JP4844228B2 - 還元鉄を用いる製鋼方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硫黄含有率は高いものの安価な還元鉄を溶銑脱燐炉に装入することにより、少ない投入熱量のもとで、かつ溶鋼量を低コストで増産できる製鋼方法に関する。
近年、粗鋼生産量増大の要求は高まっているものの、設備投資額の回収が必ずしも容易ではないことから、高炉の新設などの高額な設備投資は難しくなってきている。そこで、高炉の改修などを行って高炉の炉内容積を拡大し、出銑能力を増強することにより、粗鋼生産量を増大させる対応がとられてきた。しかしながら、この方法による対応にも限界がある。
高炉プロセス以外のプロセスにより増産する方法としては、転炉などにおいて鉄スクラップを投入したり、鉄鉱石、スケール、転炉ダストなどの酸化鉄を添加する方法が考えられる。しかしながら、鉄スクラップは高価であり、また、酸化鉄を溶銑中に添加して溶解・還元させる方法は、熱損失が大きいという問題がある。ここで、酸化鉄の還元に際して熱損失が大きくなる理由は、酸化鉄と溶銑中の炭素との間の下記(1)式により表される反応が吸熱反応であり、しかもその吸熱量が極めて大きいことによる。
(Fe23)+3[C]=2[Fe]+CO(g) ・・・(1)
ここで、(Fe23)は溶融酸化鉄を、[C]は溶銑中の炭素を、[Fe]は溶鉄をそれぞれ表す。
また、酸化鉄のうちで、高炉ダスト、転炉ダスト、自動車のシュレッダーダストなどのダスト類は、多くの場合、粉体であることからハンドリングが難しく、一旦ペレットやブリケットなどに塊成化後使用するのが一般的である。
ダストを塊成化する代表的な方法としては、(1)ダストに水および必要に応じてバインダーを混合してスラリー状にした混合物をフィルタープレスして脱水および成型した後に天日乾燥してペレットにする方法、および(2)ダストに水および必要に応じてバインダーを混合してスラリー状にした混合物をフィルタープレスして脱水および成型してペレットを作製し、このペレットを炭材と接触させながら加熱還元して塊成化した還元鉄を得る方法が公知である。このようにして得られた還元鉄は、従来から焼結工程にリサイクルされ、使用されている。しかしながら、焼結工程にてリサイクル使用する方法では、高炉における出銑比増大の制約があることから、大幅な増産を実現することは難しい。上記の事情を考慮すると、増産を実現するためには、還元鉄を製鋼工程に適用するのが好ましい。
しかしながら、ダストから得られた成型体を製鋼工程にリサイクルするには、下記の問題がある。すなわち、前記(1)の方法においては、成型体の製造コストは安価であるが、酸化鉄の溶解および還元に際しての熱損失が大きいことに加えて、残留水分による熱損失もかなり大きい。そのため、(1)の方法により得られた成型体を溶銑予備処理や転炉など製鋼工程にリサイクルして鉄生産量を増加させる場合に発生する熱損失は、鉄スケールなどを使用する場合よりも大きくなるという問題がある。
一方、前記(2)のように成型体から水分を除去し、かつ酸化鉄の約50%以上を鉄に還元できる熱損失の少ない還元鉄製造方法として、いくつかのプロセスが開発され、実用化されている。例えば、特許文献1、特許文献2などに開示されたロータリーキルンを用いるプロセスは、石炭を還元剤として使用し得るものであり、ロータリーキルン内で石炭および燃料を用いて酸化鉄ペレットを加熱還元するプロセスである。
ところで、鉄含有ダストなどを、ロータリーキルンなどに装入し、石炭を還元剤として加熱還元して製造される還元鉄中には、高濃度の硫黄(S)が含有されている。一般に、石炭中には硫黄(S)分が0.7質量%程度含まれており、この石炭を内装させて製造したペレットやブリケットを還元して製造された還元鉄中には、Sが0.5質量%以上残留する。近年では、特に低硫鋼含有鋼のニーズが高いことから、S含有率の高い還元鉄は、製鋼工程において鉄源としてリサイクル使用されていない。
