基は、前記R4で表される保護されていてもよい
アミノ基で置換された炭化水素残基におけるアミノ基の
保護基と同意義を有する。
【0061】以下に、化合物(XI)またはその塩の製造
法について述べる。一般式(XI)で表わされる化合物ま
たはその塩は、一般式
【化15】 〔式中、R11、R12およびn’は前記と同意義を有す
る〕で表される化合物またはその塩と、一般式
【化16】 〔式中、R13およびR14は前記と同意義を有する〕で表
される化合物またはその塩とを反応させ、要すれば脱保
護基反応に付すことにより、あるいは一般式
【化17】 〔式中、R11は前記と同意義を有する〕で表される化合
物またはその塩と、一般式
【化18】 〔式中、R12,R13,R14およびn’は前記と同意義を
有する〕で表される化合物またはその塩とを、反応さ
せ、要すれば脱保護基反応に付すことより製造すること
ができる。
【0062】本製造法において、化合物(XII)と化合
物(XIII)との反応は前述の化合物(II)と化合物(II
I)との反応と同様にして行われる。また、化合物(XI
V)と化合物(XV)との反応は前述の化合物(IV)と化
合物(V)との反応と同様にして行われる。さらに、脱
保護基反応も前記した化合物(I)の製造法と同様にし
て行われる。このようにして製造された化合物(XI)ま
たはその塩は、反応終了後、ペプチドの分離手段、例え
ば抽出,分配,再沈殿,結晶化,再結晶,各種クロマト
グラフィー,高速液体クロマトグラフィーなどによって
採取される。
【0063】上記化合物(XII)またはその塩は、化合
物(XIV)またはその塩と一般式
【化19】 〔式中、R12およびn’は前記と同意義を有し、R17
保護されたカルボキシル基を示す〕で表される化合物ま
たはその塩とを、前述と同様なペプチド合成の常套手段
を用いて縮合させ、カルボキシル基の保護基を脱保護す
ることにより製造することができる。R17で表される保
護されたカルボキシル基におけるカルボキシル基の保護
基は、R7で表される保護されたカルボキシル基におけ
るカルボキシル基の保護基と同様のものが用いられる。
上記化合物(XV)またはその塩は、一般式
【化20】 〔式中、R12およびn’は前記と同意義を有し、R18
保護されたアミノ基を示す〕で表される化合物またはそ
の塩と、化合物(XIII)またはその塩とを、前述と同様
なペプチド合成の常套手段を用いて縮合させ、アミノ基
の保護基を脱保護することにより製造することができ
る。上記R18で表される保護されたアミノ基におけるア
ミノ基の保護基は、前記R4で表される保護されていて
もよいアミノ基で置換された炭化水素残基におけるアミ
ノ基の保護基と同意義を有する。
【0064】次に、上記化合物(XXI)またはその塩の
製造法について述べる。前記一般式(XXI) で表わされ
る化合物またはその塩は、一般式
【化21】 〔式中、R21およびR22は前記と同意義を有する〕で表
される化合物またはその塩と、一般式
【化22】 〔式中、R23およびR24は前記と同意義を有する〕で表
される化合物またはその塩とを反応させ、要すれば脱保
護基反応に付すことにより、あるいは一般式
【化23】 〔式中、R21は前記と同意義を有する〕で表される化合
物またはその塩と、一般式
【化24】 〔式中、R22,R23およびR24は前記と同意義を有す
る〕で表される化合物またはその塩とを反応させ、要す
れば脱保護基反応に付すことより製造することができ
る。
【0065】本製造法において、化合物(XXII)と化合
物(XXIII)との反応は前述の化合物(II)と化合物(I
II)との反応と同様にして行われる。また、化合物(XX
IV)と化合物(XXV)との反応は前述の化合物(IV)と
化合物(V)との反応と同様にして行われる。さらに、
脱保護基反応も前記した化合物(I)の製造法と同様に
して行われる。このようにして製造された化合物(XX
I)またはその塩は、反応終了後、ペプチドの分離手
段、例えば抽出,分配,再沈殿,結晶化,再結晶,各種
クロマトグラフィー,高速液体クロマトグラフィーなど
によって採取される。
【0066】上記化合物(XXII)またはその塩は、化合
物(XXIV)またはその塩と一般式
【化25】 〔式中、R22は前記と同意義を有し、R25は保護された
カルボキシル基を示す〕で表される化合物またはその塩
とを、前述と同様な製造法を用いて縮合させ、カルボキ
シル基の保護基を脱保護することにより製造することが
できる。上記R25で表される保護されたカルボキシル基
におけるカルボキシル基の保護基としては、前記R7
表される保護されたカルボキシル基における保護基と同
意義を有する。上記化合物(XXV)またはその塩は、一
般式
【化26】 〔式中、R22は前記と同意義を有し、R26は保護された
アミノ基を示す〕で表される化合物またはその塩と、化
合物(XXIII)またはその塩とを、前述と同様な製造法
を用いて縮合させ、アミノ基の保護基を脱保護すること
により製造することができる。上記R26で表される保護
されたアミノ基におけるアミノ基の保護基は、前記R4
で表される保護されていてもよいアミノ基で置換された
炭化水素残基におけるアミノ基の保護基と同意義を有す
る。
【0067】本発明の化合物(I)は自体公知の方法に
よりナトリウム塩,カリウム塩などのアルカリ金属塩、
カルシウム塩,マグネシウム塩などのアルカリ土類金属
塩などの塩や、酸付加塩、とりわけ薬理学的に許容され
る酸付加塩としても得ることができ、例えば無機酸
(例、塩酸,硫酸,リン酸)あるいは有機酸(例、酢
酸,プロピオン酸,クエン酸,酒石酸,リンゴ酸,蓚
酸,メタンスルホン酸,オクタンスルホン酸)などの塩
があげられる。また、化合物(II)から(VII)の塩も
また、化合物(I)の塩と同様なものが用いられる。本
発明の化合物(XI)および化合物(XII)から(XVII)
の塩もまた、化合物(I)の塩と同様なものが用いられ
る。本発明の化合物(XXI)および化合物(XXII)から
(XXVII)の塩もまた、化合物(I)の塩と同様なもの
が用いられる。後述の実施例によって得られた化合物の
構造式を下記に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】 ただし、SおよびRは当該記号が付された炭素原子がそ
れぞれSおよびR配位であることを、Phはフェニル基
を、4−OH−Phは4−ヒドロキシフェニル基を、4
−(OBzl)−Phは4−ベンジルオキシフェニル基
を、Ac はアセチル基を示す。
【0075】次に本発明化合物の生物活性について記載
する。本発明の化合物(I),(XI)および(XXI)ま
たはそれらの塩は、強いチオールプロテアーゼ阻害作用
を示すが、下記の方法により、カテプシンLおよびカテ
プシンBに対する阻害活性を測定し、その結果を〔表
8〕に示した。 (a)カテプシンL阻害活性測定法 ヒト組換え体カテプシンL(後述の参考例1〜7により
製造したものを用いた)1ng、2μMのジチオスレイ
トール(以下、DTTと略す)、1mMのエチレンジア
ミンテトラアセテート2ナトリウム塩、0.1Mの酢酸
ナトリウム緩衝液(pH5.5)および種々の濃度の検
体を含む反応液75μlに20μMのベンジルオキシカ
ルボニル−L−フェニルアラニル−L−アルギニン−4
−メチルクマリル−7−アミド(以下、Z−Phe−A
rg−7MCAと略す、ペプチド研究所製)25μlを
加えて反応を開始し、37℃で20分間保温した後、1
00mMのモノクロロ酢酸ナトリウムを含む反応停止液
100μlを加えた。遊離した4−メチル−7−アミノ
クマリンの量を蛍光光度計(FCA:バクスター社製)
を用いて励起波長365nm、蛍光波長450nmで測
定した。なお、検体を加えないで同様に反応させたもの
の蛍光測定値を100%とし、50%阻害に必要な検体
の濃度をIC50値として示した。
【0076】(b)カテプシンB阻害活性測定法 カテプシンB(シグマ社製)30ng、2μM DT
T、1mM エチレンジアミンテトラアセテート2ナト
リウム塩、0.1M 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.
5)および種々の濃度の検体を含む反応液75μlに2
0μMのZ−Phe−Arg−7MCAを25μl加え
て反応を開始し、37℃で20分間保温した後、100
mMのモノクロロ酢酸ナトリウムを含む反応停止液を1
00μl加えた。遊離した4−メチル−7−アミノクマ
リンの量を蛍光光度計を用いて励起波長365nm、蛍
光波長450nmで測定した。なお、検体を加えないで
同様に反応させたものの蛍光測定値を100%とし、5
0%阻害に必要な各検体の濃度をIC50値として示し
た。
【表8】
【0077】さらに、本発明の化合物(I),(XI)お
よび(XXI)またはそれらの塩は、すぐれた骨吸収抑制
作用を有するが、本発明の化合物(I),(XI)および
(XXI)またはそれらの塩の、PTH(副甲状腺ホルモン)
により増強された骨吸収に対する抑制作用を下記の方法
により測定した。その結果を〔表9〕に示した。 骨吸収抑制活性の測定法 8〜10週齢の雌BALB/cマウスの大腿骨を無菌的に摘出
し、10重量%熱不活化牛胎仔血清、ペニシリンG 100
単位/ml、ストレプトマイシン 100単位/mlを含
むハムF12培地(以下、培養液と称する)にて骨髄腔を
洗浄した後、培養液1mlあたり骨を1本づつ加えて、
37℃、5%炭酸ガス、95%空気の条件下で3時間前培養
した。この骨をPTH(ペプチド研究所製、終濃度1μ
M)および試験化合物(終濃度10μg/ml)を加えた
1mlの培養液に移し、さらに7日間培養後、培養液中
に蓄積したカルシウムの総量をカルシウムE−テストワ
コー(和光純薬社製)で測定した。試験化合物の骨吸収
抑制活性は、以下の式により求めた。 骨吸収抑制活性(%)=100×(Cp−Cs)/(C
p−Cc) Cc:PTH 及び試験化合物のいずれも含まない培養液中
の総カルシウム量 Cp:PTH を加えたときの培養液中の総カルシウム量 Cs:PTH及び試験化合物の両方を加えたときの培養液
中の総カルシウム量
【0078】
表9】 毒性試験 TAN−1756Aをマウスに 400 mg/kg
腹腔内投与あるいは経口投与しても死亡例を認めなかっ
た。TAN−1803の一塩酸塩をマウスに 400 mg/kg
腹腔内投与あるいは経口投与しても死亡例を認めなか
った。
【0079】このように、化合物(I),(XI)および
(XXI)またはそれらの塩は、カテプシンLおよびカテ
プシンB等のチオールプロテアーゼに対する阻害作用を
有し、チオールプロテアーゼに由来する疾患(例、筋ジ
ストロフィー症,空胞型ジスタールミオパチー等)の予
防および治療剤として有用なチオールプロテアーゼ阻害
剤として用いられる。また、チオールプロテアーゼを阻
害する物質は抗炎症作用を有するので、本発明のチオー
ルプロテアーゼ阻害剤は、抗炎症剤としても用いられ
る。さらに、化合物(I),(XI)および(XXI)また
はそれらの塩は、骨吸収抑制作用を有し、骨粗鬆症,悪
性高カルシウム血症,ページェット病等の骨疾患の予防
および治療剤として用いられる。化合物(I),(XI)
および(XXI)またはそれらの塩は、毒性も低く、哺乳
動物(例、イヌ,ネコ,ウマ,ウシ,サル,ヒトなど)
に対し、安全に用いられる。化合物(I)またはその塩
を、例えばヒトに投与する場合は、それ自体あるいは適
宜の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合
し、医薬組成物として経口的または非経口的に安全に投
与することができる。上記医薬組成物としては、例えば
注射剤などの非経口投与製剤、経口投与製剤(例、散
剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤)などが挙げられる。こ
れらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる
自体公知の方法により製造することができる。例えば化
合物(I)またはその塩は、分散剤(例、ツイーン(Twe
en)80(アトラスパウダー社製、米国),HCO 60
(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコール、カル
ボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムな
ど)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベ
ン、ベンジルアルコール、クロロブタノールなど)、等
張化剤(例、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトー
ル、ブドウ糖など)などと共に水性注射剤に成形し、注
射剤とすることができる。
【0080】また、経口投与製剤にするには、自体公知
の方法に従い、化合物(I)またはその塩をたとえば賦
形剤(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(例、
炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、アラビアゴム、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、
ヒドロキシプロピルセルロースなど)または滑沢剤
(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレ
ングリコール6000など)などを添加して圧縮成形
し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるい
は持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングす
ることにより経口投与製剤とすることができる。そのコ
ーティング剤としては、例えばエチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、ポリオキシエチレングリコー
ル、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレートおよびオイドラギット
(ローム社製、ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共
重合)などが用いられる。化合物(I)またはその塩
を、例えばヒトに用いる場合の投与量は、対象の疾患、
投与経路、治療する患者個々の年齢及び疾病の程度によ
って変動し得るが、通常、体重50kgの成人患者に経口
投与する場合有効成分1日約1mg〜2g、好ましくは約
10mg〜2g、さらに好ましくは約20mg〜1gが疾患の
治療に用いられる。
【0081】本発明において、化合物(XI)またはその
塩を、例えばヒトに投与する場合は、前記した化合物
(I)またはその塩と同様にして、それ自体あるいは適
宜の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合
し、医薬組成物として経口的または非経口的に安全に投
与することができる。また、化合物(XI)またはその塩
を、例えばヒトに用いる場合の投与量は、前記した化合
物(I)またはその塩と同様である。本発明において、
化合物(XXI)またはその塩を、例えばヒトに投与する
場合は、前記した化合物(I)またはその塩と同様にし
て、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される担
体、賦形剤、希釈剤と混合し、医薬組成物として経口的
または非経口的に安全に投与することができる。また、
化合物(XXI)またはその塩を、例えばヒトに用いる場
合の投与量は、前記した化合物(I)またはその塩と同
様である。
【0082】
【実施例】以下に参考例、実施例、製剤例を挙げて、本
発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が
限定されるものではない。なお、パーセント(%)は、
特に断りのない限り、重量/容量パーセントを表す。混
合溶媒において混合比を示した数値は各溶媒の容量混合
比である。NMRスペクトルは、ブルカーAC−300
型スペクトルメーターを用いて測定した。内部基準とし
て、13C−NMRスペクトルではジオキサン(δ 69.5
ppm),1H−NMRスペクトルでは、重水中で3−(ト
リメチルシリル)プロピオン酸−d4・ナトリウム塩,
他の溶媒中でテトラメチルシランを用い、全δ値をppm
で示した。また、本明細書中の記号は次のような意味を
有する。Q:4級炭素,CH:メチン,CH2:メチレン,CH
3:メチル,s:シングレット,d:ダブレット,t:トリ
プレット,q:クワルテット,dd:ダブルダブレット,d
t:ダブルトリプレット,ddd:ダブルダブルダブレッ
ト,ddt:ダブルダブルトリプレット,m:マルチプレッ
ト,br.:幅広い,CDCl3:重クロロホルム,DMS
O−d6:重ジメチルスルホキシド,D2O:重水
【0083】参考例1 (ヒト腎臓由来カテプシンLの
cDNAクローニング) ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によってヒトカテプシ
ンcDNAを増幅させるため、既報のヒト腎臓由来カテプシ
ンLの塩基配列〔エス・ガル(S. Gal)とエム・エム・ゴ
ッテスマン(M. M. Gottesman),バイオケミカル・ジ
ャーナル(Biochem. J.), 253巻, 303頁 (1988)〕を参
考にして以下に示す4種類のプライマーを合成した。 センス・プライマーNo.1: 5'-TTTTCAGGGGGCAGTAAGAT-3' センス・プライマーNo.2: 5'-pCCGGATCCGGCTTTTTAGGATTGGTCTA-3' アンチセンス・プライマーNo.3: 5'-GGGGGCTGGTAGACTGAAGA-3' アンチセンス・プライマーNo.4: 5'-pCCGGATCCATTCCTCCCATGCATGCGCC-3' ヒト腎臓由来 cDNAライブラリーλgt11溶液〔クローン
テク・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド(CLONTECH
Laboratories, Inc.)〕3μlと蒸留水 50μlとを混合
し、95℃で5分間保温した後、氷中で急冷した。 2種
類のプライマー(上記No.1とNo.3;各50pmol)を加
え、シータス/パーキンエルマー(Cetus/Perkin-Elmer)
より供給されたキットの指示書に従い、94℃、1分間、
55℃、2分間、72℃、3分間の反応を50回繰り返す反応
を行った。さらに、その反応液に別の2種類のプライマ
ー(上記No.2とNo.4;各50pmol)を加え、同様に反応を
行った。PCR産物を1.2%アガロースゲル電気泳動で分離
したところ、ヒト腎臓由来カテプシンL塩基配列から予
想される大きさ(1132bp)に相当する位置に、増幅された
DNA断片を確認した。このDNA断片をゲルから回収
し、プラスミドベクターpBluescriptR II SK+〔ストラ
タジーン(STRATAGENE)社製〕にサブクローニングし
た。cDNA部分の塩基配列をジデオキシヌクレオチド合成
鎖停止法〔ジェイ・メシング(J. Messing)ら、ヌクレ
イック・アシッド・リサーチ(Nucleic Acid Res.),
9, 309, (1981)〕により決定し、既報の配列と同一の
ものであることを確認した。このcDNA断片を含むプラス
ミドを、pHCL-5と命名した。
【0084】参考例2 (ヒトカテプシンLの大腸菌MM
294(DE3)における発現) 参考例1のcDNAを制限酵素EcoRIで切断し、798bpの断片
(ヒトカテプシンLのpro体の一部分と成熟体のすべて
をコードする)を回収した。この断片の両側にBamHIの
リンカー(5'-pCCCGGATCCGGG-3')を結合させ、大腸菌
発 現用プラスミドベクター pET-3c〔メソッズ・イン・
エンザイモロジー(Methods in Enzymology,ed. D. V. G
oeddel), 185巻、68頁、アカデミック・プレス(Academi
c Press),1990〕に挿入した。構築したプラスミドをpET
-HCLαと命名した。大腸菌MM294(DE3)をpET-HCLαで形
質転換し、T7プロモターの支配下でヒトカテプシンLの
発現を行った〔メソッズ・イン・エンザイモロジー(Me
thods in Enzymology), 185巻, 60頁 (1990)〕。形質
転換した大腸菌〔プラスミドpTBN-HCLneoを保持するエ
シェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM109/pTBN-HCL
neoは、平成4年6月12日から財団法人発酵研究所
(IFO)に受託番号IFO 15341として、平成4年6
月22日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所(NIBH)に受託番号FERM BP3897と
して寄託されている。〕を培養し、得られた菌体を超音
波破砕したものをSDS-PAGEに供しところ、30kDal付近に
ヒトカテプシンLに相当する特異的なバンドが検出され
た。また、発現した産物はインクルージョンボディを形
成したので、形質転換体の超音波破砕物の沈澱画分から
ヒトカテプシンLを粗精製した。
【0085】参考例3 (組換え体ヒトカテプシンLに
対する抗血清の作製) 参考例2で記載した粗精製の組換え体ヒトカテプシンL
を等量の完全フロイントアジュバントと混合し、約1ml
をウサギに接種した。その後、粗精製ヒトカテプシンL
標品と等量の不完全フロイントアジュバントとを混合し
たものを10日おきに3回注射し、最後の注射後の7日目
に採血した。得られた血液を37℃で30分間、続いて4℃
で一晩静置した後、遠心分離法によってヒトカテプシン
L抗血清を調製した。 参考例4 (ヒトカテプシンL遺伝子を動物細胞で発現
させるための組換えDNA の作製) 参考例1に記載のプラスミドpHCL-5を制限酵素BamHIで
消化した後、ヒトカテプシンLcDNAの断片をアガロース
ゲル電気泳動法により回収した。次に、動物細胞におけ
る一過性発現用のベクターpTB551〔オノ(Ono)ら、サ
イエンス(Science), 236巻, 1116頁 (1989)に記載の
プラスミドpTB389のEcoRI部位をBglII部位に変換したも
の〕の制限酵素BglII部位に、T4 DNAリガーゼとATPとの
作用によって上述のcDNA断片を挿入し、発現プラスミド
pTB-HCLを作製した。pTB-HCLの制限酵素HindIII部位とC
laI部位 の間にMuLV-LTRを挿入し、発現プラスミドpTBN
-HCLを作製した。
【0086】参考例5 (ヒトカテプシンL遺伝子を動
物細胞で発現させるための組換えDNA の作製) ヒトカテプシンLの動物細胞における安定発現株を得る
ために、参考例4に記載した組換えベクター pTBN-HCL
に薬剤耐性マーカーneoの遺伝子を以下のように組み込
んだ。まず、プラスミドpTBN-HCLの制限酵素ClaI部位と
SalI部位の間に、SV40初期プロモーターとneoの遺伝子
から成る断片を挿入し、プラスミドpTBN-HCLneoを作製
した。 参考例6 (ヒトカテプシンL遺伝子の動物細胞におけ
る発現) 参考例5記載のプラスミド(pTBN-HCLneo)を用いて、マ
ウスミエローマSp2/0細胞の形質転換を以下のように行
った。5% ウシ胎児血清(FCS)を添加したASF104 (5
% FCS/ASF)培地で培養したSp2/0細胞をリン酸緩衝生理
食塩液(PBS)(-)〔ドウルベコ(Dullbecco)のPBSから
CaCl2とMgCl2を除いたもの〕で1×107 cells/mlになる
ように調整した。この細胞懸濁液500μlをキュベットに
注入し、10μgの該プラスミドDNAを加えて5分間氷上に
静置した。この液にジーンパルサー(バイオラッド社
製)を用いて125μF、300Vの条件下でパルスを加えた
後、氷上に戻して10分間静置した。この液を10mlの5%
FCS/ASF104培地に移植し、5%二酸化炭素の存在下、37
℃で培養した。48時間後、選択培地(200 μg/ml G418を
含む5% FCS/ASF104培地)に移植し、24穴プレートで2
週間培養した。複数のコロニーの形成を確認し、それぞ
れを200μg/ml G418を含むASF104培地に植え継いで培養
した後、培養上清を参考例3で作製したヒトカテプシン
L抗血清を用いるウェスタンブロット分析に供したとこ
ろ、該抗血清と反応する分子量約40,000〜約30,000およ
びそれらよりも小さい分子量の特異的なバンドが検出さ
れ、その分子量からヒトカテプシンLのプロ体とそのプ
ロセスされた産物と推測された。培養上清におけるカテ
プシンLの活性をエー・ジェー・バレット(A. J. Barr
ett)とエイチ・キルシュケ(H. Kirschke)の方法〔メ
ソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymol
ogy), 80巻,535頁(1981)〕に従って測定したところ、
ヒトカテプシンLの活性が検出された。これらの結果か
ら、カテプシンLを発現する形質転換マウスミエローマ
細胞が得られたことを確認し、マウスミエローマSp-HCL
26と命名した。
【0087】参考例7 (ヒトカテプシンLの精製) 参考例6で得られたカテプシンL高発現株(プラスミド
pTBN-HCLne oで形質転換体されたマウスミエローマSp-HC
L26は、平成4年6月16日から財団法人発酵研究所
(IFO)に受託番号IFO 50371として、 平成4年6
月24日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所(NIBH)に受託番号FERM BP3902と
して寄託されている。)を10% FCSと200μg/ml G418と
を添加したASF104培地20 ml中で培養した後、無血清の
選択培地(200μg/ml G418を添加したASF104培地)50ml
に移植して5日間培養した。培養上清をCM-Sephadex C-
50カラム(25×4.4cm)に負荷した後、緩衝液A(20mM 酢
酸ナトリウム、1mM EDTA, pH5.5)でカラムを洗浄した。
続いて、0Mから1Mまでの塩化ナトリウム(NaCl)の濃度勾
配で溶出したところ、ヒトカテプシンLは約0.4MのNaCl
濃度付近で溶出された。この画分をFPLCシステム(ファ
ルマシア社製)のモノ・エス(Mono S)(HR5/5)に負荷
し、カラムの洗浄とヒトカテプシンLの溶出を上記と同
様に行った。約0.36MのNaCl 濃度付近で溶出されたヒト
カテプシンL画分を濃縮して精製標品を調製した。
【0088】参考例8 (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-エポキシス
クシネート テトラヘドロン(Tetrahedron), 36巻, 87頁(1980)
記載の (2S,3S)-トランス-エポキシコハク酸ジエチルエ
ステル(15.1 g) をエタノール (500 ml) に溶解後、氷
冷下、1N 水酸化ナトリウム水 (80.3 ml) を加え、2時
間撹拌した。反応液に水 (100 ml) を加え、濃縮後、pH
2.5 に調整し、塩化ナトリウムを加え、飽和とした
後、酢酸エチル (150 ml x 6) で抽出した。酢酸エチル
層は、飽和食塩水 (100 ml x 4) で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、濃縮し、標記化合物 (11.6 g) を無色
油状物として得た (収率 90 %)。1 H NMR δppm (CDCl3) 1.33 (3H,t,J=7.2 Hz), 3.71 (1H,d,J=1.7Hz), 3.72 (1
H,d,J=1.6Hz), 4.27 (1H,dd,J=7.1,10.8Hz), 4.31 (1H,
dd.J=7.2,10.8Hz)
【0089】参考例9 (2R,3R)-メチル・ハイドロゲン・トランス-エポキシス
クシネート 特開昭62−277373号公報記載の (2R,3R)-トラ
ンス-エポキシコハク酸(10.0 g) をエタノール (100 m
l) に溶解し、濃硫酸 (2.45 ml) を加え、7時間加熱還
流した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水で中和後、
濃縮し、酢酸エチル−水で分配した。酢酸エチル層は2
%炭酸水素ナトリウム水、水、飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮し、(2R,3R)-トランスエ
ポキシコハク酸ジエチルエステル (10.4 g) を無色油状
物として得た (収率 73 %)。これをメタノール (500 m
l) に溶解後、氷冷下、1N 水酸化ナトリウム水 (53.2 m
l)を加え、2時間撹拌した。反応液を濃縮、エーテル
(50 ml x 2) で洗浄後、pH2.0 に調整し、塩化ナトリウ
ムを加え飽和とした後、酢酸エチル (200 ml x5)で抽出
した。酢酸エチル層は、水、飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮し、標記化合物 (6.27 g)
を無色油状物として得た (収率 74 %)。1H NMR δppm
(CDCl3) 3.73 (1H,d,J=1.6Hz), 3.74(1H,d,J=1.6Hz), 3.84 (3H,
s), 8.74(1H,br s) 参考例10 N-アセチル-N'-Z-1,4-ジアミノブタン ホッペ−ゼイラーズ・ツァイトシュリフト・フィジオロ
ギッシェ・ケミー(Hoppe-Seylers' Z. Physiol. Che
