JP2001281584A - 走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置

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JP2001281584A JP2000099077A JP2000099077A JP2001281584A JP 2001281584 A JP2001281584 A JP 2001281584A JP 2000099077 A JP2000099077 A JP 2000099077A JP 2000099077 A JP2000099077 A JP 2000099077A JP 2001281584 A JP2001281584 A JP 2001281584A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広画角化及び小スポット化を実現し、また副走
査方向の横倍率が高い装置においても面倒れによる走査
線のピッチムラを小さく抑えること。 【解決手段】光源手段からの光束の状態を変換する第1
の光学系と、光束を主走査方向に長手の線像の光束とし
て結像させる第2の光学系と、入射された光束を主走査
方向に反射する偏向面を有する偏向手段と、光束を被走
査面上に結像させる第3の光学系とを有し、偏向手段で
反射された光束が、第3の光学系の光軸に対して光源手
段と反対側の被走査面の一端へ向かうときの偏向面の状
態を第1の状態、光源手段側の被走査面の一端へ向かう
ときの偏向面の状態を第2の状態とし、第1の状態のと
きと第2の状態のときとの偏向面の交点をクロスポイン
トとしたとき、第2の光学系を通過した光束の主光線
が、クロスポイントを通過しないように偏向手段又は/
及び光源手段を配置したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査光学装置及びそ
れを用いた画像形成装置に関し、特に偏向手段としての
回転多面鏡の偏向面を有効に利用することにより、広画
角化及び小スポット化を実現し、かつ面倒れによる走査
線のピッチムラを小さく抑えることができる、例えば電
子写真プロセスを有するレーザービームプリンターやデ
ジタル複写機等の装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の走査光学装置の要部概略
図である。同図において光源手段91から出射した発散
光束はコリメーターレンズ92によって略平行光束とさ
れ、開口絞り93によって該光束(光量)を整形して副
走査方向のみに屈折力を有するシリンドリカルレンズ9
4に入射している。シリンドリカルレンズ94に入射し
た光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で
出射し、副走査断面内においては収束して回転多面鏡
(ポリゴンミラー)から成る光偏向器95の偏向面95
a近傍にほぼ線像として結像している。そして光偏向器
95の偏向面95aで反射偏向された光束をfθ特性を
有する結像光学系(fθレンズ系)96を介して被走査
面97としての感光ドラム面上へ導光し、該光偏向器9
5を矢印A方向に回転させることによって該感光ドラム
面97上を矢印B方向(主走査方向)に光走査して画像
情報の記録を行っている。同図における結像光学系96
は副走査断面内において光偏向器95の偏向面95aと
被走査面97とが共役関係と成るように構成しており、
これにより偏向面95aの面倒れを補正している。
【0003】従来この種の走査光学装置に用いる回転多
面鏡は、例えば特公平6−64253号公報に開示され
ているように光源から出射された光束を有効に利用する
ことに主眼をおいて,該回転多面鏡を配置するという構
成になっている。しかしながら同公報では回転多面鏡の
偏向面の面倒れによる走査線のピッチムラと該回転多面
鏡の配置との関係は明確にされていない。また特開平5
−142495号公報では、斜入射系での回転多面鏡の
偏向面の出入り(回転多面鏡の回転軸から各偏向面まで
の距離の誤差)による走査線のピッチムラについて開示
されている。しかしながら同公報では回転多面鏡の偏向
面の面倒れによる走査線の悪化と該回転多面鏡の偏向面
の有効利用については言及されていない。
【0004】尚、偏向面を有効利用とするとは偏向面を
あまりなく使うことであり、同じ面数のポリゴンでは、
もっとも小さい半径のポリゴンを用いて構成することが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記に示した走査光学
装置において、(1)回転多面鏡の偏向面を有効利用する
