JP2001292377A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JP2001292377A
JP2001292377A JP2001028481A JP2001028481A JP2001292377A JP 2001292377 A JP2001292377 A JP 2001292377A JP 2001028481 A JP2001028481 A JP 2001028481A JP 2001028481 A JP2001028481 A JP 2001028481A JP 2001292377 A JP2001292377 A JP 2001292377A
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    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 暗出力補正に伴う黒キズ発生を防止すると共
に、暗出力補正によって画面が暗くなるのを防止でき、
良好な画像を得る。 【解決手段】 撮像素子105の出力信号である撮像信
号に重畳される暗出力レベルを検出し、検出した暗出力
レベルに基づいて撮像信号を補正する撮像装置におい
て、デジタルプロセス回路108により暗出力補正を行
う場合に、検出した暗出力レベルに応じて被写体信号成
分に対するクリップレベルとゲインを設定することによ
り、暗出力補正に伴う偽信号発生を防止し、実質的な有
効撮像レンジの低下を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮像素子における
暗出力を補正する機能を有した撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、主として静止画を撮像記録するた
めに、電子スチルカメラ(デジタルカメラ)が開発され
ている。また、動画記録用であったビデオカメラにおい
ては、静止画撮影記録機能が付加されるようになってい
る。そして、これらのカメラにおける静止画撮影に際し
ては、撮像素子における電荷蓄積時間を長くすることに
よって露光時間を長くする、いわゆる長時間露光技術が
用いられている。この長時間露光技術では、低照度下で
もストロボなどの補助照明を使用することなく撮影する
ことができる。
【0003】一方、撮像素子においては、いわゆる暗電
流などによる暗出力が存在するため、この暗出力が画像
信号に重畳されることにより画質劣化を来す問題があ
る。暗出力による画質劣化を補う方法として、その画素
の出力情報を用いて暗出力レベル分を当該画素信号出力
レベルから差し引いて信号成分だけを取り出すことは、
例えば特開昭60−53383号公報にも記載されてお
り公知である。本明細書においては、このような劣化画
素の信号出力から暗出力分を除去する処理を暗出力補正
と称する。この補正は、解像度劣化等を生じず本来の画
素情報が得られる点で原理的に優れたものである。
【0004】しかし、従来の技術を用いて単純に暗出力
補正を行うと、現実の電子スチルカメラに使用される撮
像素子の出力レンジが限られているため、暗出力レベル
が大きい場合は補正によって却って偽信号を生じ、画質
劣化を来す不具合があった。具体例を挙げて説明する。
着目する画素に高いレベル(撮像素子の飽和レベルの5
0%とする)の暗出力が発生していたとする。この場
合、暗出力補正による暗出力成分の減算によって暗出力
は除去されるものの、着目する画素に関して得られる出
力信号は最大でも本来の被写体輝度レベルの50%であ
る。即ち、着目する画素の飽和レベルが低下するため、
実際に撮影する被写体が明るい場合は、いわゆる黒キズ
となってしまうことになる。
【0005】ここで解説を加えると、暗出力補正には上
記のような問題があるため、従来暗出力による画質劣化
への対処は、主として画素欠陥補償技術によって処理さ
れていた。この画素欠陥補償技術は、暗出力レベルが所
定レベルより大きい劣化画素については「欠陥画素」と
認定し、この画素の情報を無効として近隣の画素情報で
代替するものである。この画素欠陥補償技術は、「欠陥
画素」が孤立的に少数生じているだけの場合には極めて
有効なものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の画素欠陥補償技術では、当該劣化画素が有する画素情
報を無効として破棄するものであるから、原理的に局所
的な解像度劣化は避けられない。特に、高温下や長時間
露光等により画面全体に亘って多数の画素の暗出力レベ
ルが増大してきた場合には、実質的な有効画素数が極端
に低下するため、大きな画質劣化を生じてしまう。
【0007】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、従来の暗出力補正技術
に対して改良を施し、暗出力補正を行う際に撮像素子や
システムの飽和に起因して生じる上記問題点を解決し、
特に高温下や長時間露光時等、画面全体に亘って多数の
画素の暗出力レベルが増大してくるような場合にも適用
可能で、良好な画像の得られる撮像装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(構成)上記課題を解決
するために本発明は次のような構成を採用している。
