JP2001294751A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及び用途 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及び用途Info
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Abstract
に、成形性、機械的強度が良好で、しかも高温下でも光
ピックアップの光軸のズレを抑制できるPAS樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 (A)樹脂温度300℃、せん断速度1
000sec-1における溶融粘度が50〜350ポアズ
のポリアリーレンスルフィド、(B)ガラス転移温度が
180℃以上の非結晶性樹脂、及び(C)充填剤を含有
し、(A)と(B)の配合割合が以下の条件及びを
満たすポリアリーレンスルフィド樹脂組成物である。 (A+B)の体積分率 : 組成物全体に対し30〜
56vol% (A/B)の質量比 : 65/35〜95/5
Description
ルフィド(以下、PASということがある。)樹脂組成
物、及び該組成物を成形して得られる光軸のズレが少な
い光ピックアップ装置用部品に関する。
断面図)を示している。この光ピックアップ装置は、コ
ンパクトディスク(CD),デジタルビデオディスク
(DVD)などの光ディスク7の記録面8に情報を記録
又は再生する際に光ビームを照射するために用いられる
が、その構成は一般に、半導体レーザー光源1、ハーフ
ミラー2、対物レンズ3、及び受光部5を備えている。
これらは、通常光ピックアップ基盤6に保持され、ハー
フミラー2を一定角度に保つ形状になっている。このよ
うな光ピックアップ装置では、半導体レーザー光源1か
ら出力されたレーザー光は、ハーフミラー2及びコリメ
ーター4を介して、対物レンズ3により光ディスク7の
記録面8に収束され、この記録面からの反射光を対物レ
ンズ3、コリメーター4及びハーフミラー2を介して受
光部5に入射させて、データ信号及びフォーカスエラー
信号などのエラー信号を得るようになっている。そし
て、エラー信号に応じて、対物レンズ3の位置などの調
整が行われる機構である。 光ピックアップ基盤6は、
保持容器9内にあって、シャフト8に従って移動(図
中、左右に移動)しながら、光ディスク7の記録面8の
全面にわたって光ビームの照射を行う。
耐熱性や難燃性,電気特性、表面平滑性、耐摩耗性等の
各種機械物性に優れたエンジニアリングプラスチックで
あることから、種々の機械、電機・電子部品に使用され
ている。そして、CD,DVDなどの光ピックアップ装
置の分野についても、従来、アルミ、亜鉛などの金属ダ
イキャスト法により製造されてきたが、軽量化やコスト
ダウンなどの要請によって、PAS樹脂が使用されるよ
うになった。例えば、特開平10−293940号公報
には、ピックアップ装置用保持容器に適した耐熱性、及
び光軸のズレを抑制する寸法安定性に優れるPAS組成
物が提案されている。
た、書き込み可能なコンパクトディスク・ライティング
(CD−R),コンパクトディスク・リードアンドライ
ティング(CD−RW),デジタルビデオディスク・ラ
ンダムアクセスメモリー(DVD−RAM)などにも使
用する必要が生じ、記録密度がさらに高くなると同時
に、さらに照射するレーザーの出力が高くなった。した
がって、光ピックアップ装置が高温下、例えば50℃以
上、特に70℃以上の条件で使用されることが多くなっ
てきた。そのため、上記のような、従来のPAS組成物
を用いた場合、光軸のズレを生じ記録、再生に支障がで
る問題がある。
せ、高温下でも光軸のズレを生じない光ピックアップ装
置用部品、及びそのような部品を製造(成形)するのに
適したPAS樹脂組成物が要望されている。
らなされたものであり、光ピックアップ装置用部品を成
形した場合に、成形性、機械的強度が良好で、しかもそ
の部品を用いた光ピックアップ装置が高温下、例えば5
0℃以上、特に70℃以上であっても光軸のズレを抑制
できるPAS樹脂組成物、及びそのようなPAS樹脂組
成物を成形して得られる光ピックアップ装置用部品を提
