JP2002244273A - 濃度分布マスクとその製造方法 - Google Patents

濃度分布マスクとその製造方法

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JP2002244273A
JP2002244273A JP2001035014A JP2001035014A JP2002244273A JP 2002244273 A JP2002244273 A JP 2002244273A JP 2001035014 A JP2001035014 A JP 2001035014A JP 2001035014 A JP2001035014 A JP 2001035014A JP 2002244273 A JP2002244273 A JP 2002244273A
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Kazuhiro Umeki
和博 梅木
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Ricoh Optical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 三次元構造の感光性材料パターンを形成する
ための濃度分布マスク、及び該マスクを設計通りに製造
するための方法を提供する。 【解決手段】 露光に使用される領域を単位セルに分割
し、さらに該単位セルを遮光膜パターンによりドットに
分割することにより、単位セル全体として所定の光透過
量を有する濃度分布マスク、及び目的とする三次元構造
を基に露光時の光透過量分布と、感光性材料除去量をシ
ミュレーションして遮光膜パターンを設計する工程を含
む上記マスクの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濃度分布マスクを
用いた露光により基板上に三次元構造の感光性材料パタ
ーンを形成し、その感光性材料パターンを基板に彫り写
すことにより三次元構造の表面形状をもつ物品を製造す
る方法で使用する濃度分布マスクとその製造方法に関す
るものである。
【0002】この濃度分布マスクを用いて製造される三
次元構造の表面形状をもつ物品としては、次のような種
々の素子や装置を挙げることができる。透過又は反射の
微小光学素子などの光学分野、半導体装置製造工程で使
用される位相シフトマスクを含むマスク製作(修正を含
む)分野、微小な三次元構造を製作するマイクロマシニ
ング分野、FED(フィールド・エミッション・ディス
プレー)、PDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)
等のCRTに代わる画像表示素子などを製作する電気・
電子分野、太陽光発電やソーラーシステムなどの光集光
素子を製作する環境分野、マイクロトライボロジー(摩
擦摩耗)装置などを製作する精密機械分野などである。
【0003】
【従来の技術】光学素子の屈折面や反射面に、球面や非
球面等に代表される特殊な面形状が使用されるようにな
ってきており、また近来は液晶表示素子や液晶プロジェ
クタ等に関連して、マイクロレンズ等にも特殊な面形状
が求められている。
【0004】そこで屈折面や反射面を型成形や研磨によ
らずに形成する方法として、光学基板の表面にフォトレ
ジスト(感光性材料の代表例)の層を形成し、このフォ
トレジスト層に対して二次元的な透過率分布を有する露
光用マスクを介して露光し、フォトレジストの現像によ
りフォトレジストの表面形状として凸面形状もしくは凹
面形状を得、しかる後にフォトレジストと光学基板とに
対して異方性エッチングを行ない、フォトレジストの表
面形状を光学基板に彫り写して転写することにより、光
学基板の表面に所望の三次元構造の屈折面や反射面の形
状を得ることが知られている。
【0005】上記の屈折面や反射面等の三次元構造の表
面形状を得るために用いられる露光用マスクとしては、
表面形状に対して透過率が段階的に変化する二次元的な
透過率分布を持った濃度分布マスク(グラデーションマ
スク(GM))があるが、本発明者らは先に、所望の二
次元的な透過率分布を持った濃度分布マスクを得る方法
として、所望の透過率分布に応じてドットパターンの形
状及びドット濃度の分布を演算算出し、出力を段階的も
しくは連続的に変化させ得る光源装置からの光束により
ドットパターンの光書込みを行なう出力可変装置の出力
を上記ドットパターンの形状及びドット濃度の分布に応
じて変化させつつ感光性材料に書き込む方式を提案し
た。そして、この書き込み方式により露光された感光性
材料を現像すれば、ドットパターンの形状とドット濃度
の分布によって所望の二次元的な透過率分布を有する露
光用マスク(濃度分布マスク)を得ることができる(特
開平7−230159号公報を参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】濃度分布マスクを製作
する際の問題点はパターン露光時の問題である。他の工
程は、量産工程として安定しており製作上の問題は小さ
い。濃度分布マスクを製作する際の描画方法には主に電
子線(EB)描画方法とレーザー描画方法の2方法があ
る。このうち、電子線描画方法でパターンを形成する際
は、電子線の焦点深度が深く感光性材料深さ方向に指向
性のあるパターンが形成できる。またビーム径が小さく
高精度露光が可能であるが、再現性が乏しい、マスク性
能が装置性能に依存する、パターンエッジ部がダレル、
装置が高価である、マスクが高価である、マスク修正が