【0009】即ち本発明は、複数の画素が2次元配置さ
れた撮像素子と、前記撮像素子の出力信号である撮像信
号に重畳される暗出力レベルを各画素毎に検出する暗出
力レベル検出手段と、前記暗出力レベル検出手段で検出
された暗出力レベルに基づいて前記撮像信号を補正する
暗出力補正手段とを具備してなる撮像装置であって、前
記暗出力補正手段は、前記暗出力レベル検出手段で検出
された暗出力レベルに応じて前記撮像信号の被写体成分
に対するクリップレベルを設定するものであることを特
徴とする。
【0010】また本発明は、複数の画素が2次元配置さ
れた撮像素子と、前記撮像素子の出力信号である撮像信
号に重畳される暗出力レベルを各画素毎に検出する暗出
力レベル検出手段と、前記暗出力レベル検出手段で検出
された暗出力レベルに基づいて前記撮像信号を補正する
補正手段とを具備してなる撮像装置であって、前記暗出
力補正手段は、前記暗出力レベル検出手段で検出された
暗出力レベルに応じて前記撮像信号の被写体成分に対す
る実効的なゲインを設定することを特徴とする。
【0011】また本発明は、複数の画素が2次元配置さ
れた撮像素子と、前記撮像素子の出力信号である撮像信
号に重畳される暗出力レベルを各画素毎に検出する暗出
力レベル検出手段と、前記暗出力レベル検出手段で検出
された暗出力レベルに基づいて前記撮像信号を補正する
暗出力補正手段とを具備してなる撮像装置であって、前
記補正手段は、前記暗出力レベル検出手段で検出された
暗出力レベルに応じてクリップレベルを設定し、且つ前
記補正された撮像信号に対し前記暗出力レベル検出手段
で検出された暗出力レベルに応じて実効的なゲインを設
定することを特徴とする。
【0012】また本発明は、撮像装置であって、複数の
画素が2次元配置された撮像素子と、前記撮像素子の出
力信号である撮像信号に重畳される暗出力レベルを各画
素毎に検出する暗出力レベル検出手段と、前記暗出力レ
ベル検出手段で検出された暗出力レベルに基づいて、各
画素毎に前記撮像信号から暗出力成分を除去する補正を
行い、前記補正した撮像信号に対し前記暗出力レベル検
出手段で検出された暗出力レベルの最大値に応じてクリ
ップレベルを設定し、且つ前記補正した撮像信号に対し
前記設定したクリップレベルに応じて実効的なゲインを
設定する暗出力補正手段と、前記暗出力補正手段におけ
るゲイン設定に応じて、前記撮像素子における露出を補
正する露出補正手段とを具備してなることを特徴とす
る。
【0013】また本発明は、撮像方法であって、複数の
画素が2次元配置された撮像素子により被写体を撮像す
るステップと、前記撮像して得られた撮像信号に重畳さ
れる暗出力レベルを各画素毎に検出するステップと、前
記検出された暗出力レベルに基づいて前記撮像信号を補
正するステップと、前記補正された撮像信号に対し前記
検出された暗出力レベルに応じてクリップレベルを設定
するステップと、前記補正された撮像信号に対し前記ク
リップされたクリップレベルに応じて実効的なゲインを
設定するステップとを含むことを特徴とする。
【0014】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものが挙げられる。
【0015】(1) 出力補正手段は、暗出力レベル検出手
段で検出された暗出力レベルの最大値でクリップレベル
を設定すること。
【0016】(2) 撮像素子に対する露光を遮断した状態
で該撮像素子における電荷蓄積及び読み出し動作を実行
するテスト撮像手段を有し、暗出力レベル検出手段にお
ける暗出力レベルの検出は、テスト撮像手段によるテス
ト撮像時間と、テスト撮像手段によって得られた撮像素
子出力レベルと、本撮像時の露出制御における電荷蓄積
時間と、に基づいて本撮像時の暗出力レベルを算出する
ことによって行われること。
【0017】(3) テスト撮像時間と本撮像時の電荷蓄積
時間とは同じであり、テスト撮像手段によって得られた
撮像素子出力レベルを本撮像時の暗出力レベルとして算
出すること。
【0018】(4) テスト撮像時間と本撮像時の電荷蓄積
時間とは異なり、テスト撮像手段によって得られた撮像
素子出力レベルXを、テスト撮像手段によるテスト撮像
時間Yと本撮像時の露出制御における電荷蓄積時間Zと
の比Y/Zに乗じることによって、本撮像時の暗出力レ
ベルを算出すること。
【0019】(5) テスト撮像時間は、本撮像時の電荷蓄
積時間よりも短いこと。
【0020】(6) 暗出力補正手段により設定される実効
的なゲインの値は、「暗出力補正手段の出力側の飽和レ
ベルに対応する値」を「暗出力補正手段の入力側の飽和
レベルに対応する値」と「暗出力レベル検出手段で検出
された暗出力レベルの最大値」との差で除算した結果値
に基づいて決定されること。
【0021】(7) 暗出力補正手段により設定される実効
的なゲインの値は、除算の結果値以上であること。
【0022】(8) 暗出力補正手段により設定される実効
的なゲインの値は、ステップ状に制御されるものである
こと。
【0023】(9) 暗出力補正手段により設定される実効
的なゲインの値は、除算の結果値と等しいこと。
【0024】(10)暗出力補正手段におけるゲイン設定に
応じて、撮像素子における露出を補正する露出補正手段
を有したこと。
【0025】(11) 各々の画素において入力信号Sig(i,
j)から暗出力Sd(i,j)を減じた中間データ(Sig(i,j)
