JP4551569B2 - 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光走査装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、特に光源手段から光変調され出射した光束を回転多面鏡等より成る偏向素子で反射偏向(偏向走査)させた後、fθ特性を有する結像光学系を介して被走査面上を光走査して画像情報を記録するようにした、例えば電子写真プロセスを有するレーザービームプリンターやデジタル複写機等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりレーザービームプリンター(LBP)等の光走査装置においては画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束を、例えば回転多面鏡(ポリゴンミラー)より成る光偏向器により周期的に偏向させ、fθ特性を有する結像光学系によって感光性の記録媒体(感光ドラム)面上にスポット状に集束させ、その面上を光走査して画像記録を行っている。
【0003】
図7は従来の光走査装置の要部概略図である。
【0004】
同図において光源手段71から出射した発散光束はコリメーターレンズ72により略平行光束とされ、絞り73によって該光束を制限して副走査方向にのみ所定の屈折力を有するシリンドリカルレンズ74に入射している。シリンドリカルレンズ74に入射した略平行光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で射出する。また副走査断面内においては集束してポリゴンミラーから成る光偏向器75の偏向面(反射面)75aにほぼ線像として結像している。
【0005】
そして光偏向器75の偏向面75aで反射偏向された光束をfθ特性を有する結像光学系(fθレンズ系)76を介して被走査面としての感光ドラム面78上に導光し、該光偏向器75を矢印A方向に回転させることによって該感光ドラム面78上を矢印B方向に光走査して画像情報の記録を行なっている。
【0006】
同図における結像光学系76は第1、第2の2枚のfθレンズ76a,76bを有しており、それら2枚のfθレンズ76a,76bは共に主走査方向に非球面形状を有し、かつ主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有するアナモフィックレンズより成っている。
【0007】
この2つのアナモフィックレンズの主走査方向と副走査方向のパワー比は副走査方向の倍率をどの程度に設定するかにより変わるが、いずれも主走査方向と副走査方向の結像性能とfθ特性を満足するものと成っている。
【0008】
尚、同図における結像光学系76は2枚のアナモフィックレンズより構成しているが、1枚以上の屈折光学素子、もしくは1枚以上の屈折光学素子と1枚以上の反射光学素子よりも構成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の結像光学系76を構成する第1、第2のfθレンズ76a,76bは共に主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有するアナモフィックレンズを用いているために副走査方向のパワーも2枚のアナモフィックレンズにより分担されることとなる。
【0010】
またアナモフィックレンズの場合、各レンズの配置誤差により、光学的な性能の劣化が大きく発生する。光学的な性能の劣化の中で特に副走査方向の走査線湾曲は走査線高さのずれや走査線の傾き等と異なり、装置本体で配置するミラー等の調整により補正することができないため大きな問題点となる。このため走査線湾曲を微小に抑える為には各レンズの配置を設計値通りに精度良く配置するか、もしくは各レンズに調整機構を設けて設計上の配置になるように調整する必要が生じる。
【0011】
更に4本の感光体(感光ドラム)を用いて各々に光走査装置を配置してレーザー光により潜像を形成し、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),Bk(ブラック)の各色の原稿の画像を各々対応する感光体面上に形成するカラー画像形成装置の場合、各感光体面上に形成されたY,M,C,Bkの4色の画像を紙等の転写体上に重ね合わせるため、各感光体に対応した光走査装置の走査線に湾曲が発生していると4色間での走査線の形状に誤差を生じ、転写体上での画像において色ずれが生じるため著しい画像性能の劣化を招くという問題点がある。
【0012】
本発明は結像光学系を適切なる形状の第1の光学素子と第2の光学素子より構成することにより、光学素子の配置誤差により発生する走査線湾曲を微小に抑えることができる光走査装置及びそれを用いた画像形成装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の光走査装置は、光源手段と、前記光源手段から射出された光束を偏向する偏向手段と、前記偏向手段の偏向面にて偏向された光束を被走査面に結像させる結像光学系と、を有する光走査装置において、