供することを目的とする。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、それぞれ特定
のPAS、非結晶性樹脂及び充填剤を特定の割合で配合
して得られる組成物が、本発明の目的を効果的に達成で
きることを見出し、本発明を完成したものである。した
がって、本発明の要旨は以下の通りである。 〈1〉(A)樹脂温度300℃、せん断速度1000s
ec-1における溶融粘度が50〜350ポアズのポリア
リーレンスルフィド、(B)ガラス転移温度が180℃
以上の非結晶性樹脂、及び(C)充填剤を含有し、
(A)と(B)の配合割合が以下の条件及びを満た
すポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
に対し30〜56vol% (A/B)の質量比 : 65/35〜95/5 〈2〉(B)のガラス転移温度180℃以上の非結晶性
樹脂が、ポリフェニレンエーテル及び/又はポリスルフ
ォンである前記〈1〉に記載のポリアリーレンスルフィ
ド樹脂組成物。 〈3〉(C)の充填剤がガラス繊維、炭素繊維、炭酸カ
ルシウム及びウィスカー状充填剤から選ばれた1種又は
2種以上である前記〈1〉又は〈2〉に記載のポリアリ
ーレンスルフィド樹脂組成物。 〈4〉(A)が、樹脂温度300℃、せん断速度100
0sec-1における溶融粘度が50〜300ポアズであ
るポリアリーレンスルフィド、(B)がポリフェニレン
エーテル、(C)が、炭酸カルシウム及びガラス繊維で
ある前記〈1〉に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物。 〈5〉(C)の充填剤として、酸化亜鉛ウィスカーを含
む前記〈1〉〜〈4〉のいずれかに記載のポリアリーレ
ンスルフィド樹脂組成物。 〈6〉前記〈1〉〜〈5〉のいずれかに記載のポリアリ
ーレンスルフィド樹脂組成物を成形して得られる光ピッ
クアップ装置用部品。 〈7〉光ピックアップ装置用部品が光ピックアップ基盤
である前記〈6〉に記載の光ピックアップ装置用部品。
成分ごとに具体的に説明する。 1.(A)成分:PAS 本発明に用いられるPASは、構造式−Ar−S−(た
だしArはアリーレン基)で示される繰り返し単位を7
0モル%以上含有する重合体であれば特に制限はなく、
好ましくはポリフェニレンスルフィド(PPS)であ
る。この繰り返し単位が70モル%未満だと、本来の結
晶性が低くなり充分な耐熱性及び機械的物性が得られな
くなる傾向があり好ましくない。
基、アルコキシ基、フェニル基、カルボン酸及びその金
属塩、アミノ基、ニトロ基、並びにフッ素,塩素,臭素
等のハロゲン原子から選ばれる置換基であり、mは0〜
4の整数である。また、nは平均重合度を示し10以上
の自然数である)で示される繰り返し単位を70モル%
以上有するものが挙げられる。
状で分岐、架橋構造を有しない分子構造のものと、熱架
橋法により分岐や架橋構造を有する構造のものが知られ
ているが、本発明においてはその何れのタイプのものに
ついても有効である。
官能基を有するモノマーを少量混合使用して重合した分
岐または架橋ポリアリーレンスルフィドも用いることが
できる。
を含んでいても良い。例えばメタフェニレンスルフィド
単位、オルソフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジ
フェニレンケトンスルフィド単位、p,p’−ジフェニ
レンスルホンスルフィド単位、p,p’−ビフェニレン
スルフィド単位、p,p’−ジフェニレンエーテルスル
フィド単位、p,p’−ジフェニレンメチレンスルフィ
ド単位、p,p’−ジフェニレンクメニルスルフィド単
位、ナフチルスルフィド単位などである。
を用いても構わない。前記PASは、例えばジハロ芳香
族化合物と硫黄源とを有機極性溶媒中で、それ自体公知
の方法により縮重合反応させることにより得ることがで
きる。本発明の組成物に用いるPASは、樹脂温度30
0℃、せん断速度1000sec-1における溶融粘度が
50〜350ポアズ(P)、好ましくは、50〜300
ポアズ、より好ましくは50〜250ポアズのものであ
る。この溶融粘度が350ポアズを超えれば、後述の配
合割合を適正に選んでも、成形時の流動性が低下し、成
形体の寸法精度が悪化し、したがって光ピックアップ装
置の光軸のズレが大きくなる。一方、溶融粘度が50ポ