−Sd(i,j))に対し、最大入力レベルSatから1画面の
最大暗出力レベルSmを減じた値(Sat−Sm)をクリ
ップレベルとして設定すること。
【0026】(作用)本発明によれば、上記構成の本発
明によれば、暗出力レベルに応じて映像信号の被写体信
号成分に対するクリップレベルを設定し、さらに必要に
応じて実効的なゲインを設定することにより、暗出力補
正を行いつつ黒キズなどの偽信号を生じることがないと
いう優れた効果を有する。従って、暗出力補正を行う際
に撮像素子やシステムの飽和に起因して生じる問題点を
解決し、特に高温下や長時間露光時等、画面全体に亘っ
て多数の画素の暗出力レベルが増大してくるような場合
にも適用可能で、良好な画像の得られる撮像装置を実現
することが可能となる。
【0027】また、テスト撮像によって得られた撮像素
子出力レベルと、本撮像時の露出制御における電荷蓄積
時間とに基づいて本撮像時の暗出力レベルを算出するこ
とにより、テスト撮像の露出時間に関して制約が少な
く、例えばレリーズタイムラグを小さくできるなど使い
勝手の向上をはかることが可能となる。さらに、撮像信
号の被写体成分に対する実効的なゲインを、「暗出力補
正手段の出力飽和レベル値」を「上記撮像信号の飽和レ
ベル値」と「上記暗出力検出手段の検出した暗出力レベ
ルの最大値」との差で除した値に設定することにより、
「飽和に起因する擬似信号の発生を生じない」ようにし
つつ、その際の実効的な入出力レンジを等しく合わせる
ことが可能となる。さらにまた、上記実効的なゲインに
応じて露出を補正することにより、暗出力を生じない通
常の被写体を撮像した場合と同等の撮像特性の高画質な
画像が得られるという優れた効果を有する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。
【0029】(実施形態)図1は、本発明の一実施形態
に係わる電子スチルカメラの基本構成を示すブロック図
である。なお、本実施形態では静止画を撮像するための
スチルカメラとして説明するが、静止画に加えて動画撮
像機能を有するものであってもよい。
【0030】図1中、101は、被写体からの光線をカ
メラ内に導くための複数のレンズからなる撮影用レンズ
系である。このレンズ系101は、レンズ駆動機構10
2によって駆動されて被写体に焦点が合わされる。露出
を制御するための露出制御機構103は、絞り及びこの
絞りを駆動する駆動機構を含み、レンズ系101を通過
した光線の入射光量を制限してその絞りを制御するため
に設けられている。また、この露出制御機構103内に
は、メカシャッタが設けられている。露出制御機構10
3を通過した光線は、ローパス及び赤外カット用のフィ
ルタ104を介してCCDカラー撮像素子105に導か
れる。従って、CCDカラー撮像素子105には、被写
体に対応した画像が結像される。
【0031】ここで、露出制御機構103に備えられた
メカシャッタは、光学的シャッタを代表するものとして
従来のアナログ・カメラで用いられているギロチンシャ
ッタ(guillotine shutter)やfocal-plane shutterが
ある。このメカシャッタ以外の光学的シャッタとして
は、例えば液晶シャッタ或いはPLZTシャッタ等があ
る。また、CCDカラー撮像素子105の入射面には、
R,G,B(red,green and blue)
の色フィルタが設けられている。
【0032】CCDカラー撮像素子105は、駆動信号
を発生するCCDドライバ106によって駆動される。
CCDカラー撮像素子105からは、色フィルタに対応
して各色、例えばR,G,Bの画素信号が発生され、こ
のR,G,Bの画素信号がA/D変換器等を含むプリプ
ロセス回路107に入力され、デジタル化された画素信
号がこのプリプロセス回路107から出力される。この
画素信号は、デジタルプロセス回路108に入力され、
このデジタルプロセス回路108において、色信号生成
処理,マトリックス変換処理,その他各種のデジタル処
理が施されてカラー画像データが生成される。そして、
このカラー画像データがカードインターフェース109
を介してCF(Compact Flash Memory Card)等のメモ
リカード110に格納され、また、LCD111にカラ
ー画像として表示される。
【0033】また、図1に示す電子スチルカメラは、そ
の各部を統括的に制御するためのシステムコントローラ
(CPU)112を備えている。レリーズボタンを含む
各種SWからなる操作スイッチ113が操作されると、
システムコントローラ112は、操作スイッチ113の
操作に応じてその操作モードを設定し、操作表示装置1
14にその操作状態及びモード状態等を表示させる。ま
た、システムコントローラ112は、操作スイッチ11
3、例えばレリーズボタンの操作に応答してレンズドラ
イバ115にレンズドライブの指示、例えばフォーカス
指示を与える。このレンズドライバ115からのレンズ
駆動信号に従って、レンズ駆動機構102が制御されて
レンズ系101のレンズが動作され、ズーミング或いは
フォーカス等が実現される。さらに、このカメラは、被
写体に光線を照射する発光手段としてのストロボ116
を備えている。このストロボ116は、露出制御ドライ
バ117によって制御され、その発光光量がこの露出制
御ドライバ117によって決定され、適切な光量の光線