前記結像光学系は、副走査方向のパワーがノンパワーでありかつ主走査方向にのみパワーを有する第1の光学素子と、入射面の副走査方向のパワーがノンパワーでありかつ射出面にのみ副走査方向のパワーを有する第2の光学素子からなり、
前記第2の光学素子の射出面の副走査方向のパワーは、正のパワーであり、かつ、前記第2の光学素子の射出面の主走査断面内における形状は、平面であり、
前記第2の光学素子の射出面の副走査方向のパワーは、前記第2の光学素子の有効部内において軸上から軸外に向かい連続的に変化しており、かつ、前記第2の光学素子の入射面の主走査断面内における形状は、非球面形状であることを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記結像光学系の副走査方向の結像倍率をβとしたとき、
β<1
なる条件を満足することを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において、前記光源手段は、マルチビームレーザーであることを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明の画像形成装置は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の光走査装置と、前記光走査装置の被走査面に配置された感光体と、前記感光体の上を光束が走査することによって形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記現像されたトナー像を用紙に転写する転写手段と、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着手段とを有していることを特徴としている。
【0029】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
図1は本発明の光走査装置の実施形態1の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)、図2は図1の副走査方向の要部断面図(副走査断面図)である。
【0030】
尚、本明細書においては走査光学手段の光軸と光偏向器により偏向された光束とが形成する面を主走査断面、走査光学手段の光軸を含み主走査断面と直交する面を副走査断面と定義する。
【0031】
図中、1は光源手段であり、例えば半導体レーザーより成っている。2はコリメーターレンズであり、光源手段1から出射された光束を略平行光束に変換している。3は開口絞りであり、通過光束(光量)を制限している。4はシリンドリカルレンズであり、副走査方向にのみ所定の屈折力を有しており、開口絞り3を通過した光束を副走査断面内で後述する光偏向器(偏向素子)5の偏向面5aにほぼ線像として結像させている。
【0032】
尚、コリメーターレンズ2、開口絞り3、そしてシリンドリカルレンズ4等の各要素は入射光学系の一要素を構成している。
【0033】
5は偏向素子としての例えばポリゴンミラー(回転多面鏡)より成る光偏向器であり、モータ等の駆動手段(不図示)により所定方向に一定速度で回転している。
【0034】
11はfθ特性を有する結像光学系(fθレンズ系)であり、主に主走査方向にパワーを有する第1の光学素子6と副走査方向に主にパワーを有する第2の光学素子7とを有しており、光偏向器5によって反射偏向(偏向走査)された画像情報に基づく光束を被走査面8上に結像させ、かつ副走査断面内において光偏向器5の偏向面5aと被走査面8との間を共役関係にすることにより、倒れ補正機能を有している。本実施形態における第1の光学素子6は主走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルミラー(反射光学素子)より成り、第2の光学素子7は副走査方向に主にパワーを有する長尺トーリックレンズより成る。特に本実施形態では長尺トーリックレンズ7の主走査断面内における形状を少なくとも1面を非球面形状より形成し、また副走査方向の両面のパワーを該長尺トーリックレンズ7の有効部内において軸上から軸外に向かい連続的に変化させることにより、被走査面8に入射する光束の像高による副走査方向のFナンバーの変化を抑えている。
【0035】
8は被走査面としての感光ドラム面である。
【0036】
