JP2001293992A - ボールペン - Google Patents

ボールペン

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JP2001293992A
JP2001293992A JP2000183229A JP2000183229A JP2001293992A JP 2001293992 A JP2001293992 A JP 2001293992A JP 2000183229 A JP2000183229 A JP 2000183229A JP 2000183229 A JP2000183229 A JP 2000183229A JP 2001293992 A JP2001293992 A JP 2001293992A
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JP2000183229A
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Yasunori Nakatani
泰範 中谷
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Sakura Color Products Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、上記スム−ズなインキ流出と、
インキの逆流防止と、インキ残量が外部より見える水性
ボールペンを提供する事を目的とする。 【解決手段】透明、又は半透明のインキ収納管の内部に
ガラスフレーク顔料を含有する光輝性顔料インキを充填
し、その後端部分は、逆流防止剤より封止されている、
インキ収納部と、特定のボールペンチップと、当該ボー
ルペンチップの先端をキャップ内に装着したシリコ−ン
ゴム製の球状体にて、キャップを嵌めた状態で、ボール
ペンチップの先端が球状体内に埋没するキャップと、前
記インキ収納部と前記ボ−ルペンチップとの間に特定の
弁機構と、透明または半透明の本体軸と、当該本体軸の
後端に位置し内部に乾燥防止剤を有する尾栓よりなるこ
とを特徴とする水性ボールペン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光輝感を有するボ
ールペンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の水性ボールペンは、染料、有機顔
料、金属紛顔料等を用いるのが通例であった。 しか
し、近年、光輝感を有するボールペンが要望されている
が、従来の染料、有機顔料、金属紛顔料等は粒子径が小
さく筆記性に問題がなかったが、光輝感を有する、ガラ
スフレ−ク顔料は粒子径が大きくスム−ズな流出性が得
られない、という問題があった。また、当該問題を解決
する手段としてインキ流出性の良いペン先にする為に、
ペン先内でのインキ流通隙間を大きくした場合、ペン先
より空気が入りインキが逆流する危険性が有るという問
題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ガラスフレ
−ク顔料を用いる水性ボールペンを商品とする為には、
スム−ズなインキ流出と、インキの逆流防止と、インキ
残量が外部より見える必要がある。
【0004】本発明は、上記スム−ズなインキ流出と、
インキの逆流防止と、インキ残量が外部より見える水性
ボールペンを提供する事を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を解決
する為に、透明、又は半透明のインキ収納管の内部にガ
ラスフレーク顔料を含有する光輝性顔料インキを充填
し、その後端部分は、逆流防止剤より封止されているイ
ンキ収納部と、一部露出した状態で回転可能に保持され
た筆記用ボールを有し、ボールペンチップ本体はインキ
収納部と連通するインキ導通孔と、当該インキ導通孔に
連通し筆記用ボールが収納されるボール収納室を備え、
ボール収納室はボールを保持する座面を有し、当該座面
に放射状の溝が設けられたボールペン本体において前記
放射状の溝は、溝幅が0.20mm以上であり、筆記用
ボールの直径は、0.9mm以上であり、さらにボール
収納室の中心軸上に筆記用ボールの中心が位置すると
き、筆記用ボールの赤道部よりも露出側の部位とボール
収納室の内壁との間に、20〜40μmのインキ流通路
が確保され、かつ筆記用ボールは、ボールペンチップ内
において軸方向に60〜170μm移動可能であり、ボ
ールペンチップ本体の材質は快削ステンレス鋼、又は洋
白よりなるボールペンチップと、当該ボールペンチップ
の先端をキャップ内に装着した球状体にてキャップを嵌
めた状態でボールペンチップの先端が球状体内に埋没す
るキャップと、前記インキ収納部と前記ボ−ルペンチッ
プとの間にを位置する弁機構と、透明または半透明の本
体軸と、当該本体軸の後端に位置する尾栓よりなること
を特徴とする水性ボールペンである。また本発明は更