ように該回転多面鏡を配置する従来例では、小スポット
には有利であるが、該回転多面鏡の偏向面の面倒れによ
る走査線のピッチムラが大きく発生し、画質を著しく劣
化させる、(2)回転多面鏡の偏向面の出入りによるピッ
チムラが所望の値以下になるようにすると、一般に該回
転多面鏡の偏向面を有効に使うことができない、等の課
題を有している。本発明は偏向手段としての回転多面鏡
の偏向面を有効に利用することにより、広画角化及び小
スポット化を実現し、また副走査方向の横倍率が高い装
置においても面倒れによる走査線のピッチムラを小さく
抑えることができる走査光学装置及びそれを用いた画像
形成装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の走査光
学装置は、光源手段から出射した光束の状態を変換する
第1の光学系と、該変換された光束を主走査方向に長手
の線像の光束として結像させる第2の光学系と、該第2
の光学系の結像位置近傍に偏向面を有し、入射された光
束を主走査方向に反射偏向する偏向手段と、該偏向手段
で反射偏向された光束を被走査面上に結像させる第3の
光学系と、を有する走査光学装置において、該偏向手段
で反射偏向された光束が、該第3の光学系の光軸に対し
て光源手段と反対側の被走査面の一端へ向かうときの偏
向面の状態を第1の状態、光源手段側の被走査面の一端
へ向かうときの偏向面の状態を第2の状態とし、該第1
の状態のときと該第2の状態のときとの偏向面の交点を
クロスポイントとしたとき、該第2の光学系を通過した
光束の主光線が、該クロスポイントを通過しないように
該偏向手段又は/及び該光源手段を配置したことを特徴
としている。
【0007】請求項2の発明は請求項1の発明におい
て、前記第2の光学系により結像する線像を、前記偏向
手段に入射する光束の主光線が前記第1の状態の偏向面
と交わる点と前記第2の状態の偏向面と交わる点との間
に位置するようにしたことを特徴としている。
【0008】請求項3の発明は請求項1又は2の発明に
おいて、前記被走査面上で副走査方向に隣り合う2本の
走査線のピッチムラが、前記偏向手段の偏向面の倒れ角
が3分のときに10μm以下になるように、前記第3の
光学系の副走査方向の横倍率を設定したことを特徴とし
ている。
【0009】請求項4の発明は請求項1、2又は3の発
明において、前記偏向手段で反射偏向された光束が前記
被走査面上の両端へ向かうときの該偏向手段の回転角を
θf(度)、前記第3の光学系の副走査方向の横倍率を
βs、該偏向手段の偏向面の面数をMとしたとき、 0.5×(180(度)/M)≦θf |βs|≧2 なる条件を満足することを特徴としている。
【0010】請求項5の発明は請求項1、2,3又は4
の発明において、前記偏向手段の隣り合う偏向面の倒れ
角差は3分以内であることを特徴としている。
【0011】請求項6の発明は請求項1の発明におい
て、前記第3の光学系を構成する光学素子のうち、少な
くとも1つの光学素子は、プラスチック成形により製作
されていることを特徴としている。
【0012】請求項7の発明は請求項1の発明におい
て、前記第3の光学系を構成する光学素子のうち、少な
くとも1つの光学素子は、ガラス成形により製作されて
いることを特徴としている。請求項8の発明の画像形成
装置は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の走査光学
装置と、該走査光学装置の被走査面に配置された感光体
と、該感光体上を光束が走査することによって形成され
た静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、該現
像されたトナー像を用紙に転写する転写手段と、転写さ
れたトナー像を用紙に定着させる定着手段とを備えたこ
とを特徴としている。請求項9の発明の走査光学装置
は、光源手段から出射した光束の状態を変換する第1の
光学系と、該変換された光束を主走査方向に長手の線状
の光束として結像させる第2の光学系と、該第2の光学
系の結像位置近傍に偏向面を有し、入射された光束を主
走査方向に反射偏向する回転多面鏡と、該回転多面鏡で
反射偏向された光束を被走査面上に結像させる第3の光
学系と、を有する走査光学装置において、該回転多面鏡
で反射偏向された光束が、該第3の光学系の光軸に対し
て光源手段と反対側の被走査面の一端へ向かうときの偏
向面の状態を第1の状態、光源手段側の被走査面の一端
へ向かうときの偏向面の状態を第2の状態とし、該第1
の状態と該第2の状態との偏向面の交点をクロスポイン
トとし、該クロスポイントから該第1の光学系を通過し
