JP2001296491A - 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

光走査装置及びそれを用いた画像形成装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】主走査方向の像面湾曲や歪曲収差ならびに副走
査方向の像面湾曲や倍率一定等を良好に補正すると共
に、コンパクトな構成で高精細な印字に適した光走査装
置及びそれを用いた画像形成装置を得ること。 【解決手段】光源手段からの光束を偏向手段を介して走
査光学手段により被走査面上に結像させる際、走査光学
手段は第1、第2のfθレンズを有し、第1のfθレン
ズは主走査断面内において偏向手段側に凹面を向けたメ
ニスカス状の正レンズであり、第2のfθレンズは主走
査断面内において偏向手段側に凸面を向けたメニスカス
状のレンズであり、第2のfθレンズの入射面の主走査
断面内における形状が、レンズの光軸上からレンズ有効
部の両端部へかけて凸から凹へ反転し、レンズ有効部の
両端部での面位置がレンズの光軸上の面頂点の位置より
も偏向手段側に位置していること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光走査装置及びそれ
を用いた画像形成装置に関し、光源手段から出射した光
束を光偏向器としてのポリゴンミラーにより反射偏向さ
せ、走査光学手段(fθレンズ系)を介して被走査面上
を光走査して画像情報を記録するようにした、例えば電
子写真プロセスを有するレーザービームプリンタやデジ
タル複写機等の装置に好適なものである。
【0002】特に本発明は走査光学手段を構成する複数
枚のfθレンズの形状を適切に設定することにより、主
走査方向の像面湾曲収差及びfθ特性が補正されて良好
なる画像が常に得られるものである。
【0003】
【従来の技術】従来よりレーザービームプリンタ等の光
走査装置においては光源手段から画像信号に応じて光変
調され出射した光束を、例えば回転多面鏡(ポリゴンミ
ラー)より成る偏向手段により周期的に偏向させ、fθ
特性を有する走査光学手段によって感光性の記録媒体
(感光体ドラム)面上にスポット状に収束させ、記録媒
体面上を光走査して画像記録を行なっている。
【0004】図22は従来の光走査装置の要部概要図で
ある。同図において光源手段91から出射した発散光束
はコリメーターレンズ92によって略平行光束とされ、
絞り93によって該光束(光量)を制限して副走査方向
のみに屈折力を有するシリンドリカルレンズ94に入射
している。シリンドリカルレンズ94に入射した略平行
光束のうち主走査断面内においてはそのまま略平行光束
の状態で出射し、副走査断面内においては収束して回転
多面鏡から成る偏向手段95の偏向面95aにほぼ線像
として結像している。
【0005】そして偏向手段95の偏向面95aで反射
偏向された光束をfθ特性を有する走査光学手段99を
介して被走査面としての感光ドラム面98上へ導光し、
該偏向手段95の矢印方向に回転させることによって該
感光ドラム面98上を光走査して画像情報の記録を行っ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この種の光走査装置に
おいて高精度な画像情報の記録を行うには被走査面全域
に渡って像面湾曲が良好に補正されスポット径が揃って
いること、被走査面上を光走査する際に等速性が保たれ
ていること(fθ特性)が重要である。このような光学
特性を満たす光走査装置もしくはfθレンズ系(走査光
学手段)は従来より種々と提案されている。又一方でレ
ーザービームプリンタやデジタル複写機等のコンパクト
化及び低コスト化に伴い、光走査装置にも同様のことが
求められている。
【0007】これらの要望を両立させるものとして、例
えば特開平10-232346 号公報に提案されている。同公報
においては像面湾曲や歪曲収差を良好に補正すると共に
像高によるスポット径の変化等の影響を小さく抑えてい
る。
【0008】一般に光走査装置の更なるコンパクト化を
図るにはfθレンズ系の焦点距離を短くし、画角を広
げ、fθレンズ系を構成するfθレンズも偏向手段であ
るポリゴンミラーヘ近づける必要がある。これらは全て
収差補正を難しくさせてしまい、このままではコンパク
ト化した際に、広画角領域における像面湾曲及びfθ特
性が良好に補正されないという問題点があった。
【0009】また広画角化に伴いもう1つ問題点が発生
する。従来より光源手段から出射した光束はポリゴンミ
ラーの偏向面へfθレンズ系の光軸に対して斜めから入
射しているが、このとき偏向面で光束が反射偏向される
反射位置が連続的、且つ走査中心に対して非対称に変化
する。この反射位置の非対称変化は特に結像位置に影響
を与え平坦な像面湾曲を得ることが困難となる。
【0010】上記反射位置の非対称変化はそもそも光源
手段からの光束をfθレンズ系の光軸に対して斜めから
入射させることによって生じるので、該光源手段からの
光束をfθレンズ系の光軸方向から入射させることによ
って無くすことができるが、配置上の無理があり、fθ
レンズ系の外側から入射させなくてはならないため反射
位置の非対称変化が像面湾曲に与える非対称性を無くす
ことができない。
【0011】そこで、例えば特開平4-60608 号公報や特
開平9-265041号公報等ではfθレンズ系を構成するfθ
レンズの母線形状に上下非対称性が導入された例が種々
と提案されている。
【0012】しかしながらfθレンズ系のコンパクト化
を図る上では画角±47°を越える広画角領域において
も像面湾曲及びfθ特性が良好に補正されていなければ
ならず、これらは必ずしもこれを満足するものではなか
った。
【0013】また光走査装置をマルチビームに対応させ
るためには主走査方向におけるジッターを低減させるた
めにコリメーターレンズから出射された光束を略平行光
束にする必要があった。
【0014】本発明は走査光学手段を構成する複数のf
θレンズの形状を適切に設定することにより、主走査方
向の像面湾曲や歪曲収差ならびに副走査方向の像面湾曲
や倍率の変動等を良好に補正すると共にコンパクトな構
成で高精細な印字に適した光走査装置及びそれを用いた
画像形成装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の光走査
装置は、光源手段から出射された光束を偏向手段に導光
する入射光学手段と、該偏向手段によって反射偏向され
た光束を被走査面上に結像させる走査光学手段と、を有
する光走査装置において、該走査光学手段は第1、第2
のfθレンズを有し、該第1のfθレンズは主走査断面
内において該偏向手段側に凹面を向けたメニスカス状の
正レンズであり、該第2のfθレンズは主走査断面内に
おいて該偏向手段側に凸面を向けたメニスカス状のレン
ズであり、該第2のfθレンズの入射面の主走査断面内
における形状が、該レンズの光軸上からレンズ有効部の
両端部へかけて凸から凹へ反転し、該レンズ有効部の両
端部での面位置が該レンズの光軸上の面頂点の位置より
も該偏向手段側に位置していることを特徴としている。
【0016】請求項2の発明は請求項1の発明におい
て、前記第1、第2のfθレンズは共に非球面レンズで
あり、該第1のfθレンズの入射面及び出射面は共にベ
ース球面から前記被走査面側に変位した非球面であり、
該第2のfθレンズの入射面及び出射面は共にベース球
面から前記偏向手段側に変位した非球面であることを特
徴としている。
【0017】請求項3の発明は請求項1又は2の発明に
おいて、前記第1のfθレンズの入射面及び出射面と前
記第2のfθレンズの出射面との主走査断面内における
形状は、レンズ有効部の両端部での面位置が共に該レン
ズの光軸上の面頂点の位置よりも前記偏向手段側に位置
しており、該第1、第2のfθレンズの入射面及び出射