できない、描画できる寸法が限定される(電子線のドー
ズ量制御が難しく、独立したパターン・隔離したパター
ン・不連続パターンを製作できないため)等の問題があ
る。
【0007】また、レーザー描画方法で露光する場合
は、アナログタイプ(マスクパターンの遮光膜が透過率
0%の部分と透過率100%の部分の他に、その間の透
過率をもつ部分を備えたタイプ)のマスクが容易に製作
できるが、ビーム径の制御が難しい、装置が高価であ
る、マスクが高価である、マスク修正ができない、等の
問題がある。本発明は上記の従来技術をさらに改良し
て、濃度分布マスクを設計通りに製造することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、濃度分布
マスクを製作するに当って、濃度分布マスクを微小な単
位セルに分割し、その単位セルにおける微視的な設計か
ら、目的とする所望の形状を製作するために中間階調数
をより多く得る為の方法として、好ましくは、イ)集束
イオンビーム法(以下本文では、集束イオンビーム(fo
cus ion beam)をFIBと略記することがある)を用い
て微細形状を製作する(スパッタリング法による遮光膜
の除去、或いは選択的成膜)、中間透過率を得るための
方法として、ロ)FIB法を用いて遮光膜を選択的に所
望の膜厚だけ除去する(スパッタリングで遮光膜を薄く
する)方法によって、巨視的・全体的なマスク設計とす
る。
【0009】ここで、階調とは、画像などの濃度変化の
視知覚的な評価であり、「中間階調」は単位セル内のド
ットの面積や配置、ドットの組合わせなどで得られるよ
り細かな光学濃度変化を意味している。また、「中間透
過率」は、物理的な光透過率を意味しており、透過率が
0%と率100%の間にあることを意味している。
【0010】濃度分布マスクを構成する単位セル内の
ドット形成に関する設計手法を、(イ)設計の面と、
(ロ)マスク設計手法の面から提案する。これにより、
単位セル内にドットをランダムに配置できるようになる
ので、隣接単位セル間の隣接効果を低減することが可能
になる。本発明において、「ドット」は、FIB法で照
射される最小領域を意味している。
【0011】本発明は、基板上に三次元構造の感光性材
料パターンを形成するための写真製版工程で使用する濃
度分布マスクを以下のからの工程を含んで製造する
濃度分布マスクの製造方法である。 前記三次元構造を製作するために、その三次元構造を
基に露光時の光透過光量の全体的な光強度分布を計算
し、前記基板上での各ポイントの感光性材料の除去量を
シミュレーションで計算し、除去量に見合った光を透過
する遮光膜パターンを設計する計算シミュレーション工
程。 透明基板上に遮光膜が形成され、さらにその上にマス
ク用感光性材料層をもつマスクブランクスに電子線また
はレーザー光線によって前記設計された遮光膜パターン
に基づいて露光し、現像してマスク用感光性材料パター
ンを形成するパターン化工程。 形成されたマスク用感光性材料パターンをマスクとし
て前記遮光膜をドライエッチング又はウエットエッチン
グし、遮光膜パターンを形成する工程。 工程で形成された遮光膜パターンを工程で設計さ
れた遮光膜パターンと比較し、両者が一致するように前
記形成された遮光膜マスクパターンを修正する工程。
【0012】遮光膜の微細エッチング加工により遮光膜
パターンを形成した後、工程を行なうことにより、設
計通りのマスク製作を低コストに実現することができ、
単位セルの高階調化が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】濃度分布マスクの好ましい一例
は、マスクパターンが透過率0%の部分と透過率100
%の部分の他に、透過率がその間の値をもつ中間透過率
部分を備えたアナログタイプの濃度分布マスクである。
この場合、工程の計算シミュレーション工程では目的
とする三次元構造を基に中間透過率を有する露光時の光
透過光量の全体的な光強度分布を計算し、工程の遮光
膜パターン修正工程では、平面形状を修正するために遮
光膜を部分的に除去又は成膜するとともに、さらに中間
階調部分を修正するために遮光膜の一部分を膜厚方向に
沿って部分的に除去し又は中間膜厚に成膜する工程を含
んでいる。
【0014】アナログタイプの濃度分布マスクを製作す
る方法は、単位セル内のデジタル的な(透過率が0%の
部分と100%の部分のみを含むもの)遮光膜パターン
に変化を持たせるために、遮光膜の膜厚を調整するもの
である。つまり、光透過濃度変化を段階的に行なう為に
「中間的な光透過率を有するドット」を形成するのであ
る。この「中間的な光透過率を有するドット」、すなわ
ち、中間的な光透過率のドットの「面積」、光透過
率の「絶対値」、及びその階調数(即ち「面積」×
「絶対値」)は、所望の目的形状によって変更する。
【0015】以下に、具体的に説明する。中間的な光透
過率のドットは、光透過率が0%のドットと光透過率が
100%のドットの間に配置する。「配置の程度(面
積)」は所望の形状によってシミュレーション結果で決
定する。光透過率の「絶対値」は、所望の形状が滑らか
な変化の場合には階調数から数学的に決定することがで
きるが、形状変化が急激な場合には勾配に合わせて絶対
値を決定する。
【0016】階調数は、所望の目的形状によって変更
し、特に形状変化が急激な場合には勾配に合わせて階調
数を多く設定する。これらを具体的に実現する方法とし
て、遮光性能を有する遮光膜としてCr膜を例にして、
微小ドットを選択的に、かつ高精度に除去(エッチン
グ)又は成膜(デポジッション)する方法を提案する。