還元鉄中のS含有率を低減するための方法としては、S含有率の低い炭材を用いる方法や、例えば、特許文献3に開示されたように、炭材を混合した酸化鉄を加熱還元して得られた還元鉄に水素含有ガスまたは炭化水素などの水素源ガスを作用させて脱硫する方法が知られている。しかしながら、これらの方法を用いた場合には、還元鉄製造コストが高くなるという問題がある。
また、上記の還元鉄中には、鉄含有ダストなどに含まれるSiO2、CaOなどのスラグ成分が残留しており、これらのスラグ成分の存在下において鉄分を迅速に溶解および還元して溶鉄中に回収できることが必要である。
特許第2789331号公報(特許請求の範囲、段落[0019]〜[0021]) 特開昭58−141345号公報(特許請求の範囲など) 特開平9−143584号公報(特許請求の範囲および段落[0015]〜[0025]) 特開平11−193423号公報(特許請求の範囲および段落[0077]) 特開平11−12626号公報(特許請求の範囲および段落[0019]〜[0024])
前述のとおり、高炉以外のプロセスにより安価に鉄を増産する方法としては、鉄分含有ダストなどの成型体を還元して得られたた還元鉄を製鋼工程にリサイクルする方法が好ましいが、この方法には、下記の問題がある。すなわち、(1)経済性を満足するには、石炭により加熱・還元して得られるS含有率の高い還元鉄を使用せざるを得ないこと、および(2)鉄源に由来するスラグ成分が多量に含有される還元鉄であっても、鉄分を速やかに溶解および還元して溶鉄中に回収できるプロセスでなければならないこと、である。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、S含有率が高く、スラグ成分を多量に含む鉄分含有ダストから得られる還元鉄を製鋼工程にリサイクルすることにより、溶鋼成分に支障を及ぼすことなく、かつ迅速に鉄分を溶解・還元して溶鉄中に回収し、鉄鋼生産量を増大させることのできる経済性に優れたプロセスを提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、鉄分含有ダストを還元して得られた還元鉄を製鋼工程にリサイクルことにより鉄鋼生産量を増大させることのできるプロセスについて研究開発を進め、下記の(a)〜(c)の知見を得て、本発明を完成させた。
(a)安価な鉄源を製鋼工程にリサイクルすることにより鉄鋼生産量を増大させるプロセスとしては、鉄分含有ダストの成型体を炭素含有物質により還元して得られた還元鉄を溶銑脱燐炉にリサイクル装入する方法が最適である。
(b)前記(a)のように還元鉄を溶銑脱燐炉にリサイクルする方法が最適である理由は、下記のとおりである。すなわち、鉄分含有ダストの成型体を炭素含有物質により還元する方法は、鉄分含有ダストを水素含有ガスにより還元する方法に比べて、還元鉄を安価に製造できる。溶銑脱燐炉内では、例えば底吹き攪拌などの効果により溶銑の攪拌強度が大きく、炉内に添加された還元鉄の溶解および還元が速やかに進行する。S含有率の高い還元鉄を多量に溶銑脱燐炉に添加した場合であっても、溶銑脱燐処理後に溶銑脱硫処理を施すことにより、低硫黄含有鋼を溶製することができる。
(c)還元鉄中のS含有率は0.5〜1.1質量%であることが好ましい。S含有率を0.5質量%未満とするためには、水素含有ガスなどによる還元を必要とし、還元鉄の製造コストが上昇するからである。一方、1.1質量%を超えるS含有率とするためには、S含有率の高い炭素含有物質により還元する必要があり、還元鉄の製造コストが上昇するとともに、溶鉄の脱硫処理コストも増加する。
本発明は上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨とするところは下記の(1)〜(3)に示す製鋼方法にある。
(1)鉄分を含有するダストを石炭またはコークスとともに加熱還元して得られた還元鉄を溶銑脱燐炉に装入し、溶銑と接触させて溶解または溶解および還元することにより、溶銑中に溶鉄として回収することを特徴とする製鋼方法。
(2)前記還元鉄中の硫黄含有率が0.5〜1.1質量%であることを特徴とする前記(1)に記載の製鋼方法。
