JPH08104684A - エポキシコハク酸関連化合物 - Google Patents

エポキシコハク酸関連化合物

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JPH08104684A
JPH08104684A JP7132050A JP13205095A JPH08104684A JP H08104684 A JPH08104684 A JP H08104684A JP 7132050 A JP7132050 A JP 7132050A JP 13205095 A JP13205095 A JP 13205095A JP H08104684 A JPH08104684 A JP H08104684A
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JP
Japan
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group
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carbon atoms
compound according
butyl
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Withdrawn
Application number
JP7132050A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigetoshi Tsuboya
重利 坪谷
Masayuki Takizawa
正之 瀧澤
Junji Mizoguchi
順二 溝口
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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Abstract

(57)【要約】 【目的】骨疾患の予防および治療剤、チオ−ルプロテア
−ゼ阻害剤として有用な新規エポキシコハク酸関連化合
物の提供。 【構成】一般式 【化1】 〔式中、R1はエステル化またはアミド化されていても
よいカルボキシル基を、Xは置換基を有していてもよい
二価の炭化水素残基を、R2は水素または置換基を有し
ていてもよい炭化水素残基を、R3はOまたはS(O)n
〔nは0,1または2を示す〕を介する基で置換された
アルキル基を示す。ただし、部分構造式−NH−X−C
O−で表される基がロイシン残基である場合は、R3
3−ヒドロキシ−3−メチルブチル基または4−ヒドロ
キシ−3−メチルブチル基ではない。〕で表される化合
物またはその塩。 【効果】本発明によれば、骨疾患の予防および治療剤、
チオ−ルプロテア−ゼ阻害剤として有用な新規エポキシ
コハク酸関連化合物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨疾患の予防および治
療剤、チオ−ルプロテア−ゼ阻害剤として有用な新規エ
ポキシコハク酸関連化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】骨組織では骨吸収と骨形成がバランスを
保ちながら常に繰り返され、骨の恒常性が維持されてお
り、骨粗鬆症などの骨疾患は、このバランスが骨吸収側
に傾くことによって引き起こされる。近年、骨疾患の予
防・治療作用を有するエポキシ化合物が報告されている
(特開平2−218610号、ヨーロッパ特許公開26
9311号)。また、ロキシスタチンの生体内代謝物と
して側鎖水酸化体が報告されている〔ケイ・フクシマ
(K. Fukushima) ら、ゼノビオチカ (Xenobiotica), 20
巻、1043頁 (1990)〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、骨疾患、例えば
骨粗鬆症の予防及び治療にはエストロゲン剤、カルシト
ニン等の骨吸収抑制物質が用いられている。しかし、こ
れらの治療薬を投与する場合、投与対象が限定された
り、効果が不確実である場合もあり、十分な効果が得ら
れていない。また、現在のところ破骨細胞のリソゾーム
から分泌されるチオールプロテアーゼに対し、満足な阻
害作用を有する化合物は得られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した状
況に鑑み、チオールプロテアーゼ、その中でも最近、骨
吸収に主な役割を果たしていることが明らかになりつつ
あるカテプシンL〔エイチ・カケガワ(H. Kakegawa)
ら、フェブス・レターズ(FEBS Letters)、321巻、247頁
(1993)〕に着目し、鋭意探索の結果、新規エポキシコ
ハク酸誘導体が、強力なカテプシンL阻害作用を示し、
さらに、骨吸収抑制作用を有することを見いだした。本
発明者らは、これらの知見に基づいてさらに研究を重
ね、本発明を完成した。すなわち本発明は、(1)一般
【化2】 〔式中、R1はエステル化またはアミド化されていても
よいカルボキシル基を、Xは置換基を有していてもよい
二価の炭化水素残基を、R2は水素または置換基を有し
ていてもよい炭化水素残基を、R3はOまたはS(O)n
〔nは0,1または2を示す〕を介する基で置換された
アルキル基を示す。ただし、部分構造式−NH−X−C
O−で表される基がロイシン残基である場合は、R3
3−ヒドロキシ−3−メチルブチル基または4−ヒドロ
キシ−3−メチルブチル基ではない。〕で表される化合
物またはその塩、(2)R1がエステル化されていても
よいカルボキシル基である第1項記載の化合物、(3)
部分構造式−NH−X−CO−で表される基がα−アミ
ノ酸残基である第1項記載の化合物、(4)α−アミノ
酸が芳香族アミノ酸残基である第3項記載の化合物、
(5)α−アミノ酸がL−体である第3項記載の化合
物、(6)Xが環式基を有する二価の炭化水素残基であ
る第1項記載の化合物、(7)R2が水素である第1項
記載の化合物、(8)R2が炭素数1ないし16の炭化
水素残基である第1項記載の化合物、(9)アルキル基
が炭素数1ないし15のアルキル基である第1項記載の
化合物、(10)R3がOを介する基で置換されたアル
キル基である第1項記載の化合物、(11)Oを介する
基が炭素数1ないし16の炭化水素−オキシ基である第
10項記載の化合物、(12)炭素数1ないし16の炭
化水素−オキシ基が炭素数1ないし6のアルコキシ基で
ある第11項記載の化合物、(13)R3がS(O)
n〔nは0,1または2を示す〕を介する基で置換され
たアルキル基である第1項記載の化合物、(14)S
(O)nを介する基が炭素数1ないし14の炭化水素−
S(O)n基である第13項記載の化合物、(15)炭
素数1ないし14の炭化水素−S(O)n基が炭素数1
ないし6のアルキルチオ基である第14項記載の化合
物、(16)化合物がN-[N-[(2S,3S)-3-トランス-エト
キシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニル
アラニル]-1-アミノ-3-メトキシプロパンである第1項
記載の化合物、(17)化合物がN-[N-[(2S,3S)-3-トラ
ンス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-
フェニルアラニル]-1-アミノ-3-メチルチオプロパンで
ある第1項記載の化合物、(18)第1項記載の化合物
またはその塩を含有してなるチオ−ルプロテア−ゼ阻害
剤、(19)第1項記載の化合物またはその塩を含有し
てなる医薬組成物、(20)第1項記載の化合物または
その塩を含有してなる骨疾患の予防および治療剤、およ
び(21)骨疾患が骨粗鬆症である第20項記載の予防
および治療剤に関する。
【0005】以下、本明細書において、アミノ酸,ペプ
チド等に関し、略号で表示する場合、IUPAC−IU
B コミッション・オン・バイオケミカル・ノメンクレ
ーチャー(Commission on Biochemical Nomenclature)
による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づく
ものとし、また、アミノ酸に光学異性体があり得る場合
特に明示しなければL体を示すものとする。
【0006】一般式(I)において、R1で表されるエ
ステル化されていてもよいカルボキシル基としては、例
えば薬理学的に享受しうるもの、あるいは生体内におい
てはじめて薬理学的に享受しうるものに変化するものが
用いられる。エステル化されたカルボキシル基は、好ま
しくは式−COOR4で表される。ここにおいて、R
4は、例えば(1)(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,
塩素,フッ素等)、(c)炭素数2ないし6のアルカノイ
ルオキシ基(例、アセチルオキシ,プロピオニルオキ
シ,イソプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブ
チリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、
ピバロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ等)等から選ば
れる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数1
ないし6のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,
tert-ブチル,ペンチル,イソペンチル,sec-ペンチ
ル,ネオペンチル,tert-ペンチル,ヘキシル等)、(2)
(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,塩素,フッ素
等)、(c)炭素数1ないし4のアルコキシ基(例、メト
キシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキ
シ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)
から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい
炭素数6ないし14のアリール基(例、フェニル,ナフ
チル等)、(3)(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,
塩素,フッ素等)、(c)炭素数1ないし4のアルコキシ
基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポ
キシ,ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-
ブトキシ等)から選ばれる1ないし3個の置換基を有し
ていてもよい炭素数7ないし12のアラルキル基(例、
ベンジル,フェネチル等)等を示す。
【0007】R4は、好ましくは(a)ニトロ基、(b)ハロ
ゲン(例、臭素,塩素,フッ素等)、(c)炭素数2ない
し6のアルカノイルオキシ基(例、アセチルオキシ,プ
ロピオニルオキシ,イソプロピオニルオキシ、ブチリル
オキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバ
レリルオキシ、ピバロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ
等)等から選ばれる1ないし3個の置換基を有していて
もよい炭素数1ないし6のアルキル基(例、メチル,エ
チル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,
sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,イソペンチル,s
ec-ペンチル,ネオペンチル,tert-ペンチル,ヘキシル
等)である。R4は、さらに好ましくは炭素数1ないし
6のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソ
プロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブ
チル,ペンチル,イソペンチル,sec-ペンチル,neo-ペ
ンチル,tert-ペンチル,ヘキシル等)である。
【0008】一般式(I)において、R1で表されるア
ミド化されていてもよいカルボキシル基としては、例え
ば薬理学的に享受しうるもの、あるいは生体内において
はじめて薬理学的に享受しうるものに変化するものが用
いられる。アミド化されたカルボキシル基は、好ましく
は式−CONHR5で表される。ここにおいてR5は、例
えば(1)水素、(2)(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭
素,塩素,フッ素等)等から選ばれる1ないし3個の置
換基を有していてもよい炭素数1ないし6のアルキル基
(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチ
ル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチ
ル,イソペンチル,sec-ペンチル,ネオペンチル,tert
-ペンチル,ヘキシル等)、(3)(a)ニトロ基、(b)ハロゲ
ン(例、臭素,塩素,フッ素等)、(c)炭素数1ないし
4のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキ
シ,イソプロポキシ,ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブ
トキシ、tert-ブトキシ等)から選ばれる1ないし3個
の置換基を有していてもよい炭素数6ないし14のアリ
ール基(例、フェニル,ナフチル等)、(4)(a)ニトロ
基、(b)ハロゲン(例、臭素,塩素,フッ素等)、(c)炭
素数1ないし4のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキ
シ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ、イソブト
キシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)から選ばれる
1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数7ない
し12のアラルキル基(例、ベンジル,フェネチル等)
等を示す。
【0009】R5は、好ましくは(a)ニトロ基、(b)ハロ
ゲン(例、臭素,塩素,フッ素等)等から選ばれる1な
いし3個の置換基を有していてもよい炭素数1ないし6
のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプ
ロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチ
ル,ペンチル,イソペンチル,sec-ペンチル,ネオペン
チル,tert-ペンチル,ヘキシル等)である。R5は、さ
らに好ましくは炭素数1ないし6のアルキル基(例、メ
チル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソ
ブチル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,イソペ
ンチル,sec-ペンチル,ネオペンチル,tert-ペンチ
ル,ヘキシル等)である。
【0010】一般式(I)において、R1は、好ましく
はエステル化されていてもよいカルボキシル基である。
1は、さらに好ましくは炭素数1ないし6のアルキル
基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブ
チル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチ
ル,イソペンチル,sec-ペンチル,ネオペンチル,tert
-ペンチル,ヘキシル等)でエステル化されていてもよ
いカルボキシル基である。
【0011】一般式(I)において、Xで表される置換
基を有していてもよい二価の炭化水素残基における二価
の炭化水素残基は、好ましくは炭素数1ないし20の二
価の脂肪族炭化水素残基等である。二価の脂肪族炭化水
素残基としては、例えば−Cm2m−(1≦m≦15,
mは整数)で表わされる直鎖または分枝状の飽和炭化水
素残基(例、メチレン,エチレン,トリメチレン,テト
ラメチレン,ペンタメチレン,ヘキサメチレン,ヘプタ
メチレン,オクタメチレン,ノナメチレン,デカメチレ
ン,ウンデカメチレン,ドデカメチレン,トリデカメチ
レン,テトラデカメチレン,ペンタデカメチレン,メチ
ルメチレン,エチルメチレン,プロピルメチレン,イソ
プロピルメチレン,ブチルメチレン、イソブチルメチレ
ン、sec-ブチルメチレン、tert-ブチルメチレン、エチ
ルエチレン,プロピレンなど),−Cp2(p-q)−(2
≦p≦15,p>q,pおよびqは整数)で表わされる
直鎖または分枝状の不飽和炭化水素残基(例、プロペニ
レン,ビニレン等),−Cr2(r-1)−(3≦r≦1
5,rは整数)で表わされる脂肪族環状炭化水素残基
(例、シクロヘキシレン,シクロペンチレン等)などが
挙げられる。二価の脂肪族炭化水素残基は、好ましくは
−Cm2m−(1≦m≦15,mは整数)で表わされる
直鎖または分枝状の飽和炭化水素残基である。
【0012】一般式(I)において、Xで表わされる置
換基を有していてもよい二価の炭化水素残基における置
換基としては、例えば(1)アミノ基、(2)モノ−またはジ
−C1-4アルキルアミノ基(例、メチルアミノ,エチル
アミノ,プロピルアミノ,イソプロピルアミノ,n−ブ
チルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ等)、
(3)炭素数1ないし6のアルカノイルアミノ基(例、ホ
ルミルアミノ,アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,
イソプロピオニルアミノ,ブチリルアミノ,イソブチリ
ルアミノ,バレリルアミノ、イソバレリルアミノ,ピバ
ロイルアミノ,ヘキサノイルアミノ等)、(4)炭素数7
ないし11のアリールカルボニルアミノ基(例、ベンゾ
イルアミノ,p−トルオイルアミノ,1−ナフトイルア
ミノ,2−ナフトイルアミノ等)、(5)炭素数2ないし
5のアルコキシカルボニルアミノ基(例、メトキシカル