m.), 349巻, 251頁(1968) 記載の N-Z-1,4-ジアミノブ
タン (1.10 g) をピリジン (5 ml) に溶解し、氷冷下無
水酢酸 (10 ml)とジクロロメタン (5 ml) を加えた後、
室温で 24 時間撹拌した。反応液を減圧下、濃縮乾固
し、酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。さらに、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー (100 ml) に付し、酢酸エチル中メタノ
ールを順次添加した溶離液で溶出し、0-20%(V/V)メタノ
ール溶出画分より、標記化合物 (0.95 g) を得た (収率
73 %)。1 H NMR δppm (CDCl3) 1.44-1.60 (4H,m), 1.96 (3H,s), 3.20-3.35 (4H,m),
4.95 (1H,br), 5.09 (2H,s), 5.77 (1H,br), 7.28-7.40
(5H,m)
【0090】参考例11 主培養液の調製 ポテト・デキストロ−ス斜面寒天培地に培養したアスペ
ルギルス属 FL−47958株を200ml容三角フ
ラスコ内のグルコース2%,可溶性澱粉3%,生大豆粉
1%,コーン・スティープ・リカー0.3%,ペプトン
0.5%,食塩0.3%,炭酸カルシュウム0.5%を含
む40mlの種培地(pH7.0)に接種し、28℃、48
時間回転振盪機上で培養した。この培養液1mlを200
ml容三角フラスコ内のデキストリン5%,コ−ンステ
ィ−プリカ−3%,ポリペプトン0.5%,塩化カルシ
ュウム1%,炭酸カルシュウム0.5%(pH7.0)
を含む40mlの主培地に移植し、24℃、5日間回転
振盪機上で培養し、主培養液を得た。 参考例12 TAN−1868 モノナトリウム塩 参考例11で得られた培養液(3.3L)を濾過助剤(ハイフ
ロス−パ−セル,ジョンズ・マンビル・プロダクト社
製,米国)を用いて濾過した。濾液のpHを7.0に調整
後、ダイヤイオンHP−20(200ml)のカラムクロマト
グラフィ−に付し、水(600ml)で洗浄後、50%(v/v)メ
タノ−ル水(1000ml)で溶出した。溶出液を減圧下600
mlまで濃縮し、アンバ−ライトIRA−68(Cl
型,160ml)を充填したカラムを通過させ、水(500ml)で
洗浄後、1M食塩水(800ml)で溶出した。溶出液をダイ
ヤイオンHP−20(50 - 100 )メッシュ,150ml)のカ
ラムクロマトグラフィ−に付し、水(300ml)で洗浄後、
水(300ml),20%(v/v)メタノ−ル水(300ml)で順次溶
出した。溶出液を濃縮し、QAE−セファデックス A
−25(Cl型,100ml)を充填したカラムを通過させ、
水(300ml)で洗浄後、0.05M食塩水で溶出分画し
た。活性画分(400ml~600ml)をpH7.1に調整後、ダ
イヤイオンHP−20(50 - 100 メッシュ,50ml)を用
いて脱塩し、粗粉末(52mg)を得た。得られた粗粉末を分
取HPLC〔カラム;YMC-Pack, D-ODS-5 (S-5 120A),
移動相;9%(v/v)アセトニトリル/0.01Mリン酸
緩衝液(pH6.3),流速;10 ml/分〕に付し
た。分析用HPLCで単一ピ−クを与える画分を集めて
濃縮し、ダイヤイオンHP−20(50 - 100 メッシュ,
25ml)を用いて脱塩した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥し
てN-アセチル-N'-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシ
オキシラン-2-カルボニル]-L-ロイシル}-1.5-ジアミノ
ペンタンモノナトリウム塩(TAN−1868・モノナ
トリウム塩)(化合物95;27 mg)を得た。 1)外観:白色粉末 2)比旋光度:+17゜(c 0.53, 水,25゜C) 3)分子量:m/z 394(M + H)+,416 (M + Na)+(S
I−マススペクトル) 4)元素分析値:(%)(水分1.5モルとして計算) 実測値;C, 48.97; H, 7.73; N, 10.17; Na, 5.70 計算値;C, 48.57; H, 7.43; N, 9.99; Na, 5.47 5)分子式:C17H28N3O6Na 6)UVスペクトル:水中 末端吸収 7)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波
数,cm-1)。〔図15〕 3290, 2940, 1650, 1560, 1440, 1390, 1300, 1260, 11
00, 900 8)13C NMR スペクトル:75 Mz, 重水中,δppm (図
16) 176.9 (Q), 176.8 (Q), 176.6 (Q), 172.5 (Q), 57.3
(CH), 55.8 (CH),55.6 (CH), 42.8 (CH2), 42.2 (CH2),
42.1 (CH2), 30.9 (CH2),30.8 (CH2), 27.3 (CH), 26.
2 (CH2), 25.0 (CH3), 24.8 (CH3), 23.7(CH3) 9) 呈色反応:陽性;ペプタイド,リンモリブデン酸反
応 陰性;ニンヒドリン,坂口,エ−ルリッヒ反応 10) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack A-312, ODS 移動相;10%(V/V)アセトニトリル/0.01Mリン酸
緩衝液(pH6.3) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;9.2分 11) 薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254(メルク社製,ドイツ) 展開溶媒(容量比);n-ブタノ−ル:酢酸:水(2:
1:1) Rf値;0.64
【0091】実施例1 主培養液の調製 ポテト・デキストロース斜面寒天培地に培養したケトミ
ウム・グロボサム FL−41927株を2リットル容
坂口フラスコ内のグルコース2%、可溶性澱粉3%、生
大豆粉1%、コーン・スティープ・リカー0.3%、ペ
プトン0.5%、食塩0.3%、炭酸カルシウム0.5%
を含む500mlの種培地(pH7.0)に接種し、28
℃、48時間往復振盪機上で培養した。この培養液50
0mlを200リットル容ステンレス・スチール・タンク
内の可溶性澱粉5%,コーングルテンミール1.5%,
ビール酵母0.3%,硫酸マグネシウム1%,リン酸二
水素カリウム0.7%,リン酸水素二ナトリウム2%,
炭酸カルシウム0.7%(pH無修正)を含む120リ
ットルの主培地に移植し、28℃、通気120リットル
/分、撹拌180回転/分、内圧1kg/cm2の条件で5
日間培養し、主培養液を得た。 実施例2 TAN−1756A,TAN−1756B 実施例1で得られた培養液(220リットル)を濾過助
剤(ラジオライト 600、昭和化学工業社製)を用い
て濾過した。濾液(190リットル)のpHを7.0に調
整後、活性炭(4リットル)のカラムクロマトグラフィ
ーに付し、水(15リットル)で洗浄後、8%(v/v)イ
ソブタノール水(40リットル)で溶出した。溶出液を
pH7に調整後、アンバーライトIRA−402(OH
型,4リットル)を充填したカラムを通過させ、水(1
5リットル)で洗浄後、1M食塩水(40リットル)で
溶出した。溶出液のpHを7に調整後、ダイヤイオンH
P−20(10リットル)のカラムクロマトグラフィー
に付し、水(30リットル)で洗浄後、50%(v/v)メ
タノール水(40リットル)で溶出した。溶出液を減圧
下濃縮し、アンバーライトIRA−402(Cl型,5
00ml)を充填したカラムを通過させ、水(1リット
ル)で洗浄した。通過液と水洗液を合わせ濃縮後、凍結
乾燥して粗粉末(11.4g)を得た。得られた粗粉末
を水(20ml)に溶解後、微結晶セルロース(フナセ
ル,500ml)のカラムクロマトグラフィーに付し、
アセトニトリル(1リットル)、アセトニトリル:水
〔90:10 (1.5 リットル、フラクション3〜5), 85:15
(2.5 リットル、フラクション6〜10), 80:20 (3 リ
ットル、フラクション11〜16), 70:30 (1.5 リット
ル、フラクション17〜19)〕にて順次溶出し、50
0mlずつ分画した。フラクション No. 9から12,
13から16,17から19の3画分に分け、それぞれ
を濃縮後、凍結乾燥してTAN−1756A,Bを含む
粉末 I(3.13 g),粉末 II(2.74 g)および粉末 III
(1.98 g)を得た。粉末 II をさらに微結晶セルロース
(フナセル,200ml)のカラムクロマトグラフィー
に付し、アセトニトリル(400 ml),アセトニトリル:
水〔90:10 (600 ml), 85:15 (1800 ml), 80:20 (1000 m
l)〕で順次溶出し、アセトニトリル:水 〔〔85:15〕(8
00 ml 〜 1800 ml)〕で溶出される画分を濃縮後、凍結
乾燥してTAN−1756Aを含む粉末 IV(1.56 g)
を得た。またアセトニトリル:水〔80:20 (0 ml 〜 800
ml)〕で溶出される画分を濃縮し、析出した結晶を濾取
してN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオキシラン-
2-カルボニル]-L-チロシル}-1,4-ジアミノブタン〔TA
N−1756B(化合物2)〕の結晶(239 mg)を得
た。母液は濃縮後、凍結乾燥してTAN−1756Bを
含む粉末 V(659 mg)を得た。
【0092】粉末 I と粉末 III を合わせ、上記と同様
の微結晶セルロ−スを用いたカラムクロマトグラフィー
を2回行い、TAN−1756Aを含む粉末 VI(2.6
g)とTAN−1756Bを含む粉末 VII(361 mg)を
得た。TAN−1756Aを含む粉末 IV と粉末 VI を
分取HPLC(カラム;YMC-Pack, S-363-15, ODS, 移
動相;5%(v/v)アセトニトリル水,流速;20 ml/分)
に付し、分析用HPLCで単一ピークを与える画分を集
めて、濃縮後、凍結乾燥してN-{N-[(2S,3S)-3-トランス
-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニル}-1,4-ジアミノブタン〔TAN−1756A(化合
物1)〕の粉末(181 mg)を得た。TAN−1756B
を含む粉末 V と粉末 VII を分取HPLC(カラム;YM
C-Pack, S-363-15, ODS, 移動相;2%(v/v)アセトニト
リル水,流速;20 ml/分)に付し、分析用HPLCで
単一ピークを与える画分を集めて、濃縮し、析出した結
晶を濾取してTAN−1756B(化合物2)の結晶
(307 mg)を得た。 TAN−1756A 1)外観:白色粉末 2)比旋光度:+53゜(c 0.50, 0.1N 塩酸,25℃) 3)分子量:m/z 350 (M + H)+, (SI−マススペクト
ル) 4)元素分析値:(%)(水分1.5モルとして計算) 実測値;C, 54.46; H, 6.40; N, 10.87 計算値;C, 54.25; H, 6.96; N, 11.16 5)分子式:C17H23N3O5 6)UVスペクトル:水中 極大値;257 nm (ε 300,肩) 7)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波
数,cm-1)。(図1)3280, 3080, 2930, 1650, 1600,
1560, 1450, 1390, 1310, 1240, 890, 700 8)13C NMR スペクトル:75 Mz, 重水中,δppm (図
2) 176.5 (Q), 175.4 (Q), 172.4 (Q), 139.2 (Q), 132.1
× 2 (CH), 131.7× 2 (CH), 130.2 (CH), 58.2 (CH),
57.3 (CH), 55.7 (CH), 42.0 (CH2),41.4 (CH2), 39.9
(CH2), 28.2 (CH2), 27.0 (CH2) 9) 呈色反応:陽性;ニンヒドリン,ペプタイド,リン
モリブデン酸反応 陰性;坂口,エールリッヒ反応 10) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack A-312, ODS 移動相;5%(v/v)アセトニトリル/0.01Mリン酸緩
衝液(pH6.3) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;15.5分 11) 薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254(メルク社製,ドイツ) 展開溶媒(容量比);n-ブタノール:酢酸:水(2:1:
1) Rf値;0.49
【0093】TAN−1756B 1)外観:無色結晶 2)融点:116 〜 118℃ 3)比旋光度:+60゜(c 0.53, 0.1N 塩酸,25℃) 4)分子量:m/z 366 (M + H)+, (SI−マススペク
トル) 5)元素分析値:(%)(水分0.5モルとして計算) 実測値;C, 54.56; H, 6.37; N, 11.30 計算値;C, 54.54; H, 6.46; N, 11.22 6)分子式:C17H23N3O6 7)UVスペクトル:水中 極大値;221 nm (ε 10,400),273 nm(ε 1,300) 8)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波
数,cm-1)。(図3)3280, 3090, 2950, 1660, 1650,
1610, 1560, 1520, 1440, 1390, 1270,1240, 1170, 90
0, 700 9)13C NMR スペクトル:75 Mz, 重水中,δppm (図
4)176.5 (Q), 175.5 (Q), 172.4 (Q), 157.8 (Q), 13
3.5 × 2 (CH), 130.7 (Q), 118.6 × 2 (CH), 58.5 (C
H), 57.2 (CH), 55.7 (CH), 42.0 (CH2), 41.4 (CH2),
39.0 (CH2), 28.2 (CH2), 27.0 (CH2) 10) 呈色反応:陽性;ニンヒドリン,ペプタイド,リン
モリブデン酸反応 陰性;坂口,エールリッヒ反応 11) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack A-312, ODS 移動相;5%(v/v)アセトニトリル/0.01Mリン酸緩
衝液(pH6.3) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm, 254 nm 保持時間;5.2分 12) 薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254(メルク社製,ドイツ) 展開溶媒(容量比);n-ブタノール:酢酸:水(2:1:
1)Rf値;0.41
【0094】実施例3 主培養液の調製 ポテト・デキストロース斜面寒天培地に培養したトリポ
クラディウム・シリンドロスポラム FL−43974
株を2リットル容坂口フラスコ内のグルコース2%,可
溶性澱粉3%,生大豆粉1%,コーン・スティープ・リ
カー0.3%,ペプトン0.5%,食塩0.3%,炭酸カ
ルシウム0.5%を含む500mlの種培地(pH7.0)
に接種し、28℃、48時間往復振盪機上で培養した。
この培養液500mlを200リットル容ステンレス・ス
チール・タンク内のデキストリン5%,コーンスティー
プリカー3%,ポリペプトン0.5%,塩化カルシウム
1%,炭酸カルシウム0.5%(pH7.0)を含む1
20リットルの主培地に移植し、24℃、通気120リ
ットル/分、撹拌180回転/分、内圧1kg/cm2の条
件で5日間培養し、主培養液を得た。
【0095】実施例4 TAN−1854A・一塩酸
塩,TAN−1854B・一塩酸塩 実施例3で得られた培養液(225リットル)を濾過助
剤(ラジオライト 600)を用いて濾過した。濾液
(218リットル)のpHを7.0に調整後、活性炭(8
リットル)のカラムクロマトグラフィ−に付し、水(2
4リットル)で洗浄後、8%(v/v)イソブタノ−ル水
(80リットル)で溶出した。溶出液を減圧下濃縮し、
アンバーライトIRC−50(H型,14リットル)を
充填したカラムを通過させ、水(42リットル)で洗浄
後、1M食塩水(70リットル)で溶出した。溶出液の
pHを7.0に調整後、ダイヤイオンHP−20(30
リットル)のカラムクロマトグラフィーに付し、水(9
0リットル)で洗浄後、50%(v/v)メタノール/0.
01M塩酸(90リットル)で溶出した。溶出液のpH
を7.0に調整後、減圧下濃縮し、ダイヤイオンHP−
20(100 - 200 メッシュ,600ml)のカラムクロ
マトグラフィーに付し、水(900ml)で洗浄後、水
(900ml),50%(v/v)メタノール水(820m
l),50%(v/v)メタノール/0.005N塩酸(9
00ml)で順次溶出した。溶出液を濃縮し、CM−セ
ファデックス C−25(Na型,300ml)を充填
したカラムを通過させ、水(900ml)で洗浄後、
0.05M食塩水で溶出分画した。TAN−1854A
を主成分とする画分(2.4リットル〜3.0リット
ル)とTAN−1854AおよびBを含む画分(3.0
リットル〜3.9リットル)とに分け、それぞれをダイ
ヤイオンHP−20(100 - 200 メッシュ)を用いて脱
塩した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥してTAN−185
4Aを含む粉末(251 mg)とTAN−1854Aおよび
Bを含む粉末(259 mg)を得た。
【0096】TAN−1854AおよびBを含む粉末
(257 mg)を分取HPLC〔カラム;YMC-Pack, S-363-
15, ODS, 移動相;1%〜3%(v/v)アセトニトリル/
0.02Mリン酸緩衝液(pH3.0),流速;20 ml
/分〕に付し、分析用HPLCでTAN−1854Aの
単一ピークを与える画分(I)とTAN−1854Bの
単一ピークを与える画分(II)に分けた。画分(II)
を、アンバーライトIRA−402(Cl型,40m
l)を充填したカラムを通過させ、水(40ml)で洗
浄した。通過液と水洗液を合わせ濃縮後、ダイヤイオン
HP−20(100 - 200メッシュ,50ml)を用いて
脱塩した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥してN-{N-[(2S,3
S)-3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L
-チロシル}-N-(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン
・一塩酸塩〔TAN−1854B・一塩酸塩,化合物
4;99 mg〕を得た。TAN−1854Aを含む粉末(2
48 mg)を分取HPLC〔カラム;YMC-Pack,S-363-15,
ODS, 移動相;3%(v/v)アセトニトリル/0.02Mリ
ン酸緩衝液(pH3.0),流速;20 ml/分〕に付
し、分析用HPLCで単一ピークを与える画分を集め
た。これに上述の画分(I)を合わせ、アンバーライト
IRA−402(Cl型,100ml)を充填したカラ
ムを通過させ、水(100ml)で洗浄した。通過液と
水洗液を合わせ濃縮後、ダイヤイオンHP−20(100
-200 メッシュ,50ml)を用いて脱塩した。溶出液
を濃縮後、凍結乾燥してN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カ
ルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ル}-N-(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン・一塩
酸塩〔TAN−1854A・一塩酸塩,化合物3;143
mg〕を得た。
【0097】TAN−1854A・一塩酸塩 1)外観:白色粉末 2)比旋光度:+43゜(c 0.52, 0.1N 塩酸,24℃) 3)分子量:m/z 407 (M + H)+, (SI−マススペクト
ル) 4)元素分析値:(%)(水分1モルとして計算) 実測値;C, 51.97; H, 7.15; N, 12.12, Cl, 8.87 計算値;C, 52.11; H, 7.22; N, 12.15, Cl, 7.69 5)分子式:C20H30N4O5・HCl 6)UVスペクトル:水中 極大値;257 nm (ε 200,肩) 7)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波
数,cm-1)。(図5)3430, 3260, 3060, 1630, 1380,
900, 750, 700 8)13C NMR スペクトル:75 Mz, 重水中,δppm,TA
N−1854Aは重水中,2種のコンフォーマーの混合
物として存在するので、主コンフォーマーのシグナルを
示す。(図6) 176.5 (Q), 175.5 (Q), 171.8 (Q), 138.8 (Q), 132.4
× 2 (CH), 131.8× 2 (CH), 130.4 (CH), 57.2 (CH),
55.6 (CH), 54.1 (CH), 50.2 (CH2),46.1 (CH2), 42.0
(CH2), 40.5 (CH2), 39.8 (CH2), 27.8 × 2 (CH2), 2
6.9 (CH2) 9) 呈色反応:陽性;ニンヒドリン,ペプタイド,リン
モリブデン酸反応 陰性;坂口,エールリッヒ反応 10) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack A-312, ODS 移動相;5%(v/v)アセトニトリル/0.01Mリン酸緩
衝液(pH3.0) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;7.2分 11) 薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254(メルク社製,ドイツ) 展開溶媒(容量比);n-ブタノール:酢酸:水(2:1:
1) Rf値;0.20
【0098】TAN−1854B・一塩酸塩 1)外観:白色粉末 2)比旋光度:+40゜(c 0.52, 0.1N 塩酸,24℃) 3)分子量:m/z 423 (M + H)+, (SI−マススペクト
ル) 4)元素分析値:(%)(水分1.5モルとして計算) 実測値;C, 49.25; H, 6.92; N, 11.44, Cl, 8.97 計算値;C, 49.43; H, 7.05; N, 11.53, Cl, 7.30 5)分子式:C20H30N4O6・HCl 6)UVスペクトル:水中 極大値;221 nm (ε 10,300), 273 nm (ε 1,100) 7)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波
数,cm-1)。(図7)3430, 3260, 3070, 1620, 1520,
1380, 1240, 900, 840 8)13C NMR スペクトル:75 Mz, 重水中,δppm,TA
N−1854Bは重水中,2種のコンフォーマーの混合
物として存在するので、主コンフォーマーのシグナルを
示す。 (図8) 176.5 (Q), 175.7 (Q), 171.7 (Q), 157.9 (Q), 133.8
× 2 (CH), 130.5 (Q), 118.6 × 2 (CH), 57.2 (CH),
55.6 (CH), 54.3 (CH), 50.2 (CH2), 46.1 (CH2), 42.0
(CH2), 39.8 (CH2), 39.7 (CH2), 27.8 (CH2), 27.7
(CH2), 27.0 (CH2) 9) 呈色反応:陽性;ニンヒドリン,ペプタイド,リン
モリブデン酸反応 陰性;坂口,エールリッヒ反応 10) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack A-312, ODS 移動相;5%(v/v)アセトニトリル/0.01Mリン酸緩
衝液(pH3.0) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;2.9分 11) 薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254(メルク社製,ドイツ) 展開溶媒(容量比);n-ブタノール:酢酸:水(2:1:
1) Rf値;0.19
【0099】実施例5 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラン
ス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フ
ェニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン N-Z-1,4-ジアミノブタン (1.00 g), Boc-L-Phe-OH (1.3
1 g,ペプチド研究所製)をジクロロメタン (30 ml) に
溶解後、氷冷下で HOBT (669 mg), WSC (949mg) を加え
た後、室温で 14 時間撹拌した。反応液に酢酸エチル
(200 ml) を加え、10%クエン酸水、水、2%炭酸水素
ナトリウム水、水、飽和食塩水でそれぞれ洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー〔キーゼルゲル(Kieselgel 60, イ
ー・メルク(E. Merck)社製, 独,200 ml〕に付し、ク
ロロホルム中メタノールを順次添加した溶離液で溶出
し、3%(V/V)メタノール溶出画分より、N-(Boc-L-フェ
ニルアラニル)-N'-Z-1,4-ジアミノブタン (1.89 g) を
得た (収率 90 %)。これに、トリフルオロ酢酸(TFA,
19 ml) を加え、2時間放置後、濃縮し、Boc 基を脱保
護した。ジクロロメタン (50 ml) に溶解後、氷冷下、
参考例8の(2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス
-エポキシスクシネート (709 mg), トリエチルアミン
(1.25 ml), HOBT(599 mg), WSC (849 mg) を加え、室温
で 14 時間撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、10
%クエン酸水、水、飽和炭酸水素ナトリウム水、2%炭
酸水素ナトリウム水、水、飽和食塩水でそれぞれ洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー (200 ml) に付し、クロロ
ホルム中メタノールを順次添加した溶出液で溶出し、1
%から2%(v/v)メタノール溶出画分から 標記化合物
(化合物5;980 mg) を白色粉末として得た (収率 48
%)。 〔α〕D 26 + 22゜ (c 0.51, CHCl3) 元素分析値 C27H33N3O7・0.6H2O として 計算値 C; 62.08, H; 6.60, N; 8.04 実験値 C; 61.94, H; 6.44, N; 8.131 H NMR δppm (CDCl3) 1.30 (3H,t,J=7.1Hz), 1.41 (4H,m), 3.03 (2H,m), 3.1
2 (1H,d,J=1.9Hz), 3.17 (4H,m), 3.62 (1H,d,J=1.9H
z), 4.24 (2H,m), 4.55 (1H,m), 4.85 (1H, br s), 5.1
0 (2H,s), 6.00 (1H,br s), 6.73 (1H,br d,J=8.0Hz),
7.15 - 7.38 (10H,m)
【0100】実施例6 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラン
ス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルア
ラニル}-1,4-ジアミノブタン 化合物 5 (900 mg) をメタノール (100 ml) に溶解
後、氷冷下 1N 水酸化ナトリウム水 (1.94 ml, 1.1 等
量) を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を濃縮後、
水を加え、pH 2.0 に調整後、酢酸エチル (200 ml× 3)
で抽出し、酢酸エチル層は、水及び飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、標記化合
物 (化合物6;790 mg) を白色粉末として得た (収率 9
3%)。 元素分析値 C25H29N3O7・0.4H2O として 計算値 C; 61.19, H; 6.12, N; 8.56 実験値 C; 61.24, H; 6.00, N; 8.751 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.34 (4H,m), 2.79 (1H,dd,J=9.5,13.6Hz), 2.93 - 3.1
2 (5H,m), 3.28 (1H,d,J=1.8Hz), 3.58 (1H,d,J=1.8H
z), 4.50 (1H,dt,J=5.2,8.9Hz), 5.00 (2H,s), 7.15 -
7.40 (11H,m), 8.08 (1H,t,J=5.5Hz), 8.59 (1H,d,J=8.