が被写体に向けて照射される。システムコントローラ1
12には、各種設定情報等を記憶するための不揮発性メ
モリ(EEPROM)118が接続されている。不揮発
性メモリ118に格納された各種のパラメータによって
システムコントローラ112は、各部を制御するための
制御信号を演算して制御信号として各部に与えている。
【0034】図1に示された電子スチルカメラにおいて
は、上述したようにシステムコントローラ112が全て
の制御を統括的に行っている。即ち、露出制御機構10
3に含まれるシャッタ及びCCDドライバ106による
CCD撮像素子105の駆動を制御することによって、
露光(電荷蓄積)及び信号の読み出しを実行する。そし
て、読み出した信号をプリプロセス回路107を介して
デジタルプロセス回路108に取り込ませ、各種信号処
理を施した後に、カードインターフェース109を介し
てメモリカード110に記録させている。なお、上記各
種信号処理には、後述する本発明の要部であるところの
暗出力補正処理が含まれている。但し、本カメラにおい
て信号レベルのデジタル処理は8ビット(0〜255)
で行われるものとする。また、後に特記する部分を除い
ては常温を仮定して説明する。
【0035】図2は、CCDカラー撮像素子105の素
子構造を示す平面図である。受光素子としてフォトダイ
オード201がマトリクス配置されている。フォトダイ
オード201間に縦列方向に複数本の垂直CCD202
が配置され、垂直CCD202の端部に横列方向に1本
の水平CCD203が配置されている。そして、フォト
ダイオード201に蓄積された信号電荷は電荷移送パル
スTGにより垂直CCD202に読み出され、垂直CC
D202内を紙面下方向に転送される。垂直CCD20
2を転送した信号電荷は水平CCD203に移送され、
この水平CCD203を紙面左方向に転送され、最終的
に読み出しアンプであるFDA(フローティングディフ
ュージョンアンプ)204を介して出力されるようにな
っている。
【0036】図3は、デジタルプロセス回路108にお
ける暗出力補正部の構成を機能的に示すブロック図であ
る。シャッタを閉じた状態での一定時間の露光により得
られる信号を基に、暗出力検出部310により暗電流が
検出される。一方、通常露光による撮像信号は暗出力補
正回路320に入力され、暗出力減算部321により撮
像信号から暗電流成分が減算される。ここまでは、従来
の暗出力補正と同じである。本実施形態では、これに加
えて、クリップレベル設定部322及びゲイン設定部3
23が設けられている。クリップレベル設定部322で
は、暗出力検出部310により得られた暗電流成分を基
に、暗出力減算部321により得られた信号に対するク
リップレベルが設定される。ゲイン設定部323では、
暗出力検出部310により得られた暗電流成分を基に、
暗出力減算部321により得られた信号に対するゲイン
が調整される。
【0037】図4は、デジタルプロセス回路108の具
体的構成を示す図である。バスライン401に、RAM
402と演算部403が接続されている。シャッタを閉
じた状態で撮像して得られる信号をRAM402に格納
することにより暗出力が検出される。また、RAM40
2には通常露光時の撮像信号も格納される。そして、R
AM402に格納された通常露光時の撮像信号から暗出
力分を演算部403で減算することにより暗電流を補正
した撮像信号が得られる。また、RAM402に格納さ
れた暗出力の最大値に基づいてシステムコントローラ1
12によりクリップレベルが設定される。さらに、設定
したクリップレベルが飽和レベルとなるようにゲインア
ップ量が設定される。
【0038】次に、本実施形態のデジタルカメラを用い
た暗出力補正の動作について説明する。
【0039】まず、実際の撮影に先立って、暗出力レベ
ルの検出を行う。具体的には、撮影トリガー指令を受け
た時点で、まず露出制御機構103に含まれるシャッタ
装置で撮像素子105の受光面を遮光した状態でテスト
撮像を行う。即ち、暗黒下でCCDドライバ106によ
り本撮像時の予定露出時間Ttotalの電荷蓄積動作を行
ってテスト撮像信号(暗出力信号)を読み出し、デジタ
ルプロセス回路108に格納する。
【0040】本実施形態の場合は、テスト撮像時の露出
時間と本撮像時のそれとが同じになるようにしているか
ら、このとき得られたテスト撮像信号から本撮像時の暗
出力レベルを算出する際の係数(乗数)は1である。即
ち、テスト撮像信号レベルをそのまま暗出力レベル(暗
出力除去基準信号)として用いることができる。
【0041】次に、暗出力補正について説明するが、処
理の内容は概念的にいくつかに分けて説明できる。第1
の処理は従来公知のものと同様である。即ち、有効画素
部分から読み出された画素信号の各データからこの暗出
力除去基準信号を減じたものを補正後の出力とする。言
うまでもなく、減算は同じアドレスを持つデータ間で行
われる。
【0042】この第1の処理について、図5を参照して
より詳しく説明する。図5において、横軸は撮像素子出
力のAD値、即ち暗出力補正回路の入力値、縦軸は暗出
力補正回路の出力値である。入力値については、撮像素
子自身の飽和レベルか又はAD変換の最大レベルのいず
れかで飽和してしまうが、このいずれによるかは本質で
ない。従ってここでは、撮像素子出力信号の飽和はAD
