JP2001295846A - スラスト動圧軸受装置の製造方法 - Google Patents

スラスト動圧軸受装置の製造方法

Info

Publication number
JP2001295846A
JP2001295846A JP2000111580A JP2000111580A JP2001295846A JP 2001295846 A JP2001295846 A JP 2001295846A JP 2000111580 A JP2000111580 A JP 2000111580A JP 2000111580 A JP2000111580 A JP 2000111580A JP 2001295846 A JP2001295846 A JP 2001295846A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
thrust
counter plate
dynamic pressure
caulking portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000111580A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4382958B2 (ja
Inventor
Masahiro Kosakai
正浩 小酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Sankyo Corp filed Critical Nidec Sankyo Corp
Priority to JP2000111580A priority Critical patent/JP4382958B2/ja
Publication of JP2001295846A publication Critical patent/JP2001295846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4382958B2 publication Critical patent/JP4382958B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で、スラスト動圧軸受装置の品質
を向上させつつ生産性を高めることを可能とする。 【解決手段】 カシメ部13fの先端部分をカシメ押圧
力Fによって変形させた際に、カウンタープレート16
の半径方向分力Fxと軸方向分力Fyの各々による回転
モーメントMx,Myどうしが互いに等しくなって打ち
消し合うように、上記カシメ押圧力Fの押圧方向を釣合
方向に設定することによって、カウンタープレート16
に対する変形作用を実質的になくしてカウンタープレー
ト16に変形を生じさせることなく高精度な固定作業を
可能としたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の潤滑流体の
動圧力によって軸部材と軸受部材とをスラスト方向に相
対回転可能に支承させるようにしたスラスト動圧軸受装
置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク、ポリゴンミラー、
光ディスク等の各種回転体を高速回転支持するための動
圧軸受装置に関する提案が種々行われている。この動圧
軸受装置のスラスト軸受部においては、例えば図9に示
されているように、軸部材1に嵌着・固定されたスラス
トプレート2の軸方向両側の各動圧面に対して、スラス
ト軸受部材を構成する軸受スリーブ3の動圧面と、この
軸受スリーブ3に固定されたカウンタープレート4の動
圧面とが、軸方向に近接するようにして対向配置されて
おり、これらスラストプレート2側の両動圧面と、軸受
スリーブ3及びカウンタープレート4の各動圧面との間
に形成された狭小隙間内には、空気やオイル等の潤滑流
体が注入されている。さらに、上記両対向動圧面のうち
の少なくとも一方側には、図示を省略した動圧発生用溝
等の流体加圧手段が形成されており、回転時における上
記流体加圧手段のポンピング作用によって潤滑流体が加
圧され、それにより生じた潤滑流体の動圧によって、前
記軸部材1及びスラスト軸受部材3,4の両部材どうし
が、相対的に浮上した状態でスラスト方向の回転支持が
行われるようになっている。
【0003】このようなスラスト動圧軸受装置に用いら
れている前記カウンタープレート4は、例えば、上述し
た軸受部材としての軸受スリーブ3の開口端部分に円筒
状に設けられたプレート嵌合部3aの内方側に挿入され
ている。上記プレート嵌合部3aの内周壁面からは、半
径方向中心側に向かってプレート支持面3bが段差状に
突出するように形成されており、そのプレート支持面3
bに対して、上記カウンタープレート4の外周部分が軸
方向に当接させられることによって軸方向の位置決めが
行われている。そして、このカウンタープレート4を最
終的に固定する手段としては、上記プレート嵌合部の先
端部分に設けられたカシメ部や、図示を省略したネジ手
段等が用いられ、上記カウンタープレート4の軸方向外
側面(図9の下側面)の外周側が、上記各固定手段の押
圧・加圧力によって固定されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような動圧軸受装
置では、スラスト動圧軸受部を構成しているスラストプ
レート2とカウンタープレート4との間の隙間寸法が、
良好な軸受特性を得る上で極めて重要な要素となってい
る。例えば、前述したカウンタープレート4の固定作業
におけるカシメやネジ等の押圧・加圧力によって、カウ
ンタープレート4にサブミクロン程度の変形が生じるだ
けで、スラスト動圧軸受部の動圧特性に変動を来してし
まい、製品としての機能が損なわれて、不良品となるこ
とがある。つまり、上述したカウンタープレート4の固
定作業を、どのようにして行うかが、特に量産を行う上
で非常に重大な問題となっている。
【0005】そこで本発明は、簡易な構成で、カウンタ
ープレートを変形させることなく高精度に固定させるこ