6Hz)
【0101】実施例7 TAN−1756A 化合物 6 (730 mg) をメタノール (50 ml) に溶解後、
水 (20 ml), パラジウム活性炭素 (10%(w/w), エンゲ
ルハルト社製, 80 mg) を加え、室温水素雰囲気下2時
間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を濃縮後、凍結乾燥
し、TAN-1756 A (化合物1;460 mg)を白色粉末として
得た (収率 87%)。この化合物の物理化学的データは、
培養液から得られた化合物の物理化学的データと一致し
た。 実施例8 N-Z-N'-{O-ベンジル-N-[(2S,3S)-3-トランス
-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-チロ
シル}-1,4-ジアミノブタン 実施例 5と同様に N-Z-1,4-ジアミノブタン (1.10 g)
とBoc-L-Tyr(Bzl)-OH (2.02 g,ペプチド研究所製)と
を縮合し N-(O-ベンジル-Boc-L-チロシル)-N'-Z-1,4-ジ
アミノブタン (3.01 g) を白色粉末として得た (収率
定量的)。Boc 基をTFA で脱保護後、参考例8の(2S,3
S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-エポキシスクシ
ネート (628 mg) と縮合し、標記化合物 (化合物7;1.
46 g) を白色粉末として得た (収率 66%)。 〔α〕D 26 + 25゜ (c 0.57, CHCl3) 元素分析値 C34H39N3O8・0.2CHCl3 として 計算値 C; 64.02, H; 6.16, N; 6.55 実験値 C; 63.99, N; 6.05, N; 6.40 1H NMR δppm (CDCl3) 1.29(3H,t,J=7.1Hz), 1.41 (4H,m), 2.97 (2H,m), 3.16
(4H,m), 3.20 (1H,d,J=1.9Hz), 3.64 (1H,d,J=1.9Hz),
4.24 (2H,m), 4.50 (1H,m), 4.88 (1H,br s), 5.03 (2
H,s), 5.09 (2H,s), 5.98 (1H,br s), 6.73 (1H,br d,J
=8.1Hz), 6.91(2H,d,J=8.7Hz), 7.08 (2H,d,J=8.7Hz),
7.27 - 7.44 (10H,m)
【0102】実施例9 N-Z-N'-{O-ベンジル-N-[(2S,3
S)-3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L
-チロシル}-1,4-ジアミノブタン 実施例 6と同様に、化合物 7 (1.35 g) をアルカリ加
水分解し、標記化合物(化合物8;1.22 g) を白色粉末
として得た (収率 95%)。 元素分析値 C32H35N3O8・0.25H2O として 計算値 C; 64.69, H; 6.02, N; 7.07 実験値 C; 64.57, H; 5.85, N; 6.931 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.35 (4H,m), 2.73 (1H,dd,J=9.5,13.5Hz), 2.91 (1H,d
d,J=5.4,13.7Hz), 2.98 (4H,m), 3.29 (1H,d,J=1.8Hz),
3.58 (1H,d,J=1.8Hz), 4.44 (1H,dt,J=5.6,8.8Hz), 5.
00 (2H,s), 5.05 (2H,s), 6.91 (2H,d,J=8.6Hz), 7.14
(2H,d,J=8.6Hz), 7.24 (1H,t,J=5.6Hz), 7.26 - 7.46
(10H,m), 8.08 (1H,t,J=5.5Hz), 8.56 (1H,d,J=8.6Hz) 実施例10 TAN−1756B 実施例 7と同様に化合物 8 (1.10 g) を接触還元によ
りZ基を脱保護した後、分取高速液体クロマトグラフィ
ー (カラム; YMC-Pack S-363-15 I-15 ODS, 移動相; 2.
5%(v/v)アセトニトリル水, 流速; 20 ml/min, 検出 21
4 nm) で精製し、主ピークを集め濃縮、凍結乾燥し TAN
-1756 B (化合物2;306 mg) を白色粉末として得た。
(収率 45%)この化合物の物理化学的データは、培養液
から得られた化合物の物理化学的データと一致した。
【0103】実施例11 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-D-
フェニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン 実施例 5と同様に N-Z-1,4-ジアミノブタン (1.00 g)
とBoc-D-Phe-OH (1.31g) とを縮合し N-(Boc-D-フェニ
ルアラニル)-N'-Z-1,4-ジアミノブタン (1.76 g) を白
色粉末として得た (83.4 %)。Boc 基を TFA で脱保護
後、参考例8の(2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トラン
ス-エポキシスクシネート (622 mg) と縮合し、標記化
合物 (化合物9;990 mg) を白色粉末として得た (収率
57%)。 〔α〕D 26 + 19゜ (c 0.56, CHCl3) 元素分析値 C27H33N3O7・0.2CHCl3 として 計算値 C; 61.01, H; 6.25, N; 7.85 実験値 C; 60.98, H; 6.26, N; 8.171 H NMR δppm (CDCl3) 1.30 (3H,t,J=7.2Hz), 1.34 (4H,m), 2.94 - 3.21 (6H,
m), 3.51 (1H,d,J=1.8Hz), 3.65 (1H,d,J=1.9Hz), 4.25
(2H,m), 4.51 (1H, m), 4.81 (1H,br s), 5.10 (2H,
s), 5.74 (1H,br s), 6.77 (1H,br d,J=8.4Hz), 7.18 -
7.37 (10H,m) 実施例12 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキ
シオキシラン-2-カルボニル]-D-フェニルアラニル}-1,4
-ジアミノブタン 実施例 6と同様に化合物 9 (900 mg) をアルカリ加水
分解し、標記化合物 (化合物10;810 mg) を白色粉末
として得た (収率 95 %)。 元素分析値 C25H29N3O7・0.25H2O として 計算値 C; 61.53, H; 6.09, N; 8.61 実験値 C; 61.67, H; 5.97, N; 8.751 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.34 (4H,m), 2.78 (1H,dd,J=9.3,13.6Hz), 2.93 - 3.1
0 (5H,m), 3.31 (1H,d,J=1.8Hz), 3.60 (1H,d,J=1.8H
z), 4.48 (1H,dt,J=5.4,8.8Hz), 5.00 (2H,s), 7.15 -
7.40 (11H,m), 8.07 (1H,t,J=5.6Hz), 8.68 (1H,d,J=8.
5Hz)
【0104】実施例13 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-D-フェニルアラ
ニル}-1,4-ジアミノブタン 実施例 7と同様に化合物 10 (750 mg) を接触還元に
よりZ基を脱保護した後、凍結乾燥し、標記化合物 (化
合物11;510 mg) を白色粉末として得た (収率 94
%)。 〔α〕D 26 + 33゜ (c 0.56, 0.1 N HCl) 元素分析値 C17H23N3O5・1.5H2O として 計算値 C; 54.25, H; 6.96, N; 11.16 実験値 C; 54.44, H; 6.93, N; 11.251 H NMR δppm (D2O) 1.45 (4H,m), 2.87 - 3.16 (6H,m), 3.34 (1H,d,J=2.1H
z), 3.52(1H,d,J=2.0Hz), 4.49 (1H,t,J=7.9Hz), 7.24
- 7.42 (5H,m) 実施例14 N-Z-N'-{N-[(2R,3R)-3-トランス-メトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニル}-1,4-ジアミノブタン 実施例 5と同様に N-(Boc-L-フェニルアラニル)-N'-Z-
1,4-ジアミノブタン (1.65g) の Boc 基を TFA で脱保
護後、参考例9の(2R,3R)-メチル・ハイドロゲン・ト
ランス-エポキシスクシネート (604 mg) と縮合し、標
記化合物 (化合物12;1.12 g) を白色粉末として得た
(収率 64%)。 〔α〕D 26 - 19゜ (c 0.53, CHCl3) 元素分析値 C26H31N3O7・0.5H2O として 計算値 C; 61.65, H; 6.37, N; 8.30 実験値 C; 61.78, H; 6.03, N; 8.591 H NMR δppm (CDCl3) 1.34 (4H,m), 2.94 - 3.20 (6H,m), 3.54 (1H,d,J=1.8H
z), 3.66 (1H,d,J=1.9Hz), 3.79 (3H,s), 4.54 (1H,m),
4.87 (1H,br t,J=5.5Hz), 5.09 (2H,s), 5.90(1H,br
s), 6.88 (1H,br d,J=8.0Hz), 7.17 - 7.37 (10H,m)
【0105】実施例15 N-Z-N'-{N-[(2R,3R)-3-トラ
ンス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニル
アラニル}-1,4-ジアミノブタン 化合物 12 (1.00 g) を実施例 6と同様に、メチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、標記化合物 (化合物1
3;970 mg) を白色粉末として得た (収率 定量的)。 元素分析値 C25H29N3O7・0.7CHCl3 として 計算値 C; 54.43, H; 5.28, N; 7.41 実験値 C; 54.58, H; 5.62, N; 7.061 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.34 (4H,m), 2.82 (1H,dd,J=9.5,13.5Hz), 2.91 - 3.0
4 (5H,m), 3.05 (1H,m), 3.30 (1H,m), 4.43 (1H,m),
5.00 (2H,s), 7.14 - 7.40 (11H,m), 8.05 (1H,t,J=5.1
Hz), 8.29 (1H,d,J=8.4Hz)
【0106】実施例16 N-{N-[(2R,3R)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニル}-1,4-ジアミノブタン 化合物 13 (860 mg) を実施例 7と同様に、接触還元
によりZ基を脱保護した後、凍結乾燥し、標記化合物
(化合物14;450 mg) を白色粉末として得た(収率
72 %)。 〔α〕D 25 - 35゜ (c 0.51, 0.1 N HCl) 元素分析値 C17H23N3O5・1.5H2O として 計算値 C; 54.25, H; 6.96, N; 11.16 実験値 C; 54.52, H; 7.05, N; 11.161 H NMR δppm (D2O) 1.47 (4H,m), 2.90 - 3.16 (6H,m), 3.35 (1H,d,J=2.1H
z), 3.53(1H,d,J=1.9Hz), 4.50 (1H,t,J=7.9Hz), 7.25
- 7.43 (5H,m) 実施例17 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トランス―エトキ
シカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-トリプトフ
ァニル}-1,4-ジアミノブタン 実施例 5と同様に N-Z-1,4-ジアミノブタン (1.20 g)
とFmoc-L-Trp-OH (2.54g,ペプチド研究所製)とを縮合
し N-(Fmoc-L-トリプトファニル)-N'-Z-1,4-ジアミノブ
タン (3.75 g) を白色粉末として得た (収率 定量的)。
この一部 (3.50g) を N,N-ジメチルホルムアミド(DMF,
63 ml) に溶解後、ピペラジン (7.0 ml) を加え、室温
で 1時間撹拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチル (300
ml) を加え、0.023 N 塩酸水(300 ml)で2回抽出し
た。水層を pH 6.0 に調整後、ヘキサン (100 ml) で6
回洗浄後、pH 8.0 に調製し、酢酸エチル (200 ml) で
3回抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、
N-(L-トリプトファニル)-N'-Z-1,4-ジアミノブタン (2.
11 g) を無色油状物として得た (収率 93%)。この一部
(2.00 g) をDMF (67 ml) に溶解後、氷冷下、参考例8
の(2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-エポキ
シスクシネート (862 mg), HOBT (728 mg), WSC (1.33
g) を加え、室温で 14 時間撹拌した。反応液を濃縮
後、酢酸エチルを加え、10%クエン酸水、水、飽和炭酸
水素ナトリウム水、2%炭酸水素ナトリウム水、水、飽
和食塩水でそれぞれ洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(200 ml) に付し、クロロホルム中メタノールを順次添
加した溶出液で溶出し、2%(v/v)メタノール溶出画分
から、標記化合物(化合物15;1.83g) を白色粉末とし
て得た (収率 68%)。 〔α〕D 25 + 44゜ (c 0.56, DMSO) 元素分析値 C29H34N4O7・0.25H2O として 計算値 C; 62.75, H; 6.32, N; 10.18 実験値 C; 62.67, H; 6.22, N; 10.351 H NMR δppm (CDCl3) 1.20 (4H,m), 1.31 (3H,t,J=7.1Hz), 2.91 (1H,m), 3.0
7 (3H,m), 3.26 (2H,m), 3.31 (1H,d,J=1.5Hz), 3.65
(1H,d,J=1.9Hz), 4.25 (2H,m), 4.65 (1H,m), 4.84 (1
H,br s), 5.15 (2H,s), 5.54 (1H,br s), 6.92 (1H,d,J
=7.2Hz), 6.97 (1H,d,J=2.3Hz), 7.17 (2H,m), 7.30 -
7.41 (6H,m), 7.70 (1H,d,J=7.5Hz), 8.60(1H,br s)
【0107】実施例18 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-トリプト
ファニル}-1,4-ジアミノブタン 化合物 15 (1.73 g) を実施例 6と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、標記化合物 (化合物1
6;1.77g) を白色粉末として得た (収率 定量的)。 元素分析値 C27H30N4O7・0.8H2O として 計算値 C; 60.39, H; 5.93, N; 10.43 実験値 C; 60.47, H; 6.03, N; 10.031 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.34 (4H,m), 3.00 (5H,m), 3.11 (1H,dd,J=5.5,14.6H
z), 3.32 (1H,d,J=1.8Hz), 3.62 (1H,d,J=1.8Hz), 4.52
(1H,dt,J=5.5,8.5Hz), 5.00 (2H,s), 6.97 (1H,ddd,J=
0.9,6.9,7.9Hz), 7.06 (1H,ddd,J=1.1,6.9,8.2Hz), 7.1
2 (1H,d,J=2.1Hz),7.22 (1H,t,J=5.7Hz), 7.26 - 7.40
(6H,m), 7.60 (1H,d,J=7.7Hz), 8.10 (1H,t,J=5.5Hz),
8.56 (1H,d,J=8.4Hz), 10.82 (1H,d,J=2.0Hz)
【0108】実施例19 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-トリプトファ
ニル}-1,4-ジアミノブタン 実施例 7と同様に化合物 16 (1.67 g) を接触還元に
よりZ基を脱保護した後、凍結乾燥し、標記化合物 (化
合物17;1.06 g) を白色粉末として得た (収率 85
%)。 〔α〕D 25 + 56゜ (c 0.64, 0.1 N HCl) 元素分析値 C19H24N4O5・1.3H2O として 計算値 C; 55.41, H; 6.51, N; 13.60 実験値 C; 55.28, H; 6.61, N; 13.721 H NMR δppm (D2O) 1.29 (4H,m), 2.81 (2H,t,J=7.2Hz), 3.01 (2H,m), 3.2
3 (2H,m), 3.24 (1H,d,J=1.7Hz), 3.51 (1H,d,J=1.8H
z), 4.54 (1H,t,J=7.5Hz), 7.16 (1H,t,J=7.4Hz),7.24
(1H,t,J=7.6Hz), 7.24 (1H,s), 7.49 (1H,d,J=8.0Hz),
7.62(1H,d,J=7.8Hz)
【0109】実施例20 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボニルオ
キシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル}-エチレ
ンジアミン 参考例8の(2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス
-エポキシスクシネート (5.00 g) をジクロロメタン (3
00 ml) に溶解し、氷冷した。H-Phe-OBzl・Tos(12.0 g,
ペプチド研究所製), HOBT (4.22 g), WSC (5.99 g),
トリエチルアミン (3.74 ml) を加え、室温で 14 時間
撹拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルに溶解し、10%
クエン酸水、水、飽和炭酸水素ナトリウム水、2%炭酸
水素ナトリウム水、水、飽和食塩水でそれぞれ洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン中酢酸エチル
を順次添加した溶出液で溶出し、30%(v/v)酢酸エチル
溶出画分から N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボ
ニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニンベ
ンジルエステル (8.56 g) を白色粉末として得た(収率
77 %)。 〔α〕D 26 + 55゜ (c 0.51, CHCl3) 元素分析値 C22H23NO6 として 計算値 C; 66.49, H; 5.83, N; 3.52 実験値 C; 66.38, H; 5.82, N; 3.331 H NMR δppm (CDCl3) 1.29 (3H,t,J=7.1Hz), 3.03 (1H,dd,J=6.6,13.9Hz), 3.
16 (1H,d,J=1.9Hz), 3.20 (1H,dd,J=5.9,13.9Hz), 3.62
(1H,d,J=1.9Hz), 4.23 (2H,m,),4.87 (1H,ddd,J=6.2,
6.3,8.0Hz), 5.18 (2H,dd,J=12.1,20.1Hz), 6.54 (1H,
d,J=8.0Hz), 6.97(2H,m), 7.21 - 7.41 (8H,m)
【0110】この一部 (1.50 g) をメタノール (50 ml)
に溶解し、パラジウム活性炭素〔10%(w/w),150 mg〕
を加え、室温水素雰囲気下 1.5 時間撹拌した。触媒を
濾去後、濾液を濃縮し、N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキ
シカルボニルオキシラン-2-カルボニル〕-L-フェニルア
ラニン (1.11 g) を白色粉末として得た (収率 96%)。
さらにこの一部 (870 mg) を DMF (30 ml) に溶解後、
氷冷下ホッペ−ゼイラーズ・ツァイトシュリフト・フィ
ジオロギッシェ・ケミー(Hoppe-Seylers´ Z.Physiol.
Chem.),39巻,251頁(1968),N-Z-エチレンジアミ
ン (549 mg), HOBT (382 mg), WSC (543 mg) を加え、
室温で 16 時間撹拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチル
(200 ml) を加えた後、10%クエン酸水、水、飽和炭酸
水素ナトリウム水、2%炭酸水素ナトリウム水、水、飽
和食塩水でそれぞれ洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、クロロホルム中メタノールを順次添加した溶出液
で溶出し、2%から3%(v/v)メタノール溶出画分よ
り、標記化合物 (化合物18;980 mg) を白色粉末とし
て得た (収率 72%)。 〔α〕D 26 + 24゜ (c 0.55, CHCl3) 元素分析値 C25H29N3O7・0.25H2O として 計算値 C; 61.53, H; 6.09, N; 8.61 実験値 C; 61.76, H, 5.99, N; 8.711 H NMR δppm (CDCl3) 1.30 (3H,t,J=7.2Hz), 2.97 (1H,dd,J=7.5,13.7Hz), 3.
08 (1H,dd,J=7.3,13.7Hz), 3.13 (1H,d,J=1.8Hz), 3.15
- 3.40 (4H,m), 3.63 (1H,d,J=1.8Hz), 4.23(2H,m),
4.57 (1H,dt,J=7.9,7.5Hz), 5.08(2H,s), 6.48 (1H,br
s), 6.69 (1H,br d,J=8.1Hz), 7.15 (2H,m), 7.22 - 7.