【0017】具体的な方法として、集束イオンビーム
(FIB)装置を使用する加工方法を採用する。遮光性
能を有するCr膜を微小ドットについて選択的に、かつ
高精度に除去(エッチング)又は成膜(デポジッショ
ン)する方法としてFIB法は有効な方法である。
【0018】FIB法では、金属イオンビームを集束さ
せて遮光膜パターンをもつマスクに照射し、その照射部
分の遮光膜をエッチングして除去したり、その照射部分
の基板にその金属を堆積させて成膜したりすることがで
きる。FIB法により遮光膜の除去又は成膜を指定の位
置で高精度に加工できるとともに、除去量、成膜膜厚を
高精度に制御できるので、中間の光透過率を有するドッ
ト及びその集合体である単位セルを製作することが可能
となる。
【0019】FIB法により遮光膜の除去又は成膜を行
なうためには、マスクブランクスの好ましい遮光膜材料
としてFIB加工速度が大きく、制御性の良い材料とし
てSi(シリコン),W(タングステン),Al(アル
ミニウム)等の金属材料が挙げられる。これらの材料を
マスクブランクスの遮光膜材料として用いることが好ま
しい。
【0020】遮光膜パターンは単位セル内をドットに分
割して、ドット内の光透過率が不連続に変化して単位セ
ル全体として所定の光透過率を有しているものとするこ
とができる。このとき、光透過率0%と100%の他に
その間の光透過率をもつ中間透過率ドットを配置し、光
透過率が不連続に変化して、かつ単位セルの総合的な光
透過量を制御することによって、単位セルが中間調を得
ることのできるようになっていることが望ましい。
【0021】本発明の製造方法で製造される濃度分布マ
スクは、露光に使用される領域が適当な形状および大き
さの単位セルにより隙間なく分割されており、この濃度
分布マスクの遮光膜パターンが単位セル内をドットに分
割して、ドット間の光透過率が不連続に変化して単位セ
ル全体として所定の光透過量を有している。
【0022】好ましい濃度分布マスクにおいては、単位
セルは、透過率が0%と100%の中間に位置する光透
過率をもつドットを有し、単位セル内では光透過率が不
連続に変化するようにドットが配置され、かつ単位セル
全体の光透過量が制御されて中間階調が実現されてい
る。さらに好ましくは、単位セルは、単位セル間の隣接
効果を抑制するようにドットが配置されている。
【0023】
【作用】図1には上下に示される2つの単位セルを形成し
た場合を例示している。いずれも左側は設計された遮光
膜パターンである。そのパターンのデータに基づいて電
子線描画によりレジストを感光させると、電子の漏れや
基板からの反射などによって形状が崩れる。そのため、
そのレジストパターンをマスクにして遮光膜をエッチン
グして遮光膜パターンを形成すると、右図のように形状
が崩れる。
【0024】本発明では、単位セル内の遮光膜部分のエ
ッジ部を修正して平面形状を修正することにより、左図
に示した設計通りの遮光膜パターンとなる。また、遮光
膜の成膜とエッチングによる遮光膜の膜厚の変更を行な
うようにすれば、透過率が0%と100%のほかに、そ
の間の値をもった領域の遮光膜を備えたアナログパター
ンの形成が容易になる。
【0025】具体的な装置として、FIB装置を用いる
と、微細ビームで加工が可能になる。さらに、遮光膜の
エッチング(除去)と成膜の量(膜厚)は自由に制御が
可能なので、単位セル内のドットの光透過量を制御し、
中間透過量を得ることが容易である。
【0026】本発明の濃度分布マスクの別の特徴は、所
望の形状を形成するために光の透過量を全体的に制御す
ることにある。そのため、遮光膜パターンは連続的に変
化してもよいし、不連続に変化してもよい。単位セル内
の遮光膜パターンのドットの寸法を小さくすることがで
きるので、配置の方法として不連続(例えばランダム)
に中間透過率をもつドットを配置することが可能とな
る。また、同じ透過率を持つドットを塊状として配置す
ることもできる。この方式を進めると連続した濃度分布
配置となる。この場合、中間階調を非常に細かくとる
ことができるため単位セル寸法を飛躍的に小さくするこ
とができる。所望の形状が急激に変化する形状、即ち
勾配の急な形状でも容易に階調を形成することができ
る。ランダム配置することによって隣接セルと光回り
込み量を平均化できる、などの利点がある。
【0027】
【実施例】(単位セル内の形状と配置、及び「光透
過」、「光遮光」グリッドの形状と配置)単位セル内の
形状と配置、及び「光透過」、「光遮光」グリッドの形
状と配置について説明する。以下に示す例は、代表的な
例を示したものであり、単位セルの寸法、グリッドの寸
法、基点の位置や寸法等は、所望の形状に対応して設計
されるべきもので、本実施例に限定されるものではな
い。即ち、各単位セルとグリッドの寸法によって階調数
が決定されるので、これらの寸法は、目的形状と目的階
調によって決定するものである。ここで、グリッドとは
単一のレーザービームや電子線(EB)による走査線に
より描画される領域を指している。グリッドの1単位
は、レーザーや電子線のビームの直径をON/OFFす
る最小時間内に走査する距離の積である。例えば、ビー
ム径0.2μm、ON/OFF時の走査距離0.2μmで
は、単位グリッドは0.2μm×0.2μmである。
【0028】図2には、単位セル形状を変更する場合の
代表例として、多角形の単位セルの中心に光を透過する
丸形状パターンを製作する例を示した。この多角形形状
は、「所望の形状を上方向から見た際に、上方から多角
形の網を覆いかぶせる方法」で形状を決定する。所望の
形状に応じて、すなわち、例えば、なだらかな曲面が続