(3)前記還元鉄を溶銑脱燐炉へ装入して溶解または溶解および還元した後、脱硫処理を施すことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の製鋼方法。
本発明において、「鉄分を含有するダスト」とは、酸化鉄などの鉄化合物およびお/または金属鉄を含有するダストを意味し、高炉ダスト、転炉ダスト、鉄系汚泥、自動車のシュレッダーダストなどが該当する。上記の高炉ダストおよび転炉ダストの主要な化学成分組成例を表1に示す。
Figure 0004844228
また、「炭素含有物質」とは、炭素を含有する物質を意味し、例えば、石炭、コークス、黒鉛などが該当する。
さらに、「還元鉄」とは、鉄分を含むダストを還元して得られた反応後の生成物を意味する。還元鉄の還元率の好ましい範囲は、40〜80%であり、また、スラグ成分(脈石成分)合計量の好ましい範囲は10〜30%である。
そして、「溶銑脱燐炉」とは、高炉で製造された溶銑を酸素上吹き吹錬などにより脱炭精錬するに先だって行われる溶銑脱燐処理に用いられる精錬炉を意味し、例えば、転炉形式の精錬炉、さらには上底吹き転炉形式の精錬炉などが該当する。本発明における溶銑脱燐後の溶鉄の主要成分組成などを例示すると下記の表2のとおりである。
Figure 0004844228
なお、以下の説明において、成分含有率についての「%」の標記は、「質量%」を意味するものとする。
本発明の製鋼方法によれば、S含有率が高くスラグ成分量も多いものの、安価な還元鉄を溶銑脱燐炉にリサイクル装入することにより、溶鋼成分に支障を及ぼすことなく、かつ還元鉄中の鉄分を迅速に溶解・還元して溶銑中に回収し、鉄生産量の増大を図ることができる。したがって、本発明は、安価な鉄源を再資源化し、リサイクル使用することにより、最小の投入エネルギーのもとに低コストで鉄生産量を増大することができるプロセスとして製鋼分野において大きく貢献できる。
本発明は、前記したとおり、鉄分を含有するダストを石炭またはコークスとともに加熱還元して得られた還元鉄を溶銑脱燐炉に装入し、溶銑と接触させて溶解または溶解および還元することにより、溶銑中に溶鉄として回収する製鋼方法である。以下に、本発明の製鋼方法の好ましい態様およびその理由についてさらに詳細に説明する。
(1)溶銑脱燐炉への還元鉄のリサイクル装入
本発明において、鉄分を含有するダストを炭素含有物質により還元して得られた還元鉄を溶銑脱燐炉へリサイクル装入する理由は、下記のとおりである。
すなわち、本発明で使用する還元鉄は、スラグ成分が比較的多量に含有されており、このような還元鉄から、鉄分を溶鉄として速やかに回収するためには、スラグ成分の存在下においても還元鉄を速やかに溶解または溶解・還元する必要がある。したがって、還元鉄をリサイクル装入する精錬容器は、適度の攪拌強度が確保されるものでなければならない。溶銑脱燐炉内では、溶銑鍋内へのインジェクション処理時などに比較して大きな攪拌強度が得られるので、溶銑脱燐炉は、還元鉄の迅速な溶解および還元のための精錬容器として適している。
また、本発明では、石炭、コークスなどの安価な炭素含有物質により還元された還元鉄を使用することから、還元鉄中のS含有率は高い。このようなS含有率の高い還元鉄を多量に溶解または溶解・還元する場合においても、溶銑脱燐炉による処理後に、機械攪拌式脱硫装置などによる溶銑脱硫処理を行うことにより、低硫黄含有鋼を溶製することができる。これに対して、転炉または他の脱炭炉に還元鉄をリサイクル装入した場合には、脱炭精錬後に溶銑脱硫処理を行うこととなるので、二次精錬における脱硫処理などのコストが極めて高くなる。
上記の理由から、還元鉄のリサイクル使用先としては、溶銑脱燐炉が最適である。
(2)還元鉄の製造方法および還元鉄の性状
1)還元鉄の製造方法
高炉ダスト、転炉ダスト、鉄系汚泥、自動車のシュレッダーダストなどの鉄分を含有するダストを、石炭、コークス、黒鉛などの炭素含有物質と接触させて加熱・還元し、還元鉄を製造する方法としては、前記のロータリーキルンを用いる方法に加えて、特許文献4、特許文献5などに開示された回転炉床炉を用いる方法がある。本発明で用いる還元鉄の製造方法としては、後述する還元鉄性状の得られる方法であれば、いずれの方法により製造された還元鉄であってもよい。