39 (8H,m)
【0111】実施例21 N-Z-N'-{[(2S,3S)-3-トラン
ス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルア
ラニル}エチレンジアミン 化合物 18 (900 mg) を実施例 6と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、標記化合物 (化合物1
9;860 mg) を白色粉末として得た (収率 96%)。 元素分析値 C23H25N3O7 として 計算値 C; 60.65, H; 5.53, N; 9.23 実験値 C; 60.70, H; 5.53, N; 9.301 H NMR δppm (DMSO-d6) 2.79 (1H,dd,J=9.8,13.7Hz), 2.98 - 3.22 (5H,m), 3.2
7 (1H,d,J=1.8Hz), 3.57 (1H,d,J=1.8Hz), 4.49 (1H,d
t,J=5.0,9.1Hz), 5.01 (2H,s), 7.16 - 7.40 (10H,m),
8.19 (1H,t,J=5.5Hz), 8.59 (1H,d,J=8.6Hz) 実施例22 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオ
キシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル}エチレン
ジアミン 化合物 19 (780 mg) を実施例 7と同様に、接触還元
によりZ基を脱保護した後、凍結乾燥し、標記化合物
(化合物20;480 mg) を白色粉末として得た (収率 87
%)。 〔α〕D 27 + 50゜ (c 0.57, 0.1 N HCl) 元素分析値 C15H19N3O5・1H2O として 計算値 C; 53.09, H; 6.24, N; 12.38 実験値 C; 52.89, H; 6.48, N; 12.471 H NMR δppm (D2O) 3.02 (3H,m), 3.16 (1H,d,J=1.9Hz), 3.18 (1H,m), 3.4
1 (2H,m), 3.49 (1H,d,J=1.9Hz), 4.60 (1H,dd,J=6.9,
8.7Hz), 7.23 - 7.43 (5H,m)
【0112】実施例23 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-
フェニルアラニル}-1,8-ジアミノオクタン 実施例 20と同様に N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル〕-L-フェニルアラ
ニン(1.11 g)と 1,8-ジアミノオクタンを用い ホッペ
-ゼイラーズ・ツァイトシュリフト・フィジオロギッシ
ェ・ケミー(Hoppe-Seylers´ Z. Physiol. Chem.),349
巻,251頁(1968)記載の方法に準じて製造した N-Z-1,
8-ジアミノオクタン (1.09 g) を縮合し、標記化合物
(化合物21;1.54 g) を白色粉末として得た (収率 76
%)。 〔α〕D 26 + 18゜ (c 0.59, CHCl3) 元素分析値 C31H41N3O7・0.25H2O として 計算値 C; 65.07, H; 7.31, N; 7.34 実験値 C; 65.27, H; 7.28, N; 7.351 H NMR δppm (CDCl3) 1.15 - 1.41 (12H,m), 1.30(3H,t,J=7.2Hz), 1.49 (2H,
m), 3.03 (2H,m), 3.13 (1H,d,J=1.9Hz), 3.17 (4H,m),
3.62 (1H,d,J=1.9Hz), 4.24(2H,m), 4.53 (1H,dt,J=7.
8,7.6Hz), 4.79(1H,br s), 5.09 (2H,s), 5.65 (1H,br
s), 6.73 (1H,br d,J=7.9Hz), 7.17 (2H,m), 7.23 - 7.
38 (8H,m) 実施例24 N-Z-N'-{N-〔(2S,3S)-3-トランス-カルボ
キシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル}-
1,8-ジアミノオクタン 化合物 21 (1.44 g) を実施例 6と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、標記化合物 (化合物2
2;1.41 g) を白色粉末として得た (収率 定量的)。 元素分析値 C29H37N3O7・0.25H2O として 計算値 C; 64.01, H; 6.95, N; 7.72 実験値 C; 63.96, H; 6.98, N; 7.701 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.22 (8H,m), 1.36 (4H,m), 2.80 (1H,dd,J=9.2,13.5H
z), 3.00 (5H,m), 3.29(1H,d,J=1.8Hz), 3.58 (1H,d,J=
1.8Hz), 4.50 (1H,dt,J=5.4,8.9Hz), 5.00 (2H,s), 7.1
6 - 7.40 (10H,m), 8.07 (1H,t,J=5.6Hz), 8.61 (1H,d,
J=8.6Hz)
【0113】実施例25 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニル}-1,8-ジアミノオクタン 化合物 22 (1.30 g) を実施例 7と同様に、接触還元
によりZ基を脱保護した後、凍結乾燥し、標記化合物
(化合物23;872 mg) を白色粉末として得た (収率 90
%)。 〔α〕D 27 +46゜ (c 0.53, 0.1N HCl) 元素分析値 C21H31N3O5・0.25H2O として 計算値 C; 61.52, H; 7.74, N; 10.25 実験値 C; 61.75, H; 7.60, N; 10.081 H NMR δppm (D2O) 1.33 (10H,m), 1.64 (2H,m), 2.98(2H,m), 3.10(4H,m),
3.22 (1H,d,J=1.9Hz), 3.50 (1H,d,J=2.1Hz), 4.53 (1
H,t,J=7.8Hz), 7.24 - 7.42 (5H,m) 実施例26 N-メチル-N'-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エ
トキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニ
ルアラニル}ピペラジン 実施例 20と同様に N-〔(2S,3S)-3-トランス-エトキ
シカルボニルオキシラン-2-カルボニル〕-L-フェニルア
ラニン (1.50 g) と N-メチル-ピペラジン (651 μl)を
縮合し、標記化合物 (化合物24;1.59 g) を無色油状
物として得た (収率 84%)。 〔α〕D 26 + 30゜ (c 0.59, CHCl3) 元素分析値 C20H27N3O5・0.22CHCl3 として 計算値 C; 58.42, H; 6.60, N; 10.11 実験値 C; 58.31, H; 6.60, N; 10.351 H NMR δppm (CDCl3) 1.31 (3H,t,J=7.2Hz), 1.90 (1H,m), 2.21 (3H,s), 2.2
3 (1H,m) 2.30 (2H,m),2.97 (2H,m), 3.04 (1H,m), 3.3
2 (1H,d,J=1.9Hz), 3.36 (1H,m), 3.51 (1H,m),3.62 (1
H,d,J=1.9Hz), 3.66 (1H,m), 4.25 (2H,m), 5.13 (1H,d
dd,J=6.4,8.2,8.2Hz), 6.99 (1H,br d,J=8.2Hz), 7.15
(2H,m), 7.22 - 7.34 (3H,m)
【0114】実施例27 N-メチル-N'-{N-[(2S,3S)-3-
トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル}ピペラジン 化合物 24 (1.50 g) を実施例 6と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解後、濃縮し、水を加え、pH
6.5 に調整後、ダイアイオン HP-20 (30 ml, 三菱化成
工業社製) に付し、水洗後、50% (v/v)メタノール水で
溶出した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥し、標記化合物
(化合物25;1.17 g) を白色粉末として得た (収率 84
%)。 〔α〕D 27 + 78゜ (c 0.58, 0.1 N HCl) 元素分析値 C18H23N3O5・1.5H2O として 計算値 C; 55.66, H; 6.75, N; 10.82 実験値 C; 55.52, H; 6.89, N; 10.761 H NMR δppm (D2O) 2.12 (1H,m), 2.64 (3H,s), 2.78 (1H,m), 3.07 (4H,
m), 3.36 (1H,d,J=1.8Hz), 3.49 (1H,m), 3.53 (1H,d,J
=1.8Hz), 3.60(2H,m), 3.85 (1H,m), 5.07 (1H,dd,J=6.
7,9.2Hz), 7.27 - 7.47 (5H,m) 実施例28 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカル
ボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル}
モルホリン 実施例 20と同様に N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニン (1.00 g) とモルホリン (313 μl)を縮合し、標記
化合物 (化合物26;1.09 g) を無色油状物として得た
(収率 89%)。 〔α〕D 25 + 41゜ (c 0.64, CHCl3) 元素分析値 C19H24N2O6・0.35CHCl3 として 計算値 C; 55.57, H; 5.87, N; 6.70 実験値 C; 55.48, H; 5.85, N; 6.731 H NMR δppm (CDCl3) 1.31 (3H,t,J=7.2Hz), 2.99 (4H,m), 3.31 (1H,m), 3.3
5 (1H,d,J=1.9Hz), 3.40- 3.62 (5H,m), 3.63 (1H,d,J=
1.9Hz), 4.26 (2H,m), 5.10 (1H,q,J=7.6Hz),6.95 (1H,
d,J=8.2Hz), 7.17 (2H,m), 7.30 (3H,m)
【0115】実施例29 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物 26 (990 mg) を実施例 27と同様に、エチル
エステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、
凍結乾燥し、標記化合物(化合物27,700 mg)を得た
(収率 72%)。 〔α〕D 25 + 70゜ (c 0.63, H2O) 元素分析値 C17H19N2O6Na・0.7H2O として 計算値 C; 53.31, H; 5.37, N; 7.32, Na; 6.00 実験値 C; 53.52, H; 5.72, N; 7.32, Na; 6.001 H NMR δppm (D2O) 2.98 (1H,m), 3.06 (2H,m), 3.26 (1H,m), 3.35 (1H,d,
J=2.0Hz), 3.46 (3H,m), 3.53 (1H,d,J=2.0Hz), 3.56
(2H,m), 3.66 (1H,m), 5.07 (1H,dd,J=7.0,8.6Hz), 7.2
8 (2H,m), 7.38 (3H,m) 実施例30 N-アセチル-N'-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン 参考例10のN-アセチル-N'-Z-1,4-ジアミノブタン(0.
94g)をメタノール(32ml)に溶解後、パラジウム活性
炭素〔10%(w/w),94mg〕を加え、水素雰囲気下、25℃
で1.5時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を濃縮乾固
してN-アセチル-1,4-ジアミノブタン(0.47g)を得た。
実施例 20と同様に N-〔(2S,3S)-3-トランス-エトキ
シカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルア
ラニン (1.22 g) と N-アセチル-1,4-ジアミノブタン
(0.47 g) を縮合し、標記化合物 (化合物28;0.96 g)
を白色粉末として得た (収率 63%)。 元素分析値 C21H29N3O6・0.3H2O として 計算値 C; 59.37, H; 7.02, N; 9.89 実験値 C; 59.37, H; 6.89, N; 9.791 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.22 (3H,t,J=7.0Hz), 1.32 (4H,m), 1.78 (3H,s), 2.7
9 (1H,dd,J=9.5,14.0Hz), 2.92 - 3.10 (5H,m), 3.42
(1H,d,J=2.0Hz), 3.64 (1H,d,J=2.0Hz), 4.17 (2H,m),
4.50 (1H,m), 7.16 - 7.31 (5H,m), 7.79 (1H,br t,J=
5.5Hz), 8.11 (1H,br t,J=5.5Hz), 8.66 (1H,br d,J=8.
5Hz)
【0116】実施例31 N-アセチル-N'-{N-[(2S,3S)-
3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フ
ェニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン・モノナトリウム
塩 化合物 28(950 mg)を実施例 27と同様に、エチル
エステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、
凍結乾燥し、標記化合物(化合物29,858 mg)を得た
(収率 92%)。 〔α〕D 24 + 39゜ (c 0.52, H2O) 元素分析値 C19H24N3O6Na・H2O として 計算値 C; 52.90, H; 6.07, N; 9.74, Na; 5.33 実験値 C; 53.02, H; 6.36, N; 9.84, Na; 5.401 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.34 (4H,m), 1.78 (3H,s), 2.83 (1H,dd,J=10.5,13.5H
z), 2.90 (1H,d,J=2.0Hz),2.92 - 3.12 (5H,m), 3.24
(1H,d,J=2.0Hz), 4.34 (1H,m), 7.16 - 7.32 (5H,m),
8.08 (1H,br t,J=5.5Hz), 8.70 (1H,br t,J=5.0Hz), 9.
45 (1H,br d,J=8.0Hz)
【0117】実施例32 TAN−1854A・一塩酸
塩 実施例 5と同様に 3-アミノ-1-プロパノールおよび1,4
-ジアミノブタンを用い特開昭57−192347号公
報記載の方法に準じて製造したN-Z-N'-(Z-3-アミノプロ
ピル)-1,4-ジアミノブタン (116 mg)とBoc-L-Phe-OH (1
18 mg,ペプチド研究所製)とを縮合し N-(Boc-L-フェ
ニルアラニル)-N-(Z-3-アミノプロピル)-N'-Z-1,4-ジア
ミノブタン (162 mg) を白色粉末として得た (収率 61
%)。得られた粉末(157 mg)の Boc 基を TFA で脱保
護後、参考例8の(2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トラ
ンス-エポキシスクシネート (35 mg) と縮合し、N-Z-N'
-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボニルオキシラ
ン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル}-N'-(Z-3-アミ
ノプロピル)-1,4-ジアミノブタン (88 mg) を白色粉末
として得た (収率 53%)。この化合物(87 mg)を、実
施例 6と同様にアルカリ加水分解し、N-Z-N'-{N-[(2S,
3S)-3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-
L-フェニルアラニル}-N'-(Z-3-アミノプロピル)-1,4-ジ
アミノブタン (82 mg) を得た (収率 98%)。上記化合
物(81 mg)をメタノール (7 ml) に溶解後、水 (3.5 m
l), 酢酸(8μl),パラジウム活性炭素 (10%(w/w), 2
3 mg) を加え、室温水素雰囲気下 1.5 時間撹拌した。
触媒を濾去し、濾液を濃縮後、CM−セファデックス
C−25(Na型,10ml)のカラムクロマトグラフ
ィーに付し、0.05M食塩水で溶出分画した。TAN
−1854Aを主成分とする画分を集め濃縮後、分取H
PLC〔カラム;YMC-Pack, D-ODS-5 (S-5 120A), 移動
相;3%(v/v)アセトニトリル/0.01Mリン酸緩衝
液(pH6.3),流速;10 ml/分〕に付した。分析
用HPLCでTAN−1854Aの単一ピークを与える
画分を集め、アンバーライトIRA−402(Cl型,
20ml)を充填したカラムを通過させ、水(20m
l)で洗浄した。通過液と水洗液を合わせ濃縮後、ダイ
ヤイオンHP−20(100 - 200 メッシュ,15ml)
を用いて脱塩した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥してTA
N−1854Aの一塩酸塩(化合物3,31 mg)を得た
(収率58%)。この化合物の物理化学的データは、培養液
から得られた化合物の物理化学的データと一致した。
【0118】実施例33 TAN−1756A,B,
C,Dの主培養液の調製 ポテト・デキストロース斜面寒天培地に培養したケトミ
ウム・グロボサム FL−41927株を2リットル容
坂口フラスコ内のグルコース2%、可溶性澱粉3%、生
大豆粉1%、コーン・スティープ・リカー0.3%、ペ
プトン0.5%、食塩0.3%、炭酸カルシウム0.5%
を含む500mlの種培地(pH7.0)に接種し、28
℃、48時間往復振盪機上で培養した。この培養液50
0mlを200リットル容ステンレス・スチール・タンク
内の120リットルの種培地に移植し、24℃、通気1
20リットル/分、撹拌120回転/分、内圧1kg/cm
2の条件で48時間培養した。さらに、この培養液12
リットルを2000リットル容ステンレス・スチール・
タンク内の可溶性澱粉5%,コーングルテンミール1.
5%,ビール酵母0.3%,硫酸マグネシウム1%,リ
ン酸二水素カリウム0.7%,リン酸水素二ナトリウム
2%,炭酸カルシウム0.7%(pH無修正)を含む1
200リットルの主培地に移植し、28℃、通気120
0リットル/分、撹拌120回転/分、内圧1kg/cm2
の条件で5日間培養し、主培養液を得た。
【0119】実施例34 TAN−1756C・1/2硫
酸塩,TAN−1756D・1/2硫酸塩 実施例33で得られた培養液(1100リットル)を濾
過補助剤(ラジオライト 600)を用いて濾過した。
濾液(1420リットル)のpHを6.8に調整後、ダ
イヤイオンHP−20(150リットル)のカラムクロ
マトグラフィーに付し、水(450リットル)で洗浄
後、70%(v/v)メタノ−ル水(750リットル)で溶
出した。溶出液を減圧下濃縮し、アンバーライトIRA
−402(Cl型,25リットル)を充填したカラムを
通過させ、水(50リットル)で洗浄した。通過液と水
洗液を合わせpH7に調整後、ダイヤイオンHP−20
(60リットル)のカラムクロマトグラフィーに付し
た。水(180リットル)で洗浄後、70%(v/v)メタ
ノール水(120リットル)で溶出し、溶出液を減圧下
濃縮した。なお水洗液中には、HPLC分析によりTA
N−1756B(2.6 g)が検出された。濃縮液を再
度、ダイヤイオンHP−20(100 - 200 メッシュ、2
リットル)のカラムクロマトグラフィーに付し、水(6
リットル)、20%(v/v)メタノール水(6リットル)
で順次溶出分画した。なお、通過液および水洗液(0−
2リットル)中には、HPLC分析によりTAN−17
56A(4.3g)が検出された。水(2−6リットル)、
20%(v/v)メタノール水(0−2リットル)溶出画分
を減圧下濃縮し、培養液(1200リットル)から上記
と同様の操作によって得られた濃縮液と合わせて400
mlとした。得られた濃縮液(400ml)を、アンバ
ーライトIRC−50(Na型,1リットル)のカラム
クロマトグラフィ−に付し、水(4リットル)、1M食
塩水(6リットル)で順次溶出分画した。水(1.5−
4リットル)、1M食塩水(0−2リットル)溶出画分
を、ダイヤイオンHP−20(500ml)のカラムク
ロマトグラフィーに付し、水(2リットル)、50%(v
/v)メタノール水(1.5リットル)で洗浄後、50%
(v/v)メタノール/0.005M塩酸(1リットル)で
溶出した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥してTAN−17
56CおよびDを含む粗粉末(987 mg)を得た。この粗
粉末(980 mg)を水(100ml)に溶解し、CM−セ
ファデックスC−25(Na型,80ml)を充填した
カラムを通過させ、水(240ml)で洗浄後、0.0
5M食塩水で溶出分画した。TAN−1756Cを主成
分とする画分(1000〜1240ml)とTAN−1
756Dを主成分とする画分(740〜1000ml)
とに分け、それぞれをダイヤイオンHP−20を用いて
脱塩した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥してTAN−17
56Cを含む粉末(330mg)とTAN−1756Dを含
む粉末(150 mg)を得た。
【0120】TAN−1756Cを含む粉末(320 mg)
を分取HPLC〔カラム;YMC-Pack, S-363-15, ODS,
移動相;4%(v/v)アセトニトリル/0.01Mリン酸
緩衝液(pH3.0),流速;20 ml/分〕に付し、分
析用HPLCでTAN−1756Cの単一ピークを与え
る画分を集め、アンバーライトIRA−402(Cl
型,100ml)を充填したカラムを通過させ、水(1
00ml)で洗浄した。通過液と水洗液を合わせ濃縮
後、ダイヤイオンHP−20(30ml)を用いて脱塩
した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥してTAN−1756
C・一塩酸塩(181 mg)を得た。TAN−1756C・
一塩酸塩(178 mg)を水(20ml)に溶解し、アンバ
ーライトIRA−402(SO4型,10ml)を充填
したカラムを通過させ、水(20ml)で洗浄した。通
過液と水洗液を合わせ濃縮後、凍結乾燥してTAN−1
756C・1/2硫酸塩(化合物30;173 mg)を得た。
TAN−1756Dを含む粉末(145 mg)を分取HPL
C〔カラム;YMC-Pack,D-ODS-5, 移動相;3%(v/v)ア
セトニトリル/0.01Mリン酸緩衝液(pH3.