変換の最大レベルによる場合を想定して、記号Satで表
わしている。なお、縦軸のSatは数値的には同じである
が出力デジタル値の最大値であって、概念的には暗出力
補正手段の出力飽和レベル(出力可能最大値)に対応す
るものである。なお、各図において、添字(i,j)は省略
してある。
【0043】図5(a)は、参照のため無補正の場合を
示したものであり、入力信号には暗出力Sdが重畳され
るため、被写体輝度が0でも信号レベルSd(i,j)が得ら
れる。図5(b)は、暗出力Sd(i,j)を減じる従来の暗
出力補正回路の例であり、その出力信号特性は確かに暗
出力が除去された被写体輝度を反映したものである。し
かし、飽和レベルSatを超える信号はあり得ないから、
最大レベルはSat−Sd(i,j)しか得られない。これは、
補正する暗出力レベルSd(i,j)が小さい場合にはあまり
問題にならないが、Sd(i,j)が大きい場合に顕著な問題
となるものである。
【0044】この第1の処理の概念を式で書くと次のよ
うになる。即ち、暗出力補正手段における入力画像信号
(即ち有効画像領域に対応する撮像素子出力のデジタル
値)をSig(i,j)、暗出力成分を減じた段階の第1の中
間データ(概念上のものであり、処理上の実在は問わな
い)をSdif(i,j)とすると、 Sdif(i,j) = Sig(i,j) − Sd(i,j) となる。この段階では、撮像信号の被写体成分が抜き出
されてはいるものの、図5(b)に相当する特性であ
り、暗出力の大きな画素は黒キズになってしまう。
【0045】本実施形態の暗出力補正はこれを避けるた
めに、第2の処理として以下に示すクリップ処理を行
う。第2の中間データ(概念上のものであり、処理上の
実在は問わない)をSclp(i,j)と書けば、 Sclp(i,j) = Sdif(i,j) (Sdif(i,j)≦Sat−Sm
の場合) Sclp(i,j) = Sat−Sm (Sdif(i,j)>Sat−Sm
の場合) となる。但し、Satはこの補正手段への最大入力レベル
(撮像信号の飽和レベル)、SmはSd(i,j)の1画面最
大値(Sm=Max[i,j]{Sd(i,j)})である。即ち、第
1の中間データが(Sat−Sm)に達するまではSdif
(i,j)がそのまま出力され、第1の中間データが(Sat
−Sm)を越える場合は一定の出力(クリップレベル)
となる。このクリップ処理によって、全画素の最大レベ
ル(飽和レベル)は同じ値に切り揃えられるから、上記
黒キズを生じることは無くなる。
【0046】この様子を図6及び図7に示す。また、前
記図2において、画素毎に暗電流の量は異なることか
ら、例えば暗電流のない画素を211、暗電流の少ない
画素を212、暗電流の最大の画素を213で示すこと
にする。被写体輝度に対する撮像素子の出力信号は、図
6(a)のようになる。図6(a)において、暗電流の
ない画素211の信号は601、暗電流の少ない画素2
12の信号は602、暗電流の多い画素213の信号は
603のようになる。暗電流のない画素211の信号6
01は輝度0で出力0であるが、暗電流を有する画素2
12,213の信号602,603では輝度0でも一定
の出力がある。但し、何れの信号601,602,60
3においても飽和レベルは同じである。
【0047】図6(b)〜(d)は、上述の図5(b)
の状態を、被写体輝度に対する補正回路出力の関係とし
て書き改めたものであって、信号601から暗電流成分
を減算した信号は図6(b)、信号602から暗電流成
分を減算した信号は図6(c)、信号603から暗電流
を減算した信号は図6(d)となる。そして、図6
(d)に示す暗電流が最も多い画素の補正信号からクリ
ップレベルを決める。その結果、図7(a)に示すよう
な特性が得られる。図7(a)の各軸や記号等の定義
は、図5(a)(b)と同じである。
【0048】但し、これだけでは画面全体が暗くなって
しまうから、最終的にはさらに定数を乗じる補正(これ
をゲイン補正と称する)を行う。補正後の出力をSout
(i,j)と書けば、 Sout(i,j) = Sclp(i,j) × Sat/(Sat−Sm) となる。但し、分子分母の各Satはこの例の場合数値的
には等しいが、概念的には分子のそれはこの補正手段の
最大出力レベル(出力信号の飽和レベル)に、分母のそ
れは最大入力レベル(撮像信号の飽和レベル)に対応す
るものである。
【0049】即ち、上記クリップレベルに対応する出力
がちょうどSat(出力信号の飽和レベル)に等しくなる
ように被写体成分に対する実効的なゲインを調節するも
のである。なお、このように対応付ける場合には、上記
クリップ処理を特別に行わなくてもゲインアップ処理を
行うだけで、実質的に上記クリップ処理も行われてしま
うことになる。このときの総合的な暗出力補正処理の特
性を図にしたのが、図7(b)である。図7(b)より
判るように、入力信号から被写体成分だけを抜き出した
後、この被写体成分に対する実効的なゲインアップを行
ったのと等価な特性となっている。
【0050】さてこのような暗出力補正を行った場合、
ゲイン補正によって画面は明るくなるが、これだけでは
被写体輝度域に着目した場合に再現域は改善されていな
い。即ち、暗出力によって狭くなった撮像レンジは狭い
ままで改善されていない。この原因は、ゲインを上げた
にも拘わらず露出はゲインを上げる以前の撮像系に対し
