JP5843500B2 - 光走査装置およびそれを有する画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は光走査装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、電子写真プロセスを有するレーザビームプリンタやデジタル複写機やマルチファンクションプリンタ等の画像形成装置に好適なものである。
従来、光走査装置はレーザビームプリンタやデジタル複写機等に広く利用されている。従来の光走査装置では、偏向手段である回転多面鏡の偏向反射面はその回転角度により面の出入り(所謂サグ)が生じるため、焦線と偏向反射面との位置関係が変化する。このため、倒れ補正光学系を構成していても面倒れが生じると被走査面上の副走査方向の光線到達位置がずれ、所謂面倒れによるピッチムラが発生する。
偏向反射面のサグに応じて、有効走査範囲全域で偏向反射面と被走査面とを共役とすれば面倒れによるピッチムラを低減することは出来るが、副走査方向の像面湾曲が悪化してスポット径のばらつきが大きくなってしまう。また最近では印字速度の高速化或いは記録密度の高密度化の目的で、光源手段として複数の発光部を有するモノリシックマルチビームレーザや、面発光レーザ(VCSEL)が使用されている。発光部の数が増えるとピッチムラの周期が大きくなり、ムラが目立ちやすくなるため、高精細な画像形成を行うためにピッチムラの改善は重要な課題である。
このような光走査装置において、面倒れ性能を向上させピッチムラを低減し、かつ副走査方向の像面湾曲を低減するための技術が提案されている(特許文献1)。
特開2009−14953号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、面倒れによる幾何光学的な光スポットの結像位置ずれを抑制し幾何光学的なピッチムラを低減すると共に子線を非円弧形状とすることで副走査方向の像面湾曲を補正する技術は開示されているが、波動光学的には被走査面上で光スポットの強度分布重心が副走査方向にずれており、偏向反射面の面倒れによる波動光学的なピッチムラは低減されず画像品質が劣化するという課題が生じる。
また、特許文献1において子線非円弧の原点は軸上と軸外において主光線通過位置と一致しているが、具体的な方法が開示されていない。偏向反射面に対して副走査方向について斜めから光束を入射させる副走査斜入射系の場合、結像光学系を構成するレンズ面上での主光線通過位置の軌跡は副走査方向に湾曲しており、軸上と軸外で子線非円弧の原点と主光線通過位置を一致させても、他の像高においては子線非円弧の原点と主光線通過位置の位置関係は定まらず、湾曲が大きいと主光線通過位置と子線非円弧の原点が大きくずれ、子線非円弧による効果を有効に得られない場合があり十分とは言えなかった。
そこで本発明では、副走査斜入射系のようにレンズ面上で主光線通過位置の軌跡が湾曲している場合においても、全像高で波動光学的なピッチムラを低減し高精細な画像形成が可能な光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の光走査装置は、結像光学系の少なくとも1つの光学面の子線形状を非円弧形状とすると共に、子線の非円弧形状の原点と主光線通過位置との位置関係を適切に設定することにより、副走査斜入射系のようにレンズ面上で主光線通過位置の軌跡が湾曲している場合においても、全像高で波動光学的なピッチムラを低減することができる。
具体的には、本発明の光走査装置は、光源手段と、光源手段からの光束を偏向する偏向手段と、前記光源手段からの光束を前記偏向手段導く入射光学系と、前記偏向手段からの光束を被走査面上に集光する結像光学系と、を備え、前記入射光学系は、副走査断面内において前記光源手段からの光束を前記偏向手段斜入射させており、前記結像光学系は、子線形状が非円弧形状であり、該非円弧形状の原点の副走査方向での位置が主走査方向において変化する光学面を含み、前記非円弧形状の原点は、有効領域全域において前記偏向手段からの光束の軌跡内に位置することを特徴とする。
本発明によれば、結像光学系の少なくとも1つの面の子線形状を非円弧形状とすると共に、非円弧形状の原点と主光線通過位置との位置関係を適切に設定することで、副走査斜入射系のようなレンズ面上で主光線通過位置の軌跡が湾曲している場合においても、面倒れによる被走査面上での光スポットの強度分布重心の変動を抑制し、面倒れによる波動光学的なピッチムラを低減させ、高精細な画像形成が可能な光走査装置及び画像形成装置を達成することができる。
本発明の実施例1の光走査装置の主走査方向の要部断面図 本発明の実施例1の子線形状を説明する図 本発明の実施例1の面倒れによる走査線湾曲を示す図 本発明の実施例1の副走査方向の像面湾曲を示す図 本発明の実施例1の子線非円弧形状の原点位置と主光線通過位置を示す図 本発明の実施例1の子線の4次の非球面係数の変化を示す図 本発明の実施例1の副走査方向のパワー変化を示す図 本発明の実施例2の光走査装置の主走査方向の要部断面図 本発明の実施例2の子線形状を説明する図 本発明の実施例2の面倒れによる走査線湾曲を示す図 本発明の実施例2の副走査方向の像面湾曲を示す図 本発明の実施例2の子線非円弧形状の原点位置と主光線通過位置を示す図 本発明の実施例2の子線の4次の非球面係数の変化を示す図 本発明の実施例3の光走査装置の主走査方向の要部断面図 本発明の実施例3の面倒れによる走査線湾曲を示す図 本発明の実施例3の副走査方向の像面湾曲を示す図 本発明の実施例3の子線非円弧形状の原点位置と主光線通過位置を示す図 本発明の実施例3の子線の4次の非球面係数の変化を示す図 本発明の実施例5の画像形成装置の要部断面図 本発明の実施例6のカラー画像形成装置の要部概略図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施例の光走査装置の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。
