JP2001300163A - 表皮被覆成形体及びその製造方法 - Google Patents

表皮被覆成形体及びその製造方法

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JP2001300163A JP2000127127A JP2000127127A JP2001300163A JP 2001300163 A JP2001300163 A JP 2001300163A JP 2000127127 A JP2000127127 A JP 2000127127A JP 2000127127 A JP2000127127 A JP 2000127127A JP 2001300163 A JP2001300163 A JP 2001300163A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストの安価な表皮被覆成形体及びその
製造方法を提案する。 【解決手段】 芯部材11,21の表面を被覆する表皮
材12,22を、一枚の平布状の表皮材で構成し且つ芯
部材11,21の表面上にこれを包み込むように被せる
とともに、その弛緩残余部を芯部材のスリット15〜1
8,24〜26内に折り込んで固定することで、表皮材
12,22の表面上に縫合線が存在せずその一体感が増
して意匠性が良好となる。また、スリット15〜18,
24〜26を設けた芯部材11,21の表面上に、これ
を包み込むように一枚の平布状の表皮材を被せた後、表
皮材12,22の弛緩残余部を芯部材11,21のスリ
ット15〜18,24〜26内に折り込んで接着固定す
ることで表皮被覆成形体1,2を製造することで、作業
時間と作業工数の低減により製造コストの低下が図れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、表皮被覆成形体
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芯部材の表面を表皮材によって被覆して
構成される表皮被覆成形体、例えば、車両用シートにお
いては、そのシートバック及びシートクッションは、共
に略矩形の平面形状をもちその本体部を構成するパッド
部材と該パッド部材の表面を被覆する表皮材とで構成さ
れている。そして、このシートバックあるいはシートク
ッションの製造に際しては、パッド部材の表面側に、該
パッド部材の形状に対応するように予め袋状に縫製され
た表皮材を被せてこれらを一体化するのが従来一般的な
方法であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の製造方法によれば、表皮材をパッド部材の形状に
合わせるべく型紙調整して裁断し、さらにこの裁断され
たものを縫合して袋状形態とするものであることから、
表皮材の製作に多くの時間と作業工数を必要とし、その
結果、表皮被覆成形体の製造コストが高くつくという問
題があった。
【0004】さらに、表皮材を型紙調整して裁断するこ
とから、必然的に裁断屑が生じ、この裁断屑の処理に費
用がかかるとともに、その処理方法によっては地球環境
に悪影響を及ぼすということも懸念されるものであっ
た。
【0005】そこで、本願発明は、製造コストが安価で
且つ後処理が不要な表皮被覆成形体及びその製造方法を
提案することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0007】本願の第1の発明では、適度の弾性を有す
る素材で形成された芯部材と該芯部材の表面を被覆する
表皮材とを備えて構成される表皮被覆成形体において、
上記芯部材がその表面の適所に該表面から内部側へ切れ
込むスリットを備える一方、上記表皮材を、一枚の平布
状の表皮材で構成し上記芯部材の表面上にこれを包み込
むように被せるとともに、該芯部材の表面上に弛緩状態
で残った弛緩残余部を上記芯部材の上記スリット内に折
り込んで固定したことを特徴としている。
【0008】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる表皮被覆成形体において、上記表皮被覆成形体が