とができるようにしたスラスト動圧軸受装置の製造方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載のスラスト動圧軸受装置の製造方法で
は、軸受部材の開口端部分の内周壁面から半径方向内方
に段差状に突出するようにしてプレート支持面を形成す
るとともに、そのプレート支持面から軸方向外方に向か
って延出する円筒状部分をプレート嵌合部としておき、
上記軸受部材におけるプレート嵌合部の内方側にカウン
タープレートを挿入し、前記プレート支持面に対して上
記カウンタープレートを当接させることによって該カウ
ンタープレートを軸方向に位置決めした後、前記プレー
ト嵌合部の軸方向先端部分をカシメ部として、該カシメ
部をカウンタープレート側に向かって押圧変形させ、そ
のカシメ部の変形加圧力によって上記カウンタープレー
トを固定する工程を有し、上記軸受部材側に固定したカ
ウンタープレートと、軸部材側に固定したスラストプレ
ートとを、相対回転可能な状態で軸方向に近接させて対
向配置し、これらカウンタープレート及びスラストプレ
ートの少なくとも一方側に設けた動圧発生手段によっ
て、これら両部材どうしの近接対向隙間内の潤滑流体
に、前記軸部材及び軸受部材の相対回転によって動圧を
発生させ、その潤滑流体に発生した動圧によって前記軸
部材と軸受部材とを軸方向に相対浮上させながらスラス
ト方向に支承するようにしたスラスト動圧軸受装置の製
造方法において、上記軸受部材に対してカウンタープレ
ートを固定する工程を行うにあたって、前記軸受部材に
設けたプレート支持面の一部に、円周方向又は接線方向
に延在する逃溝を凹設しておき、前記カシメ部の押圧変
形の方向を、上記カウンタープレートの軸方向外側表面
が前記プレート嵌合部の内周壁面に接触する位置から、
前記逃溝の半径方向内側の縁部に向かう釣合方向に設定
し、当該カシメ部の押圧変形時に上記カウンタープレー
トに対して付加されるモーメントを相殺するようにして
上記カウンタープレートの固定を行うようにしている。
【0007】また、請求項2記載のスラスト動圧軸受装
置の製造方法では、上記請求項1記載の軸受部材におけ
るカシメ部の外周面を、プレート嵌合部の外周面より半
径方向内方側に窪ませて段部を形成し、その段部の半径
方向内方側に上記カシメ部を配置するようにしている。
【0008】さらに、請求項3記載のスラスト動圧軸受
装置の製造方法では、前記請求項1記載のプレート支持
面を、逃溝の半径方向内方側及び外方側にそれぞれ延出
するように形成する。
【0009】さらにまた、請求項4記載のスラスト動圧
軸受装置の製造方法では、前記請求項1記載のカシメ部
の外周面を、当該カシメ部の外径が軸方向外方側に向か
って連続的に縮小する傾斜面に形成する。
【0010】また、請求項5記載のスラスト動圧軸受装
置の製造方法では、前記請求項4記載のカシメ部の外周
側傾斜面によって、当該カシメ部の軸方向先端部分を断
面尖塔状に形成する。
【0011】さらに、請求項6記載のスラスト動圧軸受
装置の製造方法では、前記請求項1記載のカシメ部の内
周壁面を、スラストプレートの外周面から半径方向外方
側に離間するように形成する。
【0012】さらにまた、請求項7記載のスラスト動圧
軸受装置の製造方法では、前記請求項1記載のカシメ部
を、前記カウンタープレートの軸方向外側表面から外方
向側に向かって突出する部分の全長により形成する。
【0013】また、請求項8記載のスラスト動圧軸受装
置の製造方法では、前記請求項1記載のカシメ部を、前
記カウンタープレートの厚さ方向の途中位置から軸方向
外方向側に向かって突出する部分により形成する。
【0014】さらに、請求項9記載のスラスト動圧軸受
装置の製造方法では、前記請求項1記載のプレート嵌合
部における前記カシメ部との接続部分を、半径方向に薄
肉となるように形成する。
【0015】このような構成を有する請求項1記載の発
明によれば、カシメ部の先端部分を釣合方向に押圧して
変形させることによって、当該カシメ押圧力Fの半径方
向分力Fx及び軸方向分力Fyの各々による変形支点P
1に関する反対方向の回転モーメントMx,Myどうし
が、互いに等しくなって打ち消し合うこととなり、その
結果、カウンタープレートに対する変形作用が実質的に
なくなって、カウンタープレートは、ほとんど変形を生
じることなく高精度に固定されるようになっている。
【0016】このとき、請求項2記載の発明のように、
カシメ部の外周面を段差状に窪ませて薄肉状に形成して
おけば、カシメ部の変形が容易に効率的に行われること
となることから、生産性の向上が図られる。
【0017】また、請求項3記載の発明のように、逃溝
の半径方向外方部分にもプレート支持面を設けておけ
ば、カシメ固定が行われるカウンタープレートの外周部
分がより強固に支持されることとなって、カウンタープ
レートの変形は一層確実に防止される。
【0018】さらに、請求項4記載の発明のように、カ
シメ部の外周面を傾斜面に形成して当該カシメ部の先端
側を薄肉状に形成しておけば、カシメ部の変形が容易に
効率的に行われることとなることから、生産性の向上が
図られる。
【0019】このとき、特に請求項5記載の発明のよう
に、カシメ部を尖塔形状に形成することによって先端側
を極薄肉状に形成しておけば、カシメ部の変形が更に容
易に効率的に行われることとなることから、生産性の向
上が一層図られる。
【0020】また、請求項6記載の発明のように、カシ
メ部をスラストプレートから離しておいても、カシメ部
の変形が容易に行われることとなり、生産性の向上が図
られる。
【0021】さらに、請求項7記載の発明のように、カ
ウンタープレートの厚さ方向の外側表面から外方向側に
向かって突出する部分の全長をカシメ部としておけば、
カシメ部の長いスパンを利用して強固な固定力が得られ
る。
【0022】一方、請求項8記載の発明のように、カウ
ンタープレートの厚さ方向の途中位置から外方向側に向
かって突出部分をカシメ部としておけば、カシメ部の途
中位置をカウンタープレート側に当接させることとなる
ため、その当接点の位置が確認し易くなり、押圧方向を
精度良く設定することが可能となる。
【0023】また、請求項9記載の発明のように、カシ
メ部の根本部分に相当するプレート嵌合部を薄肉状に形
成しておけば、カシメ部の変形作用がプレート嵌合部の
薄肉部分において吸収されることとなるため、プレート
嵌合部の本体部分に対する変形作用が大幅に低減され
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、それに先立って、本発明を適用するハー
ドディスク駆動装置(HDD)の全体構造を図面に基づ
いて説明しておく。
【0025】図8に示されている軸回転のHDDスピン
ドルモータの全体は、固定部材としてのステータ組10
と、そのステータ組10に対して図示上側から組み付け
られた回転部材としてのロータ組20とから構成されて
いる。このうちステータ組10は、図示を省略した固定
基台側にネジ止めされる固定フレーム11を有してい
る。この固定フレーム11は、軽量化を図るためにアル
ミ系金属材料から形成されているが、当該固定フレーム
11の略中央部分に立設するようにして形成された環状
の軸受ホルダー12の内周側には、中空円筒状に形成さ
れた固定軸受部材としての軸受スリーブ13が、圧入又
は焼嵌めによって上記軸受ホルダー12に接合されてい
る。この軸受スリーブ13は、小径の孔加工等を容易化
するためにリン青銅などの銅系材料から形成されてい
る。
【0026】また、前記軸受ホルダー12の外周取付面
には、電磁鋼板の積層体からなるステータコア14が嵌
着されている。このステータコア14に設けられた各突
極部には、駆動コイル15がそれぞれ巻回されている。
【0027】さらに、上記軸受スリーブ13に設けられ
た中心孔内には、上述したロータ組20を構成する回転
軸21が回転自在に挿入されている。すなわち、上記軸
受スリーブ13の内周壁部に形成された動圧面は、上記
回転軸21の外周面に形成された動圧面に対して半径方
向に対向するように配置されており、その微小隙間部分
にラジアル動圧軸受部RBが構成されている。より詳細
には、上記ラジアル動圧軸受部RBにおける軸受スリー
ブ13側の動圧面と、回転軸21側の動圧面とは、数μ
mの微少隙間を介して周状に対向配置されており、その
微少隙間からなる軸受空間内に、オイルや磁性流体やエ
アー等の潤滑流体が軸方向に連続するように注入又は介
在されている。
【0028】さらに、上記軸受スリーブ13及び回転軸
21の両動圧面の少なくとも一方側には、図示を省略し
た例えばへリングボーン形状のラジアル動圧発生用溝
が、軸方向に2ブロックに分けられて環状に凹設されて
おり、回転時に、当該ラジアル動圧発生用溝のポンピン
グ作用により潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤
滑流体の動圧によって、上記回転軸21とともに後述す
る回転ハブ22がラジアル方向に、上記軸受スリーブ1
3に対して非接触状態で軸支持される構成になされてい
る。
【0029】また、上記各ラジアル動圧軸受部RBを構
成している軸受空間の図示上端部分に、毛細管シール部
RSが配置されている。この毛細管シール部RSは、上
記回転軸21又は軸受スリーブ13側に形成された傾斜
面によって、隙間を軸受外方側に向かって徐々に拡大し
たものであって、例えば20μmから300μmに設定
されている。この毛細管シール部RSには、モータの回
転・停止のいずれの場合にも上記潤滑流体の液面が位置
するように構成されている。
【0030】さらに、上記回転軸21とともにロータ組
20を構成している回転ハブ22は、図示を省略した磁
気ディスク等の記録媒体を搭載するように、アルミ系金
属からなる略カップ状部材からなり、当該回転ハブ22
の中心部分に設けられた接合穴22dが、上記回転軸2
1の図示上端部分に対して、圧入又は焼嵌めによって一
体的に接合されている。
【0031】上記回転ハブ22は、記録媒体ディスクを
外周部に搭載する略円筒状の胴部22aを有していると
ともに、この胴部22aの図示下側の内周壁面側に、バ
ックヨーク22bを介して環状駆動マグネット22cが
取り付けられている。この環状駆動マグネット22c
は、前述したステータコア14の外周側端面に対して環
状に対向するように近接配置されている。
【0032】一方、前記回転軸21の図示下端側の先端
部分には、円盤状のスラストプレート23が固着されて
いる。このスラストプレート23は、上述した軸受スリ
ーブ13の図示下端側の中心部分に凹設された円筒状の
窪み部内に収容されるようにして配置されていて、その
軸受スリーブ13の窪み部内において、上記スラストプ
レート23の図示上側面に設けられた動圧面が、軸受ス
リーブ13に設けられた動圧面に対して、軸方向に近接
するように対向配置されている。そして、その両対向動
圧面のうち少なくとも一方側には、通常のようにして動
圧発生溝が形成されていて、それらスラストプレート2
3及び軸受スリーブ13の両動圧面どうしの対向隙間部
分に、上側のスラスト動圧軸受部SBaが形成されてい
る。
【0033】さらにまた、上記スラストプレート23の
図示下側の動圧面に近接するようにして、比較的大径の
円盤状部材からなるカウンタープレート16が配置され
ている。このカウンタープレート16は、上記軸受スリ
ーブ13の下端側開口部分を閉塞するように固着されて
おり、当該カウンタープレート16の図示上面側に設け
られた動圧面と、上述したスラストプレート23の図示
下側の動圧面との間の近接対向隙間部分にも、通常のよ
うに動圧発生溝が形成されていることによって、下側の
スラスト動圧軸受部SBbが形成されている。
【0034】上述したように軸方向に隣接して配置され
た一組のスラスト動圧軸受部SBa,SBbを構成して
いるスラストプレート23側の両動圧面と、それに近接
対向する軸受スリーブ13及びカウンタープレート16
側の両動圧面とは、それぞれ数μmの微少隙間を介して
軸方向に対向配置されているとともに、その微少隙間か
らなる軸受空間内に、オイルや磁性流体やエアー等の潤
滑流体が、前記スラストプレート23の外周側通路を介
して軸方向に連続するように注入又は介在されて設けら
れている。
【0035】さらに、上記スラストプレート23の動圧
面と、軸受スリーブ13及びカウンタープレート16の
動圧面との少なくとも一方側には、図示を省略したへリ
ングボーン形状のスラスト動圧発生用溝が、例えば半径
方向に2ブロックに分けられて環状に凹設されており、
回転時に、当該スラスト動圧発生用溝のポンピング作用
により潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体
の動圧によって、上述した回転軸21及び回転ハブ22
が、スラスト方向に浮上した非接触の状態で軸支持され
るように構成されている。
【0036】次に、上述した軸受スリーブ13に対し
て、カウンタープレート16を固定する工程に対して、
本発明を適用した実施形態について説明する。まず、図
1では、上述した図8と上下を逆にして示されている
が、本図のように、軸受部材としての軸受スリーブ13
の開口端部分は、略円筒状のプレート嵌合部13aに形
成されていて、そのプレート嵌合部13aの半径方向内
側部分に、上記カウンタープレート16の外周径とほぼ
同径のプレート挿入孔が画成されている。また、上記プ
レート嵌合部13aの軸方向奥側(図1下側)部分に
は、当該プレート嵌合部13aの内周壁面13bから半
径方向中心側に向かって段差状に突出するプレート支持
面13dが設けられている。
【0037】そして、上記プレート嵌合部13aの挿入
孔を通して軸受スリーブ13内にカウンタープレート1
6が装着されることとなるが、そのカウンタープレート
16は、当該カウンタープレート16の外周面が、上記
プレート嵌合部13aの内周壁面13bに接触すること
によって径方向に位置決めされながら挿入されるととも
に、上記カウンタープレート16の奥側端面(図示下端
面)が、上述したプレート支持面13dに対して軸方向
に当接することによって軸方向に位置決めされるように
なっている。
【0038】また、上記プレート支持面13dにおける
最外周部分に相当する一部分には、円周方向に延在する
逃溝13eが、横断面略円弧状をなすようにして凹設さ
れている。この逃溝13e内には、上記カウンタープレ
ート16を固定するための接着剤が適宜に注入される。
【0039】このとき、上記プレート嵌合部13aは、
プレート支持面13dから軸方向外方向(図1中の上方
向)側に向かって突出するように形成されているが、こ
のプレート嵌合部13aの高さh、すなわち上記プレー
ト支持面13dから先端部までの軸方向長さhは、上記
カウンタープレート16の厚さtよりもやや長く形成さ
れており、上記カウンタープレート16の厚さ方向にお
ける外側表面(図1中の上側表面)16aから軸方向外
方向(図1中の上方向)側に突出している当該プレート
嵌合部13aの先端部分13fは、上記カウンタープレ
ート16を固定するためのカシメ部になされている。
【0040】また、上記軸受スリーブ13におけるカシ
メ部13fの軸方向全長と、このカシメ部13fに連続
するプレート嵌合部13aの一部にかけては、外周面側
から切り欠くようにして段部13gが形成されており、
その段部13gが設けられている分だけ、上記カシメ部
13fは薄肉状に形成されている。これは、当該薄肉状
のカシメ部13fによって、カシメ固定時における押圧
変形が容易に行い得るようにするためのものである。
【0041】そして、上記カウンタープレート16を軸
受部材としての軸受スリーブ13に固定するにあたって
は、前述したように、まず、上記プレート嵌合部13a
の内周壁面13bに対してカウンタープレート16の外
周面を接触させるようにして、当該カウンタープレート
16を上記プレート嵌合部13aの内側に挿入してい
き、上記カウンタープレート16の外周部分をプレート
支持面13dに軸方向に当接させる。その後、前記プレ
ート嵌合部13aの先端部分のカシメ部13fを、図示
を省略したカシメ治具を用いてカウンタープレート16
側に向かって押圧することによって、図2のようにカシ
メ変形させ、それにより得られる上記カシメ部13fの
変形加圧力によって、上記カウンタープレート16の外
周部分を固定する。
【0042】このような軸受スリーブ13に対してカウ
ンタープレート16をカシメ固定する工程に際して、上
記カシメ部13fの変形を行わせる押圧方向を、以下の
ような釣合方向に設定している。すなわち、この釣合方
向は、前記カウンタープレート16の軸方向外表面(図
1の上面)16aが、上述したプレート嵌合部13aの
内周壁面13bに当接する位置P1と、前記プレート支
持面13dに設けられた逃溝13eの両対向縁部のうち
の内周側の縁部に相当する位置P2とを結ぶ方向であっ
て、上記位置P1から位置P2に向かう方向にカシメ部
13fを押圧することによって、前記カウンタープレー
ト16をカシメ固定すれば、上記カウンタープレート1
6に付加されるカシメ押圧力Fによる変形が、以下のよ
うに防止される。
【0043】まず、上記カシメ部13fの変形は、上述
した図2から特に明らかなように、前記位置P1、すな
わちカウンタープレート16の軸方向外表面(図1の上
面)16aがプレート嵌合部13aの内周壁面13bに
当接する位置P1を支点として行われるが、その変形支
点P1に関して、前記カウンタープレート16に付加さ
れるカシメ押圧力Fを、半径方向と軸方向に分解してみ
ると、図3のようになる。
【0044】つまり、前記カウンタープレート16に付
加されるカシメ押圧力Fは、半径方向分力Fxと、軸方
向分力Fyとに分解されるが、カシメ押圧力Fが軸方向
となす角度をθとすると、 Fx=Fsinθ Fy=Fcosθ となる。そして、これらの各分力Fx,Fyによってカ
ウンタープレート16に加えられるモーメントMx,M
yは、カウンタープレート16の厚さt、及び逃溝13
eの溝幅bを用いて表すと、 Mx=Fx・t(図3右側領域において左回モーメン
ト) My=Fx・b(図3右側領域において右回モーメン
ト) となる。そして、これらの両モーメントMx,Myが等
しくなるときに、上記左右のモーメントMx,Myどう
しが打ち消し合って、カウンタープレート16に歪みが
生じなくなることとなる。
【0045】そこで、Mx=Myとおくと、Fx・t=
Fx・bであるから、 t・Fsinθ=b・Fcosθ となるから、これを変形して、 Fsinθ/Fcosθ=b/t となる。すなわち、 tanθ=b/t が成り立つ方向、つまり、上述した釣合方向にカシメ押
圧方向を設定しておくことによってMx=Myとなり、
カウンタープレート16に対するカシメ変形が防止され
る。
【0046】一方、上述したように、カシメ部13fの
肉厚は、薄肉状になされているが、そのカシメ部13f
の肉厚は、上述したカシメ押圧力Fに耐えうる厚さを限
度として設定されている。具体的には、上記カシメ押圧
力Fがカシメ部13fに対して作用する面積をSとした
とき、その単位面積当たりのカシメ応力σ1 は、 σ1 =F/S となる。
【0047】このとき、図3に示されているように、上
記カウンタープレート16及びカシメ部13fの各外径
を、それぞれd1 及びd2 とすると、上述したカシメ押
圧力Fがカシメ部13fに対して作用する面積Sは、 S=π{(d2/2)−(d1/2)} である。
【0048】ここで、上記カシメ応力σ1 は、材料の最
大弾性限度応力σ2 を越えないように、 σ1 <σ2 に設定する必要がある。これに上式を代入すると、 d2 >4[{F/(π・σ2)}+(d1/2)] となる。従って、本実施形態では、上記カシメ部13f
の外径d2 が、上式を満足するように設定されている。
【0049】このように、本実施形態にかかる製造方法
によれば、カシメ部13fの先端部分を釣合方向に押圧
して変形させた際に、そのカシメ部13fの変形の支点
P1、すなわちカウンタープレート16の厚さ方向の外
側表面16aがプレート嵌合部13aの内周壁面13b
に当接する点P1に関して、上記カシメ押圧力Fの半径
方向分力Fx及び軸方向分力Fyは、回転モーメントM
x,Myをそれぞれ発生させることとなるが、これらの
両回転モーメントMx,Myどうしが、互いに等しくな
って打ち消し合うように設定されていることから、上記
カウンタープレート16に対する変形作用は実質的にな
くなり、その結果、カウンタープレート16にほとんど
変形を生じることなく高精度な固定作業が行われるよう
になっている。
【0050】また、本実施形態では、カシメ部13fの
外周面を段差状に窪ませて薄肉状に形成して、当該カシ
メ部13fの変形が容易に行われるようにしているの
で、カシメ固定の工程を短時間で効率的に行うことが可
能となっており、生産性の向上が図られる。加えて、上
記段差を設けることによって、軸受スリーブ13の外周
部の変形が確実に防止されることとなることから、その
軸受スリーブ13の外周部を、前述した軸受ホルダー1
2に対して圧入等を用いて接合することが可能となる。
【0051】さらに、本実施形態におけるカシメ部13
fは、カウンタープレート16の厚さ方向の外側表面1
6aから軸方向外方向側に向かって突出する全長部分か
ら構成されているので、このカシメ部13fの長いスパ
ンを利用して強固な固定力が得られるようになってい
る。
【0052】一方、図4に示されている実施形態は、軸
受スリーブ13のプレート支持面13dの半径方向ほぼ
中央部分に逃溝13eを設けたものであって、その逃溝
13eよりも半径方向外方部分にプレート支持面13
d’を延設している。このように、逃溝13eの半径方
向外方側にプレート支持面13d’を設けておけば、そ
のプレート支持面13d’上に、前記カウンタープレー
ト16のカシメ固定される外周部分が支持されることと
なるが、上記プレート支持面13d’は、カシメ時に
は、ウンタープレート16を介して押し下げられるよう
に変形される一方、カシメ終了時には、カシメ押圧力F
が前述したθ方向に作用するため、いずれにしても上記
ウンタープレート16に歪みを生じることはない。
【0053】さらに、図5中の(a),(b)及び
(c)は、カシメ部13fの外周面を傾斜面13f1に
形成して、当該カシメ部13fの先端側を薄肉状に形成
し、それによって、カシメ部13fの変形を容易化した
ものである。このような実施形態によれば、カシメ固定
の変形工程を更に短時間で行うことが可能となり、生産
性の向上が図られることとなる。
【0054】このとき、上記カシメ部13fの外周傾斜
面13f1は、(a)のように段差を有する切欠形状に
してもよいし、(b),(c)のように段差を設けない
で形成するようにしてもよい。特に、同図中の(c)
は、カシメ部13fを尖塔形状に形成して先端側を極薄
肉状に形成したものであり、このような構成を採用する
ことによって、カシメ部13fの変形が一層容易に行わ
れる。
【0055】さらにまた、図6中の(a),(b)及び
(c)は、カシメ部13fをスラストプレート16から
離して配置するとともに、カウンタープレート16の厚
さ方向の途中位置から軸方向外方向側に向かって突出部
分をカシメ部13fとしたものである。このような実施
形態を採用した場合も、カシメ部13fの変形が容易に
行われることによってカシメ固定の変形工程を短時間で
行うことが可能となるとともに、カシメ部13fの途中
位置をカウンタープレート側に当接させることとなるこ
とから、その当接点の位置が確認し易くなって、カシメ
押圧方向を精度良く調整することが可能となる。
【0056】このとき、上記カシメ部13fの外周傾斜
面13f1は、(a)のように段差を有する切欠形状に
してもよいし、(b),(c)のように段差を設けない
で形成するようにしてもよい。特に、同図中の(c)
は、カシメ部13fを尖塔形状に形成して先端側を極薄
肉状に形成することによって、カシメ部13fの変形が
一層容易に行われるようにしたものである。
【0057】さらにまた、図7中の(a),(b)及び
(c)は、カシメ部13fの根本部分から連続するプレ
ート嵌合部13aの一部分を、外周側から切り欠くよう
にして薄肉状に形成したものであって、カシメ部13f
の変形作用を、上記プレート嵌合部13aの薄肉部分に
吸収させることにより、プレート嵌合部13aの本体部
分の変形を確実に防止するようにしたものである。
【0058】このときの外周側からの切欠部分は、
(a),(c)のような段差形状にしてもよいし、
(b)のような斜面形状にしてもよい。また特に、同図
中の(c)は、カシメ部13fを尖塔形状に形成して先
端側を極薄肉状に形成したことによって、カシメ部13
fの変形が一層容易に行われるようにしたものである。
【0059】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を異体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
程々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0060】例えば、上述した実施形態における逃溝1
3eは、全周にわたって円周方向に延在するように設け
ているが、短い長さで接線方向に延びるようにして、全
周の一部分に形成することも可能である。
【0061】例えば、本発明は、上述した実施形態のよ
うなHDD用モータ以外に用いられる動圧軸受装置、例
えば、ポリゴンミラー駆動用モータやCD−ROM駆動
用モータに用いられる動圧軸受装置に対しても同様に適
用することができる。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の発明
は、カシメ部の先端部分を釣合方向に押圧変形させるこ
とによって、カウンタープレートに対する半径方向分力
と軸方向分力の各々による回転モーメントどうしを互い
に等しくして打ち消し合うように設定し、カウンタープ
レートに対する変形作用を実質的になくしてカウンター
プレートに変形を生じさせることなく高精度な固定作業
を効率的に行い得るようにしたものであるから、簡易な
構成で、スラスト動圧軸受装置の動圧特性及び品質を向
上させつつ、生産性を高めることができる。
【0063】また、請求項2記載の発明は、上記請求項
1記載の発明に加えて、カシメ部の外周面を段差状に窪
ませて薄肉状に形成し、カシメ部の変形を容易化して生
産性の向上を図るようにしたものであるから、上述した
請求項1記載の発明にかかる効果を更に向上させること
ができる。
【0064】さらに、請求項3記載の発明は、上記請求
項1記載の発明に加えて、逃溝の半径方向外方部分にプ
レート支持面を設けて、カウンタープレートのカシメ固
定部に相当する外周部分をより強固に支持し、カウンタ
ープレートの変形を一層確実に防止するようにしたもの
であるから、上述した請求項1記載の発明にかかる効果
を一層高めることができる。
【0065】さらにまた、請求項4記載の発明は、上記
請求項1記載の発明に加えて、カシメ部の外周面を傾斜
面に形成して先端側を薄肉状に形成し、カシメ部の変形
が容易に行われるように構成したものであるから、特に
生産性の向上を図ることが可能となり、上述した請求項
1記載の発明にかかる効果を更に向上させることができ
る。
【0066】また、請求項5記載の発明は、上記請求項
1記載の発明に加えて、カシメ部を尖塔形状に形成して
先端側を極薄肉状に形成し、カシメ部の変形がより容易
に行われるように構成したものであるから、特に生産性
の向上を更に図ることが可能となり、上述した請求項1
記載の発明にかかる効果を大幅に向上させることができ
る。
【0067】さらに、請求項6記載の発明は、上記請求
項1記載の発明に加えて、カシメ部をスラストプレート
から離して、カシメ部の変形が容易に行われるように構
成したものであるから、特に生産性の向上を更に図るこ
とが可能となり、上述した請求項1記載の発明にかかる
効果を更に向上させることができる。
【0068】さらにまた、請求項7記載の発明は、上記
請求項1記載の発明に加えて、カウンタープレートの厚
さ方向の外側表面から外方向側に向かって突出する部分
をカシメ部とし、カシメ部の全長を利用して強固な固定
力が得られるように構成したものであるから、上述した
請求項1記載の発明にかかる効果を一層確実に得ること
ができる。
【0069】また、請求項8記載の発明は、上記請求項
1記載の発明に加えて、カウンタープレートの厚さ方向
の途中位置から外方向側に向かって突出部分をカシメ部
として、カシメ部の途中位置をカウンタープレート側に
当接させ、その当接点の位置を確認し易くして加圧方向
を精度良く調整することを可能としたものであるから、
上述した請求項1記載の発明にかかる効果を更に一層確
実に得ることができる。
【0070】さらに、請求項9記載の発明は、上記請求
項1記載の発明に加えて、カシメ部の根本部分に相当す
る嵌合部を薄肉状に形成して、カシメ部の変形作用を嵌
合部の薄肉部分において吸収させ、嵌合部の本体部分の
変形が確実に防止されるようにしたものであるから、上
述した請求項1記載の発明にかかる効果を更に一層確実
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態により製造したスラスト動
圧軸受部分を拡大して表した部分拡大横断面説明図であ
る。
【図2】カシメ部を押圧変形させた状態を表した図1に
相当する部分拡大横断面説明図である。
【図3】カシメ部への押圧作用力によるモーメント関係
を表した軸受部材の概略横断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態により製造したスラスト
動圧軸受部分を表した図1相当の部分拡大横断面説明図
である。
【図5】本発明の更に他の実施形態により製造したスラ
スト動圧軸受部分を表した図1相当の部分拡大横断面説
明図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態により製造したスラ
スト動圧軸受部分を表した図1相当の部分拡大横断面説
明図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態により製造したスラ
スト動圧軸受部分を表した図1相当の部分拡大横断面説
明図である。
【図8】本発明を適用した軸回転型の動圧軸受装置を備
えたハードディスク駆動装置(HDD)の全体構造例を
表した縦断面説明図である。
【図9】従来における動圧軸受装置のスラスト動圧軸受
部分を拡大して表した半断面説明図である。
【符号の説明】
13 軸受スリーブ(軸受部材) 13a プレート嵌合部 13b プレート嵌合部の内周壁面 13d,13d’ プレート支持面 13e 逃溝 13f カシメ部 13g 段部 16 カウンタープレート 16a カウンタープレート外側表面 F カシメ押圧力 Fx 半径方向分力 Fy 軸方向分力 Mx,My 回転モーメント

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受部材の開口端部分の内周壁面から半
    径方向内方に段差状に突出するようにしてプレート支持
    面を形成するとともに、そのプレート支持面から軸方向
    外方に向かって延出する円筒状部分をプレート嵌合部と
    しておき、 上記軸受部材におけるプレート嵌合部の内方側にカウン
    タープレートを挿入し、 前記プレート支持面に対して上記カウンタープレートを
    当接させることによって該カウンタープレートを軸方向
    に位置決めした後、 前記プレート嵌合部の軸方向先端部分をカシメ部とし
    て、該カシメ部をカウンタープレート側に向かって押圧
    変形させ、そのカシメ部の変形加圧力によって上記カウ
    ンタープレートを固定する工程を有し、 上記軸受部材側に固定したカウンタープレートと、軸部
    材側に固定したスラストプレートとを、相対回転可能な
    状態で軸方向に近接させて対向配置し、これらカウンタ
    ープレート及びスラストプレートの少なくとも一方側に
    設けた動圧発生手段によって、これら両部材どうしの近
    接対向隙間内の潤滑流体に、前記軸部材及び軸受部材の
    相対回転によって動圧を発生させ、その潤滑流体に発生
    した動圧によって前記軸部材と軸受部材とを軸方向に相
    対浮上させながらスラスト方向に支承するようにしたス
    ラスト動圧軸受装置の製造方法において、 上記軸受部材に対してカウンタープレートを固定する工
    程を行うにあたって、前記軸受部材に設けたプレート支
    持面の一部に、円周方向又は接線方向に延在する逃溝を
    凹設しておき、 前記カシメ部の押圧変形の方向を、上記カウンタープレ
    ートの軸方向外側表面が前記プレート嵌合部の内周壁面
    に接触する位置から、前記逃溝の半径方向内側の縁部に
    向かう釣合方向に設定し、当該カシメ部の押圧変形時に
    上記カウンタープレートに対して付加されるモーメント
    を相殺するようにして上記カウンタープレートの固定を
    行うようにしたことを特徴とするスラスト動圧軸受装置
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記軸受部材におけるカシメ部の外周面
    を、プレート嵌合部の外周面より半径方向内方側に窪ま
    せて段部を形成し、その段部の半径方向内方側に上記カ
    シメ部を配置するようにしたことを特徴とする請求項1
    記載のスラスト動圧軸受装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記プレート支持面を、前記逃溝の半径
    方向内方側及び外方側にそれぞれ延出するように形成す
    ることを特徴とする請求項1記載のスラスト動圧軸受装
    置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記カシメ部の外周面を、当該カシメ部
    の外径が軸方向外方側に向かって連続的に縮小する傾斜
    面に形成することを特徴とする請求項1記載のスラスト
    動圧軸受装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記カシメ部の外周側傾斜面によって、
    当該カシメ部の軸方向先端部分を断面尖塔状に形成する
    ことを特徴とする請求項4記載のスラスト動圧軸受装置
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記カシメ部の内周壁面を、スラストプ
    レートの外周面から半径方向外方側に離間するように形
    成することを特徴とする請求項1記載のスラスト動圧軸
    受装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記カシメ部を、前記カウンタープレー
    トの軸方向外側表面から外方向側に向かって突出する部
    分の全長により形成することを特徴とする請求項1記載
    のスラスト動圧軸受装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記カシメ部を、前記カウンタープレー
    トの厚さ方向の途中位置から軸方向外方向側に向かって
    突出する部分により形成することを特徴とする請求項1
    記載のスラスト動圧軸受装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記プレート嵌合部における前記カシメ
    部との接続部分を、半径方向に薄肉となるように形成す
    ることを特徴とする請求項1記載のスラスト動圧軸受装
    置の製造方法。
JP2000111580A 2000-04-13 2000-04-13 スラスト動圧軸受装置の製造方法、スラスト動圧軸受装置、およびスラスト動圧軸受装置を備えたスピンドルモータ Expired - Lifetime JP4382958B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000111580A JP4382958B2 (ja) 2000-04-13 2000-04-13 スラスト動圧軸受装置の製造方法、スラスト動圧軸受装置、およびスラスト動圧軸受装置を備えたスピンドルモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000111580A JP4382958B2 (ja) 2000-04-13 2000-04-13 スラスト動圧軸受装置の製造方法、スラスト動圧軸受装置、およびスラスト動圧軸受装置を備えたスピンドルモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001295846A true JP2001295846A (ja) 2001-10-26
