JP2001302532A - 天然物由来の抗菌剤、抗菌性香料および、それらを含有する化粧品 - Google Patents

天然物由来の抗菌剤、抗菌性香料および、それらを含有する化粧品

Info

Publication number
JP2001302532A
JP2001302532A JP2000126948A JP2000126948A JP2001302532A JP 2001302532 A JP2001302532 A JP 2001302532A JP 2000126948 A JP2000126948 A JP 2000126948A JP 2000126948 A JP2000126948 A JP 2000126948A JP 2001302532 A JP2001302532 A JP 2001302532A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
antimicrobial
fragrance
perfume
agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000126948A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3936968B2 (ja
Inventor
Miho Okui
美保 奥井
Hanako Sugimoto
華子 杉本
Ryoichi Komaki
亮一 駒木
Masaaki Yoshihara
正明 吉原
Motoyuki Isobe
基志 磯部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Shiono Koryo Kaisha Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Shiono Koryo Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd, Shiono Koryo Kaisha Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP2000126948A priority Critical patent/JP3936968B2/ja
Publication of JP2001302532A publication Critical patent/JP2001302532A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3936968B2 publication Critical patent/JP3936968B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた抗菌性能を有する天然物由来の抗菌剤
または抗菌性香料を提供すること。また、この抗菌剤ま
たは抗菌性香料を配合した、安全性の高い化粧品を提供
すること 【構成】 ヘリクリスム属植物の抽出物からなることを
特徴とする抗菌剤または抗菌性香料。また、抗菌成分と
して、前記抗菌剤または抗菌性香料を配合したことを特
徴とする化粧品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然物由来の抗菌
剤、抗菌性香料および、それらを含有する化粧品に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】日本は
夏季に高温多湿になる気候風土のため、微生物の生育・
繁殖には理想的な環境である。このため細菌やカビによ
る食品の腐敗および化粧品等の品質劣化が問題になって
くる。そこで従来は、安息香酸、パラオキシ安息香酸エ
ステル(パラベン類ともいう)、ビオゾール等の合成化
合物が抗菌剤として使用されてきた。しかし、消費者の
天然志向、健康志向の高まりと共に、天然物由来の抗菌
剤が求められてきた。天然物由来の抗菌剤としてはヒノ
キチオール等があるが、これらの抗菌性能は未だ不十分
である。そこで本発明は、化粧品、食品、家庭用品等に
使用できる、優れた抗菌性能を有する天然物由来の抗菌
剤または抗菌性香料を提供することを目的とする。また
この抗菌剤または抗菌性香料を配合した、安全性の高い
化粧品を提供することを目的とする。
【0003】一方、消費者の清潔志向がますます強まる
中で、前記日本の気候風土も関連して、頭皮臭、腋臭、
足臭などの体臭が問題となることがある。体臭は、汗腺
や皮脂腺からの分泌物がStaphylococcus
属やPropionibacterium属等の皮膚常
在菌によって分解されて発生する。また、皮膚常在菌で
あるPropionibacterium acnes
を原因菌とするニキビが問題となることがある。更に、
消費者の健康、安全志向が強まり、特にメシチリン耐性
のStaphylococcus aureus(MR
SA)を原因菌とする院内感染は社会問題ともなってい
る。従来これらの体臭、ニキビまたは化膿性疾患などを
抑制するために合成化合物が抗菌剤として使用されてき
たが、天然志向、健康志向の高まりと共に、天然物由来
の抗菌剤が求められてきた。しかし、体臭抑制剤、ニキ
ビ抑制剤または化膿抑制剤として働く天然物由来の優れ
た抗菌剤は未だ見出されていない。そこで本発明は、体
臭、ニキビまたは化膿性疾患などを抑制する、天然物由
来の優れた抗菌剤を提供することを目的とする。またこ
の体臭抑制作用、ニキビ抑制作用または化膿抑制作用を
有する抗菌剤を配合した、安全性の高い化粧品、皮膚外
用剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は,ヘリクリ
スム属植物の抽出物からなることを特徴とする抗菌剤,
抗菌性香料および抗菌成分として前記抗菌剤または抗菌
性香料を配合したことを特徴とする化粧品である。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0005】本発明に用いるヘリクリスム(Helic
hrysum)属植物は、キク科で南ヨーロッパ、南ア
フリカ、熱帯アジアからオーストラリアにかけて約50
0種が分布し、一年草または多年草で低木状になる種も
ある。ヘリクリスム属植物としては特に限定されない
が、Helichrysum(H.と略記することもあ
る)ambignum、H.amorginum、H.