ボニルアミノ,エトキシカルボニルアミノ,プロポキシ
カルボニルアミノ,イソプロポキシカルボニルアミノ,
tert-ブトキシカルボニルアミノ等)、(6)炭素数8ない
し13のアラルキルオキシカルボニルアミノ基(例、ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ,フェネチルオキシカル
ボニルアミノ等)、(7)炭素数1ないし6のアルキルス
ルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ,エチ
ルスルホニルアミノ,プロピルスルホニルアミノ等)、
(8)炭素数6ないし12のアリールスルホニルアミノ基
(例、フェニルスルホニルアミノ,トシルアミノ等)、
(9)水酸基、(10)炭素数1ないし4のアルコキシ基
(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキ
シ,ブトキシ、イソブトキシ,sec-ブトキシ,tert-ブ
トキシ等)、(11)炭素数6ないし10のアリールオキシ
基(例、フェノキシ等)、(12)炭素数7ないし12のア
ラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ,フェネチルオ
キシ等)、(13)炭素数1ないし6のアルカノイルオキシ
基(例、ホルミルオキシ,アセチルオキシ,プロピオニ
ルオキシ,イソプロピオニルオキシ,ブチリルオキシ,
イソブチリルオキシ,バレリルオキシ,イソバレリルオ
キシ,ピバロイルオキシ,ヘキサノイルオキシ等)、(1
4)炭素数7ないし11のアリールカルボニルオキシ基
(例、ベンゾイルオキシ,p−トルオイルオキシ,1−
ナフトイルオキシ,2−ナフトイルオキシ等)、(15)メ
ルカプト基、(16)炭素数1ないし4のアルキルチオ基
(例、メチルチオ,エチルチオ,プロピルチオ,イソプ
ロピルチオ,ブチルチオ,tert-ブチルチオ等)、(17)
炭素数6ないし10のアリールチオ基(例、フェニルチ
オ,ナフチルチオ等)、(18)スルフィノ基、(19)炭素数
1ないし6のアルキルスルフィニル基(例、メチルスル
フィニル,エチルスルフィニル,プロピルスルフィニル
等)、(20)炭素数6ないし10のアリールスルフィニル
基(例、フェニルスルフィニル等)、(21)スルホ基、(2
2)炭素数1ないし6のアルキルスルホニル基(例、メチ
ルスルホニル,エチルスルホニル,プロピルスルホニル
等)、(23)炭素数6ないし10のアリールスルホニル基
(例、フェニルスルホニル,トシル等)、(24)カルボキ
シル基、(25)炭素数2ないし5のアルコキシカルボニル
基(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プ
ロポキシカルボニル,ブトキシカルボニル,tert-ブト
キシカルボニル等)、(26)炭素数8ないし13のアラル
キルオキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニ
ル,フェネチルオキシカルボニル等)、(27)炭素数7な
いし11のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキ
シカルボニル等)、(28)カルバモイル基、(29)モノ−ま
たはジ−C1-4アルキルカルバモイル基(例、メチルカ
ルバモイル,エチルカルバモイル,プロピルカルバモイ
ル,イソプロピルカルバモイル,ブチルカルバモイル,
ジメチルカルバモイル,ジエチルカルバモイル等)、(3
0)(a)ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素
等)、(b)炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル等)、(c)ハロゲ
ノフェノキシ等(例、o−、m−またはp−クロロフェ
ノキシ,o−、m−またはp−ブロモフェノキシ等)お
よび(d)水酸基等から選ばれる1ないし4個の置換基を
有していてもよい炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等か
ら選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5または6員
複素環またはその縮合複素環基(例、2−または3−チ
エニル,2−または3−フリル,2−または3−ピロリ
ル,3−、4−または5−ピラゾリル,2−、4−また
は5−チアゾリル,3−、4−または5−イソチアゾリ
ル,2−、4−または5−オキサゾリル,3−、4−ま
たは5−イソオキサゾリル,2−、4−または5−イミ
ダゾリル,1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル,
1Hまたは2H−テトラゾリル,2−、3−または4−
ピリジル,2−、4−または5−ピリミジル,3−また
は4−ピリダジニル,キノリル,イソキノリル,インド
リル等)、(31)ニトロ基、(32)シアノ基、(33)ハロゲン
原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素等)、(34)ニト
ロ基で置換されていてもよいグアニジル基、(35)アミジ
ノ基、(36)(a)ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭
素,ヨウ素等)、(b)ニトロ基、(c)水酸基および(d)炭
素数1ないし4のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキ
シ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ、イソブト
キシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)等から選ばれ
る1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数6な
いし14のアリール基(例、フェニル,ナフチル等)お
よび(37)(a)ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,
ヨウ素等)、(b)ニトロ基、(c)水酸基および(d)炭素数
1ないし4のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,
プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ、イソブトキ
シ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)等から選ばれる
1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数3ない
し8のシクロアルキル基(例、シクロプロピル,シクロ
ブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル等)等が挙げ
られる。置換基の数は、好ましくは1ないし5個、さら
に好ましくは1ないし3個である。
【0013】上記した置換基は、好ましくは例えば (1)(a)ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素
等)、(b)炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル等)、(c)ハロゲ
ノフェノキシ等(例、o−、m−またはp−クロロフェ
ノキシ,o−、m−またはp−ブロモフェノキシ等)お
よび(d)水酸基等から選ばれる1ないし4個の置換基を
有していてもよい炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等か
ら選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5または6員
複素環またはその縮合複素環基(例、2−または3−チ
エニル,2−または3−フリル,2−または3−ピロリ
ル,3−、4−または5−ピラゾリル,2−、4−また
は5−チアゾリル,3−、4−または5−イソチアゾリ
ル,2−、4−または5−オキサゾリル,3−、4−ま
たは5−イソオキサゾリル,2−、4−または5−イミ
ダゾリル,1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル,
1Hまたは2H−テトラゾリル,2−、3−または4−
ピリジル,2−、4−または5−ピリミジル,3−また
は4−ピリダジニル,キノリル,イソキノリル,インド
リル等)、 (2)(a)ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素
等)、(b)ニトロ基、(c)水酸基および(d)炭素数1ない
し4のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,プロポ
キシ,イソプロポキシ,ブトキシ、イソブトキシ、sec-
ブトキシ、tert-ブトキシ等)等から選ばれる1ないし
3個の置換基を有していてもよい炭素数6ないし14の
アリール基(例、フェニル,ナフチル等)、 (3)(a)ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素
等)、(b)ニトロ基、(c)水酸基および(d)炭素数1ない
し4のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,プロポ
キシ,イソプロポキシ,ブトキシ、イソブトキシ、sec-
ブトキシ、tert-ブトキシ等)等から選ばれる1ないし
3個の置換基を有していてもよい炭素数3ないし8のシ
クロアルキル基(例、シクロプロピル,シクロブチル,
シクロペンチル,シクロヘキシル等)等の環式基であ
る。
【0014】一般式(I)において、Xは、好ましくは
前述の環式基を有する二価の炭化水素残基である。
【0015】一般式(I)において、部分構造式−NH
−X−CO−で表される基は、好ましくはアミノ酸残基
を示す。ここにおいて、アミノ酸としては、例えば蛋白
質を構成するアミノ酸または微生物代謝産物あるいは動
植物成分として天然界から得られるアミノ酸が挙げられ
る。蛋白質を構成するアミノ酸としては、例えば脂肪族
モノアミノカルボン酸(例、グリシン,アラニン,バリ
ン,ロイシン,イソロイシン等)、脂肪族オキシアミノ
酸(例、セリン,スレオニン等)、酸性アミノ酸(例、
アスパラギン酸,グルタミン酸等)、酸性アミノ酸アミ
ド(例、アスパラギン,グルタミン等)、芳香族アミノ
酸(例、フェニルアラニン,チロシン,トリプトファン
等)、塩基性アミノ酸(例、アルギニン,リジン,ヒス
チジン等)、含硫アミノ酸(例、メチオニン,シスチ
ン,システイン等)等が挙げられる。微生物代謝産物あ
るいは動植物成分として天然界から得られるアミノ酸と
しては、例えば脂肪族モノアミノカルボン酸(例、L−
α−アミノ酪酸,γ−アミノ酪酸,β−アミノイソ酪
酸,β−アラニン,ホモセリン,α−メチル−D−セリ
ン,O−カルバミル−D−セリン,δ−ハイドロキシ−
γ−オキソ−ノルバリン等)、モノアミノジカルボン酸
(例、L−α−アミノアジピン酸,L−テアニン,L−
γ−メチレングルタミン酸,L−γ−メチルグルタミン
酸等),ジアミノモノカルボン酸(例、L−オルニチ
ン,β−リジン,α,β−ジアミノプロピオン酸,L−
α,γ−ジアミノ酪酸等)、ジアミノジカルボン酸
(例、ジアミノピメリン酸等)、含スルホン酸アミノ酸
(例、システイン酸等)、芳香族アミノ酸(例、キヌレ
ニン,3,4−ジヒドロキシフェニル−L−アラニン
等)、複素環アミノ酸(例、2,3−ジカルボキシアジ
リジン,〔S〕−2−アミノ−3−(イソキサゾリン−
5−オン−4−イル)プロピオン酸,アンチカプシン
等)、塩基性アミノ酸(例、L−4−オキサリジン,L
−4−オキソリジン,〔3R,5R〕−3,6−ジアミ
ノ−5−ハイドロキシヘキサン酸等)、含硫アミノ酸
(例、ランチオニン,S−メチル−L−システイン
等)、環状アミノ酸(例、ピペコリン酸,アゼチジン−
2−カルボン酸,〔1R,2S〕−2−アミノシクロペ
ンタン−1−カルボン酸等)、特殊官能基置換アミノ酸
(例、シトルリン,アラノシン,L−アザセリン等)等
が挙げられる。
【0016】部分構造式−NH−X−CO−で表される
アミノ酸残基は、好ましくはα−アミノ酸残基である。
α−アミノ酸残基としては、好ましくは、例えば脂肪族
モノアミノカルボン酸(例、グリシン,アラニン,バリ
ン,ロイシン,イソロイシン等)、酸性アミノ酸(例、
アスパラギン酸,グルタミン酸等)、芳香族アミノ酸
(例、フェニルアラニン,チロシン,トリプトファン
等)、塩基性アミノ酸(例、アルギニン,リジン,ヒス
チジン等)等の残基である。α−アミノ酸残基は、L−
体であることが好ましい。部分構造式−NH−X−CO
−で表されるアミノ酸残基は、さらに好ましくは芳香族
アミノ酸(例、フェニルアラニン,チロシン,トリプト
ファン等)の残基である。
【0017】一般式(I)において、R2で表される置
換基を有していてもよい炭化水素残基における炭化水素
残基は、好ましくは炭素数1ないし16の炭化水素残基
である。このような炭化水素残基としては、例えば(1)
炭素数1ないし15のアルキル基(例、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,se
c-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチ
ル,オクチル,ノニル,デシル,ウンデシル,ドデシ
ル,トリデシル,テトラデシル,ペンタデシル等)、
(2)炭素数3ないし8のシクロアルキル基(例、シクロ
プロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキ
シル等)、(3)炭素数2ないし10のアルケニル基
(例、ビニル,アリル,2−メチルアリル,2−ブテニ
ル,3−ブテニル,3−オクテニル等)、(4)炭素数2
ないし10のアルキニル基(例、エチニル,2−プロピ
ニル,3−ヘキシニル等)、(5)炭素数3ないし10の
シクロアルケニル基(例、シクロプロペニル,シクロペ
ンテニル,シクロヘキセニル等)、(6)炭素数6ないし
14のアリール基(例、フェニル,ナフチル等)、(7)
炭素数7ないし16のアラルキル基(例、ベンジル,フ
ェネチル等)等が用いられる。これらの中で、炭素数1
ないし15のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−ブチ
ル,tert−ブチル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オ
クチル,ノニル,デシル,ウンデシル,ドデシル,トリ
デシル,テトラデシル,ペンタデシル等)が好ましい。
【0018】このような炭化水素残基は、置換可能な位
置に、例えば(1)水酸基、(2)炭素数1ないし4のアルコ
キシ基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプ
ロポキシ,ブトキシ、イソブトキシ,sec-ブトキシ,te
rt-ブトキシ等)、(3)炭素数6ないし10のアリールオ
キシ基(例、フェノキシ等)、(4)炭素数7ないし12
のアラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ,フェネチ
ルオキシ等)、(5)炭素数1ないし6のアルカノイルオ
キシ基(例、ホルミルオキシ,アセチルオキシ,プロピ
オニルオキシ,イソプロピオニルオキシ,ブチリルオキ
シ,イソブチリルオキシ,バレリルオキシ,イソバレリ
ルオキシ,ピバロイルオキシ,ヘキサノイルオキシ
等)、(6)炭素数7ないし11のアリールカルボニルオ
キシ基(例、ベンゾイルオキシ,p−トルオイルオキ
シ,1−ナフトイルオキシ,2−ナフトイルオキシ
等)、(7)メルカプト基、(8)炭素数1ないし4のアルキ
ルチオ基(例、メチルチオ,エチルチオ,プロピルチ
オ,イソプロピルチオ,ブチルチオ,tert-ブチルチオ
等)、(9)炭素数6ないし10のアリールチオ基(例、
フェニルチオ,ナフチルチオ等)、(10)スルフィノ基、
(11)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)及
び(b)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を
有していてもよい炭素数1ないし6のアルキルスルフィ
ニル基(例、メチルスルフィニル,エチルスルフィニ
ル、プロピルスルフィニル等)、(12)(a)ハロゲン原子
(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数1ないし4
のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプ
ロピル,ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
ル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の
置換基を有していてもよい炭素数6ないし10のアリー
ルスルフィニル基(例、フェニルスルフィニル等)、(1
3)スルホ基、(14)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,
フッ素等)及び(b)ニトロ基等から選ばれる1ないし3
個の置換基を有していてもよい炭素数1ないし6のアル
キルスルホニル基(例、メチルスルホニル,エチルスル
ホニル、プロピルスルホニル等)、(15)(a)ハロゲン原
子(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数1ないし
4のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソ
プロピル,ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブ
チル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個
の置換基を有していてもよい炭素数6ないし10のアリ
ールスルホニル基(例、フェニルスルホニル等)、(16)
カルボキシル基、(17)炭素数2ないし5のアルコキシカ
ルボニル基(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボ
ニル,プロポキシカルボニル,ブトキシカルボニル,te
rt-ブトキシカルボニル等)、(18)炭素数8ないし13
