JP2001294927A - 製鋼方法 - Google Patents
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Abstract
用いる添加剤によって溶銑や溶鋼等の溶湯を汚染するこ
となく、かつ効率的に金属酸化物の還元を行うことがで
きる製鋼方法を提供すること。 【解決手段】 脱炭工程およびそれに先行する溶銑予備
処理工程のいずれか、または両方において、金属酸化物
を含有する物質と、炭素および水素を主体とするプラス
チックを含有する物質とを、上記工程を実施するための
反応容器内または溶湯搬送容器内に投入して金属酸化物
を還元し、金属として回収する。
Description
鉄鉱石などの金属酸化物を還元する製鋼方法に関する。
から、脱炭工程やそれに先行する溶銑予備処理工程の脱
硫・脱燐処理において溶鋼や溶銑中に鉱石等の金属酸化
物含有物質を供給し、これを還元して金属として回収す
ることが行われている。このように鉱石等の金属酸化物
含有物質を溶鋼や溶銑に供給して還元する場合には、金
属酸化物の昇温に必要な顕熱分に加えて、酸化物の還元
のための還元熱も必要であるため、溶鋼や溶銑に十分な
熱的余裕が必要である。
から、溶銑の昇温や加炭等の熱付加技術が重要となって
おり、特に転炉装入前に溶銑予備処理を施す工程を採用
する場合には、熱付加技術は製品品質および製造コスト
上も重要な技術である。
短くして放熱を抑制する技術や、積極的に溶銑や溶鋼中
にコークス粉等の炭素源をインジェクションして加炭す
る技術が開発されてきている。
工程で用いられる炭素源としては石炭、コークス、黒鉛
等が考えられるが、これらの物質には硫黄、燐、窒素等
の不純物が混入しているため、使用量を制限せざるを得
ない。つまり、これらを大量に使用して多大な熱付加を
行う場合には、不可避的に混入した硫黄、燐、窒素の除
去工程を設ける必要があり、製造コストの上昇につなが
ってしまう。
カ、アルミナを主体とする脈石を含有し、結果的に転炉
における吹錬あるいは溶銑予備処理工程においてスラグ
の増大に直結し、特にMn鉱石などの還元を行う場合に
はスラグ中にこれら有用物質が希釈された状態で残留
し、Mnなどの還元を目的とした場合には還元効率が劣
化することがわかっている。
るか、あるいはインジェクションにより付加しようとし
た場合、炭素源の飛散、溶解残等が発生するため炭素付
加における歩留は上がらない。加えて、脱炭工程に先立
ってこれらの炭素付加処理を行った場合には、溶鉄中へ
の炭素溶解度上限に近い条件で加炭処理を行うことにな
ることから、さらに加炭歩留は低下する。このように熱
源としての炭素源の添加歩留が低いため、金属酸化物の
還元によって当該金属を回収することがコスト上も望ま
しい状況においても、熱的な制約で金属酸化物を含有す
る鉱石等の物質の使用量を制限せざるを得ないのが現状
である。
であって、精錬工程において、還元剤および熱源として
用いる添加剤によって溶銑や溶鋼等の溶湯を汚染するこ
となく、かつ効率的に金属酸化物の還元を行うことがで
きる製鋼方法を提供することを目的とする。
に、本発明は、精錬工程において、金属酸化物を含有す
る物質と、炭素および水素を主体とするプラスチックと
を、上記工程を実施するための反応容器内または溶湯搬
送容器内に投入して金属酸化物を還元することを特徴と
する製鋼方法を提供する。
の還元剤として従来のコークス等に代えて炭素および水
素を主体とするプラスチックを用いるが、このようなプ
ラスチックは従来の炭素源のような硫黄や窒素等の不純
物成分が少ないものを選択することができるため、溶湯
を汚染することがなく、これらの除去工程を不要とする
ことができる。一方、水素は炭素等よりも強力な還元剤
として知られており、流動層などを用いてガスの利用効
率を上げることができる場合には非常に有用な物質であ
り、高炉において重油を吹き込んだ際には重油に含まれ
る水素によって高炉を通過する熱風内の水素含有量が通
常操業に比較して大きく増えるため鉄鉱石の還元率が高