車両用シートであって、上記芯部材をシートクッション
又はシートバックの本体部を構成するパッド部材とし、
該パッド部材の表面を上記表皮材で被覆して構成したこ
とを特徴としている。
【0009】本願の第3の発明では、適度の弾性を有す
る素材で形成された芯部材の表面が表皮により被覆され
てなる表皮被覆成形体の製造方法において、上記芯部材
の表面の適所に該表面から内部側へ切れ込むスリットを
設ける一方、該芯部材の表面上に、該芯部材を包み込む
ように一枚の平布状の表皮材を被せ、しかる後、上記表
皮材のうち、上記芯部材の表面形状に沿わずに該表面上
に弛緩状態で残った弛緩残余部を、上記芯部材の上記ス
リット内に折り込んで該スリット内面側に接着固定して
上記表皮を形成することを特徴としている。
【0010】本願の第4の発明では、上記第3の発明に
かかる表皮被覆成形体の製造方法において、上記スリッ
トの切り込み深さを、該スリットに対応する上記表皮材
の弛緩残余部の大きさが大きいほど深くなるように設定
し、該スリット内に上記弛緩残余部の全てを折り込むよ
うにしたことを特徴としている。
【0011】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0012】 本願の第1の発明にかかる表皮被覆成
形体によれば、上記芯部材の表面を被覆する上記表皮材
が、一枚の平布状の表皮材で構成され且つ上記芯部材の
表面上にこれを包み込むように被せられるとともに、該
表面上に弛緩状態で残った弛緩残余部を上記芯部材の上
記スリット内に折り込んで固定されているので、例えば
従来のように上記表皮材が予め袋状に縫製されて上記芯
部材に被せられている場合のように該表皮材の表面上に
縫合線が存在せず、この結果、上記表皮材の一体感が増
してその意匠性が良好となり、それだけ商品価値が高め
られることになる。
【0013】 本願の第2の発明にかかる表皮被覆成
形体によれば、上記第1の発明にかかる表皮被覆成形体
において、上記表皮被覆成形体が車両用シートであっ
て、上記芯部材をシートクッション又はシートバックの
本体部を構成するパッド部材とし、該パッド部材の表面
を上記表皮材で被覆して構成しているので、意匠性が良
好で商品価値の高い車両用シートを提供できるものであ
る。
【0014】 本願の第3の発明にかかる表皮被覆成
形体の製造方法によれば、上記芯部材の表面の適所に該
表面から内部側へ切れ込むスリットを設ける一方、該芯
部材の表面上に、該芯部材を包み込むように一枚の平布
状の表皮材を被せ、しかる後、上記表皮材のうち、上記
芯部材の表面形状に沿わずに該表面上に弛緩状態で残っ
た弛緩残余部を、上記芯部材の上記スリット内に折り込
んで該スリット内面側に接着固定して上記表皮を形成す
るようにしているので、例えば従来のように表皮材を予
め袋状に縫製して芯部材に被せる場合に比して、表皮材
の型紙調整による裁断作業と裁断後の縫合作業とが省略
され、それだけ作業時間及び作業工数の低減により製造
コストが低下することから、表皮被覆成形体をより安価
に提供できるものである。
【0015】また、上記表皮材を型紙調整により裁断す
ることなく、一枚の平布状のまま使用することから、裁
断に伴う裁断屑が発生せず、裁断屑の処理が不要である
分だけ製造コストの更なる低減が可能となるものであ
る。
【0016】 本願の第4の発明にかかる表皮被覆成
形体の製造方法によれば、上記第3の発明にかかる表皮
被覆成形体の製造方法において、上記スリットの切り込
み深さを、該スリットに対応する上記表皮材の弛緩残余
部の大きさが大きいほど深くなるように設定し、該スリ
ット内に上記弛緩残余部の全てを折り込むようにしてい
るので、該弛緩残余部が表皮材の表面上に露出すること
がなく、それだけ表皮被覆成形体の良好な美観性が確保
され、その意匠性の更なる向上が期待できるものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を好適な実施形態
に基づいて具体的に説明する。
【0018】図1には、本願発明に係る表皮被覆成形体
の一例として車両用シートZを示している。この車両用
シートZは、シートクッション2と該シートクッション