尚、以下の説明において、主走査方向とは偏向手段の回転軸及び結像光学系の光軸に垂直な方向(偏向手段で光束が偏向反射(偏向走査)される方向)であり、副走査方向とは偏向手段の回転軸と平行な方向のことである。また、主走査断面とは結像光学系の光軸と主走査方向とを含む平面のことであり、副走査断面とは結像光学系の光軸を含み主走査断面に垂直な断面のことである。
図1において光源手段10は、1つの発光点を有する半導体レーザから成っている。光源手段10から射出された光束は、コリメータレンズ20により略平行光束に変換された後、シリンドリカルレンズ30に入射し、副走査方向にのみ屈折される。その後、光束は開口絞り40により光束幅を制限された後、偏向手段である回転多面鏡50の偏向反射面51の近傍に副走査方向にのみ集光され、主走査方向に長い線像として結像される。
上記コリメータレンズ20とシリンドリカルレンズ30及び絞り40の各要素が入射光学系LAの一要素を構成する。
尚、本実施例においてはコリメータレンズ20により略平行光束に変換したが、コリメータレンズ20の代わりに光束の発散性を弱めた発散光束及び収束光束に変換する光学素子を用いてもよい。また、2枚のレンズに限らず主走査方向と副走査方向で異なるパワーを有するアナモフィックな1つの光学素子により構成してもよい。
入射光学系LAは、その光軸が回転多面鏡50の回転軸に垂直な面に対して副走査方向に傾いており、光源手段10から射出された光束を回転多面鏡50の回転軸に垂直な面に対して副走査方向に所定の角度(3°)で斜入射させている(副走査斜入射系)。
なお、図中において回転多面鏡50は、その偏向反射面51のみを図示している。
回転多面鏡50により反射偏向された光束は、第1fθレンズ61及び第2fθレンズ62から成る結像光学系60により被走査面70上に光スポットとして結像される。回転多面鏡50が図中矢印方向に回転することにより被走査面70上を光スポットが走査し、静電潜像を形成する。被走査面70としては、たとえば感光ドラム面等が挙げられる。
第2fθレンズ62と被走査面70の間には防塵ガラス80を有し、光走査装置内部に塵やトナー等が進入するのを防止している。
ここにおいて、結像光学系60は副走査断面内において、シリンドリカルレンズ30により偏向反射面51の近傍(偏向面近傍)に結像された結像位置(焦線位置)と被走査面70とを共役な関係とする、所謂倒れ補正光学系を構成する。
表1に本実施例1における光学系の諸特性を示す。ここで、「E−x」は「10−x」を示している。また特に表記していない係数については全て0である。
Figure 0005843500
結像光学系60を構成する第1fθレンズ61及び第2fθレンズ62の各レンズ面61a〜62bは母線形状が、各レンズ面と光軸との交点(レンズ面頂点)を原点とし、光軸方向をX軸、主走査断面内において光軸と直交する方向をY軸、副走査断面内において光軸と直交する方向をZ軸としたときに、
Figure 0005843500
で表わされる。Rは曲率半径、Kは離心率、B4〜B12は4次〜12次の母線の非球面係数である。
ここで、レーザ側(図の下側)と反レーザ側(図の上側)で係数が異なる場合は、レーザ側の係数には添字uを附し、反レーザ側の係数には添字lを附している。
第1fθレンズ61の両レンズ面61a及び61bと第2fθレンズ62のポリゴンミラー50側のレンズ面62aの子線形状は、
Figure 0005843500
で表される。子線の曲率半径r´は、主走査方向中央部における子線曲率半径rに対して主走査方向周辺部に向かい変化しており、D2〜D10は子線曲率半径の変化係数である。ここで、レーザ側(図の下側)と反レーザ側(図の上側)で係数が異なる場合は、レーザ側の係数には添字uを附し、反レーザ側の係数には添字lを附している。
次に第2fθレンズ62の被走査面70側のレンズ面(光学面)62bの子線形状は4次の項を含む非円弧形状(非球面形状)をしており、
Figure 0005843500
で表される。子線の曲率半径r´は、主走査方向中央部における子線曲率半径rに対して主走査方向周辺部に向かい変化しており、D2〜D10は子線曲率半径の変化係数である。ΣGjkYj、は4次、6次、…の子線の非球面係数である。子線の非球面係数は主走査方向に沿って変化しており、G0k〜G16kは各2k次の子線の非球面係数の変化係数である。表1に示した子線の非球面係数G0〜G6は、それぞれ、G0k〜G6kであって、添え字のk=2の場合(Zに対する4次の場合)の子線の非球面係数ΣGjkYj中のGjkの数値を示している。表1より明らかなように本実施例においては、4次以外の次数の非球面係数は0としているが、これに限らず6次以上の非球面係数を有限の値としても良い。
図2(a)に本実施例の副走査方向と光軸を含む面での要部断面図(副走査断面図)を示す。図2(b)は主走査方向中央におけるレンズ面62bの副走査断面図と主走査方向端部(図1において下側)におけるレンズ面62bの副走査断面図である。図中、子線頂点は母線と子線との交点のことをさす。図2(b)から分かるように子線の非円弧形状の原点は副走査方向に母線に対して偏芯しており、その副走査方向の偏芯量は主走査方向の位置によって異なっている。また、その偏芯量は主走査方向中央部から端部に向かって連続的に変化している(図2(c))。A0〜A16はその変化係数である。従って、子線の非円弧形状の原点は副走査方向に湾曲しており必ずしも母線上には存在しない。ここで、レーザ側(図の下側)と反レーザ側(図の上側)で係数が異なる場合は、レーザ側の係数には添字uを附し、反レーザ側の係数には添字lを附している。また、子線の曲率半径は各主走査位置においてY軸に垂直な断面内における曲率半径である。