0),流速;10 ml/分〕に付し、分析用HPLCで単
一ピークを与える画分を集め、アンバーライトIRA−
402(SO4型,50ml)を充填したカラムを通過
させ、水(90ml)で洗浄した。通過液と水洗液を合
わせ濃縮後、ダイヤイオンHP−20(15ml)を用
いて脱塩した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥してTAN−
1756D・1/2硫酸塩(化合物31;78 mg)を得た。
【0121】TAN−1756C・1/2硫酸塩 1)外観:白色粉末 2)比旋光度:+39゜(c 0.51, 0.1N 塩酸,24℃) 3)分子量:m/z 407 (M + H)+,(SI−マススペクト
ル) 4)元素分析値:(%)(水分1モルとして計算) 実測値;C, 50.27; H, 7.00; N, 12.05; S, 2.95 計算値;C, 50.73; H, 7.02; N, 11.83; S, 3.39 5)分子式:C20H30N4O5・1/2H2SO4 6)UVスペクトル:水中 極大値;257 nm (ε 250,肩) 7)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波
数,cm-1)。(図9)3430, 3280, 3060, 2950, 1650,
1550, 1450, 1380, 1250, 1120, 900,750, 620 8)13C NMR スペクトル:75 Mz, 重水中,δppm (図
10)176.5 (Q), 175.5 (Q), 172.4 (Q), 139.2 (Q),
132.1 × 2 (CH), 131.7× 2 (CH), 130.2 (CH), 58.3
(CH), 57.2 (CH), 55.7 (CH), 50.2 (CH2),47.3 (CH2),
41.3 (CH2), 39.7 (CH2), 39.5 (CH2), 28.3 (CH2), 2
6.7(CH2), 25.7 (CH2) 9) 呈色反応:陽性;ニンヒドリン,ペプタイド,リン
モリブデン酸反応 陰性;坂口,エールリッヒ反応 10) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack A-312, ODS 移動相;7%(v/v)アセトニトリル/0.01Mリン酸緩
衝液(pH6.3) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;7.2分 11) 薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254 展開溶媒;n−ブタノール:酢酸:水(2:1:1) Rf値;0.14
【0122】TAN−1756D・1/2硫酸塩 1)外観:白色粉末 2)比旋光度:+46゜(c 0.58, 0.1N 塩酸,24℃) 3)分子量:m/z 407 (M + H)+, (SI−マススペクト
ル) 4)元素分析値:(%)(水分1.5モルとして計算) 実測値;C, 50.08; H, 7.07; N, 12.02 計算値;C, 49.78; H, 7.10; N, 11.61 5)分子式:C20H30N4O5・1/2H2SO4 6)UVスペクトル:水中 極大値;257 nm (ε 200,肩) 7)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波
数,cm-1)。(図11)3430, 3270, 3060, 2950, 165
0, 1550, 1450, 1380, 1250, 1120, 900,750, 700, 620 8)13C NMR スペクトル:75 Mz, 重水中,δppm (図
12)176.5 (Q), 176.0 (Q), 172.5 (Q), 139.1 (Q),
132.1 × 2 (CH), 131.8× 2 (CH), 130.2 (CH), 58.3
(CH), 57.2 (CH), 55.6 (CH), 49.8 (CH2),47.8 (CH2),
41.7 (CH2), 39.6 (CH2), 38.9 (CH2), 28.3 (CH2), 2
6.8(CH2), 25.6 (CH2) 9) 呈色反応:陽性;ニンヒドリン,ペプタイド,リン
モリブデン酸反応 陰性;坂口,エールリッヒ反応 10) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack A-312, ODS 移動相;7%(v/v)アセトニトリル/0.01Mリン酸緩
衝液(pH6.3) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;5.5分 11) 薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254 展開溶媒;n-ブタノール:酢酸:水(2:1:1) Rf値;0.14
【0123】実施例35 N-トシル-N'-{N-[(2S,3S)-3-
トランス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニ
ル]-L-フェニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン N-Z-1,4-ジアミノブタン (1.40 g) をピリジン (20 ml)
に溶解し、氷冷下塩化トシル (1.38 g) を加え、室温
で 7 時間撹拌した。反応液を減圧下、濃縮乾固し、酢
酸エチルを加え、0.2N 塩酸、2% 炭酸水素ナトリウム
水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(100 ml) に付し、ヘキサン中酢酸エチルを順次添加し
た溶出液で溶出し、50%(v/v) 酢酸エチル溶出画分よ
り、N-トシル-N'-Z-1,4-ジアミノブタン (1.97 g) を得
た (収率 83%)。得られた N-トシル-N'-Z-1,4-ジアミノ
ブタン (1.90 g)をメタノール (60 ml)に溶解後、パラ
ジウム活性炭素 [10%(w/w),190 mg] を加え、水素雰囲
気下、25℃で1.5時間撹拌した。触媒を濾去し、濾
液を濃縮乾固してN-トシル-1,4-ジアミノブタン (1.27
g) を得た (収率 定量的)。実施例5と同様に N-トシル
-1,4-ジアミノブタン (1.27 g) と Boc-L-Phe-OH(1.47
g) を縮合し、N-(Boc-L-フェニルアラニル)-N'-トシル-
1,4-ジアミノブタン (2.19 g) を得た (収率 85%)。Boc
基を TFA で脱保護後、参考例8の (2S,3S)-エチル・
ハイドロゲン・トランス-エポキシスクシネート (774 m
g) と縮合し、標記化合物 (化合物32;1.55 g) を得
た (収率 67%)。 元素分析値 C26H33N3O7S として 計算値 C; 58.74, H; 6.26, N; 7.90, S; 6.03 実験値 C; 58.25, H; 6.21, N; 7.80, S; 6.041 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.22 (3H,t,J=7.0Hz), 1.32 (4H,m), 2.38 (3H,s), 2.6
7 (2H,dt,J=6.0,6.0Hz), 2.78 (1H,dd,J=9.5,13.5Hz),
2.88 - 3.08 (3H,m), 3.42 (1H,d,J=1.5Hz), 3.64 (1H,
d,J=1.5Hz), 4.17 (2H,m), 4.49 (1H,m), 7.16 - 7.30
(5H,m), 7.39 (2H,d,J=8.0Hz), 7.47 (1H,t,J=6.0Hz),
7.67 (2H,d,J=8.0Hz), 8.08 (1H,t,J=6.0Hz), 8.65 (1
H,d,J=8.5Hz)
【0124】実施例36 N-トシル-N'-{N-[(2S,3S)-3-
トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン・モノナトリウム塩 化合物32 (934 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解後、ダイヤイオンHP−20
を用いて精製し、標記化合物 (化合物33;890 mg) を
得た (収率 96%)。 元素分析値 C24H28N3O7SNa・H2O として 計算値 C; 53.03, H; 5.56, N; 7.73, S; 5.90, Na; 4.23 実験値 C; 52.89, H; 5.72, N; 7.63, S; 5.92, Na; 4.101 H NMR δppm (D2O) 1.20 (4H,m), 2.39 (3H,s), 2.76 (2H,t,J=6.5Hz), 2.8
4 - 3.12 (4H,m), 3.21 (1H,d,J=2.0Hz), 3.49 (1H,d,J
=2.0Hz), 4.49 (1H,t,J=7.7Hz), 7.16 - 7.36(5H,m),
7.42 (2H,d,J=8.3Hz), 7.72 (2H,d,J=8.3Hz) 実施例37 N-ブチリル-N'-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン 化合物1 (506 mg) をピリジン/DMF (1:1, 40 ml) に
溶解し、氷冷下塩化ブチリル (300μl) を加え、氷冷下
1時間撹拌した。反応液を濃縮し、水を加え pH 2.5 に
調整後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固して油
状物(640 mg)を得た。得られた油状物をエタノ−ル
(25 ml)に溶解後、濃硫酸(212μl)を加え1時間還
流した。反応液を氷冷水に加え、酢酸エチルで抽出後、
飽和炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水で順次洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー (100 ml) に付し、クロロホルム中メ
タノ−ルを順次添加した溶離液で溶出し、3%(v/v) メタ
ノ−ル溶出画分より、標記化合物 (化合物34;290 m
g) を白色粉末として得た (収率 50%)。 〔α〕D + 46゜ (c 0.61, MeOH, 24℃) 元素分析値 C2333 として 計算値 C; 61.73, H; 7.43, N; 9.39 実験値 C; 61.30, H; 7.46, N; 9.321 H NMR δppm (DMSO-d6) 0.84 (3H,t,J=7.5Hz), 1.22 (3H,t,J=7.0Hz), 1.23 -
1.42 (4H,m), 1.50 (2H,m), 2.02 (2H,t,J=7.5Hz), 2.7
9 (1H,dd,J=9.0,14.0Hz), 2.90 - 3.13 (5H,m),3.42 (1
H,d,J=2.0Hz), 3.64 (1H,d,J=2.0Hz), 4.10 - 4.23 (2
H,m), 4.50 (1H,ddd,J=5.0,9.0,9.0Hz), 7.13 - 7.32
(5H,m), 7.72 (1H,t,J=5.5Hz), 8.11 (1H,t,J=5.5Hz),
8.65 (1H,d,J=9.0Hz)
【0125】実施例38 N-ブチリル-N'-{N-[(2S,3S)-
3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フ
ェニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン・モノナトリウム
塩 化合物34 (122 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物(化合物35; 62 mg)を白色粉末
として得た(収率 51%)。 〔α〕D + 36゜ (c 0.53, H2O, 24℃) 元素分析値 C21H28N3O6Na・2H2O として 計算値 C; 52.82, H; 6.75, N; 8.80 実験値 C; 53.24, H; 6.70, N; 8.921 H NMR δppm (D2O) 0.91 (3H,t,J=7.5Hz), 1.20 - 1.44 (4H,m), 1.61 (2H,
m), 2.22 (2H,t,J=7.5Hz), 2.98 - 3.25 (6H,m), 3.25
(1H,d,J=2.0Hz), 3.52 (1H,d,J=2.0Hz), 4.55(1H,t,J=
8.0Hz), 7.22 - 7.46 (5H,m)
【0126】実施例39 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-o-
フルオロ-L-フェニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン o-フルオロ-L-フェニルアラニン (1.00 g, 和光純薬工
業社製) をジオキサン(10 ml)、水 (5 ml) の混合溶媒
に溶解し、氷冷下撹拌しながら、1N 水酸化ナトリウム
水 (5.46 ml) およびニ炭酸ジ-tert-ブチル (1.38 ml)
を加えた後、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮後、
pH 2.5 に調整し、酢酸エチル (100 ml x3) で抽出し
た。酸酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。濃縮後、酢酸エチル−石油エー
テルから結晶化し、N-Boc-o-フルオロ-L-フェニルアラ
ニン (1.32 g) を無色結晶として得た (収率 85%)。こ
の一部(1.20 g) と N-Z-1,4-ジアミノブタン (847 mg)
を実施例5と同様に縮合し N-(Boc-o-フルオロ-L-フェ
ニルアラニル)-N'-Z-1,4-ジアミノブタン (1.77 g) を
白色粉末として得た (収率 95%)。Boc 基を TFA で脱保
護後、参考例8の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・ト
ランス-エポキシスクシネート (522 mg) と縮合し、標
記化合物(化合物36; 1.39 g)を白色粉末として得た
(収率 81%)。 〔α〕D + 13゜ (c 0.56, CHCl3, 22℃) 元素分析値 C27H32N3O7F・0.25CHCl3 として 計算値 C; 58.51, H; 5.81, N; 7.51, F; 3.40 実測値 C; 58.59, H; 5.83, N; 7.60, F; 3.501 H NMR δppm (CDCl3) 1.30(3H,t,J=7.2Hz), 1.45(4H,m), 3.05(1H,dd,J=8.2,1
3.9Hz), 3.17(5H,m),3.22(1H,d,J=1.9Hz), 3.62(1H,d,J
=1.9Hz), 4.24(2H,m), 4.62(1H,m), 4.92(1H,br s), 5.
10(2H,s), 6.34(1H,br s), 6.84(1H,d,J=8.1Hz), 7.06
(2H,m), 7.21(2H,m), 7.35(5H,m)
【0127】実施例40 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-o-フルオロ
-L-フェニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン 実施例6と同様に化合物36 (1.29 g) をアルカリ加水
分解し、標記化合物 (化合物37; 1.07 g) を白色粉末
として得た (収率 88%)。 元素分析値 C25H28N3O7F・0.25H2O として 計算値 C; 59.34, H; 5.68, N; 8.30, F; 3.75 実測値 C; 59.32, H; 5.66, N; 8.22, F; 3.761 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.32 (4H,m), 2.84 (1H,dd,J=9.0,13.9Hz), 2.96 (4H,
m), 3.06 (1H,dd,J=5.9,13.9Hz), 3.30 (1H,d,J=1.8H
z), 3.59 (1H,d,J=1.8Hz), 4.55 (1H,dt,J=6.0,8.8Hz),
5.00 (2H,s), 7.11 (2H,m), 7.24 (3H,m), 7.34 (5H,
m), 8.10 (1H,t,J=5.6Hz), 8.59 (1H,d,J=8.7Hz) 実施例41 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオ
キシラン-2-カルボニル]-o-フルオロ-L-フェニルアラニ
ル}-1,4-ジアミノブタン 化合物37 (970 mg) を実施例7と同様に、接触還元に
よりZ基を脱保護した後、凍結乾燥し、標記化合物 (化
合物38; 670 mg) を白色粉末として得た (収率 94
%)。 〔α〕D + 46゜ (c 0.52, 0.1N HCl, 25℃) 元素分析値 C17H22N3O5F・0.8H2O として 計算値 C; 53.48, H; 6.23, N; 11.01, F; 4.98 実測値 C; 53.43, H; 6.03, N; 10.83, F; 4.881 H NMR δppm (D2O) 1.50 (4H,m), 2.95 (2H,t,J=7.3Hz), 3.07 (1H,dd,J=8.
1,13.9Hz), 3.15 (2H,m), 3.19 (1H,m), 3.25 (1H,d,J=
1.9Hz), 3.50 (1H,d,J=2.1Hz), 4.57 (1H,dd,J=7.6,7.9
Hz), 7.18 (2H,m), 7.30 (2H,m)
【0128】実施例42 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-N
im-トシル-L-ヒスチジル}-1,4-ジアミノブタン 実施例5と同様に N-Z-1,4-ジアミノブタン (1.20 g)
と Boc-Nim-トシル-L-ヒスチジン (2.44 g, ペプチド研
究所製) とを縮合し N-(Boc-Nim-トシル-L-ヒスチジル)
-N'-Z-1,4-ジアミノブタン (3.27 g) を白色粉末として
得た (収率 99%)。Boc 基を TFA で脱保護後、参考例8
の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-エポキシ
スクシネート (776 mg) と縮合し、標記化合物(化合物
39; 2.42g)を白色粉末として得た (収率 84%)。 〔α〕D + 31゜ (c 0.54, CHCl3, 22℃) 元素分析値 C31H37N5O9S・H2O として 計算値 C; 55.26, H; 5.83, N; 10.40, S; 4.76 実測値 C; 55.23, H; 5.52, N; 10.39, S; 4.741 H NMR δppm (CDCl3) 1.31 (3H,t,J=7.1Hz), 1.42 (4H,m), 2.44 (3H,s), 2.8
3 (1H,dd,J=6.4,14.8Hz), 3.02 (1H,dd,J=5.4,14.8Hz),
3.16 (4H,m), 3.54 (1H,d,J=1.8Hz), 3.67 (1H,d,J=1.
8Hz), 4.26 (2H,m), 4.59 (1H,m), 5.00 (1H,br s), 5.
10 (2H,s), 6.80 (1H,br s), 7.09 (1H,m), 7.27 - 7.3
9 (7H,m), 7.51 (1H,d,J=7.3Hz), 7.81(2H,d,J=8.4Hz),
7.94 (1H,d,J=1.2Hz)
【0129】実施例43 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-ヒスチジ
ル}-1,4-ジアミノブタン 実施例6と同様に化合物39 (2.30 g) をアルカリ加水
分解し、標記化合物 (化合物40; 1.46 g) を白色粉末
として得た (収率 88%)。 元素分析値 C22H27N5O7・2H2O として 計算値 C; 51.86, H; 6.13, N; 13.75 実測値 C; 51.89, H; 6.09, N; 13.861 H NMR δppm (D2O) 1.37 (4H,m), 3.07 (6H,m), 3.27 (1H,d,J=2.0Hz), 3.5
1 (1H,d,J=2.0Hz), 4.57 (1H,dd,J=6.7,8.0Hz), 5.08
(2H,s), 7.05 (1H,s), 7.39 (5H,m), 8.02 (1H,s)
【0130】実施例44 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-ヒスチジル}-
1,4-ジアミノブタン 化合物40 (960 mg) を実施例7と同様に、接触還元に
よりZ基を脱保護した後、凍結乾燥し、標記化合物 (化
合物41; 455 mg) を白色粉末として得た (収率 47
%)。 〔α〕D + 22゜ (c 0.57, 0.1N HCl, 22℃) 元素分析値 C14H21N5O5・2.6H2O として 計算値 C; 43.54, H; 6.84, N; 18.14 実測値 C; 43.45, H; 6.89, N; 18.101 H NMR δppm (D2O) 1.61 (4H,m), 3.03 (2H,t,J=7.3Hz), 3.15 (1H,dd,J=8.
9,15.2Hz), 3.26 (3H,m), 3.34 (1H,d,J=2.0Hz), 3.57
(1H,d,J=2.1Hz), 4.67 (1H,dd,J=6.0,8.9Hz),7.25 (1H,
br s), 8.39 (1H,d,J=1.1Hz)
【0131】実施例45 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-N
ε-Z-L-リジル}-1,4-ジアミノブタン 実施例5と同様に N-Z-1,4-ジアミノブタン (1.20 g)
と Boc-L-Lys(Z)-OH (2.26 g, ペプチド研究所製) とを
縮合し N-(Boc-Nε-Z-L-リジル)-N'-Z-1,4-ジアミノブ
タン (3.32 g) を白色粉末として得た (収率 定量的)。
Boc 基を TFA で脱保護後、参考例8の (2S,3S)-エチル
・ハイドロゲン・トランス-エポキシスクシネート (661
mg) と縮合し、標記化合物 (化合物42; 2.11 g) を
白色粉末として得た (収率 82%)。 〔α〕D + 10゜ (c 0.60, CHCl3, 22℃) 元素分析値 C32H42N4O9・0.5H2O として 計算値 C; 60.46, H; 6.82, N; 8.81 実測値 C; 60.30, H; 6.65, N; 8.851 H NMR δppm (CDCl3) 1.30 (3H,t,J=7.2Hz), 1.30 (2H,m), 1.52 (6H,m), 1.6
2 (1H,m), 1.83 (1H,m), 3.17 (4H,m), 3.26 (2H,m),
3.51 (1H,d,J=1.6Hz), 3.68 (1H,d,J=1.8Hz), 4.25 (2
H,m), 4.32 (1H,m), 4.98 (1H,m), 5.08 (5H,m), 6.44
(1H,br s), 6.89(1H,d,J=7.2Hz), 7.34 (10H,m)
【0132】実施例46 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-Nε-Z-L-リ
ジル}-1,4-ジアミノブタン 実施例6と同様に化合物42 (2.00 g) をアルカリ加水
分解し、標記化合物 (化合物43; 1.40 g) を白色粉末
として得た (収率 73%)。 元素分析値 C30H38N4O9・0.3CHCl3 として 計算値 C; 57.36, H; 6.08, N; 8.83 実測値 C; 57.30, H; 6.13, N; 8.991 H NMR δppm (DMSO-d6 + D2O) 1.23 (2H,m), 1.38 (6H,m), 1.58 (2H,m), 2.98 (6H,
m), 3.11 (1H,d,J=1.9Hz), 3.37 (1H,d,J=1.9Hz), 4.19
(1H,m), 5.00 (4H,s), 7.35 (10H,m), 8.09 (1H,t,J=
5.4Hz), 8.22 (1H,d,J=8.0Hz)
【0133】実施例47 N-Z-N'-{O-ベンジル-N-[(2S,
3S)-3-トランス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カル
ボニル]-L-セリル}-1,4-ジアミノブタン 実施例5と同様に N-Z-1,4-ジアミノブタン (1.20 g)
と Boc-L-Ser(Bzl)-OH(1.76 g, ペプチド研究所製) と
を縮合し N-(O-ベンジル-Boc-L-セリル)-N'-Z-1,4-ジア
ミノブタン (2.42 g) を白色粉末として得た (収率 90
%)。Boc 基を TFAで脱保護後、参考例8の (2S,3S)-エ
チル・ハイドロゲン・トランス-エポキシスクシネート
(677 mg) と縮合し、標記化合物 (化合物44; 1.67 g)
を白色粉末として得た (収率 73%)。 〔α〕D + 41゜ (c 0.55, CHCl3, 22℃) 元素分析値 C28H35N3O8・0.5H2O として 計算値 C; 61.08, H; 6.59, N; 7.63 実測値 C; 60.91, H; 6.31, N; 7.771 H NMR δppm (CDCl3) 1.30 (3H,t,J=7.1Hz), 1.48 (4H,m), 3.15 (2H,m), 3.2
7 (2H,m), 3.44 (1H,d,J=1.8Hz), 3.48 (1H,dd,J=7.5,
9.1Hz), 3.69 (1H,d,J=1.9Hz), 3.82 (1H,dd,J=4.3,9.2
Hz), 4.25 (2H,m), 4.48 (1H,d,J=11.8Hz), 4.49 (1H,
m), 4.57 (1H,d,J=11.8Hz), 4.88 (1H,br s), 5.09 (2
H,s), 6.60 (1H,br s), 7.05 (1H,d,J=6.8Hz), 7.34 (1
0H,m)
【0134】実施例48 N-Z-N'-{O-ベンジル-N-[(2S,
3S)-3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-
L-セリル}-1,4-ジアミノブタン 実施例6と同様に化合物44 (1.55 g) をアルカリ加水
分解し、標記化合物 (化合物45; 1.30 g) を白色粉末
として得た (収率 89%)。 元素分析値 C26H31N3O8・0.67H2O として 計算値 C; 59.42, H; 6.20, N; 8.00 実測値 C; 59.44, H; 6.09, N; 7.791 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.38 (4H,m), 2.97 (2H,m), 3.05 (2H,m), 3.46 (1H,d,
J=1.8Hz), 3.60 (2H,m), 3.75 (1H,d,J=1.8Hz), 4.48
(2H,s), 4.52 (1H,m), 4.99 (2H,s), 7.23 (1H,t,J=5.5
Hz), 7.33 (10H,m), 8.12 (1H,t,J=5.7Hz), 8.67 (1H,
d,J=8.2Hz)
【0135】実施例49 N-{O-ベンジル-N-[(2S,3S)-3
-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-セ
リル}-1,4-ジアミノブタン (化合物46)、N-{N-[(2S,3
S)-3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L
-セリル}-1,4-ジアミノブタン (化合物47)化合物45 (800 mg) を実施例7と同様
に、接触還元によりZ基を脱保護した後、HP−20
(100 ml) のカラムクロマトグラフィーに付し、水溶出
画分を凍結乾燥し、化合物47 (310 mg) を白色粉末と
して得 (収率 69%)、また 50%(v/v) メタノール溶出画
分を凍結乾燥し、化合物46 (60.0 mg) を白色粉末と
して得た (収率 10%)。 化合物46 〔α〕D + 33゜ (c 0.61, 0.1N HCl, 25℃) 元素分析値 C18H25N3O6・1.1H2O として 計算値 C; 54.15, H; 6.87, N; 10.53 実測値 C; 54.01, H; 6.76, N; 10.561 H NMR δppm (D2O) 1.57 (4H,m), 2.95 (2H,m), 3.23 (2H,m), 3.39 (1H,d,
J=2.1Hz), 3.58 (1H,d,J=2.0Hz), 3.81 (1H,dd,J=4.8,1
0.5Hz), 3.87 (1H,dd,J=5.6,10.5Hz), 4.49 (1H,dd,J=
4.9,5.4Hz), 4.56 (1H,d,J=12.0Hz), 4.60 (1H,d,J=12.
0Hz), 7.41 (5H,m) 化合物47 〔α〕D + 30゜ (c 0.53, 0.1N HCl, 25℃) 元素分析値 C11H19N3O6・0.5H2O として 計算値 C; 44.29, H; 6.76, N; 14.09 実測値 C; 44.37, H; 6.68, N; 14.101 H NMR δppm (D2O) 1.61 (4H,m), 3.01 (2H,m), 3.27 (2H,m), 3.44 (1H,d,
J=2.1Hz), 3.63 (1H,d,J=2.1Hz), 3.88 (2H,d,J=5.4H
z), 4.40 (1H,t,J=5.1Hz)
【0136】実施例50 N-Boc-N'-{S-トリチル-N-[(2
S,3S)-3-トランス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カ
ルボニル]-L-システイニル}-1,4-ジアミノブタン N-Z-1,4-ジアミノブタン (10.0 g) をジクロロメタン
(100 ml) に溶解後、ニ炭酸ジ-tert-ブチル (10.3 ml)
を加え、室温で1時間撹拌後、一夜放置した。反応液を
10% クエン酸水、水、飽和炭酸水素ナトリウム水、
水、飽和食塩水でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、濃縮乾固し、N-Z-N'-Boc-1,4-ジアミノブタ
ン (14.6 g) を白色粉末として得た (収率 定量的)。こ
の一部 (1.74 g) をメタノール (60 ml) に溶解後、パ
ラジウム活性炭素 [10%(w/w), 180 mg] を加え、水素雰
囲気下、室温で2時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を
濃縮乾固して、N-Boc-1,4-ジアミノブタン (1.02 g) を
白色粉末として得た (収率定量的)。得られた化合物を
実施例5と同様に Fmoc-S-トリチル-L-システイン (3.4
8 g, ペプチド研究所製) と縮合し N-(Fmoc-S-トリチル
-L-システイニル)-N'-Boc-1,4-ジアミノブタン (3.25
g) を白色粉末として得た(収率 80%)。この一部 (3.15
g) をジクロロメタン (28.8 ml) に溶解後、ピペリジン
(3.2 ml) を加え室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (200 ml) に
付し、50%(v/v) 酢酸エチル/ヘキサンで洗浄後、100%
メタノールで溶出、濃縮乾固し、N-(S-トリチル-L-シス
テイニル)-N'-Boc-1,4-ジアミノブタン (1.92 g) を白
色粉末として得た (収率 86%)。この一部 (1.82 g) を
参考例8の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-
エポキシスクシネート (546 mg) と縮合し、標記化合物
(化合物48; 1.55 g) を白色粉末として得た (収率 67
%)。 〔α〕D + 30゜ (c 0.51, CHCl3, 22℃) 元素分析値 C37H45N3O7S・0.25CHCl3 として 計算値 C; 63.40, H; 6.46, N; 5.95, S; 4.54 実測値 C; 63.26, H; 6.40, N; 6.07, S; 4.531 H NMR δppm (CDCl3) 1.32 (3H,t,J=7.1Hz), 1.43 (9H,s), 1.46 (4H,m), 2.5
2 (1H,dd,J=6.0,13.0Hz), 2.65 (1H,dd,J=7.4,13.1Hz),
3.08 (2H,m), 3.18 (2H,m), 3.44 (1H,d,J=1.8Hz), 3.
61 (1H,d,J=1.8Hz), 3.94 (1H,m), 4.26 (2H,m), 4.56
(1H,br s), 6.00 (1H,br s), 6.55 (1H,d,J=7.9Hz), 7.
20 - 7.44 (15H,m)
【0137】実施例51 N-Boc-N'-{S-トリチル-N-[(2
S,3S)-3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニ
ル]-L-システイニル}-1,4-ジアミノブタン 実施例6と同様に化合物48 (1.45 g) をアルカリ加水
分解し、標記化合物 (化合物49; 1.32 g)を白色粉末
として得た (収率 95%)。元素分析値 C35H41N3O7S・0.7
5H2O として 計算値 C; 63.57, H; 6.48, N; 6.35, S; 4.85 実測値 C; 63.51, H; 6.47, N; 6.12, S; 4.791 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.32 (4H,m), 1.36 (9H,s), 2.34 (2H,d,J=6.6Hz), 2.8
7 (2H,m), 2.99 (2H,m), 3.42 (1H,d,J=1.8Hz), 3.68
(1H,d,J=1.8Hz), 4.35 (1H,dt,J=8.2,6.6Hz), 6.74 (1
H,t,J=5.6Hz), 7.29 (15H,m), 8.06 (1H,t,J=5.4Hz),
8.74 (1H,d,J=8.6Hz)
【0138】実施例52 N-{S-トリチル-N-[(2S,3S)-3
-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-シ
ステイニル}-1,4-ジアミノブタン 化合物49 (600 mg) をジクロロメタン (10 ml) に溶
解後、TFA (4 ml) を加え、室温で2時間放置した。反
応液を濃縮後、2% 炭酸水素ナトリウム水を加え、pH 7.