2の後端部において前後方向に傾動可能に取り付けられ
たシートバック1とを備えて構成される。尚、図1にお
いて、符号3は上記シートバック1の上端に取り付けら
れたヘッドレスト、符号4は上記シートバック1とシー
トクッション2の連結部に設けられたリクライニング機
構であり、さらに、符号45〜46及び符号54,55
は上記シートバック1及びシートクッション2にそれぞ
れ形成された後述の折り込み溝である。このシートバッ
ク1及びシートクッション2の製造に本願発明にかかる
製造方法が適用されている。以下、このシートバック1
とシートクッション2の製造方法をそれぞれ説明する。
【0019】A:シートバック1の製造方法 上記シートバック1は、後述するように、その本体部を
構成するパッド部材11と該パッド部材11の剛性確保
部材としてのシートバックフレーム5と該パッド部材1
1の表面を被覆する表皮材12とを備えて構成される。
【0020】A−1:パッド部材11の構成 図2〜図6には、後述のシートバックフレーム5ととも
にシートバック1の本体部を構成するパッド部材11を
示している。
【0021】上記パッド部材11は、適度の弾性をもつ
樹脂材によって一体成形された略矩形厚板状形態をもつ
部材であって、その表面11aは、幅方向においてはそ
の両側面11c,11d寄り部分が盛り上がるととも
に、上下方向においては上端面11f側から下端面11
e側にかけて次第に厚さが増すように、幅方向と上下方
向の双方に湾曲する曲面形状とされている。
【0022】また、このパッド部材11の裏面11b側
には、該裏面11bから所定深さに陥没した略矩形の平
面形状をもつ低位部11gが設けられている。さらに、
上記低位部11gの上端面11f寄りの端部には略U字
状の断面形状をもつ嵌入凹部11kが、下端面11e寄
りの端部には略U字状の断面形状をもつ嵌入凹部11j
が、さらに両側面11c,11d寄りの端部には略U字
状の断面形状をもつ嵌入凹部11m,11mが、それぞ
れ設けられている。
【0023】さらに、上記パッド部材11の表面11a
の上下方向中段部には、所定深さをもって幅方向に延び
るスリット15(図17を参照)が形成されている。ま
た、上記パッド部材11の両側面11c,11dには、
該側面11c,11d上をその厚さ方向に延びて該側面
11c,11dから裏面11b側に回り込む(図9を参
照)三本のスリット16,17,18がそれぞれ形成さ
れている。尚、この各スリット16,17,18の上記
側面11c,11d上における形成位置は、曲面部分で
あって後述する表皮材12を被せたとき該表皮材12が
パッド部材11の形状に沿わずに皺となって残り易い部
位、具体的には、該両側面11c,11dの下端寄り部
位(スリット16の形成部位)と上端寄り部位(スリッ
ト17の形成部位)と上端面11fと連続するコーナ部
(スリット18の形成部位)の三カ所としている。
【0024】一方、上記パッド部材11の下端面11e
側の左右両端部には、それぞれ切欠部11h,11iが
形成されている。これら各切欠部11h,11iのう
ち、シートバック1の正面視において右側に位置する切
欠部11hは、後述するシートバックフレーム5のヒン
ジ6d(図12参照)が、また正面視において左側に位
置する切欠部11iは、シートバックフレーム5のナッ
クル6c(図12参照)と上記リクライニング機構4と
が、それぞれ配置される。
【0025】A−2:表皮材12の構成 上記表皮材12は、図7に示すように、表皮材が巻回さ
れた原反ロール(図示省略)から所定長さ(具体的に
は、その長さ方向又は幅方向の中間部から略U字状に折
り返した状態で上記パッド部材11の表裏両面を同時に
覆うことができるような長さ)に切り取られたもので、
矩形平布状の形態を有している。尚、説明の便宜上、上
記表皮材12を、概念上その長さ方向又は幅方向におい
て二つの部分に区画し、そのうちの一方で且つ上記パッ
ド部材11の表面11a側の被覆に使用される部分を表
面対応部12Aとし、他方で且つパッド部材11の裏面
11b側の被覆に使用される部分を裏面対応部12Bと
する。
【0026】そして、上記表皮材12の上記表面対応部
12A側の端部12aにはU字状の断面形状をもつ樹脂