JP4382958B2 JP4382958B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=18623886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000111580A Expired - Lifetime JP4382958B2 (ja) 2000-04-13 2000-04-13 スラスト動圧軸受装置の製造方法、スラスト動圧軸受装置、およびスラスト動圧軸受装置を備えたスピンドルモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4382958B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008275130A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Ntn Corp 流体軸受装置
US8334625B2 (en) 2009-03-27 2012-12-18 Nidec Corporation Method for manufacturing a storage disk drive motor, motor for driving a storage disk and storage disk drive apparatus provided with the motor

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008275130A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Ntn Corp 流体軸受装置
WO2008139911A1 (ja) * 2007-05-07 2008-11-20 Ntn Corporation 流体軸受装置
US8277126B2 (en) 2007-05-07 2012-10-02 Ntn Corporation Fluid dynamic bearing device
US8334625B2 (en) 2009-03-27 2012-12-18 Nidec Corporation Method for manufacturing a storage disk drive motor, motor for driving a storage disk and storage disk drive apparatus provided with the motor

Also Published As

Publication number Publication date
JP4382958B2 (ja) 2009-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20030079794A (ko) 동압 베어링 장치
US6554476B2 (en) Dynamic pressure bearing device and method of manufacturing the same
US6614139B2 (en) Motor having a dynamic pressure bearing apparatus and a manufacturing method thereof
KR101152223B1 (ko) 동압 베어링 장치
JP2000291648A (ja) 動圧型軸受ユニット
KR101077427B1 (ko) 스핀들모터
JP3309707B2 (ja) 軸受構造体
JP2003307221A (ja) 動圧型軸受装置の製造方法
JP4661014B2 (ja) 動圧軸受装置および当該動圧軸受装置を備えたスピンドルモータ
JP2001295846A (ja) スラスト動圧軸受装置の製造方法
JP2003148498A (ja) 動圧型軸受ユニット
JP2009011114A (ja) モータ
JP2001317545A (ja) 動圧軸受装置およびその製造方法
JP2003314538A (ja) 動圧軸受装置の製造方法
JP4172944B2 (ja) 動圧軸受装置およびその製造方法
US6246139B1 (en) Spindle motor and method of formation
JP2005127524A (ja) 動圧軸受装置
JP2001003930A (ja) スピンドルモータのスラスト軸受の製造法
JP4043809B2 (ja) モータ
JPH07296502A (ja) スピンドルモータ用シャフト及びその製造方法並びにこれを用いたスピンドルモータ
JP3773721B2 (ja) 動圧型軸受
JP2006292024A (ja) 動圧軸受装置の製造方法、動圧軸受装置、スピンドルモータおよびディスク駆動装置
JP2002070869A (ja) プレス部品及び動圧軸受装置のスラストプレート、並びにそれらの製造方法
JP3877115B2 (ja) スピンドルモータ
JP4554324B2 (ja) 動圧軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050927

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070411

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090915

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090918

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4382958

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term