アズ未満では機械的強度の低下が大きく実用上好ましく
ない。
〜20%、好ましくは0〜10%であり、かつ、ガラス
転移温度が180℃以上の樹脂である。結晶性が20%
を超えると、溶融時と固化時とでの体積変化が大きくな
るため収縮率(密度変化)が大きくなり、これを本発明
に用いると成形品の寸法精度が悪くなる恐れがある。一
方、ガラス転移温度が180℃未満の樹脂を本発明に用
いた場合、PASの射出成形時の金型温度は通常130
〜150℃であるため、成形条件によっては、離型時の
変形が大きくなる恐れがある。但し、このガラス転移温
度は、溶融混練が容易にできるという点で、PASの融
点であるおよそ280℃以下であることが好ましい。
いが、成形条件での溶融粘度が組成物の基材であるPA
Sの溶融粘度に近い方が、分散性が良くなり好ましい。
また、前記ガラス転移温度と結晶化度のものであれば共
重合体や組成物であっても良い。
ン(PSF)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポ
リエーテルスルホン(PES)、変成ポリフェニレンエ
ーテル(変性PPE)、ポリアリレート(PAR)及び
ポリエーテルイミド(PEI)が挙げられ、中でもポリ
スルホン(PSF)、ポリフェニレンエーテル(PP
E)が好ましい。
繊維状充填剤が含まれる。繊維状充填材の具体例として
は、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊
維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石こう繊維、金
属繊維の他、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィス
カ、炭酸カルシウムウィスカなどのウィスカ状充填剤及
びワラステナイトやアスベストなどが挙げられる。ま
た、非繊維状充填剤の具体例としては、セリサイト、カ
オリン、マイカ、クレー、ベントナイト、タルク、アル
ミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化
鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウムなどの硫酸塩、ガラスビーズ、セラミックビー
ズ、窒化ホウ素、炭化珪素、燐酸カルシウム、シリカ、
黒鉛及びカーボンブラックなどが挙げられる。なお、こ
れらの充填剤をシラン系やチタネート系のカップリング
剤で予備処理して機械的強度を高めてもよい。これらの
中で、本発明の組成物においては、ガラス繊維、炭素繊
維、炭酸カルシウム、及びウィスカ状充填剤がより好ま
しい。また、ガラス繊維の場合は繊維の平均直径が8〜
20μmのものが特に好ましく、ウィスカ状充填剤の場
合は、酸化亜鉛ウィスカが特に好ましい。
種以上用いてもよい。充填剤を二種以上組合せるとき
は、例えばガラス繊維と炭酸カルシウムを組合せた場
合、特に平均直径が8〜20μmのガラス繊維と炭酸カ
ルシウムを併用すると光軸ズレを抑制する効果が大き
い。また、ガラス繊維と炭酸カルシウムに、さらにウィ
スカ状充填剤、特に酸化亜鉛ウィスカを加えるとその効
果は一層向上する。
い限り、ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、フォス
ファイトなどの酸化防止剤や熱安定剤、レゾルシノー
ル、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノ
ンなどの紫外線吸収剤、その他帯電防止剤、難燃剤、核
剤及び顔料等の各種添加剤を配合してもよい。
るとともに、前記(A)〜(C)成分が体積比、及び質
量比で以下の関係が存在することが必要である。まず、
(A+B)の体積分率、すなわち(A+B)/(組成物
全体)が30〜56vol%、好ましくは35〜55v
ol%であることである。(A+B)が組成物全体の3
0vol%未満の場合、組成物の流動性が著しく低下し
成形性が充分でなく本発明の目的を達成できない。ま
た、(A+B)が組成物全体の56vol%を超えると
光ピックアップ装置の光軸のズレが大きくなり本発明の
効果を奏しない。また、上記の比率は、質量分率ではな
く体積分率である点に留意すべきである。これは樹脂の