製の掛止部材13が、また該表皮材12の上記裏面対応
部12B側の端部12bにはU字状の断面形状をもつ樹
脂製の掛止部材14が、それぞれ縫合あるいは接合によ
って予め取り付けられている(図7及び図13を参
照)。尚、この表皮材12の幅寸法は、原反ロールの幅
寸法そのままとされている(即ち、原反ロールから巻き
戻される表皮材12を、単にその長さ方向においてのみ
切断した状態で使用される)。
【0027】このように構成された表皮材12は、上記
パッド部材11への被覆作業時には、図7に示すよう
に、上記一対の掛止部材13,14のうち、一方の掛止
部材14を巻芯としてこれをロール状に巻き取った状態
で使用される。
【0028】A−3:シートバックフレーム5の構成 上記シートバックフレーム5は、上記シートバック1の
剛性確保部材であって、図12に示すように、パイプ体
を略矩形枠状に屈曲形成してなるフレーム材6と、金属
線材によって矩形網状に形成された支持部材7と、該支
持部材7を上記フレーム材6の内部側において弾性的に
支持する複数本のバネ部材8,8,・・とを備えて構成
される。また、上記フレーム材6の下端両隅には、上記
シートバック1を上記シートクッション2側に連結支持
するためのナックル6cとヒンジ6dが取り付けられる
とともに、該ナックル6cには上記リクライニング機構
4が取り付けられている。
【0029】A−4:シートバック1の製造工程 続いて、上記パッド部材11と表皮材12を用いて上記
シートバック1を製造する場合の製造工程を図6〜図1
4を参照しつつ説明する。
【0030】A−4−a:第1工程(図6参照) 第1工程では、図6に示すように、上記パッド部材11
を、その表面11aを上方へ向けた状態で作業台上に載
置し、該表面11a(図6においてハッチングで囲んだ
部分)のみに熱溶融性接着剤を可及的に均一に塗布す
る。この場合、上記スリット15の内面にも接着剤を塗
布する。
【0031】A−4−b:第2工程(図7及び図8参
照) 第2工程では、先ず、図7に示すように、ロール状に巻
き取られた上記表皮材12からその表面対応部12A部
分を巻き戻して平布状に広げ、これを上記パッド部材1
1の表面11aの上方上にセットする。この場合、上記
表面対応部12Aの端部12a側に設けられた上記掛止
部材13が、上記パッド部材11の下端面11eの高さ
方向の中間に位置するように該表皮材12のパッド部材
11に対する相対位置を設定する。
【0032】この状態から、図8に示すように、上記表
皮材12の表面対応部12Aを上記パッド部材11の表
面11a上に被せ、これを該表面11aの全域に張り付
ける。この場合、上記表面11aが曲面形状であること
から、上記表皮材12の表面対応部12Aの中央付近の
部分は該表面11aの形状に沿わずに弛んで皺状となり
該表面11aから浮き上がった状態となる。この皺状に
残った部分、即ち、弛緩残余部は、これを上記パッド部
材11の表面11a上に形成された上記スリット15内
に折り込み状態で押し入れて該スリット15の内面に接
着固定する(図17参照)。これで、上記パッド部材1
1の表面11aの全域に上記表皮材12の表面対応部1
2Aがその形状に沿って被覆される。
【0033】尚、上記パッド部材11の表面11aへの
上記表皮材12の被覆作業に際しては、該表面11aに
塗布された接着剤を適度に加熱溶融させながら該表皮材
12を接着させる。
【0034】A−4−c:第3工程(図9〜図11参
照) 第3工程では、先ず、図9に示すように、上記パッド部
材11を、その表面11aに上記表皮材12の表面対応
部12Aが接着された状態のまま裏返しにし、その裏面
11bを上方に露出させる。この状態においては、上記
表皮材12の表面対応部12Aの周縁部分は、上記パッ
ド部材11の外周から側方へ展延している。
【0035】次に、上記パッド部材11の上記各スリッ
ト16〜18内、及び左右の切欠部11h,11iの端
面にそれぞれに熱溶融性の接着剤を塗布するとともに、
上記低位部11gの左右両側部に位置する各嵌入凹部1
1m,11mの全域に溶剤型接着剤を塗布する。
【0036】そして、先ず、上記パッド部材11の下側
において且つその側方へ展延している上記表皮材12の
