JP2001296649A - 濃度分布マスクとその製造方法及び表面形状の形成方法 - Google Patents

濃度分布マスクとその製造方法及び表面形状の形成方法

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JP2001296649A
JP2001296649A JP2000188975A JP2000188975A JP2001296649A JP 2001296649 A JP2001296649 A JP 2001296649A JP 2000188975 A JP2000188975 A JP 2000188975A JP 2000188975 A JP2000188975 A JP 2000188975A JP 2001296649 A JP2001296649 A JP 2001296649A
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shape
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Kazuhiro Umeki
和博 梅木
Takuya Handa
卓也 半田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の2次元的な光強度分布を有する露光用
の濃度分布マスクを実現する。 【解決手段】 所望の3次元構造の表面形状を形成すべ
き基板材料表面上に塗布された感光性材料層に所定の光
強度分布のパターンを露光し、感光性材料層の厚さを目
的とする表面形状に対応して3次元的に変化せしめるた
めの濃度分布マスクにおいて、マスクパターンを複数の
単位セル11で構成し、各単位セル内の光透過領域16
又は遮光領域15が、所望の表面形状に応じた透過率分
布となるように2次元的に設計され、上記マスクパター
ンを透過した光が上記表面形状に対応した2次元の光強
度分布を有する構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濃度分布マスクと
その製造方法、及び濃度分布マスクを用いた表面形状の
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学素子の屈折面や反射面に、球面や非
球面等に代表される特殊な面形状が使用されるようにな
ってきており、また近来は液晶表示素子や液晶プロジェ
クター等に関連して、マイクロレンズ等にも特殊な面形
状が求められている。そこで屈折面や反射面を型成形や
研磨によらずに形成する方法として、光学基板の表面に
フォトレジスト(感光性材料の代表例)の層を形成し、
このフォトレジスト層に対して2次元的な透過率分布を
有する露光用マスクを介して露光し、フォトレジストの
現像によりフォトレジストの表面形状として凸面形状も
しくは凹面形状を得、しかる後にフォトレジストと光学
基板とに対して異方性エッチングを行ない、フォトレジ
ストの表面形状を光学基板に彫り写して転写することに
より、光学基板の表面に所望の3次元構造の屈折面や反
射面の形状を得ることが知られている。
【0003】上記の屈折面や反射面等の3次元構造の表
面形状を得るために用いられる露光用マスクとしては、
表面形状に対して透過率が段階的に変化する2次元的な
透過率分布を持った濃度分布マスク(グラデーションマ
スク(GM))があるが、本発明者らは先に、所望の2
次元的な透過率分布を持った濃度分布マスクを得る方法
として、所望の透過率分布に応じてドットパターンの形
状及びドット濃度の分布を演算算出し、出力を段階的も
しくは連続的に変化させ得る光源装置からの光束により
ドットパターンの光書込みを行なう出力可変装置の出力
を上記ドットパターンの形状及びドット濃度の分布に応
じて変化させつつ感光性材料に書き込む方式を提案し
た。そして、この書き込み方式により露光された感光性
材料を現像すれば、ドットパターンの形状とドット濃度
の分布によって所望の2次元的な透過率分布を有する露
光用マスクを得ることができる(特開平7−23015
9号公報を参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術をさらに改良して、新規な構成の濃度分布マスクとそ
の製造方法及び濃度分布マスクを用いた表面形状の形成
方法を提供するものである。そして本発明では、 濃度分布マスク(グラデーションマスク)を構成する
単位セル内のドット配置に関する設計手法を、(イ)設
計の面から、(ロ)マスク設計手法の面から提案するこ
と、 濃度分布マスクを製作するに当って、単位セルにおけ
る微視的な設計から、目的とする所望の形状を製作する
ための巨視的・全体的なマスク設計とすること、を課題
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、所望の3次元
構造の表面形状を形成すべき基板材料表面上に塗布され
た感光性材料層に所定の光強度分布のパターンを露光
し、感光性材料層の厚さを目的とする表面形状に対応し
て3次元的に変化せしめるための濃度分布マスクとその
製造方法に関するものであり、さらには、その濃度分布
マスクを用いて所望の3次元構造の表面形状を形成する
方法に関するものである。
【0006】本発明に係る濃度分布マスクは、表面形状
を形成すべき基板材料表面上に塗布された感光性材料の
「感度曲線」と、濃度分布マスクを構成する各単位セル
固有の光透過領域(面積)とこの光透過領域を通過する
「光エネルギー量」の関係から、実験的に求められる関
数で与えられるものである。ここで、実験的に求められ
るとは、プロセス条件によって感光性材料の「感度特
性」及び「光透過量」が異なることを意味する。すなわ
ち、プロセス条件パラメータを変更すると与えられる関
数も異なることを意味する。感光性材料の「感度曲線」
は、感光性材料への光照射エネルギーと材料の感光性成
分の関係で基本的には決定される。ただし、パターニン
グ時のフォトリソグラフィ条件、すなわち露光条件、現
像条件、ベーキング条件等によっても変更される曲線
(すなわち関数)である。
【0007】また、光透過量は、感光性材料中に含まれ
る分子構造によって光の吸収係数が異なるため、感光性
材料中を光が進行する際には、深さに応じて光エネルギ
ー(光量)が減少する。つまり、感光性材料の厚さ(深
さ)と照射光エネルギー量は指数関数で減少する関係に
ある。したがって、露光用マスクの「光透過率」と感光
性材料の「感度」(光吸収率)を実験データから組み合
せると、感光性材料の厚さ方向に分布を有する光エネル
ギー分布を形成することが可能となる。
【0008】本発明は、半導体プロセスのように、ある
高さ(厚さ)の感光性材料に2次元ラインパターンを形
成するのが目的ではなく、「3次元構造の表面形状、す
なわち高さ方向にも制御されたパターン性を有する構造
物」を形成することを目的としている。そのため、本発
明は感光性材料の3次元的なパターニングに用いられる
露光用マスクとして、請求項1に記載の以下のような構
成の濃度分布マスクである。
【0009】すなわち、本発明は、所望の3次元構造の
表面形状を形成すべき基板材料表面上に塗布された感光
性材料層に所定の光強度分布のパターンを露光し、感光
性材料層の厚さを目的とする表面形状に対応して3次元
的に変化せしめるための濃度分布マスクであって、マス
クパターンを複数の「単位セル」で構成し、各単位セル
内の「光透過領域」又は「遮光領域」が、所望の表面形
状に応じた透過率分布となるように2次元的に設計さ
れ、上記マスクパターンを透過した光が上記表面形状に
対応した2次元の光強度分布を有する構成とした。
【0010】隣接する単位セルの光透過領域又は遮光領
域は、透過率分布に応じて単調に増加又は減少するよう
に配置したり、不連続に増加又は減少するように配置し