面はレンズ有効部の両端部での曲率が共に負であること
を特徴としている。
【0018】請求項4の発明は請求項1.2又は3の発
明において、前記第1のfθレンズの入射面及び出射面
の主走査方向の曲率は共に該レンズの光軸上から両端部
に離れるに従い大となり、途中で変極点を取って徐々に
小となることを特徴としている。
【0019】請求項5の発明は請求項1乃至4のいずれ
か1項の発明において、前記第1、第2のfθレンズの
主走査断面内におけるパワーを各々φ1、φ2としたと
き、 φ2≦φ1/5 なる条件を満足することを特徴としている。
【0020】請求項6の発明は請求項1乃至5のいずれ
か1項の発明において、前記第2のfθレンズの主平面
は前記第1のfθレンズよりも前記偏向手段側に位置す
ることを特徴としている。
【0021】請求項7の発明は請求項1乃至6のいずれ
か1項の発明において、前記偏向手段の偏向面から最も
被走査面側に配置される前記第2のfθレンズの被走査
面側の面までの距離をd、該被走査面上の有効走査幅を
Wとしたとき、 d/W≦0.2 なる条件を満足することを特徴としている。
【0022】請求項8の発明は請求項1乃至7のいずれ
か1項の発明において、前記走査光学手段のfθ係数を
k、前記被走査面上の有効走査幅をWとしたとき、 k/W≦0.6 なる条件を満足することを特徴としている。
【0023】請求項9の発明は請求項1の発明におい
て、前記光源手段は複数の発光部を有することを特徴と
している。
【0024】請求項10の発明の画像形成装置は、前記
請求項1乃至9のいずれか1項記載の光走査装置と、該
光走査装置の被走査面に配置された感光体と、該感光体
上を光束が走査することによって形成された静電潜像を
トナー像として現像する現像手段と、該現像されたトナ
ー像を用紙に転写する転写手段と、転写されたトナー像
を用紙に定着させる定着手段とを備えたことを特徴とし
ている。
【0025】請求項11の発明の光走査装置は、光源手
段から出射された光束を偏向手段に導光する入射光学手
段と、該偏向手段によって反射偏向された光束を被走査
面上に結像させる走査光学手段と、を有する光走査装置
において、該入射光学手段は、該光源手段から出射され
た光束を略平行光束もしくは弱収束光束に変換する集光
レンズを有し、かつ該光束を主走査断面内において、該
偏向手段の偏向面に該走査光学手段の光軸に対して斜め
方向から入射させ、該走査光学手段は複数のfθレンズ
を有し、該複数のfθレンズのうち少なくとも1つのf
θレンズは主走査断面内において、少なくとも1つのレ
ンズ面が該レンズの光軸を挟んで主走査方向に非対称に
形状が変化する非球面であり、該少なくとも1つの非球
面のうち、少なくとも1つの非球面は、レンズ有効部の
両端部において、該レンズの光軸に対して該光源手段側
の端部の面位置が反光源手段側の端部の面位置より該被
走査面側に位置する母線非対称傾斜面であることを特徴
としている。
【0026】請求項12の発明は請求項11の発明にお
いて、前記母線非対称傾斜面は前記走査光学手段を構成
する複数のfθレンズのうち最も被走査面側に位置する
fθレンズに形成されていることを特徴としている。
【0027】請求項13の発明は請求項11の発明にお
いて、前記母線非対称傾斜面は前記走査光学手段を構成
する複数のfθレンズのうち少なくとも1つのfθレン
ズの両面、もしくは片面に形成されていることを特徴と
している。
【0028】請求項14の発明は請求項11の発明にお
いて、前記少なくとも1つの非球面のうち、少なくとも
1つの非球面はレンズ有効部の両端部において、レンズ
の光軸に対して光源手段側の端部の曲率が反光源手段側
の端部の曲率より大きい母線非対称曲率面であることを
特徴としている。
【0029】請求項15の発明は請求項14の発明にお
いて、前記母線非対称曲率面は前記走査光学手段を構成
する複数のfθレンズのうち最も被走査面側に位置する
fθレンズに形成されていることを特徴としている。
【0030】請求項16の発明は請求項14の発明にお
いて、前記母線非対称曲率面は前記走査光学手段を構成
する複数のfθレンズのうち少なくとも1つのfθレン
ズの両面、もしくは片面に形成されていることを特徴と
している。
【0031】請求項17の発明は請求項11乃至16の
いずれか1項の発明において、前記走査光学手段は第
1、第2のfθレンズを有し、主走査断面内における該
第1、第2のfθレンズのパワーを各々φ1、φ2とし
たとき、 φ2≦φ1/5 なる条件を満足することを特徴としている。
【0032】請求項18の発明は請求項11乃至17の
いずれか1項の発明において、前記第2のfθレンズの
主平面は前記第1のfθレンズよりも前記偏向手段側に
位置することを特徴としている。
【0033】請求項19の発明は請求項11乃至18の
いずれか1項の発明において、前記偏向手段の偏向面か
ら前記第2のfθレンズの被走査面側の面までの距離を
d、該被走査面上の有効走査幅をWとしたとき、 d/W≦0.2 なる条件を満足することを特徴としている。
【0034】請求項20の発明は請求項11乃至19の
いずれか1項の発明において、前記第1、第2のfθレ
ンズのレンズ有効部の長さは、共に該fθレンズの光軸
に対して前記光源手段側のレンズ有効部が反光源手段側
のレンズ有効部よりも長いことを特徴としている。
【0035】請求項21の発明は請求項11乃至20の
いずれか1項の発明において、前記走査光学手段のfθ
係数をk、前記被走査面上の有効走査幅をWとしたと
き、 k/W≦0.6 なる条件を満足することを特徴としている。
【0036】請求項22の発明は請求項11乃至21の
いずれか1項の発明において、前記偏向手段の偏向面か
ら前記集光レンズによる自然収束点までの距離をL、前
記走査光学手段のfθ係数をkとしたとき、 |L|≧3×k なる条件を満足することを特徴としている。
【0037】請求項23の発明は請求項11の発明にお
いて、前記光源手段は複数の発光部を有することを特徴
としている。
【0038】請求項24の発明の画像形成装置は、前記
請求項11乃至23のいずれか1項記載の光走査装置
と、該光走査装置の被走査面に配置された感光体と、該
感光体上を光束が走査することによって形成された静電
潜像をトナー像として現像する現像手段と、該現像され
たトナー像を用紙に転写する転写手段と、転写されたト
ナー像を用紙に定着させる定着手段とを備えたことを特
徴としている。
【0039】請求項25の発明の光走査装置は、光源手
段から出射された光束を偏向手段に導光する入射光学手
段と、該偏向手段によって反射偏向された光束を被走査
面上に結像させる走査光学手段と、を有する光走査装置
において、該入射光学手段は、該光源手段から出射され
た光束を略平行光束もしくは弱収束光束に変換する集光
レンズを有し、かつ該光束を主走査断面内において該偏
向手段の偏向面に該走査光学手段の光軸に対して斜め方
向から入射させ、該走査光学手段は複数のfθレンズを
有し、該複数のfθレンズのうち少なくとも1つのfθ
レンズは主走査断面内において、少なくとも1つのレン
ズ面が該レンズの光軸を挟んで主走査方向に非対称に形
状が変化する非球面であり、該少なくとも1つの非球面
のうち、少なくとも1つの非球面は、レンズ有効部の両
端部において、該レンズの光軸に対して該光源手段側の
端部の曲率が反光源手段側の端部の曲率より大きい母線
非対称曲率面であることを特徴としている。
【0040】請求項26の発明は請求項25の発明にお
いて、前記母線非対称曲率面は前記走査光学手段を構成
する複数のfθレンズのうち最も被走査面側に位置する
fθレンズに形成されていることを特徴としている。
【0041】請求項27の発明は請求項25の発明にお
いて、前記母線非対称曲率面は前記走査光学手段を構成
する複数のfθレンズのうち少なくとも1つのfθレン