arenarium、H.argenteum、H.a
rmenium、H.aurantiacum、H.a
ureonitens、H.bellidioide
s、H.bracteatum、H.caespiti
tium、H.crispum、H.decumben
s、H.frigidum、H.graveolen
s、H.italicum(異名H.rupestr
e)、H.leucopsideum、H.marit
imum、H.milfordiae、H.niten
s、H.petiolare、H.odoratiss
imum、H.petiolatum、H.picar
dii、H.plicatum、H.plinthoc
alyx、H.polyphyllum、H.pumi
lum、H.rubicundum、H.selag
o、H.serotinum(異名H.angusti
folium)、H.sexatile、H.sibt
horpii(異名H.virgineum)、H.s
plendidum、H.stoechas、H.ta
enari、H.thianschanicum等が挙
げられる。これらのなかでもセロチヌム(H.sero
tinum)、イタリクム(H.italicum)ま
たはストエカス(H.stoechas)が好ましく、
特にセロチヌム(H.serotinum)が好まし
い。本発明のヘリクリスム属植物の抽出物には、ヘリク
リスム属植物の全草、葉、枝、花、根、茎などいずれの
部位を用いても良いが、抗菌性および香料としての利用
の点からは花が特に好ましい。
【0006】本発明の抽出物は、ヘリクリスム属植物を
溶媒、例えば液化ガス(液化炭酸、液化プロパン、液化
ブタン等)、水、炭素数1〜5の低級アルコール類(メ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル等)、含水低級アルコール類、炭素数1〜5の低級ア
ルコールと炭素数1〜5の脂肪酸とのエステル類(酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン等)、前記エステル類および
ケトン類の含水物、ハロゲン化炭化水素類(クロロホル
ム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン等)、エーテル類(メチルエーテル、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素類
(石油エーテル、ヘキサン等)あるいは前記溶媒の混合
物で抽出して得た抽出液をそのまま、或いは濃縮するこ
とにより得ることが出来る。前記抽出溶媒の中でも炭化
水素類が好ましく、更に炭化水素類で抽出後炭素数1〜
5の低級アルコール類、特にエチルアルコールで抽出す
ることが好ましい。抽出方法としては特に限定されず、
例えば溶媒中に原料植物を室温で1〜100時間程度浸
漬する方法、或いは溶媒の沸点以下の温度で加温、攪拌
しながら抽出する方法などがあるが、抽出温度は、抽出
時の変性がより少ない点から室温が好ましい。溶媒の使
用量も特に限定されず、例えば原料植物に対して質量比
で1〜100倍量、より好ましくは5〜50倍量が挙げ
られる。
【0007】以上に述べたように、本発明の抗菌剤とし
ては、ヘリクリスム属植物の抽出物の中でも前記H.s
erotinumの抽出物や前記H.ambignu
m、H.amorginum、H.argenteu
m、H.armenium、H.aurantiacu
m、H.aureonitens、H.bellidi
oides、H.bracteatum、H.caes
pititium、H.crispum、H.decu
mbens、H.frigidum、H.graveo
lens、H.italicum、H.leucops
ideum、H.maritimum、H.milfo
rdiae、H.nitens、H.petiolar
e、H.petiolatum、H.picardi
i、H.plicatum、H.plinthocal
yx、H.polyphyllum、H.pumilu
m、H.rubicundum、H.selago、
H.serotinum、H.sexatile、H.