くなることが知られているが(鉄鋼便覧参照)、転炉吹
錬や溶銑予備処理工程においては水素の利用は容易では
なく、一般には用いられない。これに対して本発明にお
いては、炭素および水素を主体とするプラスチックを熱
源および還元剤として利用するため、固体状態の水素源
を用いて金属酸化物を還元することとなり、還元効率を
極めて高くすることができる。しかも、このようなプラ
スチックを含有する物質としてシリカ、アルミナを主体
とする脈石を含有しないものを選択することができるの
で、それに伴う還元効率の低下も生じない。さらに、炭
素および水素を主体とするプラスチックと金属酸化物を
含有する物質とを反応容器の実質的に同じ位置に投入す
れば、還元剤を溶湯にとけ込ませることなく直接的に金
属酸化物の還元に用いることができ、熱供給のロスが少
なく、この点からも還元効率が高く望ましい。このよう
に、本発明によれば、還元剤によって溶銑や溶鋼等の溶
湯を汚染することなく、かつ極めて効率的に金属酸化物
の還元を行うことができる。
酸化物、Mn酸化物、Cr酸化物、Ni酸化物のうち少
なくとも1種を用い、Fe、Mn、Cr、Niのうち少
なくとも1種を得るようにすることができる。これらの
中で、特にMn、Cr、Niについては高価な有価金属
であり、これらを回収できることは工業上極めて有意義
である。
物としてMn鉱石、Cr酸化物としてCr鉱石、Ni酸
化物としてNi鉱石を用いることができる。
よび水素を主体とするプラスチックとを実質的に同じ位
置に投入するに際して、これらをブリケット化して反応
容器内に投入することができる。また、 前記金属酸化
物を含有する物質と、炭素および水素を主体とするプラ
スチックを含有する物質とをインジェクションにより前
記反応容器内の実質的に同じ位置に投入するようにして
もよい。
リプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニ
ルアセチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフ
タレート、塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロ
イド等、炭素および水素を主体としたプラスチックであ
れば特に制限はなく、また、製品プラスチックであって
も廃プラスチックでもよく、必要に応じてこれらを粉状
に加工したものを用いることができるが、コスト面およ
び産業廃棄物の有効利用を図る観点から廃プラスチック
を利用することが好ましい。
等での製造・加工時に生じる屑や不良品を含む所謂ゴミ
としての廃棄物たるプラスチック類であり、その性質上
プラスチック以外の異物(金属、紙、その他の無機物お
よび有機物)が付着もしくは混入しているプラスチック
類を含むものである。このような廃プラスチックの具体
例としては、プラスチックボトル、プラスチック袋、プ
ラスチック包み、プラスチックフィルム、プラスチック
トレイ、プラスチックカップ、磁気カード、磁気テー
プ、ICカード、フレキシブルコンテナ、プリント基
板、プリントシート、電線被覆材、事務機器または家電
製品用ボディーおよびフレーム、化粧合板、パイプ、ホ
ース、合成繊維および衣料、プラスチック成型ペレッ
ト、ウレタン材、梱包用シート、梱包用バンド、梱包用
クッション材、電気用部品、玩具、文房具、トナー、自
動車用部品(例えば、内装品、バンパー)、自動車また
は家電製品等のシュレッダーダスト、イオン交換樹脂、
合成紙、合成樹脂接着樹剤、合成樹脂塗料、固形化燃料
(廃棄プラスチック減容物)等が例示され、これらを廃
棄物としての状態のまま、あるいは必要に応じて所定の
処理を施したものを利用することができる。また、これ
ら廃プラスチックと製品プラスチックとの混合物を利用
してもよい。
する。本発明では、上述したように、精錬工程におい
て、金属酸化物を含有する物質と、炭素および水素を主
体とするプラスチックを含有する物質とを、上記工程を