て適正となるようになされたものであるから、露出オー
バー状態を来たしているためである。本実施形態のカメ
ラは、この露出オーバー状態を生じないように適正露光
を得るべく、露出を補正する手段をさらに有している。
【0051】具体的にはシステムコントローラ112
は、一旦上記説明に従った暗出力低減撮像のためのテス
ト撮像を行い、その後露出を変更して本露光を行うもの
である。即ち、テスト撮像の結果上記ゲイン項が求ま
る。ここで必要な露光量は当初値の(Sat−Sm)/Sat
倍ということになるから、例えばこれに見合うだけ絞
りを当初値より絞り込めばよい。F値で表現すれば、
F’=F×√{Sat/(Sat−Sm)}とすればよい。
【0052】また、これを露光時間の短縮で対応しても
良く、この場合は短縮に伴って暗出力レベルも比例的に
低下するからその分を考慮すれば上記クリップレベルを
若干上げることも可能になる。
【0053】なお、この暗出力補正処理後において記録
に至るまでの後段の回路における映像信号処理は、その
必要に応じて適宜使用されるそれ自体は公知の、例えば
色バランス処理、マトリクス演算による輝度−色差信号
への変換或いはその逆変換処理、帯域制限等による偽色
除去或いは低減処理、γ変換に代表される各種非線型処
理、各種情報圧縮処理、等々である。
【0054】次に、本実施形態の撮像動作を、図8及び
図9を参照してより詳しく説明する。
【0055】まず、操作スイッチ113の操作入力を待
ち、ステップS1でレリーズオンとなると、撮影トリガ
ー指令が入力される。そして、ステップS2で測光を開
始し、ステップS3でテスト撮像時の露出時間を決定す
る。この露出時間は、例えば本撮像時の予定露出時間
(電荷蓄積時間)と同じとする。続いて、ステップS4
においてシャツタを閉じ、ステップS5においてテスト
撮像を開始する。一定の露出時間経過後、ステップS6
においてテスト撮像を終了する。
【0056】次いで、ステップS7において、暗電流信
号に相当するテスト撮像信号を読み出し、ステップS8
において、デジタルプロセス回路108内のRAM40
2に各画素毎の暗出力データAを格納する。そして、ス
テップS9においてシャッタ装置を開き、ステップS1
0において暗出力データAに基づいてクリップレベルB
を決定する。具体的には、暗出力データAが最も大きい
画素の撮像信号から暗出力成分を除去した補正信号の飽
和レベルと同じにクリップレベルを決定する。このクリ
ップレベルは、前記図6(d)中に破線で示す飽和レベ
ルに相当する。続いて、ステップS11において、暗出
力データAに基づいてゲインアップ量Cを決定する。具
体的には、暗出力データAが最も大きい画素の撮像信号
から暗出力成分を除去した補正信号の飽和レベルが補正
前の飽和レベルと同じになるようにゲインアップ量を決
定する。さらに、ステップS12において、ゲインアッ
プ量Cに基づいて露出補正量Dを決定し、これに対応し
た絞り駆動を行う(前述のF’)。
【0057】次いで、ステップS13において、不要電
荷を排出した後に本撮像を開始する。そして、ステップ
S14において、本撮像時の露出時間経過後にシャッタ
を閉じる。(このとき、ステップS12で決定された露
出補正量Dに基づいた補正を絞りではなく、露出時間に
反映させるようにしてもよい。)続いて、ステップS1
5において本撮像信号を読み出し、ステップS16にお
いて、デジタルプロセス回路108内のRAM402に
各画素毎の本撮像データEを格納する。さらに、ステッ
プS17においてシャッタを開く。
【0058】次いで、ステップS18において、各画素
毎に本撮像データEから暗出力データAを減算する。そ
して、ステップS19において、ステップS10で決定
したクリップレベルBに従って各画素の信号をレベルク
リップする。続いて、ステップS20において、ステッ
プS11で決定したゲインアップ量Cに従って各画素の
信号をゲインアップする。さらに、ステップS21にお
いて、色バランス処理やマトリクス演算等の処理を施
す。そして、最終的にステップS22において、メモリ
カード110への記録処理を行う。その後は、再び操作
入力待ちの状態となり、ステップS1に戻る。
【0059】このように本実施形態の電子スチルカメラ
によれば、暗出力レベルに応じて撮像信号の被写体成分
に対するクリップレベルを設定しているので、暗出力補
正を行いつつ画面に黒キズなどの偽信号が生じるのを防
止できる。これに加え、暗出力レベルに応じて撮像信号
の被写体成分に対する実効的なゲインを設定することに
より、暗出力補正によって画面が暗くなる不具合を防止
できる。また、実効的なゲインに応じて露出を補正する
ことにより、暗出力を生じない通常の被写体を撮像した
場合と同等の撮像特性の高画質な画像が得られるという
優れた効果を有する。
【0060】従って、暗出力補正を行う際に撮像素子や
システムの飽和に起因して生じる問題点を解決し、特に
高温下や長時間露光時等、画面全体に亘って多数の画素
の暗出力レベルが増大してくるような場合にも適用可能
で、良好な画像の得られる電子スチルカメラを実現する
ことが可能となる。
【0061】(変形例)なお、本発明は上述した実施形
態に限定されるものではない。実施形態においては、説
明を明瞭にするために電荷蓄積時間と露光時間とを同一
と見なした。厳密に言うと、メカニカルシャッタを用い
