JP2001298164A - ヒステリシス特性の改善したBi系強誘電体素子およびその製造方法 - Google Patents

ヒステリシス特性の改善したBi系強誘電体素子およびその製造方法

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JP2001298164A
JP2001298164A JP2000109685A JP2000109685A JP2001298164A JP 2001298164 A JP2001298164 A JP 2001298164A JP 2000109685 A JP2000109685 A JP 2000109685A JP 2000109685 A JP2000109685 A JP 2000109685A JP 2001298164 A JP2001298164 A JP 2001298164A
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ferroelectric thin
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Yoshimi Sato
善美 佐藤
Yoshiyuki Takeuchi
義行 竹内
Atsushi Kawakami
敦史 川上
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に不揮発性の強誘電体メモリ等に好適に利
用される、ヒステリシス特性の改善したBi系強誘電体
素子およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 基板上に下部電極、Bi系強誘電体薄
膜、および上部電極が順次積層したBi系強誘電体素子
であって、(i)電圧印加開始後の印加電圧1Vにおけ
る分極量(Pr)が4.5μC・cm-2以上、(ii)飽
和時分極量(Pr)が8.0μC・cm-2以上、および
(iii)電圧印加開始後、印加電圧2〜5V間における
1Vあたりの分極量の平均変動量が1.0μC・cm-2
/V以下である特性を有するBi系強誘電体素子、およ
び該強誘電体素子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒステリシス特性の
改善したBi系強誘電体素子およびその製造方法に関す
る。本発明は特に不揮発性の強誘電体メモリ等に好適に
利用される。
【0002】
【従来の技術】近年、(Bi222+(Am-1
m3m+12-〔ただし、Aは1、2、3価のイオン(例
えば、Bi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、およ
び希土類元素)およびこれらのイオンの組み合わせを示
し;Bは4、5、6価のイオン(例えば、Ti、Nb、
Ta、W、Mo、Fe、Co、Cr等の金属元素)およ
びこれらのイオンの組み合わせを示し;m=1〜5の整
数である〕の一般式で表される層状構造を有するBi系
強誘電体(BLSF)薄膜は、P−Eヒステリシスの抗
電界が小さく、分極反転に伴う膜の疲労性が少ないなど
の特性を有することから、半導体メモリ用およびセンサ
用の材料として脚光を浴びている(竹中正 「ビスマス
層状構造強誘電体と粒子配向」;(社)応用物理学会
応用電子物性分科会研究報告、1994年11月22日、pp.1-
8;「セラミックス」Vol.30、No.6、pp.499-503(199
5))。中でも、A金属元素としてSrを用い、B金属
元素としてTaを用いたSBTO型;A金属元素として
Srを用い、B金属元素してNbを用いたSBNO型;
A金属元素としてSrを用い、B金属元素としてTaお
よびNbを用いたSBTNO型;A金属元素としてLa
を用い、B金属元素としてTiを用いたBLTO型など
のBi系強誘電体薄膜は、上記の特性をよく示す材料と
して注目されており、近年、活発に研究が行われてい
る。
【0003】このようなBi系強誘電体薄膜を用いた素
子、およびその製造方法が、種々報告されている。
【0004】例えば特表平7−502149号公報で
は、下部電極を設けた基板上に、Bi系強誘電体薄膜形
成用塗布液を塗布、乾燥後、加熱処理(結晶化処理)し
て薄膜を形成した後、該薄膜上に上部電極を設け、続い
て750℃で30分間の加熱処理(第二次焼成)を行う
方法が開示されている。
【0005】また、特開平10−270646号公報で
は、下部電極を設けた基板上に、Bi系強誘電体薄膜形
成用塗布液を塗布、乾燥後、加熱処理(結晶化処理)を
行って薄膜を形成した後、該薄膜上に上部電極を形成
し、続いて昇温速度20℃/s以上、500〜850℃
で3分間以内の急速加熱処理(RTA:Rapid Thermal Ann
ealing)を行う方法が開示されている。そして、熱処理
を昇温速度20℃/s以上の急速加熱処理で、かつ短時
間で行うことにより、下部電極やトランジスタなどに悪
影響を及ぼさずに、膜構造が緻密で微細加工に非常に有
利なBi系強誘電体薄膜を形成することができるとして
いる。
【0006】このように従来、Bi系強誘電体素子にお
いては、下部電極−Bi系強誘電体薄膜上に上部電極を
形成した後、加熱処理や急速加熱処理を行うことによっ
て素子の特性向上を図る方法が提案されている。
【0007】しかしながら、技術の進展が著しい今日の
Bi系強誘電体メモリの実用化のためには、さらなる飽
和特性の向上が望まれ、角形比のよいヒステリシス曲線
を有し、分極値(Pr値)が高い、ヒステリシス特性の
改善したBi系強誘電体素子が要求されている。
【0008】また、飽和特性等の強誘電体素子特性の向
上のために、上部電極形成後、800℃程度の温度で
0.5〜2時間程度加熱する方法も提案されているが、
このような高温、長時間の加熱処理は、実際の半導体デ
バイスの製造には適用が難しいことから、できるだけ低
温または短時間の加熱処理で、特性のよいBi系強誘電
体素子を製造可能な方法が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、飽和
特性に優れ、角形比の良いヒステリシス曲線を有し、分
極値(Pr値)が高い、ヒステリシス特性の改善したB
i系強誘電体素子を提供することにある。また、当該B
i系強誘電体素子を効率よく製造する方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、基板上に下部電
極、Bi系強誘電体薄膜、および上部電極を順次積層し
た後、加熱処理(リカバリーアニール)を行い、次いで