体積分率が光軸ズレと相関があるという本発明により得
られた知見に基くものである。
めることができる。 V=(組成物又は成形品中の各成分の質量)÷各成分の
常温常圧下(25℃/1気圧下)での密度 本発明は、上記に加えて、さらに、A/B(質量比)が
65/35〜95/5,好ましくは68/32〜93/
7にする必要がある。A/B(質量比)が65/35未
満になると、組成物の流動性が悪化し、95/5を超え
ると光ピックアップ装置の光軸のズレが大きくなるから
である。また、以上のことから、(C)成分の配合割合
は、体積分率が組成物全体の44〜70%であることが
必要である。この(C)成分の好ましい配合割合(質量
%)は,充填剤の種類(密度)によって異なるが,充填
剤が炭酸カルシウムやガラス繊維のよに、密度が2〜3
程度の充填剤の場合は、通常組成物全体の55〜90質
量%であり、60〜85質量%である場合がさらに好ま
しい。また、2種以上の充填座を用いる場合、その配合
比率は特に制限はないが、例えば、充填剤として炭酸カ
ルシウムとガラス繊維との2種を用いる場合、前者と後
者の配合割合(質量%)としては、80:20〜30:
70が効果的であって好ましく、70:30〜40:6
0がより好ましい。また充填剤として炭酸カルシウムと
ガラス繊維などの充填剤と酸化亜鉛ウィスカーとを併用
する場合は、この酸化亜鉛ウィスカーの配合割合(質量
%)は組成物全体の0.1〜10質量%が好ましく、
0.5〜5質量%がさらに好ましい。
法、例えば上記各成分をドライブレンド後、射出成形、
押出成形、溶媒成形、プレス成形、熱成形等の通常の成
形方法で成形できる。好ましくは射出成形であり、生産
性、得られる成形品の寸法精度及び滞留時間が短く,
(B)成分の熱分解も発生しにくい点で好ましい。
途 本発明のPAS樹脂組成物を成形することにより、耐熱
性が優れたCDやDVDなどの光ピックアップ装置用部
品を得ることができる。光ピックアップ装置用部品に
は、保持容器や光ピックアップ基盤などがあるが、特に
光ピックアップ基盤に適用した場合、それを用いた光ピ
ックアップ装置が70℃を超える高温下に置かれても、
光軸のズレを抑制する効果が著しい。したがって、記録
容量が大きく、また、書き込み可能なCD−R,CD−
RW,DVD−RAMなどの光ピックアップ装置用部
品、特に光ピックアップ基盤として利用することが有用
である。
説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定される
ものではない。 (1)使用した材料 A成分 PAS(1):半架橋タイプ PPS トープレン社製 H1 溶融粘度(300℃、1000sec-1):120ポア
ズ 密度(25℃、1気圧):1.35 PAS(2): 架橋タイプPPS 東ソー社製 #140 溶融粘度(300℃、1000sec-1):300ポア
ズ 密度(25℃、1気圧):1.35 PAS(3):リニアータイプPPS トープレン社製 LR01 溶融粘度(300℃、1000sec-1):100ポア
ズ 密度(25℃、1気圧):1.35 B成分 PPE:ポリフェニレンエーテル 三菱エンプラ社製 2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル ガラス転移温度 220℃ 密度(25℃、1気圧):1.06 PSF:ポリスルフォン 帝人アモコ社製 ユーデルP1700 ガラス転移温度:190℃ 密度(25℃、1気圧):1.24 PC:ポリカーボネイト 出光石油化学社製 タフロンA2200 ガラス転移温度:150℃ 密度(25℃、1気圧):1.20 C成分 炭カル:炭酸カルシウム 白石カルシウム社製 ホワイトンP30 密度(25℃、1気圧):2.75 GF:ガラス繊維 旭ファイバーグラス社製 JAFT591 繊維直径:10μm 密度(25℃、1気圧):2.55 酸化亜鉛ウィスカー: 松下アムテック社製 パナテトラ0511 密度(25℃、1気圧):5.78 (2)評価方法 成形性 後記(3)で述べるCD用光ピックアップ基盤を成形し
た場合,成形品の変形の大きさを目視観察し、以下の評
価基準で評価した。
難 光軸のズレ(角度) 直径20cmの円柱型のオーブンと、そのオーブンの中
心へ垂直にレーザー光を照射する機構及びレーザーの反