たりすることができる(請求項2,3)。また、単位セ
ルの光透過領域又は遮光領域は、単位セルの光透過量に
応じて螺旋状、ブロック状、ライン状もしくはランダム
状に増加又は減少するように配置したり、四隅起点方法
で風車状に増加又は減少するように配置したりすること
ができる(請求項4)。
【0011】また、本発明の濃度分布マスクは、単位セ
ルの光透過領域もしくは遮光領域が、単位セルの光透過
量に応じて単位セルの中心から周辺方向へ向って増加も
しくは減少するように配置されている構成の単位セルの
み、単位セルの光透過領域もしくは遮光領域が、単位セ
ルの光透過量に応じて単位セルの一端から他端へ向って
増加もしくは減少するように配置されている構成の単位
セルのみ、又はそれらの構成の単位セルをともに含んだ
ものとすることもできる(請求項5,6,8)。その場
合、光透過領域又は遮光領域が螺旋状、ブロック状、ラ
イン状又はランダム状に増加又は減少するように配置さ
れている単位セル、及び四隅起点方法で風車状に増加又
は減少するように配置されている単位セルのうちの2種
以上を含んでいるようにすることもできる(請求項
9)。また、隣接する単位セルの光透過領域又は遮光領
域が、散在するように配置されている構成の単位セルと
することもできる(請求項7)。
【0012】さらにまた、本発明では、単位セルの光透
過領域又は遮光領域はドットを配置して構成され、その
ドットが円形状、楕円形状又は多角形形状とすることが
できる(請求項10)。このような濃度分布マスクは、
単位セルの配置に伴う隣接セル効果(隣接する単位セル
の光透過量によって、目的とする単位セルの光透過量が
影響を受け、光透過量が変化する現象)を考慮して選択
することができる。
【0013】このような濃度分布マスクを製造するため
に、本発明では、透明基板上に金属もしくは金属酸化物
又はその両方からなる遮光膜を成膜し、その遮光膜上に
感光性材料層を形成した後、光ビーム照射装置により上
記感光性材料層に光ビームを照射して単位セル毎に光透
過領域又は遮光領域が所望の透過率分布になるように2
次元的にパターニングし、このパターニングされた感光
性材料層をエッチングマスクとして遮光膜をドライエッ
チング又はウェットエッチングし、所望の光強度分布を
有する濃度分布マスクを得る(請求項11)。その際、
所望の透過率分布になるようにパターニングするに際し
て、光ビームの照射を制御し、各単位セルの光透過領域
又は遮光領域を増加又は減少させるドットの配列を制御
することが好ましい(請求項12)。
【0014】さらに、所望の3次元構造を有する表面形
状を形成するために、本発明の方法は、所望の表面形状
を形成すべき基板の表面に所定の厚さに感光性材料層を
形成した後、濃度分布マスクを用いてその感光性材料層
に対して露光するフォトリソグラフィ工程により、所望
の表面形状に応じて感光性材料層を3次元的にパターニ
ングした後、そのパターニングされた感光性材料層と基
板に対して異方性エッチングを行ない、その感光性材料
層の表面形状を基板表面に彫り写して3次元構造を形成
する(請求項13)。これにより、感光性材料の感度を
落としたり、感度の鈍い感光性材料に材料変更したりす
ることなしに、高精度に形状転写する方法を提供する。
【0015】また、上記フォトリソグラフィ工程は、焦
点を感光性材料層からずらしたデフォーカス状態で露光
を行なうことが好ましい(請求項14)。濃度分布マス
クの光透過率は、単位セル毎に微視的に観察すると白黒
のデジタル配置であり、このまま露光すると感光性材料
の高さも(高、低の)デジタル情報になってしまうの
で、デフォーカスによってこれを防止し、高さ方向に滑
らかに連続的に変化する3次元構造の表面形状を高精度
に制御することができる。
【0016】このようにして、基板表面に光学素子を形
成することができる。光学素子の表面は、球面、非球面
又は円錐形状のような連続面で構成することもでき、ま
た、フレネル形状のように連続面と不連続面から構成す
ることもできる。また、光学素子の表面を光透過性の屈
折面とすることにより、レンズやプリズム等の光学素子
として機能させることができ、マイクロレンズ、マイク
ロレンズアレイ(MLA)、プリズム、プリズムアレ
イ、フレネルレンズ等の種々の透過型光学素子を得るこ
とができる。また、光学素子の表面に反射膜を形成して
反射面とすることにより、反射型光学素子を得ることが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して詳細に説明する。まず所望の表面形状を形成する
ための濃度分布マスク及びその製造方法について説明す
る。本実施例では、例えば液晶用マイクロレンズアレイ
等の所望の3次元構造の表面形状を形成するに当り、そ
の表面形状を形成すべき基板材料表面上に塗布される感
光性材料として、市販のフォトレジスト材料(東京応化
(株)製TGMR−950(商品名))を用いた。そし
て、まず、このレジスト材料の感度曲線を求め、光照射
量とレジスト除去量の関係を把握した。次いで、所望の
3次元構造の表面形状に対応して、モデルとなる濃度分
布マスクを製作する。この濃度分布マスクは、正方形に
分割された単位セルで構成され、各単位セルの光透過領
域又は遮光領域が、所望の表面形状に応じた透過率分布
となるように2次元的に設計され、各単位セル内の光透
過量が制御されたものである。
【0018】ここで、濃度分布マスクを構成する単位セ
ルの光透過率の制御方法としては、透明基板にクロム
(Cr)膜を遮光膜として形成した場合、Cr膜の開
口面積の制御、Cr膜の膜厚の制御、上記とを
組み合せた方法があるが、ここではの方式で実施し
た。また、濃度分布マスクの単位セル内の光透過領域又
は遮光領域を、所望の表面形状に対応した透過率分布と
なるように増加又は減少させる方式としては、例えば図
2及び図3から図8に示すように、単位セル内の光透過
領域又は遮光領域をドットで構成し、ドットの配置パタ
ーンと、ドットの増加又は減少を透過率(光透過量)に
応じて制御する方法がある。以下、単位セル内の光透過
領域又は遮光領域をドットで構成し、このドットの配置
パターンとドットを増加又は減少させる方式の例につい
て説明する。尚、以下に示す例は、代表的な例を示した
ものであり、単位セルの寸法、ドットの寸法、起点の寸
法等は、所望の形状に対応して設計されるべきもので、
図示の例に限定されるものではない。すなわち、各単位
セルとドットの寸法及びドットの配置によって階調数が
決定されるので、寸法は、目的形状と目的階調(光透過
量)によって決定するものである。
【0019】図2(A),(B)は、代表的な単位セル
内の光透過領域又は遮光領域の増加又は減少の起点とな
る初期パターンの位置の違いを示している。すなわち、
図2(A)は、単位セル11の中央に起点となるドット
12が配置されており、そのドット12を起点にして、
透過率に応じてドット13を増加又は減少させる方式で
あり、(B)は、単位セル11の四隅の一つに起点とな
るドット12が配置されており、そのドット12を起点
にして、単位セル11の一方側から他方側に向けて、透
過率に応じてドット13を増加又は減少させる方式であ
る。また、以下に示す図3から図8は、図2の(A)と
(B)のどちらでも対応できることは言うまでもない。
【0020】次に図3から図8を基にして単位セル内の
ドット配置の実施例を説明する。尚、図3から図8は、
中心に光を透過する開口部(Cr遮光膜が無い光透過領
域)を起点のドット12として配置し、光透過領域とな
るドット13を徐々に増加させて単位セル11の透過率
を増加させるドット配置の例を示しているが、これとは
逆に、遮光膜をドットとして透過面積を減少させてい
き、単位セルの透過率を減少させる場合も同様のドット
配置となる。
【0021】ここで、図3は単位セル11内の光透過領
域となるドット13を起点のドット12から螺旋状に増