5 に調整後、クロロホルム:メタノール (2:1) の溶液
で7回抽出した。水で洗浄後、濃縮乾固し、標記化合物
(化合物50; 390 mg) を白色粉末として得た (収率 7
7%)。 〔α〕D + 31゜ (c 0.74, MeOH, 26℃) 元素分析値 C30H33N3O5S・2.5H2O として 計算値 C; 60.79, H; 6.46, N; 7.09, S; 5.41 実測値 C; 60.66, H; 5.97, N; 7.14, S; 5.721 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.44 (4H,m), 2.34 (1H,dd,J=5.0,11.7Hz), 2.47 (1H,d
d,J=9.2,11.7Hz), 2.72 (2H,m), 2.99 (2H,m), 3.05 (1
H,d,J=1.3Hz), 3.36 (1H,d,J=1.2Hz), 4.18 (1H,dt,J=
5.3,8.6Hz), 7.30 (15H,m), 8.11 (2H,br s), 8.52 (1
H,br s), 9.60 (1H,d,J=8.3Hz)
【0139】実施例53 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-
グルタミニル}-1,4-ジアミノブタン 実施例5と同様に N-Z-1,4-ジアミノブタン (1.57 g)
と Boc-L-Gln-OH (1.92g, ペプチド研究所製) とを縮合
し N-(Boc-L-グルタミニル)-N'-Z-1,4-ジアミノブタン
(3.06 g) を白色粉末として得た(収率 96%)。Boc 基を
TFA で脱保護後、参考例8の (2S,3S)-エチル・ハイド
ロゲン・トランス-エポキシスクシネート (602 mg) と
縮合し、標記化合物 (化合物51; 734 mg) を白色粉末
として得た(収率 44%)。 〔α〕D + 44゜ (c 0.52, DMF, 24℃) 元素分析値 C23H32N4O8 として 計算値 C; 56.09, H; 6.55, N; 11.38 実測値 C; 55.80, H; 6.15, N; 11.631 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.24 (3H,t,J=7.0Hz), 1.31 - 1.48 (4H,m), 1.63 - 1.
95 (2H,m), 2.05 (2H,t,J=7.5Hz), 2.91 - 3.13 (4H,
m), 3.60 (1H,d,J=1.5Hz), 3.71 (1H,d,J=1.5Hz), 4.11
- 4.27 (3H,m), 4.99 (2H,s), 6.74 (1H,br s), 7.21
(1H,t,J=5.5Hz),7.21 - 7.41 (6H,m), 8.01 (1H,t,J=5.
0Hz), 8.53 (1H,d,J=8.0Hz)
【0140】実施例54 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-グルタミ
ニル}-1,4-ジアミノブタン 実施例6と同様に化合物51 (665 mg) をアルカリ加水
分解した。反応液を濃縮し、水を加え pH 2.5 に調整
後、酢酸エチル/イソブタノ−ル (1:1) で抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄後、濃縮して標記化合物 (化
合物52; 284 mg) を白色粉末として得た (収率 45
%)。 〔α〕D + 35゜ (c 0.53, DMF, 24℃) 元素分析値 C21H28N4O8・2H2O として 計算値 C; 50.40, H; 6.44, N; 11.19 実測値 C; 50.42, H; 5.74, N; 11.251 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.30 - 1.46 (4H,m), 1.64 - 1.96 (2H,m), 2.05 (2H,
t,J=7.5Hz), 2.90 - 3.11 (4H,m), 3.34 (1H,d,J=1.5H
z), 3.54 (1H,d,J=1.5Hz), 4.21 (1H,dt,J=8.0,5.0Hz),
5.00 (2H,s), 6.76 (1H,br s), 7.22 - 7.41 (7H,m),
8.07 (1H,t,J=5.5Hz), 8.47 (1H,d,J=8.0Hz)
【0141】実施例55 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-グルタミニル}
-1,4-ジアミノブタン 化合物52 (400 mg) を実施例7と同様に、接触還元に
よりZ基を脱保護した後、凍結乾燥し標記化合物53
(284 mg) を白色粉末として得た (収率 定量的)。 〔α〕D + 18゜ (c 0.55, H2O, 20℃) 元素分析値 C13H22N4O6・4.5H2O として 計算値 C; 37.95, H; 7.59, N; 13.62 実測値 C; 38.30, H; 6.40, N; 13.141 H NMR δppm (D2O) 1.50 - 1.70 (4H,m), 1.89 - 2.20 (2H,m), 2.38 (2H,
t,J=7.5Hz), 2.98 (2H,t,J=7.0Hz), 3.25 (2H,t,J=6.0H
z), 3.46 (1H,d,J=2.0Hz), 3.58 (1H,d,J=2.0Hz), 4.28
(1H,dd,J=5.0,9.0Hz)
【0142】実施例56 N-Z-N'-{γ-ベンジル-N-[(2
S,3S)-3-トランス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カ
ルボニル]-L-グルタミル}-1,4-ジアミノブタン 実施例5と同様に N-Z-1,4-ジアミノブタン (1.00 g)
と Boc-L-Glu(Bzl)-OH(1.67 g, ペプチド研究所製) と
を縮合し N-(Boc-γ-ベンジル-L-グルタミル)-N'-Z-1,4
-ジアミノブタン (2.43 g) を白色粉末として得た (収
率 定量的)。Boc基を TFA で脱保護後、参考例8の (2
S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-エポキシスク
シネート (400 mg) と縮合し、標記化合物 (化合物5
4; 840 mg)を白色粉末として得た (収率 58%)。 〔α〕D + 13゜ (c 0.60, CHCl3, 24℃) 元素分析値 C30H37N3O9 として 計算値 C; 61.74, H; 6.39, N; 7.20 実測値 C; 61.29, H; 6.49, N; 7.101 H NMR δppm (CDCl3) 1.30 (3H,t,J=7.0Hz), 1.43 - 1.58 (4H,m), 1.85 - 2.
02 (1H,m), 2.03 - 2.20 (1H,m), 2.38 (1H,dt,J=17.0,
6.5Hz), 2.52 (1H,dt,J=17.0,7.0Hz), 3.10 -3.32 (4H,
m), 3.51 (1H,d,J=2.0Hz), 3.67 (1H,d,J=2.0Hz), 4.18
- 4.32 (2H,m), 4.42 (1H,dt,J=5.5,7.5Hz), 4.98 (1
H,t,J=5.5Hz), 5.09(2H,s), 5.10 (1H,d,J=12.0Hz), 5.
15 (1H,d,J=12.0Hz), 6.63 (1H,t,J=5.0Hz), 7.11(1H,
d,J=7.5Hz), 7.26 - 7.41 (10H,m)
【0143】実施例57 N-Z-N'-{γ-メチル-N-[(2S,3
S)-3-トランス-メトキシカルボニルオキシラン-2-カル
ボニル]-L-グルタミル}-1,4-ジアミノブタン 化合物54 (585 mg) をメタノ−ル (60 ml) に溶解
し、氷冷下 1N 水酸化ナトリウム水 (500μl) を加え、
氷冷下1時間撹拌した。反応液を濃縮後、水を加え pH
2.5 に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー (50 ml) に付し、ヘキサ
ン中酢酸エチルを順次添加した溶離液で溶出し、80%-10
0%(v/v) 酢酸エチル溶出画分より、標記化合物 (化合物
55;338 mg) を白色粉末として得た (収率 69%)。1 H NMR δppm (DMSO-d6) 1.30 - 1.46 (4H,m), 1.70 - 2.01 (2H,m), 2.30 (2H,
t,J=7.5Hz), 2.90 - 3.12 (4H,m), 3.58 (3H,s), 3.65
(1H,d,J=2.0Hz), 3.72 (4H,m), 4.26 (1H,ddd,J=6.0,8.
0,8.0Hz), 5.00 (2H,s), 7.24 (1H,t,J=5.5Hz), 7.26 -
7.42 (5H,m), 8.07 (1H,t,J=5.5Hz), 8.61 (1H,d,J=8.
0Hz)
【0144】実施例58 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン・1/2硫酸塩 化合物1(500 mg) をエタノ−ル (20 ml) に溶解後、濃
硫酸 (115μl) を加え、70 分間還流した。反応液を氷
冷水に加え、pH 5.7 に調整後、CM−セファデックス
C−25 (Na型、50 ml) のカラムクロマトグラフィ
−に付し、0.03M硫酸ナトリウム水で溶出した。溶出液
をダイヤイオンHP−20 (30 ml) を用いて脱塩し、
標記化合物 (化合物56;503 mg) を白色粉末として得
た (収率 82%)。 〔α〕D + 54゜ (c 0.53, H2O, 20℃) 元素分析値 C19H27N3O5・1/2H2SO4・H2O として 計算値 C; 51.34, H; 6.80, N; 9.45, S; 3.61 実験値 C; 51.60, H; 6.80, N; 9.34, S; 3.661 H NMR δppm (D2O) 1.29 (3H,t,J=7.0Hz), 1.36 - 1.57 (4H,m), 2.86 - 3.
23 (6H,m), 3.47 (1H,d,J=2.0Hz), 3.72 (1H,d,J=2.0H
z), 4.27 (2H,q,J=7.0Hz), 4.57 (1H,t,J=8.0Hz), 7.23
- 7.44 (5H,m)
【0145】実施例59 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン・オクタンスルホン
酸塩 実施例58と同様に化合物1(309 mg) をエステル化
し、CM−セファデックスC−25 (Na型、20 ml)
のカラムクロマトグラフィ−に付し、0.2M 食塩水で溶
出した。溶出液をダイヤイオンHP−20 (15 ml) を
用いて脱塩し、N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカ
ルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ル}-1,4-ジアミノブタン・一塩酸塩 (315 mg) を得た
(収率 88%)。得られた化合物 (105 mg)を、アンバ−ラ
イトIRA−402 (オクタンスルホン酸型、5 ml) を
充填したカラムを通過させ、水 (10 ml) で洗浄した。
通過液と水洗液を合わせ、濃縮後、凍結乾燥して標記化
合物 (化合物57;127 mg) を白色粉末として得た。 〔α〕D + 40゜(c 0.67, MeOH, 24℃) 元素分析値 C19H27N3O5・C8H17SO3H・0.5H2O として 計算値 C; 55.84, H; 7.98, N; 7.24, S; 5.52 実験値 C; 55.66, H; 7.98, N; 7.19, S; 5.511 H NMR δppm (D2O) 0.87 (3H,t,J=7.0Hz), 1.30 (3H,t,J=7.0Hz), 1.22 -
1.60 (14H,m), 1.66 -1.80 (2H,m), 2.85 - 3.25 (8H,
m), 3.49 (1H,d,J=2.0Hz), 3.74 (1H,d,J=2.0Hz), 4.29
(2H,q,J=7.0Hz), 4.58 (1H,t,J=8.0Hz), 7.24 - 7.46
(5H,m)
【0146】実施例60 N-{O-ベンジル-N-[(2S,3S)-3
-トランス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニ
ル]-L-チロシル}モルホリン 実施例5と同様に モルホリン (1.41 ml) と Boc-L-Tyr
(Bzl)-OH (6.00 g, ペプチド研究所製) とを縮合し N-
(O-ベンジル-Boc-L-チロシル)モルホリン (8.10g) を白
色粉末として得た (収率 定量的)。Boc 基を TFA で脱
保護後、参考例8の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・
トランス-エポキシスクシネート (2.76 g) と縮合し、
標記化合物 (化合物58; 6.14 g) を白色粉末として得
た (収率 81%)。 〔α〕D + 39゜ (c 0.58, CHCl3, 24℃) 元素分析値 C26H30N2O7・0.7H2O として 計算値 C; 63.07, H; 6.39, N; 5.66 実測値 C; 63.04, H; 6.00, N; 5.781 H NMR δppm (CDCl3) 1.31 (3H,t,J=7.1Hz), 2.91 (2H,d,J=7.3Hz), 2.98 (1
H,ddd,J=3.0,6.5,13.3Hz), 3.05 (1H,ddd,J=2.9,6.6,1
1.6Hz), 3.31 (1H,ddd,J=3.1,6.7,13.4Hz), 3.37(1H,d,
J=1.8Hz), 3.45 (1H,ddd,J=2.9,6.4,11.4Hz), 3.50 (1
H,m), 3.55 (2H,t,J=4.3Hz), 3.60 (1H,m), 3.64 (1H,
d,J=1.8Hz), 4.25 (2H,m), 5.05 (1H,m), 5.06 (2H,s),
6.91 (2H,d,J=8.6Hz), 6.95 (1H,d,J=8.8Hz), 7.07 (2
H,d,J=8.6Hz), 7.40 (5H,m)
【0147】実施例61 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-チロ
シル}モルホリン 化合物58 (5.98 g) をエタノール (200 ml) に溶解
後、パラジウム活性炭素[10%(w/w), 600 mg] を加え、
水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。触媒を濾去し、
濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (500 m
l) に付し、クロロホルム中メタノールを順次添加した
溶出液で展開し、2%(v/v) メタノール溶出画分から標記
化合物 (化合物59; 4.04 g) を白色粉末として得た
(収率 83%)。〔α〕D + 44゜ (c 0.55, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C19H24N2O7・0.27CHCl3 として 計算値 C; 54.50, H; 5.76, N; 6.60 実測値 C; 54.44, H; 5.63, N; 6.641 H NMR δppm (CDCl3) 1.31 (3H,t,J=7.2Hz), 2.87 (1H,dd,J=6.4,13.5), 2.93
(1H,dd,J=8.0,13.5),3.08 (1H,ddd,J=2.9,6.4,13.0H
z), 3.17 (1H,ddd,J=2.9,6.4,11.3Hz), 3.38 (1H,ddd,J
=2.9,6.4,12.9Hz), 3.39 (1H,d,J=1.8Hz), 3.51 (1H,dd
d,J=2.9,6.5,11.4Hz), 3.57 (2H,m), 3.60 (2H,m), 3.6
6 (1H,d,J=1.8Hz), 4.25 (2H,m), 5.08 (1H,dt,J=8.1,
6.7Hz), 6.49 (1H,s), 6.75 (2H,d,J=8.5Hz), 7.00 (2
H,d,J=8.5Hz), 7.08 (1H,d,J=8.3Hz)
【0148】実施例62 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-チロシル}モル
ホリン・モノナトリウム塩 化合物59 (300 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物60; 233 mg)を白色粉
末として得た (収率 79%)。 〔α〕D + 72゜ (c 0.60, H2O, 25℃) 元素分析値 C17H19N2O7Na・H2O として 計算値 C; 50.50, H; 5.23, N; 6.93, Na; 5.69 実測値 C; 50.68, H; 5.41, N; 7.04, Na; 5.701 H NMR δppm (D2O) 2.93 (1H,dd,J=9.2,13.3Hz), 2.96 (1H,m), 3.03 (1H,d
d,J=6.6,13.4Hz), 3.25 (1H,ddd,J=2.8,5.3,13.4Hz),
3.37 (1H,d,J=2.1Hz), 3.41 (1H,m), 3.44 (2H,m), 3.5
3 (1H,d,J=2.1Hz), 3.58 (2H,m), 3.67 (1H,m), 5.01
(1H,dd,J=6.6,9.2Hz), 6.88 (2H,d,J=8.6Hz), 7.15 (2
H,d,J=8.6Hz)
【0149】実施例63 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-(3,4-
ジヒドロキシフェニル)-L-アラニル}モルホリン 3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-L-アラニン (3.94 g,
東京化成社製) をジオキサン (40 ml)、水 (20 ml) の
混合溶媒に溶解し、氷冷下撹拌しながら、1N 水酸化ナ
トリウム水 (20 ml) およびニ炭酸ジ-tert-ブチル (5.0
5 ml) を加えた後、室温で16時間撹拌した。反応液を
濃縮後、pH 3.0 に調整し、酢酸エチル (100ml x 2) で
抽出した。酢酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー (200 ml) に付し、クロロホルム
中メタノールおよび酢酸を順次添加した溶出液で展開
し、5%メタノール (1% 酢酸含有) 溶出画分を濃縮、ト
ルエンで酢酸を共沸させ、N-Boc-3-(3,4-ジヒドロキシ
フェニル)-L-アラニン (5.41 g) を白色粉末として得た
(収率91%)。この一部 (3.00 g) を実施例5と同様に、
モルホリン (883μl) と縮合し N-[Boc-3-(3,4-ジヒド
ロキシフェニル)-L-アラニル]モルホリン (3.10 g) を
白色粉末として得た (収率 84%)。Boc 基を 4N 塩酸/
酢酸エチル (国産化学社製) で脱保護後、参考例8の
(2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-エポキシス
クシネート(423 mg) と縮合し、標記化合物 (化合物6
1; 626 mg) を白色粉末として得た (収率 58%)。 〔α〕D + 46゜ (c 0.55, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C19H24N2O8 として 計算値 C; 55.88, H; 5.92, N; 6.86 実測値 C; 55.62, H; 6.06, N; 6.591 H NMR δppm (CDCl3) 1.30 (3H,t,J=7.2Hz), 2.85 (2H,d,J=7.2Hz), 3.11 (2
H,m), 3.36 (1H,m), 3.48 (1H,d,J=1.8Hz), 3.52 (3H,
m), 3.61 (2H,m), 3.71 (1H,d,J=1.8Hz), 4.25 (2H,m),
5.07 (1H,dt,J=8.0,7.4Hz), 6.55 (1H,dd,J=2.0,8.1H
z), 6.70 (1H,d,J=1.9Hz), 6.79 (1H,d,J=8.0Hz), 7.33
(1H,d,J=8.2Hz)
【0150】実施例64 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-(3,4-ジヒドロ
キシフェニル)-L-アラニル}モルホリン・モノナトリウ
ム塩 化合物61 (100 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解後、pH 7 に調整、濃縮し、
凍結乾燥した。これを分取液体クロマトグラフィー (カ
ラム; YMC Pack D-ODS-5, 移動相; 7%(v/v) アセトニト
リル/0.01 Mリン酸緩衝液 pH 6.3, 流速; 10 ml/min,
検出; 214 nm) に付し、主ピークを集め、濃縮した。濃
縮液をHP−20 (10 ml) のカラムクロマトグラフィ
ーに付し、水 (20 ml) で洗浄後、さらに水 (20 ml) で
溶出した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥して標記化合物
(化合物62; 26.0 mg) を白色粉末として得た (収率 2
6%)。1 H NMR δppm (D2O) 2.83 (1H,m), 2.84 (1H,dd,J=9.7,13.2Hz), 2.99 (1H,d
d,J=6.2,13.1Hz), 3.26 (1H,m), 3.37 (1H,d,J=2.0Hz),
3.40 (3H,m), 3.53 (1H,d,J=2.1Hz), 3.63 (4H,m), 4.
98 (1H,dd,J=6.2,9.7Hz), 6.68 (1H,dd,J=2.1,8.1Hz),
6.76 (1H,d,J=2.0Hz), 6.87 (1H,d,J=8.1Hz) 実施例65 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカル
ボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルグリシル}
モルホリン 実施例5と同様に モルホリン (1.04 ml) と Boc-L-フ
ェニルグリシン (3.00g, 国産化学社製) とを縮合し N-
(Boc-L-フェニルグリシル)モルホリン (3.36 g) を白色
粉末として得た (収率 88%)。Boc 基を TFA で脱保護
後、参考例8の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トラ
ンス-エポキシスクシネート (486 mg) と縮合し、標記
化合物 (化合物63; 940 mg) を白色粉末として得た
(収率 85%)。 〔α〕D + 171゜ (c 0.62, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C18H22N2O6・0.2H2O として 計算値 C; 59.07, H; 6.17, N; 7.65 実測値 C; 59.11, H; 6.02, N; 7.211 H NMR δppm (CDCl3) 1.28 (3H,t,J=7.1Hz), 3.10 (1H,ddd,J=3.0,7.1,11.4H
z), 3.23 (1H,ddd,J=2.9,5.9,13.3Hz), 3.35 (1H,d,J=
1.8Hz), 3.41 (1H,ddd,J=3.0,7.1,13.3Hz), 3.52(1H,dd
d,J=3.0,6.0,11.4Hz), 3.57 (2H,m), 3.66 (1H,d,J=1.8
Hz), 3.72 (2H,m), 4.22 (2H,m), 5.78 (1H,d,J=7.3H
z), 7.36 (5H,m), 7.63 (1H,d,J=7.2Hz)
【0151】実施例66 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルグリ
シル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物63 (250 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物64; 222 mg)を白色粉
末として得た (収率 90%)。 〔α〕D + 144゜ (c 0.59, H2O, 25℃) 元素分析値 C16H17N2O6Na・0.5H2O として 計算値 C; 52.61, H; 4.97, N; 7.67, Na; 6.29 実測値 C; 52.68, H; 5.21, N; 7.93, Na; 6.311 H NMR δppm (D2O) 3.19 (1H,m), 3.39 (1H,m), 3.43 (1H,d,J=2.1Hz), 3.5
8 (1H,d,J=2.0Hz), 3.60 (4H,m), 3.74 (2H,m), 5.90
(1H,s), 7.44 (5H,m) 実施例67 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカル
ボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-ホモフェニルアラ
ニル}モルホリン 実施例5と同様に モルホリン (280 μl) と Boc-L-ホ
モフェニルアラニン (900 mg, バッケム社製、スイス)
とを縮合し N-(Boc-L-ホモフェニルアラニル)モルホリ
ン (1.06 g) を白色粉末として得た (収率 95%)。Boc
基を 4N 塩酸/酢酸エチル で脱保護後、参考例8の (2
S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-エポキシスク
シネート (338 mg) と縮合し、標記化合物 (化合物6
5; 630 mg)を白色粉末として得た (収率 77%)。 〔α〕D + 53゜ (c 0.75, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C20H26N2O6 として 計算値 C; 61.53, H; 6.71, N; 7.17 実測値 C; 61.28, H; 6.84, N; 7.021 H NMR δppm (CDCl3) 1.33 (3H,t,J=7.2Hz), 1.92 (1H,dt,J=14.2,7.4Hz), 2.
04 (1H,ddd,J=4.3,7.8,14.2Hz), 2.62 (2H,dt,J=1.5,7.
6Hz), 3.22 (1H,ddd,J=3.8,6.0,13.5Hz), 3.34(1H,ddd,
J=3.9,5.7,12.6Hz), 3.59 (6H,m), 3.66 (1H,d,J=1.9H
z), 4.27 (2H,m), 4.91 (1H,dt,J=4.3,8.0Hz), 7.01 (1
H,d,J=8.1Hz), 7.25 (5H,m)
【0152】実施例68 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-ホモフェニル
アラニル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物65 (100 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物66; 94.9 mg)を白色粉
末として得た (収率 96%)。 〔α〕D + 35゜ (c 0.56, H2O, 26℃) 元素分析値 C18H21N2O6Na・1.2H2O として 計算値 C; 53.25, H; 5.81, N; 6.90, Na; 5.66 実測値 C; 53.25, H; 5.82, N; 7.08, Na; 5.861 H NMR δppm (D2O) 2.04 (2H,m), 2.65 (1H,dt,J=14.4,7.3Hz), 2.80 (1H,d
t,J=14.2,6.7Hz), 3.27 (1H,dt,J=13.9,5.0Hz), 3.37
(1H,dt,J=13.5,4.7Hz), 3.40 (1H,d,J=2.0Hz),3.52 (2
H,m), 3.55 (1H,d,J=2.0Hz), 3.63 (2H,t,J=4.8Hz), 3.
68 (2H,t,J=4.9Hz), 4.65 (1H,dd,J=5.0,8.7Hz), 7.33
(5H,m) 実施例69 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカル
ボニルオキシラン-2-カルボニル]-p-クロロ-L-フェニル
アラニル}モルホリン 実施例5と同様に モルホリン (257 μl) と Boc-p-ク
ロロ-L-フェニルアラニン (800 mg, バッケム社製、ス
イス) とを縮合し N-(Boc-p-クロロ-L-フェニルアラニ
ル)モルホリン (913 mg) を無色油状物として得た (収
率 93%)。Boc 基を4N 塩酸/酢酸エチル で脱保護後、
参考例8の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-
エポキシスクシネート (238 mg) と縮合し、標記化合物
(化合物67; 357 mg) を白色粉末として得た (収率 58
%)。 〔α〕D + 43゜ (c 0.51, CHCl3, 24℃) 元素分析値 C19H23N2O6Cl・0.5H2O として 計算値 C; 54.35, H; 5.76, N; 6.67, Cl; 8.44 実測値 C; 54.51, H; 5.59, N; 6.78, Cl; 8.591 H NMR δppm (CDCl3) 1.32(3H,t,J=7.1Hz), 2.92(1H,dd,J=6.1,13.3Hz), 2.99
(1H,dd,J=6.1,13.3Hz),3.08(1H,ddd,J=3.0,6.7,13.1H
z), 3.20(1H,ddd,J=3.0,6.4,11.5Hz), 3.31(1H,d,J=1.9
Hz), 3.39(1H,ddd,J=3.0,6.4,13.1Hz), 3.57(5H,m), 3.