ズの両面、もしくは片面に形成されていることを特徴と
している。
【0042】請求項28の発明は請求項25の発明にお
いて、前記少なくとも1つの非球面のうち、少なくとも
1つの非球面はレンズ有効部の両端部において、レンズ
の光軸に対して該光源手段側の端部の面位置が反光源手
段側の端部の面位置より該被走査面側に位置する母線非
対称傾斜面であることを特徴としている。
【0043】請求項29の発明は請求項28の発明にお
いて、前記母線非対称傾斜面は前記走査光学手段を構成
する複数のfθレンズのうち最も被走査面側に位置する
fθレンズに形成されていることを特徴としている。
【0044】請求項30の発明は請求項28の発明にお
いて、前記母線非対称傾斜面は前記走査光学手段を構成
する複数のfθレンズのうち少なくとも1つのfθレン
ズの両面、もしくは片面に形成されていることを特徴と
している。
【0045】請求項31の発明は請求項25乃至30の
いずれか1項の発明において、前記走査光学手段は第
1、第2のfθレンズを有し、主走査断面内における該
第1、第2のfθレンズのパワーを各々φ1、φ2とし
たとき、 φ2≦φ1/5 なる条件を満足することを特徴としている。
【0046】請求項32の発明は請求項25乃至31の
いずれか1項の発明において、前記第2のfθレンズの
主平面は前記第1のfθレンズよりも前記偏向手段側に
位置することを特徴としている。
【0047】請求項33の発明は請求項25乃至32の
いずれか1項の発明において、前記偏向手段の偏向面か
ら前記第2のfθレンズの被走査面側の面までの距離を
d、該被走査面上の有効走査幅をWとしたとき、 d/W≦0.2 なる条件を満足することを特徴としている。
【0048】請求項34の発明は請求項25乃至33の
いずれか1項の発明において、前記第1、第2のfθレ
ンズのレンズ有効部の長さは、共に該レンズの光軸に対
して前記光源手段側のレンズ有効部が反光源手段側のレ
ンズ有効部よりも長いことを特徴としている。
【0049】請求項35の発明は請求項25乃至34の
いずれか1項の発明において、前記走査光学手段のfθ
係数をk、前記被走査面上の有効走査幅をWとしたと
き、 k/W≦0.6 なる条件を満足することを特徴としている。
【0050】請求項36の発明は請求項25乃至35の
いずれか1項の発明において、前記偏向手段の偏向面か
ら前記集光レンズによる自然収束点までの距離をL、前
記走査光学手段のfθ係数をkとしたとき、 |L|≧3×k なる条件を満足することを特徴としている。
【0051】請求項37の発明は請求項25の発明にお
いて、前記光源手段は複数の発光部を有することを特徴
としている。
【0052】請求項38の発明の画像形成装置は、前記
請求項25乃至37のいずれか1項記載の光走査装置
と、該光走査装置の被走査面に配置された感光体と、該
感光体上を光束が走査することによって形成された静電
潜像をトナー像として現像する現像手段と、該現像され
たトナー像を用紙に転写する転写手段と、転写されたト
ナー像を用紙に定着させる定着手段とを備えたことを特
徴としている。
【0053】
【発明の実施の形態】[実施形態1]図1は本発明の光
走査装置の実施形態1の主走査方向の要部断面図(主走
査断面図)である。
【0054】尚、本明細書において偏向手段によって光
束が反射偏向(偏向走査)される方向を主走査方向(母
線方向)、走査光学手段の光軸及び主走査方向と直交す
る方向を副走査方向(子線方向)と定義する。
【0055】図中、1は光源手段であり、例えば半導体
レーザーより成っている。3は開口絞りであり、通過光
束径を整えている。2は集光レンズとしてのコリメータ
ーレンズであり、光源手段1から出射された光束を略平
行光束に変換している。4はシリンドリカルレンズ(ア
ナモフィックなレンズ)であり、副走査方向にのみ所定
のパワーを有しており、コリメーターレンズ2を通過し
た略平行光束を副走査断面内で後述する光偏向器5の偏
向面(反射面)5a近傍にほぼ線像として結像させてい
る。尚、開口絞り3、コリメーターレンズ2、そしてシ
リンドリカルレンズ4等の各要素は入射光学手段11の
一要素を構成している。
【0056】5は偏向手段としての光偏向器であり、例
えば4面構成のポリゴンミラー(回転多面鏡)より成っ
ており、モータ等の駆動手段(不図示)により図中矢印
A方向に一定速度で回転している。
【0057】9は集光機能とfθ特性を有する走査光学
手段(fθレンズ系)であり、後述する形状より成る第
1、第2の2枚のfθレンズ6,7を有しており、光偏
向器5によって反射偏向された画像情報に基づく光束を
被走査面としての感光ドラム面8上に結像させ、かつ副
走査断面内において光偏向器5の偏向面5aと被走査面
8との間を共役関係にすることにより、倒れ補正機能を
有している。
【0058】8は被走査面としての感光ドラム面であ
る。
【0059】本実施形態において半導体レーザー1から
出射した光束は開口絞り3によって該光束(光量)が制
限され、コリメーターレンズ2により略平行光束に変換
され、シリンドリカルレンズ4に入射している。シリン
ドリカルレンズ4に入射した略平行光束のうち主走査断
面内においてはそのままの状態で射出する。また副走査
断面内においては収束して光偏向器5の偏向面5aにほ
ぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像してい
る。そして光偏向器5の偏向面5aで反射偏向された光
束は第1,第2のfθレンズ6,7を介して感光ドラム
面8上にスポット状に結像され、該光偏向器5を矢印A
方向に回転させることによって、該感光ドラム面8上を
矢印B方向(主走査方向)に等速度で光走査している。
これにより記録媒体としての感光ドラム面8上に画像記
録を行なっている。
【0060】次に本実施形態における走査光学手段9を
構成する第1、第2のfθレンズ6,7の特徴について
説明する。
【0061】本実施形態では走査光学手段9を共に正の
パワー(屈折力)を有する第1,第2のfθレンズ6,
7で構成し、双方のパワー配分を適切に行うことによっ
て良好なる像面湾曲特性を得ている。
【0062】即ち、本実施形態においては第1、第2の
fθレンズ6,7の主走査断面内におけるパワーを各々
φ1,φ2としたとき φ2≦φ1/5 ……(1) なる条件を満足するようにしている。
【0063】第2のfθレンズ7は主走査断面内におい
てポリゴンミラー5側へ凸面を向けたメニスカス状の正
レンズより成り、主平面を第1のfθレンズ6よりもポ
リゴンミラー5側に位置させている。これにより像面湾
曲特性とfθ特性を共に良好に補正している。ここで形
状とは光軸近傍(ベース球面)のことを言う。
【0064】また第1、第2のfθレンズ6,7は両面
共に母線形状(主走査断面形状)が非円弧な非球面レン
ズであり、双方の非球面量の配分を適切に行うことによ
って、更に良好なる像面湾曲特性及びfθ特性を得てい
る。
【0065】図2は第1、第2のfθレンズ6,7の各
面6a,6b,7a,7bに与えられた非球面変位量を
示す説明図である。図中、R1,R2,R3,R4は各
々順に第1、第2のfθレンズ6,7の各面6a,6
b,7a,7bを示しており、レンズ面座標において+
側にあれば被走査面8側に、−側にあればポリゴンミラ
ー5側に変位していることを示している。
【0066】第1のfθレンズ6は主走査断面内におい
てポリゴンミラー5側に凹面を向けたメニスカス状の正
レンズより成り、入射面6a及び出射面6bは共にベー
ス球面(光軸上近傍)から被走査面8側に変位するよう
に非球面量が与えられており、主に像面湾曲特性を良好
に補正している。
【0067】第2のfθレンズ7は上述の如く主走査断
面内においてポリゴンミラー5側に凸面を向けたメニス
カス状の正レンズであり、入射面7a及び出射面7bは