のアラルキルオキシカルボニル基(例、ベンジルオキシ
カルボニル,フェネチルオキシカルボニル等)、(19)炭
素数7ないし11のアリールオキシカルボニル基(例、
フェノキシカルボニル等)、(20)カルバモイル基、(21)
モノ−またはジ−C1-4アルキルカルバモイル基(例、
メチルカルバモイル,エチルカルバモイル,プロピルカ
ルバモイル,イソプロピルカルバモイル,ブチルカルバ
モイル,ジメチルカルバモイル,ジエチルカルバモイル
等)、(22)ホスホノ基、(23)モノ−またはジ−C1-4
ルキルホスホノ基(例、メチルホスホノ,エチルホスホ
ノ,プロピルホスホノ,イソプロピルホスホノ,ブチル
ホスホノ,ジメチルホスホノ,ジエチルホスホノ等)、
(24)ニトロ基で置換されていてもよいグアニジル基、(2
5)アミジノ基、(26)ニトロ基、(27)オキソ基、(28)チオ
キソ基、(29)シアノ基、(30)ハロゲン(例、フッ素,塩
素,臭素,ヨウ素等)、(31)(a)ハロゲン(例、臭素,
塩素,フッ素等)、(b)炭素数1ないし4のアルキル基
(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル等)及
び(c)ハロゲノフェノキシ等(例、o−、m−またはp
−クロロフェノキシ,o−、m−またはp−ブロモフェ
ノキシ等)から選ばれる1ないし4個の置換基を有して
いてもよい炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等から選ば
れるヘテロ原子を1ないし4個含む5あるいは6員複素
環基またはその縮合複素環基(例、2−または3−チエ
ニル,2−または3−フリル,3−、4−または5−ピ
ラゾリル,2−、4−または5−チアゾリル,3−、4
−または5−イソチアゾリル,2−、4−または5−オ
キサゾリル,3−、4−または5−イソオキサゾリル,
2−、4−または5−イミダゾリル,1,2,3−または
1,2,4−トリアゾリル,1Hまたは2H−テトラゾリ
ル,2−、3−または4−ピリジル,2−、4−または
5−ピリミジル,3−または4−ピリダジニル,キノリ
ル,イソキノリル,インドリル等)等から選ばれる1な
いし5個の置換基を有していてもよいほか、炭化水素残
基がシクロアルキル、シクロアルケニル、アリールまた
はアラルキル基である場合は炭素数1ないし4のアルキ
ル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,
ブチル等)を置換基として1ないし4個有していてもよ
い。
【0019】一般式(I)において、R2は、好ましく
は水素である。
【0020】一般式(I)において、R3で表される、
OまたはS(O)n〔nは0,1または2を示す〕を介
する基で置換されたアルキル基におけるアルキル基とし
ては、例えば炭素数1ないし15のアルキル基(例、メ
チル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソ
ブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,イソ
ペンチル,ネオペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチ
ル,ノニル,デシル,ウンデシル, ドデシル,トリデ
シル,テトラデシル,ペンタデシル等)等が用いられ
る。該アルキル基は、好ましくは炭素数1ないし6のア
ルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピ
ル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチ
ル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル
等)である。
【0021】このようなアルキル基は、置換可能な位置
に、OまたはS(O)n〔nは0,1または2を示す〕
を介する基を有する。ここにおいて、Oを介する基とし
ては、例えば (1)水酸基、 (2)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)及び
(b)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有
していてもよい炭素数1ないし6のアルコキシ基(例、
メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブ
トキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ
等)、 (3)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、
(b)炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル、イソブチル、se
c-ブチル、tert-ブチル等)及び(c)ニトロ基等から選ば
れる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数6
ないし10のアリールオキシ基(例、フェノキシ等)、 (4)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、
(b)炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル、イソブチル、se
c-ブチル、tert-ブチル等)及び(c)ニトロ基等から選ば
れる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数7
ないし12のアラルキルオキシ基(例、ベンジルオキ
シ,フェネチルオキシ等)、 (5)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)及び
(b)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有
していてもよい炭素数1ないし6のアルカノイルオキシ
基(例、ホルミルオキシ、アセチルオキシ,プロピオニ
ルオキシ,イソプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、
イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオ
キシ、ピバロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ等)およ
び (6)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、
(b)炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル、イソブチル、se
c-ブチル、tert-ブチル等)及び(c)ニトロ基等から選ば
れる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数7
ないし11のアリールカルボニルオキシ基(例、ベンゾ
イルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−ナフトイルオ
キシ等)等が用いられる。Oを介する基は、好ましくは
炭素数1ないし16の炭化水素−オキシ基である。炭素
数1ないし16の炭化水素−オキシ基は、さらに好まし
くは炭素数1ないし6のアルコキシ基である。
【0022】S(O)n〔nは0,1または2を示す〕
を介する基としては、例えば (1)メルカプト基、 (2)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)及び
(b)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有
していてもよい炭素数1ないし6のアルキルチオ基
(例、メチルチオ,エチルチオ、プロピルチオ等)、 (3)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、
(b)炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル、イソブチル、se
c-ブチル、tert-ブチル等)及び(c)ニトロ基等から選ば
れる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数6
ないし10のアリールチオ基(例、フェニルチオ等)、 (4)スルフェノ基、 (5)スルフィノ基、 (6)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)及び
(b)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有
していてもよい炭素数1ないし6のアルキルスルフィニ
ル基(例、メチルスルフィニル,エチルスルフィニル、
プロピルスルフィニル等)、 (7)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、
(b)炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル、イソブチル、se
c-ブチル、tert-ブチル等)及び(c)ニトロ基等から選ば
れる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数6
ないし10のアリールスルフィニル基(例、フェニルス
ルフィニル等)、 (8)スルホ基、 (9)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)及び
(b)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有
していてもよい炭素数1ないし6のアルキルスルホニル
基(例、メチルスルホニル,エチルスルホニル、プロピ
ルスルホニル等)、(10)(a)ハロゲン原子(例、塩素,
臭素,フッ素等)、(b)炭素数1ないし4のアルキル基
(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等)及び(c)
ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有して
いてもよい炭素数6ないし10のアリールスルホニル基
(例、フェニルスルホニル等)等が用いられる。S
(O)nを介する基は、好ましくは炭素数1ないし14
の炭化水素−S(O)nで表される基である。炭素数1
ないし14の炭化水素−S(O)n基は、さらに好まし
くは炭素数1ないし6のアルキルチオ基である。
【0023】一般式(I)において、R3は、好ましく
はOを介する基で置換されたアルキル基である。R
3は、さらに好ましくは(1)(a)ハロゲン原子(例、塩
素,臭素,フッ素等)及び(b)ニトロ基等から選ばれる
1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数1ない
し6のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,プロポ
キシ,イソプロポキシ,ブトキシ、イソブトキシ、sec-
ブトキシ、tert-ブトキシ等)または(2)(a)ハロゲン原
子(例、塩素,臭素,フッ素等)及び(b)ニトロ基等か
ら選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭
素数1ないし6のアルカノイルオキシ基(例、ホルミル
オキシ、アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,イソプ
ロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキ
シ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ピバロイル
オキシ、ヘキサノイルオキシ等)である。化合物(I)
の特に好ましい例としては、例えばN-[N-[(2S,3S)-3-ト
ランス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-
L-フェニルアラニル]-1-アミノ-3-メトキシプロパン,N
-[N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボニルオキシラ
ン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル]-1-アミノ-3-メ
チルチオプロパンが挙げられる。
【0024】次に、上記化合物(I)またはその塩の製
造法について述べる。なお、以下の本文中で常用される
保護基および試薬を下記の略号で表記する。 Fmoc :9−フルオレニルメチルオキシカルボニル Z :ベンジルオキシカルボニル Boc :tert-ブトキシカルボニル Bzl :ベンジル TFA :トリフルオロ酢酸 DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド BOP :ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス
(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホス
フェート DIC :N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド HONB:N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボキシイミド HOBT:1−ハイドロキシベンゾトリアゾール WSC :水溶性カルボジイミド〔1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸
塩〕 R− :R−配位 S− :S−配位
【0025】前記一般式(I)で表わされる化合物また
はその塩は、一般式
【化3】 〔式中の記号は前記と同意義を有する〕で表される化合
物またはその塩と、一般式
【化4】 〔式中の記号は前記と同意義を有する〕で表される化合
物またはその塩とを反応させ、要すれば脱保護基反応に
付すことにより、あるいは一般式
【化5】 〔式中の記号は前記と同意義を有する〕で表される化合
物またはその塩と、一般式
【化6】 〔式中の記号は前記と同意義を有する〕で表される化合
物またはその塩とを、反応させ、要すれば脱保護基反応
に付すことより製造することができる。
【0026】上記製造法は、例えば液相合成法、固相合
成法等のペプチド合成の常套手段が用いられる。このよ
うなペプチド合成の手段は、任意の公知の方法に従えば
よく、たとえば、エム・ボンダスキー(M. Bondasky)
およびエム・オンデッテイ(M. Ondetti)著、ペプチド
・シンセシス(Peptide Synthesis)、インターサイエ
ンス、ニューヨーク、1966年;エフ・エム・フイン
(F. M. Finn)およびケー・ホフマン(K. Hofmann)
著、ザ・プロテインズ(The Proteins)、第2巻、エイ
チ・ネンラース(H. Nenrath)、 アール・エル・ヒル
(R. L. Hill)編集、アカデミックプレスインク、ニュ
ーヨーク、1976年:泉屋信夫他著、「ペプチド合成
の基礎と実験」丸善(株)1985年;矢島治明、榊原俊
平他著、生化学実験講座1、日本生化学会編、東京化学
同人 1977年;木村俊他著、続生化学実験講座2、
日本生化学会編、東京化学同人 1987年;ジェイ・
エム・スチワート(J. M. Stewart)およびジェイ・デ
ィー・ヤング(J. D. Young)著、ソリッド・フェイズ
・ペプチド・シンセシス(Solid Phase Peptide Synthe
sis)、ピアスケミカルカンパニー、イリノイ、198
4年などに記載された方法またはそれに準じた方法によ
り製造される。該方法の具体例として、例えば、化合物
(II)またはその塩および化合物(IV)またはその塩の
カルボン酸を活性化して化合物(III)またはその塩お
よび化合物(V)またはその塩とそれぞれ縮合させるア
ジド法、クロライド法、酸無水物法、混合酸無水物法、
DCC法、活性エステル法、ウッドワード試薬Kを用い
る方法、カルボニルイミダゾール法、酸化還元法、DC
C/HONB法、DIC/HONB法、DCC/HOB
T法、WSC/HOBT法、BOP試薬を用いる方法な
どが挙げられる。
【0027】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などもまた自体公知のものあるい
は自体公知の手段から適宜選択しうる。本反応は塩基の
存在下に行ってもよい。この際、用いられる塩基として
は、例えばトリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ
プロピルアミン,N-メチルピペリジン,N-メチルピロリ
ジン,シクロヘキシルジメチルアミン,N-メチルモルフ
ォリンなどの第三アミン、ジ-n-ブチルアミン,ジイソ
ブチルアミン,ジシクロヘキシルアミンなどの第二アミ
ン、ピリジン,ルチジン,コリジンなどの芳香族アミ
ン、リチウム,ナトリウム,カリウムなどのアルカリ金
属の水酸化物または塩、カルシウム,マグネシウムなど
のアルカリ土類金属の水酸化物または塩などが挙げられ
る。
【0028】本方法においては、化合物(III)または
(V)1モルに対して化合物(II)または(IV)のカル
ボン酸の反応性誘導体をそれぞれ通常1モル用いるが、
反応に支障のない限り過剰に用いることもできる。塩基
を用いる場合、塩基の使用量は用いられる原料化合物、
カルボン酸の反応性誘導体の種類、 その他の反応条件に
よって異なるが、 化合物(III)または(V)1モルに
対して通常1ないし5モル、好ましくは1ないし3モル
である。本反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない溶媒
中で行われる。該溶媒としては、ペプチド縮合反応に使
用しうることが知られているものから適宜選択されう
る。例えばホルムアミド,N,N−ジメチルホルムアミ
ド,N−メチルピロリドンなどのアミド類、ジメチルス
ルホキサイドなどのスルホキシド類、ピリジンなどの芳
香族アミン類、クロロホルム,ジクロロメタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン,ジオキサン
などのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類、