に、前記筆記用ボール材質は炭化珪素(SiC)若しくは
超硬であり、又当該キャップ内に装着した球状体がシリ
コ−ンゴム製であって、前記弁機構が、インキ流通方向
に移動可能な弁体と、該弁体よりインキ収納部側に位置
する弁座と、当該弁体より先端部側に位置する弁受けと
を有し、該弁受けは弁体を係止し得ると共に弁体との間
にインキが通過する空隙部を具備し、塗布具の先端部を
上向きに位置させた際には弁体は弁座に当接して先端部
からインキ収納部へのインキの逆流を防止し、塗布具の
先端部を下向きに位置させた場合には弁体は弁受けに当
接し、インキは空隙部を経由して先端部側へ流れるよう
にし、且つ弁体のうち弁受けに当接する部分の形状は球
状であり、インキ流通方向に直交する平面に弁体及び空
隙部を投影してなる弁体に覆われない空隙部の投影面積
が0.035mm2以上であり、弁体の材質は非磁性の
オ−ステナイト系ステンレススチール製であり、更に前
記尾栓内部に乾燥防止剤を有することを特徴とする水性
ボールペンである。
【0006】
【発明の実施の形態】本実施形態のボールペンは、特殊
なインキを使用することを前提としたものであるので、
ボールペンの物理的構造の説明に先立って、使用するイ
ンキの性状等について説明する。
【0007】本実施形態のボールペンに用いられるイン
キは、チキソトロピー性を有する水性インキであり、ガ
ラスフレーク顔料を含有する。またインキに含有される
ガラスフレーク顔料は、粒子径(全長)が極めて大きい
ものを含む。ここでガラスフレーク顔料とは、フレーク
状ガラスが金属などで被覆された構造からなる顔料を指
し、光輝感と立体感を有する。 図1は、ガラスフレー
ク顔料の粒子を概念的に示した説明図である。
【0008】ガラスフレーク顔料の粒子は、偏平であ
り、その厚さは1μm程度である。しかしながら、イン
キ組成物として配合するガラスフレーク顔料の粒子を個
々に見ると、その径(全長)は、図1の様にある程度の
ばらつきがある。
【0009】そこでガラスフレーク顔料の粒子の大きさ
を表すには、平均の粒子径やメジアンの粒子径で表示す
るのが適切である。そして光輝感と立体感を表出させる
ために、ボールペンのインキ中にガラスフレーク顔料を
配合する場合には、平均粒子径が20〜50μmのもの
を選択することが適切である。即ちガラスフレーク顔料
の平均粒子径が20μm未満の場合は、フレーク粒子が
小さすぎるために光輝性に劣りインキ中に配合する価値
がない。一方、平均粒子径が50μmを超える場合は、
粒子が余りにも大きすぎ、どうしても詰まってしまう。
前記した様に、配合されるガラスフレーク顔料の粒子径
にばらつきがあるため、その平均粒子径を中心として、
それよりも大きな粒子の顔料や小さな粒子の顔料がイン
キ中に含まれることとなる。具体的には、上記した平均
粒子径の下限たる20μmのガラスフレーク顔料であれ
ば、最大のものとして一般的に40μm程度の径を有す
る粒子が含まれる。また上記した平均粒子径の上限たる
平均粒子径が50μmのガラスフレーク顔料であれば、
一般的に200μmの径の粒子が含まれる。以上は、ガ
ラスフレーク顔料の一般的性質であるが、現在市販され
ているガラスフレーク顔料としては、フレーク状ガラス
が無電解メッキ法により金属で被覆されたものがある。
具体例として、銀で被覆された東洋アルミニウム社製の
商品名「メタシャインREFSX−2015PS」、
「メタシャインREFSX−2025PS」及び「メタ
シャインREFSX−2040PS」が挙げられる。ま
た、フレーク状ガラスがスパッタリング法により金属で
被覆された顔料もガラスフレーク顔料の一例である。こ
れには銀で被覆された東洋アルミニウム社製の商品名
「クリスタルカラーGF2125」、「クリスタルカラ
ーGF2125−M」、「クリスタルカラーGF214
0」、「クリスタルカラーGF2140−M」がある。
また、ニッケル・クロム・モリブデンで被覆された同社
製の商品名「クリスタルカラーGF2525」、「クリ
スタルカラーGF2525−M」、「クリスタルカラー
GF2540」、「クリスタルカラーGF2540−
M」がある。また、真鍮で被覆された同社製の商品名
「GF250」、銀合金で被覆された同社製の商品名
「GF1345」、チタンで被覆された同社製の商品名
「GF1445」がある。上記したガラスフレーク顔料
は、インキ組成物全量中0.01〜40.0重量%含ま
れる。即ち上記ガラスフレーク顔料がインキ組成物全量
中0.01重量%未満の場合は光輝性及び立体感が十分
でない。ガラスフレーク顔料がインキ組成物全量中4
0.0%を超えると、インキとしては粘度が上がりす
ぎ、流動性が低下する。ガラスフレーク顔料の最適配合
量は0.1〜20.0重量%である。次に本発明の実施
形態のボールペンの物理的構造について説明する。
【0010】図2は、本発明の実施形態に係るボールペ
ン1を示す。図3(a)は、図2のボールペンのボール
ペンチップの先端部分の断面図であり、(b)は、