表面対応部12Aの周縁部分のうち、その両側縁12
c,12c寄り部分をそれぞれ上方に引き上げ、上記パ
ッド部材11の両側面11d,11dを覆いながら上記
嵌入凹部11m,11mまで回り込ませ、これを、図1
1に示すように、上記溶剤型接着剤の塗布部分に接着固
定する。この場合、上記表面対応部12Aの周縁部分の
うち、上記側面11c,11cの形状に沿わずに弛んで
皺状となる弛緩残余部を上記各スリット16〜18内に
折り込み状態で押し入れ、これを該各スリット16〜1
8の内面に接着固定する(図19及び図20を参照)。
これで、上記パッド部材11の側面11d,11dから
裏面11bにかけての部分が上記表面対応部12Aによ
り被覆される。
【0037】また、上記表皮材12の表面対応部12A
の左右両側の隅部分をそれぞれ引き上げ、これらをそれ
ぞれ上記切欠部11h,11iの端面を覆うように被せ
て接着固定する。
【0038】さらに、上記表皮材12の表面対応部12
A側の被覆作業と同時に、上記裏面対応部12Bを上記
パッド部材11の上端面11f側から裏面11b側に回
り込ませてこれを覆うとともに、その側縁12c,12
c寄りの弛緩残余部を上記スリット18,18内にそれ
ぞれ折り込み状態で押し入れてその内面に接着固定す
る。これで、上記パッド部材11の裏面11bの上部寄
り部分が上記裏面対応部12Bにより被覆される。
【0039】A−4−d:第4工程(図12〜図14参
照) 第4工程では、図12に示すように、その裏面11bの
下端寄り部分(換言すれば、上記低位部11gの下端寄
り部分)を残し、それ以外の部分が上記表皮材12によ
って覆われた状態のパッド部材11の上記低位部11g
部分に、上記シートバックフレーム5を装着する。
【0040】即ち、図12に示すように、先ず、上記表
皮材12のうち、上記パッド部材11の切欠部11iを
覆う部分に切裂部19を、また上記切欠部11hを覆う
部分にも切裂部(図示省略)をそれぞれ形成する。
【0041】しかる後、上記表皮材12の裏面対応部1
2Bによってその一部が覆われた上記パッド部材11の
低位部11gに、その開口部分から上記シートバックフ
レーム5のフレーム材6をその上端部6b側から差し入
れ、図12に示すように、該フレーム材6の全体を上記
低位部11g内に収容するとともに、上記ナックル6c
とリクライニング機構4を上記切裂部19から、上記ヒ
ンジ6dを他方の切裂部から、それぞれパッド部材11
の下端側へ延出させる。
【0042】そして、この場合、上記シートバックフレ
ーム5の装着と同時に、上記表皮材12の裏面対応部1
2Bのうち、未被覆部分をパッド部材11に取り付け
る。即ち、上記フレーム材6の側枠部6a,6aに溶剤
型接着剤を塗布し、この状態で、この側枠部6a,6a
に上記裏面対応部12Bの側縁12c,12cを巻き付
かせながら上記シートバックフレーム5を上記パッド部
材11の低位部11gに装着する。このように上記フレ
ーム材6の側枠部6a,6aに上記裏面対応部12Bの
側縁12c,12cを巻き付かせることで、図14に示
すように、上記表皮材12の嵌入凹部11m,11m部
分においては、上記表皮材12の表面対応部12A側の
側縁12cと裏面対応部12B側の側縁12cとが重な
り合い、上記低位部11gは上記裏面対応部12Bによ
ってその全面が被覆される。
【0043】最後に、図13に示すように、上記パッド
部材11の下端面11eにおいて、上記表皮材12の表
面対応部12A側の端部に設けた上記掛止部材13と裏
面対応部12B側の端部に設けた上記掛止部材14とを
相互に掛止させる。これで、上記パッド部材11の全表
面が上記表皮材12によって被覆され、上記シートバッ
ク1が得られる。
【0044】B:シートクッション2の製造方法 上記シートクッション2は、後述するように、その本体
部を構成するパッド部材21と該パッド部材21の剛性
確保部材としてのフレーム部材23と該パッド部材21
の表面を被覆する表皮材22とを備えて構成される。
【0045】B−1:パッド部材21の構成 図15には、シートクッション2の本体部を構成するパ
ッド部材21を示している。このパッド部材21は、適