sibthorpii、H.splendidum、
H.stoechas、H.taenari、H.th
ianschanicumの花抽出物が好ましく、更に
はヘリクリスム属植物の花の炭化水素類特に石油エーテ
ル、ヘキサン抽出物が好ましく、更にはヘリクリスム属
植物の花を炭化水素類で抽出後、炭素数1〜5の低級ア
ルコール類、特にエチルアルコールで処理した抽出物が
好ましい。 また、本発明の抽出物としては、香料業
界で汎用されるコンクリートまたはアブソリュートが抗
菌性および香料の両面から好ましく、更にはアブソリュ
ートが特に好ましい。コンクリートとは、例えば花と精
製された溶媒(石油エーテル、ヘキサン等)を抽出器に
仕込み、室温で浸漬させて花香を移行させた後、処理済
みの花を除き、減圧下で溶媒を除いて得られたものであ
る。アブソリュートは、例えばコンクリートを高純度の
エチルアルコールに加温溶解して再抽出し、溶液を例え
ば−15℃〜−25℃に冷却してワックスなどの不溶解
物を除いた後、減圧下でエチルアルコールを留去して得
られたものである。本発明の抽出物を得る方法として
は、上記以外に香料業界では特殊な技術であるマセラシ
ョン(動物脂温浸抽出法)を挙げることが出来る。尚、
水蒸気蒸留により得られる精油は、本発明による抽出物
には含まれない。
【0008】 本発明の抗菌剤によってその生育が抑制
され、殺菌されうる微生物としては、グラム陽性−好気
性細菌として、Staphylococcusaure
us、Staphylococcus epiderm
idis、Staphylococcus capit
is、Bacillus subtilis、グラム陽
性−嫌気性細菌として、Propionibacter
iumacnes等を挙げることができる。Staph
ylococcus属やPropionibacter
ium属の菌は、体臭(頭皮臭、腋臭、足臭など)の発
生を引き起こす皮膚常在菌として知られ、これらの菌の
増殖を抑制する本発明の抗菌剤は、体臭を抑えることが
可能である。特に、Staphylococcus a
ureusは、化膿の原因菌であり、この菌の増殖を抑
制する本発明の抗菌剤は、化膿性疾患を抑えることがで
きる。更に、Propionibacterium a
cnesは、ニキビの生成に関与する皮膚常在菌として
知られ、この菌の増殖を抑制する本発明の抗菌剤は、ニ
キビの生成を抑えることも可能である。
【0009】本発明の抗菌剤であるヘリクリスム属植物
の抽出物は、ハーバルでハネー様の甘さと若干ウッディ
でフローラルな香りの中にフルーティな甘さがからん
だ、甘草を想起させる甘く重い香りを有している。これ
は強い香りのためにフレグランス香料やフルーツフレー
バーの変調剤としても有用である。抽出物のなかでも前
記コンクリートまたはアブソリュートは、特に香料特性
に優れている。従って、本発明の抗菌剤は同時に優れた
抗菌性香料でもある。本発明の抗菌性香料としては、前
記ヘリクリスム属植物の花抽出物が好ましく、更にはヘ
リクリスム属植物の花の炭化水素類特に石油エーテル、
ヘキサン抽出物が好ましく、更にはヘリクリスム属植物
の花を炭化水素類で抽出後、炭素数1〜5の低級アルコ
ール類、特にエチルアルコールで処理した抽出物が好ま
しい。また、本発明の抗菌性香料としては、前記ヘリク
リスム属植物のコンクリートまたはアブソリュートが好
ましい。本発明の抗菌性香料は、前記皮膚常在菌の増殖
を抑制するので、皮膚常在菌に起因する体臭、ニキビま
たは化膿性疾患の発生を抑えることが可能である。
【0010】前記ヘリクリスム属植物の抽出物からなる
抗菌剤または抗菌性香料は、抗菌成分として調合香料に
配合することにより抗菌性調合香料を得ることができ
る。調合香料は、天然香料および合成香料をブレンドす
ることにより新たに創られた香料で、例えば香粧品用調
合香料としては、フローラル、ウッディ、シプレ、シト
ラス、グリーン、フゼア、オリエンタル、フルーティ、
スパイシー等の香調があるが、本発明では特に限定され
ない。本発明の抗菌剤または抗菌性香料の調合香料への
配合量は、調合香料が用いられる化粧品の種類および調
合香料に求められる香調等により、適宜調整される。こ
の抗菌性調合香料は抗菌性が高いので、これを化粧品等
に配合すると、従来の化粧品に添加されていた抗菌剤、
防腐剤の添加を大幅に削減することが出来る。従って、
敏感肌の一部の化粧品使用者における合成抗菌剤の配合
に起因する刺激感の低減も可能である。また、この抗菌
性調合香料は、前記皮膚常在菌の増殖を抑制するので、
これを化粧品等の皮膚外用剤に配合すると、体臭(頭皮
臭、腋臭、足臭など)、ニキビの発生または皮膚疾患を
抑えることも可能である。更に、本発明の抗菌性香料は
前記の匂いを有するが、用いられる最終商品によっては
別の匂いを要求される時がある。このような場合に抗菌
性香料の匂いを要求されている匂いに創り変え、消費者
の多様な好みにあった商品開発を進める上でも、この抗
菌性調合香料は有用である。
【0011】次に本発明の抗菌剤または抗菌性香料を、
抗菌成分として配合したことを特徴とする化粧品につい
て説明する。化粧品に配合する本発明の抗菌剤または抗
菌性香料としては、前記ヘリクリスム属植物の全草抽出