酢酸エチル,ギ酸エチルなどのエステル類、あるいはこ
れらの適宜の割合の混合物などが挙げられる。反応温度
は、反応が進行する限り特に限定されないが、 通常−5
0℃ないし150℃、 好ましくは−30℃ないし80℃
で行われる。反応時間は、用いられる原料,塩基,反応
温度,溶媒の種類により異なるが、 通常数十分から数十
時間反応させる。
【0029】一般式(I)で表わされる化合物またはそ
の塩は、要すれば上記の方法により製造した化合物また
はその塩を脱保護基反応に付すことより製造することが
できる。脱保護基反応は、自体公知の方法、例えばペプ
チド化学に常用の方法により行うことができる〔泉屋信
夫,大野素徳,加藤哲夫,青柳東彦著,合成化学シリー
ズ,ペプチド合成,丸善株式会社発行,1975年参
照〕。ウレタン型保護基で保護されたアミノ基の脱保護
基反応は、無溶媒もしくは反応に悪影響を与えない溶媒
中で、酸と接触することにより行われる。該溶媒として
は、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン,クロ
ロホルム,1,2−ジクロロエタンなど)、アルコール
類(例、メタノール,エタノールなど)、水およびこれ
らの適宜の割合の混合物が用いられる。酸としては、例
えばハロ酢酸(例、トリフルオロ酢酸など)、ハロゲン
化水素酸(例、塩化水素酸,臭化水素酸など)等が用い
られる。N−ベンジルオキシカルボニル(Z)基,N−
4−メトキシベンジルオキシカルボニル基は、例えばパ
ラジウム触媒(例、パラジウム/硫酸バリウム,パラジ
ウム活性炭素,パラジウム黒等),ロジウム触媒等を用
いて接触水素添加によって除去するのが有利である。反
応は、反応に悪影響を与えない溶媒中で行われる。該溶
媒としては、例えばアミド類(例、N,N−ジメチルホ
ルムアミド,アセトアミドなど)、アルコール類(例、
メタノール,エタノールなど),環状エーテル(例、テ
トラヒドロフランなど),有機カルボン酸(例、酢酸,
プロピオン酸など),水等、もしくはこれらの適宜の割
合の混合物が用いられる。
【0030】N−9−フルオレニルメチルオキシカルボ
ニル(Fmoc)基は、例えばジエチルアミン,ピペリジ
ン,モルホリン,4−ジメチルアミノピリジン,ジシク
ロヘキシルアミンなどの有機アミン類を用いて除去する
のが有利である。反応は、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。該溶媒としては、例えばアミド類(例、
N,N−ジメチルホルムアミド,アセトアミドなど)、
アルコール類(例、メタノール,エタノールなど)等、
もしくはこれらの適宜の割合の混合物が用いられる。 N−2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル基
は、有機カルボン酸(例、酢酸,プロピオン酸など)と
共に、金属(例、亜鉛など)を用いて除去するのが有利
である。反応は、反応に悪影響を与えない溶媒中で行わ
れる。該溶媒としては、上記有機カルボン酸、アルコー
ル類(例、メタノール,エタノールなど)、水等、もし
くはこれらの適宜の割合の混合物が用いられる。アシル
化ヒドロキシ基の脱保護基反応(脱アシル化反応)は、
反応に悪影響を与えない溶媒中で、酸と接触することに
より行われる。該溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類
(例、ジクロロメタン,クロロホルム,1,2−ジクロ
ロエタンなど)、アルコール類(例、メタノール,エタ
ノールなど)、水およびこれらの適宜の割合の混合物が
用いられる。酸としては、例えばハロ酢酸(例、トリフ
ルオロ酢酸など)、ハロゲン化水素酸(例、塩化水素
酸,臭化水素酸など)等が用いられる。 O−ベンジル(Bzl)基は、例えばパラジウム触媒
(例、パラジウム/硫酸バリウム、パラジウム活性炭
素,パラジウム黒)又はロジウム触媒を用いて接触水素
添加によって除去するのが有利である。その際文献から
公知の溶媒、例えば環状エーテル(例、テトラヒドロフ
ランなど)を場合により他の不活性溶媒〔例、低級脂肪
族酸アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミドなど)
など〕と混合して使用する。 O−テトラヒドロピラニル基またはO−tert−ブチル基
は、上記脱アシルと同様に、酸による加水分解により行
うことができる。
【0031】カルボキシル保護基の脱離は、上記と同様
に、酸による加水分解により行うことができる。また、
例えばベンジルエステルは、前記のO−ベンジル基脱離
の場合と同様に接触水素添加によって脱離することがで
きる。さらに、 例えばメチルエステル,エチルエステル
は、反応に悪影響を与えない条件で、塩基と接触するこ
とによって脱離することができる。該溶媒としては、ア
ルコール類(例、メタノール,エタノールなど)、環状
エーテル類(例、テトラヒドロフラン),水およびこれ
らの適宜の割合の混合物が用いられる。塩基としては、
例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウム等が用いられる。 2−(トリメチルシリル)エチル基は中性条件下に、例
えば弗化水素酸の塩、例えば特に第四級窒素塩基と弗化
水素酸の塩(例、テトラエチルアンモニウムフルオリド
など)を適当な溶剤中で作用させることによって脱離さ
せることができる。
【0032】このようにして製造された化合物(I)ま
たはその塩は、反応終了後、ペプチドの分離手段、例え
ば、抽出,分配,再沈殿,結晶化,再結晶,各種クロマ
トグラフィー,高速液体クロマトグラフィーなどによっ
て採取される。上記化合物(II)またはその塩は、化合
物(IV)またはその塩と一般式 NH2−X−R6 (VI) 〔式中、Xは前記と同意義を有し、R6は保護されたカ
ルボキシル基を示す〕で表される化合物またはその塩と
を、前述と同様なペプチド合成の常套手段を用いて縮合
させ、カルボキシル基の保護基を脱保護することにより
製造することができる。上記R6で表される保護された
カルボキシル基におけるカルボキシル基の保護基として
は、例えば(1)(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,
塩素,フッ素等)、(c)炭素数2ないし6のアルカノイ
ルオキシ基(例、アセチルオキシ,プロピオニルオキ
シ,イソプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブ
チリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、
ピバロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ等)等から選ば
れる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数1
ないし6のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,
tert-ブチル,ペンチル,イソペンチル,sec-ペンチ
ル,ネオペンチル,tert-ペンチル,ヘキシル等)、(2)
(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭素,塩素,フッ素
等)、(c)炭素数1ないし4のアルコキシ基(例、メト
キシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキ
シ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)
等から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよ
い炭素数6ないし14のアリール基(例、フェニル,ナ
フチル等)、(3)(a)ニトロ基、(b)ハロゲン(例、臭
素,塩素,フッ素等)、(c)炭素数1ないし4のアルコ
キシ基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプ
ロポキシ,ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、te
rt-ブトキシ等)等から選ばれる1ないし3個の置換基
を有していてもよい炭素数7ないし12のアラルキル基
(例、ベンジル,フェネチル等)、(4)(a)ニトロ基、
(b)ハロゲン(例、臭素,塩素,フッ素等)、(c)炭素数
1ないし6のアルカノイル基(例、ホルミル、アセチ
ル,プロピオニル,イソプロピオニル、ブチリル等)等
から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい
トリチル基、(5)トリ−C1 -4アルキルシリル基(例、ト
リメチルシリル,トリエチルシリル等)等が用いられ
る。
【0033】上記化合物(V)またはその塩は、一般式 R7−X−COOH (VII) 〔式中、Xは前記と同意義を有し、R7は保護されたア
ミノ基を示す〕で表される化合物またはその塩と、化合
物(III)またはその塩とを、前述と同様なペプチド合
成の常套手段を用いて縮合させ、アミノ基の保護基を脱
保護することにより製造することができる。
【0034】上記R7で表される保護されたアミノ基に
おけるアミノ基の保護基としては、例えば(1)(a)ハロゲ
ン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)及び(b)ニトロ基
等から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよ
い炭素数1ないし6のアルカノイル基(例、ホルミル、
アセチル,プロピオニル,イソプロピオニル、ブチリ
ル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイ
ル、ヘキサノイル等)、(2)(a)ハロゲン原子(例、塩
素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数1ないし4のアルキ
ル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等)及
び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を
有していてもよい炭素数7ないし11のアリールカルボ
ニル基(例、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイル
等)、(3)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素
等)、(b)炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル、イソブ
チル、sec-ブチル、tert-ブチル等)及び(c)ニトロ基等
から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい
炭素数8ないし13のアラルキルカルボニル基(例、ベ
ンジルカルボニル,フェネチルカルボニル等)、(4)(a)
ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)及び(b)ニ
トロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を有してい
てもよい炭素数2ないし7のアルコキシカルボニル基
(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロ
ポキシカルボニル,イソプロポキシカルボニル,tert-
ブトキシカルボニル等)、(5)(a)ハロゲン原子(例、塩
素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数1ないし4のアルキ
ル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等)及
び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の置換基を
有していてもよい炭素数8ないし13のアラルキルオキ
シカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル,フェ
ニルエチルオキシカルボニル等)、(6)(a)ハロゲン原子
(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数1ないし4
のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプ
ロピル,ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
ル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の
置換基を有していてもよい炭素数7ないし11のアリー
ルオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル
等)、(7)(a)ハロゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素
等)、(b)炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル、イソブ
チル、sec-ブチル、tert-ブチル等)及び(c)ニトロ基等
から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい
炭素数6ないし10のアリールスルホニル基(例、フェ
ニルスルホニル、トシル等)、(8)(a)ハロゲン原子
(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数1ないし4
のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプ
ロピル,ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
ル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ないし3個の
置換基を有していてもよいトリチル基および(9)(a)ハロ
ゲン原子(例、塩素,臭素,フッ素等)、(b)炭素数1
ないし4のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル、イソブチル、sec-ブチル、
tert-ブチル等)及び(c)ニトロ基等から選ばれる1ない
し3個の置換基を有していてもよいフタロイル基等が挙
げられる。
【0035】本発明の化合物(I)は、自体公知の方法
によりナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属
塩、カルシウム塩,マグネシウム塩などのアルカリ土類
金属塩などの塩や、酸付加塩、とりわけ薬理学的に許容
される酸付加塩としても得ることができ、たとえば、無
機酸(例、塩酸,硫酸,リン酸)あるいは有機酸(例、
酢酸,プロピオン酸,クエン酸,酒石酸,リンゴ酸,蓚
酸,メタンスルホン酸、オクタンスルホン酸)などの塩
があげられる。また化合物(II)から(VII)の塩もま
た、化合物(I)の塩と同様なものが用いられる。
【0036】後述の実施例によって得られた化合物の構
造式を下記に示す。
【化7】 ─────────────────────────── 化合物 R138 番 号 ─────────────────────────── 1 COOC2H5 (CH2)3OCH3 Ph 2 COONa (CH2)3OCH3 Ph 3 COOC2H5 (CH2)3OH Ph 4 COONa (CH2)3OH Ph 5 COOC2H5 (CH2)3OCOCH3 Ph 6 COONa (CH2)3OCOCH3 Ph 7 COOC2H5 (CH2)3SCH3 Ph 8 COONa (CH2)3SCH3 Ph 9 COOC2H5 (CH2)3OCH3 CH(CH3)2 10 COONa (CH2)3OCH3 CH(CH3)2 11 COOC2H5 (CH2)3OC2H5 Ph 12 COONa (CH2)3OC2H5 Ph 13 COOC2H5 (CH2)3O(i-Pr) Ph 14 COONa (CH2)3O(i-Pr) Ph 15 COOC2H5 (CH2)3OBu Ph 16 COONa (CH2)3OBu Ph 17 COOC2H5 (CH2)5OCH3 Ph 18 COONa (CH2)5OCH3 Ph 19 COOBzl (CH2)3OCH3 Ph 20 COOPOM (CH2)3OCH3 Ph 21 CONHC3H7 (CH2)3OCH3 Ph ─────────────────────────── (ただし、Phはフェニル基を、i−Prはイソプロピル基を、Buはブチル基 を、POMはピバロイルオキシメチル基を示す。)
【0037】次に本発明化合物の生物活性について記載
する。本発明の化合物(I)またはその塩は、強いチオ
ールプロテアーゼ阻害作用を示すが、下記の方法によ
り、カテプシンLおよびカテプシンBに対する阻害活性
を測定し、その結果をそれぞれ〔表1〕および〔表2〕
に示した。 (a)カテプシンL阻害活性測定法 ヒト組換え体カテプシンL(後述の参考例1〜7により
製造したものを用いた)1ng、2μMのジチオスレイ
トール(以下、DTTと略す)、1mMのエチレンジア
ミンテトラアセテート2ナトリウム塩、0.1Mの酢酸
ナトリウム緩衝液(pH5.5)および種々の濃度の検
体を含む反応液75μlに20μMのベンジルオキシカ
ルボニル−L−フェニルアラニル−L−アルギニン−4
−メチルクマリル−7−アミド(以下、Z−Phe−A
rg−7MCAと略す、ペプチド研究所製)25μlを
加えて反応を開始し、37℃で20分間保温した後、1
00mMのモノクロロ酢酸ナトリウムを含む反応停止液
100μlを加えた。遊離した4−メチル−7−アミノ
クマリンの量を蛍光光度計(FCA:バクスター社製)
を用いて励起波長365nm、蛍光波長450nmで測
定した。なお、検体を加えないで同様に反応させたもの
の蛍光測定値を100%とし、50%阻害に必要な検体
の濃度をIC50値として示した。
【表1】
【0038】(b)カテプシンB阻害活性測定法 カテプシンB(シグマ社製)30ng、2μM DT
T、1mM エチレンジアミンテトラアセテート2ナト
リウム塩、0.1M 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.