共にベース球面からポリゴンミラー5側に変位するよう
に非球面量が与えられており、主にfθ特性を良好に補
正している。
【0068】このように本実施形態では第1、第2のf
θレンズ6,7の各面6a,6b,7a,7bを上記の
ように適切に変化させることによって、その自由度を上
げている。
【0069】一般に光走査装置をコンパクト化するにあ
たって、広画角領域においても像面湾曲及びfθ特性を
満足させる走査光学手段(fθレンズ系)が求められ
る。
【0070】本実施形態では走査光学手段9のfθ係数
をk、被走査面8上の有効走査幅をWとしたとき、 k/W≦0.6 ………(2) なる条件を満足するように各要素を設定している。
【0071】即ち、本実施形態では有効走査幅w=21
4(mm)、fθ係数k=110(mm/rad)であって、上記条
件式(2)を満足する広画角(±55.7°)で構成さ
れている。このときの第1、第2のfθレンズ6,7の
各面6a,6b,7a,7bのレンズ面座標を図3に示
す。レンズ面座標とは光軸と各レンズ面の交点を原点と
し、レンズ面形状(母線形状)を各面6a,6b,7
a,7bの相対座標系で示したものである。
【0072】尚、fθ係数k(mm/rad)とは、画角をθ(r
ad)、被走査面上8の像高をY(mm)としたとき、次式の
関係が成り立つ係数である。
【0073】Y=k×θ このとき、主走査方向において偏向手段へ入射する光束
が平行光束であれば、fθ係数kは走査光学手段9の焦
点距離と等しくなる。
【0074】図中、R1,R2,R3,R4は各々順に
第1、第2のfθレンズ6,7の各面6a,6b,7
a,7bを示しており、レンズ面座標において+側にあ
れば被走査面8側に、−側にあればポリゴンミラー5側
に位置することを示している。
【0075】第2のfθレンズ7の入射面7aの主走査
断面内における母線形状は該レンズ7の光軸上のベース
球面がポリゴンミラー5側へ凸を向け、該光軸上からレ
ンズ有効部の両端部へかけてベース球面からポリゴンミ
ラー5側へ変位するように与えられた非球面変位量が徐
々に大きくなり凸から凹へ反転し、該レンズ有効部の両
端部での面位置(面座標)が該レンズの光軸上の面頂点
の位置よりもポリゴンミラー5側に位置している。これ
により±55.7°という広画角においてもfθ特性を
良好に補正することができる。
【0076】図4に第1、第2のfθレンズ6,7の各
面6a,6b,7a,7bの曲率(局所1/R)を示
す。
【0077】第1のfθレンズ6の各面6a,6bの母
線方向(主走査方向)の曲率は、共に該レンズ6の光軸
上からレンズ有効部の両端部へかけて徐々に大きくな
り、途中で変極点を取って徐々に小さくなるように形成
されている。これにより広画角における像面湾曲を良好
に補正することができる。
【0078】また第1、第2のfθレンズ6,7の各面
6a,6b,7a,7bの主走査断面内における母線形
状はレンズ有効部の両端部での面位置を共に該レンズの
光軸上の面頂点の位置よりも該ポリゴンミラー5側に位
置させ、該レンズ有効部の両端部の曲率を共に負より構
成している。これによりコンセントリックなレンズ系と
し、広画角領域においても波面収差を良好に補正するこ
とができる。
【0079】本実施形態では第1、第2のfθレンズ
6,7の母線形状は16次までの関数として表せる非球
面形状より構成している。例えば第1、第2のfθレン
ズ6,7と光軸との交点を原点とし、光軸方向をX軸、
主走査断面内において光軸と直交する軸をY軸としたと
き、主走査方向と対応する母線方向が
【0080】
【数1】
【0081】…(3) (但し、Rは母線曲率半径,K,B4 ,B6 ,B8 ,B
10,B12,B14,B16は非球面係数)なる式で表わされ
るものである。
【0082】本実施形態においては走査光学手段9の光
軸は被走査面8の有効走査幅の中心へ向かう光線上に重
ねて配置しており、これにより第1、第2のfθレンズ
6,7のシフト及びチルトを与えていない。
【0083】本実施形態ではポリゴンミラー5の偏向面
5aから第2のfθレンズ7の被走査面8側のレンズ面
7bまでの距離をd、被走査面8上の有効走査幅をWと
したとき、 d/w≦0.2 ……(4) なる条件を満足するように各要素を設定している。本実
施形態では d/w=0.15 であり、走査光学手段9をポリゴンミラー5近傍に配置
して装置全体のコンパクト化を図っている。
【0084】次に表−1に本実施形態における第1、第
2のfθレンズ6,7の母線形状を表わす各係数及びそ
の他の諸特性を示す。図5に本実施形態における像面湾
曲と歪曲収差(fθ特性)の収差図を示す。同図におい
て各収差とも実用上問題無いレベルまで補正されている
ことが分かる。
【0085】
【表1】
【0086】尚、本実施形態では上述の如く走査光学手
段9を2枚のfθレンズで構成することによって各レン
ズの光軸方向の中心肉厚を薄くでき、これにより該2枚
のfθレンズをプラスチック成形する際の成形タクトタ
イムを短縮でき、コストダウンが図れる。また第2のf
θレンズ7は主走査断面内において正のパワーを有して
いるが、負のパワーにしても上述の実施形態1と同様に
像面湾曲特性を良好に補正することができる。
【0087】また本実施形態ではシングルビームの光走
査装置に限らず、複数の発光部を有するマルチビーム光
走査装置においても適用することができる。
【0088】[実施形態2]図6は本発明の光走査装置
の実施形態2の主走査方向の要部断面図(主走査断面
図)である。同図において図1に示した要素と同一要素
には同符番を付している。
【0089】本実施形態において前述の実施形態1との
相違点は複数の光束を用いて被走査面8上を光走査する
マルチビーム光走査装置より構成した点、光源手段31
から出射した複数の光束を主走査断面内において走査光
学手段9の光軸に対し斜め方向(光軸に対し85°の角
度を成して)からポリゴンミラー5へ入射させた点、そ
して走査光学手段9を構成する第1、第2のfθレンズ
6,7を4面構成のポリゴンミラー5に最適な形状より
形成した点である。その他の構成及び光学的作用は実施
形態1と略同様であり、これにより同様な効果を得てい
る。
【0090】即ち、同図において31は光源手段であ
り、複数の発光部を有するマルチ半導体レーザーより成
っている。
【0091】一般にマルチビームを用いたマルチビーム
光走査装置においては各収差を更に良好に補正する必要
があり、とりわけ像面湾曲においては複数のビーム間に
おけるジッターヘの影響があることから、その補正につ
いて重要視される。
【0092】図7は第1、第2のfθレンズ6,7の各
面6a,6b,7a,7bに与えられた非球面変位量を
示す説明図、図8は第1、第2のfθレンズ6,7の各
面6a,6b,7a,7bのレンズ面座標を示す説明
図、図9は第1、第2のfθレンズ6,7の各面6a,
6b,7a,7bの曲率を示す説明図である。これらは
前述の実施形態1と略同様であり、これにより同様の効
果を得ている。
【0093】第1、第2のfθレンズ6,7を有する走
査光学手段9は母線形状が非対称な面を3面有してお
り、該第1のfθレンズ6のレンズ面6b、該第2のf
θレンズ7の両レンズ面7a,7bがそれにあたる。
【0094】尚、母線形状が非対称な面(以下「母線非
対称面」とも称す。)とは、例えば前記(3)式に示さ
れた母線形状を表現する多項式において非球面係数が異
なることによって光軸を挟んで光源手段側と反光源手段
側(レンズの上下、主走査方向)とで非対称に形状が変
化するレンズ面(非球面)を言う。
【0095】図10、図11は各々本実施形態の第2の
fθレンズ7の各面7a,7bにおける母線形状の非対
称性を示した説明図である。
【0096】図10には光軸を挟んで光源手段側(図中
上半部)と反光源手段側(図中下半部)とのレンズ有効