昇温速度10℃/s以上の急速加熱処理(RTA)を行
うという2段階加熱処理を行うことにより、飽和特性に
優れ、角形比のよいヒステリシス曲線を有し、分極値
(Pr値)が高い、ヒステリシス特性の改善したBi系
強誘電体素子を効率よく製造できることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、基板上に下部電極、B
i系強誘電体薄膜、および上部電極が順次積層したBi
系強誘電体素子であって、該強誘電体素子が、(i)電
圧印加開始後の印加電圧1Vにおける分極量(Pr)が
4.5μC・cm-2以上であり、(ii)飽和時分極量
(Pr)が8.0μC・cm-2以上であり、および(ii
i)電圧印加開始後、印加電圧2〜5V間における1V
あたりの分極量の平均変動量が1.0μC・cm-2/V
以下である特性を有することを特徴とするヒステリシス
特性の改善したBi系強誘電体素子に関する。
【0012】また本発明は、上記Bi系強誘電体素子を
効率よく製造できる方法であって、該方法は(I)基板
上に下部電極を設ける工程、(II)下部電極上にBi系
強誘電体薄膜形成用材料を適用後、加熱処理してBi系
強誘電体薄膜を形成する工程、および(III)Bi系強
誘電体薄膜上に上部電極を設ける工程を含み、かつ、上
記(III)工程が、Bi系強誘電体薄膜上に上部電極を
設けた後、加熱処理(リカバリーアニール)を行う工程
と、次いで急速加熱処理法により10℃/s以上の昇温
速度で、400℃以上の温度まで昇温する工程を含むこ
とを特徴とするBi系強誘電体素子の製造方法に関す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について添付図面を
参照しながら詳述する。
【0014】本発明において、ヒステリシス特性とは、
おもに飽和特性、分極値の高さ、および角形比を総合し
て評価されるものを意味する。
【0015】ここで飽和特性とは、印加電圧に対し、素
子が飽和分極値に達するまでの立ち上がりの早さをい
い、低い印加電圧時において高い分極値で飽和する性質
をいう。なお、低い印加電圧時に高い分極値を示して
も、印加電圧量に比例して分極値が大きく変化するよう
な素子は飽和特性に劣る。例えば図16において、の
ケースは飽和分極値に達するまでの立ち上がりが早く、
低い印加電圧で飽和分極値に達し、かつ該飽和分極値を
維持し続け、飽和特性に優れる。これに対しのケース
では、飽和分極値が低く、飽和分極値に達するまでの立
ち上がりが遅く、飽和分極値に達する印加電圧がに比
べ高く、飽和特性に劣る。またのケースでは、に比
べ飽和分極値に達するまでの立ち上がりが早く、飽和分
極値に達する印加電圧が低いが、印加電圧が上昇するに
つれ分極量が変化し一定せず、飽和特性に劣る。
【0016】角形比とは、ヒステリシス曲線がどれだけ
長方形に近い形状を呈しているかを表すものであり、ヒ
ステリシス曲線が長方形に近い形状ほど角形比がよいと
される。例えば図17において、のケースは角形比が
良好であるが、のケースは角形比が悪い。
【0017】本発明のヒステリシス特性の改善したBi
系強誘電体素子は、(i)電圧印加開始後の印加電圧1
Vにおける分極量(Pr)が4.5μC・cm-2以上、
好ましくは5.0μC・cm-2以上であり、(ii)飽和
時分極量(Pr)が8.0μC・cm-2以上、好ましく
は9.0μC・cm-2以上であり、および(iii)電圧
印加開始後、印加電圧2〜5V間における1Vあたりの
分極量の平均変動量が1.0μC・cm-2/V以下、好
ましくは0.5μC・cm-2/V以下である特性を有す
ることを特徴とする。
【0018】このようにヒステリシス特性に優れる本発
明Bi系強誘電体素子は、下記に示す製造方法、すなわ
ち(I)基板上に下部電極を設ける工程、(II)下部電
極上にBi系強誘電体薄膜形成用材料を適用後、加熱処
理してBi系強誘電体薄膜を形成する工程、および(II
I)Bi系強誘電体薄膜上に上部電極を設ける工程を含
み、かつ、上記(III)工程が、Bi系強誘電体薄膜上
に上部電極を設けた後、加熱処理(リカバリーアニー
ル)を行う工程と、次いで急速加熱処理法により10℃
/s以上の昇温速度で、400℃以上の温度まで昇温す
る工程を含むBi系強誘電体素子の製造方法により好ま
しく得られる。
【0019】なお、本発明でいう急速加熱処理法とは、
昇温速度をコントロールし、所定の温度まで直線的かつ
急速に昇温する手段をいう。
【0020】図1は本発明製造方法により得られるBi
系強誘電体素子の構成の一例を示す模式図である。
【0021】図1に示すように、本発明製造方法ではま
ず、(I)工程として、基板2上に下部電極4を設け
る。
【0022】基板2は、通常、半導体装置や集積回路等
の基板として使用できるものであれば特に限定されるも
のではない。例えば、シリコン等の半導体基板、ガラス
基板等、形成しようとする素子の種類、用途等により適
宜、選択することができる。
【0023】下部電極4は、基板2上に直接設けてもよ
く、あるいは、例えばシリコンウェーハ等の基板上部を
酸化してSi酸化膜3等を形成して、その上に設けても
よい。あるいは、絶縁層、下層配線、層間絶縁層等を形
成した基板上に設けてもよい。
【0024】下部電極4はスパッタリング、蒸着等の公
知の方法により形成することができ、またその膜厚も特
に限定されるものではない。下部電極材料としては、導
電性を示す材料であればよく、特に制限されるものでな
く、例えばPt、Ir、Ru、Re、Os等の金属、お
よびその金属酸化物である導電性金属酸化物等を用いる
ことができる。
【0025】次に(II)工程として、下部電極4上にB
i系強誘電体薄膜形成用材料を適用後、加熱処理してB
i系強誘電体薄膜5を形成する。
【0026】当該Bi系強誘電体薄膜形成用材料として
は、各種のCVD材料や塗布液型の材料が用いられ得る
が、金属組成比の制御のしやすさなどから、塗布液型が
好ましい。
【0027】Bi系強誘電体薄膜形成用塗布液として
は、下記一般式(I)
【0028】
【化3】 (Bi222+(Am-1m3m+12- (I) (式中、AはBi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、
K、および希土類金属元素の中から選ばれる少なくとも
1種の金属元素を表し;BはTi、Nb、Ta、W、M
o、Fe、Co、およびCrの中から選ばれる少なくと
も1種の金属元素を表し;mは1〜5の整数を表す)で
表されるBi層状化合物を含む強誘電体薄膜を形成する
ための塗布液が好ましい。
【0029】中でも下記一般式(II)
【0030】
【化4】 Sr1-xBi2+y(Ta2-z、Nbz)O9+ α (II) (x、y、αは、それぞれ独立に0以上1未満の数を表
し;zは0以上2未満の数を表す)で表されるBi層状
化合物を含む強誘電体薄膜を形成するための塗布液がよ
り好ましい。
【0031】本発明では、Bi系強誘電体薄膜形成用塗
布液として、上記Bi系強誘電体薄膜を構成する金属元
素を含む有機金属化合物を含有するものが好ましく用い
られる。このようなBi系強誘電体薄膜を構成する金属
元素を含む有機金属化合物としては、2−エチルヘキサ
ン酸などの中鎖炭化水素基を有するカルボン酸と該Bi
系強誘電体薄膜の構成金属元素との塩や、エタノール、
メトキシエタノール、メトキシプロパノールなどのアル
コールと該Bi系強誘電体薄膜の構成金属元素とからな
る金属アルコキシド化合物等の有機金属化合物が挙げら
れる。本発明では、少なくとも1つのアルコキシル基が
結合されている金属アルコキシド化合物のほうが、アル
コキシドの交換等により、種々の変性がより容易である
ことから好ましく用いられる。
【0032】このような金属アルコキシド化合物として
は、Biアルコキシド、A金属アルコキシド(ただし、
AはBi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、および
希土類金属元素の中から選ばれる少なくとも1種の金属
元素を表す)、およびB金属アルコキシド(ただし、B
はTi、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co、およびC
rの中から選ばれる少なくとも1種の金属元素を表す)
を含むものが好ましいものとして挙げられる。
【0033】該金属アルコキシド化合物は、その金属元
素にアルコキシル基以外の複数の異なる基が結合してい
てもよく、例えばカルボキシル基等が結合していてもよ
い。
【0034】本発明では特に、上記A金属アルコキシ
ド、B金属アルコキシド、Biアルコキシドのうち、少
なくとも2種の異種金属アルコキシドが複合金属アルコ
キシドを形成しているのが好ましい。このように2種以
上の異種金属アルコキシドを複合化することにより、単
独の金属元素の析出(偏析)、焼失を抑制することがで
き、もってリーク電流の発生をより効果的に抑制するこ
とができる。
【0035】上記Bi系強誘電体薄膜形成用塗布液に含
有される金属アルコキシドの態様は、具体的には以下の
(a)〜(e)が例示される。 (a)A−Bi複合金属アルコキシド、およびB金属ア
ルコキシド。 (b)Bi−B複合金属アルコキシド、およびA金属ア
ルコキシド。 (c)A−B複合金属アルコキシド、およびBi金属ア
ルコキシド。 (d)A−Bi−B複合金属アルコキシド。 (e)A金属アルコキシド、B金属アルコキシド、およ
びBiアルコキシド。
【0036】本発明でいう複合金属アルコキシドは、例
えば異種金属アルコキシドどうしを溶媒中で20〜10
0℃程度の温度条件下で、1〜15時間程度反応させる
ことにより得られる。このようにして得られた複合金属
アルコキシドは、「ゾル・ゲル法によるガラス・セラミ
ックスの製造技術とその応用」(応用技術出版(株)、
1989年6月4日発行)のpp.46〜47に定義されているもの
であると考えられ、具体的には、ABi(OR2k(O
33、BBi(OR4n(OR33、AB(OR2k
(OR4n、ABBi(OR2k(OR4n(O
33、(ここで、A、Bは上記で定義したとおりであ
り;kはA金属元素の原子価であり;nはB金属元素の
原子価であり;R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素原
子数1〜6のアルキル基を表す)で表されるものである
と考えられる。中でも、昇華性が高いといわれるBiを
複合化したABi(OR2k(OR33、BBi(OR
4n(OR33、ABBi(OR2k(OR4n(OR
33、すなわち、上記例示した態様のうち(a)、
(b)、および(d)のものを用いるのが好ましい。
【0037】なお、上記金属アルコキシド、複合金属ア
ルコキシドを形成するアルコールとしては、下記一般式
(III)
【0038】
【化5】R5OH (III) (式中、R5は炭素原子数1〜6の飽和または不飽和の
炭化水素基を表す)が好ましく用いられる。これらアル
コール類としては、具体的には、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シ
クロヘキサノール等が例示される。
【0039】また、上記のアルコール以外のアルコール
類としては、R5がさらに炭素原子数1〜6のアルコキ
シル基で置換されたものが挙げられ、具体的には、メト
キシメタノール、メトキシエタノール、エトキシメタノ
ール、エトキシエタノール、メトキシプロパノール、エ
トキシプロパノール等が例示される。
【0040】本発明では、上記Bi系強誘電体薄膜形成
用塗布液が、上記複合金属アルコキシドと、無水カルボ
ン酸類、ジカルボン酸モノエステル類、β−ジケトン
類、およびグリコール類の中から選ばれる少なくとも1
種の化合物(安定化剤)とを反応させて得られる生成物
を含有するものが好ましく用いられる。
【0041】また、上記Bi系強誘電体薄膜形成用塗布
液が、水、または水と触媒を用いて加水分解・部分重縮
合処理されたゾル−ゲル液であるものが好ましく用いら
れる。
【0042】さらに、上記安定化剤との反応と、上記加
水分解・部分縮重合処理の両者を併用してもよい。
【0043】すなわち本発明では、(1)上記塗布液
(前駆体溶液)を、水、または水と触媒を用いて加水分
解・部分重縮合処理することによってゾル−ゲル液とす
る、(2)上記塗布液を、水、または水と触媒を用いて
加水分解・部分重縮合処理してゾル−ゲル液とした後、
安定化剤を加えて液中の複合金属アルコキシドと反応さ
せる、(3)上記複合金属アルコキシドを、安定化剤と
反応させる、(4)上記塗布液中の複合金属アルコキシ
ドを安定化剤と反応させた後、水、または水と触媒を用
いて加水分解・部分重縮合処理してゾル−ゲル液とす
る、等の態様が好ましい例として挙げられる。
【0044】上記安定化剤は、塗布液の保存安定性を向
上させるためのものであり、特に加水分解後の塗布液の
増粘、ゲル化を抑制するものである。
【0045】上記安定化剤において、無水カルボン酸類
としては、下記一般式(IV)
【0046】
【化6】R6(CO)2O (IV) (式中、R6は2価の炭素原子数1〜6の飽和または不
飽和の炭化水素基を表す)で表される無水カルボン酸の
中から選ばれる少なくとも1種が好適に用いられる。
【0047】このような無水カルボン酸類としては、具
体的には、例えば無水マレイン酸、無水シトラコン酸、
無水イタコン酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、
無水グルタル酸、無水α−メチルグルタル酸、無水α,
α−ジメチルグルタル酸、無水トリメチルコハク酸等を
挙げることができる。
【0048】また、ジカルボン酸モノエステル類として
は、下記一般式(V)
【0049】
【化7】R7OCOR8COOH (V) (式中、R7は炭素原子数1〜6の飽和または不飽和の
炭化水素基を表し;R8は2価の炭素原子数1〜6の飽
和または不飽和の炭化水素基を表す)で表されるジカル
ボン酸モノエステル類の中から選ばれる少なくとも1種
が好ましく用いられる。
【0050】このようなジカルボン酸モノエステル類と
しては、具体的には、例えば2塩基酸のカルボン酸とア
ルコールとを反応させてハーフエステル化したものを用
いることができ、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼリ
ン酸、セバシン酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸、メチルコハク酸、α−メチルグルタル酸、α,α
−ジメチルグルタル酸、トリメチルグルタル酸等の2塩
基酸のカルボン酸の少なくとも1種と、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル等の少なくとも1種とを公知
の方法によりエステル化反応させて合成することができ
る。
【0051】β−ジケトン類としては、下記一般式(V
I)
【0052】
【化8】R9COCR10HCOR11 (VI) (式中、R9は炭素原子数1〜6の飽和または不飽和の
炭化水素基を表し;R10はHまたはCH3を表し;R11
は炭素原子数1〜6のアルキル基またはアルコキシル基
を表す)で表されるβ−ケトエステルを含むβ−ジケト
ンの中から選ばれる少なくとも1種が好適に用いられ
る。
【0053】本発明で用いられるβ−ジケトン類として
は、具体的には、例えばアセチルアセトン、3−メチル
−2、4−ペンタンジオン、ベンゾイルアセトン等を挙
げることができる。またβ−ケトエステルとしては、例
えばアセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル等を挙げるこ
とができる。これ以外の錯体形成剤も適用可能ではある
が、焼成後、金属ハロゲン化物を形成するヘキサフルオ
ロアセチルアセトンなどの錯体形成剤は、昇華性または
揮発性の高い金属錯体を形成するため、本発明の塗布液
への使用は不適当である。
【0054】グリコール類としては、下記一般式(VI
I)
【0055】
【化9】HOR12OH (VII) (式中、R12は2価の炭素原子数1〜6の飽和または不
飽和の炭化水素基を表す)で表されるグリコールの中か
ら選ばれる少なくとも1種が好適に用いられる。
【0056】本発明で用いられるグリコール類として
は、具体的には、1,2−エタンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2,3−
ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペン
タンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジ
オール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,
4−シクロヘキサンジオール、ジプロピレングリコー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、
2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−エ
チル−1,3−ヘキサンジオール、テトラエチレングリ
コール等を例示的に挙げることができる。
【0057】以上の安定化剤は、いずれも炭素原子数が
1〜6の短鎖のものであることが、金属化合物の極性、
塗布後の無機性を高める点で好ましい。
【0058】なお、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸
等の低級モノカルボン酸類も、所望により安定化剤とし
て用いることができる。
【0059】また、上記Bi系強誘電体形成用塗布液を
加水分解・部分重縮合させる場合において、加水分解・
部分重縮合反応は、塗布液中に水、または水と触媒を添
加し、20〜50℃で数時間〜数日間撹拌して行われ
る。触媒としては、金属アルコキシドの加水分解反応用
として公知のもの、例えば塩酸、硫酸、硝酸等の無機
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の有機酸などの酸触媒
や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド等の無機・有機アルカリ
触媒などを挙げることができるが、本発明では、被膜特
性の点から酸触媒を用いることが特に好ましい。
【0060】上述のように複合金属アルコキシドを安定
化剤と反応させてカルボキシル化、β−ジケトン化、キ
レート化等の処理をすることにより、極性を有し、しか
も安定性に優れた生成物(有機金属化合物)を得ること
ができ、加水分解性が向上するとともに、実用的な極性
溶媒の適用が可能となる。その結果、塗布液中でゾル−
ゲル法による縮合重合反応を十分に進行させることがで
き、Bi−O−Bi、Bi−O−Ta、Bi−O−S
r、Ta−O−Bi−O−Sr等の無機結合(メタロキ
サン結合)の生成により、さらにBi等の特定の金属元
素の析出(偏析)量、焼失量を低減することができると
ともに、塗布液全体の無機化を高めることができる。
【0061】上記Bi系強誘電体薄膜形成用塗布液の溶
媒としては、飽和脂肪族系溶媒、芳香族系溶媒、アルコ
ール系溶媒、グリコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケト
ン系溶媒、エステル系溶媒等を挙げることができる。中
でも、酸素原子を分子中に有するアルコール系溶媒、グ
リコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エス
テル系溶媒等は、加水分解型のゾル−ゲル液を調製する
場合に好適に用いられる。
【0062】アルコール系溶媒としては、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコ
ール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール
等が例示される。
【0063】グリコール系溶媒としては、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノア
セテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテ
ル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピ
レングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノー
ル、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3,3’−
ジメチルブタノール等が例示される。
【0064】エーテル系溶媒としては、メチラール、ジ
エチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシ
ルエーテル、トリオキサン、ジオキサン等が例示され
る。
【0065】ケトン系溶媒としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルアミルケトン、メチルシクロヘキシル
ケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、トリメ
チルノナノン、アセトニトリルアセトン、ジメチルオキ
シド、ホロン、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコ
ール等が例示される。
【0066】エステル系溶媒としては、ギ酸エチル、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシ
ル、プロピオン酸メチル、酪酸エチル、オキシイソ酪酸
エチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、メトキシブチ
ルアセテート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、
クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル等が例示され
る。
【0067】これら溶媒は、単独若しくは2種以上を混
合した形で用いることができる。
【0068】本発明製造方法の(II)工程では上記Bi
系強誘電体薄膜形成用材料を下部電極上に適用、乾燥し
て被膜を形成し、これを加熱処理(結晶化処理)して被
膜中の有機物を焼成除去し、酸化膜を形成する。(II)
工程は結晶化されたBi系強誘電体薄膜の形成を行うこ
とができる限り、本発明では特に方法が限定されるもの
でなく、従来からの方法を任意に適用することが可能で
ある。
【0069】したがって(II)工程における加熱手段と
しては特に制限されるものでなく、赤外線照射などによ
り、昇温速度をコントロールし、所定の温度まで直線的
かつ急速に昇温することのできるいわゆるRTA(急速
加熱処理)法や、それ以外のホットプレートやファーネ
ス(炉)を用いた加熱処理法などを適用することができ
る。なお、加熱処理中の雰囲気は、酸素中、大気中、窒
素等の不活性ガス中等、いずれも適用可能で、目的に応
じて適宜、選択することが可能である。
【0070】(II)工程ではこの塗布→乾燥→加熱処理
を数回繰り返して所望の膜厚のBi系強誘電体薄膜を形
成するのが好ましい。良好な電気特性を得るために必要
な膜厚は、80〜300nm程度であり、その膜厚に達
するまで、塗布から加熱処理までの操作を繰り返し行う
(通常2〜5回)。本発明ではこの加熱処理を、ファー
ネス法やホットプレート法により、例えば1回につき4
00〜800℃程度、より好ましくは500〜750℃
程度の温度で、それぞれ1〜90分間程度、より好まし
くは3〜60分間程度行ってもよい。あるいは、RTA
法により、例えば昇温温度10℃/s程度以上、好まし
くは20℃/s程度以上の昇温速度で400〜800℃
程度まで昇温する処理を行ってもよく、さらにその温度
範囲で30分間以内程度の加熱処理、好ましくはその温
度範囲で10〜300秒間程度の加熱処理をしてもよ
い。
【0071】その後、所望により、さらなる薄膜結晶化
のために、加熱処理を行ってもよい。この場合の加熱温
度は、ファーネス法の場合、600〜800℃程度、特
には650〜750℃程度加熱処理を行うのが好まし
い。
【0072】続いて、(III)工程として、Bi系強誘
電体薄膜5上に上部電極7を設ける。上部電極7として
は、下部電極用材料として挙げた金属、金属酸化物等を
用いることができ、これら材料をスパッタ法、蒸着法等
の公知の方法により強誘電体薄膜5上に形成し、強誘電
体素子10を作製する。このとき、上部電極7として
は、下部電極4と異なる材料を用いてもよく、例えば、
下部電極4にIrを用い、上部電極7にRuを用いても
よい。
【0073】本発明では、この(III)工程において、
上部電極を設けた後、加熱処理(リカバリーアニール)
を行う工程と、次いで急速加熱処理法により10℃/s
以上昇温速度で、400℃以上の温度まで昇温する工程
の2段階加熱処理を行う工程を含む点に特徴がある。
【0074】上記リカバリーアニールは、上部電極形成
後、上部電極形成時にBi系強誘電体薄膜に与えたダメ
ージを回復させるため、また上部電極とBi系強誘電体
薄膜との界面を安定化させ、素子の特性を向上させるた
めに行う加熱処理である。またこの加熱処理により、結
晶粒子の成長や、Bi系強誘電体薄膜と上部電極との界
面が安定化するなどして、Bi系強誘電体素子の電気特
性が向上される。
【0075】この加熱処理を行わないと、ヒステリシス
曲線の形状が著しく劣ったものとなり、十分な強誘電体
特性を示し得ない。
【0076】リカバリーアニール後の強誘電体素子は、
形状が改善したヒステリシス曲線となり、強誘電体とし
ての特性を示すことができる。
【0077】リカバリーアニールの手段としては、上記
したように、Bi系強誘電体薄膜のダメージを回復する
に十分な温度、時間であれば特に方法は問うものでな
く、RTA法、ファーネス法、ホットプレート法等、従
来からの加熱手段を用いることができる。
【0078】本発明では、上記ダメージ回復の点から、
リカバリーアニールを、ファーネス法やホットプレート
法により600〜800℃程度の温度で5〜60分間程
度行うのが好ましい。
【0079】なお、リカバリーアニールを、RTA法に
より10℃/s以上の昇温速度で400〜800℃まで
昇温する処理を行ってもよいし、さらにその温度範囲で
30分間以内の加熱処理、特にはその温度範囲で10〜
300秒間程度の加熱処理を行ってもよい。
【0080】リカバリーアニール後、RTA処理を行う
が、昇温速度は10℃/s以上であり、好ましくは30
〜250℃/s、特に好ましくは50〜200℃/sで
ある。
【0081】このRTA処理において、加熱温度が高い
ほど角形比の向上がみられ、素子特性向上の点から、本
発明では少なくとも400℃以上の温度で加熱処理を行
うが、好ましくは500〜800℃、特には650〜8
00℃が好ましい。他方、製造プロセスの点からは、近
年の高集積化に従い許容される温度が下がってきてお
り、低温であるほど有利である。素子特性向上と製造プ
ロセスの両者の観点から、許容される温度と加熱時間と
の中において高温のほうが好ましい。
【0082】また、昇温後の加熱時間としては、0時間
でもよいが、昇温後の温度範囲において、30分間以内
程度の加熱処理を行うのが好ましく、特には10〜30
0秒間程度行うことが好ましい。
【0083】加熱雰囲気は、特に制限はなく、大気中、
窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、酸素分圧雰囲気、酸
素雰囲気など、各種雰囲気下で行うことができる。
【0084】このように、上部電極形成後、リカバリー
アニールを行い、その後に昇温速度10℃/s以上のR
TAを行うという2段階加熱処理により、高い分極値
(Pr値)を維持したまま、素子の飽和特性が向上し、
角形比の良いヒステリシス曲線を有し、ヒステリシス特
性の改善したBi系強誘電体素子を効率よく製造するこ
とができる。
【0085】なお、上記の2段階加熱処理を行った後、
さらにホットプレート法、ファーネス法、RTA法等に
よる加熱手段を所望により複数回行ってもよい。
【0086】
【実施例】
【0087】[合成例1]室温(25℃)において、2
−メトキシプロパノール700gをかき混ぜながら、こ
れにSrイソプロポキシド0.09モル、Taエトキシ
ド0.20モル、Biブトキシド0.21モルを添加
し、均一に溶解するまで攪拌を続けた。
【0088】次いで、液温が60℃になるまで加温し、
この温度を維持したまま7時間攪拌した。
【0089】その後、加温を止め、液温が室温になるま
で攪拌を続けた後、水0.2モルを少量ずつ添加し、添
加終了後、2時間攪拌を行い複合金属アルコキシド溶液
を得た。
【0090】次いで、2−メトキシプロパノールで希釈
して、SBTO酸化物換算で7重量%濃度の塗布液を調
製した。
【0091】[実施例1]膜厚100nmのSiO2
化膜が形成された直径6インチのSi基板上に、RFマ
グネトロンスパッタリング法によって、膜厚60nmの
Pt下部電極を形成した。
【0092】スピンコーターを用いて、Pt下部電極上
に上記合成例1で調製した塗布液を2000rpmで塗
布し、150℃、5分間の乾燥を行い、次いで、500
℃、5分間の加熱処理(第一加熱処理)を行い、続いて
酸素雰囲気中、700℃、30分間の加熱処理(第二加
熱処理)を行った。
【0093】上記の塗布から第二加熱処理までの工程を
5回繰り返し、最後に酸素雰囲気中、700℃、60分
間の加熱処理(第三加熱処理)を行って、膜厚200n
mのBi系強誘電体薄膜を形成した。
【0094】次いで、メタルマスクを介し、直径200
μm、膜厚300nmのPt上部電極を、RFマグネト
ロンスパッタリング法により形成した。この時の素子の
ヒステリシス曲線を図2に示す。
【0095】次いで、酸素雰囲気中、700℃、30分
間のリカバリーアニール(第四加熱処理)を行った。リ
カバリーアニール後のヒステリシス曲線を図3に示す。
【0096】その後、100℃/sの昇温速度で600
℃まで昇温し、この温度を保持したまま、大気中、3分
間のRTA加熱処理(第五加熱処理)を行った。RTA
加熱処理後のヒステリシス曲線を図4に示す。
【0097】図3と図4との比較から、リカバリーアニ
ール後、RTA加熱処理を行うことによって、分極値
(Pr値)を維持したまま飽和特性が向上し、角形比の
優れたヒステリシス曲線となることがわかる。
【0098】[実施例2]実施例1において、RTA加
熱処理(第五加熱処理)を600℃から700℃に変え
た以外は、実施例1と同様にしてBi系強誘電体素子を
形成した。そのヒステリシス曲線を図5に示す。
【0099】図4と図5との比較から、リカバリーアニ
ール後、RTA加熱処理を700℃で行った方が、より
飽和特性が向上し、角形比の優れたヒステリシス曲線と
なることがわかる。
【0100】[実施例3]実施例1において、RTA加
熱処理(第五加熱処理)を600℃から800℃に変え
た以外は、実施例1と同様にしてBi系強誘電体素子を
形成した。そのヒステリシス曲線を図6に示す。
【0101】図4〜図6の比較から、リカバリーアニー
ル後、RTA加熱処理を800℃で行ったものが、最も
飽和特性が向上し、角形比の優れたヒステリシス曲線と
なることがわかる。
【0102】[実施例4]実施例1において、第三加熱
処理、およびリカバリーアニール(第四加熱処理)の加
熱温度を700℃から750℃に変えた以外は、実施例
1と同様にしてBi系強誘電体素子を形成した。RTA
加熱処理(第五加熱処理)前のヒステリシス曲線を図7
に示す。
【0103】次いで、実施例1と同様、100℃/sの
昇温速度で、600℃まで昇温し、この温度を保持した
まま、大気中、3分間のRTA加熱処理(第五加熱処
理)を行った。このRTA加熱処理後のヒステリシス曲
線を図8に示す。
【0104】図7と図8との比較から、リカバリーアニ
ール後、RTA加熱処理を行うことによって、分極値
(Pr値)を維持したまま飽和特性が向上し、角形比の
優れたヒステリシス曲線となることがわかる。
【0105】[実施例5]実施例4において、RTA加
熱処理(第五加熱処理)を600℃から700℃に変え
た以外は、実施例4と同様にしてBi系強誘電体素子を
形成した。そのヒステリシス曲線を図9に示す。
【0106】図8と図9との比較から、リカバリーアニ
ール後、RTA加熱処理を700℃で行った方が、より
飽和特性が向上し、角形比の優れたヒステリシス曲線と
なることがわかる。
【0107】[実施例6]実施例4において、RTA加
熱処理(第五加熱処理)を600℃から800℃に変え
た以外は、実施例4と同様にしてBi系強誘電体素子を
形成した。そのヒステリシス曲線を図10に示す。
【0108】図8〜図10から、リカバリーアニール
後、RTA加熱処理を800℃で行ったものが、最も飽
和特性が向上し、角形比の優れたヒステリシス曲線とな
ることがわかる。
【0109】[実施例7]膜厚100nmのSiO2
化膜が形成された直径6インチのSi基板上に、RFマ
グネトロンスパッタリング法によって、膜厚60nmの
Pt下部電極を形成した。
【0110】スピンコーターを用いて、Pt下部電極上
に上記合成例1で調製した塗布液を2000rpmで塗
布し、150℃、5分間の乾燥を行い、次いで500
℃、5分間の加熱処理(第一加熱処理)を行い、続いて
酸素雰囲気中、700℃、30分間の加熱処理(第二加
熱処理)を行った。
【0111】上記の塗布から第二加熱処理までの工程を
5回繰り返し、最後に酸素雰囲気中、昇温速度100℃
/sで700℃まで昇温し、その温度を維持して180
秒間のRTA加熱処理(第三加熱処理)を行って、膜厚
200nmのBi系強誘電体薄膜を形成した。
【0112】次いで、メタルマスクを介し、直径200
μm、膜厚300nmのPt上部電極を、RFマグネト
ロンスパッタリング法により形成した。
【0113】続いて、酸素雰囲気中、100℃/sの昇
温速度で700℃まで昇温し、この温度を保持したまま
3分間のRTA法によるリカバリーアニール(第四加熱
処理)を行った。
【0114】その後、100℃/sの昇温速度で700
℃まで昇温し、この温度を保持したまま、大気中、3分
間のRTA加熱処理(第五加熱処理)を行い、Bi系強
誘電体素子を得た。RTA加熱処理後のヒステリシス曲
線を図11に示す。
【0115】[実施例8]実施例7において、上部電極
形成前の、強誘電体薄膜形成時のRTA加熱処理(第三
加熱処理)を行わなかった以外は、実施例7の場合と同
様にしてBi系強誘電体素子を形成した。実施例8で得
られたBi系強誘電体素子のヒステリシス曲線を図12
に示す。
【0116】[比較例1]実施例7において、上部電極
形成後、リカバリーアニール(第四加熱処理)を行わず
に、RTA加熱処理(第五加熱処理)を行った以外は、
実施例7と同様にしてBi系強誘電体素子を形成した。
比較例1で得られた素子のヒステリシス曲線を図13に
示す。
【0117】[比較例2]実施例8において、上部電極
形成後、リカバリーアニール(第四加熱処理)を行わず
に、RTA加熱処理(第五加熱処理)を行った以外は、
実施例8と同様にしてBi系強誘電体素子を形成した。
比較例1で得られた素子のヒステリシス曲線を図14に
示す。
【0118】なお、実施例7、8、および比較例1、2
で得られた素子の飽和曲線を図15に示す。図11〜1
4に示すヒステリシス曲線、および図15に示すグラフ
から明らかなように、上部電極形成後、リカバリーアニ
ール、RTA処理の2段階熱処理を行った実施例7、8
では、上部電極形成後、RTA熱処理のみを行った比較
例1、2に比べて、飽和特性に優れ、角形比のよいヒス
テリシス曲線を有し、分極値(Pr値)が高い、ヒステ
リシス特性の改善したBi系強誘電体素子が得られるこ
とがわかる。
【0119】また、リカバリーアニールをファーネス法
で行った実施例1〜6で形成した素子のヒステリシス曲
線と、リカバリーアニールをRTA法で行った実施例
7、8で形成した素子のヒステリシス曲線との比較か
ら、リカバリーアニールをファーネス法で行ったほうが
分極値(Pr値)が高く、角形比のよいヒステリシス曲
線を有する素子が得られることがわかった。
【0120】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ヒ
ステリシス特性の改善したBi系強誘電体素子およびそ
の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のBi系強誘電体素子の構成の一態様を
示す模式図である。
【図2】実施例1において、上部電極形成後、リカバリ
ーアニールを行う前のBi系強誘電体素子のヒステリシ
ス曲線を示すグラフである。
【図3】実施例1において、リカバリーアニールを行っ
た後、RTA処理を行う前のBi系強誘電体素子のヒス
テリシス曲線を示すグラフである。
【図4】実施例1において、リカバリーアニールを行
い、続いてRTA処理を行った後のBi系強誘電体素子
のヒステリシス曲線を示すグラフである。
【図5】実施例2で得られたBi系強誘電体素子のヒス
テリシス曲線を示すグラフである。
【図6】実施例3で得られたBi系強誘電体素子のヒス
テリシス曲線を示すグラフである。
【図7】実施例4において、リカバリーアニールを行っ
た後、RTA処理を行う前のBi系強誘電体素子のヒス
テリシス曲線を示すグラフである。
【図8】実施例4において、リカバリーアニールを行
い、続いてRTA処理を行った後のBi系強誘電体素子
のヒステリシス曲線を示すグラフである。
【図9】実施例5で得られたBi系強誘電体素子のヒス
テリシス曲線を示すグラフである。
【図10】実施例6で得られたBi系強誘電体素子のヒ
ステリシス曲線を示すグラフである。
【図11】実施例7で得られたBi系強誘電体素子のヒ
ステリシス曲線を示すグラフである。
【図12】実施例8で得られたBi系強誘電体素子のヒ
ステリシス曲線を示すグラフである。
【図13】比較例1で得られたBi系強誘電体素子のヒ
ステリシス曲線を示すグラフである。
【図14】比較例2で得られたBi系強誘電体素子のヒ
ステリシス曲線を示すグラフである。
【図15】実施例7、8および比較例1、2で得られた
Bi系強誘電体素子の飽和曲線を示すグラフである。
【図16】飽和特性の良否について説明するグラフであ
る。
【図17】角形比の良否について説明するグラフであ
る。
【符号の説明】
2 基板 3 Si酸化膜 4 下部電極 5 Bi系強誘電体薄膜 7 上部電極 10 Bi系強誘電体素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 敦史 神奈川県川崎市中原区中丸子150番地 東 京応化工業株式会社内 Fターム(参考) 4G048 AA04 AA05 AB05 AC02 AD02 5F058 BA20 BC03 BC04 BC20 BF46 BH01 BH03 BJ01 5F083 JA17 JA38 PR21 PR22 PR34

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下部電極、Bi系強誘電体薄
    膜、および上部電極が順次積層したBi系強誘電体素子
    であって、 該強誘電体素子が、(i)電圧印加開始後の印加電圧1
    Vにおける分極量(Pr)が4.5μC・cm-2以上で
    あり、(ii)飽和時分極量(Pr)が8.0μC・cm
    -2以上であり、および(iii)電圧印加開始後、印加電
    圧2〜5V間における1Vあたりの分極量の平均変動量
    が1.0μC・cm-2/V以下である特性を有すること
    を特徴とする、Bi系強誘電体素子。
  2. 【請求項2】 上記Bi系強誘電体薄膜が、Bi系強誘
    電体薄膜を構成する金属元素を含む有機金属化合物を含
    有するBi系強誘電体薄膜形成用塗布液(前駆体溶液)
    を用いて形成してなる、請求項1記載のBi系強誘電体
    素子。
  3. 【請求項3】 上記有機金属化合物が、Biアルコキシ
    ド、A金属アルコキシド(ただし、AはBi、Pb、B
    a、Sr、Ca、Na、K、および希土類金属元素の中
    から選ばれる少なくとも1種の金属元素を表す)、およ
    びB金属アルコキシド(ただし、BはTi、Nb、T
    a、W、Mo、Fe、Co、およびCrの中から選ばれ
    る少なくとも1種の金属元素を表す)を含む、請求項2
    記載のBi系強誘電体素子。
  4. 【請求項4】 上記Biアルコキシド、A金属アルコキ
    シド、およびB金属アルコキシドのうち、少なくとも2
    種の金属アルコキシドが複合金属アルコキシドを形成す
    る、請求項3記載のBi系強誘電体素子。
  5. 【請求項5】 Bi系強誘電体薄膜形成用塗布液が、上
    記複合金属アルコキシドと、無水カルボン酸類、ジカル
    ボン酸モノエステル類、β−ジケトン類、およびグリコ
    ール類の中から選ばれる少なくとも1種の化合物とを反
    応させて得られる生成物を含有する、請求項4記載のB
    i系強誘電体素子。
  6. 【請求項6】 上記Bi系強誘電体薄膜形成用塗布液
    が、水、または水と触媒を用いて加水分解・部分重縮合
    処理されたゾル−ゲル液である、請求項2〜5のいずれ
    か1項に記載のBi系強誘電体素子。
  7. 【請求項7】 上記Bi系強誘電体薄膜形成用塗布液
    が、下記一般式(I) 【化1】 (Bi222+(Am-1m3m+12- (I) (式中、AはBi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、
    K、および希土類金属元素の中から選ばれる少なくとも
    1種の金属元素を表し;BはTi、Nb、Ta、W、M
    o、Fe、Co、およびCrの中から選ばれる少なくと
    も1種の金属元素を表し;mは1〜5の整数を表す)で
    表されるBi層状化合物を含む強誘電体薄膜を形成する
    ための塗布液である、請求項2〜6のいずれか1項に記
    載のBi系強誘電体素子。
  8. 【請求項8】 上記Bi系強誘電体薄膜形成用塗布液
    が、下記一般式(II) 【化2】 Sr1-xBi2+y(Ta2-z、Nbz)O9+ α (II) (x、y、αは、それぞれ独立に0以上1未満の数を表
    し;zは0以上2未満の数を表す)で表されるBi層状
    化合物を含む強誘電体薄膜を形成するための塗布液であ
    る、請求項7記載のBi系強誘電体素子。
  9. 【請求項9】 (I)基板上に下部電極を設ける工程、
    (II)下部電極上にBi系強誘電体薄膜形成用材料を適
    用後、加熱処理してBi系強誘電体薄膜を形成する工
    程、および(III)Bi系強誘電体薄膜上に上部電極を
    設ける工程を含み、かつ、 上記(III)工程が、Bi系強誘電体薄膜上に上部電極
    を設けた後、加熱処理(リカバリーアニール)を行う工
    程と、次いで急速加熱処理法により10℃/s以上の昇
    温速度で400℃以上の温度まで昇温する工程を含むこ
    とを特徴とする、Bi系強誘電体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記(III)工程が、Bi系強誘電体薄
    膜上に上部電極を設けた後、加熱処理(リカバリーアニ
    ール)を行う工程と、次いで急速加熱処理法により10
    ℃/s以上の昇温速度で400℃以上の温度まで昇温す
    る工程と、昇温後の温度において30分間以内の加熱処
    理を行う工程を含むことを特徴とする請求項9記載のB
    i系強誘電体素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記(III)工程が、Bi系強誘電体
    薄膜上に上部電極を設けた後、加熱処理(リカバリーア
    ニール)を行う工程と、次いで急速加熱処理法により1
    0℃/s以上の昇温速度で500〜800℃まで昇温す
    る工程と、昇温後の温度において10〜300秒間加熱
    処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項9記載の
    Bi系強誘電体素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記(III)工程における加熱処理
    (リカバリーアニール)を、600〜800℃の温度範
    囲で5〜60分間行う、請求項9記載のBi系強誘電体
    素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記(III)工程における加熱処理
    (リカバリーアニール)を、急速加熱処理法により10
    ℃/s以上の昇温速度で400〜800℃まで昇温する
    ことで行う、請求項9記載のBi系強誘電体素子の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 前記(III)工程における加熱処理
    (リカバリーアニール)を、急速加熱処理法により10
    ℃/s以上の昇温速度で400〜800℃まで昇温し、
    その温度において10〜300秒間加熱処理することで
    行う、請求項9記載のBi系強誘電体素子の製造方法。
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