2)還元鉄中のS含有率
還元鉄中のS含有率は、0.5〜1.1%であることが好ましい。S含有率が0.6%程度と比較的高い高炉ダスト、および安価ではあるがS含有率が0.5〜0.9%と比較的高いコークス粉などの炭素含有物質を用い、ロータリーキルンなどにより還元鉄を製造する場合には、一般に、還元鉄中のS含有率は0.5%以上となる。この還元鉄中のS含有率を0.5%未満とするためには、S含有率が比較的高い高炉ダストの使用量を低減する方法、前述したとおりS含有率の低い炭素含有物質を用いる方法、ダストを加熱還元する際に水素含有ガスを用いて脱硫する方法などがある。しかしながら、これらの方法を用いれば、還元鉄の製造コストは上昇する。
一方、還元鉄中のS含有率が1.1%を超える程度に高くなると、溶銑中のS含有率が大幅に上昇し、脱燐処理後における溶銑脱硫処理のコストが上昇するので、経済的に不利となり、好ましくない。
上記の理由により、還元鉄中のS含有率は、0.5〜1.1の範囲であることが好ましい。
3)還元鉄の還元率、スラグ量など
還元鉄を溶銑脱燐炉に装入して鉄分を回収するためには、還元鉄の溶解熱、および残留酸化鉄を鉄にまで還元するための前記(1)式により表される還元反応の反応熱(吸熱)を補償する必要がある。
このような観点から、還元鉄の還元率の好ましい範囲は、40〜80%である。還元率が40%未満では、還元反応による吸熱量が過大となって、溶銑脱燐炉中における溶銑の温度低下が増大し、また、80%を超える高い還元率を得ようとすれば、還元鉄の製造コストは上昇せざるを得ない。
また、スラグ成分合計量の好ましい範囲は10〜30%である。スラグ成分合計量が30%を超えて高すぎると、溶銑中への還元鉄の溶解・還元の面で不利であり、また、その合計量を10%未満とするには、高品位の鉄分含有ダストの使用または脱スラグ処理を要することから、経済性の面で不利となる。
その他、還元鉄の迅速な溶解・還元を可能とするためには、還元鉄の粒子径は0.1〜100mm程度の範囲であることが好ましい。
(3)還元鉄の使用量
還元鉄の使用量は、溶銑250tに対して1〜30tの範囲、すなわち、溶銑1t当たり4〜120kgの範囲とすることが好ましい。還元鉄の使用量が溶銑250tに対して1t未満の場合には、還元鉄の添加使用による鉄生産量の増産便益に比較して、還元鉄の輸送およびリサイクル費用が増大し、経済性が損なわれる場合があるからである。一方、還元鉄の使用量が30tを超えて多くなると、短時間の脱燐精錬中に還元鉄が溶解・還元しきれずに、脱燐不良を惹起するおそれがあり、好ましくない。
本発明の製鋼方法の効果を確認するため、下記に述べる製鉄所発生ダストよる還元鉄のリサイクル使用試験を行い、その結果を評価した。
(本発明例1)
鉄源として、高炉ダスト、転炉ダストおよび産業廃棄物を用い、これらにコークス粉を添加して加熱還元することにより得られた還元鉄を、溶銑脱燐炉に装入して溶解および還元し、鉄分を溶鉄として回収する増産試験を行った。
使用した高炉ダストおよび転炉ダストの化学成分組成を表3に、また、炭素含有物質として用いたコークス粉の化学組成を表4に、それぞれ示した。
Figure 0004844228
Figure 0004844228
さらに、上記の鉄分含有ダストを主原料として、他に産業廃棄物などを加えて製造した還元鉄の成分組成、還元率および粒子径を表5に示した。
Figure 0004844228
溶銑脱燐炉中に、前記表5に示した化学成分組成および還元率などの性状を有する還元鉄10トン(t)および鉄スクラップ10tを装入し、その後、表6に示す成分組成を有する溶銑250tを装入した。さらに、表7に示す成分組成を有する取鍋スラグ2tを装入し、上吹ランスから生石灰粉(CaO含有率:95%)をCaO供給速度:800kg/minで、酸素ガスとともに溶銑に5分間吹き付けた。
Figure 0004844228
Figure 0004844228
このときの酸素供給速度は24000Nm3/hとし、全吹錬時間は6.5分とした。また、脱燐炉底部からの底吹き窒素ガス吹込み流量は60Nm3/minで一定とした。