(a)のA−A断面図である。
【0011】図2に示した本発明の実施形態のボールペ
ン1は、筒状の本体軸2と、インキ芯3とを備えてい
る。また、インキ芯3は、筆記用ボール10が回転可能
に保持されたボールペンチップ5を有し、該チップ5
が、継手部材6を介してインキ収納管7の先端に取付け
られたものである。継手部材6内部には球状の弁体8が
設けられている。上記ボールペンチップ5は、チップ本
体11と筆記用ボール10によって構成され、チップ本
体11の先端に筆記用ボール10が設けられたものであ
る。チップ本体11は、快削鋼等の金属材料を切削加工
して作られている。チップ本体11の材料は、他に例え
ば快削ステンレス鋼(Free Cutting Stainless Steel)
や洋白を用いることが可能である。
【0012】チップ本体11の外形形状は、先端部分1
7が円錐形をしており、後側18は円柱状をしている。
また後端側の部位には段差19が設けられており、段差
19よりも更に後端側はやや小径に作られている。
【0013】ボールペンチップの内部の概略形状は、図
2の通りであり、先端部分に筆記用ボール10が収納さ
れるボール収納室40を持ち、ボール収納室40から後
端側に連通するインキ導通孔12が設けられている。イ
ンキ導通孔12の後端開口の近傍部分に弁受けが形成さ
れている。チップ本体11のボール収納室40には、筆
記用ボール10が回転可能に収納されているが、ボール
収納室40部分の詳細は図3の通りである。すなわちボ
ール収納室40は、端部が開放された凹形状であり、円
筒壁41を持つ。また開放端は、ややかしめられていて
窄んでいる。ボール収納室40の開放側に対向する部位
には、座部45が設けられている。座部45は、30°
程度の傾斜を持つテーパ面であり、中央の孔46に収斂
し、インキ導通孔12と連通している。ここでボール収
納室40の中央の孔46は、直径が0.3mm〜0.5
mm程度である。
【0014】また座部45の座面には十字の放射状に延
びる溝47が設けられている。本実施形態のボールペン
1では、インキ導通孔12の先端部分は、ボール収納室
40の内径と略同一の内径を持ち、図3(b)の様に、
前記した溝47はボール収納室40からインキ導通孔1
2まで貫通している。
【0015】そして本実施形態のボールペン1では、溝
47の幅Wは通常のものよりも広く、0.15〜0.5
mmであり、より望ましくは0.20〜0.35mmで
ある。 また溝47の幅Wは、筆記用ボール10の直径
dの15%〜50%、より好ましくは25%〜35%程
度が適当である。筆記用ボール10は、直径が0.3〜
1.2mmの球であるが、本実施形態のボールペンは、
後記する様に粒径が比較的大きい顔料を含む水性インキ
が使用されるので、ボール10の直径は0.8〜1.1
mmであることが望ましい。またより推奨される範囲
は、0.9〜1.1mmである。
【0016】また、筆記用ボール10の素材には超硬や
炭化珪素(SiC)が使用される事が好ましい。そして筆
記用ボール10は、ボールペンチップのボール収納室4
0内に回転可能に保持され、その一部がボール収納室4
0の開口から露出している。筆記用ボール10の露出量
Hは、図3の様に筆記用ボールがボール収納室の座面と
当接すると共に、ボール収納室の中心軸上に筆記用ボー
ルの中心が位置するとき、ボールの直径dの20%〜3
5%であり、より望ましくは25%〜30%である。
【0017】筆記用ボール10の直径dとボール収納室
40の円筒壁41の内径Dとの関係は、円筒壁41の内
径Dがボール10の直径dに比べて40μm〜80μm
大きい。すなわち筆記用ボール10を図3の位置に置い
たとき、筆記用ボール10の赤道(ボール収納室の中心
軸に対して垂直であってボール10の中心を通る平面で
切った位置:dの寸法線の位置の外周部)部分におい
て、筆記用ボール10とボール収納室40の間に20〜
40μmの隙間48ができる。
【0018】また前記した様にボール収納室40の開口
部分はかしめられており、筆記用ボール10の赤道から
露出側の部位であってボール収納室40内にある部分
は、どの部分においても20〜40μmの隙間48が確
保されている。
【0019】筆記用ボール10とボール収納室40の間
の隙間48は、インキ流通路として機能するが、本実施
形態のボールペンは、後記する様に粒径が比較的大きい
顔料を含む水性インキが使用されるので、通常のボール
ペンよりも広い間隔が設けられている。筆記用ボール1
0とボール収納室40の間の隙間48の下限は、平均粒
子径20〜50μmの顔料を使用する場合に適切な例で
あり、隙間48がこれよりも小さい場合は、顔料がボー
ル収納室40内で詰まる。一方、筆記用ボール10とボ
ール収納室40の間の隙間48が上限たる40μmを越
えると、ボール10の動作は安定性を欠き、甚だしい場
合は、筆記用ボール10がボール収納室40から飛び出
してしまう。
【0020】本発明において、筆記用ボールは、φ0.
9mm以上である。好ましくはφ1.0mmである。そ
して本発明では、図10の様に筆記用ボールは、ボール
ペンチップ内において、軸方向に60〜170μm移動
可能である。筆記用ボールの移動量は、ボールペンチッ
プの開口部分のかしめの程度や、いわゆる座打ち(ボー
ルに打撃を与えてボール収納室の座面にクレ−タ状の凹
みを設ける行為)の強さによって調整される。また開口
部分の直径を一定にしておいて、筆記用ボールの出寸法
を調整することにより筆記用ボールの移動量が調整され
る。すなわちボール収納室の深さを変えることにより、
筆記用ボールの移動量が調整される。
【0021】本発明で採用するペン先チップ5は、イン
キ導通穴12の後端開口の近傍部分に、図4の様に拡径
部13が設けられており、インキ導通穴12の内部に段
差状の弁受け(弁体係止部)15が形成されている点で
ある。すなわちインキ導通穴12の後端部分は、図4、
図5の様に、インキ導通穴12の部位よりも内径Eが大
きい。内径Eの望ましい範囲は、弁体8の直径の110
%〜150%程度である。
【0022】また拡径部13の軸方向の長さi、すなわ
ち拡径部13の深さは、弁体8の直径に対して30%〜
90%の範囲である事が推奨される。さらにインキ導通
穴12の他の部分の内径e、は弁体の直径に対して70
%から90%の範囲である事が推奨される。段差状の座
受け15は、拡径部13の内壁に対して120°の傾斜
を持っている。要するに、拡径部13の各部の形状・寸
法の関係は図4の様に拡径部13の中に弁体8の一部が
入り込むことができる関係にある事が肝要である。さら
にこの時に、弁体8と拡径部13の内周の間にインキが
通過するクリアランスが確保されている事が必要であ
る。
【0023】そしてもう一つの特徴的構成は、弁受け1
5に切り溝(空隙部)16が設けられている点であり、
この空隙部の大きさが、軸に直交する平面に弁体8及び
空隙部16を投影してなる弁体に覆われない空隙部の投
影面積が0.035mm2以上に設計されている事であ
る。
【0024】継手部材6は、ポリプロピレン樹脂等の熱
可塑性樹脂を素材とする射出成形によって作られたもの
であり、外形形状は公知のものと大差無い。すなわち、
継手部材6は先端部20が円錐形をしている。また後端
側は二段の円筒形状になっており、大径部21と小径部
22が順次設けられている。接続部材6の中心には、軸
方向に貫通する連通孔23が設けられている。この連通
孔23の中間部分には弁座25が設けられている。連通
孔23の先端側には位置決め用の段差31が設けられて
いる。
【0025】弁体8は、ステンレススチールや超硬合金
或いはセラミックス等の錆びにくく、且つ、ある程度の
重量を有する素材で作られた球である。
【0026】特に、弁体8は、非磁性体からなることが
好ましい。その理由を以下に説明する。
【0027】ボールペンチップ5は切削加工が施される
ため、その材質として、硫黄、セレン、鉛、テルル、モ
リブデン等が添加された快作ステンレス鋼が採用される
ことが多いが、かかる材質のボールペンチップ5はその
切削加工時に磁気を帯びてしまう場合がある。弁体8に
磁気を有する金属製のものを採用すると、磁気を帯びた
ペン先チップ5に弁体8が磁力により吸着してしまい、
筆記後にボールペンチップ5を上に向けた際にも弁体8
が弁座25側に落下しなくなり、インキの逆流防止機能
が図れなくなる問題がある。非磁性からなる弁体8を用
いると、このような問題が解決される。即ち、ペン先チ