物または花抽出物が好ましく、更にはヘリクリスム属植
物の花の炭化水素類特に石油エーテル、ヘキサン抽出物
が好ましく、特にはヘリクリスム属植物の花を炭化水素
類で抽出後、炭素数1〜5の低級アルコール類、特にエ
チルアルコールで処理したる抽出物が好ましい。また、
化粧品に配合する本発明の抗菌剤または抗菌性香料とし
ては、前記ヘリクリスム属植物のコンクリートまたはア
ブソリュートが好ましい。
【0012】本発明の抗菌剤または抗菌性香料の化粧品
への配合量は、溶媒を除いた純分として0.0001〜
5質量%(以下、%ともいう)、更には0.001〜2
%が好ましい。本発明の化粧品には、油脂、ロウ類、炭
化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、そ
の他の油性原料、グリセリン等の多価アルコール、界面
活性剤、増粘剤等の通常用いられている成分が使用され
る。またその剤型も任意であり、例えば溶液系、可溶化
系、乳化系、エアゾール等がある。更に、化粧品の用途
も任意であり、例えば化粧水、乳液、クリーム、パック
等のフェイシャル化粧料やファンデーション、口紅、ア
イシャドウ等のメイクアップ化粧料、芳香化粧料、シャ
ンプー等の洗髪用化粧料、毛髪仕上げ用化粧料、ボディ
ー化粧料、口腔用化粧料等がある。本発明の化粧品は抗
菌性や防腐力が高いので、従来の化粧品に添加されてい
た抗菌剤、防腐剤の添加を大幅に削減することが出来
る。従って、敏感肌の一部の化粧品使用者における合成
抗菌剤の配合に起因する刺激感の低減も可能である。ま
た本発明の化粧品は、前記皮膚常在菌の増殖を抑制する
ので、体臭(頭皮臭、腋臭、足臭など)やニキビまたは
化膿性疾患の発生を抑えることも可能である。本発明の
抗菌剤は、体臭抑制剤、ニキビ抑制剤または化膿抑制剤
として、化粧品以外にも例えば、医薬・医薬部外品、動
物薬等にも用いることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
尚、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0014】実施例1 抗菌剤、抗菌性香料 H.stoechas DCの乾燥した花1キログラム
をヘキサン10リットルに室温で浸漬して花香成分およ
び抗菌成分を移行させた後、花を除いた。次に、溶媒を
留去してコンクリート250グラムを得た。これは、ハ
ーバルでハネー様の甘さと若干ウッディでフローラルな
香りの中にフルーティな甘さがからんだ、甘草を想起さ
せる甘く重い香りを有している。
【0015】実施例2 抗菌剤、抗菌性香料 実施例1のコンクリート250グラムをエチルアルコー
ル2.5リットルに加温溶解して再抽出し、溶液を−1
5℃〜−25℃に冷却してワックスなどの不溶解物を除
いた後、減圧下でエチルアルコールを留去し赤褐色、粘
着状のアブソリュート190グラムを得た。この匂い
は、実施例1のコンクリートと同様であるが、より強
く、重く、甘い香りである。
【0016】実施例3 抗菌剤、抗菌性香料 実施例1のH.stoechas DCに代えてH.s
erotinum Boissを用いる以外は、同様の
抽出処理を行ってコンクリートを得、実施例2と同様の
処理を行ってアブソリュートを得た。この匂いは、実施
例2のアブソリュートに極めてよく似た質の、更に強
く、クリアーな香りである。
【0017】試験例1 抗菌性試験 実施例1〜3で得た抗菌剤(抗菌性香料)および下記比
較品について、抗菌性試験を行った。 比較品1:H.serotinum Boissの乾燥
した花を水蒸気蒸留して得たオイル。 比較品2:サンダルウッドオイル。 比較品3:3−イソプロピルメチルフェノール(ビオゾ
ール)。 比較品4:ヒノキチオール。 試験条件 (1)使用菌株 イ:Staphylococcus aureus 2
09P JC−1。 ロ:Staphylococcus epidermi
dis IID866。 ハ:Staphylococcus capitis
JCM2420。 ニ:Bacillus subtilis ATCC6
633。 ホ:Escherichia coli NIHJ J
C−2。 ヘ:Pseudomonas aeruginosa
IFO13275。 ト:Propionibacterium acnes
JCM6425。
【0018】(2)試験方法 日本化学療法学会標準法に準拠して、各検体における供
試菌株の最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。 検体の調製 検体が培地になじみやすくなるように、それぞれ以下に
示した溶剤、界面活性剤であらかじめ希釈して測定用検
体とした。但し、用いた溶剤、界面活性剤は、別途MI
Cの測定を行い、抗菌性の測定に影響しないことを確認
済みである。実施例1のコンクリートを、ジプロピレン
グリコールとポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル(E.O.平均付加モル数、12)の1:2(質量
比、以下同じ)混合溶液で4倍(質量比、以下同じ)に
希釈し、25%溶液とした。実施例2、実施例3のアブ
ソリュートを、ジプロピレングリコールで2倍に希釈