上記の溶銑脱燐処理後の溶銑中P含有率は0.015%に低下しており、還元鉄を添加しても充分に脱燐を進行させることができた。
また、還元鉄またはスケールを添加する場合、溶鉄の温度低下量が同じであれば、鉄分単位質量当たりの冷却能が小さい還元鉄を添加する方が、熱余裕が生じて鉄歩留りを高められることから、本試験では還元鉄を10t添加した結果、鉄源としてスケールを添加する場合に比して、約3tの増産を達成することができた。
溶銑脱燐処理後の溶銑中S含有率は0.045%であったが、その後、生石灰:2tおよびソーダ灰:0.2tを添加して機械式攪拌装置を用いて約15分間脱硫処理を施した結果、溶銑中S含有率を0.002%まで低下させることができた。
(比較例1)
還元鉄を焼結鉱製造工程にリサイクル使用する試験を行った。前記表5に示した化学成分組成および性状を有する還元鉄を0.25〜2mmに破砕整粒して、焼結原料に約1.5%の割合で配合することにより、焼結鉱製造工程にリサイクル使用した。このときの主な焼結操業諸元は、粉コークス配合率が1.6%、焼結鉱生産率が31.5t/D/m2、通気性指数が22.0JPUであり、得られた成品焼結鉱の性状は、冷間強度(TI)が84.0%、被還元性指数(RI)が66.0%、還元粉化性指数(RDI)は40.0%であった。
この焼結鉱を高炉に装入し、10日間の試験操業を行ったが、従来焼結鉱の高炉使用時に比して、特に出銑量の有意な増加は認められず、増産効果は確認できなかった。
(比較例2)
還元鉄を機械式攪拌装置を用いた脱硫工程にリサイクル使用する試験を行った。前記表5に示した化学成分組成および性状を有する還元鉄10tを、機械式攪拌脱硫装置内に装入し、さらに、表8に示される成分組成を有する溶銑250tを装入した。その後、生石灰を2tおよびソーダ灰を0.2t添加して機械式攪拌装置を用いて約15分間脱硫処理を行った。
Figure 0004844228
しかしながら、溶銑脱硫処理後の溶銑中S含有率は、依然として0.006%と高く、脱硫不良となった。
(比較例3)
還元鉄を転炉吹錬工程にリサイクル使用する試験を行った。表5に示した化学成分組成を有する還元鉄10tおよび鉄スクラップ32tを転炉内に装入し、表9に示す成分組成を有する溶銑250tを装入した。生石灰を6.3t、軽焼ドロマイトを4.7tおよびスケールを3.5t添加後、上吹ランスから酸素ガスを50000Nm3/minの供給速度で約16分間溶鉄に吹き付けて脱炭精錬を行った。なお、この間、底吹き羽口からはCO2ガスを700Nm3/hの供給速度で吹き込んだ。
Figure 0004844228
転炉吹錬後の溶鋼中S含有率は0.011%にまで増加したため、二次精錬による脱硫処理の負担が増大し、二次精錬による脱硫処理コストが著しく上昇する結果となった。
本発明の製鋼方法によれば、S含有率が高くスラグ成分量も多いものの、安価な還元鉄を溶銑脱燐炉にリサイクル装入することにより、溶鋼成分に支障を及ぼすことなく、かつ還元鉄中の鉄分を迅速に溶解・還元して溶銑中に回収し、鉄生産量の増大を図ることができる。したがって、本発明は、製鉄所内発生ダストなどの安価な鉄源を再資源化し、リサイクル使用することにより、最小の投入エネルギーのもとに最小コストで鉄鋼増産を達成することができる実用的プロセスとして、製銑および製鋼分野において広く適用できる。

Claims (3)

  1. 鉄分を含有するダストを石炭またはコークスとともに加熱還元して得られた還元鉄を溶銑脱燐炉に装入し、溶銑と接触させて溶解または溶解および還元することにより、溶銑中に溶鉄として回収することを特徴とする製鋼方法。
  2. 前記還元鉄中の硫黄含有率が0.5〜1.1質量%であることを特徴とする請求項1に記載の製鋼方法。
  3. 前記還元鉄を溶銑脱燐炉へ装入して溶解または溶解および還元した後、脱硫処理を施すことを特徴とする請求項1または2に記載の製鋼方法。
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