加させていく例であり、単位セル・ナンバー(N0
Z)が増加するにしたがって、中心から左回りの螺旋
状に光透過領域の面積が増加する。図4は単位セル11
内の光透過領域となるドット13を起点のドット12か
らブロック状に増加させていく例であり、中心から一方
向に増加して、単位セル11の片側にドットの集まりと
して固まり(ブロック)を形成した後、単位セル・ナン
バーが増加するにしたがって、ブロック状に光透過領域
の面積が他方側に向けて増加する。図5は単位セル11
内の光透過領域となるドット13を起点のドット12か
らライン状に増加させていく例であり、単位セル・ナン
バーが増加するにしたがって、中心から二方向に増加し
た後、ドットの集まりとして両側に向けてライン状に光
透過領域の面積が増加するものである。図6は単位セル
11内の光透過領域となるドット13をランダム状に増
加させていく例であり、マイクロコンピュータ等で乱数
を発生させることにより開口部のドット位置がランダム
に決定され、単位セル・ナンバーが増加するにしたがっ
てランダムに光透過領域の面積が増加する。図7は単位
セル11内の光透過領域となるドット13を起点のドッ
ト12から四隅起点で風車状に増加させていく例を示し
ており、単位セル・ナンバーが増加するにしたがって中
心から左回りに風車状に光透過領域の面積が増加する。
図8は起点となる光透過領域を円形状パターン14とし
て、単位セル11の中心から同心円的に光透過領域を増
加させていく例を示している。
【0022】尚、いずれの例も、単位セル・ナンバーの
ある時点からのドットの増加方法の代表例を示してい
る。また、連続した数字ナンバーの部分(N0,N1,N
2・・)は、ある代表的な1ドットずつの増加方法又は
減少方法を示している。したがって、ここに示したドッ
トパターンの、中心に配置した初期四角形形状の寸法や
ドット寸法はモデル的なものであり、正方形に限定され
るものではなく、長方形、三角形等の多角形でも構わな
い。また、当然のことながら楕円形状を含む円形状でも
よく、面積の増加又は減少は入力時のインプットデータ
であり、マスクの製作条件によってはレーザー光の太り
や、ドライエッチング時の等方性エッチング、ウェット
エッチング時のサイドエッチング等で形状が崩れること
がある。
【0023】図3から図8に示したようないずれかのド
ットパターンで透過率分布に応じた光透過領域又は遮光
領域が形成された単位セルは、規則的に配列されて2次
元的な透過率分布を形成し、濃度分布マスクを構成する
が、この際、隣接する単位セル間の隣接効果の影響を考
慮しなければならない。ここで、図9は単位セルの配置
と隣接効果の範囲を説明するための図であり、一例とし
てマイクロレンズの表面形状を形成するための濃度分布
マスクの一つの角部側の部分のみを示している。図9に
おいて基本図は、透過率分布に応じて設計された基本の
単位セルを感度曲線に基づき配置したものであり、各単
位セルの斜線部のパターン部分がCr膜で形成された遮
光領域15、白地の部分が光透過領域16である。ま
た、図9の(1)〜(7)は、基本図に対してCr遮光
膜の形状を変更せず、位置を変更することでCrパター
ンの隣接効果の影響範囲、又は隣接効果の重心位置の制
御を狙ったものである。
【0024】すなわち、図9の(1)は、基本図に対
し、マイクロレンズ形状の角部の位置の感光性材料に照
射される露光光量が多くなるようにし、角部の感光性材
料が除去されることを狙った配置であり、(2)は
(1)に対し、マイクロレンズ形状の角部の近傍の縁部
分に照射される露光光量を増加させ、角部に向うマイク
ロレンズの縁の十字部分が設計通りに形成されることを
狙った配置であり、(3)は基本図に対し、角部への隣
接効果を低下させ、マイクロレンズの角部の形状を形成
する配置であり、(4)は(3)に対し、角部分の隣接
効果の及ぶ範囲が円形に近くなるように配置し、設計通
りの形成を狙った配置であり、(5)は(1)に対し、
対角方向の隣接効果の重心を角側に寄せ、設計通りの形
成を狙った配置であり、(6)は(5)に対し、マイク
ロレンズの角部の近傍の縁部分に照射される露光光量を
増加させ、角部に向うマイクロレンズの縁の十字部分が
設計通りに形成されることを狙った配置であり、(7)
は基本図に対し、対角方向の隣接効果の重心を対角線上
に寄せ、マイクロレンズ形状の急激な立ち上がりの形成
を狙った配置である。
【0025】尚、ここで言う「隣接効果」とは、ある単
位セルがその周辺に位置する(隣接する)例えば8個の
単位セルからマスク露光時に光洩れが発生し、隣接する
単位セルの開口率(光透過量)の影響を受けるため、感
光性材料の除去量(感度曲線)が変化する現象である。
この隣接効果による影響は、表面形状が球面や非球面か
らなるマイクロレンズを形成する場合のように、濃度分
布マスクの隣接する単位セルの光透過領域又は遮光領域
が単調に増加又は減少する場合には容易に影響を計算で
きる。
【0026】次に、上述のような単位セル構成の濃度分
布マスクの製造方法としては、まず、石英ガラス等の透
明基板上に厚さ200nmのCr膜を蒸着等により成膜
し、この上に感光性ポジ型レジスト材料を塗布してマス
クブランクスを形成する。そして、上記マスクブランク
スのレジスト材料層に対して、光ビーム照射装置により
光ビームを照射して単位セル毎に光透過領域又は遮光領
域を所望の透過率分布になるように2次元的にパターニ
ングする。ここでは、光ビーム照射装置として、図1に
示すような自社開発のレーザー光照射装置(レーザー描
画装置)を用い、上記レジスト材料層にレーザー光を照
射してマスクパターンを描画する。
【0027】図1に示すレーザー光照射装置は、レーザ
ー光発振装置1、レーザー光発振装置1からのレーザー
光を複数のレーザー光に分割するビームスプリッター
2、レーザー光の光路を折り曲げるミラー3、レーザー
光を変調する光変調器と光変調器を制御する制御装置
(データパス5からの信号により個々のレーザー光のO
N,OFFを制御する)4、レーザー光を偏向する光偏
向器と光偏向器を制御する制御装置6、レーザー光をレ
ジスト材料層に集光するための対物レンズ7、載置され
たマスクブランクスをX方向及びY方向に移動するX−
Yステージ8、X−Yステージ8の動作を制御する光学
式干渉計9などの主要構成部品から構成されており、設
計データに応じてX−Yステージ8の動作と、個々のレ
ーザー光のON,OFFを制御することにより、マスク
ブランクスのレジスト材料層に所望のマスクパターンを
描画する。すなわち、レーザー光照射装置によりレジス
ト材料層にレーザー光を照射して単位セル毎に光透過領
域又は遮光領域を所望の透過率分布になるように2次元
的にパターニングする。また、この際、所望の表面形状
に応じて演算された各単位セルの透過率分布に応じてレ
ーザー光の照射が制御され、各単位セル内の光透過領域
又は遮光領域を増加又は減少させるドットの配列が制御
される。
【0028】そして、このレーザー光照射装置によりレ
ーザー光が照射されたレジスト材料部分は、次の現像、
リンス工程によって除去され、レジスト材料層にマスク
パターンが形成される。次に、このパターニングされた
レジスト材料層をエッチングマスクとしてCr膜をドラ
イエッチング又はウェットエッチング、好ましくはドラ
イエッチングする。例えばウェットエッチングの場合
は、レジストパターンが形成された上記基板をCr専用
のウェットエッチング液でエッチングし、レジスト材料
のない部分のCr膜をウェットエッチング液中に溶かし
出し、次いで基板をリンスし、乾燥させる。これによ
り、所望の2次元的な透過率分布を有する濃度分布マス
クが得られる。
【0029】以上のような方法によりパターニングされ
た濃度分布マスクの単位セル内では、Cr膜(遮光
膜)の除去された部分(光透過領域)と、Cr膜が残
っている部分(遮光領域)が形成されるので、図3から
図8に例示したような方式によって、この光透過領域又
は遮光領域を増加又は減少することにより単位セルの透
過率(光透過量)を段階的に変えることができ、光透過
量として一つの単位セルを特徴づけ、構成させることが
できる。したがって、マスクパターンを複数の単位セル
で構成し、各単位セル内の光透過領域又は遮光領域が、
所望の表面形状に応じた透過率分布となるように2次元
的に設計し、各単位セルの光透過量を制御することによ
り、マスクパターンを透過した光が目的とする表面形状
に対応した2次元的な光強度分布を有する構成の濃度分
布マスクが得られる。尚、以上は、Cr膜の開口面積
の制御による方法と、Cr膜の膜厚の制御による方法
を組み合せた方法であるが、上記の方法又はの方法
によっても同様の光強度分布を有する濃度分布マスクを
製作可能である。
【0030】次に、上記の方法によって製作される濃度
分布マスクを用いて、具体的な表面形状を形成する方法
について述べる。上記のような特性を有する単位セルを
規則的に配置した濃度分布マスクを製作し、所望の表面
形状を形成すべき基板上に形成された感光性材料層に対
して、所定の方法でマスクパターンを露光する。この
際、露光方法としては、所望の表面形状に対して等倍に
作製された濃度分布マスクを用いて、このマスクを感光
性材料層に密着又は近接させて露光するアライメント露
光法や、所望の表面形状に対して所定の拡大率で作製さ
れた濃度分布マスク(レチクルマスクと言う)を用い
て、図13に示すようなステッパー露光装置でマスクパ
ターンを感光性材料層に縮小露光するステッパー露光法
等があるが、ここでは表面形状を高精度に形成するため
に、5倍の拡大率で製作されたレチクルマスクを用い、
ステッパー露光法で、マスクパターンを感光性材料層に
1/5に縮小して露光する。
【0031】図13に示すステッパー露光装置は、光源
ランプ30からの光を集光レンズ31により集光し、均
一な光強度の照射光としてレチクルマスク32に照射
し、レチクルマスク32を透過した光を縮小倍率の結像
レンズ33に入射させ、X−Yステージ34上に載置さ
れた基板37上の感光性材料の表面に、レチクルマスク
33の縮小像を結像し、ステッピングモータ35,36
でX−Yステージ34を順次移動させてマスクパターン
を露光するものである。上記のマスクパターンの露光
後、感光性材料をPEB(ポスト・エキスポージャー・
ベーク)、現像、リンスして、所望の表面形状に応じて
感光性材料層を3次元的にパターニングした後、そのパ
ターニングされた感光性材料層と基板に対し異方性エッ
チングを行ない、その感光性材料層の表面形状を基板表
面に彫り写すことにより、所望の3次元構造が形成され
る。
【0032】ところで、上記の感光性材料のパターニン
グ時においては、マスクパターンの露光量、単位セルの
光透過量によって感光性材料の除去量が異なるので、こ
れらを考慮してマスク設計時の「単位セル・ナンバー」
が決定される。すなわち、光透過量と感光性材料の除去
量が特徴づけられた関係を一つのナンバーとして表わ
し、濃度分布マスクの各単位セル内の光透過領域又は遮
光領域のドットパターン(例えば、図3から図8に例示
した単位セルのパターン)が決定される。尚、上記「単
位セル・ナンバー」は、上記の関係をグラフ化し、関数
化することによって数式に変換できる。そして、上記数
式に基づいて、「目的とする表面形状(レンズ)の高
さ」と「感光性材料の残存量(「感光性材料層の膜厚」
−「除去量」)」の関係を数式化する。次いで、コンピ
ュータのCAD(Computer Aided Design)上で「レン
ズ配置位置」と「レンズ高さ(レジスト残存量)」の関
係を明らかにする。さらに、これを発展させて、「レン
ズ配置位置」とマスクの「単位セル・ナンバー」の関係
に置き換える。次に、CADデータをデータ化して、レ
ーザー光照射装置の制御部のコンピュータにセットし、
順次マスクブランクスにレーザー光を照射してマスクパ
ターンを描画する。そして、これを現像、リンスした
後、エッチングすると、所望のレンズ形状に対応した
「単位セル・ナンバー」の単位セルが規則的に「レンズ
配置位置」に並んだ、目的の濃度分布マスクが製作でき
る。したがって、このようにして、目的の3次元構造の
表面形状に対応した濃度分布マスクを設計し、製作す
る。
【0033】また、濃度分布マスクを製作する際に用い
るブランクスには、市販のマスクブランクスを使用して
もよい。市販のマスクブランクスは、石英基板上に20
0nm程度のCr膜を成膜したもの(又は、必要に応じ
てCr膜と酸化Cr膜の2層膜を成膜したもの)にフォ
トレジスト等の感光性材料を1μm程度の厚さで塗布し
たものである。そして、上記の基本的な考え方に立ち、
詳細なデータに裏付けられた計算式とプログラムから、
CAD設計画面上でレンズ高さとマスクパターンの「単
位セル・ナンバー」を関数付けて単位セルを配置し、そ
の設計データに基づいてレーザー光照射装置で順次マス
クブランクスにレーザー光を照射してマスクパターンを
描画し、感光性材料層を現像、リンスした後、そのパタ
ーニングされた感光性材料層をエッチングマスクとして
遮光膜をドライエッチング又はウェットエッチングして
濃度分布マスクを製作する。
【0034】尚、本発明に係る濃度分布マスクは、電子
線描画(BE描画)でも製作することができるが、電子
線出射のフィラメント電流の制御、長時間露光時のフィ
ラメント細り、電子線洩れ(ドーズ)量の制御等の装置
制御上の課題が多く、再現性が著しく乏しいという問題
がある。また、製作時は、単一ビームしか出射できない
ために製作に莫大な時間を要し、経時的な変動が大き
い。以上の点から、本発明では、図1に示すような構成
の安価で信頼性の高いレーザー光照射装置(レーザー描
画装置)を用いて濃度分布マスクを製作した。
【0035】次に、本発明に係る表面形状の形成方法の
具体的な実施例として、液晶プロジェクター用で微小寸
法のマイクロレンズアレイ(MLA)を製作する場合
と、フレネルレンズを製作する場合の実施例について説
明する。
【0036】(実施例1)第1の実施例は、図10
(a)に示すような微小ピッチで配列されたマイクロレ
ンズアレイ20の例であり、マイクロレンズ21の隣接
間隔を限りなく零に近づけた例である。図10(b)に
示すように、液晶プロジェクター用の液晶素子の画素を
正方形と想定し、その画素サイズ(面積)をPX×PY
とした場合に、0.9”−XGA用の液晶素子の画素サ
イズは□18×18(μm)であるので、理想的にはこ
の画素サイズと同じ大きさのマイクロレンズ21を配置
したマイクロレンズアレイ20とすることが望ましい。
すなわち、マイクロレンズアレイを形成する場合に、レ
ンズの両側に各0.5μmずつのレンズ非形成部がある
場合には、□17×17(μm)のマイクロレンズ領域
となり、全体の面積に占めるマイクロレンズアレイ面積
は、 (17×17)/(18×18)=289/324=
0.89 となり、マイクロレンズアレイで全ての光を有効に集光
することができても、89%の集光効率でしかない。し
たがって、マイクロレンズの非形成部の面積を小さくす
ることが光利用効率を向上させる上で重要であり、図1
0に示すように、マイクロレンズ21の隣接間隔を限り
なく零に近づけることが望ましい。
【0037】次に、図10に示すようなマイクロレンズ
アレイ20を製作するに当って、まず、前述した方法で
製作した濃度分布マスクを予め用意する。具体的には、
本実施例では、図13に示すようなステッパー露光装置
を用いて1/5倍の縮小露光を行なうので、実際に製作
した濃度分布マスクは、マイクロレンズ形状を5倍に拡
大したマスクパターンのレチクルマスク(拡大マスク)
であり、そのレチクルパターン寸法は、□90×90
(μm)である。そして、この一個のマイクロレンズ部
分を、単位セルのサイズを3.0×3.0(μm)とし
て、 縦×横=30×30(個)=900(個) の単位セルに分割したマスクパターンを設計する。
【0038】このマスクパターンの設計においては、中
央部の2×2単位セル(レチクルマスク上:6×6(μ
m)→実際のパターンでは1.2×1.2(μm))には
単位セル・ナンバー1番(Cr遮光膜が全部残った状
態)の単位セルを配置する。また、マイクロレンズ形成
領域の四隅部分には、単位セル・ナンバー80番(Cr
遮光膜の残り部分無し)を配置する。そして、この間の
単位セル・ナンバー1〜80の単位セルには、各「階調
(光透過量)」に対応する「開口面積」となるように光
透過領域又は遮光領域を増加又は減少させたドット配置
パターン(例えば図3から図8の中のいずれかのパター
ン)を適宜対応させ、目的とするレンズ面形状に応じた
2次元的な透過率分布となるように設計してCADデー
タを作成する。尚、このレンズ面形状と単位セル・ナン
バーの関係は、前述したように、露光プロセスと感光性
材料の感度曲線から得られる関係である。勿論、感光性
材料や露光プロセスが異なればその都度、感度曲線を把
握する必要がある。
【0039】次に、石英ガラスに感光性材料層を形成し
たマスクブランクスを用意し、図1に示したレーザー光
照射装置のX−Yステージ8にセットした後、上記のよ
うにして作成されたCADデータをレーザー光照射装置
の制御部に入力してX−Yステージ8の移動とレーザー
光源1のON,OFFを制御しながら、所定の方法でマ
スクブランクスにレーザー光を照射してマスクパターン
を描画する。ここで、本実施例では、マスクパターンを
構成する単位セル内のパターンを作成する際に、図2
(A),(B)、及び図3から図8の各ドットパターン
配置方式を用いてCADプログラムを作成し、マスクパ
ターンを描画した。その結果、各ドットパターン配置方
式には下記のような利点や、問題点が有ることが判明し
た。
【0040】(ア)図3の螺旋状配置の場合:起点とな
る初期パターンを図2(A)のタイプとした場合、再現
性が高い、装置の変動要因の影響を受け難い、隣接効果
が小さい、という利点がある。また、初期パターンを図
2(B)のタイプとした場合、再現性が高い、装置の変
動要因の影響を受け難い、という利点がある。 (イ)図4のブロック状配置の場合:起点となる初期パ
ターンを図2(A)のタイプとした場合、再現性が高
い、装置の変動要因の影響を受け難い、という利点があ
るが、デジタル像になり易く、スムージングが難しいと
いう問題点がある。また、初期パターンを図2(B)の
タイプとした場合、再現性が高い、装置の変動要因の影
響を受け難い、という利点があるが、デジタル像になり
易く、スムージングが難しいという問題点がある。 (ウ)図5のライン状配置の場合:起点となる初期パタ
ーンを図2(A)のタイプとした場合、再現性が高い、
装置の変動要因の影響を受け難い、という利点がある
が、隣接効果が大きい、という問題点がある。また、初
期パターンを図2(B)のタイプとした場合、再現性が
高い、装置の変動要因の影響を受け難い、という利点が
あるが、デジタル像になり易く、スムージングが難しい
という問題点がある。 (エ)図6のランダム配置の場合:起点となる初期パタ
ーンを図2(A)のタイプとした場合、中間階調が得ら
れ易い、隣接効果が小さい、という利点があるが、再現
性に乏しい、という問題点がある。 (オ)図7の四隅起点で風車状配置の場合:起点となる
初期パターンを図2(A)のタイプとした場合、中間階
調が得られ易い、隣接効果が小さい、という利点がある
が、再現性に乏しい、という問題点がある。また、初期
パターンを図2(B)のタイプとした場合、再現性が高
い、装置の変動要因の影響を受け難い、という利点があ
るが、デジタル像になり易く、スムージングが難しいと
いう問題点がある。 (カ)図8の円形状配置の場合:起点となる初期パター
ンを中央起点とした場合に、再現性が非常に高い、デジ
タルパターンがアナログ情報になる、製作時にレーザー
出力が安定する、隣接効果が小さい、中間階調が得られ
易い、装置変動を受け難い、という利点がある。
【0041】以上の実施結果から、単位セル内のパター
ン配置が図3、図8のマスクが最も良い出来であったの
でこれらの方式を採用した。尚、図3の配置では、図2
の(A)タイプ、(B)タイプのどちらの場合も良好の
結果を得ることができた。ただし、各方法とも長所と欠
点があるので、それぞれ目的形状に応じて使い分けが必
要である。
【0042】図10に示すような液晶プロジェクター用
の微小寸法マイクロレンズアレイの製作の場合には、図
2(A)の中央起点タイプで図3の螺旋状パターン配置
の単位セルでマスクパターンを作成し、マスクブランク
スの感光性材料に描画した。そして、所定の方法で現
像、リンスを行なうことにより、感光性材料層にマスク
パターンが得られた。次に、パターニングされた感光性
材料層をエッチングマスクとして、Cr用のウェットエ
ッチング液にてCr膜のエッチングを行なった。この方
法によって、目的とする開口寸法を有し、かつ2次元的
な濃度分布(透過率分布)を有するレチクルマスクを製
作した。ここでのCr膜のエッチングはウェットエッチ
ングに限定されるものではなく、ドライエッチングでも
よい。
【0043】次に、上記のレチクルマスクを使用して製
作する液晶プロジェクター用マイクロレンズアレイの例
を述べる。図11にマイクロレンズアレイの製造工程の
概念の一例を示す。まず、図11(a)に示すように、
所望の表面形状を形成すべき基板22としてネオセラム
基板を用意し、この基板22上に感光性材料として市販
のフォトレジスト(東京応化(株)製TGMR−950
(商品名))23を8.56μmの厚さになるように塗
布する。次にフォトレジスト23を塗布した基板22を
ホットプレート上に載せ、100℃の加熱温度にてベー
ク時間:180秒でプリベークした。
【0044】次に、レジスト層23が形成された基板2
2を図13に示したような構成のステッパー露光装置の
X−Yステージ上にセットし、上記のレチクルマスクを
露光用マスクとして1/5倍の縮小率でステッパー露光
した。露光条件は、マスクパターンの結像位置をレジス
ト層23の表面から僅かにデフォーカスさせ、デフォー
カス量を+15μm、照射量を390mW×1.28秒
(照度:500mJ)とした。デフォーカス量の正の符
号は焦点が表面の上方にあることを意味している。ま
た、このマスクパターンの露光では、図11(b)に示
すように、マイクロレンズアレイのレンズ面形状に対応
した光強度分布のパターンLが露光されるので、レジス
ト層23は、マイクロレンズ形状に対応して3次元的に
感光される。
【0045】上記の露光工程終了後、PEB(ポスト・
エキスポージャー・ベーク)を60℃の温度で180秒
間実施した。次に、通常の方法で、現像及びリンスする
ことにより、図11(c)に示すように、レジスト層2
3によるマイクロレンズ形状が得られた。次いで、上記
基板22を紫外線硬化装置の真空槽内にセットし、18
0秒間、真空引きをしながら紫外線照射を実施して、レ
ジスト層のハードニングを行なった。この操作によっ
て、レジストの耐プラズマ性は向上し、次工程での加工
に耐えられるようになる。
【0046】次に、上記基板22をTCP(誘導結合型
プラズマ)ドライエッチング装置の真空槽内にセット
し、真空度:1.5×10-3Torrに真空排気した
後、CHF3:5.0sccm、CF4:50.0scc
m、O2:20.0sccmの混合ガスを真空槽内に導入
し、基板バイアス電力を600W、基板の上方に配設し
た上部電極の電力を1.25KW、基板冷却温度を−2
0℃とした条件下で異方性のドライエッチングを行なっ
た。また、この時、基板バイアス電力と上部電極電力を
経時的に変化させ、時間変化と共に選択比が大きくなる
ように変更しながらエッチングを行なった。基板22の
平均エッチング速度は、0.63μm/分であったが、
実際のエッチング時間は、11.5分を要した。以上の
ドライエッチング工程を経てレジスト層の形状が基板に
彫り移され、図11(d)に示すような断面形状のマイ
クロレンズアレイが製作された。また、エッチング後の
レンズ高さHは、H=5.33μmであった。
【0047】(実施例2)図3から図8に示すパターン
の組み合わせによって所望の形状を構成することもでき
る。図12はMLA用濃度分布マスクの一例を示すパタ
ーンの図である。図12に示すMLA用濃度分布マスク
のパターンでは、隣接効果を低減するために、MLAの
中心部分に対応する単位セルのドットパターンを螺旋状
(図3参照)に配置し、四隅部の光透過率を向上させ、
かつ隣接効果を低減するために、MLAの周辺部分に対
応する単位セルではドットパターンをライン状(図5参
照)に配置している。ただし、本発明の濃度分布マスク
におけるパターンの組合わせはこの例に限定されるもの
ではなく、2以上の組合わせで構成することができる。
例えばMLA用濃度分布マスクのパターンの中心部を螺
旋状配置(図3参照)で構成し、中間部分を円形状配置
(図8参照)で構成し、外周部をライン状配置(図5参
照)で構成する方法などがある。この方法を採用する
と、四隅部の光透過率を向上させ、かつ隣接効果を減少
させることに加えて、中間階調を増やすことが可能とな
るので、目的物品の表面をより滑らかにするという効果
が得られる。
【0048】次に、液晶プロジェクター用マイクロレン
ズアレイを製作した他の例を述べる。この例では、レチ
クルマスクとして、図12に示すパターンのものを用い
た。図12に示すパターンのCADデータを作成し、そ
のCADデータに基づいて、図1に示す装置で感光性材
料に露光し、現像及びリンスを行なって感光性材料をパ
ターニングした。その感光性材料パターンをマスクにし
てCr膜にドライエッチングを施し、レチクルマスクを
製作した。
【0049】上記の液晶プロジェクター用マイクロレン
ズアレイの製作例と同様に、ネオセラム基板に上記のT
GMR−950を8.56μmの厚さになるように塗布
し、100℃の加熱温度にてベーク時間:180秒でプ
リベークし、その基板を図13に示したような構成のス
テッパー露光装置のX−Yステージ上にセットした。図
12に示すパターンのレチクルマスクを露光用マスクと
して1/5倍の縮小率でステッパー露光した。露光条件
は、デフォーカス量を+15μm、照射量を390mW
×1.28秒(照度:500mJ)とした。上記の露光
工程終了後、PEBを60℃の温度で180秒間実施し
た。次に、通常の方法で、現像及びリンスを行なった。
この状態で、上記基板上のTGMR−950層に所望の
MLA形状が形成される。次いで、上記基板を紫外線硬
化装置の真空槽内にセットし、180秒間、真空引きを
しながら紫外線照射を実施して、レジスト層のハードニ
ングを行なった。このとき、TGMR−950層には所
望のMLA形状が5.33μmの高さで形成されてい
た。
【0050】次に、上記基板をTCPドライエッチング
装置の真空槽内にセットし、真空度:1.5×10-3
orrに真空排気した後、CHF3:5.0sccm、C
4:50sccm、O2:10sccmの混合ガスを真
空槽内に導入し、基板バイアス電力を600W、基板の
上方に配設した上部電極の電力を1.25KW、基板冷
却温度を−20℃とした条件下で異方性のドライエッチ
ングを行なった。また、この時、選択比を1とし、選択
比が経時的に変化しないように基板バイアス電力と上部
電極電力を制御しながらドライエッチングを行なった。
基板の平均エッチング速度は、0.55μm/分であっ
たが、実際のエッチング時間は、10.0分を要した。
エッチング後のレンズ高さは5.33μmであった。
【0051】(実施例3)本発明に係る濃度分布マスク
を用いた表面形状の形成方法が最も有効性を発現する製
品として以下のものが挙げられる。 (1)従来、微小寸法のフレネルレンズの形成は不可能
であったが、濃度分布マスクを用いた方法では製作が可
能である。 (2)従来のレジスト熱変形工法では、製作可能なレン
ズ寸法が限られており、φ500μm程度が大口径レン
ズの限界であったが、濃度分布マスクを用いた方法では
大口径レンズも製作可能である。 (3)非球面形状を製作するのに、多くのデータ蓄積と
ノウ・ハウを必要としていたが、濃度分布マスクを用い
た方法では色々な形状を製作することができる。 濃度分布マスクを用いた表面形状の形成方法では上記の
ような特徴を有するが、これらの特徴を最も良く表わす
形状として、フレネルレンズを製作する場合の実施例を
説明する。
【0052】本実施例ではフレネルレンズとして、焦点
距離:f=6.25(mm)、開口数:NA=0.4(1
0λギャップ)の65輪帯のフレネルレンズを製作す
る。図15はフレネルレンズ42の光軸Oから右側の部
分の一部を示したものであり、tは基板の厚さ、h(n)
(n=1,2,3・・・)は光軸Oから各輪帯までの面
高さ、△Z(n)は各輪帯の表面から谷までの深さを表わ
すサグ量、8は傾き角である。 ここで、フレネルレンズの各輪帯の曲面形状を表わす非
球面式:Z(n)は、 Z(n)=Ch(n)2/(1+(1−(K+1)c2h(n)
21/2)+Ah(n)4+Bh(n)6+Ch(n)8+Dh
(n)10 で表わされ、面高さ:h(n)は、 h(n)=(X2+Y2)1/2 であり、傾き角:θは、 θ=arctan(dz/dh) であり、傾斜度:dz/dhは、 dz/dh=Ch(n)2/{(1−(K+1)c2h(n)
21/2}+4Ah(n)3+6Bh(n)5+8Ch(n)7
10Dh(n)9 である。また、 設計波長:λ=780(nm)、 基板厚さ:t=1±0.05(mm)(平行度:φ5m
mで0.1μm以下)、 基板の屈折率:n=1.51118、 バックフォーカス:BF=5.588268、 である。また、各非球面係数は、 c=1/R=0.313003251(曲率半径:R=
3.194855)、 K=−0.879855532、 A=−0.000105951、 B=6.200613×10-6、 C=0、 D=0、 である。また、1〜65の輪帯のサグ量を計算した結果
を図16から図20に示す。
【0053】以上に基づいて65輪帯のフレネルレンズ
を設計したが、図16から図20に示す設計値ではフレ
ネルレンズの中央と外周側とでは輪帯の高さ(サグ量:
ΔZ(n))に1.5μm程度の差があるため、フレネル
レンズの各輪帯の高さが15.5μmの同じ高さになる
ようにレンズ設計を補正し、この補正した値でフレネル
レンズを製作した。
【0054】フレネルレンズの場合には、外周部輪帯の
曲率が大きくなるため、図2(A)の中央起点タイプで
図8の円形状パターン配置でマスクパターンを製作し
た。そして、実施例1のマイクロレンズアレイの場合と
同様に、感光性材料の感度曲線と計算式からマスクパタ
ーンの単位セル・ナンバーの配列を決定し、図1のレー
ザー光照射装置を用いてCADデータのパターンをマス
クブランクスの感光性材料に描画した。そして、所定の
方法によって現像、リンスを行なうことにより、感光性
材料層にマスクパターンが得られた。次に、パターニン
グされた感光性材料層をエッチングマスクとして、Cr
用のウェットエッチング液にてCr膜のエッチングを行
なった。この方法によって、目的とする2次元的な濃度
分布(透過率分布)を有するレチクルマスクを製作し
た。ここでのCr膜のエッチングはウェットエッチング
に限定されるものではなく、ドライエッチングでもよ
い。
【0055】次に上記のレチクルマスクを使用して製作
するフレネルレンズの例を述べる。図14にフレネルレ
ンズの製造工程の概念の一例を示す。まず、図14
(a)に示すように、所望の表面形状を形成すべき基板
40としてBK−7ガラス基板を用意し、この基板40
上に感光性材料として市販のフォトレジスト(東京応化
(株)製TGMR−950(商品名))41を約8.5
μmの厚さになるように塗布する。次にフォトレジスト
41を塗布した基板40をホットプレート上に載せ、1
00℃の加熱温度にてベーク時間:180秒でプリベー
クした。
【0056】次に、レジスト層41が形成された基板4
0を図13に示したような構成のステッパー露光装置の
X−Yステージ上にセットし、上記のレチクルマスクを
露光用マスクとして1/2.5倍の縮小率でステッパー
露光した。露光条件は、マスクパターンの結像位置をレ
ジスト層41の表面から僅かにデフォーカスさせ、デフ
ォーカス量を+5μm、照射量を390mW×1.92
秒(照度:720mJ)とした。また、このマスクパタ
ーンの露光では、図14(b)に示すように、フレネル
レンズのレンズ面形状に対応した光強度分布のパターン
Lが露光されるので、レジスト層41は、フレネルレン
ズ形状に対応して3次元的に感光される。
【0057】上記の露光工程終了後、PEBを65℃の
温度で180秒間実施し、次いで通常の方法で現像及び
リンスすることにより、図14(c)に示すように、レ
ジスト層41によるフレネルレンズ形状が得られた。次
いで、上記基板40を紫外線硬化装置の真空槽内にセッ
トし、180秒間、真空引きをしながら紫外線照射を実
施して、レジスト層のハードニングを行なった。この操
作によって、レジストの耐プラズマ性は向上し、次工程
での加工に耐えられるようになる。また、この時のレジ
スト高さは7.5μmであった。
【0058】次に、上記基板40をTCPドライエッチ
ング装置の真空槽内にセットし、真空度:1.5×10
-3Torrに真空排気した後、CHF3:10.0scc
m、C12:1.0sccm、CF4:15.0sccm、
2:0.9sccmの混合ガスを真空槽内に導入し、基
板バイアス電力を1KW、基板の上方に配設した上部電
極の電力を1.25KW、基板冷却温度を−20℃とし
た条件下で異方性のドライエッチングを行なった。ま
た、この時、基板バイアス電力と上部電極電力を経時的
に変化させ、時間変化と共に選択比が大きくなるように
変更しながらエッチングを行なった。基板40の平均エ
ッチング速度は、1.17μm/分であったが、実際の
エッチング時間は、13.5分を要した。また、工程内
の平均選択比は2.07であり、エッチング後のレンズ
高さHは、H=5.33μmであった。以上のドライエ
ッチング工程を経てレジスト層の形状が基板に彫り移さ
れ、図14(d)に示すような断面形状のフレネルレン
ズが製作された。
【0059】以上、実施例としてマイクロレンズアレイ
とフレネルレンズの形成方法について述べたが、本発明
の濃度分布マスクを用いた表面形状の形成方法によれ
ば、球面形状やフレネル形状に限らず種々の表面形状を
形成することができる。したがって、非球面形状等も容
易に製作でき、異形レンズ等も容易に製作できる。ま
た、プリズム、ビラミッド等に代表される単調増加の凸
構造が容易に製作できる。また、フレネル形状のような
連続面と不連続面からなる3次元構造も容易に製作でき
るので、マイクロマシニング等の複雑な構造物を容易に
製作できる。さらにまた、本発明の方法により形成され
た3次元構造の表面に蒸着やスパッタリング等により反
射膜を形成すれば、種々の表面形状の反射光学素子を製
作することができる。
【0060】本発明は、濃度分布マスク工法を用いるこ
とによって、下記の内容が可能となった。 (1)実施例1は、微小ピッチMLAの例で、隣接間隔
を限りなく零に近づけた例である。このMLAは隣接部
の高さが隣接接線断面で異なっている。しかし、この形
状を従来のレジスト熱変形工法で製作しようとしても目
的の設計通りのMLA構造を製作できなかった。しか
し、本発明によって、隣接するMLAの間隔を零にする
ことが可能となった。 (2)フレネルレンズの形成は、従来のレジスト熱変形
方法では不可能であった。しかし、本発明によって、フ
レネルレンズの形成が可能となった。 (3)従来のレジスト熱変形工法では、直径500μm
程度が大口径レンズの限界であった。しかし、本発明に
よって、直径500μm程度が大口径レンズの製作が可
能となった。 (4)非球面形状を容易に製作できる。 (5)トロイダル等の異形レンズを容易に製作できる。 (6)プリズム、ピラミッド等に代表される単調増加の
凸構造が容易に製作できる。 (7)マイクロマシニング等の複雑な構造物を容易に製
作できる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所望の表面形状に対応した2次元的な光強度分布を有す
る新規な構成の濃度分布マスクとその製造方法を提供で
きる。本発明の濃度分布マスクは、複数の単位セルで構
成する光透過領域又は遮光領域が、所望の透過率分布と
なるように2次元的に設計されることを特徴としてお
り、より詳しくは、マスクパターンを複数の単位セルで
構成し、各単位セル内の光透過領域又は遮光領域が、所
望の表面形状に応じた透過率分布となるように2次元的
に設計され、上記マスクパターンを透過した光が上記表
面形状に対応した2次元の光強度分布を有する構成とし
たので、マスクパターンを構成する単位セルの設計と配
置により、単調に変化する透過率分布、不連続に変化す
る透過率分布、連続と不連続が混在した透過率分布等、
種々の2次元的な透過率分布を実現できる。また、本発
明の濃度分布マスクの製造方法では、光ビーム照射装置
により感光性材料層に光ビームを照射して単位セル毎に
光透過領域又は遮光領域が所望の透過率分布になるよう
に2次元的にパターニングするので、所望の透過率分布
を有するマスクパターンを容易に形成でき、目的とする
濃度分布マスクを容易に製作することができる。
【0062】本発明の表面形状の形成方法によれば、上
記濃度分布マスクを露光用マスクとして用いてパターニ
ングを行なうので、基板上の感光性材料層に所望の表面
形状を形成することができ、これを基板にエッチングに
より彫り写して転写することにより、所望の形状を基板
面に形成できる。したがって、本発明の表面形状の形成
方法によれば、球面、非球面又は円錐形状のような連続
面で構成された曲面や、フレネル形状のように連続面と
不連続面から構成された曲面でも容易に形成することが
できる。そして、これら曲面を光学素子とすることによ
りマイクロレンズアレイやフレネルレンズ等の表面形状
の屈折面を有する種々の光学素子を容易に提供すること
ができる。また、上記曲面に反射膜を形成することによ
り、種々の反射型光学素子を提供することができる。ま
た、本発明の表面形状の形成方法において、感光性材料
層を露光する際に焦点を感光性材料層からずらしたデフ
ォーカス状態で露光を行なうようにすれば、単位セル内
での光透過領域と遮光領域の境界や、隣接する単位セル
間の境界での光量変化が少なくなり、感光性材料層、ひ
いては目的物品の表面形状をより平滑なものにすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濃度分布マスクの製造方法で用いられ
るレーザー光照射装置の一構成例を示す要部斜視図であ
る。
【図2】本発明の濃度分布マスクにおける単位セル内の
光透過領域又は遮光領域の増加又は減少の起点となる初
期パターン位置の例を示す図である。
【図3】本発明の濃度分布マスクにおける単位セル内の
光透過領域又は遮光領域の増加又は減少のパターン例を
示す図である。
【図4】本発明の濃度分布マスクにおける単位セル内の
光透過領域又は遮光領域の増加又は減少の別のパターン
例を示す図である。
【図5】本発明の濃度分布マスクにおける単位セル内の
光透過領域又は遮光領域の増加又は減少のさらに別のパ
ターン例を示す図である。
【図6】本発明の濃度分布マスクにおける単位セル内の
光透過領域又は遮光領域の増加又は減少のさらに別のパ
ターン例を示す図である。