た光束の主光線に垂直に下した距離をΔ(mm)、該回
転多面鏡に入射する光束の入射角をα(度)、該回転多
面鏡の面倒れ角をφ(度)、該第1の光学系を通過した
光束の主光線方向への該回転多面鏡の回転に伴う偏向面
の移動量をl(mm)、該第3の光学系の副走査方向の
横倍率をβs 、該回転多面鏡の外接円半径をr(m
m)、該回転多面鏡の偏向面の面数をM、該回転多面鏡
で反射偏向された光束が該被走査面上の両端へ向かうと
きの該回転多面鏡の回転角をθf(度)、該回転多面鏡
の回転角をθp(度)としたとき、
【0013】
【数2】
【0014】なる条件を満足することを特徴としてい
る。
【0015】請求項10の発明は請求項9の発明におい
て、前記第2の光学系により結像する線像を、前記回転
多面鏡に入射する光束の主光線が前記第1の状態の偏向
面と交わる点と前記第2の状態の偏向面と交わる点との
間に位置するようにしたことを特徴としている。
【0016】請求項11の発明は請求項9又は10の発
明において、前記走査光学装置は、 0.5×(180(度)/M)≦θf |βs|≧2 なる条件を満足することを特徴としている。
【0017】請求項12の発明は請求項9,10又は1
1の発明において、前記回転多面鏡の隣り合う偏向面の
倒れ角差は3分以内であることを特徴としている。
【0018】請求項13の発明は請求項9の発明におい
て、前記第3の光学系を構成する光学素子のうち、少な
くとも1つの光学素子は、プラスチック成形により製作
されていることを特徴としている。
【0019】請求項14の発明は請求項9の発明におい
て、前記第3の光学系を構成する光学素子のうち、少な
くとも1つの光学素子は、ガラス成形により製作されて
いることを特徴としている。請求項15の発明の画像形
成装置は、請求項9乃至14のいずれか1項記載の走査
光学装置と、該走査光学装置の被走査面に配置された感
光体と、該感光体上を光束が走査することによって形成
された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、
該現像されたトナー像を用紙に転写する転写手段と、転
写されたトナー像を用紙に定着させる定着手段とを備え
たことを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】[実施形態1]図1は本発明の走
査光学装置の実施形態1の主走査方向の要部断面図(主
走査断面図)、図2は図1の副走査方向の要部断面図
(副走査断面図)である。
【0021】尚、本明細書において回転多面鏡によって
光束が反射偏向(偏向走査)される方向を主走査方向、
fθレンズ系の光軸及び主走査方向と直交する方向を副
走査方向と定義する。
【0022】図中、1は光源手段(光源)であり、例え
ば半導体レーザーより成っている。2は第1の光学系と
しての変換素子(コリメーターレンズ)であり、光源手
段1から出射された発散光束を略平行光束に変換してい
る。3は開口絞りであり、通過光束(光量)を制限して
いる。4は第2の光学系としてのシリンドリカルレンズ
であり、副走査方向にのみ所定の屈折力を有しており、
開口絞り3を通過した光束を副走査断面内で後述する光
偏向器(偏向手段)5の偏向面5aにほぼ線像として結
像させている。
【0023】5は偏向手段としての例えばポリゴンミラ
ー(回転多面鏡)より成る光偏向器であり、モーター等
の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度
で回転している。Pは偏向点である。
【0024】6は第3の光学系としてのfθ特性を有す
るfθレンズ系(結像光学系)であり、第1のfθレン
ズ(凹球面レンズ)6aと第2のfθレンズ(凸シリン
ドリカルレンズ)6bの2枚のレンズを有しており、全
系では主走査方向と副走査方向とで互いに異なる所定の
屈折力を有しており、ポリゴンミラー5によって反射偏
向(偏向走査)された画像情報に基づく光束を被走査面
7上に結像させ、かつ副走査断面内においてポリゴンミ
ラー5の偏向面5aと被走査面7とを共役関係と成るよ
うに構成することにより、偏向面5aの倒れを補正して
いる。尚、本実施形態ではfθレンズ系6を構成する少
なくとも一枚のfθレンズをプラスチィック成型もしく
はガラス成型により製作している。
【0025】7は被走査面としての感光ドラム面であ
る。
【0026】本実施形態において光源手段1から出射し
た発散光束はコリメーターレンズ2により略平行光束と
され、開口絞り3によって該光束を制限してシリンドリ
カルレンズ4に入射している。シリンドリカルレンズ4
に入射した略平行光束のうち主走査断面内においてはそ
のままの状態で射出する。また副走査断面内においては