ップ5が磁気を帯びても弁体8がペン先チップ5に磁力
により吸着することはなく、ペン先チップ5を上方に向
けた際には、ペン先チップ5に当接していた弁体8は、
自重により落下して弁座25に当接し、インキの逆流を
確実に阻止する。
【0028】ここで、非磁性体とは、ペン先チップに対
して全く着磁性を有しないものは無論、ペン先チップか
ら確実に離間する程度の着磁性を有するものも含み、具
体的には、オ‐ステナイト系ステンレス鋼、セラミッ
ク、銅合金またはガラス等を含む。中でもオ−ステナイ
ト系ステンレス鋼が、硬度及び比重が大でしかも球状に
加工し易いので好ましい。例えば、SUS201〜SU
S385の範囲が好ましく、更に具体的には、SUS3
04またはSUS316が好ましい。
【0029】インキ収納管(インキ収納部)7は、ポリ
エチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等を素材として押出
成形によって作られたものであり、その内部にガラスフ
レーク顔料を含有する光輝性の水性インキ30が充填さ
れている。配合されたガラスフレーク顔料の平均粒子径
は、20〜50μmである。またこの中には、粒子径が
20〜50μmのものを中心としてそれよりも大きい粒
子径のものや小さい粒子径のものが含まれる。そして配
合されたガラスフレーク顔料のばらつきの中で、径が最
大のものとして、40〜180μmのものが含まれる。
【0030】本実施形態で用いた光輝性水性インキ30
の粘度は500〜10000mPa・sである(株式会
社トキメック製ELD型粘度計 3°R14コーン、回
転数:0.5rpm、20℃)。水性インキ30の後端
部分は、シリコーングリスにより封止されている。
【0031】インキ芯3は、図2に示すように、ボール
ペンチップ5とインキ収納管7が継手部材6を介して繋
がれたものであり、ボールペンチップ5は、継手部材6
の連通孔23の先端側に内挿され、インキ収納管7は接
続部材6の後端部の小径部22に外装されている。そし
て、接続部材6内であって、ボールペンチップ5の弁受
け15と、弁座25の間に、弁体8が軸方向に移動可能
に挿入されている。本実施形態のボールペン1は、上記
したインキ芯3の接続部材6の大径部21に本体軸2が
外装されたものである。
【0032】本体軸2にキャップ が嵌合した状態に
て、キャップ内のシリコーンゴム製の球体がペン先に変
形し、覆い被さる。この効果は、携帯時のペン先からの
インキの洩れの防止と、ペン先のインキの乾燥を防ぐも
のである。本体軸2の後端は尾栓(図示しないが)にて
封鎖されており、先端のキャップと合わせて本体軸2内
を外部から閉鎖している。また尾栓内には、防乾剤が装
填され、インキの乾燥を防いでいる。本実施形態のボー
ルペン1を用いて文字等を筆記するとき、水性インキ3
0は、インキ収納管7からボールペンチップ5のボール
収納室40に入り、筆記用ボール10を介して紙等に塗
布される。ここで本実施形態のボールペン1では、ボー
ル収納室40の座部(座面)45に設けられた放射状の
溝47の溝幅Wが広いので、ガラスフレーク顔料の巨大
径の粒子でも円滑に通過する。
【0033】また本実施形態のボールペン1では、筆記
用ボール10とボール収納室40の間の隙間48が広
く、十分なインキ流通路が確保されているから、筆記用
ボール10とボール収納室40についてもガラスフレー
ク顔料等が円滑に通過する。