し、50%溶液とした。比較品1のオイルを、前記ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテルで2倍に希釈
し、50%溶液とした。比較品3を、フタール酸ジエチ
ルで10倍に希釈し、10%溶液とした。比較品4を、
ジプロピレングリコールで10倍に希釈し、10%溶液
とした。尚、比較品2は、希釈せず。 検体の使用濃度および使用培地 試験に供する検体の使用濃度は、以下に示す方法で10
段階とした。実施例1、比較品1については、で調製
した測定用検体を精製水で、まず10%水溶液と4%水
溶液を調製し、更に4%水溶液をベースに、精製水で順
次8段階2倍希釈水溶液を調製した。実施例2、3,比
較品2〜4については、で調製した測定用検体1グラ
ムをジメチルスルフォキサイドとアセトンとの1:3
(質量比)混合液39.2グラムに溶解させた後、精製
水9.8グラムを加えて2%溶液を調製する。更にそれ
をベースに、第2段階から第5段階まではアセトンと精
製水との1:1混合液で順次2倍希釈し、第6段階から
第10段階までは精製水で順次2倍希釈した。次に上記
希釈液のそれぞれ1mlを9mlの感性ディスク用培地
(一般細菌)および,GAM寒天培地(P.acne
s)と混合させた。 菌の培養 液体培養した菌液を培地上に接種した。接種法はスタン
プ法で、接種菌量は106cfu/ml(P.acne
sは108cfu/ml)。培養時間は、一般細菌:3
7℃/18〜24時間、P.acnes:37℃/44
〜48時間。 MICの判定 培地上の接種菌の生育状態を観察し、発育が完全に阻止
された最小濃度をMICとした。
【0019】(3)試験結果
【表1】 尚、表1に示すMICの値は、希釈された測定用検体の
値ではなく、希釈される前の100%純分に換算した値
である。
【0020】上記の結果から、本発明の抗菌剤は、汎用
されている合成抗菌剤である3−イソプロピルメチルフ
ェノール(比較品3)や天然系抗菌剤であるヒノキチオ
ール(比較品4)よりも、また香料として高い抗菌性を
有するといわれるサンダルウッドオイル(比較品2)よ
りも、はるかに優れた抗菌性能を有することがわかる。
また、同じヘリクリスム属植物でも、水蒸気蒸留して得
られたオイル(比較品1)に較べて、本発明の抽出物か
らなる抗菌剤がはるかに優れた抗菌性能を有することが
わかる。
【0021】応用例1、比較品5 調合香料 実施例2で得たアブソリュートを用いて下記処方のハー
ブ系調合香料を作製した。
【表2】
【0022】試験例2 抗菌性試験 試験例1の方法に準じて、応用例1および比較品5のS
taphylococcus aureus IAM1
2082およびBacillus subtilis
IAM1069に対する抗菌性試験を行った。検体の調
製は、ジプロピレングリコールと水との1:4(質量
比)混合液で希釈して10%溶液となし、これをベース
に、順次2倍希釈液を調製した。次に希釈液のそれぞれ
1mlを19mlの培地と混合させた。試験結果を表3
に示す。
【0023】
【表3】
【0024】実施例4、比較品6 化粧品(ローショ
ン) 応用例1で得た調合香料を用いて下記処方のローション
(本発明の抗菌剤または抗菌性香料が、0.002%含
有)を作製した。
【表4】
【0025】試験例3 防腐性試験 実施例4および比較品6のローションの防腐力を評価し
た。即ち、培養した試験菌株(試験例2で用いたものと
同じ)を滅菌生理食塩液で108cfu/mlに調製
し、この試験液0.1mlをローション20mlに接種
したものを25℃で保存し、7,14,28日後に生菌
数を測定した。生菌数の変化は、試験開始時の菌数に対
する増減率で表し、防腐力の有無を判定した。その結果
を表5に示す。
【0026】
【表5】
【0027】
【発明の効果】本発明の抗菌剤は、植物抽出物であり安
全性が高く、非常に優れた抗菌効果を発揮する。また本
発明の抗菌性香料は、植物抽出物であり安全性が高く、
非常に優れた抗菌効果を発揮すると共に、特有の優れた
香気を有する価値の高いものである。また、抗菌成分と
して前記抗菌剤または抗菌性香料を配合した抗菌性調合
香料は安全性や抗菌効果に加え、バラエテイの広い魅力
的な香りを発現する優れたものである。更に、抗菌成分
としてヘリクリスム属植物の抽出物を配合してなること
を特徴とする化粧品は、従来の防腐剤、抗菌剤の使用を
大幅に削減することが出来る。また本発明の抗菌剤、抗
菌性香料、化粧品、皮膚外用剤は、前記皮膚常在菌の増
殖を抑制するので、体臭(頭皮臭、腋臭、足臭など)、