5)および種々の濃度の検体を含む反応液75μlに2
0μMのZ−Phe−Arg−7MCAを25μl加え
て反応を開始し、37℃で20分間保温した後、100
mMのモノクロロ酢酸ナトリウムを含む反応停止液を1
00μl加えた。遊離した4−メチル−7−アミノクマ
リンの量を蛍光光度計を用いて励起波長365nm、蛍
光波長450nmで測定した。なお、検体を加えないで
同様に反応させたものの蛍光測定値を100%とし、5
0%阻害に必要な各検体の濃度をIC50値として示し
た。
【表2】
【0039】さらに、本発明の化合物(I)またはその
塩は、すぐれた骨吸収抑制作用を有するが、下記の方法
によりPTH(副甲状腺ホルモン)により増強された骨吸
収に対する抑制作用を測定し、その結果を〔表3〕に示
した。 骨吸収抑制活性の測定法 8〜10週齢の雌BALB/cマウスの大腿骨を無菌的に摘出
し、10重量%熱不活化牛胎仔血清、ペニシリンG 100
単位/ml、ストレプトマイシン 100単位/mlを含
むハムF−12培地(以下、培養液と称する)にて骨髄腔
を洗浄した後、培養液1mlあたり骨を1本づつ加え
て、37℃、5%炭酸ガス、95%空気の条件下で3時間前
培養した。この骨をPTH(ペプチド研究所製、終濃度1
μM)および試験化合物(終濃度10μg/ml)を加え
た1mlの培養液に移し、さらに7日間培養後、培養液
中に蓄積したカルシウムの総量をカルシウムE−テスト
ワコー(和光純薬社製)で測定した。試験化合物の骨吸
収抑制活性は、以下の式により求めた。 骨吸収抑制活性(%)=100×(Cp−Cs)/(Cp−Cc) Cc:PTH 及び試験化合物のいずれも含まない培養液中
の総カルシウム量 Cp:PTH を加えたときの培養液中の総カルシウム量 Cs:PTH及び試験化合物の両方を加えたときの培養液
中の総カルシウム量
【表3】
【0040】毒性試験 化合物1をラットに300mg/kg経口投与しても死亡例
を認めなかった。このように、化合物(I)またはその
塩は、チオール基を活性中心に有する物質、例えばカテ
プシン類(例、カテプシンL,カテプシンB,カテプシ
ンK等),カルパイン類(例、カルパインI,カルパイ
ンII等)等のチオールプロテアーゼに対する阻害作用を
有し、チオールプロテアーゼに由来する疾患(例、筋ジ
ストロフィー症,空胞型ジスタールミオパチー,心筋梗
塞,血栓,白内障,アルツハイマー病,筋委縮症,癌転
移等)の予防および治療剤として有用なチオールプロテ
アーゼ阻害剤として用いられる。また、チオールプロテ
アーゼの活性を阻害する物質は抗炎症作用を有するの
で、本発明のチオールプロテアーゼ阻害剤は、抗炎症剤
としても用いられる。さらに、化合物(I)またはその
塩は、骨吸収抑制作用を有し、骨粗鬆症,悪性高カルシ
ウム血症,ページェット病,慢性関節リウマチ等の骨疾
患の予防および治療剤として用いられる。化合物(I)
またはその塩は、毒性も低く,哺乳動物(例、イヌ,ネ
コ,ウマ,サル,ヒトなど)に対し、安全に用いられ
る。
【0041】化合物(I)またはその塩を、例えばヒト
に投与する場合は、それ自体あるいは適宜の薬理学的に
許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合し、医薬組成物
として経口的または非経口的に安全に投与することがで
きる。上記医薬組成物としては、例えば注射剤などの非
経口投与製剤、経口投与製剤(例、散剤、顆粒剤、カプ
セル剤、錠剤)などが挙げられる。これらの製剤は、製
剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法に
より製造することができる。例えば化合物(I)または
その塩は、分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラ
スパウダー社製、米国)、HCO 60(日光ケミカル
ズ製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセ
ルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、
メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコー
ル、クロロブタノールなど)、等張化剤(例、塩化ナト
リウム、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖など)な
どと共に水性注射剤に成形し、注射剤とすることができ
る。また、経口投与製剤にするには、自体公知の方法に
従い、化合物(I)またはその塩に、例えば賦形剤
(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(例、炭酸
カルシウムなど)、結合剤(例、アラビアゴム、カルボ
キシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒド
ロキシプロピルセルロースなど)または滑沢剤(例、タ
ルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコ
ール6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで
必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の
目的のため自体公知の方法でコーティングすることによ
り経口投与製剤とすることができる。そのコーティング
剤としては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、セルロ
ースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレートおよびオイドラギット(ローム社
製、ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重合)など
が用いられる。化合物(I)またはその塩をヒトに用い
る場合の投与量は、対象の疾患、投与経路、治療する患
者個々の年齢及び疾病の程度によって変動し得るが、通
常、体重50kgの成人患者に経口投与する場合有効成分
1日約1mg〜2g、好ましくは約10mg〜2g、さらに好
ましくは約20mg〜1gが疾患の治療に用いられる。
【0042】
【実施例】以下に参考例、実施例、製剤例を挙げて、本
発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が
限定されるものではない。なお、パーセント(%)は、
特に断りのない限り、重量/容量パーセントを表す。N
MRスペクトルは、ブルカーAC−300型スペクトル
メーターを用いて測定した。内部基準として、重水中で
は3−(トリメチルシリル)プロピオン酸−d4・ナトリ
ウム塩を、他の溶媒中ではテトラメチルシランを用い、
全δ値をppmで示した。また、本明細書中の記号は次の
ような意味を有する。s:シングレット,d:ダブレッ
ト,t:トリプレット,q:クワルテット,quintet:ク
インテット,dd:ダブルダブレット,dt:ダブルトリプ
レット,ddd:ダブルダブルダブレット,m:マルチプレ
ット,br.:幅広い
【0043】参考例1 (ヒト腎臓由来カテプシンLの
cDNAクローニング) ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によってヒトカテプシ
ンcDNAを増幅させるため、既報のヒト腎臓由来カテプシ
ンLの塩基配列〔エス・ガル(S. Gal)とエム・エム・ゴ
ッテスマン(M. M. Gottesman),バイオケミカル・ジ
ャーナル(Biochem. J.), 253巻, 303頁 (1988)〕を参
考にして以下に示す4種類のプライマーを合成した。 センス・プライマーNo.1: 5'-TTTTCAGGGGGCAGTAAGAT-3' センス・プライマーNo.2: 5'-pCCGGATCCGGCTTTTTAGGATTGGTCTA-3' アンチセンス・プライマーNo.3: 5'-GGGGGCTGGTAGACTGAAGA-3' アンチセンス・プライマーNo.4: 5'-pCCGGATCCATTCCTCCCATGCATGCGCC-3' ヒト腎臓由来 cDNAライブラリーλgt11溶液〔クローン
テク・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド(CLONTECH
Laboratories, Inc.)〕3μlと蒸留水 50μlとを混合
し、95℃で5分間保温した後、氷中で急冷した。 2種
類のプライマー(上記No.1とNo.3;各50pmol)を加
え、シータス/パーキンエルマー(Cetus/Perkin-Elmer)
より供給されたキットの指示書に従い、94℃、1分間、
55℃、2分間、72℃、3分間の反応を50回繰り返す反応
を行った。さらに、その反応液に別の2種類のプライマ
ー(上記No.2とNo.4;各50pmol)を加え、同様に反応を
行った。PCR産物を1.2%アガロースゲル電気泳動で分離
したところ、ヒト腎臓由来カテプシンL塩基配列から予
想される大きさ(1132bp)に相当する位置に、増幅された
DNA断片を確認した。このDNA断片をゲルから回収
し、プラスミドベクターpBluescriptR II SK+〔ストラ
タジーン(STRATAGENE)社製〕にサブクローニングし
た。cDNA部分の塩基配列をジデオキシヌクレオチド合成
鎖停止法〔ジェイ・メシング(J. Messing)ら、ヌクレ
イック・アシッド・リサーチ(Nucleic Acid Res.),
9, 309, (1981)〕により決定し、既報の配列と同一のも
のであることを確認した。このcDNA断片を含むプラスミ
ドを、pHCL-5と命名した。
【0044】参考例2 (ヒトカテプシンLの大腸菌MM
294(DE3)における発現) 参考例1のcDNAを制限酵素EcoRIで切断し、798bpの断片
(ヒトカテプシンLのプロ体の一部分と成熟体のすべて
をコードする)を回収した。この断片の両側にBamHIの
リンカー(5'-pCCCGGATCCGGG-3')を結合させ、大腸菌
発現用プラスミドベクター pET-3c〔メソッズ・イン・
エンザイモロジー(Methods in Enzymology,ed. D. V. G
oeddel), 185巻、68頁、アカデミック・プレス(Academi
c Press),1990〕に挿入した。構築したプラスミドをpET
-HCLαと命名した。大腸菌MM294(DE3)をpET-HCLαで形
質転換し、T7プロモターの支配下でヒトカテプシンLの
発現を行った〔メソッズ・イン・エンザイモロジー(Me
thods in Enzymology), 185巻, 60頁 (1990)〕。形質
転換した大腸菌〔プラスミドpTBN-HCLneoを保持するエ
シェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM109/pTBN-HCL
neoは、平成4年6月12日から財団法人発酵研究所
(IFO)に受託番号IFO 15341として、平成4年6
月22日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所(NIBH)に受託番号FERM BP3897と
して寄託されている。〕を培養し、得られた菌体を超音
波破砕したものをSDS-PAGEに供しところ、30kDal付近に
ヒトカテプシンLに相当する特異的なバンドが検出され
た。また、発現した産物はインクルージョンボディを形
成したので、形質転換体の超音波破砕物の沈澱画分から
ヒトカテプシンLを粗精製した。
【0045】参考例3 (組換え体ヒトカテプシンLに
対する抗血清の作製) 参考例2で記載した粗精製の組換え体ヒトカテプシンL
を等量の完全フロイントアジュバントと混合し、約1ml
をウサギに接種した。その後、粗精製ヒトカテプシンL
標品と等量の不完全フロイントアジュバントとを混合し
たものを10日おきに3回注射し、最後の注射後の7日目
に採血した。得られた血液を37℃で30分間、続いて4℃
で一晩静置した後、遠心分離法によってヒトカテプシン
L抗血清を調製した。 参考例4 (ヒトカテプシンL遺伝子を動物細胞で発現
させるための組換えDNA の作製) 参考例1に記載のプラスミドpHCL-5を制限酵素BamHIで
消化した後、ヒトカテプシンLcDNAの断片をアガロース
ゲル電気泳動法により回収した。次に、動物細胞におけ
る一過性発現用のベクターpTB551〔オノ(Ono)ら、サ
イエンス(Science), 236巻, 1116頁 (1989)に記載の
プラスミドpTB389のEcoRI部位をBglII部位に変換したも
の〕の制限酵素BglII部位に、T4 DNAリガーゼとATPとの
作用によって上述のcDNA断片を挿入し、発現プラスミド
pTB-HCLを作製した。pTB-HCLの制限酵素HindIII部位とC
laI部位 の間にMuLV-LTRを挿入し、発現プラスミドpTBN
-HCLを作製した。
【0046】参考例5 (ヒトカテプシンL遺伝子を動
物細胞で発現させるための組換えDNA の作製) ヒトカテプシンLの動物細胞における安定発現株を得る
ために、参考例4に記載した組換えベクター pTBN-HCL
に薬剤耐性マーカーneoの遺伝子を以下のように組み込
んだ。まず、プラスミドpTBN-HCLの制限酵素ClaI部位と
SalI部位の間に、SV40初期プロモーターとneoの遺伝子
から成る断片を挿入し、プラスミドpTBN-HCLneoを作製
した。 参考例6 (ヒトカテプシンL遺伝子の動物細胞におけ
る発現) 参考例5記載のプラスミド(pTBN-HCLneo)を用いて、マ
ウスミエローマSp2/0細胞の形質転換を以下のように行
った。5% ウシ胎児血清(FCS)を添加したASF104 (5
% FCS/ASF)培地で培養したSp2/0細胞をリン酸緩衝生理
食塩液(PBS)(-)〔ドウルベコ(Dullbecco)のPBSから
CaCl2とMgCl2を除いたもの〕で1×107 cells/mlになる