また、本実施例において第2fθレンズ62は副走査方向に2.15mm偏芯して配置されている。
図3に本実施例において、偏向反射面51が加工誤差により副走査方向上向きに3′の面倒れが生じた場合の、面倒れによる走査線湾曲(ピッチムラ)を示す。図3において、破線は被走査面70上の主光線到達位置のずれ量、実線は被走査面70上のスポット重心位置のずれ量を示している。
図4に本実施例における副走査方向の像面湾曲を示す。図4において、「Slice-」は副走査方向のスポット径が90μmとなるマイナス側のデフォーカス位置、「Slice+」は副走査方向のスポット径が90μmとなるプラス側のデフォーカス位置、そして「Center」は「Slice-」と「Slice+」の中間のデフォーカス位置を示しており、「Center」が副走査方向の像面湾曲を表している。
以下、本実施例における設計上の波動光学的なピッチムラ低減手法について詳しく説明する。
比較例として特許文献1に開示されている実施例1の光走査装置を引用する。
特許文献1では偏向反射面51と被走査面70とを全像高で共役とすることで幾何光学的なピッチムラを低減しているため、主光線到達位置は面倒れが起きても全域にわたって0.3μm以下と良好に補正されている。しかし、副走査の像面湾曲を補正するために子線形状を非円弧形状とすることで、被走査面上のスポット重心位置が主光線到達位置に対してずれてしまうことまでは考慮されていない。したがって波動光学的なピッチムラが十分補正されず、ピッチムラが生じてしまっている。
これに対し、本実施例においては、偏向反射面51と被走査面70とを全像高で共役とはせずに幾何光学的なピッチムラを残存させている。図3において主光線到達位置がずれ、幾何光学的なピッチムラがPeak to Peakで1.7μm発生しているのはその為である。
この時、副走査方向下向きの面倒れによりレンズ面62b上での主光線到達位置は設計位置よりも副走査方向下方にシフトしている。従って、レンズ面62b上での設計上の主光線到達位置近傍を原点として子線形状を非円弧形状とすることで、面倒れが発生した時にはレンズ面62b上の光束は主光線を挟んで副走査方向上側の部分と下側の部分で非対称な屈折力を受けるようにし、面倒れが発生した時のスポット重心位置を補正し波動光学的なピッチムラを低減させている。また副走査斜入射系においてはレンズ面62b上の主光線到達位置の軌跡は副走査方向に湾曲しているため、子線非円弧形状の原点の母線に対する偏芯量を主走査方向に沿って変化させることで全像高において、子線の非円弧形状の原点を主光線到達位置近傍となるようにしている。また、像高ごとにスポット重心位置の補正量が異なるため、子線の非球面係数も主走査方向に沿って変化させている。これにより本実施例においては、加工誤差により偏向反射面51が副走査方向下向きに3′倒れ誤差が生じたときの面倒れによるスポット重心位置のずれ量を全像高で補正し、Peak to Peakで0.4μm以下という良好な性能を達成している。また副走査の像面湾曲も幾何光学的な像面湾曲を残存させておくことで、波動光学的な像面湾曲をPeak to Peakで0.60mm以下と良好な性能を同時に達成することに成功している。
本実施例においては、第2fθレンズ62の被走査面70側のレンズ面62bの子線形状を前述したように4次の非球面項を含む非円弧形状としていること、及び子線の非円弧形状の原点を母線に対して副走査方向に偏芯させていること、そしてその非球面係数と非円弧形状の原点の偏芯量をY座標に従って変化させていることに特徴がある。
図5に本実施例における子線の非円弧形状の原点位置と主光線通過位置を示す。
図5に示されているように子線の非円弧形状の原点を結んだ曲線は主光線通過位置の軌跡に沿った形状となっている。また同じY座標における子線の非円弧形状の原点と主光線通過位置との副走査方向のずれ量は最大で0.027mmであり、レンズ面62b上における副走査方向の光束幅2.2mmよりも小さくなっており、子線の非円弧形状の原点は有効領域内全域において光束内に収まっている。
加工誤差や組立誤差による偏向反射面51の倒れ誤差は副走査方向上向きに生じる場合と副走査方向下向きに生じる場合とがある。副走査方向上向きに倒れ誤差が生じた場合、レンズ面62b上での光束の通過位置は倒れ誤差がない場合に対して副走査方向上側にずれる。反対に副走査方向下向きに倒れ誤差が生じた場合、レンズ面62b上での光束の通過位置は倒れ誤差がない場合に対して副走査方向下側にずれる。
面倒れにより主光線到達位置がレンズ面上で上下にシフトした時に、主光線を挟んで副走査方向上側の部分と下側の部分で非対称な屈折力を受けるように、子線の非円弧形状の原点は有効領域内全域において光束内に収まっているのが良い。
図6に子線の4次の非球面係数の変化の様子を示す。図6から分かるように子線の4次の非球面係数は極値を持つように変化させている。また、その極値を示す主走査方向における位置は、主走査方向中央部(Y=0)を基準とすると、光源が配置されている側とは反対側の有効端の位置に対して0〜5割の間にある。即ち、その極値を示す主走査方向における主走査方向中央部(Y=0)からの位置Hは、光源が配置されている側とは反対側の有効端の位置Wに対して、0<H<0.5W、を満たす。