集束してポリゴンミラー5の偏向面(反射面)5aにほ
ぼ線像として結像している。そしてポリゴンミラー5の
偏向面5aで反射偏向された光束をfθレンズ系6を介
して感光ドラム面7上に導光し、該ポリゴンミラー5を
矢印A方向に回転させることによって該感光ドラム面7
上を矢印B方向に光走査して画像情報の記録を行なって
いる。
【0027】次の本発明の特徴について図3を用いて説
明する。図3はポリゴンミラーの偏向面の主走査方向の
拡大説明図である。
【0028】最大走査角±θs(203,204)の本
実施形態の走査光学装置において、ポリゴンミラーで反
射偏向された光束が、fθレンズ系の光軸に対して光源
手段と反対側の被走査面の一端へ向かうときの偏向面の
状態を第1の状態(もしくは第2の状態)A1、光源手
段側の被走査面の一端へ向かうときの偏向面の状態を第
2の状態(もしくは第1の状態)A2とし、該第1の状
態A1と該第2の状態A2との偏向面の交点をクロスポ
イント(10割クロスポイント)201とし、該クロス
ポイント201からコリメーターレンズを通過した光束
の主光線209に垂直に下した距離をΔ(mm)(20
6)、ポリゴンミラーに入射する光束の入射角をα
(度)(202)、ポリゴンミラーの面倒れ角をφ
(度)、fθレンズ系の副走査方向の横倍率をβ s 、ポ
リゴンミラーの外接円半径をr(mm)、ポリゴンミラ
ーの偏向面の面数をM、ポリゴンミラーで反射偏向され
た光束が被走査面上の両端(一端から他の一端)へ向か
うときのポリゴンミラーの回転角(本装置の走査角)を
θf(度)、ポリゴンミラーの回転角をθp(度)とした
とき、x−y面(主走査断面)内でコリメーターレンズ
を通過した光束の主光線方向のポリゴンミラーの回転に
伴う偏向面の移動量1(mm)(205)は,
【0029】
【数3】
【0030】なる式で表される。
【0031】図4はポリゴンミラーの偏向面303(図
1においては符番5a)が、製造誤差等で例えば3分倒
れたときを示した要部断面図である。同図においてポリ
ゴンミラーの偏向面303が、製造誤差等で3分倒れる
(面倒れ)と(偏向面302)、前述したようにポリゴ
ンミラーの偏向面の出入り(偏向面301)により、入
射光束の線像305′は感光ドラム面307(図1にお
いては符番7)上においてz方向に高さ(306)を持
つ。これは面の出入りに伴うもので、走査線の副走査方
向への周期的な湾曲となる。これを走査線間のピッチム
ラ(以下単に「ピッチムラ」と称す。)と称す。
【0032】ピッチムラΔzは上記(1)式に比例して
おり、上記各パラメーターを用いて、
【0033】
【数4】
【0034】なる式より表される。
【0035】従来のようにポリゴンミラーの偏向面に入
射する光束の主光線がクロスポイント201を通過する
とき、偏向面の移動量1(mm)(205)が小さくな
るため図5の実線で示すようにピッチムラに関しては好
都合であるが、ポリゴンミラーの偏向面を有効に使え
ず、例えば広画角化及び小スポット化を実現することが
難しいという問題点がある。そこで本実施形態では広画
角化及び小スポット化を実現するためにポリゴンミラー
の偏向面の有効利用を考慮し、ポリゴンミラーに入射す
る光束の主光線209がクロスポイント201を通過し
ないようにポリゴンミラー又は/及び光源を配置してい
る。クロスポイント201からポリゴンミラーに入射す
る光束の主光線209に垂直に下した距離Δ(mm)
(206)(以下「クロスポイントと入射光束の主光線
との距離」とも称す。)が長くなるに従いピッチムラは
悪化するが、ピッチムラが10μm以下ならば画像上ほ
とんど影響はない。逆にピッチムラが10μm以上にな
ると走査線の悪化が目立ち画像劣化の原因となることよ
りピッチムラは10μm以下になるようにする。さらに
走査光学装置の製造誤差や組み立て誤差等の公差やfθ
レンズの環境変動等を含めて考慮すると、上記ポリゴン
ミラーの偏向面の倒れ角が3分のときにピッチムラが1
0μm以下になるように、fθレンズ系の副走査方向の
横倍率等の各要素を設定することが望ましい。
【0036】よって本実施形態では、以下の条件式
(3)式を満足するように各要素を設定している。
【0037】
【数5】
【0038】具体的にはポリゴンミラーの外接円半径r
=25mm、偏向面の面数M=6面、ポリゴンミラーで
反射偏向された光束が被走査面上の両端へ向かうときの
該ポリゴンミラーの回転角θf=20.5度、ポリゴン
ミラーに入射する光束の入射角α=−70度、fθレン
ズ系の副走査方向の横倍率β=3.3、ポリゴンミラー
の回転角θp =は変数(−θf(−20.5°)≦θp