度の弾性をもつ樹脂材によって一体成形された略矩形厚
板状形態をもつ部材であって、その表面21aは、その
中央部が滑らかに凹入湾曲する曲面形状とされている。
そして、このパッド部材21は、その表面21aの中央
部に所定深さをもって幅方向に延びるスリット24が設
けられているとともに、その前端面21bと両側面21
d,21eとの境界部には上下方向に延びるスリット2
5,25が、さらにその後端面21cと両側面21d,
21eとの境界部には上下方向に延びるスリット26,
26が、それぞれ設けられている。
【0046】また、上記パッド部材21の裏面には、図
21に示すように矩形皿状形態をもつ板金製のフレーム
部材23が取り付けられ、該フレーム部材23によって
上記パッド部材21の剛性確保が図られている。
【0047】B−2:表皮材22の構成 上記表皮材22は、図15に示すように、上記パッド部
材21をその表面21a側から裏面外周部にかけての部
分を一体的に覆い得るような大きさに切り取られた矩形
平布状の形態を有している。
【0048】B−3:シートクッション2の製造工程 B−3−a:第1工程 第1工程では、図15に示すように、上記パッド部材2
1の表面21aの全域(同図においてハッチングで囲ん
だ部分)に熱溶剤型接着剤を可及的に均一に塗布すると
ともに、該表面21a上に設けられた上記スリット24
の内面にも接着剤を塗布する。
【0049】この状態で、図16に示すように、上記表
皮材22を上記パッド部材21の表面21a上に被せ、
これを該表面21aに接着する。この場合、上記表面2
1aが曲面形状であることから、上記表皮材22の中央
付近の部分は該表面21aの形状に沿わず、弛んで皺状
となり該表面21aから浮き上がった状態となる。この
皺状に残った部分、即ち、弛緩残余部は、図17に示す
ように、これを上記パッド部材21の表面21a上に形
成された上記スリット24内に折り込み状態で押し入
れ、これをその内面に接着固定する。従って、該スリッ
ト24に対応して表皮材22の表面には折り込み溝54
が形成される。
【0050】B−3−b:第2工程 第2工程では、図18に示すように、上記表皮材22の
上記パッド部材11の表面21aの全周から側方へ展延
する周縁部22aを、下方へ引き下げて該周縁部22a
によって上記パッド部材21の前端面21bと後端面2
1cと両側面21d,21eとを覆う。その際、該周縁
部22aのうち、上記パッド部材21の四隅部において
それぞれ弛んで皺として残る弛緩残余部を、それぞれ該
パッド部材21側に設けた上記スリット25,25,2
6,26内に折り込んで接着固定する。従って、このス
リット25,25,26,26部分には、図19及び図
20に示すように、パッド部材21の折り込みによって
それぞれ折り込み溝55,55,56,56が形成され
る。
【0051】これで、上記パッド部材21はその裏面側
を除く全表面が上記表皮材22によって被覆されること
になる。
【0052】B−3−c:第3工程 第3工程では、先ず、図21に示すように、上記パッド
部材21を裏返し、上記フレーム部材23を上方に向け
る。このフレーム部材23の周縁には所定間隔で切起爪
31,31,・・が設けられている。従って、上記フレ
ーム部材23の外周縁の全周から垂れ下がっている上記
表皮材22の周縁部22aを上方へ引き上げてこれを上
記各切起爪31,31,・・に掛止させる。しかる後、
図22に示すように、上記各切起爪31,31,・・を
叩き込むことで、上記パッド部材21の周縁部22aは
上記フレーム部材23側に固定されることになる。
【0053】以上で、上記シートクッション2の製造が
完了する。
【0054】その他 上記実施形態においては、本願発明にかかる表皮被覆成
形体の一例として、車両用シートZのシートバック1及
びシートクッション2を例にとって説明したが、本願発
明はこれに限定されるものではなく、芯部材とその表面
を被覆する表皮材とで構成される物について広く適用で
きるものであり、例えば、上記ヘッドレスト3も本願発
明の製造方法によって製造し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる表皮被覆成形体の実施形態と
