JP7047817B2 - 低リン鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
なお、本明細書中において、「P」「P2O5」などアルファベットで記した場合はその化学式の物質を表し、「リン」とカナで記した場合は、形態を問わずその物質に含まれるリンを表す。また、カーボン(炭素)についても同様で、「C」などアルファベットで記した場合は、その化学式の物質を表し、「炭素」と漢字で標記した場合は形態を問わずその物質に含まれる炭素を示す。
また、この明細書中で気体の体積を「リットル」の単位で表す場合は、温度273K、雰囲気圧力が1atmの標準状態に換算して示す。また、圧力の単位atmは、1.01325×106Paである。そして、物質中のP含有量をmass%で表す場合には、形態を問わずその物質に含まれるリンの含有率を示した。
記
Tm:融点(℃)
(1)前記窒化脱リン処理済み焼結鉱のP含有量は、0.005mass%以上0.05mass%以下であること、
(2)前記リン含有物質中のP含有量は、0.02mass%以上0.04mass%以下であること,
(3)前記鉄鋼製造プロセスが、高炉の製錬、溶銑の予備処理、転炉による予備脱リン処理、転炉による脱炭処理のいずれかであること、
がより好ましい実施形態である。
しかも、本発明によれば、安価なリン含有物質(原料)の使用量を増加させることができると共に、鉄鋼製造プロセスにおけるリン除去に要する精錬剤の使用量を削減することができるようになり、ひいてはスラグ発生量の低減を通じて鉄ロス量の低減をも図ることができる。
(1)固体の還元剤と窒素ガスとを高温で接触させる、
(2)一酸化炭素、水素、炭化水素等の還元性ガスを窒素ガスに混合する、
(3)電圧を印加した固体電解質に窒素ガスを導入して酸素を除去する、
などの方法を採用することもまた好ましいことである。
5トン/hr規模の回転炉床炉に粉鉄鉱石を装入し、加熱バーナーに供給する燃料と酸素の量とその比率、さらに窒素ガスの供給量を調整して、処理温度、酸素分圧、窒素分圧を制御した窒化脱リン処理を施した。この設備(回転炉床炉)では、装入から排出までの時間が30分となるように操業条件を設定し、装入した試料が15分時点で存在する場所の温度測定とガス組成分析を行った。ガス中の一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO2)の濃度を赤外線ガス分析装置により測定し、その残りを窒素ガスとして扱った。また、酸素分圧はCO/CO2比の測定値から、以下の式より算出した。
(式1)
(式2)
(式3)
下方吸引式のドワイトロイド焼結機にて、窒化脱リン処理を伴う焼結鉱の製造実験を行った。使用する鉱石と、石灰石やドロマイトなどのCaO系副原料、生石灰等の造粒助剤、さらにはコークス粉や無煙炭などの炭材を個別に切り出し、ドラムミキサに適量の水を加えて混合し、造粒して平均径が3~6mmの大きさの疑似粒子である焼結鉱製造用原料とした。こうして得られた該焼結鉱製造用原料を、焼結機の給鉱部に配設されているサージホッパーからドラムフィーダーと切り出しシュートを介して無端移動式の焼結機パレット上に装入し、カットゲートによって600mmの厚さの焼結ベッド(装入層)を形成した。その後、その装入層の上部に配設された点火炉によって、該装入層上部の炭材に点火するとともに、パレットの下方に配設されたウインドボックスを介して装入層の上方のガスを下方に吸引することにより、装入層内の炭材を順次に燃焼させて焼結鉱を製造した。
転炉(280t規模)を用いて、溶銑の予備処理脱リンを実施する際の副原料として、本発明に適合する窒化脱リン処理を施してなる焼結鉱の内、10mm以上の篩い上原料を用いた転炉の操業を行った(本発明例41~43)。溶銑の装入量は280tとし、溶銑のSi濃度に応じてスラグ塩基度(%CaO/%SiO2)が2.3となるように塊石灰添加量を調整した。ここで、焼結鉱および塊石灰は、転炉上部のホッパーに個別に格納しておき、必要量を切出して自然落下により炉内に装入した。一方、転炉の上吹きランスからは浴面に気体酸素を吹き付け、予備処理後のC濃度が約3.0mass%となるように酸素の吹き付け量を制御した。転炉内に装入した溶銑の成分と温度、予備処理後の溶銑成分と温度、および添加した塊石灰と処理焼結鉱の重量を表10に示す。使用した焼結鉱は、実施例2と同様の処理を実施したものであり、その成分組成は表7に示したとおりのものである。比較例として、前記窒化脱リン処理済み焼結鉱を用いない操業(例77)、および前記窒化脱リン処理をしていない未処理の焼結鉱の内の、10mm以上の篩い上を用いた操業も行った(比較例78~80)。
転炉(280t規模)において、脱炭処理を行う際の副原料として、本発明に適合する処理を施してなる焼結鉱の内、10mm以上の篩い上のものを用いた操業を行った。装入する溶銑は、予備処理脱リン未実施の溶銑(以下、「生銑」とも言う)と窒化脱リン処理を施した焼結鉱を用いて製造された溶銑(以下、「予備処理銑」とも言う)の2通りとした。溶銑装入量は280tとし、生銑を用いた操業ではスラグ中のSiO2量が12kg/tとなるように溶銑Si濃度に応じて珪石の添加を行った。実施例3に示した予備処理銑を用いた操業では、280tの溶銑に対して0.8tの珪石添加を行った。いずれの操業においても、スラグ塩基度(%CaO/%SiO2)が3.0となるように塊石灰添加量を調整した。ここで、焼結鉱、珪石、塊石灰は、転炉上部のホッパーに個別に格納しておき、必要量を切出して自然落下により炉内に装入した。そして、上吹きランスからは浴面に気体酸素を吹き付け、処理後のC濃度が約0.05mass%となるように酸素の吹き付け量を制御した。表11、表12は、転炉内に装入した溶銑成分と温度、予備処理後の溶銑成分と温度、および添加した塊石灰と焼結鉱の重量について示す。なお、使用した塊鉱石は、実施例2と同様の処理を施したものであり、組成は表7に示したとおりのものである。比較例として、塊鉱石を用いない操業および本発明に係る処理未実施の塊鉱石の内、10mm以上の篩い上を用いた操業も行った(生銑:比較例81~84、予備処理銑:85~88)。
300t規模の混銑車(トピードカー)において、予備処理脱リンを施す際の副原料として、本発明に適合する処理を施してなる焼結鉱の篩い下、または篩い上を破砕して10mm以下の粒径とした焼結粉を用いた操業を行った(本発明例50~59)。混銑車への溶銑の装入量は300tとし、粉石灰2.5tと焼結粉12.0tを予め混合してなる精錬剤を、窒素ガスをキャリアガスとして、トピードカー内に装入したインジェクションランスから供給した。トピードカーに装入した溶銑成分と温度、予備処理後の溶銑成分と温度、および添加した精錬剤重量を表13に示す。使用した鉱石は、実施例2と同様の処理を実施した焼結鉱の粉であり、その成分組成は表7に示したとおりのものである。比較例として、窒化脱リン処理未実施の焼結鉱の篩い下焼結粉、ないし篩い上を破砕して10mm以下とした粉砕焼結粉を用いた操業も行った(比較例89)。
280t規模の転炉において、予備処理脱リンを実施する際の副原料として、本発明に適合する処理を施してなる焼結鉱の篩い下、または篩い上を破砕して10mm以下とした焼結粉を用いた操業を行った(本発明例60~62)。溶銑装入量は280tとし、溶銑Si濃度に応じてスラグ塩基度(%CaO/%SiO2)が2.3となるように塊石灰添加量を調整した。ここで、前記焼結粉は、転炉脇のディスペンサータンクに格納しておき、ArやN2などの不活性ガスによって搬送して、送酸用の上吹きランスから炉内に投射した。塊石灰は転炉上部のホッパーに格納し、必要量を切り出して自然落下により炉内に装入した。そして、上吹きランスからは気体酸素を吹き付け、予備処理後の炭素濃度が約3.0mass%となるように酸素吹き付け量を制御した。転炉に装入した溶銑成分と温度、予備処理後の溶銑成分と温度、および添加した塊石灰と焼結粉重量を表14に示す。使用した焼結鉱は、実施例2と同様の処理を施したものであり、その成分組成は表7に示したとおりのものである。比較例として、焼結粉を用いない操業および本発明に適合する処理未実施の焼結粉を用いた操業も行った(比較例90~93)。
280t規模の転炉において、脱炭処理を行う際の副原料として、本発明に適合して処理してなる焼結鉱の篩い下、または篩い上のものを破砕して10mm以下とした焼結粉を用いた操業(脱炭精錬)を行った。装入する溶銑は、生銑、予備処理銑の2通りとした(生銑:本発明例63~65、予備処理銑:本発明例66~68)。溶銑装入量は280tとし、生銑を用いた操業ではスラグ中のSiO2量が12kg/tとなるように溶銑Si濃度に応じて珪石添加を行った。予備処理銑を用いた操業では、280tの溶銑に対して0.8tの珪石添加を行った。いずれの操業においても、スラグ塩基度(%CaO/%SiO2)が3.0となるように塊石灰添加量を調整した。ここで、焼結粉は転炉脇のディスペンサータンクに格納しておき、ArやN2などの不活性ガスによって搬送し、送酸用の上吹きランスから炉内に投射した。珪石および塊石灰は転炉上部のホッパーに個別に格納しておき、必要量を切出して自然落下により炉内に装入した。上吹きランスから気体酸素を吹き付けて、処理後の炭素濃度が約0.05mass%となるように酸素吹き付け量を制御した。転炉に装入した溶銑成分と温度、予備処理後の溶銑成分と温度、および添加した塊石灰と焼結粉重量を表15、表16に示す。なお、使用した焼結鉱は、実施例2と同様の処理を施したものであり、その成分組成は表7に示したとおりである。比較例として、焼結粉を用いない操業および本発明に適合する処理を施していない未実施の焼結粉を用いた操業も行った(生銑:比較例94~97、予備処理銑:比較例98~101)。
Claims (4)
- 前記窒化脱リン処理済み焼結鉱のP含有量は、0.005mass%以上0.05mass%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の低リン鋼の製造方法。
- 前記リン含有物質中のP含有量は、0.02mass%以上0.04mass%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の低リン鋼の製造方法。
- 前記鉄鋼製造プロセスが、高炉の製錬、溶銑の予備処理、転炉による予備脱リン処理、転炉による脱炭処理のいずれかであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1に記載の低リン鋼の製造方法。
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