く場合、不連続な面で構成される場合など階調の変化量
によって、濃度分布マスク特性を発現する「最も効果的
な多角形」及び「その組み合わせ」を選択することで最
適な形状を決定することができる。
【0029】また、同様に単位セルの寸法も所望の形状
に対して必要な階調をどの程度微細にとるかにより決定
される。即ち、短い距離で多くの階調を必要とする時に
は、比較的小さな寸法の単位セルを選択し、グリッド寸
法(ビーム径の変更で容易に変更できる)をできるだけ
小さくするのが望ましい。
【0030】図3には、MLA(マイクロレンズアレ
イ)の濃度分布マスクの単位セル配置の例を示した。こ
こでは中心部分に配置する単位セルの組合わせパターン
の例を示している。(ア)は中心部分に配置する単位セ
ルの組合わせパターンの例、(イ)は周辺部分に配置す
る単位セルの組合わせパターンの例を示している。いず
れも実線で示されているのが単位セルで、破線の矢印は
その方向にも単位セルが配置されていることを示してい
る。
【0031】(ア)はMLAの中心付近に配置するた
め、所望の形状はなだらかな曲線形状である。このため
階調数はさほど必要としない。したがって、寸法の比較
的大きい単位セルで構成し、放射線状に単位セルを配置
している。(イ)は周辺部分に配置するため、所望の形
状は急激に変化する曲面形状である。このため階調数は
多くを必要とする。したがって、MLAの四隅に近づく
につれて寸法の小さな単位セルで構成しドット寸法も小
さくする必要がある。また、単位セルの形状も四角形だ
けでなく、三角形のものも配置し、単位セル内でのドッ
トの位置を変更することにより光透過量の隣接効果に対
処しやすくしている。
【0032】図4は、光を透過する開口部(Crがない
部分)を増加させていく例を示している。特に説明はし
ないが、光透過面積を減少させていく場合も同様であ
る。図4(ア)は螺旋状に中心から面積を増やす方法で
あることの例を示している。この例は、ある単位セルN
o.からのドットの増加方法の代表例を示している。ま
た、ある代表的な1ドットづつの増加方法あるいは減少
方法を示している。したがって、ここに示したドットの
中心に配置した初期四角形形状の寸法やドット寸法はモ
デル的なものであり、本発明では正方形に限定されるも
のではなく、長方形、三角形等の多角形でも構わない。
また、当然のことながら楕円形状を含む円形状でもよ
い。図4(イ)は単位セルが正六角形の場合の例を示し
ている。この場合は、斜線部で示されるドットは円であ
り、その大きさを変えることにより透過量又は遮光量が
変化していく。
【0033】図には示していないが、描画時のレーザー
ビーム径や電子線ビーム径は、装置に固有の値である場
合や変更が可能な場合など色々であるが、基本的にはど
の装置でも変更が可能である。レーザーの場合には印可
する電流値やアパチャーを変更することによって、電子
線描画の場合には加速電圧を変更することによって変更
ができる。これを利用して所望の形状の寸法、精度、階
調数などから最適のビーム径を決定する。基本的にはビ
ーム径が細いほうが良いが細いほど描画に時間が掛かる
傾向にある。
【0034】また描画時の焦点深さは、ビーム径や断面
形状との関係が深い。ビーム径が大きい時には焦点深さ
の変更はさほど重要ではないが、細い場合には重要とな
る。焦点深さを変更することで断面形状を滑らかにする
ことが可能となる。焦点深さの変更は、断面形状や感度
曲線など入力時のインプットデータであり、設計時に決
定されるものである。
【0035】(濃度分布マスクの設計)マイクロレンズ
の隣接間隔を限りなく零に近づけた微小ピッチMLAの
例を示す。液晶プロジェクタ用MLAにおいて、0.
9”−XGA用の画素サイズは、18μm×18μmで
ある。このMLAにおいては、レンズの両側に各1μm
づつのレンズ非形成部がある場合は、17μm×17μ
mのマイクロレンズ領域となり、全体の面積に占めるM
LA面積は、17×17/18×18=289/324
=0.892となり、MLAで全ての光を有効に集光す
ることができても89パーセントの集光効率でしかな
い。即ち、MLAの非形成部の面積を小さくすることが
光利用効率を向上させるには重要である。
【0036】具体的には、1/5倍(縮小の)ステッパ
ーを用いる場合、実際に製作した濃度分布マスクレチク
ルパターン寸法は、90μm×90μmである。この1
個のMLAを3.0μmの単位セルに分割し縦×横=3
0×30(個)=900(個)の単位セルに分割する。
【0037】次に、中央部の2×2単位セル(濃度分布
マスク濃度分布マスク上では6μm×6μm、実際のパ
ターンでは1.2μm×1.2μm)にはセルNo.1番
(クロム全部残り)を配置する。また、レンズ四隅部分
はセルNo.80番(クロム残り部分なし)を配置す
る。この間のNo.1〜No.80のセルには、各「階
調」に対応する「開口面積」を対応させる。この関係
は、露光プロセスとレジスト感度曲線から得られる関係
である。勿論、レジスト材料やプロセスが異なればその
都度感度曲線を把握する必要がある。このようにして、
MLA濃度分布マスク濃度分布マスクのCADデータを
作成する。本件実施例では、感度曲線とCr膜厚さと光
透過率の関係からの式を用いてCADプログラムを製作
した。
【0038】(高精度濃度分布マスクの製作方法)上記
のようにして作成したCADデータを図5に示すレーザ
ー光照射装置(リコー光学株式会社製)を用いてレーザ
ー光を照射しレジスト材料に描画を行なった。このレー
ザー光照射では、所望の形状に応じて最適のビーム形状