しての車両用シートの全体斜視図である。
【図2】図1に示したシートバックを構成するパッド部
材の正面図である。
【図3】図2のIII−III側面図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】図2のV−V断面図である。
【図6】図2に示したパッド部材の斜視図である。
【図7】パッド部材への表皮材の取付け作業説明図であ
る。
【図8】パッド部材への表皮材の取付け作業説明図であ
る。
【図9】パッド部材への表皮材の取付け作業説明図であ
る。
【図10】パッド部材への表皮材の取付け作業説明図で
ある。
【図11】図10のXI−XI拡大断面図である。
【図12】パッド部材へのシートバックフレームの取付
け作業説明図である。
【図13】パッド部材への表皮材の取付け作業説明図で
ある。
【図14】図13のXIV−XIV拡大断面図である。
【図15】図1に示したシートクッションのパッド部材
に対する表皮材の取付け作業説明図である。
【図16】パッド部材に対する表皮材の取付け作業説明
図である。
【図17】図16のXVII−XVII拡大断面図であ
る。
【図18】パッド部材に対する表皮材の取付け作業説明
図である。
【図19】図18のXIX−XIX拡大断面図である。
【図20】図19のXX−XX断面図である。
【図21】表皮材の周縁部の処理作業説明図である。
【図22】表皮材の周縁部の処理作業説明図である。
【符号の説明】
1はシートバック、2はシートクッション、3はヘッド
レスト、4はリクライニング機構、5はシートバックフ
レーム、6はフレーム材、11はパッド部材、12は表
皮材、13及び14は掛止部材、15〜18はスリッ
ト、19は切裂部、21はパッド部材、22は表皮材、
23はフレーム部材、24〜26はスリット、31は切
起爪、45〜48及び54〜56は折り込み溝、Zは車
両用シートである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適度の弾性を有する素材で形成された芯
    部材と該芯部材の表面を被覆する表皮材とを備えて構成
    される表皮被覆成形体であって、 上記芯部材は、その表面の適所に該表面から内部側へ切
    れ込むスリットを備える一方、 上記表皮材は、一枚の平布状の表皮材で構成され上記芯
    部材の表面上にこれを包み込むように被せられるととも
    に、該芯部材の表面上に弛緩状態で残った弛緩残余部が
    上記芯部材の上記スリット内に折り込まれて固定されて
    いることを特徴とする表皮被覆成形体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記表皮被覆成形体が車両用シートであって、上記芯部
    材がシートクッション又はシートバックの本体部を構成
    するパッド部材であり、該パッド部材の表面を上記表皮
    材で被覆して構成されていることを特徴とする表皮被覆
    成形体。
  3. 【請求項3】 適度の弾性を有する素材で形成された芯
    部材の表面が表皮により被覆されてなる表皮被覆成形体
    の製造方法であって、 上記芯部材の表面の適所に該表面から内部側へ切れ込む
    スリットを設ける一方、該芯部材の表面上に、該芯部材
    を包み込むように一枚の平布状の表皮材を被せ、しかる
    後、上記表皮材のうち、上記芯部材の表面形状に沿わず
    に該表面上に弛緩状態で残った弛緩残余部を、上記芯部
    材の上記スリット内に折り込んで該スリット内面側に接
    着固定して上記表皮を形成することを特徴とする表皮被
    覆成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記スリットの切り込み深さを、該スリットに対応する
    上記表皮材の弛緩残余部の大きさが大きいほど深くなる
    ように設定し、該スリット内に該弛緩残余部の全てを折
    り込むようにしたことを特徴とする表皮被覆成形体の製
    造方法。
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