て露光開始前から電荷蓄積を開始する場合や、或いは露
光完了してから所定時間後に電荷を転送路に移送した
り、蓄積電荷を転送路に移送した後所定時間後に転送開
始する、いわゆる遅延読み出しの手法を用いる場合な
ど、この両者は必ずしも一致しないことがある。しか
し、この両者の差はいずれもシステムコントローラ11
2が管理認識しているものであるから、必要に応じてこ
の差を具体的に考慮して実施形態を適用すればよい。
【0062】また、上記実施形態で用いているADコン
バータの量子化レベルに関して補足する。現実には、ハ
ードウェアとしてのADコンバータの有する誤差特性が
存在し、仮にそれがないとしても、原理的に最小量子化
レベル付近においては量子化誤差は相対的には10%に
も相当する。これを考慮すれば、上記実施形態に関して
実際の量子化に用いるADコンバータは、事情が許す場
合には、画像処理系の量子化ビット数(実施例では8ビ
ット)よりも多い、例えば10ビット或いは12ビット
程度(それ以上でもよい)のものを使用することがより
好適であることは勿論である。
【0063】さらに、上記以外にも様々な変形例が考え
られる。まず、テスト撮像時の露光時間設定については
上記では本露光の露出時間Ttotalをそのまま用いた
が、例えばTtotal/2とかTtotal/10とかに設定し
てテスト露光時間を短縮することもできる。この変形例
の場合は、暗電荷は蓄積時間にほぼ比例することを利用
して暗出力レベルを算出することになる。即ち、テスト
撮像時の露光時間をTtotal/Nに設定した場合は得ら
れたテスト撮像信号から本撮像時の暗出力レベルを算出
する際の係数(乗数)はNとなり、s=[テスト撮像信
号レベル]×Nとして求めた暗出力レベルを用いて以後
の欠陥検出や暗電流補正を行う。
【0064】無論同様の演算を行うことで、少なくとも
Ttotalが一定値以下の範囲まではテスト撮像露光時間
に固定値を採用することも可能である。また、ダイレク
ト測光(実露光時の露光量の積分値で露光終了を自動制
御するもの)の場合には予定している露出時間を採用す
ることも好適である。
【0065】このように、テスト撮像によって得られた
撮像素子出力レベルと、テスト撮像によるテスト撮像時
間と、本撮像時の露出制御における電荷蓄積時間とに基
づいて本撮像時の暗出力レベルを算出することにより、
テスト撮像の露出時間に関して制約が少なく、例えばレ
リーズタイムラグを小さくできるなど使い勝手の向上を
はかることが可能となる。
【0066】また、テスト撮像のタイミングについては
本撮影直前が好適ではあるが、これに限定されるもので
はない。例えば電源投入時、再生モードと切換え可能な
カメラにおける撮影モードへの切換え時、2段レリーズ
スイッチカメラ(2段目が撮影トリガー)における1段
目操作時、別途設けたテスト撮像スイッチの操作時な
ど、目的に応じて任意の時点で行うように構成し得る。
さらに、これを特に本撮像の露光実行後に行うようにし
てもよい。即ち、撮像信号はデジタルプロセス108に
デジタル的に記憶されているから、記録のための信号処
理を実行するのを一旦止めておけば、露光後にテスト撮
像を行うことが可能である。
【0067】この変形例の場合は、テスト撮像によるレ
リーズタイムラグの増加がない、予め露光時間を決めて
おく必要が全くないから、いわゆるバルブシャッタ撮影
やタイムシャッタ撮影(いずれも撮影者が任意の時刻に
露光終了を手動制御するもの)、或いはダイレクト測光
などの任意の露光制御にもより簡単に適用可能であると
いう大きな特徴的な効果を有している。
【0068】また、上記暗出力補正に伴う被写体成分に
対する可変ゲインの設定は事情に合わせて上記実施形態
とは異なる任意の値にしてもよい。具体的には、撮像信
号の被写体成分に対する実効的なゲインを、暗出力補正
回路の最大出力レベル(暗出力補正手段の出力側の飽和
レベルに対応する値)を撮像信号の飽和レベル(暗出力
補正手段の入力側の飽和レベルに対応する値)と暗出力
レベル検出部で検出された暗出力レベルの最大値との差
で除した値に設定することにより、「飽和に起因する擬
似信号の発生を生じない」ようにしつつ、その際の実効
的な入出力レンジを等しく合わせることが可能となる。
【0069】上記実施形態の設定は既に述べたとおりク
リップレベルに対応する出力がちょうどSat(出力信号
の飽和レベル)に等しくなるようにしたものであるか
ら、実効的な入出力レンジを等しく合わせたという意味
で一つの最良設定例と言える。この場合は、ゲイン値は
任意の値を取るから演算がやや複雑になり、それに対応
して露出制御も複雑化するといった問題も生じ得る。そ
こで、演算や制御の単純化を優先的に意図すれば、上記
ゲイン値をステップ状に変えるようにしてもよい。但
し、ゲイン値の設定により、クリップレベルに相当する
信号が元々の飽和レベル(即ち、出力側の飽和レベル)
以上になる必要がある。また、上記ゲイン項の値を例え
ば2のn乗倍(nは自然数)から選択するといったもの
も好適な実施形態の一つとなる。
【0070】また、実施形態ではクリップレベルを設定
した後にゲインアップ量を設定しているが、必ずしもク
リップレベルの設定を行う必要なく、ゲインアップのみ
を行うようにしてもよい。具体的には、暗出力補正手段
において、暗出力レベルの最も大きい画素の撮像信号か
ら暗出力成分を除去した補正信号の飽和レベルが、補正