回転多面鏡の回転に伴う偏向面のサグ量は極値を持つため、図3において主光線到達位置のズレ量(幾何光学的なピッチムラ)も極値を持つ。そのため、スポット重心位置のずれを低減するために、本実施例においては、主走査方向中央部においては子線非円弧形状の原点から副走査方向に遠ざかるに従って副走査方向の局所的なパワーが大きくなるように、主走査方向周辺部においては子線非円弧形状の原点から副走査方向に遠ざかるに従って副走査方向の局所的なパワーが小さくなるように、子線の4次の非球面係数をY座標に従って変化させている。
図7(a)に主走査方向中央部(Y=0)での副走査方向の局所的なパワーの変化の様子を示す。
図7(a)において原点は、子線の非円弧形状の原点(母線から副走査方向に1.97mmの点)である。図7(a)に示したように主走査方向中央部においては子線の非円弧形状の原点から遠ざかるに従って副走査方向の局所的なパワーは大きくなっている。
図7(b)に主走査方向周辺部(Y=46.7、図1上側光路)での副走査方向の局所的なパワーの変化の様子を示す。
図7(b)において原点は、子線の非円弧形状の原点(母線から副走査方向に2.57mmの点)である。図7(b)に示したように主走査方向周辺部においては子線の非円弧形状の原点から遠ざかるに従って副走査方向の局所的なパワーは小さくなっている。
本実施例においては主走査方向中央部においては子線非円弧形状の原点から副走査方向に遠ざかるに従って副走査方向の局所的なパワーが大きくなるように、主走査方向周辺部においては子線非円弧形状の原点から副走査方向に遠ざかるに従って副走査方向の局所的なパワーが小さくなるように、子線の4次の非球面係数をY座標(主走査方向の位置)に従って変化させたが、変化の仕方はこれに限るものではない。
例えば、入射光学系からの光束を偏向面の幅よりも広い光束幅で入射させるオーバーフィルド型の走査光学系においては、偏向面が下向きに倒れた時には幾何光学的なピッチムラは本実施例とは逆向きに凸に発生する。この場合、スポット重心位置を補正するためには、主走査方向中央部においては子線非円弧形状の原点から副走査方向に遠ざかるに従って副走査方向の局所的なパワーが小さくなるように、主走査方向周辺部においては子線非円弧形状の原点から副走査方向に遠ざかるに従って副走査方向の局所的なパワーが大きくなるように、子線の4次の非球面係数をY座標(主走査方向の位置)に従って変化させる必要がある。
一般に回転多面鏡の回転に伴う偏向面のサグ量は極値を持つため、面倒れによるピッチムラも極値を持つ。従って、全像高において波動光学的なピッチムラを補正するためには子線の非球面係数は極値を持つように変化させるのが良い。
以上述べたように、レンズ面62bに子線の4次の非球面項を導入し、その非球面係数をY座標(主走査方向の位置)に従って変化させると共に、子線の非円弧形状の原点を副走査方向に偏芯させ、その偏芯量を子線の非円弧形状の原点が有効領域内全域において光束内に位置するようにY座標に従って変化させることで、副走査方向の像面湾曲を悪化させること無く、面倒れによるスポット重心位置のずれを低減させることに成功している。
これにより、スポット径のばらつきを悪化させること無く、スポット重心位置のずれによる波動光学的なピッチムラを0.4μm以下という微少量に抑えているため、一層高精細な画像形成が可能となる。
なお、本実施例では子線の非円弧形状として4次の非球面を導入したが、4次以上の偶数次の項であれば6次以上の項を加えても良い。また、6次以上の偶数次の非球面係数のみを有し、前記非球面係数は光学面の有効領域内において極値を有し、主走査方向中央部に対する、前記極値の主走査方向の位置Hが、主走査方向において光軸に対し光源が配置されている側とは反対側の光学面の有効端の位置Wに対して、0<H<0.5W、を満足するとともに、前記非球面係数は、光学面の有効域の中央と、主走査方向において光軸に対し光源が配置されている側または反対側の少なくとも一方の側の光学面の有効端と、で符号が反転するように構成することでも同様な効果を得ることが出来る。
本実施例においては、子線の非円弧形状の効果をより大きく得るために最もレンズ面上での副走査方向の光束幅が大きいレンズ面62bの子線形状を非円弧形状としたが、これに限るものではない。
また、本実施例では結像光学系60を2枚の結像光学素子より構成したが、これに限らず1枚以上の結像光学素子より構成しても良い。
本実施例では、光源手段10を1つの発光点を有する半導体レーザで構成したが、本発明はこれに限定されることはなく、2つ以上の発光点を有するモノリシックマルチレーザで構成しても良い。
図8は、本発明の第2の実施例の光走査装置の主走査方向と光軸を含む断面内の要部断面図(主走査断面図)である。
実施例2と実施例1とでは、結像光学系60を構成する第1fθレンズ61と第2fθレンズ62の各レンズ面61a〜62bの形状を表す式が異なっている。その他の構成に関しては、実施例1と同じである。
表2に実施例2における光学系の諸特性を示す。
Figure 0005843500
結像光学系60を構成する第1fθレンズ61の両レンズ面61a及び61bと第2fθレンズ62のポリゴンミラー50側のレンズ面62aの母線形状は、各レンズ面と光軸との交点(レンズ面頂点)を原点とし、光軸方向をX軸、主走査断面内において光軸と直交する方向をY軸、副走査断面内において光軸と直交する方向をZ軸としたときに、
Figure 0005843500
で表わされる。第2fθレンズ62の被走査面70側のレンズ面62bの母線形状は、
Figure 0005843500
で表される。Rは曲率半径、Kは離心率、B4〜B12は4次〜12次の母線の非球面係数である。実施例2が実施例1と異なる点は、ΣAiYiにより母線を副走査方向に湾曲させている点である(図9(c))。
ここで、レーザ側(図の下側)と反レーザ側(図の上側)で係数が異なる場合は、レーザ側の係数には添字uを附し、反レーザ側の係数には添字lを附している。