実施するための転炉等の反応容器内または溶銑鍋やトー
ピードカー等の溶湯搬送容器内に投入して金属酸化物を
還元する。この場合に、これら物質を実質的に同じ位置
に投入することが好ましい。
に先行する溶銑予備処理工程においては、金属酸化物、
例えばFe酸化物、Mn酸化物、Cr酸化物、Ni酸化
物を含有する物質である鉄鉱石、Mn鉱石、Cr鉱石、
Ni鉱石等を転炉または溶銑容器に投入して金属成分と
して回収することが従来から行われており、本発明では
精錬工程のうち、主に、脱炭工程およびそれに先行する
溶銑予備処理工程のいずれか、または両方に適用され
る。
としては、上述したような鉄鉱石、Mn鉱石、Cr鉱
石、Ni鉱石等の鉱石を挙げることができる。Mn酸化
物を含有する物質としては、Mn鉱石を一部焼結により
還元したものや、未還元のMn酸化物が含まれる転炉か
ら排出されるスラグを挙げることができる。また、Fe
酸化物を含有する物質としては、その酸化度に制限はな
く、磁鉄鉱や褐鉄鉱の他、ミルスケール等の酸化度の低
いものも含まれる。
は、熱源および上記金属酸化物の還元剤として使用する
ものであり、このようなプラスチックとしては、上述し
たようにポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリビニルアセチレン、ポリビニルアルコール、ポ
リカーボネートなどほとんどの炭素および水素を主体と
するプラスチックを挙げることができ、2種類以上のプ
ラスチックを混合して使用することも可能である。ま
た、このような炭素および水素を主体とするプラスチッ
クとして、上述したように廃プラスチックを好適に用い
ることができるが、もちろんバージンであってもかまわ
ない。ただし、上述したように、硫黄、燐、窒素などを
多量に含む場合には溶鋼汚染源となり好ましくなく、珪
素、アルミニウムなどを多量に含む場合にはスラグの増
大につながるため、還元効率が低下し好ましくない。し
たがって、炭素および水素を主体とするプラスチックを
含有する物質としては、これらの少ないものを選択す
る。
質と、炭素および水素を主体とするプラスチックとを反
応容器内の実質的に同じ位置に投入するのが好ましいの
は、これにより還元剤を溶湯にとけ込ませることなく直
接的に金属酸化物の還元に用いることができ、熱供給の
ロスが少なく還元効率の向上に寄与するからである。こ
れらを実質的に同じ位置に投入する方法としては、これ
らを混合混練し、ブリケット化して投入する方法が好適
である。すなわち、これらをブリケット化することによ
りこれらを一体的に投入することができるので確実に同
じ位置に投入することが可能となるからである。ただ
し、金属酸化物を含有する物質と炭素および水素を主体
とするプラスチックとを確実に実質的に同じ位置に投入
することができる限り、ブリケット化せずに他の方法で
供給してもよい。例えばランスを用いて、窒素、アルゴ
ン、酸素などの随伴流とともにこれらを投入するインジ
ェクションを用いることも可能である。インジェクショ
ンによりこれらを供給する場合には、単一のランスを用
いてこれらを一括して供給してもよく、2以上のランス
を用いて個別的に供給してもよいが、単一のランスによ
り一括投入することが好ましい。さらに、反応容器また
は溶湯搬送容器の底に設けられた吹き込み孔からこれら
を吹き込んでもよい。
する金属を含有する鉱石と、プラスチック例えばポリプ
ロピレンを主体とするものとを配合してブリケットを製
造し、このブリケットを転炉吹錬中の溶湯に上方から一
定速度で連続的に供給する。連続投入するのは、プラス
チックの存在により通常の吹錬よりも過剰に発生するガ
スの量が転炉の排ガス能力の上限を超えないようにする
ためであり、一定速度で投入するのは排ガス量が転炉の
排ガス能力以下の一定値となるようにするためである。
ただし、これらは必須要件ではなく、例えば吹錬前期に
多めに供給し、吹錬末期にかけて漸減させてもよい。こ
の場合には、金属の還元効率がむしろ向上することが確
認されている。また、連続的に投入することによって金
属酸化物の還元効率が向上するが、条件によっては一部
または全部を一括投入してもよい。また、インジェクシ
ョン等の他の方法を採用する場合にも、連続的に一定速
度で供給することが好ましいが、同様に投入量を変化さ
せたり一括投入してもよい。さらに、溶銑予備処理工程
で金属酸化物の還元が必要な場合にも同様な方法で金属
酸化物を含有する物質と炭素および水素を主体とするプ
ラスチックとを投入すればよい。
するプラスチックを熱源および還元剤として利用するた
め、還元剤によって溶銑や溶鋼等の溶湯を汚染すること
なく、かつ極めて効率的に金属酸化物の還元を行うこと
ができる。特に、金属酸化物として、Mn酸化物、Cr
酸化物、Ni酸化物を用いることにより、高価な有価金
属であるMn、Cr、Niを高効率で回収できるので、
工業上極めて有意義である。
としてMn鉱石を用いた例について説明する。まず、M
n鉱石を焼結させてMnの酸化度を低下させたもの(以
下、Mn鉱石焼結粉という)と、ポリエチレンおよびポ
リプロピレンをそれぞれ全体の3mass%および17
mass%となるように配合したプラスチックとを混合
混練してブリケットを試作した。次いで、このブリケッ
トを転炉吹錬中の溶湯上にフィーダーから供給し、操業
中のMn鉱石歩留と含有させたプラスチックの燃焼熱の
利用度を評価した。
物の温度、装入物の量、および炉内での反応熱を考慮し
て終点温度を正確に推定するシステムを用いた。このシ
ステムは本来はプラスチックを配合していないMn鉱石
を用いることを前提として計算するシステムであるた
め、試験に供したブリケット中のMn鉱石純分を算出
し、プラスチック等が有効に熱源として作用していれば
終点の温度が高くなり、そのため温度調整用に吹錬末期
に投入する鉄鉱石の量が配合したプラスチックの量に応
じて増加することになる。
をとり、縦軸に温度調整に用いた鉄鉱石の量から換算し
た熱付加量つまり熱余剰をとって、これらの関係を示す
グラフである。横軸のプラスチックの量は投入したプラ
スチックの量を転炉に装入した溶銑の量で除した値を用
いた。プラスチックは物質によって燃焼熱が異なるため
代表的な物質の熱量に基準化した量を用いている。ま
た、ここではプラスチックの投入がないものとして熱計
算を行ったため、プラスチックの燃焼熱などによって溶
鋼の温度実績が計算による推定値より高くなる。そのた
め終点温度を計算通りに下げることが必要であり、その
冷却剤として鉄鉱石を利用したため、その冷却能から熱
余剰を計算によって求めた。この図から、配合したプラ
スチックの量が増加するに従って終点での熱余剰すなわ
ち熱的余裕度が増加し、結果として吹錬末期に鉄鉱石を
多く投入したことがわかる。熱余剰はプラスチック等の
投入量が増加するに従って増加し、その傾きは計算によ
って求めたプラスチックの昇温能力とほぼ一致した。つ
まり、この熱余剰は、プラスチックの燃焼熱からプラス
チックの分解熱および発生ガスへの顕熱ロスなどを除い
た熱量と一致することが確認された。
鋼中酸素濃度をとり、縦軸にMn歩留をとって、これら
の関係を本実施例の場合、通常操業の場合、土壌黒鉛に
よる熱付加の場合で比較して示すグラフである。Mn還
元歩留は転炉吹錬の終点における溶鋼中の酸素濃度と強
い相関があるため、横軸に吹錬終点における溶鋼中酸素
濃度をとっている。また、縦軸のMn鉱石の還元歩留
は、転炉に装入した溶銑中の溶融Mn量と本ブリケット
など転炉吹錬中にMn酸化物の状態で投入されたMnの
量との和を分母とし、吹錬の終点における溶鋼中のMn
量を分子として表すことができる。つまり、 Mn歩留=(転炉吹錬終点における溶鋼中のMn量)/
((装入した溶銑・冷銑などのMn量)+(Mn酸化物
として転炉に投入されたMn量)) で表される。ここでは、通常操業において溶鋼中酸素濃
度が300ppmの時の歩留を1.0として基準化して
Mn歩留をインデックスで表示した。この図から本ブリ
ケットを用いた場合にはMn歩留が通常の場合および土
壌黒鉛による熱付加の場合と比較して10%程度向上し
ており、本発明によってMn鉱石歩留まりが向上するこ
とが確認された。
含有する物質として鉄鉱石を用いた例について説明す
る。金属酸化物を含有する物質として鉄鉱石を用いた以
外は実施例1と同様にブリケットを製造し、このブリケ
ットを転炉吹錬中の溶湯上にフィーダーから供給し、操
業中の鉄鉱石歩留と含有させたプラスチックの燃焼熱の
利用度を評価した。
スチックの量をとり、縦軸に温度調整に用いた鉄鉱石の
量から換算した熱付加量つまり熱余剰をとって、これら
の関係を示すグラフである。このグラフでは横軸および
縦軸は図1と同様の値を用い、比較収支で計算した熱余
裕を示す。熱余剰はプラスチック等の投入量が増加する
に従って増加し、その傾きは計算によって求めたプラス
チックの昇温能力とほぼ一致した。つまり、この熱余剰
は、プラスチックの燃焼熱からプラスチックの分解熱お
よび発生ガスへの顕熱ロスなどを除いた熱量と極めてよ
く一致することが確認された。
終了から吹錬終了までの時間をとり、縦軸に転炉終点に
おけるスラグ中のトータルFe(T.Fe)の値をとっ
てこれらの関係を本実施例の場合とプラスチックを投入
しなかった比較例の場合とについて示すグラフであり、
ブリケットの還元のしやすさを表した。縦軸のT.Fe
は、吹錬終了5分前までに鉄鉱石の投入を終えた場合の
スラグ中のT.Feを1として基準化した。本実施例で
は鉄鉱石を大量に投入するとともに、熱源および還元剤
としてのプラスチックを同時に投入したため、吹錬末期
に鉄鉱石を投入した場合でも終点のスラグ中T.Fe量
は通常の場合と変化なく、熱源および還元剤としてのプ
ラスチックが効果的に作用しているものと推察される。
すなわち、本実施例のブリケットを用いた場合には、吹
錬終了間際になっても十分に還元速度が速いため、吹錬
終点で未反応の鉄鉱石がスラグ中に残らない。これに対
し、比較例の場合には、吹錬末期に鉄鉱石を投入するこ
とによりスラグ中のT.Feが上昇する傾向がみられ
た。自明なことながら、本実施例では追加投入された鉄
鉱石は容易に還元され、溶鋼として回収された。
元に必要な熱をプラスチックで有効に与えることがで
き、また還元剤を鉱石近傍に配置したことおよびプラス
チック中の水素が有効に還元に利用されたことにより従
来に比べて高い鉱石の還元歩留を得ることができること
が確認された。また、大量に投入された鉱石はその近傍
に存在する還元剤とその近傍で発生する高い熱によって
十分に速く還元し、スラグ中に長く滞留しないことが確
認された。
金属酸化物を還元するための熱源および還元剤として炭
素および水素を主体とするプラスチックを含有する物質
を投入するので、還元剤および熱源を不純物の少ないも
のとすることができる。また、炭素および水素を主体と
するプラスチックは炭素のみならず強力な還元作用を有
する水素も還元に寄与させることができ、極めて効率的
に金属酸化物を還元することができる。また、反応容器
内または溶湯搬送容器内の実質的に同じ位置に金属酸化
物を含有する物質とともに炭素および水素を主体とする
プラスチックを含有する物質を投入して金属酸化物を還
元することにより、熱供給のロスを少なくして直接的に
金属酸化物の還元を行うことができるので、一層効率的
に金属酸化物を還元することができる。
温度調整に用いた鉄鉱石の量から換算した熱余剰との関
係を示すグラフ。
Mn歩留との関係を、本実施例の場合、通常操業の場
合、土壌黒鉛による熱付加の場合で比較して示すグラ
フ。
温度調整に用いた鉄鉱石の量から換算した熱余剰との関
係を示すグラフ。
終了までの時間と転炉終点のスラグ中のトータルFe
(T.Fe)の値との関係を、本実施例の場合とプラス
チックを投入しなかった比較例の場合とについて示すグ
ラフ。
Claims (6)
- 【請求項1】 精錬工程において、金属酸化物を含有す
る物質と、炭素および水素を主体とするプラスチックと
を、上記工程を実施するための反応容器内または溶湯搬
送容器内に投入して金属酸化物を還元し、金属として回
収することを特徴とする製鋼方法。 - 【請求項2】 前記金属酸化物として、Fe酸化物、M
n酸化物、Cr酸化物、Ni酸化物のうち少なくとも1
種を用い、Fe、Mn、Cr、Niのうち少なくとも1
種を得ることを特徴とする請求項1に記載の製鋼方法。 - 【請求項3】 Fe酸化物として鉄鉱石、Mn酸化物と
してMn鉱石、Cr酸化物としてCr鉱石、Ni酸化物
としてNi鉱石を用いることを特徴とする請求項2に記
載の製鋼方法。 - 【請求項4】 反応容器内または溶湯搬送容器内に投入
する物質を実質的に同じ位置に投入することを特徴とす
る請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製鋼方
法。 - 【請求項5】 前記金属酸化物を含有する物質と、炭素
および水素を主体とするプラスチックとをブリケット化
して前記反応容器内に投入することを特徴とする請求項
4に記載の製鋼方法。 - 【請求項6】 前記金属酸化物を含有する物質と、炭素
および水素を主体とするプラスチックとをインジェクシ
ョンにより前記反応容器内の実質的に同じ位置に投入す
ることを特徴とする請求項4に記載の製鋼方法。
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---|---|---|---|
JP2000109132A JP3941330B2 (ja) | 2000-04-11 | 2000-04-11 | 製鋼方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001294927A true JP2001294927A (ja) | 2001-10-26 |
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Family Applications (1)
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JP2000109132A Expired - Fee Related JP3941330B2 (ja) | 2000-04-11 | 2000-04-11 | 製鋼方法 |
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JP (1) | JP3941330B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007138207A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-07 | Jfe Steel Kk | 溶融還元方法 |
CN105177195A (zh) * | 2015-10-08 | 2015-12-23 | 宝钢发展有限公司 | 一种直接用粉状含铁尘泥冶炼铁水工艺 |
-
2000
- 2000-04-11 JP JP2000109132A patent/JP3941330B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2007138207A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-07 | Jfe Steel Kk | 溶融還元方法 |
JP4650226B2 (ja) * | 2005-11-16 | 2011-03-16 | Jfeスチール株式会社 | 溶融還元方法 |
CN105177195A (zh) * | 2015-10-08 | 2015-12-23 | 宝钢发展有限公司 | 一种直接用粉状含铁尘泥冶炼铁水工艺 |
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---|---|
JP3941330B2 (ja) | 2007-07-04 |
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