JP2002370921A - 化粧料組成物 - Google Patents

化粧料組成物

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JP2002370921A
JP2002370921A JP2001181440A JP2001181440A JP2002370921A JP 2002370921 A JP2002370921 A JP 2002370921A JP 2001181440 A JP2001181440 A JP 2001181440A JP 2001181440 A JP2001181440 A JP 2001181440A JP 2002370921 A JP2002370921 A JP 2002370921A
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Satoshi Oshima
悟士 大嶋
Makoto Shakado
誠 釈迦堂
Atsushi Miyamoto
敦之 宮本
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Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物抽出物等の植物由来の成分からなり、か
つ細菌類や真菌類に対して幅広い抗菌スペクトルを有す
ると供に充分な抗菌作用を有するより安全性の高い抗菌
成分を配合した化粧料を提供する。 【解決手段】 化粧料組成物に、下記(A)〜(C)、 (A)クローブ(フトモモ科、チョウジノキの花蕾)を
低級アルコール及び/または水で抽出した抽出物から精
油成分を除去した抽出物、あるいは予め精油成分を除去
したクローブを低級アルコール及び/または水で抽出し
た抽出物。 (B)インチンコウ(キク科、カワラヨモギの花穂)を
低級アルコール及び/または水で抽出した抽出物。 (C)炭素数8〜12の脂肪酸のモノグリセライド。を
含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌成分として、安全
性が高く幅広い微生物に対して優れた抗菌作用を有する
植物抽出物等の植物由来の成分を配合した化粧料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、化粧料は、流通過程での在庫期間
が比較的長く、また使用開始後も少量ずつ使用されるこ
とが多いため、製造から全量を使用するまでの期間が長
い。更に、微生物にとって、化粧料は栄養分に富み、充
分な水分を含んでいるため、好適な環境である。従っ
て、長期間に渡り、微生物の繁殖を防止し、腐敗を防止
することは、化粧料の商品価値を損なわないためにも極
めて重要である。
【0003】そのため、従来、化粧料には微生物による
品質の劣化を防止する目的で、各種の化学合成系の抗菌
剤、例えば、安息香酸及びその塩、イソプロピルメチル
フェノール、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシ
エタノール、ソルビン酸及びその塩、デヒドロ酢酸及び
その塩、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチ
ルアンモニウム、グルコン酸クロルヘキシジン等が用い
られているが、中でもパラオキシ安息香酸エステルやフ
ェノキシエタノールが汎用されている。
【0004】しかしながら、上記の化学合成系の抗菌剤
は、皮膚刺激、感作性、光感作性あるいは人体に対する
毒性を僅かではあるが有していることが知られており、
そのため、これらの使用量、使用範囲などにおいて厳し
い制限が設けられていた。そこで最近では、化学合成系
抗菌剤ではなく、動植物の生体成分からなる抗菌成分、
特に近年では、動物愛護の観点から植物抽出物等の植物
由来の抗菌成分を含有した化粧料が求められている。
【0005】古くから、香辛料、例えばコショウ、トウ
ガラシ、ジンジャー、ワサビ、ガーリック、マスター
ド、ローズマリー、セージ、タイム、クローブ、オール
スパイス、ナツメグ、シナモン、カルダモン、クミン、
オレガノ等が食品の辛み、矯臭、賦香の目的で使用され
ている他、食品等の保存性を高める目的でも使用されて
きた。近年では、食品分野においてこれらの抽出物等が
抗菌性を目的としても使用されている。しかしながら、
これらの抽出物は特定の微生物に対しては抗菌作用を示
すが、幅広い抗菌スペクトルを持つものではない。ま
た、これら香辛料の抗菌成分としては、ガーリック中の
アリシン、マスタード中のイソシアネート類、ワサビ中
のアリルイソシアネート、クローブ中のオイゲノール、
シナモン中のシナミックアルデヒド、セージ中のシネオ
ール等が知られているが、そのほとんどが精油成分であ