第1fθレンズ61の両レンズ面61a及び61bと第2fθレンズ62のポリゴンミラー50側のレンズ面62aの子線形状は、
Figure 0005843500
で表される。子線の曲率半径r´は、主走査方向中央部における子線曲率半径rに対して主走査方向周辺部に向かい変化しており、D2〜D10は子線曲率半径の変化係数である。ここで、レーザ側(図の下側)と反レーザ側(図の上側)で係数が異なる場合は、レーザ側の係数には添字uを附し、反レーザ側の係数には添字lを附している。
実施例1と異なる点は、子線の曲率半径は各主走査位置において母線に垂直な断面内における曲率半径である点である。
次に第2fθレンズ62の被走査面70側のレンズ面62bの子線形状は4次の項を含む非円弧形状(非球面形状)をしており、
Figure 0005843500
で表される。ここでZ´は各主走査方向の位置における母線からみた副走査方向の座標である。子線の曲率半径r´は、主走査方向中央部における子線曲率半径rに対して主走査方向周辺部に向かい変化しており、D2〜D10は子線曲率半径の変化係数である。ΣGjkYjは4次、6次、…の子線の非球面係数である。子線の非球面係数は主走査方向に沿って変化しており、G0k〜G16kは各2k次の子線の非球面係数の変化係数である。表2に示した子線の非球面係数G0〜G6は、それぞれ、G0k〜G6kであって、添え字のk=2の場合(Zに対する4次の場合)の子線の非球面係数ΣGjkYj中のGjkの数値を示している。表2より明らかなように本実施例においては、4次以外の次数の非球面係数は0としているが、これに限らず6次以上の非球面係数を有限の値としても良い。ここで、レーザ側(図の下側)と反レーザ側(図の上側)で係数が異なる場合は、レーザ側の係数には添字uを附し、反レーザ側の係数には添字lを附している。
子線の曲率半径は各主走査位置において母線に垂直な断面内における曲率半径である。
また、ΣFjYjからなる子線チルト変化項を有する。従って、レンズ面62bは主走査方向の各位置における子線のチルト量が異なる子線チルト変化面であり、かつ子線形状が非円弧形状となっている。
さらに、子線の非円弧形状の原点は常に母線上にある。実施例2では母線形状自体を副走査方向に湾曲させることで、子線の非円弧形状の原点を副走査方向に湾曲させている(図9(b)及び図9(c))。
図9(a)は本実施例の光走査装置の副走査方向の要部断面図である。図9(a)から分かるように本実施例において第2fθレンズ62は副走査方向に偏芯されて配置されており、偏芯量は4.074mmである。
図10に本実施例において、偏向反射面51が加工誤差により副走査方向上向きに3′の面倒れが生じた場合の、面倒れによる走査線湾曲(ピッチムラ)を示す。図10において、破線は被走査面70上の主光線到達位置のずれ量、実線は被走査面70上のスポット重心位置のずれ量を示している。
図11に本実施例における副走査方向の像面湾曲を示す。図11において、「Slice-」は副走査方向のスポット径が90μmとなるマイナス側のデフォーカス位置、「Slice+」は副走査方向のスポット径が90μmとなるプラス側のデフォーカス位置、そして「Center」は「Slice-」と「Slice+」の中間のデフォーカス位置を示しており、「Center」が副走査方向の像面湾曲を表している。
本実施例においては図10、図11から分かるように加工誤差により偏向反射面51が副走査方向下向きに3′倒れ誤差が生じたときの面倒れによるスポット重心位置のずれ量は、Peak to Peakで0.56μm以下という良好な性能を達成している。また副走査の像面湾曲もPeak to Peakで0.31mm以下と良好な性能を同時に達成することに成功している。
本実施例においては、第2fθレンズ62の被走査面70側のレンズ面62bの子線形状を前述したように4次の非球面項を含む非円弧形状としていること、及び母線を副走査方向に湾曲させることで子線の非円弧形状の原点を副走査方向に湾曲させていること、そしてその非球面係数をY座標に従って変化させていることに特徴がある。
図12に本実施例における子線の非円弧形状の原点位置と主光線通過位置を示す。実施例2においては、子線の非円弧形状の原点を結んだ曲線と湾曲させた母線とは一致している。
図12に示されているように子線の非円弧形状の原点を結んだ曲線は主光線通過位置の軌跡に沿った形状となっている。また同じY座標における子線の非円弧形状の原点と主光線通過位置との副走査方向のずれ量は最大で0.24mmであり、レンズ面62b上における副走査方向の光束幅2.2mmよりも小さくなっており、有効領域内全域において子線の非円弧形状の原点は光束内に位置している。
図13に子線の4次の非球面係数の変化の様子を示す。図13から分かるように子線の4次の非球面係数は極値を持つように変化させている。また、その極値を示す主走査方向における位置は、主走査方向中央部(Y=0)を基準とすると、光源が配置されている側とは反対側の有効端の位置に対して0〜5割の間にある。即ち、その極値を示す主走査方向における主走査方向中央部(Y=0)からの位置Hは、光源が配置されている側とは反対側の有効端の位置Wに対して、0<H<0.5W、を満たす。
以上述べたように、レンズ面62bに子線の4次の非球面項を導入し、その非球面係数をY座標に従って変化させると共に、有効領域内全域において子線の非円弧形状の原点が光束内に位置するようにすることで、副走査方向の像面湾曲を悪化させること無く、面倒れによるスポット重心位置のずれを低減させることに成功している。
これにより、スポット径のばらつきを悪化させること無く、スポット重心位置のずれによる波動光学的なピッチムラを0.56μm以下という微少量に抑えているため、一層高精細な画像形成が可能となる。
なお、本実施例では子線の非円弧形状として4次の非球面を導入したが、4次以上の偶数次の項であれば6次以上の項を加えても良い。また、6次以上の偶数次の非球面係数のみを有し、前記非球面係数は光学面の有効領域内において極値を有し、主走査方向中央部に対する、前記極値の主走査方向の位置Hが、主走査方向において光軸に対し光源が配置されている側とは反対側の光学面の有効端の位置Wに対して、0<H<0.5W、を満足するとともに、前記非球面係数は、光学面の有効域の中央と、主走査方向において光軸に対し光源が配置されている側または反対側の少なくとも一方の側の光学面の有効端と、で符号が反転するように構成することでも同様な効果を得ることが出来る。
本実施例においては、子線の非円弧形状の効果をより大きく得るために最もレンズ面上での副走査方向の光束幅が大きいレンズ面62bの子線形状を非円弧形状としたが、これに限るものではない。
また、本実施例では結像光学系60を2枚の結像光学素子より構成したが、これに限らず1枚以上の結像光学素子より構成しても良い。
図14は、本発明の第3の実施例の光走査装置の主走査方向と光軸を含む断面内の要部断面図(主走査断面図)である。
実施例3と実施例2とでは、結像光学系60を構成する第2fθレンズ62の各レンズ面61a〜62bの形状を表す式が異なっている。その他の構成に関しては、実施例2と同じである。
表3に実施例3における光学系の諸特性を示す。
Figure 0005843500
レンズ面61a〜62bの母線形状は、各レンズ面と光軸との交点(レンズ面頂点)を原点とし、光軸方向をX軸、主走査断面内において光軸と直交する方向をY軸、副走査断面内において光軸と直交する方向をZ軸としたときに、
Figure 0005843500
で表わされる。実施例2と異なる点は、レンズ面62bの母線を湾曲させていない点である。
ここで、レーザ側(図の下側)と反レーザ側(図の上側)で係数が異なる場合は、レーザ側の係数には添字uを附し、反レーザ側の係数には添字lを附している。
第1fθレンズ61の両レンズ面61a及び61bの子線形状は、
Figure 0005843500
で表される。子線の曲率半径r´は、主走査方向中央部における子線曲率半径rに対して主走査方向周辺部に向かい変化しており、D2〜D10は子線曲率半径の変化係数である。ここで、レーザ側(図の下側)と反レーザ側(図の上側)で係数が異なる場合は、レーザ側の係数には添字uを附し、反レーザ側の係数には添字lを附している。
次に第2fθレンズ62のレンズ面62a及び62bの子線形状は4次の項を含む非円弧形状(非球面形状)をしており、
Figure 0005843500
で表される。ここでZ´は各主走査方向の位置における母線からみた副走査方向の座標である。子線の曲率半径r´は、主走査方向中央部における子線曲率半径rに対して主走査方向周辺部に向かい変化しており、D2〜D10は子線曲率半径の変化係数である。ΣGjkYjは4次、6次、…の子線の非球面係数である。子線の非球面係数は主走査方向に沿って変化しており、G0k〜G16kは各2k次の子線の非球面係数の変化係数である。表3に示した子線の非球面係数G0〜G6は、それぞれ、G0k〜G6kであって、添え字のk=2の場合(Zに対する4次の場合)の子線の非球面係数ΣGjkYj中のGjkの数値を示している。表3より明らかなように本実施例においては、4次以外の次数の非球面係数は0としているが、これに限らず6次以上の非球面係数を有限の値としても良い。ここで、レーザ側(図の下側)と反レーザ側(図の上側)で係数が異なる場合は、レーザ側の係数には添字uを附し、反レーザ側の係数には添字lを附している。
レンズ面62bは主走査方向の各位置における子線のチルト量が異なる子線チルト変化面であり、かつ子線形状が非円弧形状となっている。
図15に本実施例において、偏向反射面51が加工誤差により副走査方向上向きに3′の面倒れが生じた場合の、面倒れによる走査線湾曲(ピッチムラ)を示す。図15において、破線は被走査面70上の主光線到達位置のずれ量、実線は被走査面70上のスポット重心位置のずれ量を示している。
図16に本実施例における副走査方向の像面湾曲を示す。図16において、「Slice-」は副走査方向のスポット径が90μmとなるマイナス側のデフォーカス位置、「Slice+」は副走査方向のスポット径が90μmとなるプラス側のデフォーカス位置、そして「Center」は「Slice-」と「Slice+」の中間のデフォーカス位置を示しており、「Center」が副走査方向の像面湾曲を表している。
本実施例においては図15、図16から分かるように加工誤差により偏向反射面51が副走査方向下向きに3’倒れ誤差が生じたときの面倒れによるスポット重心位置のずれ量は、Peak to Peakで 0.64μm以下という良好な性能を達成している。また副走査の像面湾曲もPeak to Peakで 0.50mm以下と良好な性能を同時に達成することに成功している。
本実施例においては、第2fθレンズ62の被走査面70側のレンズ面62bの子線形状を前述したように4次の非球面項を含む非円弧形状としており、その非球面係数をY座標に従って変化させている。また、母線を湾曲させなくとも子線の非円弧形状の原点が有効領域内全域において光束内に位置するように第2fθレンズ62を副走査方向に4.074mm偏芯させている。
図17に本実施例における子線の非円弧形状の原点位置と主光線通過位置を示す。
実施例3においては母線を湾曲させていないため子線の非円弧形状の原点は有効領域内全域においてZ=0の位置にある。同じY座標における子線の非円弧形状の原点と主光線通過位置との副走査方向のずれ量は最大で0.54mmであり、レンズ面62b上における副走査方向の光束幅2.2mmよりも小さくなっており、有効領域内全域において子線の非円弧形状の原点は光束内に位置している。
図18に子線の4次の非球面係数の変化の様子を示す。図18から分かるように子線の4次の非球面係数は極値を持つように変化させている。また、その極値を示す主走査方向における位置は、主走査方向中央部(Y=0)を基準とすると、光源が配置されている側とは反対側の有効端の位置に対して0〜5割の間にある。即ち、その極値を示す主走査方向における主走査方向中央部(Y=0)からの位置Hは、光源が配置されている側とは反対側の有効端の位置Wに対して、0<H<0.5W、を満たす。
以上述べたように、レンズ面62bに子線の4次の非球面項を導入し、その非球面係数をY座標に従って変化させると共に、有効領域内全域において子線の非円弧形状の原点が光束内に位置するようにすることで、副走査方向の像面湾曲を悪化させること無く、面倒れによるスポット重心位置のずれを低減させることに成功している。
なお、本実施例では子線の非円弧形状として4次の非球面を導入したが、4次以上の偶数次の項であれば6次以上の項を加えても良い。また、6次以上の偶数次の非球面係数のみを有し、前記非球面係数は光学面の有効領域内において極値を有し、主走査方向中央部に対する、前記極値の主走査方向の位置Hが、主走査方向において光軸に対し光源が配置されている側とは反対側の光学面の有効端の位置Wに対して、0<H<0.5W、を満足するとともに、前記非球面係数は、光学面の有効域の中央と、主走査方向において光軸に対し光源が配置されている側または反対側の少なくとも一方の側の光学面の有効端と、で符号が反転するように構成することでも同様な効果を得ることが出来る。
本実施例においては、子線の非円弧形状の効果をより大きく得るために最もレンズ面上での副走査方向の光束幅が大きいレンズ面62bの子線形状を非円弧形状としたが、これに限るものではない。
また、本実施例では結増光学系60を2枚の結像光学素子より構成したが、これに限らず1枚以上の結像光学素子より構成しても良い。
次に本発明の第4の実施例について説明する。実施例4が実施例1と異なる点は、4つの発光部を有するモノリシックマルチビームレーザを光源手段10として用いた点である。その他の構成及び光学的作用は実施例1と同様であり、これにより同様な効果を得ている。
面倒れによるスポット重心位置のずれをPeak to Peakで0.4μm以下と微小に抑えているため、発光部が増えてピッチムラの周期が大きくなっても高精細な画像形成が可能である。
次に本発明の第5の実施例について説明する。実施例5が実施例4と異なる点は、32個の二次元配列された発光部を有する面発光レーザを光源手段10として用いた点である。その他の構成及び光学的作用は実施例4と同様であり、これにより同様な効果を得ている。
面倒れによるスポット重心位置のずれをPeak to Peakで0.4μmと微小に抑えているため、発光部が増えてもピッチムラを低減することができ、より高速・高精細な画像形成が可能である。
[画像形成装置]
図19は、本発明の画像形成装置104の実施形態を示す副走査方向の要部断面図である。
画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117からコードデータDcが入力され、プリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。画像データDiは、実施形態1乃至4のいずれかに示した構成を有する光走査ユニット100に入力され、光走査ユニット100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム103が出射され、感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。静電潜像担持体たる感光ドラムは、モータ115によって時計廻りに回転し、その感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラムの上方で帯電ローラ102がその表面に当接し、感光ドラム表面を一様に帯電せしめ、帯電された感光ドラムの表面に、前記光走査ユニットによって走査される光ビームが照射され、静電潜像を形成する。
静電潜像は、光ビームの照射位置よりも下流側で感光ドラムに当接するように配設された現像器107によってトナー像として現像され、感光ドラムに対向するように配設された転写ローラ108によって、感光ドラムの前方の用紙カセット109内に収納されている被転写材たる用紙112上に転写される。用紙カセット端部には、給紙ローラ110が配設されており、用紙カセット内の用紙112を搬送路へ送り込む。
以上のようにして、未定着トナー像が転写された用紙112はさらに感光ドラム後方の定着器へと搬送される。定着器は内部に不図示の定着ヒータを有する定着ローラ113と、それに圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成され、転写部からの用紙112を両ローラ113、114の圧接部にて加圧及び加熱することにより未定着トナー像を定着する。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、用紙112を画像形成装置の外に排出する。
[カラー画像形成装置]
図20は本発明の実施態様のカラー画像形成装置の要部概略図である。