本実施形態において画像情報に応じて半導体レーザー1から光変調され出射した光束はコリメーターレンズ2によって略平行光束に変換され、開口絞り3によって光量が制限され、シリンドリカルレンズ4に入射している。シリンドリカルレンズ4に入射した光束のうち主走査断面内においては光束はそのままの状態で光偏向器5の偏向角の略中央から偏向面5aに入射(正面入射)する。また副走査断面内においては収束して光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像する。このとき偏向面5aに入射する光束を副走査断面内において、該偏向面5aに対し僅かな角度を持って斜め方向から入射させている。これはシリンドリカルミラー6へ入射する光束との分離を図るためである。
【0037】
そして光偏向器5の偏向面5aで反射偏向された光束はシリンドリカルミラー6、長尺トーリックレンズ7を介して感光ドラム面8上に導光され、該光偏向器5を所定方向に回転させることによって、該感光ドラム面8上を所定方向(主走査方向)に光走査している。これにより記録媒体としての感光ドラム面8上に画像記録を行なっている。
【0038】
尚、本実施形態の光走査装置は主走査断面内において上記の如く偏向面5aに対し光源手段1からの光束を正面より入射させているが、これに限らず,斜め方向から入射させても良い。
【0039】
本実施形態における結像光学系11は上記の如く主走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルミラー6と、副走査方向に主に屈折力を有する長尺トーリックレンズ7とから構成されている。
【0040】
前述した如く走査線の湾曲を低減させるためには結像光学系を構成する複数の光学素子の副走査方向のパワーが1つの光学素子(本実施例では長尺トーリックレンズ7)に集中していることが望ましい。副走査方向のパワーが複数の光学素子で分担されている場合には、それぞれの光学素子の配置誤差により発生する走査線湾曲が積算されるばかりか、光偏向器側に配置される光学素子により発生する走査線湾曲が被走査面側に配置される光学素子の配置誤差により増幅する場合があるからである。
【0041】
また本実施例の変形例としては1つの光学素子に集中した副走査方向のパワーのうち、正のパワーは1つの光学素子の2面に分担されるのではなく、1面に正のパワーを持つメニスカス形状であることが望ましい。即ち副走査方向において他の面はノンパワーであることが望ましい。これは2面で正のパワーを分担する場合よりも、各面の偏心等により発生する走査線の湾曲への影響を低減させるためである。
【0042】
また第2の光学素子7のうち副走査方向に強い正のパワーを有する面は主走査断面内における形状が平面、もしくは略平面に近い(僅かにパワーを有する)ことが望ましい。これは主走査方向を軸とする回転を与えた場合に副走査方向に強い正のパワーを持つ面に入射する光線の高さが主走査方向の場所によって変化し、すなわち副走査方向の屈折力が場所によって変化してしまうために走査線湾曲が発生してしまうからである。
【0043】
また第2の光学素子7の副走査方向に強い正のパワーを有する面は被走査面側に近い側(即ち射出面)に配置されることが望ましい。これは副走査方向に強い正のパワーにより屈折された光束が被走査面までの距離が近ければ曲がりに対する敏感度が低くなるためである。尚、副走査方向に強い正のパワーは1つの光学素子の1面に集中しており、かつその面が被走査面の近い側、即ち射出面にあるので、この光学系は縮小光学系となる。このとき副走査方向において入射面はノンパワーとなる。
【0044】
また光偏向器以降の結像光学系の副走査方向の倍率は略一定となっていることが望ましい。その理由は副走査方向の倍率が略一定となっている(=被走査面に対するFナンバーの変化を抑える。)ことによって、副走査方向に強い正のパワーを有する光学素子が副走査方向に平行に偏心した場合の敏感度を低く抑えることができるからである。
【0045】
本実施形態では上記の各条件を満足させる為に結像光学系11を主走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルミラー6と副走査方向に主にパワーを有する長尺トーリックレンズ7より構成し、該長尺トーリックレンズ7の主走査断面内における形状を少なくとも1面が非球面形状より形成し、該長尺トーリックレンズ7の副走査方向の両面(入射面と射出面)のパワーを有効部内において軸上から軸外に向かい連続的に変化させることにより、光学素子の配置誤差により発生する走査線湾曲を微小に抑えている。
【0046】
更に本実施形態において上記の各条件を満足させる為には次の条件のうち少なくとも1つを満足させるのが良い。
【0047】
(ア−1)長尺トーリックレンズ7は少なくとも一方の面が副走査方向に正のパワーを有し、その面の主走査方向の形状が平面、もしくは略平面であることである。
【0048】
(ア−2)長尺トーリックレンズ7は少なくとも一方の面が副走査方向に正のパワーを有し、その面の主走査断面内における形状は光軸に対して垂直な平面からのズレ量ΔXが該長尺トーリックレンズ7の有効部の主走査方向の幅Yに対して2%以下である球面、もしくは非球面であることである。