θf(20.5°))、そしてクロスポイントと入射光
束の主光線との距離Δが0.2mmになるようにポリゴ
ンミラー又は/及び光源を配置している。また本実施形
態では、上記各パラメーターを用いて 0.5×(180(度)/M)≦θf ‥‥‥‥‥(4) |βs|≧2 ‥‥‥‥‥(5) なる条件を満足するようにしている。即ち、本実施形態
において回転角θf=20.5度はポリゴンミラーの面
数Mにより定まる最大走査角(±180/M)の5割以
上の広画角での走査であり、副走査方向の横倍率βs
3.3と高倍率である。尚、本実施形態ではポリゴンミ
ラーの隣り合う偏向面の倒れ角差(各偏向面の相対面倒
れ量)が3分以内となるようにしている。
【0039】図5は本実施形態におけるポリゴンミラー
の偏向面が3分倒れたときの感光ドラム面上のピッチム
ラと走査角との関係を示す図である。図6は本実施形態
のfθレンズ系の焦点距離とスポット径の大きさとの関
係を示す図である。一般に有効画像範囲が同じならば、
焦点距離が短くなると回転角θfは大きくとらなければ
ならず、Fno(Fナンバー)が大きくなるためにスポ
ット径は大きくなり、また焦点距離が長くなると回転角
θfが小さくとれるので、Fnoは小さくなりスポット
径は小さくなる。
【0040】従来はクロスポイントと入射光束の主光線
との距離Δ(206)が0mmであり、ピッチムラは抑
えられている。
【0041】上記クロスポイントと入射光束の主光線と
の距離Δ(206)が大きくなると、走査線のピッチム
ラは大きくなるが、ポリゴンミラーの偏向面に入射する
光束の主光線がクロスポイントを通らないようにするこ
とにより、図6に示すように同スポット径ではfθレン
ズ系の焦点距離を短くすることができ、また同焦点距離
ではスポット径を小さくすることができる。例えばfθ
レンズ系の焦点距離が200mmでは61μmのスポッ
ト径を58μmにできる。さらに本実施形態では上記ピ
ッチムラを小さく抑える為にシリンドリカルレンズによ
り結像する線像を、ポリゴンミラーに入射する光束の主
光線が、第1の状態(もしくは第2の状態)の偏向面と
交わる点(207もしくは208)と第2の状態(もし
くは第1の状態)の偏向面と交わる点(207もしくは
208)の間に位置するようにしている。
【0042】このように本実施形態では上述の如く入射
光束の主光線がクロスポイントを通過しないようにポリ
ゴンミラー又は/及び光源を配置することにより、ポリ
ゴンミラーの外接円半径や偏向面数によらず、広画角化
及び小スポット化が可能になり、装置全体の小型化を実
現することができる。
【0043】また本実施形態では上述の如くシリンドリ
カルレンズにより結像する線像をポリゴンミラーに入射
する光束の主光線が第1の状態の偏向面と交わる点と第
2の状態の偏向面と交わる点の間に位置させることによ
り、ピッチムラを小さく抑えることができる。
【0044】更に高倍率の走査光学装置における面倒れ
による周期的な走査線のピッチムラを10μm以下に抑
えることができ、これにより画像を劣化させることな
く、ポリゴンミラーの偏向面を有効に使うことができ
る。
【0045】[実施形態2]次に本発明の実施形態2に
ついて図7、図8を用いて説明する。
【0046】図7は本実施形態におけるポリゴンミラー
の偏向面が3分倒れたときの感光ドラム面上のピッチム
ラと走査角との関係を示す図である。図8は本実施形態
のfθレンズ系の焦点距離とスポット径の大きさとの関
係を示す図である。
【0047】本実施形態において前述の実施形態1と異
なる点はクロスポイントと入射光束の主光線との距離Δ
(206)を0.44mmになるようにポリゴンミラー
又は/及び光源を配置したことである。その他の構成及
び光学的作用は実施形態1と略同様であり、これにより
同様な効果を得ている。
【0048】即ち、クロスポイントと入射光束の主光線
との距離Δが長くなることにより、同スポット径ではさ
らにfθレンズ系の焦点距離を短くする、つまり広画角
で走査することができ、また同焦点距離ではさらにスポ
ット径を小さくすることができる。例えば図8に示すよ
うにfθレンズ系の焦点距離が200mmでは61μm
のスポット径を51μmにでき、前述の実施形態1より
も更に小型化、小スポット化が実現できる。さらにピッ
チムラを小さく(10μm以下)抑える為に本実施形態
では前述の実施形態1と同様にシリンドリカルレンズに
より結像する線像を、ポリゴンミラーに入射する光束の
主光線が、第1の状態(もしくは第2の状態)の偏向面
と交わる点(207もしくは208)と第2の状態(も
しくは第1の状態)の偏向面と交わる点(207もしく
は208)の間に位置するようにしている。