ニキビまたは化膿性疾患の発生を抑えることも可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/04 A61P 31/04 // A01N 65/00 A01N 65/00 A (72)発明者 駒木 亮一 神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 鐘 紡株式会社化粧品研究所 (72)発明者 吉原 正明 大阪府大阪市中央区道修町3丁目1番6号 塩野香料株式会社内 (72)発明者 磯部 基志 東京都千代田区神田紺屋町19番地 塩野香 料株式会社東京支店内 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AC122 AC432 AD042 BB41 BB48 CC01 CC04 CC17 DD23 DD27 EE01 EE03 EE06 EE09 EE13 EE14 4C088 AB26 AC01 AC03 AC05 AC11 BA09 BA10 CA06 CA07 CA08 CA09 CA11 CA15 MA02 MA17 MA63 NA14 ZA90 ZB35 4H011 AA02 BA01 BB22 BC03 BC19 DA13 DH03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘリクリスム属植物の抽出物からなるこ
    とを特徴とする抗菌剤。
  2. 【請求項2】 ヘリクリスム属植物の抽出物からなるこ
    とを特徴とする抗菌性香料。
  3. 【請求項3】 抗菌成分として、請求項1記載の抗菌剤
    または請求項2記載の抗菌性香料を配合したことを特徴
    とする化粧品。
JP2000126948A 2000-04-27 2000-04-27 天然物由来の抗菌剤、抗菌性香料および、それらを含有する化粧品 Expired - Fee Related JP3936968B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000126948A JP3936968B2 (ja) 2000-04-27 2000-04-27 天然物由来の抗菌剤、抗菌性香料および、それらを含有する化粧品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000126948A JP3936968B2 (ja) 2000-04-27 2000-04-27 天然物由来の抗菌剤、抗菌性香料および、それらを含有する化粧品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001302532A true JP2001302532A (ja) 2001-10-31
JP3936968B2 JP3936968B2 (ja) 2007-06-27

Family

ID=18636628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000126948A Expired - Fee Related JP3936968B2 (ja) 2000-04-27 2000-04-27 天然物由来の抗菌剤、抗菌性香料および、それらを含有する化粧品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3936968B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002255774A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Kao Corp デオドラント剤
WO2003018730A1 (fr) * 2001-08-29 2003-03-06 L'occitane Composition cosmetique comprenant une huile essentielle extraite d'helichrysum italicum
KR100465971B1 (ko) * 2001-12-07 2005-01-13 주식회사 태평양 항염효과를 갖는 커리플랜트로부터 추출한 헤리크리섬오일 및 그를 함유한 화장료 조성물
JP2007016077A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Kanebo Cosmetics Inc 抗酸化剤、香料組成物及び化粧料組成物
JP2008101129A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Shiono Koryo Kk 香料組成物およびそれが配合された化粧料
KR101173412B1 (ko) 2011-11-08 2012-08-10 주식회사 코리아나화장품 유기농 에버라스팅의 미생물 발효를 통한 저분자 펩타이드를 함유하는 피부 보호 및 주름개선 화장료 조성물
JP2012521416A (ja) * 2009-03-23 2012-09-13 株式会社アモーレパシフィック ストレス緩和及び鎮静効果を有する香料及び化粧料組成物
JP2014533667A (ja) * 2011-11-22 2014-12-15 クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド イソソルビドカプリレート/カプレートの体臭防止剤及び発汗抑制剤における使用

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002255774A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Kao Corp デオドラント剤