を決定し、多角形形状や円形状などをアパチャーで整形
することができる。また、レーザーパワーは、レーザー
に供給する電流値を変更するか、または光出射側に減光
フィルターを挿入して変更しても良い。
【0039】図5に示すレーザー光照射装置は、レーザ
ー光発振装置1、レーザー光発振装置1からのレーザー
光を複数のレーザー光に分割するビームスプリッター
2、レーザー光の光路を折り曲げるミラー3、ミラー3
で折り曲げられたレーザー光を変調する光変調器4、デ
ータバスからの信号により光変調器4を制御して個々の
レーザー光のON・OFFを制御する光変調制御装置
5、光変調器4からのレーザー光を偏向する光偏向器
6、レーザー光をレジスト材料層に集光するための対物
レンズ7、載置されたマスクブランクスをX方向及びY
方向に移動するX−Yステージ8、並びに光偏向器6の
動作とX−Yステージ8の動作を制御する制御装置9な
どの主要構成部品から構成されている。
【0040】このレーザー光照射装置は、設計データに
応じてX−Yステージ8の動作と、個々のレーザー光の
ON・OFF及び偏向を制御することにより、マスクブ
ランクスのレジスト材料層に所望のマスクパターンを描
画する。すなわち、このレーザー光照射装置によりレジ
スト材料層にレーザー光を照射して各単位セル毎に光透
過領域又は遮光領域を所望の透過率分布になるように二
次元的にパターン形成を行なう。また基板表面高さ検出
器(AF(自動焦点)機能)が付属しており、焦点面を
基板表面から僅かにずらすことによって焦点位置を変更
している。
【0041】レーザービーム径は、本実施例ではおおよ
そ実効直径(実際のプロセスでの最小分解能に相当)
0.2μm、位置あわせ精度0.05μm、焦点位置精度
0.1μmで行った。描画時のレーザーパワーの小刻み
な変更は行なわず、全体を一度パワー1/4程度の低い
露光パワーで全面露光した後に、設計に応じて更に必要
な部分を2度、3度、4度と重ね露光(多段階描画)す
る。これによって、露光時のエネルギーの制御と感光性
材料の深さを変更している。尚、単位セル形状とグリッ
ド形状は目的とする製品により適当なものを選択すれば
よい。
【0042】上記のようにして作成したCADデータを
図5に示したレーザー光照射装置にインストールして、
X−Yステージとレーザー光のON・OFF及びビーム
照射位置と描画回数又は,描画パワーを制御しながら、
所定の方法でマスクブランクスに露光した。そして、所
定の方法で現像、リンスを行なってレジスト材料層をパ
ターニングした。その後、ドライエッチングにてCr膜
のパターニングを行なった。
【0043】レーザービーム描画方法を用い、ビーム描
画回数又は,描画パワーを制御することで電子線描画方
法よりも高い再現性を得ることができる。描画領域が円
形の場合には、レーザービーム描画方法は描画領域の直
径が0.2μm以上のときは非常に高い再現性を得るこ
とができる。描画領域の直径が0.2μmより小さくな
ると再現性が悪くなってくるが、電子線描画方法では描
画領域の寸法が0.5μmより小さくなると再現性が悪
くなるのに比べると、再現性が格段に優れている。但
し、本件発明では、レーザーでも電子線描画でも実現で
きる。
【0044】「隣接効果」の予測は単位セルの形状と濃
度変化方法に依存する。単位セル形状が正方形や長方形
の場合には円形状のドットにより正確に描画できるた
め、隣接効果を計算で予測することができる。このよう
にして、目的とする開口寸法を有し、かつ濃度分布を有
する濃度分布マスク濃度分布マスクを製作した。
【0045】(高精度濃度分布マスクの修正方法)」上
記方法で製作したマスクには、CAD設計した結果との
差が生じている。この差を修正する方法として、FIB
法を採用する。FIB装置は、イオン源から発生した金
属イオンをイオン光学系により集束させて試料に照射す
るものであり、市販の装置を使用することができる。
【0046】その修正方法は次のように行なう。 1.予めCADにより設計してある設計データと実際に
製作したマスクデータをPC画面上でその製品画像を観
察しながら修正を行なう。画像の観察にはFIB装置の
走査顕微鏡機能を利用する。
【0047】2.修正の方法は,「CAD設計上では
遮光膜としてのCr膜がなければならないが、実際には
Crが除去されている場所」には、Crを成膜(成膜
法)する。「CAD設計上ではCr膜があってはなら
ないが、実際にはCrが残っている場所」には、Crを
除去(エッチング法)する。
【0048】成膜法は,本件ではCr膜の成膜を実施
している。当然のことながら,マスクの機能は,光透過
率分布であるから材料がCrである必要はなく,Si,
W,C(カーボン)等の材料でも良い。 エッチング法は,反応性ガスを導入しエッチングす
る。FIB法の最大の特徴として,イ)画面観察しなが
ら、ロ)数10nmオーダーのサイズの高精度加工がで
きることにある。ハ)また、加工深さも制御できること
から光透過率の中間的な値を実現することができる。
ニ)さらに,位置決め精度も非常に高いことからCAD
データと比較しながら追加の修正加工をすることが可能
となる。
【0049】FIB法による修正方法についてさらに詳
細に説明する。 (1)加工均一性(バラツキ) この実施例では、FIBビームによるエッチング加工や
成膜加工は、加工部分を常にFIBビームの直下に配置
して実施したため、加工時のバラツキは基板全面におい
て±0.3%内であった。それに対し、ステージを移動
せずにビームを走査してFIBビームによるエッチング
加工や成膜加工を行なった場合には、加工時のバラツキ
は直径50mmの範囲内で±5%程度となる。
【0050】(2)材質ごとの加工条件と加工速度につ
いて (2-1)FIBによるエッチングにおいては、FIB
の電流値によってエッチクング速度が変化する。FIB
によるエッチングはスパッタリング現象によって行なわ
れるので、電流値が大きいとビーム径が大きくなる。そ
の結果、単位面積当たりのエネルギー量が減少し、エッ
チング速度が低下する。通常、加工速度を示す単位とし
ては、単位電流値(nA)当たりのスパッタリング体積
(μm3)〔=μm3/nA〕で表わす。いわゆる、スパ
ッタリング効率である。
【0051】レチクル用Cr膜のエッチング加工は以下
のように実施した。FIBのビーム径を直径20nmに
絞り、電流値0.01nAの条件でレチクルマスクの修
正部分に照射した。このときのエッチング速度(スパッ
タリング速度)は、0.01μm3/分であった。このエ
ッチング速度は、X:0.1μm、Y:0.1μm、深さ
0.1μmの立方体を1分間に10個分エッチングでき
る速度であり、1分間に径(幅)0.2μm、深さ0.1
μmのCrを約25μmエッチングできた。これをプロ
グラムで制御し、必要な深さ分を複数回のビーム走査に
よりエッチングした。
【0052】(2-2)レチクル用W膜のエッチング加
工は以下のように実施した。FIBのビーム径を直径2
0nmに絞り、電流値0.1nAの条件でレチクルマス
クの修正部分に照射した。このときのエッチング速度
(スパッタリング速度)は、0.1μm3/分であった。
このエッチング速度は、X:0.1μm、Y:0.1μ
m、深さ0.1μmの立方体を1分間に100個分エッ
チングできる速度であり、1分間に径(幅)0.2μ
m、深さ0.1μmのWを約250μmエッチングでき
た。これをプログラムで制御し、必要な深さ分を複数回
のビーム走査によりエッチングした。
【0053】(2-3)レチクル用Cr膜の成膜加工は
以下のように実施した。FIBビームの近傍に、FIB
装置に備え付けられた先端が細く加工された蒸発管を配
置した。この蒸発管は、内部にCr金属とそれを加熱す
るためのヒーターが備え付けられている。そのヒーター
に通電することによりCr金属が加熱されてCr蒸気と
なり、キャリアガスで運ばれて蒸発管の先端から噴射さ
れる。蒸発管の先端を、修正加工するCrレチクルマス
クの近傍に近づけながらFIBビームを修正部分に照射
する。このとき、ビーム径は直径0.2μmに絞ってお
く。FIBによる成膜は、W銃を用いてイオンを発生さ
せる。成膜速度は、1イオン当たりに堆積する原子の量
で表わす。上記の条件でCr膜の成膜を実施すると、4
atoms/ionであった。
【0054】(濃度分布マスク製作の具体例) 液晶用MLAの製作:濃度分布マスクを製作するに当た
り、感光性材料であるレジスト材料として、ポジ型レジ
スト材料のTGMR−950BE(東京応化(株)の製
品)を用いた。濃度分布マスクは、正方形に分割された
単位セルで構成され、各単位セル内の光透過量又は遮光
量が制御されたものとした。勿論、所望の形状に応じて
最適の単位セルを決め最適なドットで製作すればよい。
ここでは説明を簡単にするために、正方形で説明する。
光透過量の制御方法は、Cr開口面積の制御、Cr
膜厚の制御、との組合わせ方法がある。ここで
は、の方法を採用した。
【0055】別途用意してある「単位セルパターンN
o.と感光性材料の除去膜厚(残る膜厚でも良い)関
係」、「Cr膜厚さと光透過量の関係」、「描画回数と
感光性材料の除去膜厚(残る膜厚でも良い)」、「光学
濃度とCrパターン」、「光学濃度とCr膜厚分布」な
どのデータから設計シミュレーターで所望の形状を製作
するための濃度分布マスク単位セル配置を設計する。
【0056】濃度分布マスクを製作するために、透明ガ
ラス基板上に例えば150nm厚さのCr膜を成膜し、
その上に上記のレジスト材料を塗布する。そのレジスト
材料に図5のレーザー光照射装置を用いてレーザー光を
照射し描画を行なった。その後、現像とリンスを経てレ
ジスト材料層にマスクパターンを形成し、そのレジスト
パターンをエッチングマスクとしてCr膜をドライエッ
チングすることにより、Cr膜をパターン化し、濃度分
布マスクを製作した。
【0057】出来上がった濃度分布マスクは、光透過率
変化が連続している単位セルが全面に並び、全体として
濃度分布したもの、又はグリッドの光透過率変化がラン
ダム配列である単位セルが全面に並び、全体として濃度
分布したものである。
【0058】このような濃度分布マスクを用いて露光を
行なうと、図6に示されるように、その透過光の光強度
分布は中央部で少なく、周辺部で多くなるような形状に
なる。そのため、この濃度分布マスクを用いてポジ型の
感光性材料を露光すると、現像後に得られる感光性材料
パターンの断面形状は中央部で厚く、周辺部で薄くなっ
た凸状となる。
【0059】(液晶用微小寸法MLA製作の具体例1)
上記液晶用微小寸法MLA製作の濃度分布マスク濃度分
布マスクを用い、図7に示す縮小投影露光装置(1/5
ステッパー)を使用して露光を行なって、レジストパタ
ーンを形成し、それを光学デバイス用材料に転写して製
作した液晶プロジェクタ用MLAの例を述べる。
【0060】まず、その縮小投影露光装置の説明を行な
う。光源ランプ30からの光は、集光レンズ31により
集光され、本発明により製作された露光用マスク32を
照射する。マスク32を透過した光は、縮小倍率の結像
レンズ33に入射し、ステージ34上に載置された光学
デバイス用材料37の表面に、マスク32の縮小像、即
ち、透過率分布の縮小像を結像する。光学デバイス用材