部において、光軸から主走査方向(Y方向)に等距離に
ある位置での光軸方向(X方向)の位置差を示してあ
る。同図においては光源手段側のレンズ有効部の光軸方
向の面位置(X座標)から反光源手段側のレンズ有効部
の光軸方向の面位置を引いた値をプロットしており、こ
の値が+(プラス)ならば光源手段側のレンズ有効部の
面位置が反光源手段側のレンズ有効部の面位置よりも被
走査面8側に、−(マイナス)ならばポリゴンミラー5
側に位置していることを示している。
【0097】同図より母線非対称面はレンズ有効部の両
端部において、レンズの光軸に対して光源手段側の端部
の面位置が反光源手段側の端部の面位置よりも被走査面
8側に位置しており、レンズ面を傾かせていることが分
かる。このような傾いたレンズ面を母線非対称傾斜面と
称す。本実施形態では第2のfθレンズ7の両面7a,
7bが母線非対称傾斜面である。
【0098】図11には光軸を挟んで光源手段側と反光
源手段側とのレンズ有効部において、光軸から主走査方
向に等距離にある位置Yでの曲率(1/R)差を示して
ある。同図においては光源手段側の面のあるY座標にお
ける曲率から反光源手段側の同一Y座標における曲率を
引いた値をプロットしており、この値が+(プラス)な
らば光源手段側のレンズ有効部の曲率が反光源手段側の
レンズ有効部の曲率よりも大きく、−(マイナス)なら
ば小さいことを示す。
【0099】同図より母線非対称面はレンズ有効部の両
端部において光源手段側の端部の曲率が反光源手段側の
端部の曲率より大きいことが分かる。このような曲率が
両端部で異なるレンズ面を母線非対称曲率面と称す。本
実施形態では第2のfθレンズ7の両面7a,7bが母
線非対称曲率面である。
【0100】光源手段1から出射された複数の光束がポ
リゴンミラー5へ走査光学手段9の光軸に対して斜め方
向(光軸に対し85°の角度を成して)から入射するこ
とにより、該ポリゴンミラー5の偏向面5aで反射され
る光束の反射位置が該光軸に対して非対称に変化する。
【0101】また本実施形態では前述の実施形態1と同
様にポリゴンミラー5の偏向面5aから第2のfθレン
ズ7の被走査面8側のレンズ面7bまでの距離をd、被
走査面8上の有効走査幅をWとしたとき、前記条件式
(4)は d/w=0.15 である。
【0102】このように走査光学手段9がポリゴンミラ
ー5に近接して配置された場合、上述したように反射位
置の非対称変化によって、上下同一画角の光束でもレン
ズ面上の非対称な位置を透過する。そのため反射位置の
非対称変化は結像位置ばかりでなくfθ特性にも非対称
な影響を及ぼし、光学性能の劣化を招く要因となってい
た。
【0103】そこで本実施形態では上述の如く第2のf
θレンズ7の両面7a,7bを母線非対称傾斜面及び母
線非対称曲率面の2つの母線非対称面より形成すること
によって、この反射位置の非対称変化が及ぼす悪影響を
補正し、像面湾曲及びfθ特性を良好に補正している。
【0104】尚、本実施形態では第2のfθレンズ7の
レンズ面を母線非対称傾斜面及び母線非対称曲率面の2
つの母線非対称面を用いて形成したが、どちらか一方の
みでも良い。
【0105】次に表−2に本実施形態における第1、第
2のfθレンズ6,7の母線形状を表す各係数及びその
他の諸特性を示す。図12は本実施形態における像面湾
曲と歪曲収差(fθ特性)の収差図を示す。同図より第
1、第2のfθレンズ6,7のシフト及びチルトを与え
なくとも各収差とも実用上問題無いレベルまで補正され
ていることが分かる。
【0106】
【表2】
【0107】図13はfθレンズ(第1、第2のfθレ
ンズ)の主走査方向における要部断面図(主走査断面
図)である。同図においてcはレンズ有効部、aは光源
手段側のレンズ有効部、bは反光源手段側のレンズ有効
部である。
【0108】本実施形態においては最軸外の光束がレン
ズ面を透過する位置も非対称となることから、光軸から
レンズ有効部の両端部までの距離を上下(光源手段側と
反光源手段側)で非対称にすることにより、fθレンズ
を必要以上に長くする必要が無くなり、これにより装置
全体のコンパクト化及び低コスト化を図っている。特に
光軸からレンズ有効部の両端部までの距離は光源手段1
側のレンズ有効部の長さをa、反光源手段1側のレンズ
有効部の長さをbとしたとき、 a>b と成るように設定している。
【0109】尚、本実施形態ではマルチビーム光走査装
置に限らず、単一の発光部を有するシングルビームの光
走査装置においても適用することができる。
【0110】また本実施形態では光源手段から出射され
た複数の光束を集光レンズにより略平行光束に変換した
が、弱収束光束に変換しても本発明は上述の実施形態と
同様に適用することができる。
【0111】[実施形態3]図14(A)は本発明の光
走査装置の実施形態3の主走査方向の要部断面図(主走
査断面図)、図14(B)は図14(A)の副走査方向
の要部断面図(副走査断面図)である。同図において図
6に示した要素と同一要素には同符番を付している。
【0112】本実施形態において前述の実施形態2との
相違点は光源手段1から出射された複数の光束を集光レ
ンズ42により弱収束光束とした点、走査光学手段9を
マルチビーム光走査装置として最適なレンズ形状として
副走査方向の収差補正を行なった点である。その他の構
成及び光学的作用は実施形態2と略同様であり、これに
より同様な効果を得ている。
【0113】即ち、同図において42は集光レンズであ
り、光源手段1から出射された複数の光束を各々弱収束
光束に変換している。
【0114】マルチビーム光走査装置には主走査方向の
像面湾曲及びfθ特性が良好に補正されている必要があ
るのは前述した通りであるが、副走査方向の像面湾曲も
良好に補正する必要がある。また複数の光束で被走査面
8上を光走査される走査線のラインピッチ間隔が全像高
において等間隔となるように副走査方向の倍率も全像高
で一定となるように補正する必要がある。
【0115】本実施形態でも前述の実施形態2と同様に
光源手段1から出射された光束が走査光学手段9の光軸
から85°の角度を成してポリゴンミラー5へ入射して
いるため、該ポリゴンミラー5の偏向面で反射される光
束の反射位置が光軸に対して非対称に変化する。この反
射位置の非対称変化によってポリゴンミラー5の偏向面
5a近傍に結像される線像の虚像位置が非対称に変化
し、主走査方向のみならず副走査方向の結像にも悪影響
を及ぼす。つまり副走査方向においても像面湾曲が非対
称になるとともに、副走査方向の倍率も一定とはならず
に傾きを有してしまう。
【0116】そこで本実施形態では前述の実施形態2と
同様に第2のfθレンズ7の各面7a,7bを母線非対
称傾斜面及び母線非対称曲率面の2つの母線非対称面よ
り形成することにより、主走査方向の像面湾曲及びfθ
特性、副走査方向の像面湾曲及び倍率の変動を良好に補
正している。
【0117】尚、本実施形態では第2のfθレンズ7の
レンズ面を母線非対称傾斜面及び母線非対称曲率面の2
つの母線非対称面を用いて形成したが、どちらか一方の
みでも良い。
【0118】本実施形態においてポリゴンミラー5の偏
向面から集光レンズ42による自然収束点までの距離を
L、走査光学手段9のfθ係数をkとしたとき、 |L|≧3×k なる条件を満足するように各要素を設定している。これ
により装置全体のコンパクト化を図っている。尚、自然
収束点とは のことである。
【0119】次に表−3に本実施形態における第1、第
2のfθレンズ6,7の母線形状を表す各係数及びその
他の諸特性を示す。図15は第1、第2のfθレンズ
6,7の各面6a,6b,7a,7bに与えられた非球
面変位量を示す説明図、図16は第1、第2のfθレン
ズ6,7の各面6a,6b,7a,7bのレンズ面座標
を示す説明図、図17は第1、第2のfθレンズ6,7