WO2003018730A1 (fr) * 2001-08-29 2003-03-06 L'occitane Composition cosmetique comprenant une huile essentielle extraite d'helichrysum italicum
US7666454B2 (en) 2001-08-29 2010-02-23 L'occitane Cosmetic composition comprising an essential oil extracted from Helichrysum italicum
KR100465971B1 (ko) * 2001-12-07 2005-01-13 주식회사 태평양 항염효과를 갖는 커리플랜트로부터 추출한 헤리크리섬오일 및 그를 함유한 화장료 조성물
JP2007016077A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Kanebo Cosmetics Inc 抗酸化剤、香料組成物及び化粧料組成物
JP2008101129A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Shiono Koryo Kk 香料組成物およびそれが配合された化粧料
JP2012521416A (ja) * 2009-03-23 2012-09-13 株式会社アモーレパシフィック ストレス緩和及び鎮静効果を有する香料及び化粧料組成物
KR101173412B1 (ko) 2011-11-08 2012-08-10 주식회사 코리아나화장품 유기농 에버라스팅의 미생물 발효를 통한 저분자 펩타이드를 함유하는 피부 보호 및 주름개선 화장료 조성물
JP2014533667A (ja) * 2011-11-22 2014-12-15 クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド イソソルビドカプリレート/カプレートの体臭防止剤及び発汗抑制剤における使用
JP2018052947A (ja) * 2011-11-22 2018-04-05 クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド イソソルビドカプリレート/カプレートの体臭防止剤及び発汗抑制剤における使用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3936968B2 (ja) 2007-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001302532A (ja) 天然物由来の抗菌剤、抗菌性香料および、それらを含有する化粧品
JP6283156B2 (ja) ジケトン作用抑制剤
JP4438706B2 (ja) 抗酸化剤、香料組成物及び化粧料組成物
WO2012108494A1 (ja) 多価アルコールを含有する消臭剤
JP2014028778A (ja) ジケトン作用抑制剤
KR20150141078A (ko) 노인 악취 제거 조성물
KR101159265B1 (ko) 제주 천연 감귤향 조성물 및 이를 이용한 화장료 조성물
JP2005126423A (ja) デオドラント組成物
JP2009203179A (ja) 皮膚外用剤
KR101871577B1 (ko) 고산지역에서 자란 로즈마리 오일 유래 성분을 함유하는 항노화 화장료 조성물
KR20070114468A (ko) 은행잎 및 솔잎에서 분리한 비듬방지 물질을 함유하는 모발화장료 조성물
JP4284305B2 (ja) 防臭活性剤及び防臭用皮膚外用組成物
JP3923971B2 (ja) デオドラント組成物
KR102517640B1 (ko) 때죽나무꽃의 향취를 재현한 향료 조성물
KR102481063B1 (ko) 살구나무꽃의 향취를 재현한 향료 조성물
JP3923972B2 (ja) デオドラント組成物
EP3446676A1 (en) Aroma composition
JP2019077658A (ja) 腋臭用デオドラント組成物
KR102579965B1 (ko) 어진향차 향취 재현 향료 조성물
JP5350656B2 (ja) 抗酸化剤または活性酸素消去剤、およびそれを配合した香粧品用香料組成物、化粧料
KR20100124556A (ko) 솔잎 증류 농축액을 포함한 모발의 생장 촉진용 화장료 조성물
JP2001329290A (ja) 化粧料
JP2002370921A (ja) 化粧料組成物
JP2001163753A (ja) 皮膚外用組成物
JP4139806B2 (ja) デオドラント組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040916

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060919

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070112

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees