JP2007042902A - ビスマス系強誘電体素子及びその製造方法 - Google Patents

ビスマス系強誘電体素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い強誘電特性を維持し、かつ、スループットを向上させることが可能なビスマス系強誘電体素子の製造方法を提供する
【解決手段】基板上に下部電極を形成する第1電極形成工程と、この下部電極にビスマス層状構造を有する強誘電体薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記強誘電体薄膜上に上部電極を形成する第2電極形成工程と、を有するビスマス系強誘電体素子の製造方法において、前記薄膜形成工程を、強誘電体薄膜形成用塗布液を前記下部電極に塗布して、強誘電体薄膜前駆体を形成する薄膜前駆体形成工程と、この薄膜前駆体形成工程により得られた前記強誘電体薄膜前駆体の加熱処理を行なう第1加熱工程と、を有し、前記第1加熱工程における昇温速度は20℃/sから300℃/sであり、加熱温度は720℃から850℃であり、加熱時間は1秒から600秒とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、強誘電体素子の製造方法に関し、特にビスマス層状構造を有する強誘電体薄膜の製造方法に関する。具体的には微細結晶からなる緻密な強誘電体薄膜を有し、かつ、優れた電気特性を有するビスマス系強誘電体素子の製造方法に関する。
強誘電体材料は、ピエゾセンサやアクチュエータ、コンピュータメモリなどに利用されている。中でも、不揮発性強誘電体メモリ(FRAM)は、強誘電体の安定した2つの分極状態で情報を貯蔵するので、電源が切れても貯蔵された情報が消去されない不揮発性を有するだけではなく、情報の読み出しと書き込みにおいてはDRAM(Dynamic Random Access Memory)と同一水準の高速性を備えている。
この強誘電体メモリの強誘電体薄膜に使用される強誘電体材料には、鉛系酸化物強誘電体材料や、ビスマス層状構造強誘電体材料が使用されている。鉛系酸化物強誘電体材料としては、ペロブスカイト型結晶構造を有するPZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(Zr、Ti)O)系強誘電体材料が挙げられる。このPZT系強誘電体材料は、高い残留分極を有するが、分極反転の回数が増加すると反転される電荷量が減少してしまうという疲労現象を生じるため、情報の書き込み及び消去の回数が制限されてしまう。
一方、ビスマス層状構造強誘電体材料(以下、BLSF(Bismuth Layer Structured Film)とする)には、SBT(SrBiTa)系強誘電体材料が挙げられる。このSBT系強誘電体材料は、疲労特性が良好であるものの、残留分極が小さい。このため、結晶化するために650℃以上、通常は700℃以上で30分から120分の熱処理が必要である。しかしながら、このような高温、長時間の熱処理は集積回路や基板の損傷を引き起こしやすい。
そこで、熱処理時間の短縮を行なうために様々な方法が検討されてきた。特許文献1に開示されている方法は、まず、下部電極を設けた基板上に、ビスマス系強誘電体薄膜形成用塗布液を塗布して、乾燥した後、400℃から600℃で5分間熱処理(第1の熱処理)及び、昇温速度20℃/sec以上、600℃から850℃で3分間加熱処理を行い(第2の熱処理)塗布液を結晶化させる。この一連の工程を繰り返し行い、所望の膜厚の薄膜を形成する。
次いで、この薄膜に上部電極を形成して、昇温速度20℃/sec以上、500℃から850℃で3分間以内の加熱処理(第3の熱処理)を行なう。この第3の熱処理は、急速加熱処理(Rapid Thermal Annealing:以下、RTA法とする)で、かつ短時間で行うため、下部電極やトランジスタなどに悪影響を及ぼさずに、膜構造が緻密で微細加工に非常に有利なビスマス系強誘電体薄膜を形成することができるとしている。
また、特許文献2では、基板にビスマス系強誘電体薄膜形成用塗布液を塗布・乾燥した後、300℃から600℃で10分から80分加熱処理(第1加熱処理)を行なった後、昇温速度20℃/sec以上、650℃から800℃で20秒から180秒間加熱処理(第2加熱処理)を行い、これら一連の工程を繰り返して所望の膜厚の薄膜を形成して、700℃で加熱処理(第3加熱処理)を行なう方法が開示されている。これによってボイドが少なく、緻密で微細な結晶粒子の薄膜を有するビスマス系強誘電体素子を製造することができる。
特開平10−270646号公報 特開2000−332209号公報
しかしながら特許文献1に開示されている方法は、上部電極形成後の熱処理をRTA法にて行なっているため強誘電体薄膜と上部電極との間の安定性を得ることが難しく、デバイスへの応用については、実用上問題がある。また、特許文献2に開示されている方法は、第2加熱処理をRTA法により短時間で膜の結晶化を行なっているものの、製造プロセスが多く、スループットが低い。しかし、スループットを高くするために、単に焼成時間を短くしただけでは著しい強誘電性の低下が生じてしまう。
以上の課題に鑑み、本発明では、高い強誘電特性を維持し、かつ、スループットを向上させることが可能なビスマス系強誘電体素子の製造方法を提供することを目的とする。
(1) 基板上に下部電極を形成する第1電極形成工程と、この下部電極にビスマス層状構造を有する強誘電体薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記強誘電体薄膜上に上部電極を形成する第2電極形成工程と、を有するビスマス系強誘電体素子の製造方法であって、前記薄膜形成工程は、強誘電体薄膜形成用塗布液を前記下部電極に塗布して、強誘電体薄膜前駆体を形成する薄膜前駆体形成工程と、この薄膜前駆体形成工程により得られた前記強誘電体薄膜前駆体の加熱処理を行なう第1加熱工程と、前記薄膜前駆体形成工程及び前記第1加熱工程を、所望の膜厚の前記強誘電体薄膜が得られるまで必要に応じて繰り返す工程と、を有し、前記第1加熱工程における昇温速度は20℃/sから300℃/sであり、加熱温度は720℃から850℃であり、加熱時間は1秒から600秒であるビスマス系強誘電体素子の製造方法。
(2) 前記薄膜前駆体形成工程は、80℃から400℃で0.1分から30分加熱し、乾燥を行なう乾燥工程を更に有する(1)に記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
(3) 前記第2電極形成工程後に700℃から800℃で1分から60分加熱処理を行なうリカバリー加熱処理工程を更に有する(1)又は(2)に記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
(4) 前記薄膜前駆体形成工程及び前記第1加熱工程を、所望の膜厚の前記強誘電体薄膜が得られるまで繰り返した後に、更に前記第1加熱工程よりも高温で加熱処理を行なう第2加熱工程を更に含む(1)から(3)いずれかに記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
(5) 前記第2加熱工程の加熱温度は、前記第1加熱工程の温度よりも10℃から100℃高い温度である(1)から(4)いずれかに記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
(6) 前記強誘電体薄膜形成用塗布液は、ビスマスアルコキシド、A金属アルコキシド及び、B金属アルコキシドを含有する(1)から(5)いずれかに記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
〔但し、AはBi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、及び希土類金属元素からなる群から選ばれる1種以上の金属元素であり、BはTi、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co及びCrからなる群から選ばれる1種以上の金属元素である。〕
(7) 前記強誘電体薄膜が一般式(1)で示されるビスマス層状化合物を有する(1)から(6)いずれかに記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
(Bi2+(Am−13m+12−・・・・・・・(1)
〔式中、AはBi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、及び希土類金属元素からなる群から選ばれる1種以上の金属元素であり、BはTi、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co及びCrからなる群から選ばれる1種以上の金属元素であり、mは1から5の自然数である。〕
(8) 前記ビスマス層状化合物は、一般式(2)で示される構造を有する(7)に記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
Sr1−xBi2+y(Ta1+z,Nb)O9+α・・・・・・・(2)
(x、y、z、αは、それぞれ独立に0以上1未満の数を表す)
(9) (1)から(8)いずれかに記載の方法により製造されたビスマス系強誘電体素子から構成される半導体メモリであって、基板上に形成された集積回路素子の少なくとも一部に前記ビスマス系強誘電体素子が含有される半導体メモリ。
(1)から(5)の発明によれば、第1加熱工程の昇温速度を20℃/sから50℃/sという速度にしたことによって、従来よりも早い速度で結晶化させることが可能となる。そのため、強誘電体薄膜全体に微結晶が均一に生成し、配向性の高い強誘電体薄膜を得ることができる。また、このような昇温速度であれば、本来ならば誘電特性の低下が生じるおそれがあるとされている温度での熱処理を行なうことができるため、高い誘電特性を維持することができる。また、上記のような昇温速度としたことによって熱処理時間の短縮を図ることが可能となり製造プロセス全体のスループットの向上を図ることが可能となる。
さらに、(1)の発明によれば、第1加熱工程の昇温速度を20℃/sから50℃/s、加熱温度を720℃から850℃としたことによって、薄膜前駆体形成工程から第1加熱工程までの一連の工程を2回から5回繰り返して行なうだけで通常の製造プロセスを経て製造した強誘電体素子と同様の誘電特性を有した強誘電体素子を製造することが可能となった。これにより、製造プロセス全体のスループットをより向上させることが可能となった。
この一連の工程を行なう手段としては、高速加熱を行なうことができるような装置や方法であればよい。具体的には、急速昇温加熱法(Rapid Thermal Annealing法、Rapid Thermal Processing法:以下、RTA法、RTP法とする)と同等の装置を用いて行なうことがより好ましい。なお、本発明における「昇温速度」とは、ホットプレートベーク装置の温度プロファイルの直線部分のみを換算した速度をいう。具体的には、温度プロファイルの直線部分に対応する時間、例えばtからtと、対応する温度の変化(ΔT)を昇温速度(ΔT/t−t)換算に用いる。
また、強誘電体薄膜形成用塗布液を塗布した直後の薄膜前駆体は、湿度の影響を受けやすく、ホットプレートベーク装置に入れることができない場合がある。この場合、薄膜前駆体の湿度耐性を上げておく必要がある。従って(2)の発明によれば、乾燥工程を設けたことによって湿度耐性を上げることができる。これによってより高い誘電特性を有する強誘電体素子を提供することができる。
また(3)の発明によれば、第2電極形成工程後にリカバリー加熱処理工程を設けたことによって電極と強誘電体薄膜との界面を安定化させ、素子の特性を向上させることができる。これによってより高い誘電特性を有する強誘電体素子を提供することができる。
また(4)及び(5)の発明によれば、第2加熱処理工程を設けたことによって、第1加熱工程の加熱時間をより短縮することができる。また、第2加熱工程の加熱温度を第1加熱工程の温度よりも高い温度としたことによって第1加熱工程で生成した微結晶の成長を促進させることができる。即ち、第2加熱工程においては、昇温速度を上記の値としたことによって膜中の結晶生成速度よりも結晶成長速度が支配的となるためである。なお、膜中の微結晶の配向性は第1加熱工程である程度決定されてしまうため、第2加熱工程では高配向を保つことができる。更に、従って第2加熱工程を設けることによって積層された個々の強誘電体薄膜同士を固定することができる。これによって高い誘電特性を有する強誘電体素子を提供することができる。
また(6)の発明によれば、強誘電体薄膜形成用塗布液を上記のものとしたことによって、第1加熱工程で容易に結晶化することができ、高い誘電特性を有する強誘電体薄膜を提供することができる。また(7)及び(8)の発明によれば、第1加熱工程で形成されたビスマス層状化合物を上記の結晶構造を有するものとしたことによってより高い誘電特性を有する強誘電体薄膜を提供することができる。
本発明によれば、第1加熱工程の昇温速度を20℃/sから50℃/sという速度にしたことによって、従来よりも早い速度で結晶化させることが可能となり、製造プロセス全体のスループットの向上を図ることが可能となる。また、このような昇温速度であれば、短時間で熱処理を行なうことができるため、高い誘電特性を維持することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
図1は、本発明に係るビスマス系強誘電体素子1(以下、適宜強誘電体素子とする)を示した図である。図1に示すようにこの強誘電体素子1は、シリコンウェハ等からなる基板10上に下部電極12が形成され、その上に強誘電体薄膜14及び上部電極16が形成されている。また図2は、強誘電体素子の製造方法の製造工程を示した図である。以下、図2に記載の工程の順に説明する。
[第1電極形成工程]
まず、「第1電極形成工程」において、基板上に下部電極を形成する。基盤には、半導体装置や集積回路等の基板として使用できる材質のものであれば特に限定されない。例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコン、砒化ガリウム及びリン化インジウム、及びシリコンカーバイド、シリコンゲルマニウム、シリコンゲルマニウムカーバイドを用いることができる。中でも単結晶シリコン又は多結晶シリコンを基板として用いることが好ましい。
また、下部電極材料としては、導電性を示す材料であればその材質は特に限定されるものでなく、例えばPt、Ir、Ru、Re、Os等の金属、及びその酸化物等を用いることができる。下部電極は基板上に直接設けてもよく、また基板上部を酸化して酸化膜を形成させた上に設けてもよい。あるいは、絶縁層、下層配線、層間絶縁層等を形成した基板上に設けてもよい。また、下部電極の形成方法は、スパッタリング、蒸着等の公知の方法により形成することができ、またその膜厚も特に限定されるものではない。
[薄膜形成工程]
次いで「薄膜形成工程」において、下部電極の上に強誘電体薄膜を形成する。この薄膜形成工程は、基本的には、薄膜前駆体形成工程、第1加熱工程とからなる。また、第1加熱工程終了後に第1加熱工程よりもより高温で加熱処理を行なう第2加熱工程を有していてもよい。
<薄膜前駆体形成工程>
「薄膜前駆体形成工程」は、下記に記載の方法により得られた強誘電体薄膜形成用塗布液(以下、塗布液とする)を下部電極に塗布して薄膜前駆体を形成する工程である。塗布液の塗布方法としては、スピンナー法、ディップ法等の公知の方法が挙げられる。また、これらの方法により得られた薄膜前駆体を80℃から400℃で0.1分から30分加熱し、乾燥を行なう乾燥工程を更に有していてもよい。
<強誘電体薄膜形成用塗布液の製造方法>
「強誘電体薄膜形成用塗布液」とは、ビスマスアルコキシド、A金属アルコキシド及び、B金属アルコキシド含有する塗布液である。ここで、「A金属アルコキシド」とは、Bi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、及び希土類金属元素からなる群から選ばれる1種以上の金属元素を含むアルコキシドであり、「B金属アルコキシド」とは、Ti、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co及びCrからなる群から選ばれる1種以上の金属元素を含むアルコキシドである。以下、「強誘電体薄膜形成用塗布液」について具体的に説明する。
本発明では特に、上記A金属アルコキシド、B金属アルコキシド、Biアルコキシドのうち、少なくとも2種の異種金属アルコキシドからなる複合金属アルコキシドを用いることが好ましい。このように2種以上の異種金属アルコキシドを複合化することにより、単独の金属元素の析出(偏析)、焼失を抑制することができ、リーク電流の発生をより効果的に抑制することが可能となる。
具体的には、(1)ABi複合金属アルコキシド、およびB金属アルコキシド、(2)BiB複合金属アルコキシド、およびA金属アルコキシド、(3)AB複合金属アルコキシド、およびBi金属アルコキシド、(4)ABiB複合金属アルコキシド、(5)A金属アルコキシド、B金属アルコキシド、およびBiアルコキシド等を用いることが好ましく、特に(1)、(2)の複合金属アルコキシドを用いることが好ましい。
また、本発明では上記薄膜前駆体形成工程により強誘電体薄膜形成用塗布液からビスマス層状化合物が形成される。このビスマス層状化合物の結晶構造は、(Bi2+層と、(Am−13m+12−が交互に積み重なった下記の一般式(1)で表される層状ペロブスカイト構造である。そのため、上記の強誘電体薄膜形成用塗布液は、上記の構造を形成する塗布液が特に好ましい。
(Bi2+(Am−13m+12−・・・・・・・(1)
[式中、AはBi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、及び希土類金属元素からなる群から選ばれる1種以上の金属元素であり、BはTi、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co及びCrからなる群から選ばれる1種以上の金属元素であり、mは1から5の自然数である。]
中でも、上記強誘電体薄膜が、下記の一般式(2)で表されるビスマス層状化合物を含む薄膜を形成するための塗布液が特に好ましい。
Sr1−xBi2+y(Ta1+z、Nb)O9+α・・・・・・・(2)
(x、y、z、αは、それぞれ独立に0以上1未満の数を表す。)
上記の複合金属アルコキシドは、異種金属アルコキシド同士を溶媒中で30℃から100℃の加熱条件下で、2時間から15時間程度還流することにより得られる。
なお、上記金属アルコキシド及び複合金属アルコキシドを形成するアルコールとしては、炭素数1から6のアルコールを用いることが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール等が挙げられる。さらに、アルコキシル基を有していてもよく、メトキシメタノール、メトキシエタノール、エトキシメタノール、エトキシエタノール等を用いてもよい。
本発明に係る塗布液には4つの態様がある。
1)複合金属アルコキシドに水又は水と触媒を加えて加水分解・重縮合させたゾル−ゲル液。
2)1)のゾル−ゲル液に安定化剤を加えたもの。
3)複合金属アルコキシドと安定化剤とを反応させたもの。
4)3)の生成物に、水又は水と触媒を加えて加水分解・重縮合させたゾル−ゲル液。
中でも2)から4)の態様であることが好ましく、4)の態様であることが更に好ましい。
安定化剤を添加することによって塗布液の保存性が向上し、かつ、ゾル−ゲル液(塗布液)の増粘及びゲル化を抑制することができる。安定化剤としては、無水カルボン酸類、ジカルボン酸モノエステル類、β−ジケトン類、およびグリコール類等が挙げられる。これらはそれぞれ単独、或いは複数種混合して用いてもよい。
上記安定化剤において、無水カルボン酸類としては、下記一般式(3)で示されるものであることが好ましい。
(CO)O・・・・・・・(3)
[式中、Rは2価の炭素原子数1から6の飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。]
このような無水カルボン酸類としては、具体的には、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水グルタル酸、無水α−メチルグルタル酸、無水α,α−ジメチルグルタル酸、無水トリメチルコハク酸等が挙げられる。
また、ジカルボン酸モノエステル類としては、下記一般式(4)で示されるものであることが好ましい。
OCORCOOH・・・・・・・(4)
[式中、Rは炭素原子数1から6の飽和または不飽和の炭化水素基を表し、Rは2価の炭素原子数1から6の飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。]
このようなジカルボン酸モノエステル類としては、2塩基酸のカルボン酸と、アルコールと、を公知の方法で反応させて半エステル化したものを用いることができる。2塩基酸のカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メチルコハク酸、α−メチルグルタル酸、α,α−ジメチルグルタル酸、トリメチルグルタル酸等の2塩基酸のカルボン酸の少なくとも1種を用いることができる。また、アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の少なくとも1種を用いることができる。
また、β−ジケトン類としては、下記一般式(5)で示されるものであることが好ましい。
COCRHCOR・・・・・・・(5)
[式中、Rは炭素原子数1から6の飽和または不飽和の炭化水素基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素原子数1から6のアルキル基またはアルコキシル基を表す。]
具体的には、アセチルアセトン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、ベンゾイルアセトン等が挙げられる。またβ−ケトエステルとしては、例えばアセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル等が挙げられる。これ以外の錯体形成剤も適用可能ではあるが、ジピバロイルメタン(ウンデカン誘導体)や、そのテトラヒドロフラン(THF)付加体や金属ハロゲン化物を形成するヘキサフルオロアセチルアセトンなどの錯体形成剤は、昇華性または揮発性の高い金属錯体を形成するため、本発明の塗布液への使用は難しい。
また、グリコール類としては、下記一般式(6)で示されるものであることが好ましい。
HOROH・・・・・・・(6)
[式中、Rは2価の炭素原子数1から6の飽和または不飽和の炭化水素基を表す。]
具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリングリコール等が挙げられる。
なお、上記の安定化剤はいずれも炭素原子数が1から6の短鎖の化合物を用いることが、金属化合物の極性、塗布後の無機性を高めるという点で好ましい。
また、加水分解・部分重縮合反応は、水、又は水と触媒を添加して20℃から50℃で数時間から数日間撹拌して行なう。触媒としては、金属アルコキシドの加水分解反応用として従来用いられている触媒、例えば塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の有機酸などの酸触媒や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の無機・有機アルカリ触媒等を用いることができるが、本発明では、被膜特性の点から酸触媒を用いることが特に好ましい。
上記の反応により得られた複合金属アルコキシドを安定化剤と反応させて、カルボキシル化、β−ジケトン化、キレート化等の処理をすることにより、極性を有し、しかも安定性に優れた生成物(有機金属化合物)を得ることができ、加水分解性が向上する。その結果、塗布液中でゾル−ゲル法による縮合重合反応を十分に進行させることができ、Bi−O−Bi、Bi−O−Ta、Bi−O−Sr、Ta−O−Bi−O−Sr等の無機結合(メタロキサン)結合の生成により、さらにBi等の特定の金属元素の析出(偏析)量、焼失量を低減することができる。
本発明に係る塗布液に用いる溶媒は、酸素原子を分子中に有する溶媒を用いることが好ましい。例えば、アルコール系溶媒、多価アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、低級カルボン酸系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等が挙げられる。
また、多価アルコール系溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセトエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、メトキシブタノール等が挙げられる。
また、エーテル系溶媒としては、メチラール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシルエーテル、トリオキサン、ジオキサン等が挙げられる。
また、ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトニトリルアセトン、ジメチルオキシド、ホロン、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール等が挙げられる。
また、エステル系溶媒としては、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、酪酸エチル、オキシイソ酪酸エチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、メトキシブチルアセテート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル等が挙げられる。また、低級カルボン酸系溶媒としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等が挙げられる。これらの溶媒は、単独若しくは2種以上を混合して用いてもよい。
[第1加熱工程]
「第1加熱工程」とは、上記の工程により得られた薄膜前駆体の加熱処理を行なう工程をいう。この加熱処理により、薄膜前駆体中の有機成分が焼成除去され、結晶化が始まる。この第1加熱工程の昇温速度は20℃/sから50℃/sであり、加熱温度は720℃から850℃であり、加熱時間は1秒から600秒であることが好ましい。昇温速度が20℃/s未満であると加熱処理中に薄膜前駆体の結晶化がゆっくりと進行し、大きな結晶が生成してしまう。このような結晶は、結晶の成長方向に異方性が高いため細長い結晶になる傾向があり、配向性が悪くなる。また粒子間にボイドの多い疎な膜になりやすい。
また、加熱温度は上述のように720℃から850℃であり、750℃から800℃であることがより好ましい。加熱温度が720℃未満では、ボイドが多い疎な膜になりリーク特性に影響を与え好ましくない。また、加熱温度が850℃を超えるとグレインが大きくなり平坦性の悪い膜となりリーク特性に影響を与え、好ましくない。この第1加熱工程は酸素雰囲気中で行なうことが好ましい。
加熱処理手段は、昇温速度が20℃/s以上の高速加熱を行なうことが可能な装置であればよく、RTA法を用いることが好ましい。
薄膜前駆体形成工程及び第1加熱工程を繰り返し行って所望の膜厚の薄膜を形成する。このときの膜厚は1回の処理につき20nmから100nmとすることが好ましく、30nmから50nmとすることが特に好ましい。20nm以上にすることにより塗布から第2加熱処理までの繰り返す回数をある程度抑制することができ実用的である。一方、100nm以下にすることにより、被膜にクラックやボイドが発生を抑制することができる。
[第2加熱工程]
第1加熱工程の後、又は第1加熱工程の後に薄膜前駆体工程を経た後に第2加熱工程を設けてもよい。ここで、「第2加熱工程」とは、上記第1加熱工程によりも更に高い温度で加熱処理を行なう工程をいう。この第2加熱工程では第1加熱工程で生成した結晶の成長を促進させるためにより高温で、かつ、より低い昇温速度で加熱処理を行なう。加熱温度は第1加熱工程よりも10℃から100℃高い温度であることが好ましい。この第2加熱工程は、酸素雰囲気中で行うことが好ましい。
また第2加熱工程の昇温速度は、20℃/sから50℃/sであることがより好ましい。更に、加熱時間は1分から60分であることが好ましい。加熱時間を60分以下にすることにより膜の特性の劣化を抑制することができる。
また、第2加熱工程を行なう装置としては、特に制限はないが、ファーネス(炉焼き)法、急速昇温加熱法(Rapid Thermal Annealing法、Rapid Thermal Processing法:以下、RTA法、RTP法とする)等を用いる事ができるが、高速昇温という点でRTA法を用いる事がより好ましい。
ここで、好ましい加熱工程のパターンを以下に挙げる。
1)薄膜前駆体形成工程−第1加熱工程(750℃、5分)を3回
2)薄膜前駆体形成工程−第1加熱工程(750℃、1分)を2回繰り返した後に、薄膜前駆体形成工程−第2加熱工程(800℃、5分)
3)薄膜前駆体形成工程−第1加熱工程(750℃、1分)を1回行なった後に、薄膜前駆体形成工程−第2加熱工程(800℃、1分)更に、薄膜前駆体形成工程−第2加熱工程(800℃、5分)
4)薄膜前駆体形成工程−第1加熱工程(800℃、10秒)を2回から4回繰り返した後に、薄膜前駆体形成工程−第2加熱工程(850℃、30秒)
[第2電極形成工程]
「第2電極形成工程」とは、上記の工程により得られた強誘電体薄膜に上部電極を形成する工程をいう。使用可能な上部電極としては、下部電極用材料として挙げた金属、金属酸化物等を用いることができ、これら材料をスパッタ法、蒸着法等の公知の方法により強誘電体薄膜上に形成し、強誘電体素子を作製する。このとき、上部電極としては、下部電極と異なる材料を用いてもよく、例えば、下部電極にイリジウムを用い、上部電極にルテニウムを用いてもよい。
[リカバリー加熱工程]
「リカバリー加熱工程」とは、上部電極を設けた後、700℃から850℃で1分から60分加熱処理を行なう工程をいう。この工程により、上部電極形成時に受けた強誘電体薄膜のダメージを回復することができる。またこの加熱処理により、結晶粒子の成長や、強誘電体薄膜と上部電極との界面が安定化するなどして、強誘電体素子の電気特性が向上される。
加熱温度は700℃から850℃であり、770℃から830℃であることが好ましい。850℃以下にすることにより熱による特性劣化の影響を小さくすることができる。また、加熱処理温度が700℃以上にすることにより強誘電体薄膜のダメージを回復する効果を十分奏することができる。
また、加熱時間は1分から60分であり、1分から10分であることが好ましい。1分以上にすることにより、電気特性に優れ、緻密で微細な結晶粒子の強誘電体素子を製造するという本発明の目的を達成することができる。また、60分以下の処理ではスループットの低下という観点で好ましい。
[半導体メモリ]
本発明に係る半導体メモリの製造方法は、通常用いられている方法を用いて製造する。例えば、単結晶シリコン基板上にソース・ドレイン領域及び、このソース・ドレイン領域間にチャネル領域が形成された集積回路上にゲート電極、及び本発明に係るビスマス系強誘電体素子からなるキャパシタを形成する。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものでない。
<前駆体溶液の調製>
1−メトキシ−2−プロパノールにTa(OEt)を0.20mol、Sr(OiPr)を0.09mol、更にBi(OnBu)を0.21molをナスフラスコに入れ80℃で加熱攪拌を1時間から5時間行い、3種類のアルコキシドを複合化した。
調製したビスマスストロンチウムタンタル複合化液(SBT複合化液)に添加剤(1)として、アセト酢酸エチルを0.30mol添加し、80℃で加熱攪拌を1時間から3時間行った。これらに添加剤(2)、(3)、(4)として、ヘキシレングリコール、テトラメチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールを、0.20mol、0.20mol、0.10molずつ、更に、水を0.20mol添加し、室温でそれぞれ1時間から3時間攪拌することでビスマスストロンチウムタンタル(SBT)薄膜形成用塗布液を調製しビスマス系強誘電体薄膜形成用塗布液(以下、前駆体溶液Aとする)を調製した。
<実施例1>
第1加熱工程の最適温度についての検討を行なった。
膜厚100nmのSiO酸化膜が形成された直径6インチのシリコンウェハ上に、膜厚60nmの下部電極(白金電極)を高周波マグネトロンスパッタリング法により形成した(第1電極形成工程)。
この下部電極上に、上記の前駆体溶液Aを、スピンコーター(2000rpm)を用いて塗布した。この薄膜前駆体を昇温速度25℃/s、750℃で300秒間酸素雰囲気中で加熱処理を行なった(第1加熱工程)。
薄膜前駆体形成工程から第1加熱工程までの一連の工程を4回程度繰り返し、膜厚200nmの強誘電体薄膜を形成した。これを昇温速度25℃/s、800℃、酸素雰囲気中で300秒間の加熱処理を行なった(第2加熱工程)。
次いで、メタルマスクを介し、上記薄膜上に、直径200μm、膜厚300nmの上部電極(白金電極)を、第1電極形成工程と同様に高周波マグネトロンスパッタリング法により形成した(第2電極形成工程)。最後に、これを昇温速度25℃/s、800℃、酸素雰囲気中で30分間の加熱処理を行なった(リカバリー加熱工程)。得られた強誘電体素子を試料1とした。
また、第1加熱工程からリカバリー加熱工程までの昇温速度を50℃/sとした以外は、試料1と同様の方法で強誘電体素子を形成し、これを試料2とした。
さらに、第1加熱工程からリカバリー加熱工程までの昇温速度を5,10℃/sとした以外は、試料1と同様の方法で強誘電体素子を形成し、これをそれぞれ比較試料1,2とした。
試料1及び比較試料1のヒステリシス特性及びリーク電流特性を検討した。ヒステリシス特性は、強誘電体特性評価装置(ラジアント社製)を用いてヒステリシス曲線を得た。その結果を図3,6に示す。また、このヒステリシス曲線から角形比(+Pr/+Ps)を算出したものを図4,7に示す。これより試料1,2の方が優れた角形比であることが示された。
次いで、強誘電体素子の上部電極と下部電極間に回路を形成し、リーク電流特性を測定した。その結果を図5,8に示す。これより試料1,2の方が若干ではあるものの優れた絶縁性を有していることが示された。
<実施例2>
第1加熱工程の最適温度及び最適処理時間についての検討を行なった。
第1加熱工程からリカバリー加熱処理工程までの昇温速度を50℃/sと固定し、第1加熱工程の温度を750℃とした以外は、試料1と同様の方法で強誘電体素子を形成し、試料3とした。
また、第1加熱工程の処理時間を60秒とした以外は、試料3と同様の方法で強誘電体素子を形成し、比較試料3とした。
試料3及び比較試料3のヒステリシス特性及びリーク電流特性を検討した。その結果を図9に示す。また、このヒステリシス曲線から角形比を算出したものを図10に示す。これより第1加熱工程の処理時間を300秒とした方が、若干誘電特性がよいことが示された。また、リーク電流特性を測定した結果を図11に示す。
第1加熱工程からリカバリー加熱処理工程までの昇温速度を50℃/sと固定し、第1加熱工程の温度を700℃とした以外は、試料1と同様の方法で強誘電体素子を形成し、試料4とした。
また、第1加熱工程の処理時間を60秒とした以外は、試料3と同様の方法で強誘電体素子を形成し、比較試料4とした。
試料3及び比較試料3のヒステリシス特性及びリーク電流特性を検討した。その結果を図12に示す。また、このヒステリシス曲線から角形比を算出したものを図13に示す。これより第1加熱工程の処理時間を300秒とした方が、明らかに誘電特性がよいことが示された。また、リーク電流特性を測定した結果を図14に示す。
また、図9及び図12を比較した場合、同じ熱処理時間でも高温の加熱処理の方がより高い角形比を有することが示された。また高温の加熱処理をした場合は処理時間の違いによる強誘電特性の差が小さくなるとこが示された。即ち、高温で加熱処理をすることでスループット向上に効果が期待できる。
本発明に係るビスマス系強誘電体素子を示した図である。 本発明に係るビスマス系強誘電体素子の製造工程を示した図である。 試料1及び試料2のヒステリシス曲線を示した図である。 試料1及び試料2の角形比を示した図である。 試料1及び試料2のリーク電流特性を示した図である。 比較試料1及び比較試料2のヒステリシス曲線を示した図である。 比較試料1及び比較試料2の角形比を示した図である。 比較試料1及び比較試料2のリーク電流特性を示した図である。 試料3及び比較試料3のヒステリシス曲線を示した図である。 試料3及び比較試料3の角形比を示した図である。 試料3及び比較試料3のリーク電流特性を示した図である。 試料4及び比較試料4のヒステリシス曲線を示した図である。 試料4及び比較試料4の角形比を示した図である。 試料4及び比較試料4のリーク電流特性を示した図である。

Claims (9)

  1. 基板上に下部電極を形成する第1電極形成工程と、
    この下部電極にビスマス層状構造を有する強誘電体薄膜を形成する薄膜形成工程と、
    前記強誘電体薄膜上に上部電極を形成する第2電極形成工程と、
    を有するビスマス系強誘電体素子の製造方法であって、
    前記薄膜形成工程は、強誘電体薄膜形成用塗布液を前記下部電極に塗布して、強誘電体薄膜前駆体を形成する薄膜前駆体形成工程と、
    この薄膜前駆体形成工程により得られた前記強誘電体薄膜前駆体の加熱処理を行なう第1加熱工程と、
    前記薄膜前駆体形成工程及び前記第1加熱工程を、所望の膜厚の前記強誘電体薄膜が得られるまで必要に応じて繰り返す工程と、を有し、
    前記第1加熱工程における昇温速度は20℃/sから300℃/sであり、加熱温度は720℃から850℃であり、加熱時間は1秒から600秒であるビスマス系強誘電体素子の製造方法。
  2. 前記薄膜前駆体形成工程は、80℃から400℃で0.1分から30分加熱し、乾燥を行なう乾燥工程を更に有する請求項1に記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
  3. 前記第2電極形成工程後に700℃から800℃で1分から60分加熱処理を行なうリカバリー加熱処理工程を更に有する請求項1又は2に記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
  4. 前記薄膜前駆体形成工程及び前記第1加熱工程を、所望の膜厚の前記強誘電体薄膜が得られるまで繰り返した後に、更に前記第1加熱工程よりも高温で加熱処理を行なう第2加熱工程を更に含む請求項1から3いずれかに記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
  5. 前記第2加熱工程の加熱温度は、前記第1加熱工程の温度よりも10℃から100℃高い温度である請求項1から4いずれかに記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
  6. 前記強誘電体薄膜形成用塗布液は、ビスマスアルコキシド、A金属アルコキシド及び、B金属アルコキシドを含有する請求項1から5いずれかに記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
    〔但し、AはBi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、及び希土類金属元素からなる群から選ばれる1種以上の金属元素であり、BはTi、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co及びCrからなる群から選ばれる1種以上の金属元素である。〕
  7. 前記強誘電体薄膜が一般式(1)で示されるビスマス層状化合物を有する請求項1から6いずれかに記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
    (Bi2+(Am−13m+12−・・・・・・・(1)
    〔式中、AはBi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、及び希土類金属元素からなる群から選ばれる1種以上の金属元素であり、BはTi、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co及びCrからなる群から選ばれる1種以上の金属元素であり、mは1から5の自然数である。〕
  8. 前記ビスマス層状化合物は、一般式(2)で示される構造を有する請求項7に記載のビスマス系強誘電体素子の製造方法。
    Sr1−xBi2+y(Ta1+z,Nb)O9+α・・・・・・・(2)
    (x、y、z、αは、それぞれ独立に0以上1未満の数を表す)
  9. 請求項1から8いずれかに記載の方法により製造されたビスマス系強誘電体素子から構成される半導体メモリであって、
    基板上に形成された集積回路素子の少なくとも一部に前記ビスマス系強誘電体素子が含有される半導体メモリ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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