【0049】[実施形態3]次に本発明の実施形態3に
ついて図9、図10を用いて説明する。
【0050】図9は本実施形態におけるポリゴンミラー
の偏向面が3分倒れたときの感光ドラム面上のピッチム
ラと走査角との関係を示す図である。図10は本実施形
態のfθレンズ系の焦点距離とスポット径の大きさとの
関係を示す図である。
【0051】本実施形態において前述の実施形態1と異
なる点はクロスポイントと入射光束の主光線との距離Δ
(206)を0.41mmになるようにポリゴンミラー
又は/及び光源を配置したことである。その他の構成及
び光学的作用は実施形態1と略同様であり、これにより
同様な効果を得ている。
【0052】即ち、本実施形態ではクロスポイントと入
射光束の主光線との距離Δが0.41mmになるように
ポリゴンミラー又は/及び光源を配置し、ポリゴンミラ
ーの外接円半径r=10mm、偏向面数M=4面、回転
角θf=31.2度としている。本実施形態ではポリゴ
ンミラーの外接円半径を実施形態1に比して小さくし、
偏向面数を減らすことにより、更に広画角化及び小スポ
ット化を可能としている。例えば図10に示すようにf
θレンズ系の焦点距離が140mmでは79μmのスポ
ット径を58μmにでき、クロスポイントを通らないよ
うにすることで、ポリゴンミラーの外接円半径が小さい
場合においても広画角化及び小スポット化を実現してい
る。さらにピッチムラを小さく(10μm以下)抑える
為に本実施形態では前述の実施形態1と同様にシリンド
リカルレンズにより結像する線像を、ポリゴンミラーに
入射する光束の主光線が、第1の状態(もしくは第2の
状態)の偏向面と交わる点(207もしくは208)と
第2の状態(もしくは第1の状態)の偏向面と交わる点
(207もしくは208)の間に位置するようにしてい
る。
【0053】[画像形成装置]図11は、本発明の走査
光学装置を用いた画像形成装置の一例である、電子写真
プリンタの構成例を示す副走査方向の要部断面図であ
る。
【0054】図中、100は先に説明した本発明の実施
形態1〜3のいずれかの走査光学装置を示す。101は
静電潜像担持体たる感光ドラム(感光体)であり、該感
光ドラム101の上方には該感光ドラム101の表面を
一様に帯電せしめる帯電ローラ102が該表面に当接し
ている。該帯電ローラ102の当接位置よりも下方の上
記感光ドラム101の回転方向A下流側の帯電された表
面には、走査光学装置100によって走査される光ビー
ム(光束)103が照射されるようになっている。
【0055】光ビーム103は、画像データに基づいて
変調されており、この光ビーム103を照射することに
よって上記感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せ
しめる。該静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置
よりもさらに上記感光ドラム101の回転方向A下流側
で該感光ドラム101に当接するように配設された現像
手段としての現像装置107によってトナー像として現
像される。該トナー像は、上記感光ドラム101の下方
で該感光ドラム101に対向するように配設された転写
手段としての転写ローラ108によって転写材たる用紙
112上に転写される。該用紙112は上記感光ドラム
101の前方(図11において右側)の用紙カセット1
09内に収納されているが、手差しでも給紙が可能であ
る。該用紙カセット109端部には、給紙ローラ110
が配設されており、該用紙カセット109内の用紙11
2を搬送路へ送り込む。
【0056】以上のようにして、未定着トナー像を転写
された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図1
1において左側)の定着手段としての定着器へと搬送さ
れる。該定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有す
る定着ローラ113と該定着ローラ113に圧接するよ
うに配設された加圧ローラ114とで構成されており、
転写部から搬送されてきた用紙112を上記定着ローラ
113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加
熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着
せしめる。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ
116が配設されており、定着された用紙112をプリ