【0034】本体軸とインキ収納管はポリプロピレン等
の樹脂より成形し、透明、又は半透明として、外部より
目視にてインキ残量を確認する事が出来る。
【0035】
【実施例】次に、本発明の効果を確認するために行った
実験について説明する。
【0036】本発明の実施例として、図2の構造のボー
ルペンを試作した。実施例で採用した筆記用ボールの直
径は、1.0mmである。座部(座面)45に設けられ
た放射状の溝47の溝幅Wは、0.3mmの二種類のも
のを試作した。また実施例のボールペンでは、円筒壁4
1の内径Dは、ボール10の直径dに比べて60μm大
きい。
【0037】インキは、ガラスフレーク顔料を含有する
光輝性の水性インキを使用した。配合されたガラスフレ
ーク顔料の平均粒子径は、40μmである。またこの中
で粒子径が最大のものは、175μmであった。一方、
比較例として試作したボールペンは、ボール収納室40
の座部45の溝47の幅が0.14mmであり、筆記用
ボールの直径は、0.8mmであり、その他の構成及び
インキは上記実施例と全く同一である。
【0038】そして実施例及び比較例のボールペンを使
用して筆記試験を行ったところ、実施例のボールペン
は、インキの流出が円滑であった。これに対して比較例
のボールペンでは、書きはじめから線飛びが生じ、つい
にはインキが全く出ない状態となった。また他の比較例
として、筆記用ボール10の直径dとボール収納室40
の円筒壁41の内径Dとの関係が、円筒壁41の内径D
がボール10の直径dに比べて70μm大きく、その他
の構成は上記実施例と全く同一に構成されたボールペン
を試作し、同様の試験を行った。すなわち筆記用ボール
とボール収納室内壁との隙間の大きさの限界を確認する
ため、前記した実施例よりもボール収納室40が小さい
ボールペンチップを製作し、実施例と比較した。その結
果、この比較例のボールペンもインキ詰まりが生じた。
この比較例では、筆記用ボールとボール収納室の内壁と
の間に、35μmのインキ流通路が存在するが、インキ
の流れは悪いものであった。また本発明の変形実施例と
して、図7の様に座部45に設けられた放射状の溝47
がインキ導通孔12側に貫通しないボールペンチップを
使用し、その他の構成は上記実施例と全く同一に構成さ
れたボールペンを試作し、同様の試験を行ったところ、
インキ詰まりがなく、且つ、良好な書き味を示した。
【0039】しかしながら、溝47の深さが0.15m
m未満である場合は、書き味は極端に低下し、インキ詰
まりが発生した。さらに本発明の他の変形実施例とし
て、図8の様に溝47の数が3本のものを試作したが、
インキ詰まりや線飛びがなく、且つ、良好な書き味を示
した。溝47の幅は、十字形の溝と同様であり、インキ
詰まりが生じない範囲は、0.15〜0.5mmであ
り、さらに0.20〜0.3mmの範囲が良好であっ
た。次に、筆記用ボールの直径と、溝47の幅Wがそれ
ぞれ異なるボールペンを試作した。具体的には、筆記用
ボールの直径が0.8mmであって、溝幅Wが0.1m
m,0.20mm,0.3mmのものを製作した。また
筆記用ボールの直径が1.0mmであって、溝幅Wが
0.1mm,0.2mm,0.3mmのものを製作し
た。溝の形状は図8の様であり、3本である。
【0040】そしてこれらに、先の実験と同一のインキ
を充填し、筆記試験を行った。その結果は、次の表の通
りであり、溝幅は、0.1mmと0.2mmの間を境と
してインキ流出の良否が分かれ、先の実験と同様に0.