る。これらの精油成分は、これ自体が持つ独特の強い臭
気のために、化粧料の抗菌剤として使用することは実質
的に不可能である。また、これらの精油成分は水に不溶
であるため、ローション等の水系の化粧料への配合が難
しい等の問題もある。
【0006】先に、本発明者等は上記課題を解決する方
法として、精油成分を除去したクローブ抽出物を有効成
分とする抗菌剤(特願平11−224090)、精油成
分を除去したクローブ抽出物と炭素数8〜12の脂肪酸
のモノグリセライドを抗菌成分として含有する化粧料組
成物(特願平11−218787)、及び精油成分を除
去したチョウジ(クローブの別名)抽出物とカワラヨモ
ギ抽出物を抗菌成分として含有する化粧料組成物(特願
2001−41671)を提案している。しかしなが
ら、精油成分を除去したクローブ抽出物は細菌類に対し
ては抗菌作用を有するものの、カビ等の真菌類に対して
は抗菌作用を有しておらず、炭素数8〜12の脂肪酸の
モノグリセライドと併用してもカビ等の胞子が死滅する
速度が遅く、カビ等の真菌類に対する抗菌作用は比較的
弱いものであった。また、精油成分を除去したクローブ
抽出物とカワラヨモギ抽出物を併用するとカビ等の真菌
類の胞子は徐々に死滅するが、生存する胞子が発芽して
カビが発生する場合もあり、カビ等の真菌類に対する抗
菌作用はまだ充分満足するものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚刺激等
を引き起こす可能性のある化学合成系の抗菌剤を使用す
ることなく、植物抽出物等の植物由来の成分からなり、
かつ細菌類や真菌類に対して幅広い抗菌スペクトルを有
すると供に充分な抗菌作用を有するより安全性の高い抗
菌成分を配合した化粧料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、精油成分を除去し
たクローブ抽出物、インチンコウ抽出物及び炭素数8〜
12の脂肪酸のモノグリセライドを併用することによ
り、幅広い菌種に対して相乗的に抗菌作用が向上し、特
にカビに対する抗菌作用を著しく向上することを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記
(A)〜(C)、 (A)クローブ(フトモモ科、チョウジノキの花蕾)を
低級アルコール及び/または水で抽出した抽出物から精
油成分を除去した抽出物、あるいは予め精油成分を除去
したクローブを低級アルコール及び/または水で抽出し
た抽出物。 (B)インチンコウ(キク科、カワラヨモギの花穂)を
低級アルコール及び/または水で抽出した抽出物。 (C)炭素数8〜12の脂肪酸のモノグリセライド。 を含有する化粧料組成物である。更に、上記化粧料組成
物において、(A)及び(B)が、エチルアルコール濃
度50重量%以上のエチルアルコール水溶液及び/また
はメチルアルコール濃度50重量%以上のメチルアルコ
ール水溶液で抽出されたものである化粧料組成物であ
る。また更には、(A)が、水に不溶な成分を除去した
ものである化粧料組成物である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるクローブは、別名をチョウジと言い、フトモモ科
のチョウジノキ(学名:Eugenia caryop
hyllata)の花蕾であり、香辛料や健胃生薬とし
て使用されており、容易に入手することができる。本発
明で使用するクローブ抽出物を得るためには、花蕾以外
にも葉や茎を含んだものであっても良いが、花蕾のみを
使用することが望ましい。
【0010】クローブ抽出物を得るための抽出溶媒とし
ては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等の低級アルコール及び水から選ばれた
1種または2種以上を使用することができるが、エチル
アルコール濃度50重量%以上のエチルアルコール水溶
液及び/またはメチルアルコール濃度50重量%以上の
メチルアルコール水溶液が好ましく、エチルアルコール
濃度70〜90重量%のエチルアルコール水溶液が特に
好ましい。アルコール濃度50重量%未満のエチルアル
コール水溶液またはメチルアルコール水溶液を使用する
と抗菌成分も抽出されるが、抗菌性にほとんど関与しな
い色素成分等も多く抽出されるため、抽出物自体の色が
濃くなり、添加する化粧料の外観を損なう場合があり好
ましくない。特にエチルアルコール濃度70〜90重量
%のエチルアルコール水溶液を使用すると、色素成分の
抽出が少なく特に好ましい。
【0011】上記の抽出溶媒の量は特に制限はないが、
クローブに対して重量比で当量から20倍量、好ましく
は当量から5倍量である。抽出は、常温もしくは低温で
行なうことが色素成分の抽出を抑えることができるので
好ましいが、抽出効率の向上や抽出時間の短縮のために