ように調整した。この細胞懸濁液500μlをキュベットに
注入し、10μgの該プラスミドDNAを加えて5分間氷上に
静置した。この液にジーンパルサー(バイオラッド社
製)を用いて125μF、300Vの条件下でパルスを加えた
後、氷上に戻して10分間静置した。この液を10mlの5%
FCS/ASF104培地に移植し、5%二酸化炭素の存在下、37
℃で培養した。48時間後、選択培地(200 μg/ml G418を
含む5% FCS/ASF104培地)に移植し、24穴プレートで2
週間培養した。複数のコロニーの形成を確認し、それぞ
れを200μg/ml G418を含むASF104培地に植え継いで培養
した後、培養上清を参考例3で作製したヒトカテプシン
L抗血清を用いるウェスタンブロット分析に供したとこ
ろ、該抗血清と反応する分子量約40,000〜約30,000およ
びそれらよりも小さい分子量の特異的なバンドが検出さ
れ、その分子量からヒトカテプシンLのプロ体とそのプ
ロセスされた産物と推測された。培養上清におけるカテ
プシンLの活性をエー・ジェー・バレット(A. J. Barr
ett)とエイチ・キルシュケ(H. Kirschke)の方法〔メ
ソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymol
ogy), 80巻,535頁(1981)〕に従って測定したところ、
ヒトカテプシンLの活性が検出された。これらの結果か
ら、カテプシンLを発現する形質転換マウスミエローマ
細胞が得られたことを確認し、マウスミエローマSp-HCL
26と命名した。
【0047】参考例7 (ヒトカテプシンLの精製) 参考例6で得られたカテプシンL高発現株(プラスミド
pTBN-HCLne oで形質転換体されたマウスミエローマSp-HC
L26は、平成4年6月16日から財団法人発酵研究所
(IFO)に受託番号IFO 50371として、 平成4年6
月24日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所(NIBH)に受託番号FERM BP3902と
して寄託されている。)を10% FCSと200μg/ml G418と
を添加したASF104培地20 ml中で培養した後、無血清の
選択培地(200μg/ml G418を添加したASF104培地)50ml
に移植して5日間培養した。培養上清をCM-Sephadex C-
50カラム(25×4.4cm)に負荷した後、緩衝液A(20mM 酢
酸ナトリウム、1mM EDTA, pH5.5)でカラムを洗浄した。
続いて、0Mから1Mまでの塩化ナトリウム(NaCl)の濃度勾
配で溶出したところ、ヒトカテプシンLは約0.4MのNaCl
濃度付近で溶出された。この画分をFPLCシステム(ファ
ルマシア社製)のモノ・エス(Mono S)(HR5/5)に負荷
し、カラムの洗浄とヒトカテプシンLの溶出を上記と同
様に行った。約0.36MのNaCl 濃度付近で溶出されたヒト
カテプシンL画分を濃縮して精製標品を調製した。
【0048】参考例8 (2S,3S)-エチル・ハイドロゲン
・トランス-エポキシスクシネート テトラヘドロン(Tetrahedron), 36巻, 87頁(1980)
記載の (2S,3S)-トランス-エポキシコハク酸ジエチルエ
ステル(15.1 g) をエタノール (500 ml) に溶解後、氷
冷下、1N 水酸化ナトリウム水 (80.3 ml) を加え、2時
間撹拌した。反応液に水 (100 ml) を加え、濃縮後、pH
2.5 に調整し、塩化ナトリウムを加え、飽和とした
後、酢酸エチル (150 ml x 6) で抽出した。酢酸エチル
層は、飽和食塩水 (100 ml x 4) で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、濃縮し、標記化合物 (11.6 g) を無色
油状物として得た (収率 90%)。1 H NMR δppm (CDCl3) 1.33 (3H,t,J=7.2 Hz), 3.71 (1H,d,J=1.7Hz), 3.72 (1
H,d,J=1.6Hz), 4.27 (1H,dd,J=7.1,10.8Hz), 4.31 (1H,
dd.J=7.2,10.8Hz)
【0049】実施例1 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-エ
トキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニ
ルアラニル]-1-アミノ-3-メトキシプロパン 参考例8の(2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・トランス
-エポキシスクシネート (5.00 g) をジクロロメタン (3
00 ml) に溶解し、氷冷した。L-フェニルアラニンベン
ジルエステル・p-トルエンスルホン酸塩 (12.0 g,ペプ
チド研究所製), HOBT (4.22 g), WSC (5.99 g), トリ
エチルアミン (3.74 ml) を加え、室温で14 時間撹拌し
た。反応液を濃縮後、酢酸エチルに溶解し、10%クエン
酸水、水、飽和炭酸水素ナトリウム水、2%炭酸水素ナ
トリウム水、水、飽和食塩水でそれぞれ洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(1リットル)に付し、ヘキサン中酢
酸エチルを順次添加した溶出液で溶出し、30% (v/v)
酢酸エチル溶出画分から N-[(2S,3S)-3-トランス-エト
キシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニル
アラニンベンジルエステル (8.56 g) を白色粉末として
得た(収率 77 %)。 〔α〕D +55゜(c 0.51, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C22H23NO6 として 計算値 C; 66.49, H; 5.83, N; 3.52(%) 実験値 C; 66.38, H; 5.82, N; 3.33(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 1.29 (3H,t,J=7.1Hz), 3.03 (1H,dd,J=6.6,13.9Hz), 3.
16 (1H,d,J=1.9Hz), 3.20 (1H,dd,J=5.9,13.9Hz), 3.62
(1H,d,J=1.9Hz), 4.23 (2H,m,),4.87 (1H,ddd,J=6.2,
6.3,8.0Hz), 5.18 (2H,dd,J=12.1,20.1Hz), 6.54 (1H,
d,J=8.0Hz), 6.97(2H,m), 7.21 - 7.41 (8H,m) 得られた化合物の一部 (1.50 g) をメタノール (50 ml)
に溶解し、パラジウム活性炭素〔10%(w/w), 日本エン
ゲルハルト社製、150 mg〕を加え、室温水素雰囲気下
1.5 時間撹拌した。触媒を濾去後、濾液を濃縮し、N-
[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボニルオキシラン-2
-カルボニル]-L-フェニルアラニン (1.11 g) を白色粉
末として得た (収率 96%)。得られた化合物 (1.00 g)
を N,N-ジメチルホルムアミド (33 ml) に溶解後、氷冷
下 3-メトキシプロピルアミン (365 μl、和光純薬社
製), HOBT (484 mg),WSC (686 mg) を加え、室温で 16
時間撹拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルを加え、10
%クエン酸水、水、飽和炭酸水素ナトリウム水、2%炭
酸水素ナトリウム水、水、飽和食塩水で順次洗浄した。
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(100 ml)に付し、クロロホルム中メタノ
ールを順次添加した溶出液で溶出し、1%(v/v)メタノ
ール溶出画分より、標記化合物(化合物1; 800 mg) を
白色粉末として得た(収率 65%)。 〔α〕D +34゜(c 0.60, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C19H26N2O6として 計算値 C; 60.30, H; 6.93, N; 7.40(%) 実測値 C; 60.09, H; 6.88, N; 7.50(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 1.30(3H,t,J=7.1Hz), 1.66(2H,m), 3.00(1H,dd,J=7.2,1
3.7Hz), 3.08(1H,dd,J=7.5,13.7Hz), 3.13(1H,d,J=1.9H
z), 3.26(3H,s), 3.29(2H,m), 3.36(2H,m), 3.62(1H,d,
J=1.9Hz), 4.24(2H,m), 4.55(1H,dt,J=8.0,7.4Hz), 6.2
9(1H,t,J=4.9Hz), 6.72(1H,d,J=8.1Hz), 7.17(2H,m),
7.30(3H,m)
【0050】実施例2 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-カ
ルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ル]-1-アミノ-3-メトキシプロパン・モノナトリウム塩 化合物1 (200 mg) をメタノール (10 ml) に溶解後、
氷冷下 1N 水酸化ナトリウム水 (581μl, 1.1 等量) を
加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え pH 7.
0 に調整後、濃縮し、ダイアイオン HP-20 (20 ml, 三
菱化成工業社製)のカラムクロマトグラフィ−に付し
た。水洗後、50% (v/v)メタノール水で溶出した。溶出
液を濃縮後、凍結乾燥し、標記化合物(化合物2; 168 m
g)を白色粉末として得た(収率 85%)。 〔α〕D +46゜ (c 0.52, H2O, 25℃) 元素分析値 C17H21N2O6Na・0.5H2O として 計算値 C; 53.54, H; 5.81, N; 7.35, Na; 6.03(%) 実測値 C; 53.37, H; 5.86, N; 7.16, Na; 5.87(%)1 H NMR δppm (D2O) 1.61(2H,m), 3.03(1H,dd,J=8.0,13.6Hz), 3.09(1H,m),
3.14(1H,dd,J=7.5,13.6Hz), 3.19(1H,m), 3.22(1H,d,J=
2.1Hz), 3.28(2H,m), 3.30(3H,s), 3.50(1H,d,J=2.1H
z), 4.55(1H,t,J=7.9Hz), 7.27(2H,m), 7.38(3H,m) 実施例3 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボ
ニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル]-3
-アミノ-1-プロパノール 実施例1と同様に N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカ
ルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ン (2.50 g) と 3-アミノ-1-プロパノール (685μl、和
光純薬社製) を縮合し、標記化合物(化合物3; 1.86 g)
を白色粉末として得た(収率 63%)。 〔α〕D +23゜ (c 0.53, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C18H24N2O6・0.35CHCl3 として 計算値 C; 54.26, H; 6.04, N; 6.90(%) 実測値 C; 54.02, H; 6.02, N; 7.00(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 1.30(3H,t,J=7.1Hz), 1.61(2H,m), 2.67(1H,br s), 3.0
1(1H,dd,J=7.5,13.7Hz), 3.10(1H,dd,J=7.6,13.8Hz),
3.15(1H,d,J=1.9Hz), 3.34(2H,m), 3.55(2H,m),3.63(1
H,d,J=1.9Hz), 4.24(2H,m), 4.59(1H,dt,J=8.0,7.6Hz),
6.42(1H,t,J=5.6Hz), 6.83(1H,d,J=8.2Hz), 7.18(2H,
m), 7.30(3H,m)
【0051】実施例4 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-カ
ルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ル]-3-アミノ-1-プロパノール・モノナトリウム塩 化合物3 (500 mg) を実施例2と同様に、エチルエステ
ルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍結乾
燥し、標記化合物(化合物4; 380 mg)を白色粉末として
得た(収率 77%)。 〔α〕D +47゜ (c 0.59, H2O, 25℃) 元素分析値 C16H19N2O6Na・0.5H2O として 計算値 C; 52.32, H; 5.49, N; 7.63, Na; 6.26(%) 実測値 C; 52.06, H; 5.61, N; 7.69, Na; 5.94(%)1 H NMR δppm (D2O) 1.60(2H,quintet,J=6.7Hz), 3.03(1H,dd,J=8.1,13.6H
z), 3.13(1H,dd,J=7.6,13.6Hz), 3.15(1H,dd,J=6.7,13.