【図7】本発明の濃度分布マスクにおける単位セル内の
光透過領域又は遮光領域の増加又は減少のさらに別のパ
ターン例を示す図である。
【図8】本発明の濃度分布マスクにおける単位セル内の
光透過領域又は遮光領域の増加又は減少のさらに別のパ
ターン例を示す図である。
【図9】本発明の濃度分布マスクにおける単位セルの配
置と隣接効果の関係の説明図である。
【図10】微小ピッチ配列のマイクロレンズアレイの説
明図であり、(a)は拡大断面図、(B)は平面図であ
る。
【図11】本発明に係るマイクロレンズアレイ製造工程
の概念の一例を示す工程説明図である。
【図12】本発明の濃度分布マスクの一例を示すパター
ンの平面図である。
【図13】表面形状のパターニング時に用いられるステ
ッパー露光装置の一構成例を示す要部斜視図である。
【図14】本発明に係るフレネルレンズ製造工程の概念
の一例を示す工程説明図である。
【図15】フレネルレンズを説明する部分断面図であ
る。
【図16】フレネルレンズの設計データの一例を示す図
であって、1〜4輪帯の面高さとサグ量を示す図であ
る。
【図17】フレネルレンズの設計データの一例を示す図
であって、4〜15輪帯の面高さとサグ量を示す図であ
る。
【図18】フレネルレンズの設計データの一例を示す図
であって、15〜33輪帯の面高さとサグ量を示す図で
ある。
【図19】フレネルレンズの設計データの一例を示す図
であって、33〜58輪帯の面高さとサグ量を示す図で
ある。
【図20】フレネルレンズの設計データの一例を示す図
であって、58〜65輪帯の面高さとサグ量を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 レーザー光発振装置 2 ビームスプリッター 3 ミラー 4 光変調器とその制御装置 5 データパス 6 光偏向器とその制御装置 7 対物レンズ 8 X−Yステージ 9 光学式干渉計 11 単位セル 12 起点のドット 13 ドット 14 円形状パターン 15 遮光領域 16 光透過領域 20 マイクロレンズアレイ 21 マイクロレンズ 22 基板 23 感光性材料(フォトレジスト) 30 光源ランプ 31 集光レンズ 32 レチクルマスク(濃度分布マスク) 33 結像レンズ 34 X−Yステージ 40 基板 41 感光性材料(フォトレジスト) 42 フレネルレンズ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所望の3次元構造の表面形状を形成すべき
    基板材料表面上に塗布された感光性材料層に所定の光強
    度分布のパターンを露光し、感光性材料層の厚さを目的
    とする表面形状に対応して3次元的に変化せしめるため
    の濃度分布マスクにおいて、 マスクパターンを複数の単位セルで構成し、各単位セル
    内の光透過領域又は遮光領域が、所望の表面形状に応じ
    た透過率分布となるように2次元的に設計され、前記マ
    スクパターンを透過した光が前記表面形状に対応した2
    次元の光強度分布を有することを特徴とする濃度分布マ
    スク。
  2. 【請求項2】隣接する前記単位セルの光透過領域又は遮
    光領域は、透過率分布に応じて単調に増加又は減少する
    ように配置されている請求項1に記載の濃度分布マス
    ク。
  3. 【請求項3】隣接する前記単位セルの光透過領域又は遮
    光領域は、透過率分布に応じて不連続に増加又は減少す
    るように配置されている請求項1に記載の濃度分布マス
    ク。
  4. 【請求項4】前記単位セルの光透過領域又は遮光領域
    は、単位セル内の光透過量又は遮光量に応じて螺旋状、
    ブロック状、ライン状もしくはランダム状に増加もしく
    は減少するように配置されているか、又は四隅起点方法
    で風車状に増加もしくは減少するように配置されている
    請求項1から3のいずれかに記載の濃度分布マスク。
  5. 【請求項5】前記単位セルの光透過領域又は遮光領域
    は、単位セルの光透過量又は遮光量に応じて単位セルの
    中心から周辺方向へ向って増加又は減少するように配置
    されている請求項1から4のいずれかに記載の濃度分布
    マスク。
  6. 【請求項6】前記単位セルの光透過領域又は遮光領域
    は、単位セルの光透過量又は遮光量に応じて単位セルの
    一端から他端へ向って増加又は減少するように配置され
    ている請求項1から4のいずれかに記載の濃度分布マス
    ク。
  7. 【請求項7】隣接する前記単位セルの光透過領域又は遮
    光領域は、散在するように配置されている請求項1から
    4のいずれかに記載の濃度分布マスク。
  8. 【請求項8】前記単位セルは、単位セルの光透過量又は
    遮光量に応じて単位セルの中心から周辺方向へ向って増
    加又は減少するように光透過領域又は遮光領域が配置さ
    れている単位セルと、単位セルの光透過量又は遮光量に
    応じて単位セルの一端から他端へ向って増加又は減少す
    るように光透過領域又は遮光領域が配置されている単位
    セルのうちの2種以上を含んでいる請求項1から4のい
    ずれかに記載の濃度分布マスク。
  9. 【請求項9】前記単位セルは、光透過領域又は遮光領域
    が螺旋状、ブロック状、ライン状又はランダム状に増加
    又は減少するように配置されている単位セル、及び四隅
    起点方法で風車状に増加又は減少するように配置されて
    いる単位セルのうちの2種以上を含んでいる請求項8に
    記載の濃度分布マスク。
  10. 【請求項10】前記単位セルの光透過領域又は遮光領域
    はドットを配置して構成され、そのドットが円形状、楕
    円形状又は多角形形状である請求項1から9のいずれか
    に記載の濃度分布マスク。
  11. 【請求項11】請求項1から9のいずれかに記載の濃度
    分布マスクを製造する際の濃度分布マスクの製造方法で
    あって、 透明基板上に金属もしくは金属酸化物又はその両方から
    なる遮光膜を成膜し、その遮光膜上に感光性材料層を形
    成した後、光ビーム照射装置により前記感光性材料層に
    光ビームを照射して単位セル毎に光透過領域又は遮光領
    域が所望の透過率分布になるように2次元的にパターニ
    ングし、このパターニングされた感光性材料層をエッチ
    ングマスクとして前記遮光膜をドライエッチング又はウ
    ェットエッチングし、所望の光強度分布を有する濃度分
    布マスクを得ることを特徴とする濃度分布マスクの製造
    方法。
  12. 【請求項12】所望の透過率分布になるようにパターニ
    ングするに際して、光ビームの照射を制御し、各単位セ
    ル内の光透過領域又は遮光領域を増加又は減少させるド
    ットの配列を制御する請求項11に記載の濃度分布マス
    クの製造方法。
  13. 【請求項13】所望の表面形状を形成すべき基板の表面
    に所定の厚さに感光性材料層を形成した後、濃度分布マ
    スクを用いて前記感光性材料層に対して露光するフォト
    リソグラフィ工程により、所望の表面形状に応じて感光
    性材料層を3次元的にパターニングした後、パターニン
    グされた感光性材料層と基板に対して異方性エッチング
    を行ない、前記感光性材料層の表面形状を基板表面に彫
    り写して3次元構造を形成することを特徴とする表面形
    状の形成方法。
  14. 【請求項14】前記フォトリソグラフィ工程は、焦点を
    前記感光性材料層からずらしたデフォーカス状態で露光
    を行なう請求項13に記載の表面形状の形成方法。
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