加熱して行なっても良い。
【0012】本発明で使用するクローブ抽出物は、オイ
ゲノール等の精油成分を除去することが必要である。オ
イゲノール等の精油成分は抗菌作用を有するが、揮発性
で特有の強い臭気を有するため、精油成分を含んだまま
では添加する化粧料の香りを損なうために好ましくな
い。オイゲノール等の精油成分を除去する方法として
は、クローブの抽出の前に水蒸気蒸留により除去する方
法や、抽出後に水を加えてあるいは水蒸気を吹き込み、
水と共沸させて除去する方法等を挙げることができ、い
ずれの方法を用いても良い。
【0013】このようにして得られた精油成分を除去し
たクローブ抽出液は、そのまま用いても、濃縮して用い
ても、完全にあるいは適度に濃縮した後に溶媒に溶解し
て使用しても良い。濃縮後に溶解する溶媒としては、特
に限定されるものではないが、化粧料に通常使用される
ものであることが望ましく、水、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、グリセリン、プロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール等を例示することが
できる。
【0014】これらの精油成分を除去したクローブ抽出
液、これを濃縮した濃縮物あるいは濃縮後に溶媒に溶解
したエキスは、そのまま化粧料組成物に添加しても良い
が、化粧水等の水系の化粧料では水不溶性成分が析出し
たり分離したりするため、水に不溶な成分を除去して用
いることが好ましい。水不溶性成分の除去は、抽出液あ
るいは濃縮物に水を加えて水可溶性成分を溶解した後、
ロ過等により行なうことができる。尚、水不溶性成分の
除去の工程は、精油成分を除去する工程の前でも後でも
良い。精油成分を除去後に水不溶性成分を除去した場合
は、そのまま、これを濃縮して濃縮物とした後、あるい
は濃縮後に上述の溶媒に溶解してエキスとした後、化粧
料組成物に使用することができる。水不溶性成分を除去
後に精油成分を除去する場合は、精油成分を除去後、同
様にそのまま、これを濃縮して濃縮物とした後、あるい
は濃縮後に上述の溶媒に溶解してエキスとした後、化粧
料組成物に使用することができる。
【0015】このようにして得られたクローブ抽出物
は、化粧料組成物に対して固形分換算で0.001〜5
重量%、好ましくは0.002〜2重量%配合する。
【0016】本発明に用いるインチンコウは、キク科の
カワラヨモギ(学名:Artemisia capil
laries Thumb.)の花穂であり、生薬とし
て使用されているものである。本発明で使用するインチ
ンコウ抽出物を得るためには、花穂以外にも葉や茎等を
含んだものであっても良いが、花穂のみを使用すること
が望ましい。
【0017】インチンコウ抽出物を得るための抽出溶媒
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール等の低級アルコール及び水から選ば
れた1種または2種以上を使用することができるが、エ
チルアルコール濃度50重量%以上のエチルアルコール
水溶液及び/またはメチルアルコール濃度50重量%以
上のメチルアルコール水溶液が好ましく、エチルアルコ
ール濃度60〜80重量%のエチルアルコール水溶液が
特に好ましい。アルコール濃度50重量%未満のエチル
アルコール水溶液またはメチルアルコール水溶液を使用
すると、抗菌成分の抽出量が少なくなると共に色素成分
の抽出量が多くなるため好ましくない。特にエチルアル
コール濃度60〜80重量%のエチルアルコール水溶液
を使用すると、有効成分の抽出効率が高く好ましい。
【0018】上記の抽出溶媒の量は特に制限はないが、
インチンコウに対して重量比で3倍量から20倍量、好
ましく5倍量から10倍量である。抽出は、常温もしく
は低温で行なうことが色素成分の抽出を抑えることがで
きるので好ましいが、抽出効率の向上や抽出時間の短縮
のために加熱して行なっても良い。
【0019】尚、上述の低級アルコール水溶液等でのイ
ンチンコウの抽出に先立ち、インチンコウを水のみで抽
出すると、抗菌成分はほとんど抽出されずに色素成分や
インチンコウ特有の臭気成分が抽出されるので、水でイ
ンチンコウの色素成分や臭気成分を抽出除去した後に、
上述の低級アルコール水溶液等で抽出することにより抗
菌性成分の抽出量を低下させずに臭気成分等の少ないイ
ンチンコウ抽出物を得ることができ更に好ましい。
【0020】得られたインチンコウ抽出液は、そのまま
用いても、濃縮して用いても、完全にあるいは適度に濃
縮した後に溶媒に溶解して使用しても良い。濃縮後に溶
解する溶媒としては、特に限定されるものではないが、
化粧料に通常使用されるものであることが望ましく、
水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、グリ
セリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール等を例示することができる。
【0021】このようにして得られたインチンコウ抽出
物は、化粧料組成物に対して固形分換算で0.001〜
5重量%、好ましくは0.002〜2重量%配合する。
【0022】本発明で用いる炭素数8〜12の脂肪酸の
モノグリセライドとは、カプリル酸、ペラルゴン酸、カ
プリン酸、ウンデシル酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸
等の炭素数8〜12の脂肪酸とグリセリンとのモノエス
テルであり、これらの1種または2種以上を使用する。
通常、これらのモノグリセライドは、上記の脂肪酸とグ
リセリンをエステル化し、分子蒸留等によりモノグリセ
ライドを分離して製造されるが、ジグリセライドやトリ
グリセライドを含有するものであっても使用することが
できる。通常、これらのモノグリセライドは上記の化学
合成により製造されるが、天然にも存在する成分であ
り、人体に対する安全性の面では前述の化学合成系の抗
菌剤よりも優れている。これらのモノグリセライドは、
水への溶解性が低く、化粧水等の水系の化粧料では析出
または分離したりするため、化粧料組成物に界面活性剤
を添加してこれらのモノグリセライドを可溶化する必要
があるが、モノグリセライドを構成する脂肪酸の炭素鎖
長が長いほど多量の界面活性剤を必要とする等可溶化が
難しくなるため、カプリル酸モノグリセライドを用いる
ことが特に好ましい。
【0023】炭素数8〜12の脂肪酸のモノグリセライ
ドは、化粧料組成物に対して0.01〜2重量%、好ま
しくは0.05〜1重量%配合する。
【0024】精油成分を除去したクローブ抽出物は、細
菌類に対しては抗菌作用を有するが、カビ等の真菌類に
は抗菌作用を有していない。インチンコウ抽出物はカビ
に対しては抗菌作用を有するが、発芽を完全に抑制する
ことはできず、また、細菌類に対しては極めて弱い抗菌
作用を有しているのみである。炭素数8〜12の脂肪酸
のモノグリセライドは、細菌類のうちのグラム陽性菌と
カビ等の真菌類に抗菌作用は有してはいるが極めて弱い
ものである。しかしながら、精油成分を除去したクロー
ブ抽出物とインチンコウ抽出物と炭素数8〜12の脂肪
酸のモノグリセライドを併用することにより、細菌類や
真菌類に対する抗菌作用を相乗的に向上することができ
る。
【0025】本発明の化粧料組成物には、特に化粧水等
の水系の化粧料の場合には、炭素数8〜12の脂肪酸の
モノグリセライド等を可溶化するため、界面活性剤を添
加することが望ましい。このような界面活性剤として
は、特に限定されるものではないが、デカグリセリンモ
ノラウレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、シュ
ークロースモノラウレート等のシュークロース脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン
性界面活性剤が好ましい。
【0026】また、本発明の化粧料組成物は、精油成分
を除去したクローブ抽出物とインチンコウ抽出物及び炭
素数8〜12の脂肪酸のモノグリセライドを必須成分と
するが、これらをそれぞれ単独で添加しても良いし、先
にこれらを含有する抗菌剤製剤を調製して化粧料に添加
しても良い。抗菌剤製剤として添加する場合は、化粧料
に添加しやすくする等の目的で、抗菌剤製剤には、水、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、グリセリ
ン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル等を溶剤等として含有しても良く、上述の界面活性剤
を含有しても良い。
【0027】本発明の化粧料組成物としては、特に限定
されるものではなく、クリーム、乳液、化粧水、美容液
等の基礎化粧品、石鹸、洗顔料、ボディシャンプー、シ
ャンプー、リンス等の清浄用化粧品、ヘアトニック、整
髪料等の頭髪用化粧品、ファンデーション、アイライナ
ー、マスカラ、口紅等のメイクアップ化粧品、歯磨き等
の口腔用化粧品、浴用化粧品等を例示することができ
る。また、これらの化粧料には、通常、化粧料に配合さ
れる各種の成分等を含有することがでる。
【0028】以下、実施例により、本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。尚、以下の実施例中の数値の単位は、特に断りのな
い限り重量%である。
【0029】
【製造例1】 精油成分を除去したクローブ抽出物
(1)の調製 乾燥したクローブ(チョウジノキの花蕾)100gに、
エチルアルコール濃度80重量%のエチルアルコール水