【0049】
(ア−3)結像光学系11の副走査方向のパワーをFv、長尺トーリックレンズ7の副走査方向のパワーをFv2としたとき
Fv2/Fv≧0.8 ‥‥‥(1)
なる条件を満足することである。
【0050】
条件式(1)は結像光学系11の副走査方向のパワーFvと、長尺トーリックレンズ7のパワーFv2との比に関するものであり、条件式(1)を外れると系全体の走査線湾曲の敏感度が、各部品の位置精度の影響を受けやすくなるため良くない。
【0051】
尚、本実施形態においては、
結像光学系11の全系の副走査方向のパワーFv = 0.0223
長尺トーリックレンズ7の副走査方向のパワーFv2= 0.0223
であり、これは条件式(1)を満足させている。
【0052】
(ア−4)被走査面内に入射する光束の副走査方向のFナンバーの最大値をFmax、最小値をFminとしたとき、
Fmin/Fmax≧0.9 ‥‥‥(2)
なる条件を満足することである。
【0053】
条件式(2)は被走査面内に入射する光束の副走査方向のFナンバーの最大値Fmaxと最小値Fminとの比に関するものであり、条件式(1)を外れると副走査方向の結像倍率に変動を生じ、スポット径にばらつきを生じたり、マルチビームの場合の走査線の間隔に誤差を生ずるため良くない。
【0054】
尚、本実施形態においては、
副走査方向のFナンバーの最大値Fmax= 42.99 、
最小値Fmin= 41.23
であり、これは条件式(2)を満足させている。
【0055】
(ア−5)結像光学系11の副走査方向の結像倍率をβとしたとき、
β<1 ‥‥‥(3)
なる条件(縮小系)を満足することである。
【0056】
条件式(3)は結像光学系11の副走査方向の結像倍率βに関するものであり、条件式(3)を外れると走査線湾曲に対する敏感度が高くなり良くない。
【0057】
尚、結像光学系11の副走査方向の結像倍率βは0.29であり、これは条件式(3)を満足させている。
【0058】
(ア−6)副走査方向に強い正のパワーを有する面(長尺トーリックレンズ7の射出面)を被走査面8側に近い側に配置したことである。
【0059】
本実施形態ではシリンドリカルミラー6と長尺トーリックレンズ7との主走査方向のレンズ形状を10次までの関数で表せる非球面形状とし、該長尺トーリックレンズ7の副走査方向のレンズ形状を像高方向に連続的に変化する球面としている。そのレンズ形状は、例えば光学面と光軸との交点を原点とし、光軸方向をX軸、主走査断面内において光軸と直交する軸をY軸、副走査断面内において光軸と直交する軸をZ軸としたとき、主走査方向と対応する母線方向が、
【0060】
【数1】
【0061】
但し、Rは母線曲率半径,K,B4,B6,B8,B10は非球面係数
副走査方向(光軸を含む主走査方向に直交する方向)と対応する子線方向が、
【0062】
【数2】
【0063】
ここで
1/r'=1/r+D2Y2+D4Y4+D6Y6+D8Y8+D10Y10
但し、rは子線曲率半径、D2,D4,D6,D8,D10は子線変化係数
なる式で表わされるものである。
【0064】
また本実施形態では長尺トーリックレンズ7の両面の母線形状を微小に副走査方向に湾曲させている。これは副走査断面内において光束を光偏向器5の偏向面5aに対し斜め入射させることにより発生する走査線湾曲を低減させるためであり、このときの母線方向の高さZyは、
Zy=AO+A2Y2+A4Y4+A6Y6
但し、A,A2,A4,A6は係数
としている。ただし副走査断面内において光束を光偏向器5の偏向面5aに対し斜め入射させないような系の場合には母線方向の湾曲は必要ない。
【0065】
表−1に本実施形態における結像光学系11の非球面係数を表す各係数及びその他の諸特性を示す。
【0066】
【表1】
【0067】
図3(A),(B),(C)は各々本実施形態における光走査装置の近軸収差(像面湾曲、走査線湾曲、歪曲収差)を示す諸収差図であり、像面湾曲における実線は副走査方向、点線は主走査方向を示している。この諸収差図から分かるように本実施形態では近軸収差が良好に補正されており、高精細印字に適した良好なる光走査装置を実現させている。
【0068】
また長尺トーリクレンズ7の配置敏感度を図4(A),(B)に示す。図4(A)は長尺トーリックレンズ7を主走査断面内において光軸と直交する軸であるY軸を中心に回転した場合の走査線湾曲量(Z方向のオフセット量は除く)を示しており、回転量は10分である。図4(B)は長尺トーリックレンズ7を副走査断面内において光軸と直交するZ軸方向に移動した場合の走査線湾曲量(Z方向のオフセット量は除く)を示しており、移動量は0.1mmである。どちらも光走査装置上に長尺トーリクレンズ7を配置する上で適当な誤差と考えられるが、この配置誤差を与えても走査線湾曲はほとんど発生せず、装置上問題となるレベルには達することはない。