63(1H,d,J=1.9Hz), 4.26(2H,m), 5.09(1H,dt,J=6.2,8.2
Hz), 6.96(1H,br d,J=8.2Hz), 7.10(2H,d,J=8.4Hz), 7.
29(2H,d,J=8.4Hz)
【0153】実施例70 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-p-クロロ-L-フェ
ニルアラニル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物67 (100 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物68; 92 mg)を白色粉末
として得た (収率 93%)。 〔α〕D + 66゜ (c 0.47, H2O, 24℃) 元素分析値 C17H18N2O6ClNa・1.5H2O として 計算値 C; 47.29, H; 4.90, N; 6.49, Cl; 8.21, Na;
5.32 実測値 C; 47.51, H; 5.07, N; 6.24, Cl; 7.86, Na;
5.411 H NMR δppm (D2O) 3.06(3H,m), 3.24(1H,ddd,J=2.8,6.0,13.6Hz), 3.36(1
H,d,J=2.0Hz), 3.52(4H,m), 3.54(1H,d,J=2.0Hz), 3.65
(2H,m), 5.07(1H,dd,J=7.2,8.4Hz), 7.25(2H,d,J=8.4H
z), 7.42(2H,d,J=8.4Hz)
【0154】実施例71 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-p-フル
オロ-L-フェニルアラニル}モルホリン 実施例5と同様に モルホリン (278 μl) と Boc-p-フ
ルオロ-L-フェニルアラニン (900 mg, バッケム社製、
スイス) とを縮合し N-(Boc-p-フルオロ-L-フェニルア
ラニル)モルホリン (1.02 g) を白色粉末として得た
(収率 91%)。Boc 基を 4N 塩酸/酢酸エチル で脱保護
後、参考例8の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トラ
ンス-エポキシスクシネート (333 mg) と縮合し、標記
化合物 (化合物69; 520 mg) を白色粉末として得た
(収率 63%)。 〔α〕D + 43゜ (c 0.62, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C19H23N2O6F・0.25H2O として 計算値 C; 57.21, H; 5.94, N; 7.02 実測値 C; 57.23, H; 5.92, N; 6.821 H NMR δppm (CDCl3) 1.32 (3H,t,J=7.2Hz) 2.92 (1H,dd,J=6.1,13.3Hz), 2.9
9 (1H,dd,J=8.2,13.4Hz), 3.05 (1H,ddd,J=3.0,6.7,13.
3Hz), 3.17 (1H,ddd,J=3.0,6.5,11.5Hz), 3.32(1H,d,J=
1.9Hz), 3.37 (1H,ddd,J=2.9,6.5,13.1Hz), 3.51 (1H,
m), 3.57 (4H,m), 3.63 (1H,d,J=1.9Hz), 4.27 (2H,m),
5.08 (1H,dt,J=6.3,8.2Hz), 6.90 (1H,d,J=7.6Hz), 7.
01 (2H,m), 7.13 (2H,m)
【0155】実施例72 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-p-フルオロ-L-フ
ェニルアラニル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物69 (100 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物70; 95.6 mg)を白色粉
末として得た (収率 97%)。 〔α〕D + 67゜ (c 0.56, H2O, 26℃) 元素分析値 C17H18N2O6FNa・0.5H2O として 計算値 C; 51.39, H; 4.82, N; 7.05, F; 4.78, Na;
5.79 実測値 C; 51.31, H; 4.99, N; 7.20, F; 4.82, Na;
5.821 H NMR δppm (D2O) 3.00 (1H,dd,J=8.5,13.3Hz), 3.06 (1H,dd,J=7.0,13.6H
z), 3.10 (1H,ddd,J=2.9,7.1,11.8Hz), 3.26 (1H,ddd,J
=3.0,6.3,13.8Hz), 3.34 (1H,d,J=2.1Hz), 3.50 (4H,
m), 3.52 (1H,d,J=2.1Hz), 3.60 (1H,ddd,J=3.2,6.1,1
1.7Hz), 5.05 (1H,dd,J=7.1,8.4Hz), 7.12 (2H,m), 7.2
6 (2H,m) 実施例73 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカル
ボニルオキシラン-2-カルボニル]-p-ニトロ-L-フェニル
アラニル}モルホリン 実施例5と同様に モルホリン (290μl) と Boc-p-ニト
ロ-L-フェニルアラニン (996 mg, バッケム社製、スイ
ス) とを縮合し N-(Boc-p-ニトロ-L-フェニルアラニル)
モルホリン (1.22 g) を白色粉末として得た (収率 96
%)。Boc 基を 4N 塩酸/酢酸エチル で脱保護後、参考
例8の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-エポ
キシスクシネート (465 mg) と縮合し、標記化合物 (化
合物71;878 mg)を白色粉末として得た (収率 81%)。 〔α〕D + 33゜ (c 0.59, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C19H23N3O8 として 計算値 C; 54.15, H; 5.50, N; 9.97 実験値 C; 54.22, H; 5.51, N; 9.961 H NMR δppm (CDCl3) 1.32 (3H,t,J=7.0Hz), 3.03 (1H,dd,J=6.5,13.5Hz), 3.
12 - 3.27 (1H,m), 3.18 (1H,dd,J=8.5,13.5Hz), 3.26
(1H,d,J=2.0Hz), 3.35 (1H,ddd,J=2.5,6.0,11.0Hz), 3.
42 - 3.75 (6H,m), 3.63 (1H,d,J=2.0Hz), 4.17 - 4.35
(2H,m), 5.17(1H,ddd,J=6.5,8.0,8.0Hz), 6.97 (1H,d,
J=8.0Hz), 7.35 (2H,d,J=9.0Hz), 8.20(2H,d,J=9.0Hz)
【0156】実施例74 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-p-ニトロ-L-フェ
ニルアラニル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物71 (260 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物72、250 mg)を得た
(収率 98%)。 〔α〕D + 54゜ (c 0.51, H2O, 26℃) 元素分析値 C17H18N3O8Na・1.5H2O として 計算値 C; 46.16, H; 4.78, N; 9.50 実験値 C; 46.15, H; 4.57, N; 9.781 H NMR δppm (D2O) 3.20 (2H,d,J=7.5Hz), 3.21 - 3.41 (2H,m), 3.33 (1H,
d,J=2.0Hz), 3.43 - 3.76 (6H,m), 3.53 (1H,d,J=2.0H
z), 5.17 (1H,t,J=7.5Hz), 7.50 (2H,d,J=9.0Hz),8.24
(2H,d,J=9.0Hz)
【0157】実施例75 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-チ
エニル)-L-アラニル}モルホリン 実施例5と同様に モルホリン (319 μl) と Boc-3-(2-
チエニル)-L-アラニン(900 mg, バッケム社製、スイス)
とを縮合し N-[Boc-3-(2-チエニル)-L-アラニル]モル
ホリン (1.13 g) を無色油状物として得た (収率 定量
的)。Boc 基を4N 塩酸/酢酸エチル で脱保護後、参考
例8の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-エポ
キシスクシネート (315 mg) と縮合し、標記化合物 (化
合物73; 563 mg) を白色粉末として得た (収率 75
%)。 〔α〕D + 47゜ (c 0.53, CHCl3, 24℃) 元素分析値 C17H22N2O6S として 計算値 C; 53.39, H; 5.80, N; 7.32, S; 8.38 実測値 C; 53.04, H; 5.69, N; 7.41, S; 8.411 H NMR δppm (CDCl3) 1.32(3H,t,J=7.1Hz), 3.17(1H,dd,J=5.9,14.6Hz), 3.26
(1H,dd,J=7.5,14.6Hz), 3.30(2H,m), 3.44(1H,d,J=1.8H
z), 3.47(1H,m), 3.54-3.70(5H,m), 3.66(1H,d,J=1.8H
z), 4.26(2H,m), 5.11(1H,ddd,J=5.9,7.5,8.0Hz), 6.83
(1H,dd,J=1.2,3.4Hz), 6.96(1H,dd,J=3.4,5.2Hz), 7.04
(1H,br d,J=8.0Hz), 7.20(1H,dd,J=1.2,5.1Hz)
【0158】実施例76 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-チエニル)-
L-アラニル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物73 (114 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物74; 98 mg)を白色粉末
として得た (収率 85%)。 〔α〕D + 57゜ (c 0.50, H2O, 25℃) 元素分析値 C15H17N2O6SNa・0.5H2O として 計算値 C; 46.75, H; 4.71, N; 7.27, S; 8.32, Na;
5.97 実測値 C; 46.60, H; 4.89, N; 7.32, S; 8.48, Na;
5.831 H NMR δppm (D2O) 3.31(2H,d,J=7.4Hz), 3.33(1H,m), 3.40(1H,d,J=2.0H
z), 3.44-3.78(7H,m), 3.55(1H,d,J=2.0Hz), 5.10(1H,
t,J=7.4Hz), 6.98(1H,dd,J=1.2,3.4Hz), 7.05(1H,dd,J=
3.4,5.2Hz), 7.36(1H,dd,J=1.2,5.2Hz)
【0159】実施例77 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-シク
ロヘキシル-L-アラニル}モルホリン 実施例5と同様に モルホリン (210 μl) と Boc-3-シ
クロヘキシル-L-アラニン (590 mg, バッケム社製、ス
イス) とを縮合し N-(Boc-3-シクロヘキシル-L-アラニ
ル)モルホリン (702 mg) を無色油状物として得た (収
率 95%)。Boc 基を4N 塩酸/酢酸エチル で脱保護後、
参考例8の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-
エポキシスクシネート (210 mg) と縮合し、標記化合物
(化合物75; 379 mg) を無色油状物として得た (収率
76%)。 〔α〕D + 42゜ (c 0.57, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C19H30N2O6・0.5H2O として 計算値 C; 58.30, H; 7.98, N; 7.16 実測値 C; 58.70, H; 7.90, N; 6.521 H NMR δppm (CDCl3) 0.96(2H,m), 1.27(4H,m), 1.40(3H,t,J=7.1Hz), 1.55(2
H,m), 1.72(4H,m), 1.99(1H,br d,J=12.1Hz), 3.56(1H,
d,J=1.9Hz), 3.61(2H,m), 3.75(1H,d,J=1.9Hz),3.76(6
H,m), 4.35(2H,m), 5.05(1H,dt,J=8.6,7.1Hz), 7.00(1
H,br d,J=8.6Hz)
【0160】実施例78 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-シクロヘキシ
ル-L-アラニル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物75 (100 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物76; 90 mg)を白色粉末
として得た (収率 91%)。 〔α〕D + 48゜ (c 0.49, H2O, 25℃) 元素分析値 C17H25N2O6Na・H2O として 計算値 C; 51.77, H; 6.90, N; 7.10, Na; 5.83 実測値 C; 51.76, H; 7.16, N; 7.18, Na; 5.971 H NMR δppm (D2O) 0.96(2H,m), 1.20(4H,m), 1.66(7H,m), 3.44(1H,d,J=2.
0Hz), 3.58(1H,d,J=2.0Hz), 3.67(8H,m), 4.90(1H,dd,J
=4.7,10.0Hz)
【0161】実施例79 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-p-メト
キシ-L-フェニルアラニル}モルホリン 化合物59 (392 mg) を DMF (10 ml) に溶解後、炭酸
カリウム (76 mg)、ヨウ化メチル (69 μl) を加え、室
温で14時間撹拌し、さらにヨウ化メチル (280 μl)を
加え、20時間撹拌した。反応液を濃縮後、10% 塩化ア
ンモニウム水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。酢酸
エチル層は、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。これを、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(50 ml) に付し、1%(v/v)メタノール/クロロ
ホルムで溶出後、濃縮し、標記化合物 (化合物77; 10
7 mg) を無色油状物として得た (収率 26%)。1 H NMR δppm (CDCl3) 1.32(3H,t,J=7.2Hz), 2.92(2H,d,J=7.3Hz), 3.03(1H,dd
d,J=3.0,6.5,13.2Hz),3.12(1H,ddd,J=3.0,6.5,11.4Hz),
3.34(1H,d,J=1.9Hz), 3.35(1H,ddd,J=3.1,6.5,13.2H
z), 3.44(1H,ddd,J=3.0,6.5,11.4Hz), 3.58(4H,m), 3.6
3(1H,d,J=1.9Hz), 3.80(3H,s), 4.26(2H,m), 5.06(1H,d
t,J=8.0,7.4Hz), 6.84(2H,d,J=8.7Hz), 6.92(1H,d,J=8.
1Hz), 7.07(2H,d,J=8.7Hz)
【0162】実施例80 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-p-メトキシ-L-フ
ェニルアラニル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物77 (105 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物78; 93 mg)を白色粉末
として得た (収率 90%)。 〔α〕D + 70゜ (c 0.51, H2O, 25℃) 元素分析値 C18H21N2O7Na・0.5H2O として 計算値 C; 52.81, H; 5.42, N; 6.84 実測値 C; 52.72, H; 5.66, N; 7.011 H NMR δppm (D2O) 2.96(2H,m), 3.04(1H,dd,J=6.5,13.3Hz), 3.23(1H,m),
3.35(1H,d,J=2.0Hz),3.44(3H,m), 3.52(1H,d,J=2.0Hz),
3.56(2H,m), 3.65(1H,m), 3.82(3H,s), 5.01(1H,dd,J=
6.9,9.0Hz), 6.98(2H,d,J=8.6Hz), 7.21(2H,d,J=8.6Hz)
【0163】実施例81 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-(1-ナ
フチル)-L-アラニル}モルホリン 実施例5と同様に モルホリン (275μl) と Boc-3-(1-
ナフチル)-L-アラニン(970 mg, バッケム社製、スイス)
とを縮合し N-[Boc-3-(1-ナフチル)-L-アラニル]モル
ホリン (1.18 g) を白色粉末として得た (収率 定量
的)。Boc 基を TFAで脱保護後、参考例8の (2S,3S)-エ
チル・ハイドロゲン・トランス-エポキシスクシネート
(620 mg) と縮合し、標記化合物 (化合物79; 1.09 g)
を白色粉末として得た (収率 75%)。 〔α〕D + 48゜ (c 0.60, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C23H26N2O6 として 計算値 C; 64.78, H; 6.14, N; 6.57 実験値 C; 64.88, H; 6.25, N; 6.641 H NMR δppm (CDCl3) 1.33 (3H,t,J=7.0Hz), 2.09 (1H,ddd,J=3.0,8.0,11.5H
z), 2.28 (1H,ddd,J=3.0,5.5,13.0Hz), 2.84 (1H,ddd,J
=3.0,8.0,13.0Hz), 2.99 (1H,ddd,J=3.0,5.5,11.5Hz),
3.02 - 3.13 (1H,m), 3.21 - 3.35 (1H,m), 3.27 (1H,d
d,J=10.5,13.0Hz), 3.41 - 3.54 (2H,m), 3.47 (1H,d,J
=2.0Hz), 3.65 (1H,dd,J=5.0,13.0Hz), 3.69 (1H,d,J=
2.0Hz), 4.19 - 4.37 (2H,m), 5.31 (1H,ddd,J=5.0,7.
5,10.5Hz),7.18 (1H,d,J=7.5Hz), 7.33 (1H,dd,J=1.0,
7.5Hz), 7.41 (1H,t,J=7.5Hz), 7.52(1H,ddd,J=1.0,7.
0,8.0Hz), 7.61 (1H,ddd,J=1.5,7.0,8.5Hz), 7.81 (1H,
d,J=8.0Hz), 7.87 (1H,dd,J=1.0,8.0Hz), 8.24 (1H,d,J
=8.5Hz)
【0164】実施例82 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-(1-ナフチル)-
L-アラニル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物79 (332 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物80、309 mg)を得た
(収率 94%)。 〔α〕D + 94゜ (c 0.59, H2O, 26℃) 元素分析値 C21H21N2O6Na・1.5H2O として 計算値 C; 56.37, H; 5.41, N; 6.26 実験値 C; 56.40, H; 5.28, N; 6.511 H NMR δppm (D2O) 1.99 (1H,ddd,J=3.0,8.5,11.5Hz), 2.56 - 2.71 (1H,
m), 2.85 (1H,ddd,J=3.0,8.5,11.5Hz), 2.94 - 3.23 (3
H,m), 3.31 - 3.66 (4H,m), 3.41 (1H,d,J=2.0Hz),3.59
(1H,d,J=2.0Hz), 5.18 (1H,dd,J=5.5,10.5Hz), 7.38
(1H,d,J=7.0Hz), 7.50 (1H,t,J=7.5Hz), 7.54 - 7.69
(2H,m), 7.90 (1H,d,J=8.0Hz), 7.98 (1H,dd,J=2.0,7.5
Hz), 8.08 (1H,d,J=8.0Hz)
【0165】実施例83 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナ
フチル)-L-アラニル}モルホリン 実施例5と同様に モルホリン (275 μl) と Boc-3-(2-
ナフチル)-L-アラニン(900 mg, バッケム社製、スイス)
とを縮合し N-[Boc-3-(2-ナフチル)-L-アラニル]モル
ホリン (1.10 g) を白色粉末として得た (収率 定量
的)。Boc 基を トリフルオロ酢酸で脱保護後、参考例8
の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス-エポキシ
スクシネート (312 mg) と縮合し、標記化合物 (化合物
81; 695mg) を白色粉末として得た (収率 84%)。 〔α〕D + 47゜ (c 0.53, CHCl3, 24℃) 元素分析値 C23H26N2O6・0.5H2O として 計算値 C; 63.44, H; 6.25, N; 6.43 実測値 C; 63.90, H; 6.16, N; 6.271 H NMR δppm (CDCl3) 1.29(3H,t,J=7.1Hz), 2.83(1H,ddd,J=3.0,6.7,11.3Hz),
2.95(1H,ddd,J=3.0,6.9,13.9Hz), 3.14(2H,br d,J=7.6
Hz), 3.32(1H,d,J=1.9Hz), 3.35(3H,m), 3.56(3H,m),
3.64(1H,d,J=1.9Hz), 4.23(2H,m), 5.19(1H,dt,J=6.9,
8.2Hz), 7.04(1H,br d,J=8.2Hz), 7.29(1H,dd,J=1.7,8.
4Hz), 7.48(2H,m), 7.61(1H,br s), 7.80(3H,m)
【0166】実施例84 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナフチル)-
L-アラニル}モルホリン・モノナトリウム塩 化合物81 (100 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物82; 96 mg)を白色粉末
として得た (収率 97%)。 〔α〕D + 78゜ (c 0.47, H2O, 24℃) 元素分析値 C21H21N2O6Na・1.5H2O として 計算値 C; 56.37, H; 5.41, N; 6.26, Na; 5.14 実測値 C; 56.22, H; 5.59, N; 6.07, Na; 5.171 H NMR δppm (D2O) 2.55(1H,m), 3.15(4H,m), 3.35(3H,m), 3.38(1H,d,J=2.
0Hz), 3.52(2H,m), 3.55(1H,d,J=2.0Hz), 5.08(1H,dd,J
=6.7,9.2Hz), 7.39(1H,dd,J=1.5,8.5Hz), 7.57(2H,m),
7.72(1H,br s), 7.92(3H,m)
【0167】実施例85 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル}チオモルホリン 実施例20と同様に N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニン (1.00 g) とチオモルホリン (350 μl, 東京化成
社製) を縮合し、標記化合物 (化合物83;1.00 g) を
白色粉末として得た (収率 78%)。 〔α〕D + 53゜ (c 0.57, CHCl3, 24℃) 元素分析値 C19H24N2O5S・0.5H2O として 計算値 C; 56.84, H; 6.28, N; 6.98, S; 7.99 実験値 C; 57.03, H; 5.99, N; 7.04, S; 8.441 H NMR δppm (CDCl3) 1.31 (3H,t,J=7.0Hz), 1.96 (1H,ddd,J=2.5,7.5,13.5H
z), 2.36 - 2.65 (3H,m), 2.94 (1H,dd,J=6.0,13.0Hz),
3.02 (1H,dd,J=8.5,13.0Hz), 3.33 (1H,d,J=2.0Hz),
3.43 (1H,ddd,J=2.5,7.5,14.0Hz), 3.57 (1H,ddd,J=2.
5,7.5,14.0Hz), 3.63 (1H,d,J=2.0Hz), 3.82 (2H,t,J=
5.0Hz), 4.16 - 4.34 (2H,m), 5.12 (1H,ddd,J=6.0,8.
5,8.5Hz), 7.01 (1H,d,J=8.5Hz), 7.10 - 7.37 (5H,m)
【0168】実施例86 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニル}チオモルホリン・モノナトリウム塩 化合物83 (220 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物84; 133 mg)を得た
(収率 62%)。 〔α〕D + 58゜ (c 0.57, H2O, 24℃) 元素分析値 C17H19N2O5SNa・H2O として 計算値 C; 50.49, H; 5.23, N; 6.93 実験値 C; 50.70, H; 5.35, N; 7.001 H NMR δppm (D2O) 1.90 - 2.03 (1H,m), 2.42 - 2.68 (3H,m), 3.07 (2H,
d,J=7.5Hz), 3.35 (1H,d,J=2.0Hz), 3.53 (1H,d,J=2.0H
z), 3.56 - 3.88 (4H,m), 5.09 (1H,t,J=7.5Hz), 7.23
- 7.48 (5H,m)
【0169】実施例87 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-n-プロピルカルバモイルオキシラン-2-カルボニ
ル]-L-フェニルアラニル}-1,4-ジアミノブタン 化合物6 (300 mg) を DMF (10 ml) に懸濁後、氷冷下
で n-プロピルアミン (56μl, 和光純薬工業社製),HOB
T(92 mg), WSC(131 mg)を加えた後、室温で15時間撹
拌した。反応液を濃縮乾固し、酢酸エチル(150 ml)を加
え、10%クエン酸水、3%炭酸水素ナトリウム水、飽
和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、濃縮乾固して得られた残渣にエ−テルを加え、生じ
た析出物を濾取し、標記化合物 (化合物85; 303 mg)
を得た (収率 93%)。 〔α〕D + 37゜ (c 0.63, DMF, 24℃) 元素分析値 C28H36N4O6・0.5H2O として 計算値 C; 63.02, H; 6.99, N; 10.50 実験値 C; 63.01, H; 6.99, N; 10.501 H NMR δppm (DMSO-d6) 0.83 (3H,t,J=7.5Hz), 1.34 (4H,m), 1.42 (2H,m), 2.7
9 (1H,dd,J=9.5,13.5Hz), 2.90 - 3.12 (7H,m), 3.37
(1H,d,J=1.5Hz), 3.55 (1H,d,J=1.5Hz), 4.49 (1H,m),
5.00 (2H,s), 7.14 - 7.40 (11H,m), 8.11 (1H,t,J=5.5
Hz), 8.31 (1H,t,J=5.5Hz), 8.72 (1H,d,J=8.5Hz)
【0170】実施例88 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル}-3-アミノ-1-プロペン 実施例20と同様に N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニン (600 mg) と 3-アミノ-1-プロペン・塩酸塩(201 m
g,和光純薬社製) を縮合し、標記化合物 (化合物86;
481 mg) を白色粉末として得た (収率 71%)。 〔α〕D + 23゜ (c 0.51, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C18H22N2O5・0.1H2O として 計算値 C; 62.09, H; 6.43, N; 8.05 実験値 C; 62.01, H; 6.38, N; 8.071 H NMR δppm (CDCl3) 1.30(3H,t,J=7.2Hz), 3.02(1H,dd,J=7.7,13.7Hz), 3.09
(1H,dd,J=8.0,13.8Hz), 3.10(1H,d,J=1.9Hz), 3.62(1H,
d,J=1.9Hz), 3.81(2H,m), 4.24(2H,m), 4.57(1H,dt,J=
8.0,7.6Hz), 5.08(2H,m), 5.69(1H,ddt,J=10.4,17.0,5.