溶液200gを加えて常温にて16時間浸漬して抽出
し、減圧ロ過を行なって抽出液を得た。これに精製水4
00gを加えて減圧濃縮する操作を2回行い、精油成分
を水と共に共沸させて完全に除去した。この濃縮物にエ
チルアルコールを加えて溶解して全量を100gとし、
精油成分を除去したクローブ抽出物(1)を得た。尚、
このクローブ抽出物(1)の固形分量は9.6%であっ
た。
【0030】
【製造例2】 精油成分を除去したクローブ抽出物
(2)の調製 乾燥したクローブ(チョウジノキの花蕾)100gに、
エチルアルコール濃度80重量%のエチルアルコール水
溶液200gを加えて常温にて16時間浸漬して抽出
し、減圧ロ過を行なって抽出液を得た。これに精製水4
00gを加えて、析出物を減圧ロ過して得たロ液を濃縮
する操作を2回行い、水不溶性成分を除去すると共に、
精油成分を水と共に共沸させて完全に除去した。この濃
縮物に1,3−ブチレングリコールを加えて溶解して全
量を100gとし、精油成分を除去したクローブ抽出物
(2)を得た。尚、このクローブ抽出物(2)の固形分
量は6.0%であった。
【0031】
【製造例3】 精油成分を除去したクローブ抽出物
(3)の調製 エチルアルコール濃度50重量%のエチルアルコール水
溶液を用いる以外は、製造例2と同様にして、精油成分
を除去したクローブ抽出物(3)を得た。尚、このクロ
ーブ抽出物(3)の固形分量は6.9%であった。
【0032】
【比較製造例1】 精油成分未除去のクローブ抽出物
(4)の調製 製造例1と同様にして得た抽出液を、そのまま濃縮し、
精製水50gを加えたのち水不溶性成分をロ別し、ロ液
にエチルアルコールを加えて溶解して全量を100gと
し、精油成分未除去のクローブ抽出物(4)を得た。
尚、このクローブ抽出物(4)の固形分量は8.0%で
あった。
【0033】
【製造例4】 インチンコウ抽出物(1)の調製 乾燥したインチンコウ(カワラウヨモギ花穂)100g
にエチルアルコール濃度70重量%のエチルアルコール
水溶液500gを加えて常温にて16時間浸漬して抽出
し、減圧ロ過を行なって抽出液を得た。これに、1,3
−ブチレングリコール160gを加えた後、全量が20
0gになるまで減圧濃縮して、インチンコウ抽出物
(1)を得た。このインチンコウ抽出物(1)の固形分
は4.5%であった。
【0034】
【製造例5】 インチンコウ抽出物(2)の調製 エチルアルコール濃度50重量%のエチルアルコール水
溶液を用いる以外は、製造例4と同様にして、インチン
コウ抽出物(2)を得た。尚、このインチンコウ抽出物
(2)の固形分量は5.2%であった。
【0035】
【実施例1〜3、比較例1〜4】表1記載の実施例1〜
3及び比較例1〜4のモイスチャーローションを調製
し、それぞれの外観、臭気及び抗菌性を調べた結果を表
1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【実施例4〜7、比較例5〜8】表2記載の実施例4〜
7及び比較例5〜8のエモリエントクリームを調製し、
それぞれの外観、臭気及び抗菌性を調べた結果を表2に
示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【評価方法】(1)モイスチャーローションの外観 各化粧料の外観を、抗菌成分無配合の化粧料と比較し、
下記の基準により評価した。評価基準: 色 ○:無配合と同じかほぼ同じ。 △:やや着色がある。 ×:著しい着色がある。 濁り ○:無配合と同じかほぼ同じ。 △:やや濁りがある。 ×:著しい濁りがある。
【0040】(2)エモリエントクリームの外観 各化粧料の外観を、抗菌成分無配合の化粧料と比較し、
下記の基準により評価した。 評価基準: ○:無配合と同じかほぼ同じ。 △:やや着色がある。 ×:著しい着色がある。
【0041】(3)モイスチャーローション及びエモリ
エントクリームの臭気 各化粧料の臭気を、抗菌成分無配合の化粧料と比較し、
下記の基準により評価した。 評価基準: ○:無配合と同じかほぼ同じ。 △:やや臭気がある。 ×:著しい臭気がある。
【0042】(4)抗菌性試験 下記A〜Eの試験菌株を使用した。 A:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus
aureus ATCC6538) B:大腸菌(Escherichia coli AT
CC 8739) C:緑膿菌(Pseudomonas aerugin
osa ATCC 9627) D:カンジダ酵母(Candida albicans
ATCC 10231) E:黒麹カビ(Asperugillus niger
ATCC 16404) 各化粧料の試料1gあたり、細菌(A〜C)は10の6
乗個、真菌(D〜E)は10の5乗個を植菌し、細菌は