6Hz), 3.22(1H,d,J=2.0Hz), 3.23(1H,dd,J=6.8,13.7H
z), 3.42(2H,t,J=6.6Hz), 3.51(1H,d,J=2.1Hz), 4.56(1
H,t,J=7.9Hz), 7.27(2H,m), 7.38(3H,m) 実施例5 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボ
ニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル]-3
-アミノ-1-アセトキシプロパン 化合物3 (500 mg) をピリジン (12.5 ml) に溶解後、
無水酢酸 (12.5 ml) を加え、室温で一夜放置した。反
応液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(100 ml) に付し、クロロホルム中メタノールを順次添
加した溶出液で溶出した。0.5% (v/v) メタノール溶出
画分を濃縮後、酢酸エチルから結晶化し、標記化合物
(化合物5; 392 mg) を無色針状晶として得た(収率 70
%)。 〔α〕D +26゜ (c 0.53, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C20H26N2O7として 計算値 C; 59.10, H; 6.45, N; 6.89(%) 実測値 C; 58.95, H; 6.43, N; 6.97(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 1.30(3H,t,J=7.2Hz), 1.71(2H,m), 2.05(3H,s), 3.04(2
H,m), 3.12(1H,d,J=1.8Hz), 3.19(1H,m), 3.30(1H,m),
3.63(1H,d,J=1.8Hz), 3.98(2H,t,J=6.1Hz), 4.24(2H,
m), 4.54(1H,m), 6.00(1H,t,J=5.8Hz), 6.63(1H,d,J=8.
1Hz), 7.17(2H,m), 7.30(3H,m)
【0052】実施例6 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-カ
ルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ル]-3-アミノ-1-アセトキシプロパン・モノナトリウム
塩 化合物4 (200 mg) を実施例5と同様に、アセチル化し
た後、分取高速液体クロマトグラフィー (カラム; YMC-
Pack D-ODS-5, ワイエムシー社製、移動相; 15%(v/v)ア
セトニトリル/0.02 M リン酸緩衝液 pH 6.3, 流速; 10
ml/ml, 検出; 214 nm) に付した。分析用HPLCで単
一ピークを与える画分を集め濃縮後、ダイヤイオン HP-
20 (20 ml) のカラムクロマトグラフィーに付した。水
(40 ml)で洗浄後、水 (40 ml), 50% (v/v) メタノール
水 (100 ml), 80% (v/v) メタノール水 (100 ml) で順
次溶出した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥し、標記化合物
(化合物6; 175 mg)を白色粉末として得た(収率 78
%)。 〔α〕D +41゜ (c 0.59, H2O, 25℃) 元素分析値 C18H21N2O7Na・0.5H2O として 計算値 C; 52.81, H; 5.42, N; 6.84, Na; 5.62(%) 実測値 C; 53.02, H; 5.53, N; 6.82, Na; 5.09(%)1 H NMR δppm (D2O) 1.70(2H,quintet,J=6.3Hz), 2.08(3H,s), 3.03(1H,dd,J
=8.1,13.6Hz), 3.11(1H,dd,J=8.0,13.9Hz), 3.20(2H,
m), 3.23(1H,d,J=2.0Hz), 3.51(1H,d,J=2.0Hz),3.88(2
H,t,J=6.3Hz), 4.55(1H,t,J=7.9Hz), 7.32(5H,m) 実施例7 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボ
ニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル]-1
-アミノ-3-メチルチオプロパン 実施例1と同様に N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカ
ルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ン (1.00 g) と 3-メチルチオプロピルアミン (357 μ
l、東京化成工業社製) を縮合後、酢酸エチル−ヘキサ
ンから結晶化し、標記化合物(化合物7; 739 mg) を無
色針状晶として得た(収率 58%)。 〔α〕D +27゜ (c 0.56, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C19H26N2O5Sとして 計算値 C; 57.85, H; 6.64, N; 7.10, S; 8.13(%) 実測値 C; 57.63, H; 6.52, N; 6.80, S; 8.24(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 1.31(3H,t,J=7.2Hz), 1.69(2H,m), 2.06(3H,s), 2.38(2
H,m), 3.04(2H,m), 3.14(1H,d,J=1.9Hz), 3.29(2H,m),
3.63(1H,d,J=1.8Hz), 4.25(2H,m), 4.54(1H,q,J=7.7H
z), 5.90(1H,t,J=5.4Hz), 6.67(1H,d,J=8.0Hz), 7.18(2
H,m), 7.30(3H,m)
【0053】実施例8 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-カ
ルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ル]-1-アミノ-3-メチルチオプロパン・モノナトリウム
塩 化合物7 (100 mg) を実施例2と同様に、エチルエステ
ルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍結乾
燥し、標記化合物(化合物8; 90.4 mg)を白色粉末とし
て得た(収率 92%)。 〔α〕D +43゜ (c 0.55, H2O, 25℃) 元素分析値 C17H21N2O5SNa・1.3H2O として 計算値 C; 49.58, H; 5.78, N; 6.80, S; 7.79, Na; 5.58(%) 実測値 C; 49.58, H; 5.50, N; 6.50, S; 7.84, Na; 5.47(%)1 H NMR δppm (D2O) 1.61(2H,m), 2.04(3H,s), 2.25(2H,t,J=7.4Hz), 3.07(3
H,m), 3.24(1H,d,J=1.9Hz), 3.25(1H,m), 3.50(1H,d,J=
1.9Hz), 4.54(1H,t,J=7.9Hz), 7.32(5H,m) 実施例9 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボ
ニルオキシラン-2-カルボニル]-L-ロイシル]-1-アミノ-
3-メトキシプロパン 実施例1と同様に(2S,3S)-エチル・ハイドロゲン・ト
ランス-エポキシスクシネート (0.77 g) と L-ロイシン
ベンジルエステル・p-トルエンスルホン酸塩(1.89 g,
ペプチド研究所製)とを縮合し、N-[(2S,3S)-3-トラン
ス-エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-ロ
イシンベンジルエステル (1.62 g) を無色油状物として
得た(収率 93%)。得られた化合物 (1.60 g) のベンジ
ル基を、パラジウム活性炭素を用いた接触還元により脱
保護し、N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカルボニルオ
キシラン-2-カルボニル]-L-ロイシン (1.02 g) を無色
油状物として得た (収率 96%)。得られた化合物 (800
mg) と 3-メトキシプロピルアミン (372μl) とを縮合
し, 標記化合物(化合物9; 480 mg) を白色粉末として
得た(収率 46%)。 〔α〕D +11゜(c 0.62, CHCl3, 25℃) 元素分析値 C16H28N2O6 として 計算値 C; 55.80, H; 8.19, N; 8.13(%) 実測値 C; 55.62, H; 7.96, N; 8.46(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 0.92(3H,d,J=6.2Hz), 0.94(3H,d,J=6.2Hz), 1.32(3H,t,
J=7.2Hz), 1.52(2H,m), 1.66(1H,m), 1.78(2H,m), 3.35
(3H,s), 3.38(2H,m), 3.47(1H,d,J=1.8Hz), 3.48(2H,t,
J=5.7Hz), 3.69(1H,d,J=1.9Hz), 4.27(2H,m), 4.38(1H,
dt,J=5.9,8.5Hz), 6.56(1H,br s), 6.63(1H,d,J=8.3Hz)
【0054】実施例10 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-ロイシル]-1-
アミノ-3-メトキシプロパン・モノナトリウム塩 化合物9 (100 mg) を実施例2と同様に、エチルエステ
ルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍結乾
燥し、標記化合物(化合物10; 78 mg)を白色粉末とし
て得た(収率 78%)。 〔α〕D +20゜(c 0.51, H2O, 26℃) 元素分析値 C14H23N2O6Na・0.4H2O として 計算値 C; 48.66, H; 6.94, N; 8.11, Na; 6.65(%) 実測値 C; 48.56, H; 7.03, N; 8.42, Na; 6.70(%)1 H NMR δppm (D2O) 0.88(3H,d,J=6.1Hz), 0.92(3H,d,J=6.1Hz), 1.60(3H,
m), 1.76(2H,quintet,J=6.5Hz), 3.21(1H,dt,J=13.7,6.
7Hz), 3.29(1H,dt,J=13.6,6.7Hz), 3.33(3H,s),3.42(1
H,d,J=2.1Hz), 3.46(2H,t,J=6.4Hz), 3.56(1H,d,J=2.1H
z), 4.30(1H,dd,J=9.5,5.2Hz)
【0055】実施例11 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル]-1-アミノ-3-エトキシプロパン 実施例1と同様に N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカ
ルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ン (732 mg) と 3-エトキシプロピルアミン (314μl、
和光純薬社製) を縮合し、標記化合物(化合物11; 461
mg) を白色粉末として得た(収率 49%)。 〔α〕D +35゜(c 0.59, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C20H28N2O6・0.2H2O として 計算値 C; 60.65, H; 7.23, N; 7.07(%) 実測値 C; 60.66, H; 7.12, N; 7.10(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 1.17(2H,t,J=7.0Hz), 1.31(3H,t,J=7.0Hz), 1.55-1.78
(2H,m), 2.99(1H,dd,J=7.5,13.5Hz), 3.08(1H,dd,J=7.
5,13.5Hz), 3.12(1H,d,J=2.0Hz), 3.23-3.49(6H,m), 3.
61(1H,d,J=2.0Hz), 4.15-4.33(2H,m), 4.52(1H,dt,J=8.
0,7.5Hz), 6.32(1H,br), 6.71(1H,d,J=8.0Hz), 7.11-7.
37(5H,m) 実施例12 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオ
キシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル]-1-アミ
ノ-3-エトキシプロパン・モノナトリウム塩 化合物11 (100 mg) を実施例2と同様に、エチルエス
テルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍結
乾燥し、標記化合物(化合物12; 98 mg)を白色粉末と
して得た(収率 定量的)。 〔α〕D +43゜(c 0.52, H2O, 26℃) 元素分析値 C18H23N2O6Na・1.5H2O として 計算値 C; 52.30, H; 6.34, N; 6.78, Na; 5.56(%) 実測値 C; 52.24, H; 6.17, N; 6.51, Na; 5.47(%)1 H NMR δppm (D2O) 1.17(3H,t,J=7.0Hz), 1.54-1.70(2H,m), 2.98-3.39(6H,
m), 3.23(1H,d,J=2.0Hz), 3.44-3.57(2H,m), 3.52(1H,
d,J=2.0Hz), 4.56(1H,t,J=8.0Hz), 7.23-7.47(5H,m)
【0056】実施例13 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル]-1-アミノ-3-イソプロポキシプロパン 実施例1と同様に N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカ
ルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ン (757 mg) と 3-イソプロポキシプロピルアミン (385
μl、東京化成工業社製) を縮合し、標記化合物(化合物
13; 519 mg)を白色粉末として得た(収率 52%)。 〔α〕D +36゜(c 0.54, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C21H30N2O6 として 計算値 C; 62.15, H; 7.44, N; 6.89(%) 実測値 C; 62.09, H; 7.34, N; 6.69(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 1.11(3H,t,J=6.0Hz), 1.13(3H,d,J=6.0Hz), 1.30(3H,t,
J=7.0Hz), 1.54-1.77(2H,m), 2.98(1H,dd,J=7.0,14.0H
z), 3.08(dd,J=7.0,14.0Hz), 3.12(1H,d,J=2.0Hz), 3.2
4-3.57(5H,m), 3.61(1H,d,J=2.0Hz), 4.14-4.34(2H,m),
4.51(1H,ddd,J=7.0,7.0,8.0Hz), 6.38(1H,br), 6.72(1
H,d,J=8.0Hz), 7.10-7.38(5H,m) 実施例14 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオ
キシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル]-1-アミ
ノ-3-イソプロポキシプロパン・モノナトリウム塩 化合物13 (123 mg) を実施例2と同様に、エチルエス
テルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍結
乾燥し、標記化合物(化合物14; 120 mg)を白色粉末と
して得た(収率 99%)。 〔α〕D +45゜(c 0.52, H2O, 26℃) 元素分析値 C19H25N2O6Na・1.8H2O として 計算値 C; 52.72, H; 6.66, N; 6.47, Na; 5.31(%) 実測値 C; 52.80, H; 6.42, N; 6.50, Na; 5.49(%)1 H NMR δppm (D2O) 1.14(3H,d,J=6.5Hz), 1.15(3H,d,J=6.5Hz), 1.53-1.68
(2H,m), 2.98-3.40(6H,m), 3.23(1H,d,J=2.0Hz), 3.51
(1H,d,J=2.0Hz), 3.55-3.71(1H,m), 4.56(1H,t,J=8.0H
z), 7.23-7.47(5H,m)
【0057】実施例15 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル]-1-アミノ-3-ブトキシプロパン 実施例1と同様に N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシカ
ルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ン (570 mg) と 3-ブトキシプロピルアミン (313μl、
和光純薬社製) を縮合し、標記化合物(化合物15; 580
mg) を白色粉末として得た(収率 75%)。 〔α〕D +34゜(c 0.55, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C22H32N2O6 として 計算値 C; 62.84, H; 7.67, N; 6.66(%) 実測値 C; 62.65, H; 7.55, N; 6.73(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 0.93(3H,t,J=7.3Hz), 1.30(3H,t,J=7.2Hz), 1.35(2H,