【0069】
尚、本実施形態においては第1の光学素子をシリンドリカルミラーより構成したが、これに限らず、例えば主走査方向にのみパワーを有するレンズ(例えばシリンドリカルレンズ等)であれば前述の実施形態1と同様に適用することができる。また第1の光学素子を主走査方向のほかに副走査方向にもパワーを有するミラー又はレンズより構成しても良い。また本実施形態においては特にプラスチックレンズで顕著な環境変動時のピント移動を補償する為に第1、第2の光学素子のうち少なくとも一方の面に回折格子面を設けて形成しても良い。また本実施形態においては光源手段をマルチビームレーザーより構成しても前述の実施形態1と同様に適用することができる。
【0070】
[画像形成装置]
図5は、前述した実施形態1の光走査装置を用いた画像形成装置(電子写真プリンタ)の実施形態を示す副走査方向の要部断面図である。図5において、符号104は画像形成装置を示す。この画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117からコードデータDcが入力する。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、光走査ユニット100に入力される。そして、この光走査ユニット(光走査装置)100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム(光束)103が出射され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
【0071】
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム101は、モータ115によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方には、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラム101の表面に、前記光走査ユニット100によって走査される光ビーム103が照射されるようになっている。
【0072】
先に説明したように、光ビーム103は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム103を照射することによって感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置よりもさらに感光ドラム101の回転方向の下流側で感光ドラム101に当接するように配設された現像器107によってトナー像として現像される。ここで用いられるトナー粒子は、例えば帯電ローラ102によって帯電された電荷とは逆符号を持つものが用いられる。そして、感光ドラムの非露光部にトナーが付着する部分(画線部)となる。つまり、本実施形態においては、所謂正規現像が行われる。尚、本実施形態において感光ドラムの露光部にトナーが付着する反転現像を行うようにしても良い。
【0073】
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対向するように配設された転写ローラ108によって被転写材たる用紙112上に転写される。用紙112は感光ドラム101の前方(図13において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ110が配設されており、用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
【0074】
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図5において左側)の定着器へと搬送される。定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113とこの定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されており、転写部から撒送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112を画像形成装置の外に排出せしめる。
【0075】
図5においては図示していないが、プリントコントローラ111は、先に説明データの変換だけでなく、モータ115を始め画像形成装置内の各部や、光走査ユニット100内のポリゴンモータなどの制御を行う。
【0076】
[カラー画像形成装置]
図6は前述した実施形態1の光走査装置を複数個同時に使用し、それぞれ異なる感光ドラム面上に各色毎の画像情報を記録し、カラー画像を形成したタンデムタイプのカラー画像形成装置の要部概略図である。
【0077】