料37を載置したステージ34は、ステップモーター3
5,36の作用により、結像レンズ33光軸に直交する
面内で、互いに直交する2方向へ変位可能であり、光学
デバイス用材料37の位置を、結像レンズ33の光軸に
対して位置合わせできるようになっている。
【0061】結像レンズ33によるマスク32の縮小像
を、光学デバイス用材料37のフォトレジスト層表面に
結像させる。この露光を、光学デバイス用材料37の全
面にわたって密に行なう。液晶プロジェクタ用MLAを
製作するために、ネオセラム基板を用意し、この基板上
に前述のTGMR−950BEレジストを8.56μm
の厚さに塗布した。次にホットプレートで、100℃に
てベーク時間180秒でプリベークした。
【0062】この基板を図7の1/5ステッパーで露光
した。次のような露光条件からを連続して行なっ
た。 デフォーカス:+4μm、光照射量:390mW×
0.44秒 デフォーカス:+2μm、光照射量:390mW×
0.44秒 デフォーカス:+0μm、光照射量:390mW×
0.13秒 この条件では、総合露光量は、光照射量390mW×
1.02秒(照度:394mJ)である。ここで、デフ
ォーカス量の表示の+の符号は、焦点がレジスト表面の
上方にあることを意味している。
【0063】この条件で露光後、PEB(ポスト・エキ
スポージャー・ベーク)を60℃にて180秒実施し
た。次いで、感光性材料の現像、リンスを行なった。そ
の後、紫外線硬化装置にて180秒間紫外線を光照射し
ながら真空引きを実施して、レジストのハードニングを
行なった。紫外線硬化装置は、レジストの露光に使用す
る波長よりも短波長でレジストを硬化させることのでき
る波長を光照射する。この操作によって、レジストの耐
プラズマ性は向上し、次工程での加工に耐えられるよう
になる。このときのレジスト高さは7.5μmであっ
た。デフォーカスの効果によって、特段の段差を生じる
ことなく形状を製作することができた。
【0064】その後、上記基板をTCP(誘導結合型プ
ラズマ)ドライエッチング装置にセットし、真空度:
1.5×10-3Torr、CHF3:5.0sccm、C
4:50.0sccm、O2:15.0sccm、基板バ
イアス電力:600W、上部電極電力:1.25kW、
基板冷却温度:−20℃の条件下でドライエッチングを
行なった。またこの時、基板バイアス電力と上部電極電
力を経時的に変化させ、時間変化と共に選択比が小さく
なるように変更しながらエッチングを行なった。基板の
平均エッチング速度は、0.67μm/分であったが、
実際のエッチンング時間は、11.0分を要した。エッ
チング後のレンズ高さは、5.3μmであった。
【0065】(液晶用微小寸法MLA製作の具体例2)
ここでは非球面形状のMLAを製作した。上記の液晶用
微小寸法MLA製作の具体例1と同じ濃度分布マスク濃
度分布マスクを用い、ステッパー装置での露光条件を変
更して行なった。次のような露光条件からを連続し
て行なった。 デフォーカス:+3μm、光照射量:390mW×
0.16秒 デフォーカス:+2μm、光照射量:390mW×
0.23秒 デフォーカス:+1μm、光照射量:390mW×
0.23秒 デフォーカス:+0μm、光照射量:390mW×
0.30秒 この条件では、総合露光量は、光照射量390mW×
0.92秒(照度:359mJ)である。
【0066】この条件で露光後、感光性材料のPEB、
現像、リンスを行なった。次いで、液晶用微小寸法ML
A製作の具体例1と同じ条件でレジストのハードニング
を行なった。このときのレジスト高さは7.7μmであ
った。デフォーカスの効果によって、特段の段差を生じ
ることなく形状を製作することができた。その後、上記
基板をTCPドライエッチング装置にセットし、液晶用
微小寸法MLA製作の具体例1での条件のうち、O2
15.0sccmから0.9sccmへ変更してドライエ
ッチングを行なった。基板の平均エッチング速度は、
0.55μm/分であったが、実際のエッチンング時間
は、14.0分を要した。エッチング後のレンズ高さ
は、7.4μmであった。この具体例2によって製作し
たMLAは、具体例1で作成したMLAよりも焦点距離
が短いMLAを実現することができた。
【0067】
【発明の効果】本発明では、電子線またはレーザー光線
によって描画をして濃度分布マスクを作製し、その遮光
膜パターンを設計データと比較し、両者が一致するよう
に遮光膜マスクパターンを修正するようにしたので、設
計通りのマスク製作が可能になり、しかも低コスト化を
実現することができる。また、描画装置性能に左右され
ることなく,高精度で自由なグリッド配置が可能となる
ので、マスク設計の自由度が向上する。遮光膜パターン
修正工程では、平面形状を修正するために遮光膜を部分
的に除去又は成膜するとともに、さらに遮光膜の一部分
を膜厚方向に沿って部分的に除去し又は中間膜厚に成膜
する工程を含んだ場合には、アナログタイプの濃度分布
マスクの製作が容易になる。その遮光膜パターン修正工
程をFIB法で行なうようにすれば、遮光膜微細パター
ンを微細に成膜したりエッチングしたりすることができ
るので、単位セル寸法の小型化や単位セルの高階調化を
図ることができる。本発明の濃度分布マスクは、露光に
使用される領域が適当な形状および大きさの単位セルに
より隙間なく分割されており、この濃度分布マスクの遮
光膜パターンが単位セル内をドットに分割して、ドット
間の光透過率が不連続に変化して単位セル全体として所
定の光透過量を有しており、微細なマスクパターンの補
正が可能であるので、光近接補正(Optical Proximity