ンタの外に排出する。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば前述の如く偏向手段とし
ての回転多面鏡の偏向面に入射する光束の主光線がクロ
スポイントを通過しないように偏向手段又は/及び光源
手段を配置することにより、広画角化及び小スポット化
を実現することができ、また副走査方向の横倍率が高い
装置においても面倒れによる走査線のピッチムラを小さ
く抑えることができる走査光学装置及びそれを用いた画
像形成装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の主走査方向の要部断面
【図2】 本発明の実施形態1の副走査方向の要部断面
【図3】 本発明の実施形態1の10割クロスポイント
を説明する図
【図4】 本発明の実施形態1の面倒れを説明する図
【図5】 本発明の実施形態1の感光ドラム面上のピッ
チムラと走査角との関係を示す図
【図6】 本発明の実施形態1のfθレンズ系の焦点距
離とスポット径の大きさとの関係を示す図
【図7】 本発明の実施形態2の感光ドラム面上のピッ
チムラと走査角との関係を示す図
【図8】 本発明の実施形態2のfθレンズ系の焦点距
離とスポット径の大きさとの関係を示す図
【図9】 本発明の実施形態3の感光ドラム面上のピッ
チムラと走査角との関係を示す図
【図10】 本発明の実施形態3のfθレンズ系の焦点
距離とスポット径の大きさとの関係を示す図
【図11】 本発明の光走査光学系を用いた電子写真プ
リンタの構成例を示す副走査方向の要部断面図
【図12】 従来の走査光学装置の要部概略図
【符号の説明】
1 光源手段(半導体レーザー) 2 第1の光学系(コリメーターレンズ) 3 開口絞り 4 第2の光学系(シリンドリカルレンズ) 5 偏向手段(回転多面鏡) 6 第3の光学系(fθレンズ系) 6a 第1のfθレンズ 6b 第2のfθレンズ 7 被走査面(感光体ドラム) 201 クロスポイント 100 走査光学装置 101 感光ドラム 102 帯電ローラ 103 光ビーム 107 現像装置 108 転写ローラ 109 用紙カセット 110 給紙ローラ 112 転写材(用紙) 113 定着ローラ 114 加圧ローラ 116 排紙ローラ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源手段から出射した光束の状態を変換
    する第1の光学系と、該変換された光束を主走査方向に
    長手の線像の光束として結像させる第2の光学系と、該
    第2の光学系の結像位置近傍に偏向面を有し、入射され
    た光束を主走査方向に反射偏向する偏向手段と、該偏向
    手段で反射偏向された光束を被走査面上に結像させる第
    3の光学系と、を有する走査光学装置において、該偏向
    手段で反射偏向された光束が、該第3の光学系の光軸に
    対して光源手段と反対側の被走査面の一端へ向かうとき
    の偏向面の状態を第1の状態、光源手段側の被走査面の
    一端へ向かうときの偏向面の状態を第2の状態とし、該
    第1の状態のときと該第2の状態のときとの偏向面の交
    点をクロスポイントとしたとき、該第2の光学系を通過
    した光束の主光線が、該クロスポイントを通過しないよ
    うに該偏向手段又は/及び該光源手段を配置したことを
    特徴とする走査光学装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の光学系により結像する線像
    を、前記偏向手段に入射する光束の主光線が前記第1の
    状態の偏向面と交わる点と前記第2の状態の偏向面と交
    わる点との間に位置するようにしたことを特徴とする請
    求項1記載の走査光学装置。
  3. 【請求項3】 前記被走査面上で副走査方向に隣り合う
    2本の走査線のピッチムラが、前記偏向手段の偏向面の
    倒れ角が3分のときに10μm以下になるように、前記
    第3の光学系の副走査方向の横倍率を設定したことを特
    徴とする請求項1又は2記載の走査光学装置。
  4. 【請求項4】 前記偏向手段で反射偏向された光束が前
    記被走査面上の両端へ向かうときの該偏向手段の回転角
    をθf(度)、前記第3の光学系の副走査方向の横倍率
    をβs、該偏向手段の偏向面の面数をMとしたとき、 0.5×(180(度)/M)≦θf |βs|≧2 なる条件を満足することを特徴とする請求項1、2又は
    3記載の走査光学装置。
  5. 【請求項5】 前記偏向手段の隣り合う偏向面の倒れ角
    差は3分以内であることを特徴とする請求項1、2,3
    又は4記載の走査光学装置。