射光の反射角を測定する非接触角度測定機構を備えた測
定装置を用い、以下のようにして測定した。まず、後記
(3)で成形したCD用光ピックアップ基盤にハーフミ
ラーを所定の位置にセットした。次いで、このCD用光
ピックアップ基盤を前記オーブン中にハーフミラー面が
水平になるようにして固定し、室温(23℃)にてレー
ザー光を照射してその反射角を測定した。続いて、オー
ブンを80℃とし10分間保った後、再度レーザー光を
照射てその反射角を測定した。80℃における反射角と
室温(23℃)における反射角の差を光軸のズレ(角
度、分)とした。なお、非接触角度測定機構の分解能
は、0.08分である。
成分とをドライブレンドした後、二軸押出機(東芝機械
社製 TEM35)を用い、330℃で溶融混練しペレ
ットを得た。このペレットを使用し、金型温度140
℃、射出温度330℃の条件で50トン射出成形機(日
本製鋼所社製)により、CD用光ピックアップ部品(C
D用光ピックアップ基盤)を成形した。このようにして
得られた光ピックアップ基盤を用いて、上記(2)評価
方法及びにより評価した。
ップ基盤を成形した場合、成形性が良好であり、80℃
における光軸のズレが極めて小さい。これに対し、樹脂
の体積分率が高い比較例1、A/B(質量比)が高い比
較例2はいずれも光軸のズレが大きくなる。また、B成
分にガラス転移温度が150℃のPC(ポリカーボネー
ト)を用いた比較例3は、成形性が劣る。 特に、(A+B)の体積分率がそれぞれ50%と49
%の実施例3と4は、光軸のズレが小さいのに対し、組
成が類似し、(A+B)の体積分率が59%の比較例1
は光軸のズレが大きい。 本発明の要件を満たし、C成分として、炭酸カルシウ
ムとガラス繊維を併用した実施例3のPAS樹脂組成物
は光軸のズレが小さいが、これにさらに充填剤として酸
化亜鉛ウィスカを配合した実施例1は、一層その効果が
大きくなる。
アップ装置用部品を成形した場合、成形性、機械的強度
が良好であり、しかも、このような部品、特に光ピック
アップ基盤を使用した光ピックアップ装置は高温下でも
光軸のズレを抑制できる。
を示す。
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)樹脂温度300℃、せん断速度1
000sec-1における溶融粘度が50〜350ポアズ
のポリアリーレンスルフィド、(B)ガラス転移温度が
180℃以上の非結晶性樹脂、及び(C)充填剤を含有
し、(A)と(B)の配合割合が以下の条件及びを
満たすポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 (A+B)の体積分率 : 組成物全体に対し30〜
56vol% (A/B)の質量比 : 65/35〜95/5 - 【請求項2】 (B)のガラス転移温度180℃以上の
非結晶性樹脂が、ポリフェニレンエーテル及び/又はポ
リスルフォンである請求項1に記載のポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物。 - 【請求項3】 (C)の充填剤がガラス繊維、炭素繊
維、炭酸カルシウム及びウィスカー状充填剤から選ばれ
た1種又は2種以上である請求項1又は2に記載のポリ
アリーレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項4】 (A)が、樹脂温度300℃、せん断速
度1000sec-1における溶融粘度が50〜300ポ
アズであるポリアリーレンスルフィド、(B)がポリフ
ェニレンエーテル、(C)が、炭酸カルシウム及びガラ
ス繊維である請求項1に記載のポリアリーレンスルフィ
ド樹脂組成物。 - 【請求項5】 (C)の充填剤として、酸化亜鉛ウィス
カーを含む請求項1〜4のいずれかに記載のポリアリー
レンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のポリア
リーレンスルフィド樹脂組成物を成形して得られる光ピ
ックアップ装置用部品。 - 【請求項7】 光ピックアップ装置用部品が光ピックア
ップ基盤である請求項6に記載の光ピックアップ装置用
部品。
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