同図において41,42,43,44は各々前述した実施形態1の光走査装置、21,22,23,24は各々像担持体としての感光ドラム、31,32,33,34は各々現像器、45は搬送ベルトである。
【0078】
同図におけるカラー画像形成装置は実施形態1の光走査装置(41,42,43,44)を4個並べ、各々がC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応し、各々並行して感光ドラム(21,22,23,24)面上に画像信号を記録し、その後記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を高速に印字するものである。
【0079】
このように本発明の光走査装置を複数用いてカラー画像形成装置を構成することにより、高速化を図ることができると同時に各色間のレジストレーションずれ(色ずれ)の少ない高画質なカラー画像を得ることができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば前述の如く結像光学系を主に主走査方向にパワーを有する第1の光学素子と主に副走査方向にパワーを有する第2の光学素子より構成し、さらに該第2の光学素子の主走査断面内における形状を少なくとも1面を非球面形状より形成し、該第2の光学素子の副走査方向の両面のパワーを該第2の光学素子の有効部内において軸上から軸外に向かい連続的に変化させることにより、光学素子の配置誤差により発生する走査線湾曲を微小に抑えることができる光走査装置及びそれを用いた画像形成装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の主走査方向の要部断面図
【図2】 本発明の実施形態1の副走査方向の要部断面図
【図3】 本発明の実施形態1の近軸収差(像面湾曲、走査線湾曲、歪曲収差)を示す諸収差図
【図4】 本発明の実施形態1の長尺トーリクレンズの配置敏感度を示す図
【図5】 本発明の走査光学装置を用いた画像形成装置(電子写真プリンタ)の構成例を示す副走査方向の要部断面図
【図6】 本発明のカラー画像形成装置の要部構成図
【図7】 従来の光走査装置の要部概略図
【符号の説明】
1 光源手段(半導体レーザー)
2 コリメーターレンズ
3 開口絞り
4 シリンドリカルレンズ
5 偏向素子(光偏向器)
6 第1の光学素子(シリンドリカルミラー)
7 第2の光学素子(長尺トーリックレンズ)
8 被走査面(感光体ドラム)
11 結像光学系
41,42,43,44 光走査装置
21,22,23,24 像担持体(感光ドラム)
31,32,33,34 現像器
45 搬送ベルト
100 光走査装置
101 感光ドラム
102 帯電ローラ
103 光ビーム
104 画像形成装置
107 現像装置
108 転写ローラ
109 用紙カセット
110 給紙ローラ
112 転写材(用紙)
113 定着ローラ
114 加圧ローラ
116 排紙ローラ
Claims (4)
- 光源手段と、前記光源手段から射出された光束を偏向する偏向手段と、前記偏向手段の偏向面にて偏向された光束を被走査面に結像させる結像光学系と、を有する光走査装置において、
前記結像光学系は、副走査方向のパワーがノンパワーでありかつ主走査方向にのみパワーを有する第1の光学素子と、入射面の副走査方向のパワーがノンパワーでありかつ射出面にのみ副走査方向のパワーを有する第2の光学素子からなり、
前記第2の光学素子の射出面の副走査方向のパワーは、正のパワーであり、かつ、前記第2の光学素子の射出面の主走査断面内における形状は、平面であり、
前記第2の光学素子の射出面の副走査方向のパワーは、前記第2の光学素子の有効部内において軸上から軸外に向かい連続的に変化しており、かつ、前記第2の光学素子の入射面の主走査断面内における形状は、非球面形状であることを特徴とする光走査装置。 - 前記結像光学系の副走査方向の結像倍率をβとしたとき、
β<1
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。 - 前記光源手段は、マルチビームレーザーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
- 請求項1乃至3の何れか一項に記載の光走査装置と、前記光走査装置の被走査面に配置された感光体と、前記感光体の上を光束が走査することによって形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記現像されたトナー像を用紙に転写する転写手段と、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着手段とを有していることを特徴とする画像形成装置。
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