  6. 【請求項6】 前記第3の光学系を構成する光学素子の
    うち、少なくとも1つの光学素子は、プラスチック成形
    により製作されていることを特徴とする請求項1記載の
    走査光学装置。
  7. 【請求項7】 前記第3の光学系を構成する光学素子の
    うち、少なくとも1つの光学素子は、ガラス成形により
    製作されていることを特徴とする請求項1記載の走査光
    学装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至7のいずれか1項記載
    の走査光学装置と、該走査光学装置の被走査面に配置さ
    れた感光体と、該感光体上を光束が走査することによっ
    て形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手
    段と、該現像されたトナー像を用紙に転写する転写手段
    と、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 光源手段から出射した光束の状態を変換
    する第1の光学系と、該変換された光束を主走査方向に
    長手の線状の光束として結像させる第2の光学系と、該
    第2の光学系の結像位置近傍に偏向面を有し、入射され
    た光束を主走査方向に反射偏向する回転多面鏡と、該回
    転多面鏡で反射偏向された光束を被走査面上に結像させ
    る第3の光学系と、を有する走査光学装置において、該
    回転多面鏡で反射偏向された光束が、該第3の光学系の
    光軸に対して光源手段と反対側の被走査面の一端へ向か
    うときの偏向面の状態を第1の状態、光源手段側の被走
    査面の一端へ向かうときの偏向面の状態を第2の状態と
    し、該第1の状態と該第2の状態との偏向面の交点をク
    ロスポイントとし、該クロスポイントから該第1の光学
    系を通過した光束の主光線に垂直に下した距離をΔ(m
    m)、該回転多面鏡に入射する光束の入射角をα
    (度)、該回転多面鏡の面倒れ角をφ(度)、該第1の
    光学系を通過した光束の主光線方向への該回転多面鏡の
    回転に伴う偏向面の移動量をl(mm)、該第3の光学
    系の副走査方向の横倍率をβs 、該回転多面鏡の外接円
    半径をr(mm)、該回転多面鏡の偏向面の面数をM、
    該回転多面鏡で反射偏向された光束が該被走査面上の両
    端へ向かうときの該回転多面鏡の回転角をθf(度)、
    該回転多面鏡の回転角をθp(度)としたとき、 【数1】 なる条件を満足することを特徴とする走査光学装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の光学系により結像する線像
    を、前記回転多面鏡に入射する光束の主光線が前記第1
    の状態の偏向面と交わる点と前記第2の状態の偏向面と
    交わる点との間に位置するようにしたことを特徴とする
    請求項9記載の走査光学装置。
  11. 【請求項11】 前記走査光学装置は、 0.5×(180(度)/M)≦θf |βs|≧2 なる条件を満足することを特徴とする請求項9又は10
    記載の走査光学装置。
  12. 【請求項12】 前記回転多面鏡の隣り合う偏向面の倒
    れ角差は3分以内であることを特徴とする請求項9、1
    0又は11記載の走査光学装置。
  13. 【請求項13】 前記第3の光学系を構成する光学素子
    のうち、少なくとも1つの光学素子は、プラスチック成
    形により製作されていることを特徴とする請求項9記載
    の走査光学装置。
  14. 【請求項14】 前記第3の光学系を構成する光学素子
    のうち、少なくとも1つの光学素子は、ガラス成形によ
    り製作されていることを特徴とする請求項9記載の走査
    光学装置。
  15. 【請求項15】 前記請求項9乃至14のいずれか1項
    記載の走査光学装置と、該走査光学装置の被走査面に配
    置された感光体と、該感光体上を光束が走査することに
    よって形成された静電潜像をトナー像として現像する現
    像手段と、該現像されたトナー像を用紙に転写する転写
    手段と、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着手
    段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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