Correction)を行なって単位セル間の隣接効果を抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における遮光膜パターン修正工程を示
す図であり、左図が設計パターン、右図が修正前の遮光
膜パターンである。
【図2】 6種類の単位セル形状の例を示す図である。
【図3】 MLAの濃度分布マスクに配置される単位セ
ルの例を示す図である。
【図4】 単位セル内の光透過領域又は遮光領域を増加
又は減少させる方法を示す図で、(ア)は単位セルが長
方形の場合、(イ)は単位セルが正六角形の場合の例で
ある。
【図5】 濃度分布マスク濃度分布マスクの製作に用い
るレーザー光照射装置の一例を示す概略構成図である。
【図6】 一実施例の濃度分布マスクを用いて露光を行
なったときの透過光の光強度分布と得られるポジ型感光
性材料パターンの断面形状を示す図である。
【図7】 縮小投影露光装置の一例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 レーザー光発振装置 2 ビームスプリッター 4 光変調器 5 光変調制御装置 6 光偏向器 7 対物レンズ 8 X−Yステージ 9 光偏向器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に三次元構造の感光性材料パター
    ンを形成するための写真製版工程で露光に使用する濃度
    分布マスクにおいて、 露光に使用される領域は適当な形状および大きさの単位
    セルにより隙間なく分割されており、この濃度分布マス
    クの遮光膜パターンは前記単位セル内をドットに分割し
    て、ドット間の光透過率が不連続に変化して単位セル全
    体として所定の光透過量を有していることを特徴とする
    濃度分布マスク。
  2. 【請求項2】 前記単位セルは、透過率が0%と100
    %の中間に位置する光透過率をもつドットを有し、単位
    セル内では光透過率が不連続に変化するようにドットが
    配置され、かつ単位セル全体の光透過量が制御されて中
    間階調が実現されている請求項1に記載の濃度分布マス
    ク。
  3. 【請求項3】 前記単位セルは、単位セル間の隣接効果
    を抑制するようにドットが配置されている請求項1又は
    2に記載の濃度分布マスク。
  4. 【請求項4】 基板上に三次元構造の感光性材料パター
    ンを形成するための写真製版工程で使用する濃度分布マ
    スクを以下のからの工程を含んで製造することを特
    徴とする濃度分布マスクの製造方法。 前記三次元構造を製作するために、その三次元構造を
    基に露光時の光透過光量の全体的光強度分布を計算し、
    前記基板上での各ポイントの感光性材料の除去量をシミ
    ュレーションで計算し、除去量に見合った光を透過する
    遮光膜パターンを設計する計算シミュレーション工程。 透明基板上に遮光膜が形成され、さらにその上にマス
    ク用感光性材料層をもつマスクブランクスに電子線また
    はレーザー光線によって前記設計された遮光膜パターン
    に基づいて露光し、現像してマスク用感光性材料パター
    ンを形成するパターン化工程。 形成されたマスク用感光性材料パターンをマスクとし
    て前記遮光膜をドライエッチング又はウエットエッチン
    グし、遮光膜パターンを形成する工程。 工程で形成された遮光膜パターンを工程で設計さ
    れた遮光膜パターンと比較し、両者が一致するように前
    記形成された遮光膜マスクパターンを修正する工程。
  5. 【請求項5】 前記濃度分布マスクはそのマスクパター
    ンが透過率0%の部分と透過率100%の部分の他に、
    透過率がその間の値をもつ中間透過率部分を備えたアナ
    ログタイプの濃度分布マスクであり、 工程の計算シミュレーション工程では目的とする三次
    元構造を基に中間透過率を有する露光時の光透過光量の
    全体的光強度分布を計算し、 工程の遮光膜パターン修正工程では、平面形状を修正
    するために遮光膜を部分的に除去又は成膜するととも
    に、さらに中間透過率部分を修正するために遮光膜の一
    部分を膜厚方向に沿って部分的に除去し又は中間膜厚に
    成膜する工程を含んでいる請求項4に記載の濃度分布マ
    スクの製造方法。
  6. 【請求項6】 工程の遮光膜パターンを修正する工程
    は集束イオンビーム装置を使用した工程である請求項4
    又は5に記載の濃度分布マスクの製造方法。
  7. 【請求項7】 マスクブランクスの遮光膜材料としてC
    rを用いる請求項4,5又は6に記載の濃度分布マスク
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 マスクブランクスの遮光膜材料としてS
    i、W又はAlを用いる請求項4,5又は6に記載の濃
    度分布マスクの製造方法。
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Cited By (8)

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CN1316316C (zh) * 2003-02-10 2007-05-16 东芝松下显示技术有限公司 图案模拟方法
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