本実施形態は、複数(4個)の光走査装置を並べ各々並行して像担持体である感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。カラー画像形成装置360、実施例1乃至4のいずれかの構成を有する光走査装置311,312,313,314、各々像担持体としての感光ドラム341,342,343,344、現像器321,322,323,324、搬送ベルト351である。
カラー画像形成装置360には、パーソナルコンピュータ等の外部機器352からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が入力する。これらの色信号は、装置内のプリンタコントローラ353によって、C,M,Y、Bの画像データ(ドットデータ)に変換される。画像データは、それぞれ光走査装置に入力され、光走査装置から各画像データに応じて変調された光ビーム331,332,333,334が出射され、これらの光ビームによって感光ドラムの感光面が主走査方向に走査される。
本実施態様におけるカラー画像形成装置は光走査装置(311,312)、(313,314)を2個並べ、各々がC,M,Y、Bの各色に対応し、各々平行して感光ドラム面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
本実施態様におけるカラー画像形成装置は上述の如く4つの光走査装置により各々の画像データに基づいた光ビームを用いて各色の潜像を各々対応する感光ドラム面上に形成している。その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
前記外部機器352としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置360とで、カラーデジタル複写機が構成される。
10 半導体レーザ
20 コリメータレンズ
30 シリンドリカルレンズ
40 開口絞り
50 回転多面鏡
51 回転多面鏡の偏向反射面
60 結像光学系
61 1つめの結像レンズ(61a:入射面、61b:射出面)
62 2つめの結像レンズ(62a:入射面、62b:射出面)
70 感光ドラム面

Claims (12)

  1. 光源手段と、光源手段からの光束を偏向する偏向手段と、前記光源手段からの光束を前記偏向手段導く入射光学系と、前記偏向手段からの光束を被走査面上に集光する結像光学系と、を備える光走査装置であって
    前記入射光学系は、副走査断面内において前記光源手段からの光束を前記偏向手段斜入射させており
    前記結像光学系は、子線形状が非円弧形状であり、該非円弧形状の原点の副走査方向での位置が主走査方向において変化する光学面を含み、
    前記非円弧形状の原点は、有効領域全域において前記偏向手段からの光束の軌跡内に位置することを特徴とする光走査装置。
  2. 前記光学面の子線形状は、4次以上の偶数次の非球面係数を有する非円弧形状であることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記非球面係数は、主走査方向において変化する非球面係数を含むことを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  4. 記非球面係数は、前記有効領域内で極値を有するように主走査方向において変化する非球面係数を含むことを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
  5. 主走査方向において、前記結像光学系の光軸に対する前記極値の位置をH、前記光学面における前記光軸に対し前記光源手段とは反対側の有効端の位置をW、とするとき
    0<H<0.5W
    なる条件を満足することを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
  6. 前記球面係数は、主走査方向における前記有効領域の中央と少なくとも一方の有効端とで符号が反転する非球面係数を含むことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の光走査装置。
  7. 前記光学面は、前記非円弧形状の原点が有効領域の全域において前記偏向手段からの光束の軌跡内に位置するように偏芯していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置。
  8. 前記光源手段は、複数の発光点を有するモノリシックマルチレーザであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光走査装置。
  9. 前記光源手段は、面発光レーザであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光走査装置。
  10. 前記結像光学系は、副走査断面内において、前記偏向手段の偏向面近傍と前記被走査面とを共役な関係とする面倒れ補正光学系を構成していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光走査装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光走査装置と外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力するプリンタコントローラと、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  12. 求項1乃至10のいずれか1項に記載光走査装置と、光走査装置により前記被走査面上に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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