m), 1.52(2H,m), 1.66(2H,m), 2.98(1H,dd,J=7.1,13.6H
z), 3.07(1H,dd,J=7.6,13.7Hz), 3.12(1H,d,J=1.9Hz),
3.36(6H,m), 3.62(1H,d,J=1.9Hz), 4.24(2H,m), 4.51(1
H,dt,J=7.7,7.5Hz), 6.26(1H,t,J=5.0Hz), 6.68(1H,d,J
=8.1Hz), 7.16(2H,m), 7.30(3H,m) 実施例16 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオ
キシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニル]-1-アミ
ノ-3-ブトキシプロパン・モノナトリウム塩 化合物15 (100 mg) を実施例2と同様に、エチルエス
テルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍結
乾燥し、標記化合物(化合物16; 75 mg)を白色粉末と
して得た(収率 76%)。 〔α〕D +38゜(c 0.55, H2O, 26℃) 元素分析値 C20H27N2O6Na・H2O として 計算値 C; 55.55, H; 6.76, N; 6.48, Na; 5.32(%) 実測値 C; 55.35, H; 6.55, N; 6.68, Na; 5.35(%)1 H NMR δppm (D2O) 0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.32(2H,m), 1.52(2H,m), 1.60(2
H,m), 3.08(4H,m), 3.22(1H,d,J=1.8Hz), 3.28(2H,m),
3.44(2H,t,J=6.7Hz), 3.50(1H,d,J=1.8Hz), 4.54(1H,t,
J=7.9Hz), 7.27(2H,m), 7.37(3H,m)
【0058】実施例17 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-
エトキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェ
ニルアラニル]-1-アミノ-5-メトキシペンタン 5-アミノ-1-ペンタノール (5.44 ml,東京化成工業社
製) をメタノール (110ml) に溶解し、氷冷下、二炭酸
ジ-tert-ブチル (11.5 ml, 和光純薬社製) を加え、室
温で 16 時間撹拌した。反応液を濃縮後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー (500 ml) に付し、ヘキサン中
酢酸エチルを順次添加した溶出液で溶出し、40% から 1
00% (v/v)酢酸エチル溶出画分を濃縮し、N-Boc-5-アミ
ノ-1-ペンタノール (9.71 g) を無色油状物として得た
(収率 96%)。この一部 (3.00 g) を無水テトラヒドロフ
ラン (60 ml) に溶解し、60% 水素化ナトリウム (990 m
g)、ヨウ化メチル (3.09 ml) を加え、室温で 67 時間
撹拌した。反応液を 10% 塩化アンモニウム水に加えた
後、エーテル (100 ml x 2) で抽出した。エーテル層を
水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。得られた溶液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(100 ml)に付し、ヘキサン中酢酸エチルを
順次添加した溶出液で溶出し、30% (v/v)酢酸エチル溶
出画分から、N-Boc-5-メトキシペンチルアミン (730 m
g) を無色油状物として得た (収率 23%)。これを4N 塩
酸/酢酸エチル (7 ml, 国産化学社製) に溶解し、1時
間室温で放置した。反応液を濃縮後、析出した粉末を濾
過し、5-メトキシペンチルアミン・塩酸塩 (511 mg) を
白色粉末として得た (収率 99%)。この一部 (400 mg)
を実施例1と同様に N-[(2S,3S)-3-トランス-エトキシ
カルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニン (720 mg)、トリエチルアミン (399 μl)、HOBT (3
51 mg)、WSC (498 mg) を用いた縮合反応を行い、標記
化合物(化合物17; 449 mg) を白色粉末として得た(収
率 47%)。 〔α〕D +28゜(c 0.52, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C21H30N2O6・0.2H2O として 計算値 C; 61.78, H; 7.46, N; 6.86(%) 実測値 C; 61.75, H; 7.34, N; 6.87(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 1.27(2H,m), 1.31(3H,t,J=7.2Hz), 1.40(2H,m), 1.53(2
H,m), 3.03(2H,d,J=7.6Hz), 3.13(1H,d,J=1.9Hz), 3.17
(2H,m), 3.32(3H,s), 3.34(2H,t,J=6.4Hz), 3.62(1H,d,
J=1.8Hz), 4.25(2H,m), 4.52(1H,dt,J=7.9,7.6Hz), 5.6
7(1H,t,J=5.4Hz), 6.69(1H,d,J=8.0Hz), 7.18(2H,m),
7.30(3H,m)
【0059】実施例18 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-
カルボキシオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラ
ニル]-1-アミノ-5-メトキシペンタン・モノナトリウム
塩 化合物17 (100 mg) を実施例2と同様に、エチルエス
テルをアルカリ加水分解し、樹脂で脱塩後、濃縮、凍結
乾燥し、標記化合物(化合物18; 93 mg)を白色粉末と
して得た(収率 95%)。 〔α〕D +53゜(c 0.54, H2O, 26℃) 元素分析値 C19H25N2O6Na・1.3H2O として 計算値 C; 53.84, H; 6.56, N; 6.61, Na; 5.42(%) 実測値 C; 53.97, H; 6.67, N; 6.60, Na; 5.57(%)1 H NMR δppm (D2O) 1.12(2H,m), 1.34(2H,m), 1.50(2H,m), 3.04(2H,m), 3.
10(1H,dd,J=8.1,13.3Hz), 3.16(1H,dd,J=6.8,13.5Hz),
3.22(1H,d,J=2.1Hz), 3.33(3H,s), 3.43(2H,t,J=6.7H
z), 3.50(1H,d,J=2.1Hz), 4.54(1H,t,J=7.8Hz), 7.26(2
H,m), 7.36(3H,m)
【0060】実施例19 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-
ベンジルオキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L
-フェニルアラニル]-1-アミノ-3-メトキシプロパン 化合物2 (150 mg) をN,N-ジメチルホルムアミド(15 m
l)に溶解し、臭化ベンジル (96 μl,和光純薬社製)
を加え、室温で 16 時間撹拌した。反応液を濃縮後、酢
酸エチルに溶解し、水および飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後、酢酸エチル−ヘキ
サンから粉末化し、標記化合物(化合物19; 149 mg)を
白色粉末として得た(収率 84%)。 〔α〕D +28゜(c 0.53, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C24H28N2O6・0.15H2O として 計算値 C; 65.04, H; 6.40, N; 6.32(%) 実測値 C; 65.00, H; 6.35, N; 6.39(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 1.65(2H,m), 2.98(1H,dd,J=7.1,13.7Hz), 3.04(1H,dd,J
=7.6,13.7Hz), 3.18(1H,d,J=1.9Hz), 3.25(3H,s), 3.30
(4H,m), 3.64(1H,d,J=1.9Hz), 4.54(1H,dt,J=8.0,7.5H
z), 5.16(1H,d,J=12.1Hz), 5.23(1H,d,J=12.1Hz), 6.29
(1H,t,J=5.2Hz),6.74(1H,d,J=8.1Hz), 7.15(2H,m), 7.2
4(3H,m), 7.37(5H,m) 実施例20 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-ピバロイルオ
キシメチルオキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]
-L-フェニルアラニル]-1-アミノ-3-メトキシプロパン 実施例19と同様に、化合物2 (150 mg) とピバリン酸
クロロメチルエステル(174 μl,東京化成工業社製) を
反応し、標記化合物(化合物20; 120 mg)を白色粉末と
して得た(収率 66%)。 〔α〕D +19゜(c 0.54, CHCl3, 26℃) 元素分析値 C23H32N2O8・0.5H2O として 計算値 C; 58.34, H; 7.02, N; 5.92(%) 実測値 C; 58.32, H; 6.79, N; 6.05(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 1.23(9H,m), 1.66(2H,m), 2.99(1H,dd,J=6.9,13.7Hz),
3.07(1H,dd,J=7.9,13.8Hz), 3.17(1H,d,J=1.8Hz), 3.26
(3H,s), 3.32(4H,m), 3.64(1H,d,J=1.8Hz), 4.53(1H,
m), 5.81(2H,s), 6.21(1H,br s), 6.67(1H,d,J=8.0Hz),
7.16(2H,m), 7.29(3H,m) 実施例21 N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-プロピルカル
バモイルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニルアラニ
ル]-1-アミノ-3-メトキシプロパン 化合物1 (200 mg) をメタノール (10 ml) に溶解後、
氷冷下 1N 水酸化ナトリウム水 (581 μl, 1.1 等量)
を加え、室温で 30 分、さらに水 (1.0 ml) を加え、室
温で 30 分撹拌した。反応液に水を加え、pH 7.0 に調
整後、濃縮し、pH 2.5 に調整後、酢酸エチル (20 ml x
3) で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水 (20 ml x
2) で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する
と、N-[N-[(2S,3S)-3-トランス-カルボキシオキシラン-
2-カルボニル]-L-フェニルアラニル]-1-アミノ-3-メト
キシプロパン (164 mg) を無色油状物として得た (収率
89%)。得られた化合物の一部 (140 mg) とプロピルア
ミン (33 μl, 和光純薬社製) を実施例1と同様に縮合
し、標記化合物 (化合物21; 69 mg) を白色粉末とし
て得た (収率 44%)。 元素分析値 C20H29N3O5 として 計算値 C; 61.36, H; 7.47, N; 10.73(%) 実測値 C; 61.12, H; 7.50, N; 10.59(%)1 H NMR δppm (CDCl3) 0.91(3H,t,J=7.4Hz), 1.52(2H,m), 1.64(2H,m), 3.02(2
H,d,J=7.2Hz), 3.22(2H,m), 3.23(1H,d,J=2.0Hz), 3.25
(3H,s), 3.28(2H,m), 3.33(2H,m), 3.43(1H,d,J=2.0H
z), 4.53(1H,m), 6.05(1H,t,J=5.8Hz), 6.19(1H,m), 6.
78(1H,d,J=7.9Hz), 7.17(2H,m), 7.29(3H,m)
【0061】製剤例 実施例1によって得た化合物1を用いて、下記に示す処
方の全成分を混和し、ゼラチンカプセルに充填し、カプ
セル1個当たり、30mgの化合物1を含有するカプセ
ル剤を製造した。 化合物1 30mg 乳 糖 100mg コーンスターチ 40mg ステアリン酸マグネシウム 10mg ─────────────────────────── 合 計 180mg
【0062】
【発明の効果】化合物(I)またはその塩は、例えば骨
粗鬆症,悪性高カルシウム血症,ページェット,慢性関
節リウマチ等の骨疾患の予防および治療剤として用いら
れる。また、化合物(I)またはその塩は、チオールプ
ロテアーゼ阻害作用を有し、チオールプロテアーゼに由
来する疾患の予防および治療剤としても用いられる。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中、R1はエステル化またはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を、Xは置換基を有していてもよい
    二価の炭化水素残基を、R2は水素または置換基を有し
    ていてもよい炭化水素残基を、R3はOまたはS(O)n
    〔nは0,1または2を示す〕を介する基で置換された
    アルキル基を示す。ただし、部分構造式−NH−X−C
    O−で表される基がロイシン残基である場合は、R3
    3−ヒドロキシ−3−メチルブチル基または4−ヒドロ
    キシ−3−メチルブチル基ではない。〕で表される化合
    物またはその塩。
  2. 【請求項2】R1がエステル化されていてもよいカルボ
    キシル基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】部分構造式−NH−X−CO−で表される
    基がα−アミノ酸残基である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】α−アミノ酸が芳香族アミノ酸残基である
    請求項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】α−アミノ酸がL−体である請求項3記載
    の化合物。
  6. 【請求項6】Xが環式基を有する二価の炭化水素残基で
    ある請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】R2が水素である請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】R2が炭素数1ないし16の炭化水素残基
    である請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】アルキル基が炭素数1ないし15のアルキ
    ル基である請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】R3がOを介する基で置換されたアルキ
    ル基である請求項1記載の化合物。
  11. 【請求項11】Oを介する基が炭素数1ないし16の炭
    化水素−オキシ基である請求項10記載の化合物。
  12. 【請求項12】炭素数1ないし16の炭化水素−オキシ
    基が炭素数1ないし6のアルコキシ基である請求項11
    記載の化合物。
  13. 【請求項13】R3がS(O)n〔nは0,1または2を
    示す〕を介する基で置換されたアルキル基である請求項
    1記載の化合物。
  14. 【請求項14】S(O)nを介する基が炭素数1ないし
    14の炭化水素−S(O)n基である請求項13記載の
    化合物。
  15. 【請求項15】炭素数1ないし14の炭化水素−S
    (O)n基が炭素数1ないし6のアルキルチオ基である
    請求項14記載の化合物。
  16. 【請求項16】化合物がN-[N-[(2S,3S)-3-トランス-エ
    トキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニ
    ルアラニル]-1-アミノ-3-メトキシプロパンである請求
    項1記載の化合物。
  17. 【請求項17】化合物がN-[N-[(2S,3S)-3-トランス-エ
    トキシカルボニルオキシラン-2-カルボニル]-L-フェニ
    ルアラニル]-1-アミノ-3-メチルチオプロパンである請
    求項1記載の化合物。
  18. 【請求項18】請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなるチオ−ルプロテア−ゼ阻害剤。
  19. 【請求項19】請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなる医薬組成物。
  20. 【請求項20】請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなる骨疾患の予防および治療剤。
  21. 【請求項21】骨疾患が骨粗鬆症である請求項20記載
    の予防および治療剤。
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