7Hz), 5.78(1H,t,J=4.7Hz), 6.67(1H,d,J=8.0Hz), 7.18
(2H,m), 7.30(3H,m) 実施例89 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオ
キシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル}-3-アミ
ノ-1-プロペン・モノナトリウム塩 化合物86 (100 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物87; 96 mg)を得た (収
率 98%)。 〔α〕D + 43゜ (c 0.52, H2O, 25℃) 元素分析値 C16H17N2O5Na・1.5H2O として 計算値 C; 52.32, H; 5.49, N; 7.63 実験値 C; 52.38, H; 5.44, N; 7.811 H NMR δppm (D2O) 3.01(1H,dd,J=8.6,13.8Hz), 3.16(1H,d,J=2.1Hz), 3.18
(1H,dd,6.9,13.8Hz),3.48(1H,d,J=2.2Hz), 3.73(2H,dt,
J=4.9,1.6Hz), 4.61(1H,dd,J=7.0,8.5Hz), 5.02(1H,dd,
J=1.5,17.2Hz), 5.07(1H,dd,J=1.5,10.5Hz), 5.73(1H,d
dt,J=10.3,17.2,5.1Hz), 7.33(5H,m)
【0171】実施例90 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-トリ
プトファニル}-1-アミノ-3-メチルブタン 実施例5と同様に 1-アミノ-3-メチルブタン (405 μl)
と Fmoc-Trp-OH (1.35 g, ペプチド研究所製) とを縮
合し N-(Fmoc-L-トリプトファニル)-1-アミノ-3-メチル
ブタン (1.54 g) を白色粉末として得た (収率 98%)。
この一部 (1.44 g) を実施例17と同様に Fmoc 基を脱
保護後、参考例8の (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・
トランス-エポキシスクシネート (432 mg) と縮合し、
標記化合物(化合物88; 734 mg) を白色粉末として得
た (収率 72%)。 〔α〕D + 31゜ (c 0.53, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C22H29N3O5・0.15CHCl3 として 計算値 C; 61.38, H; 6.78, N; 9.70 実験値 C; 61.55, H; 6.88, N; 9.781 H NMR δppm (CDCl3) 0.81(3H,d,J=6.6Hz), 0.81(3H,d,J=6.6Hz), 1.13(2H,q,
J=7.3Hz), 1.30(3H,t,J=7.2Hz), 1.37(1H,m), 3.12(3H,
m), 3.16(1H,d,J=1.9Hz), 3.25(1H,ddd,J=0.6,6.0,14.4
Hz), 3.62(1H,d,J=1.9Hz), 4.23(2H,m), 4.63(1H,dt,J=
6.0,8.1Hz), 5.50(1H,t,J=5.6Hz), 6.86(1H,d,J=7.7H
z), 7.04(1H,d,J=2.4Hz), 7.16(1H,ddd,J=1.1,7.1,7.8H
z), 7.23(1H,ddd,J=1.3,7.1,8.1Hz), 7.38(1H,dd,J=1.
1,7.8Hz), 7.67(1H,dd,J=0.9,7.8Hz), 8.18(1H,br s) 実施例91 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオ
キシラン-2-カルボニル]-L-トリプトファニル}-1-アミ
ノ-3-メチルブタン・モノナトリウム塩 化合物88 (200 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍
結乾燥し、標記化合物 (化合物89; 181 mg)を得た
(収率 92%)。 〔α〕D + 59゜ (c 0.56, H2O, 25℃) 元素分析値 C20H24N3O5Na・1.5H2O として 計算値 C; 55.04, H; 6.24, N; 9.63, Na; 5.27 実験値 C; 55.15, H; 6.34, N; 9.71, Na; 5.371 H NMR δppm (D2O) 0.71(6H,d,J=6.2Hz), 1.01(2H,m), 1.10(1H,m), 2.91(1
H,dt,J=13.5,6.8Hz),3.09(1H,dt,J=13.7,6.9Hz), 3.23
(2H,d,J=7.6Hz), 3.25(1H,d,J=2.2Hz), 3.51(1H,d,J=2.
0Hz), 4.57(1H,t,J=7.6Hz), 7.16(1H,ddd,J=1.1,7.0,7.
9Hz), 7.22(1H,s), 7.24(1H,ddd,J=1.1,7.1,8.1Hz), 7.
50(1H,d,J=8.1Hz), 7.64(1H,d,J=7.8Hz)
【0172】実施例92 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナ
フチル)-L-アラニル}-1-アミノ-3-メチルブタン 実施例5と同様に 1-アミノ-3-メチルブタン (128 μl)
と Boc-3-(2-ナフチル)-L-アラニン (315 mg, バッケ
ム社製、スイス) とを縮合し N-[Boc-3-(2-ナフチル)-L
-アラニル]-1-アミノ-3-メチルブタン (374 mg) を白色
粉末として得た (収率 97%)。Boc 基を トリフルオロ酢
酸で脱保護後、参考例8の (2S,3S)-エチル・ハイト゛ロケ゛ン・トランス-
エポキシスクシネート (153 mg) と縮合し、標記化合物
(化合物90; 276 mg) を白色粉末として得た (収率 7
5%)。 〔α〕D + 41゜ (c 0.58, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C24H30N2O5 として 計算値 C; 67.58, H; 7.09, N; 6.57 実験値 C; 67.34, H; 7.07, N; 6.641 H NMR δppm (CDCl3) 0.74(3H,d,J=6.6Hz), 0.76(3H,d,J=6.6Hz), 1.13(2H,
m), 1.27(3H,t,J=7.2Hz), 1.29(1H,m), 3.10(2H,m), 3.
16(1H,d,J=1.8Hz), 3.19(2H,d,J=7.5Hz), 3.63(1H,d,J=
1.9Hz), 4.21(2H,m), 4.63(1H,dt,J=7.8,7.6Hz), 5.57
(1H,t,J=5.5Hz), 6.86(1H,d,J=7.9Hz), 7.32(1H,dd,J=
1.7,8.4Hz), 7.47(2H,m), 7.62(1H,br s), 7.80(3H,m)
【0173】実施例93 N-{N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナフチル)-
L-アラニル}-1-アミノ-3-メチルブタン 化合物90 (100 mg) を実施例27と同様に、エチルエ
ステルをアルカリ加水分解し、pH3に調整後、濃縮、
析出した粉末を濾過後、乾燥し、標記化合物 (化合物9
1; 81 mg) を得た (収率 87%)。 〔α〕D + 65゜ (c 0.61, MeOH, 25℃) 元素分析値 C22H26N2O5・0.8H2O として 計算値 C; 64.00, H; 6.74, N; 6.79 実験値 C; 64.00, H; 6.75, N; 6.901 H NMR δppm (CDCl3) 0.64(3H,d,J=6.5Hz), 0.68(3H,d,J=6.6Hz), 0.99(2H,
m), 1.16(1H,m), 2.94(1H,m), 3.18(3H,m), 3.52(1H,d,
J=1.5Hz), 3.61(1H,d,J=1.5Hz), 4.80(1H,dt,J=7.9,8.0
Hz), 5.73(1H, br s), 6.33(1H,t,J=5.5Hz), 7.29(1H,d
d,J=1.5,8.5Hz),7.45(2H,m), 7.61(1H,br s), 7.76(3H,
m), 8.26(1H,d,J=8.5Hz)
【0174】実施例94 主培養液の調製 ポテト・デキストロ−ス斜面寒天培地に培養したトリコ
デルマ・オ−レオビリデ FL−42547株を2L容
坂口フラスコ内のグルコース2%,可溶性澱粉3%,生
大豆粉1%,コーン・スティープ・リカー0.3%,ペ
プトン0.5%,食塩0.3%,炭酸カルシュウム0.5
%を含む500mlの種培地(pH7.0)に接種し、28
℃、48時間往復振盪機上で培養した。この培養液50
0mlを200リットル容ステンレス・スチール・タンク
内のデキストリン5%,コ−ンスティ−プリカ−3%,
ポリペプトン0.5%,塩化カルシュウム1%,炭酸カ
ルシュウム0.5%(pH7.0)を含む120リット
ルの主培地に移植し、24℃、通気120リットル/
分、撹拌180回転/分、内圧1kg/cm2の条件で5日
間培養し、主培養液を得た。
【0175】実施例95 TAN−1803・一塩酸塩 実施例94で得られた培養液(225L)を濾過助剤(ラジオ
ライト 600,昭和化学工業社製)を用いて濾過し
た。濾液(180L)のpHを7.0に調整後、ダイヤイオンH
P−20(30L)のカラムクロマトグラフィ−に付し、水
(90L)で洗浄後、50%(v/v)メタノ−ル水(150L)で溶出
した。溶出液を減圧下50Lまで濃縮し、アンバ−ライ
トIRC−50(H型,14L)を充填したカラムを通過さ
せ、水(42L)で洗浄後、1M食塩水(70L)で溶出した。溶
出液のpHを7.0に調整後、ダイヤイオンHP−20
(30L)のカラムクロマトグラフィ−に付し、水(90L)で洗
浄後、50%(v/v)メタノ−ル/0.01M塩酸(90L)で
溶出した。溶出液のpHを7.0に調整後、減圧下濃縮
し、ダイヤイオンHP−20(100 - 200 メッシュ,500
ml)のカラムクロマトグラフィ−に付し、水(1.5L)で洗
浄後、50%(v/v)メタノ−ル水(1.0L)で溶出した。溶
出液を濃縮し,CM−セファデックス C−25(Na
型,200ml)を充填したカラムを通過させ、水(600ml)で
洗浄後、0.05M食塩水で溶出分画した。分析用HP
LCで単一ピ−クを与える画分を集めて、ダイヤイオン
HP−20(100 - 200 メッシュ,150ml)を用いて脱塩
した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥してN-{N-[(2S,3S)-3-
トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-ロイ
シル}-N-(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン (T
AN−1803・一塩酸塩)(化合物92;880 mg)を得
た。 1)外観:白色粉末 2)比旋光度:+20゜(c 0.53, 0.1N 塩酸,24゜C) 3)分子量:m/z 373 (M + H)+,(SI−マススペク
トル) 4)元素分析値:(%)(水分1モルとして計算) 実測値;C, 47.33; H, 8.23; N, 13.53; Cl, 9.16 計算値;C, 47.83; H, 8.26; N, 13.12; Cl, 8.30 5)分子式:C17H32N4O5・HCl 6)UVスペクトル:水中 末端吸収 7)IRスペクトル:KBr 錠剤中,主な吸収を示す(波
数,cm-1)。〔図13〕3430, 3260, 3060, 2960, 163
0, 1470, 1390, 900, 760 8)13C NMR スペクトル:75 Mz, 重水中,δppm,TA
N−1803は重水中,2種のコンフォ−マ−の混合物
として存在するので,主コンフォ−マ−のシグナルを示
す。〔図14〕177.1 (Q), 176.6 (Q), 172.4 (Q), 57.
2 (CH), 55.6 (CH), 51.8 (CH),50.3 (CH2), 45.9 (C
H2), 42.5 (CH2), 42.1 (CH2), 39.8 (CH2),28.1 (C
H2), 27.9 (CH2), 27.4 (CH), 27.0 (CH2), 25.3 (C
H3), 23.3(CH3) 9) 呈色反応:陽性;ニンヒドリン,ペプタイド,リン
モリブデン酸反応 陰性;坂口,エ−ルリッヒ反応 10) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack A-312, ODS 移動相;5%(V/V)アセトニトリル/0.01Mリン酸緩
衝液(pH3.0) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;3.9分 11) 薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体;シリカゲル60F254(メルク社製,ドイツ) 展開溶媒(容量比);n-ブタノ−ル:酢酸:水(2:1:
1) Rf値;0.19
【0176】実施例96 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル〕-L
-ロイシル}-N'-(Z-3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブ
タン3-アミノ-1-プロパノールおよび1,4-ジアミノブタ
ンを用い特開昭57-192347号公報記載の方法に準じて製
造した、N-Z-N'-(Z-3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブ
タン(1.15 g)をDMF(30 ml)に懸濁後、氷冷下でトリエチ
ルアミン(427μl),Boc-L-Leu-OH・H2O(763 mg,ペプチ
ド研究所製),HOBT(413 mg), WSC(587 mg)を加えた後、
室温で12時間撹拌した。反応液を濃縮乾固し、酢酸エ
チル(200 ml)を加え、10%クエン酸水、2%炭酸水素
ナトリウム水、飽和食塩水でそれぞれ洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。さらに、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー〔キーゼルゲル(Kieselgel) 60, イー・
メルク(E. Merck)社製, 独, 120 ml〕に付し、ヘキサ
ン中酢酸エチルを順次添加した溶離液で溶出し、50〜60
%(V/V)酢酸エチル溶出画分より、N-(Boc-L-ロイシル)-N
-(Z-3-アミノプロピル)-N'-Z-1,4-ジアミノブタン (1.4
0 g) を得た(収率81%)。得られた化合物(1.38 g)に、TF
A(14 ml)を加え、1時間放置した。反応液に酢酸エチル
(200 ml)を加え、2%炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩
水で順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮
乾固してN-(L-ロイシル)-N-(Z-3-アミノプロピル)-N'-Z
-1,4-ジアミノブタン(1.09 g)を得た(収率94%)。この化
合物(1.06 g)をジクロロメタン(30 ml)に溶解後、氷冷
下、参考例8の(2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トラ
ンス−エポキシスクシネート(356 mg),HOBT(300 mg), W
SC(426 mg)を加え、室温で14時間撹拌した。反応液を
濃縮乾固し、酢酸エチルを加え、10%クエン酸水、2
%炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水で順次洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(60 ml)に付し、ヘキサン中酢酸
エチルを順次添加した溶離液で溶出し、65%(v/v)酢
酸エチル溶出画分から標記化合物(化合物93; 601 mg)
を得た(収率45%)。 〔α〕D 24+18゜ (c 0.50, クロロホルム) 元素分析値 C35H48N4O9・H2O として 計算値 C; 61.21, H; 7.34, N; 8.16 実験値 C; 61.42, H; 7.20, N; 7.991 H NMR δppm (DMSO-d6), 化合物3は DMSO-d6 中,2
種のコンフォ−マ−の混合物として存在する。 0.87 (6H,m), 1.23 (3H,t×2本,J=7.0Hz), 1.23 - 1.85
(9H,m),2.90 - 3.40 (8H,m), 3.59 (1H,d,J=2.0Hz),
3.71 (1H,d×2本,J=2.0Hz),4.17 (2H,m), 4.69 (1H,m),
5.00 (4H,s), 7.15 - 7.40 (12H,m),8.75 (1H,d×2本,
J=7.0Hz)
【0177】実施例97 N-Z-N'-{N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-ロイシ
ル}-N'-(Z-3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン 化合物93 (476 mg)をメタノール(30 ml)に溶解後、氷
冷下 1N 水酸化ナトリウム水(784 μl)を加え、室温で
1.5時間撹拌した。反応液に、1N 塩酸(140μl)を加
え濃縮後、水(50 ml)を加えた。水溶液のpHを2.5
に調整後、酢酸エチル(50 ml)で3回抽出した。有機溶
媒層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、濃縮乾固して標記化合物(化合物94; 450 mg)を得
た(収率99%)。 〔α〕D 24+25゜(c 0.51, メタノール) 元素分析値 C33H44N4O9・0.5H2O として 計算値 C; 61.00, H; 6.98, N; 8.62 実験値 C; 61.15, H; 6.96, N; 8.671 H NMR δppm (DMSO-d6), 化合物94は DMSO-d6 中,
2種のコンフォ−マ−の混合物として存在する。 0.87 (6H,m), 1.20 - 1.85 (9H,m), 2.87 - 3.60 (8H,
m),3.44 (1H,d,J=2.0Hz), 3.64 (1H,d×2本,J=2.0Hz),
4.70 (1H,m),5.00 (4H,s), 7.15 - 7.40 (12H,m), 8.69
(1H,d×2本,J=6.0Hz)
【0178】実施例98 TAN−1803・一塩酸塩 化合物94(343 mg)をメタノール(8 ml)に溶解後、水
(4 ml), 酢酸(31 μl),10%(W/W)パラジウム活性
炭素(34 mg)を加え、室温水素雰囲気下1.5時間撹拌
した。触媒を濾去し、濾液を濃縮後、分取HPLC〔カ
ラム;YMC-Pack,D-ODS-5 (S-5 120A), 移動相;2%(V/
V)アセトニトリル/0.01Mリン酸緩衝液(pH6.
3),流速;10 ml/分〕に付した。分析用HPLCで
TAN−1803の単一ピ−クを与える画分を集め、ア
ンバ−ライトIRA−402(Cl型,100ml)を
充填したカラムを通過させ、水(100ml)で洗浄した。通
過液と水洗液を合わせ濃縮後、ダイヤイオンHP−20
(100 - 200 メッシュ,80ml)を用いて脱塩した。溶出液
を濃縮後、凍結乾燥してTAN−1803・一塩酸塩
(化合物92;107 mg)を得た(収率 49%)。得られた化合
物の物理化学的デ−タは、培養液より得られた化合物の
物理化学的デ−タと一致した。
【0179】製剤例1 実施例7によって得たTAN−1756Aを用いて、下
記に示す処方の全成分を混和し、ゼラチンカプセルに充
填し、カプセル1個当たり、30mgのTAN−175
6Aを含有するカプセル剤を製造した。 TAN−1756A 30mg 乳 糖 100mg コーンスターチ 40mg ステアリン酸マグネシウム 10mg 合 計 180mg
【0180】製剤例2 実施例95により得られたTAN−1803・一塩酸塩
を用いて、下記に示す処方の全成分を混和し、ゼラチン
カプセルに充填し、カプセル1個当たり、30mgのTAN
−1803・一塩酸塩を含有するカプセル剤を製造し
た。 TAN−1803・一塩酸塩 30mg 乳 糖 100mg コーンスターチ 40mgステアリン酸マグネシウム 10mg 合 計 180mg
【0181】
【発明の効果】化合物(I),(XI)および(XXI)ま
たはそれらの塩は、カテプシンLおよびカテプシンB等
のチオールプロテアーゼに対する阻害作用を有し、チオ
ールプロテアーゼに由来する疾患(例、筋ジストロフィ
ー症,空胞型ジスタールミオパチー等)の予防および治
療剤として有用なチオールプロテアーゼ阻害剤として用
いられる。また、チオールプロテアーゼを阻害する物質
は抗炎症作用を有するので、本発明のチオールプロテア
ーゼ阻害剤は、抗炎症剤としても用いられる。さらに、
化合物(I),(XI)および(XXI)またはそれらの塩
は、骨吸収抑制作用を有し、骨粗鬆症,悪性高カルシウ
ム血症,ページェット病等の骨疾患の予防および治療剤
として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TAN−1756AのIRスペクトル
【図2】TAN−1756Aの13C−NMRスペクトル
【図3】TAN−1756BのIRスペクトル
【図4】TAN−1756Bの13C−NMRスペクトル
【図5】TAN−1854A・一塩酸塩のIRスペクト
【図6】TAN−1854A・一塩酸塩の13C−NMR
スペクトル
【図7】TAN−1854B・一塩酸塩のIRスペクト
【図8】TAN−1854B・一塩酸塩の13C−NMR
スペクトル
【図9】TAN−1756C・1/2硫酸塩のIRスペク
トル
【図10】TAN−1756C・1/2硫酸塩の13C−N
MRスペクトル
【図11】TAN−1756D・1/2硫酸塩のIRスペ
クトル
【図12】TAN−1756D・1/2硫酸塩の13C−N
MRスペクトル
【図13】TAN−1803・一塩酸塩のIRスペクト
【図14】TAN−1803・一塩酸塩の13C−NMR
スペクトル
【図15】TAN−1868・モノナトリウム塩のIR
スペクトル
【図16】TAN−1868・モノナトリウム塩の13
−NMRスペクトル
【符号の説明】 ×はジオキサンの吸収を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 17/02 C12R 1:645) (72)発明者 藤沢 幸夫 兵庫県神戸市東灘区御影中町4丁目1番31 −104号

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中、R1はエステル化またはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を、R2は置換基を有していてもよ
    い環式基または極性基を、nは0から6までの整数を、
    3は水素または置換基を有していてもよい炭化水素残
    基を、R4は(1)保護されていてもよいアミノ基で置
    換された炭化水素残基または(2)アルケニル基を示
    し、R3とR4とはこれらが結合する窒素原子と共に少な
    くとも2個のヘテロ原子を含有する複素環基を形成して
    もよい〕で表される化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】R1がエステル化されていてもよいカルボ
    キシル基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1がカルボキシル基である請求項1記載
    の化合物。
  4. 【請求項4】R2が置換基を有していてもよい環式基で
    ある請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】環式基がアリール基である請求項4記載の
    化合物。
  6. 【請求項6】アリール基が炭素数6ないし14のアリー
    ル基である請求項5記載の化合物。
  7. 【請求項7】R3で表される炭化水素残基がアルキル基
    である請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】R4がアミノアルキル基である請求項1記
    載の化合物。
  9. 【請求項9】R3とR4とはこれらが結合する窒素原子と
    共に少なくとも2個のヘテロ原子を含有する複素環基を
    形成する請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】複素環基が6員複素環基である請求項9
    記載の化合物。
  11. 【請求項11】化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カ
    ルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
    ル}-1,4-ジアミノブタンである請求項1記載の化合物。
  12. 【請求項12】化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エ
    トキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニ
    ルアラニル}-1,4-ジアミノブタンである請求項1記載の
    化合物。
  13. 【請求項13】化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エ
    トキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニ
    ルアラニル}モルホリンである請求項1記載の化合物。
  14. 【請求項14】化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カ
    ルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
    ル}モルホリンである請求項1記載の化合物。
  15. 【請求項15】化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エ
    トキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-チロシ
    ル}モルホリンである請求項1記載の化合物。
  16. 【請求項16】化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カ
    ルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-チロシル}モルホ
    リンである請求項1記載の化合物。
  17. 【請求項17】化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エ
    トキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナフ
    チル)-L-アラニル}モルホリンである請求項1記載の化
    合物。
  18. 【請求項18】化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カ
    ルボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナフチル)-L-
    アラニル}モルホリンである請求項1記載の化合物。
  19. 【請求項19】一般式 【化2】 〔式中、R11はエステル化またはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を、R12は置換基を有していてもよ
    い多環式芳香環基を、n’は0から6までの整数を、R
    13およびR14は水素またはアルキル基を示す〕で表され
    る化合物またはその塩。
  20. 【請求項20】R11がエステル化されていてもよいカル
    ボキシル基である請求項19記載の化合物。
  21. 【請求項21】多環式芳香環基が炭素数8ないし12の
    2環性芳香環基である請求項19記載の化合物。
  22. 【請求項22】化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-エ
    トキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナフ
    チル)-L-アラニル}-1-アミノ-3-メチルブタンである請
    求項19記載の化合物。
  23. 【請求項23】化合物がN-{N-[(2S,3S)-3-トランス-カ
    ルボキシオキシラン-2-カルボニル]-3-(2-ナフチル)-L-
    アラニル}-1-アミノ-3-メチルブタンである請求項19
    記載の化合物。
  24. 【請求項24】一般式 【化3】 〔式中、R21はエステル化またはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を、R22はアルキル基を、R23およ
    びR24は同一または異なって保護されていてもよいアミ
    ノ基で置換されたアルキル基を示す〕で表される化合物
    またはその塩。
  25. 【請求項25】R21がカルボキシル基である請求項24
    記載の化合物。
  26. 【請求項26】R22が炭素数3ないし5のアルキル基で
    ある請求項24記載の化合物。
  27. 【請求項27】R23およびR24がアミノアルキル基であ
    る請求項24記載の化合物。
  28. 【請求項28】請求項1,19または24記載の化合物
    を含有してなるチオールプロテアーゼ阻害剤。
  29. 【請求項29】請求項1,19または24記載の化合物
    を含有してなる骨疾患の予防および治療剤。
  30. 【請求項30】骨疾患が骨粗鬆症である請求項29記載
    の予防および治療剤。
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