37℃、真菌は25℃にてそれぞれ培養して、接種直
後、7日目、14日目、21日目及び28日目の生菌数
を測定し、下記の基準により評価した。 細菌(A〜C)の評価基準: ◎:接種した細菌が、7日以内に全て死滅する。 ○:接種した細菌が、7日以内に初発菌数の0.1%以
下に減少し、以後それ以前のレベルを維持、あるいはそ
れ以下に減少する。 △:接種した細菌が、14日以内に初発菌数の0.1%
以下に減少し、以後それ以前のレベルを維持、あるいは
それ以下に減少する。 ×:上記の△の基準を満たさない。 真菌(D〜E)の評価基準 ◎:接種した真菌が、14日間で初発菌数の10%以下
に減少し、以後それ以前のレベルを維持、あるいはそれ
以下に減少する。 ○:接種した真菌が、14日間で初発菌数の50%以下
に減少し、以後それ以前のレベルを維持、あるいはそれ
以下に減少する。 △:接種した真菌が、14日間で初発菌数を維持、ある
いはそれ以下に減少し、以後それ以前のレベルを維持、
あるいはそれ以下に減少する。 ×:上記の△の基準を満たさないか、発芽する。
【0043】表1、2に示すように、クローブまたはイ
ンチンコウの抽出に50%エチルアルコール水溶液を使
用した実施例2と3では抽出物の色が濃くややその影響
が現われるものの、その他の項目では良好な結果であ
り、また、その他の実施例においては全ての項目で良好
な結果であった。一方、クローブ抽出物、インチンコウ
抽出物あるいは炭素数8〜12の脂肪酸のモノグリセラ
イドのいずれかを欠く比較例1〜3及び5〜7は、抗菌
性の点で不充分であり、また、精油成分を含むクローブ
抽出物を使用した比較例4及び8は、その精油成分の強
い臭気の影響で化粧料として使用できるものではなかっ
た。
【0044】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の精油成
分を除去したクローブ抽出物、インチンコウ抽出物及び
炭素数8〜12の脂肪酸のモノグリセライドを使用した
化粧料組成物は、化粧料自体の臭気を損なうことなく、
かつ幅広い微生物に対して強い抗菌作用を有するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 敦之 大阪府泉大津市臨海町1丁目20番 阪本薬 品工業株式会社研究所内 Fターム(参考) 4C083 AA011 AA012 AC022 AC072 AC122 AC172 AC242 AC302 AC421 AC422 AC432 AC662 AD042 AD202 CC04 CC05 DD23 DD27 DD31 EE01 EE03 EE10 EE11 FF01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(C)、 (A)クローブ(フトモモ科、チョウジノキの花蕾)を
    低級アルコール及び/または水で抽出した抽出物から精
    油成分を除去した抽出物、あるいは予め精油成分を除去
    したクローブを低級アルコール及び/または水で抽出し
    た抽出物。 (B)インチンコウ(キク科、カワラヨモギの花穂)を
    低級アルコール及び/または水で抽出した抽出物。 (C)炭素数8〜12の脂肪酸のモノグリセライド。 を含有する化粧料組成物。
  2. 【請求項2】 (A)及び(B)が、エチルアルコール
    濃度50重量%以上のエチルアルコール水溶液及び/ま
    たはメチルアルコール濃度50重量%以上のメチルアル
    コール水溶液で抽出されたものである請求項1記載の化
    粧料組成物。
  3. 【請求項3】 (A)が、水に不溶な成分を除去したも
    のである請求項1及び2記載の化粧料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006002927A3 (en) * 2004-06-30 2006-04-27 Nutrition Sciences Nv Medium chain fatty acids applicable as anti-microbial agents
FR2972927A1 (fr) * 2011-03-21 2012-09-28 Oreal Composition cosmetique comprenant une huile essentielle de clou de girofle et un agent tensioactif non ionique comportant au moins un motif sucre.
CN111110605A (zh) * 2020-02-13 2020-05-08 广东省禾基生物科技有限公司 含有植物提取物的组合物及其制备方法与应用

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