15mm以上のものが良好であることが追認された。ま
た筆記用ボールとインキ流出の良否との関係は、0.8
mmと1.0mmの中間(0.9mm)が良否の境界と
見られる。ただし、筆記用ボールの直径が0.8mmで
あっても、溝幅Wが0.20mm以上である場合は、線
飛びはあるものの、目詰まり状態にはならない。
【0041】最も望ましい組み合わせは、筆記用ボール
の直径が1.0mm以上であり、溝幅が0.2mm以上
であるボールペンである。
【0042】以上説明した実施例は、いずれもガラスフ
レーク顔料を含有するインキを使用したが、金属被覆無
機顔料を使用する場合においても同様の効果が得られ
る。また本発明は、アルミ粉顔料等の他の顔料を含むイ
ンキであって、粒子径が40〜200μmの顔料が含ま
れる場合や、平均の粒子径が20〜50μmの顔料を含
有する水性インキを使用する場合にも効果がある。
【0043】
【発明の効果】本発明は、上記構成とした事で、ガラス
フレ−ク顔料を用いる水性ボールペンを商品とする為
の、スム−ズなインキ流出と、インキの逆流防止と、イ
ンキ残量が外部より見えるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラスフレーク顔料の粒子を概念的に示した説
明図である。
【図2】本発明の一実施例に係るボールペンの要部縦断
面図である。
【図3】(a)は、図1のボールペンのボールペンチッ
プの先端部分の断面図であり、(b)は、(a)のA−
A断面図である。
【図4】ペン先チップと接続部材との接合部分の拡大断
面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】(a)図2のボールペンのペン先チップ後端部
の斜視図である。(b)図4のB−B断面図である。
(c)図2のボールペンのペン先チップ後端部、弁体及
び接続部材先端部の断面斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例に係るボールペンのボール
ペンチップの先端部分の断面図であり、(b)は、
(a)のA−A断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例に係るボールペンの
ボールペンチップの先端部分の断面図であり、(b)
は、(a)のA−A断面図である。
【図9】(a)は、従来技術のボールペンのボールペン
チップの先端部分の断面図であり、(b)は、(a)の
B−B断面図である。
【図10】図2のボールペンのボールペンチップの先端
部分の断面図である。
【符号の説明】 1 ボールペン 2 本体軸 3 インキ芯 5 ボールペンチップ 6 継手部材 7 インキ収納管 8 弁体 10 筆記用ボール 11 チップ本体 12 インキ導通孔 13 拡径部 15 段差状の弁受け(弁体係止部) 16 切り溝(空隙部) 23 連通孔 25 弁座 30 光輝性水性インキ 40 ボ−ル収納室 41 円筒壁 45 座部 46 中央の孔 47 放射状の溝 48 隙間(インキ流通路)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明、又は半透明のインキ収納管の内部
    にガラスフレーク顔料を含有する光輝性顔料インキを充
    填し、その後端部分は、逆流防止剤より封止されている
    インキ収納部と、一部露出した状態で回転可能に保持さ
    れた筆記用ボールを有し、ボールペンチップ本体はイン
    キ収納部と連通するインキ導通孔と、当該インキ導通孔
    に連通し筆記用ボールが収納されるボール収納室を備
    え、ボール収納室はボールを保持する座面を有し、当該
    座面に放射状の溝が設けられたボールペン本体において
    前記放射状の溝は、溝幅が0.20mm以上であり、筆
    記用ボールの直径は、0.9mm以上であり、さらにボ
    ール収納室の中心軸上に筆記用ボールの中心が位置する
    とき、筆記用ボールの赤道部よりも露出側の部位とボー
    ル収納室の内壁との間に、20〜40μmのインキ流通
    路が確保され、かつ筆記用ボールは、ボールペンチップ
    内において軸方向に60〜170μm移動可能であり、
    ボールペンチップ本体の材質は快削ステンレス鋼、又は
    洋白よりなるボールペンチップと、当該ボールペンチッ
    プの先端をキャップ内に装着した球状体にてキャップを
    嵌めた状態でボールペンチップの先端が球状体内に埋没
    するキャップと、前記インキ収納部と前記ボ−ルペンチ
    ップとの間にを位置する弁機構と、透明または半透明の
    本体軸と、当該本体軸の後端に位置する尾栓よりなるこ
    とを特徴とする水性ボールペン。
  2. 【請求項2】 前記筆記用ボール材質は炭化珪素(Si
    C)若しくは超硬であり、又当該キャップ内に装着した
    球状体がシリコ−ンゴム製であって、前記弁機構が、イ
    ンキ流通方向に移動可能な弁体と、該弁体よりインキ収
    納部側に位置する弁座と、当該弁体より先端部側に位置
    する弁受けとを有し、該弁受けは弁体を係止し得ると共
    に弁体との間にインキが通過する空隙部を具備し、塗布
    具の先端部を上向きに位置させた際には弁体は弁座に当
    接して先端部からインキ収納部へのインキの逆流を防止
    し、塗布具の先端部を下向きに位置させた場合には弁体
    は弁受けに当接し、インキは空隙部を経由して先端部側
    へ流れるようにし、且つ弁体のうち弁受けに当接する部
    分の形状は球状であり、インキ流通方向に直交する平面
    に弁体及び空隙部を投影してなる弁体に覆われない空隙
    部の投影面積が0.035mm2以上であり、弁体の材
    質は非磁性のオ−ステナイト系ステンレススチール製で
    あり、更に前記尾栓内部に乾燥防止剤を有することを特
    徴とする請求項1記載の水性ボールペン。
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