の各面6a,6b,7a,7bの曲率を示す説明図であ
る。これらは前述の実施形態1と略同様であり、これに
より同様の効果を得ている。
【0120】
【表3】
【0121】本実施形態において母線非対称面は第1、
第2のfθレンズ6,7の各面6a,6b,7a,7b
であり、各面6a,6b,7a,7bの子線形状は光軸
を挟んで対称、且つ主走査方向にレンズ面座標の変化に
伴って連続的に曲率半径を変化させている。
【0122】尚、主走査方向の座標がYの位置における
子線の曲率半径Rs’は
【0123】
【数2】
【0124】なる式で表されるものである。但し、Rs
は光軸上の曲率半径、D2 ,D4 ,D6 ,D8 ,D
10は各係数である。
【0125】図18、図19は各々本実施形態の第2の
fθレンズ7の各面7a,7bにおける母線形状の非対
称性を示した説明図である。
【0126】図18には前記図11と同様に光軸を挟ん
で光源手段側と反光源手段側とにおいて、光軸から主走
査方向に等距離にある位置Yでの光軸方向の位置差を示
してある。図19には前記図12と同様に光軸を挟んで
光源手段側と反光源手段側とにおいて、光軸から主走査
方向に等距離にある位置Yでの曲率(1/R)差を示し
てある。これらは前述の実施形態2と略同様であり、こ
れにより同様の効果を得ている。
【0127】図20は本実施形態における主走査方向及
び副走査方向の像面湾曲と歪曲収差(fθ特性)と倍率
比を示す説明図である。同図より各収差とも実用上、問
題無いレベルまで補正されていることが分かる。
【0128】尚、本実施形態ではマルチビーム光走査装
置に限らず、単一の発光部を有するシングルビームの光
走査装置においても適用することができる。
【0129】また本実施形態では光源手段から出射され
た複数の光束を集光レンズにより弱収束光束に変換した
が、略平行光束に変換しても本発明は上述の実施形態と
同様に適用することができる。
【0130】[画像形成装置]図21は、本発明の光走
査装置(もしくはマルチビーム光走査装置)を用いた画
像形成装置の一例である、電子写真プリンタの構成例を
示す副走査方向の要部断面図である。図中、100は先
に説明した本発明の実施形態1〜3のいずれかの光走査
装置(もしくはマルチビーム光走査装置)を示す。10
1は静電潜像担持体たる感光ドラム(感光体)であり、
該感光ドラム101の上方には該感光ドラム101の表
面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が該表面に当
接している。該帯電ローラ102の当接位置よりも下方
の上記感光ドラム101の回転方向A下流側の帯電され
た表面には、光走査装置100によって走査される光ビ
ーム(光束)103が照射されるようになっている。
【0131】光ビーム103は、画像データに基づいて
変調されており、この光ビーム103を照射することに
よって上記感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せ
しめる。該静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置
よりもさらに上記感光ドラム101の回転方向下流側で
該感光ドラム101に当接するように配設された現像手
段としての現像装置107によってトナー像として現像
される。該トナー像は、上記感光ドラム101の下方で
該感光ドラム101に対向するように配設された転写手
段としての転写ローラ108によって転写材たる用紙1
12上に転写される。該用紙112は上記感光ドラム1
01の前方(図21において右側)の用紙カセット10
9内に収納されているが、手差しでも給紙が可能であ
る。該用紙カセット109端部には、給紙ローラ110
が配設されており、該用紙カセット109内の用紙11
2を搬送路へ送り込む。
【0132】以上のようにして、未定着トナー像を転写
された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図2
1において左側)の定着手段としての定着器へと搬送さ
れる。該定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有す
る定着ローラ113と該定着ローラ113に圧接するよ
うに配設された加圧ローラ114とで構成されており、
転写部から搬送されてきた用紙112を上記定着ローラ
113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加
熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着
せしめる。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ
116が配設されており、定着された用紙112をプリ
ンタの外に排出せしめる。
【0133】
【発明の効果】本発明によれば前述の如く光源手段から
出射された光束を偏向手段を介して複数のfθレンズを
有する走査光学手段により被走査面上に結像させる際、
該複数のfθレンズの形状を適切に設定することによ
り、主走査方向の像面湾曲や歪曲収差ならびに副走査方
向の像面湾曲や倍率の変動等を良好に補正することがで
き、これによりコンパクトな構成で高精細な印字に適し
た光走査装置及びそれを用いた画像形成装置を達成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の主走査方向の要部断面
【図2】 本発明の実施形態1におけるfθレンズの各
面の非球面変位量を示す説明図
【図3】 本発明の実施形態1におけるfθレンズの各
面のレンズ面座標を示す説明図
【図4】 本発明の実施形態1におけるfθレンズの各
面のレンズ曲率を示す説明図
【図5】 本発明の実施形態1における像面湾曲、歪曲
収差を示す説明図
【図6】 本発明の実施形態2における主走査方向の要
部断面図
【図7】 本発明の実施形態2におけるfθレンズの各
面の非球面変位量を示す説明図
【図8】 本発明の実施形態2におけるfθレンズの各
面のレンズ面座標を示す説明図
【図9】 本発明の実施形態2におけるfθレンズの各
面のレンズ曲率を示す説明図
【図10】 本発明の実施形態2における母線非対称面
の位置の差(非対称性)を示す説明図
【図11】 本発明の実施形態2における母線非対称面
の曲率(1/R)の差(非対称性)を示す説明図
【図12】 本発明の実施形態2における像面湾曲、歪
曲収差を示す説明図
【図13】 本発明の実施形態2におけるレンズ有効部
の上下非対称性を示す説明図
【図14】 本発明の実施形態3における主走査方向及
び副走査方向の要部断面図
【図15】 本究明の実施形態3におけるfθレンズの
各面の非球面変位量を示す説明図
【図16】 本発明の実施形態3におけるfθレンズの
各面のレンズ面座標を示す説明図
【図17】 本発明の実施形態3におけるfθレンズの
各面のレンズ曲率を示す説明図
【図18】 本発明の実施形態3における母線非対称面
の位置の差(非対称性)を示す説明図
【図19】 本発明の実施形態3における母線非対称面
の曲率(1/R)の差(非対称性)を示す説明図
【図20】 本発明の実施形態3における主走査像面湾
曲、歪曲収差、副走査像面湾曲、副走査倍率比を示す説
明図
【図21】 本発明の光走査光学系を用いた電子写真プ
リンタの構成例を示す副走査方向の要部断面図
【図22】 従来の光走査装置の光学系の主走査方向の
要部断面図
【符号の説明】
1 光源手段 2 コリメーターレンズ 3 開口絞り 4 シリンドリカルレンズ 5 偏向手段(ポリゴンミラー) 9 走査光学手段 6 第1のfθレンズ 7 第2のfθレンズ 8 被走査面(感光ドラム面) 100 光走査光学系 101 感光ドラム 102 帯電ローラ 103 光ビーム 107 現像装置 108 転写ローラ 109 用紙カセット 110 給紙ローラ 112 転写材(用紙) 113 定着ローラ 114 加圧ローラ 116 排紙ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/113 H04N 1/04 104A Fターム(参考) 2C362 AA26 BA86 BB14 BB22 2H045 AA01 BA02 BA22 CA04 CA34 CA55 CA68 2H087 KA19 LA22 PA02 PA17 PB02 QA03 QA06 QA12 QA21 QA32 QA41 RA05 RA08 RA12 RA13 RA45 UA01 5C072 AA03 BA17 DA03 DA21 HA02 HA06 HA09 HA13 XA01 XA04 9A001 BB06 HH23 KK16 KK42

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源手段から出射された光束を偏向手段
    に導光する入射光学手段と、該偏向手段によって反射偏
    向された光束を被走査面上に結像させる走査光学手段
    と、を有する光走査装置において、 該走査光学手段は第1、第2のfθレンズを有し、該第
    1のfθレンズは主走査断面内において該偏向手段側に
    凹面を向けたメニスカス状の正レンズであり、該第2の
    fθレンズは主走査断面内において該偏向手段側に凸面
    を向けたメニスカス状のレンズであり、該第2のfθレ
    ンズの入射面の主走査断面内における形状が、該レンズ
    の光軸上からレンズ有効部の両端部へかけて凸から凹へ
    反転し、該レンズ有効部の両端部での面位置が該レンズ
    の光軸上の面頂点の位置よりも該偏向手段側に位置して
    いることを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】 前記第1、第2のfθレンズは共に非球
    面レンズであり、該第1のfθレンズの入射面及び出射
    面は共にベース球面から前記被走査面側に変位した非球
    面であり、該第2のfθレンズの入射面及び出射面は共
    にベース球面から前記偏向手段側に変位した非球面であ
    ることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のfθレンズの入射面及び出射
    面と前記第2のfθレンズの出射面との主走査断面内に
    おける形状は、レンズ有効部の両端部での面位置が共に
    該レンズの光軸上の面頂点の位置よりも前記偏向手段側
    に位置しており、該第1、第2のfθレンズの入射面及
    び出射面はレンズ有効部の両端部での曲率が共に負であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の光走査装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のfθレンズの入射面及び出射
    面の主走査方向の曲率は共に該レンズの光軸上から両端
    部に離れるに従い大となり、途中で変極点を取って徐々
    に小となることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    光走査装置。
  5. 【請求項5】 前記第1、第2のfθレンズの主走査断
    面内におけるパワーを各々φ1、φ2としたとき、 φ2≦φ1/5 なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれか1項記載の光走査装置。
  6. 【請求項6】 前記第2のfθレンズの主平面は前記第
    1のfθレンズよりも前記偏向手段側に位置することを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の光走査
    装置。
  7. 【請求項7】 前記偏向手段の偏向面から最も被走査面
    側に配置される前記第2のfθレンズの被走査面側の面
    までの距離をd、該被走査面上の有効走査幅をWとした
    とき、 d/W≦0.2 なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれか1項記載の光走査装置。
  8. 【請求項8】 前記走査光学手段のfθ係数をk、前記
    被走査面上の有効走査幅をWとしたとき、 k/W≦0.6 なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれか1項記載の光走査装置。
  9. 【請求項9】 前記光源手段は複数の発光部を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項1乃至9のいずれか1項記
    載の光走査装置と、該光走査装置の被走査面に配置され
    た感光体と、該感光体上を光束が走査することによって
    形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段
    と、該現像されたトナー像を用紙に転写する転写手段
    と、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】 光源手段から出射された光束を偏向手
    段に導光する入射光学手段と、該偏向手段によって反射
    偏向された光束を被走査面上に結像させる走査光学手段
    と、を有する光走査装置において、 該入射光学手段は、該光源手段から出射された光束を略
    平行光束もしくは弱収束光束に変換する集光レンズを有
    し、かつ該光束を主走査断面内において、該偏向手段の
    偏向面に該走査光学手段の光軸に対して斜め方向から入
    射させ、 該走査光学手段は複数のfθレンズを有し、該複数のf
    θレンズのうち少なくとも1つのfθレンズは主走査断
    面内において、少なくとも1つのレンズ面が該レンズの
    光軸を挟んで主走査方向に非対称に形状が変化する非球
    面であり、 該少なくとも1つの非球面のうち、少なくとも1つの非
    球面は、レンズ有効部の両端部において、該レンズの光
    軸に対して該光源手段側の端部の面位置が反光源手段側
    の端部の面位置より該被走査面側に位置する母線非対称
    傾斜面であることを特徴とする光走査装置。
  12. 【請求項12】 前記母線非対称傾斜面は前記走査光学
    手段を構成する複数のfθレンズのうち最も被走査面側
    に位置するfθレンズに形成されていることを特徴とす
    る請求項11記載の光走査装置。
  13. 【請求項13】 前記母線非対称傾斜面は前記走査光学
    手段を構成する複数のfθレンズのうち少なくとも1つ
    のfθレンズの両面、もしくは片面に形成されているこ
    とを特徴とする請求項11記載のマルチビーム光走査装
    置。
  14. 【請求項14】 前記少なくとも1つの非球面のうち、
    少なくとも1つの非球面はレンズ有効部の両端部におい
    て、レンズの光軸に対して光源手段側の端部の曲率が反
    光源手段側の端部の曲率より大きい母線非対称曲率面で
    あることを特徴とする請求項11記載の光走査装置。
  15. 【請求項15】 前記母線非対称曲率面は前記走査光学
    手段を構成する複数のfθレンズのうち最も被走査面側
    に位置するfθレンズに形成されていることを特徴とす
    る請求項14記載の光走査装置。
  16. 【請求項16】 前記母線非対称曲率面は前記走査光学
    手段を構成する複数のfθレンズのうち少なくとも1つ
    のfθレンズの両面、もしくは片面に形成されているこ
    とを特徴とする請求項14記載の光走査装置。
  17. 【請求項17】 前記走査光学手段は第1、第2のfθ
    レンズを有し、主走査断面内における該第1、第2のf
    θレンズのパワーを各々φ1、φ2としたとき、 φ2≦φ1/5 なる条件を満足することを特徴とする請求項11乃至1
    6のいずれか1項記載の光走査装置。
  18. 【請求項18】 前記第2のfθレンズの主平面は前記
    第1のfθレンズよりも前記偏向手段側に位置すること
    を特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項記載の
    光走査装置。
  19. 【請求項19】 前記偏向手段の偏向面から前記第2の
    fθレンズの被走査面側の面までの距離をd、該被走査
    面上の有効走査幅をWとしたとき、 d/W≦0.2 なる条件を満足することを特徴とする請求項11乃至1
    8のいずれか1項記載の光走査装置。
  20. 【請求項20】 前記第1、第2のfθレンズのレンズ
    有効部の長さは、共に該fθレンズの光軸に対して前記
    光源手段側のレンズ有効部が反光源手段側のレンズ有効
    部よりも長いことを特徴とする請求項11乃至19のい
    ずれか1項記載の光走査装置。
  21. 【請求項21】 前記走査光学手段のfθ係数をk、前
    記被走査面上の有効走査幅をWとしたとき、 k/W≦0.6 なる条件を満足することを特徴とする請求項11乃至2
    0のいずれか1項記載の光走査装置。
  22. 【請求項22】 前記偏向手段の偏向面から前記集光レ
    ンズによる自然収束点までの距離をL、前記走査光学手
    段のfθ係数をkとしたとき、 |L|≧3×k なる条件を満足することを特徴とする請求項11乃至2
    1のいずれか1項記載の光走査装置。
  23. 【請求項23】 前記光源手段は複数の発光部を有する
    ことを特徴とする請求項11記載の光走査装置。
  24. 【請求項24】 前記請求項11乃至23のいずれか1
    項記載の光走査装置と、該光走査装置の被走査面に配置
    された感光体と、該感光体上を光束が走査することによ
    って形成された静電潜像をトナー像として現像する現像
    手段と、該現像されたトナー像を用紙に転写する転写手
    段と、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着手段
    とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  25. 【請求項25】 光源手段から出射された光束を偏向手
    段に導光する入射光学手段と、該偏向手段によって反射
    偏向された光束を被走査面上に結像させる走査光学手段
    と、を有する光走査装置において、 該入射光学手段は、該光源手段から出射された光束を略
    平行光束もしくは弱収束光束に変換する集光レンズを有
    し、かつ該光束を主走査断面内において該偏向手段の偏
    向面に該走査光学手段の光軸に対して斜め方向から入射
    させ、 該走査光学手段は複数のfθレンズを有し、該複数のf
    θレンズのうち少なくとも1つのfθレンズは主走査断
    面内において、少なくとも1つのレンズ面が該レンズの
    光軸を挟んで主走査方向に非対称に形状が変化する非球
    面であり、 該少なくとも1つの非球面のうち、少なくとも1つの非
    球面は、レンズ有効部の両端部において、該レンズの光
    軸に対して該光源手段側の端部の曲率が反光源手段側の
    端部の曲率より大きい母線非対称曲率面であることを特
    徴とする光走査装置。
  26. 【請求項26】 前記母線非対称曲率面は前記走査光学
    手段を構成する複数のfθレンズのうち最も被走査面側
    に位置するfθレンズに形成されていることを特徴とす
    る請求項25記載の光走査装置。
  27. 【請求項27】 前記母線非対称曲率面は前記走査光学
    手段を構成する複数のfθレンズのうち少なくとも1つ
    のfθレンズの両面、もしくは片面に形成されているこ
    とを特徴とする請求項25記載の光走査装置。
  28. 【請求項28】 前記少なくとも1つの非球面のうち、
    少なくとも1つの非球面はレンズ有効部の両端部におい
    て、レンズの光軸に対して該光源手段側の端部の面位置
    が反光源手段側の端部の面位置より該被走査面側に位置
    する母線非対称傾斜面であることを特徴とする請求項2
    5記載の光走査装置。
  29. 【請求項29】 前記母線非対称傾斜面は前記走査光学
    手段を構成する複数のfθレンズのうち最も被走査面側
    に位置するfθレンズに形成されていることを特徴とす
    る請求項28記載の光走査装置。
  30. 【請求項30】 前記母線非対称傾斜面は前記走査光学
    手段を構成する複数のfθレンズのうち少なくとも1つ
    のfθレンズの両面、もしくは片面に形成されているこ
    とを特徴とする請求項28記載の光走査装置。
  31. 【請求項31】 前記走査光学手段は第1、第2のfθ
    レンズを有し、主走査断面内における該第1、第2のf
    θレンズのパワーを各々φ1、φ2としたとき、 φ2≦φ1/5 なる条件を満足することを特徴とする請求項25乃至3
    0のいずれか1項記載の光走査装置。
  32. 【請求項32】 前記第2のfθレンズの主平面は前記
    第1のfθレンズよりも前記偏向手段側に位置すること
    を特徴とする請求項25乃至31のいずれか1項記載の
    光走査装置。
  33. 【請求項33】 前記偏向手段の偏向面から前記第2の
    fθレンズの被走査面側の面までの距離をd、該被走査
    面上の有効走査幅をWとしたとき、 d/W≦0.2 なる条件を満足することを特徴とする請求項25乃至3
    2のいずれか1項記載の光走査装置。
  34. 【請求項34】 前記第1、第2のfθレンズのレンズ
    有効部の長さは、共に該レンズの光軸に対して前記光源
    手段側のレンズ有効部が反光源手段側のレンズ有効部よ
    りも長いことを特徴とする請求項25乃至33のいずれ
    か1項記載の光走査装置。
  35. 【請求項35】 前記走査光学手段のfθ係数をk、前
    記被走査面上の有効走査幅をWとしたとき、 k/W≦0.6 なる条件を満足することを特徴とする請求項25乃至3
    4のいずれか1項記載の光走査装置。
  36. 【請求項36】 前記偏向手段の偏向面から前記集光レ
    ンズによる自然収束点までの距離をL、前記走査光学手
    段のfθ係数をkとしたとき、 |L|≧3×k なる条件を満足することを特徴とする請求項25乃至3
    5のいずれか1項記載の光走査装置。
  37. 【請求項37】 前記光源手段は複数の発光部を有する
    ことを特徴とする請求項25記載の光走査装置。
  38. 【請求項38】 前記請求項25乃至37のいずれか1
    項記載の光走査装置と、該光走査装置の被走査面に配置
    された感光体と、該感光体上を光束が走査することによ
    って形成された静電潜像をトナー像として現像する現像
    手段と、該現像されたトナー像を用紙に転写する転写手
    段と、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着手段
    とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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