手段の出力側の飽和レベルと等しく或いはそれ以上とな
るように、ゲインアップ量を設定してもよい。この場合
も、結果的に実施形態のように撮像信号をクリップした
ことと等価になり、本発明の効果が得られる。
【0071】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施することができる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、暗
出力レベルに応じて映像信号の被写体信号成分に対する
クリップレベルを設定し、さらに必要に応じて実効的な
ゲインを設定することにより、暗出力補正を行いつつ黒
キズなどの偽信号を生じることがないという優れた効果
を有する。
【0073】従って、暗出力補正を行う際に撮像素子や
システムの飽和に起因して生じる問題点を解決し、特に
高温下や長時間露光時等、画面全体に亘って多数の画素
の暗出力レベルが増大してくるような場合にも適用可能
で、良好な画像の得られる撮像装置を実現することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる電子スチルカメラ
の全体構成を示すブロック図。
【図2】図1の電子スチルカメラに用いたCCD撮像素
子の素子構造を示す平面図。
【図3】図1の電子スチルカメラに用いたデジタルプロ
セス回路の機能的構成を示すブロック図。
【図4】図1の電子スチルカメラに用いたデジタルプロ
セス回路の具体的構成を示すブロック図。
【図5】無補正時の入出力特性と暗出力補正回路におけ
る入出力特性を示す図。
【図6】本実施形態における被写体輝度と撮像素子出力
及び補正回路出力との関係を示す図。
【図7】本実施形態における暗出力補正回路の入出力特
性の例を示す図。
【図8】本実施形態における撮像動作を説明するための
フローチャート。
【図9】本実施形態における撮像動作を説明するための
フローチャート。
【符号の説明】
101…レンズ系 102…レンズ駆動機構 103…露出制御機構 104…メカシャッタ 105…CCDカラー撮像素子 106…CCDドライバ 107…プリプロセス回路 108…デジタルプロセス回路 109…カードインターフェース 110…メモリカード 111…LCD画像表示系 112…システムコントローラ(CPU) 113…操作スイッチ系 114…操作表示系 115…レンズドライバ 116…ストロボ 117…露出制御ドライバ 118…不揮発性メモリ(EEPROM) 201…フォトダイオード 202…垂直CCD 203…水平CCD 204…FDA 310…暗出力検出部 320…暗出力補正回路 321…暗出力減算部 322…クリップレベル設定部 323…ゲイン設定部 401…バスライン 402…RAM 403…演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/243 H04N 1/40 101B

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の画素が2次元配置された撮像素子
    と、 前記撮像素子の出力信号である撮像信号に重畳される暗
    出力レベルを各画素毎に検出する暗出力レベル検出手段
    と、 前記暗出力レベル検出手段で検出された暗出力レベルに
    基づいて前記撮像信号を補正し、且つ前記暗出力レベル
    検出手段で検出された暗出力レベルに応じて前記撮像信
    号の被写体成分に対するクリップレベルを設定する暗出
    力補正手段と、 を具備してなることを特徴とする撮像装置。
  2. 【請求項2】複数の画素が2次元配置された撮像素子
    と、 前記撮像素子の出力信号である撮像信号に重畳される暗
    出力レベルを各画素毎に検出する暗出力レベル検出手段
    と、 前記暗出力レベル検出手段で検出された暗出力レベルに
    基づいて前記撮像信号を補正し、且つ前記暗出力レベル
    検出手段で検出された暗出力レベルに応じて前記撮像信
    号の被写体成分に対する実効的なゲインを設定する暗出
    力補正手段と、 を具備してなることを特徴とする撮像装置。
  3. 【請求項3】複数の画素が2次元配置された撮像素子
    と、 前記撮像素子の出力信号である撮像信号に重畳される暗
    出力レベルを各画素毎に検出する暗出力レベル検出手段
    と、 前記暗出力レベル検出手段で検出された暗出力レベルに
    基づいて前記撮像信号を補正し、該補正された撮像信号
    に対し前記暗出力レベル検出手段で検出された暗出力レ
    ベルに応じてクリップレベルを設定し、且つ前記補正さ
    れた撮像信号に対し前記暗出力レベル検出手段で検出さ
    れた暗出力レベルに応じて実効的なゲインを設定する暗
    出力補正手段と、 を具備してなることを特徴とする撮像装置。
  4. 【請求項4】前記暗出力補正手段は、前記暗出力レベル
    検出手段で検出された暗出力レベルの最大値でクリップ
    レベルを設定することを特徴とする請求項1又は3記載
    の撮像装置。
  5. 【請求項5】前記撮像素子に対する露光を遮断した状態
    で該撮像素子における電荷蓄積及び読み出し動作を実行
    するテスト撮像手段を有し、 前記暗出力レベル検出手段における暗出力レベルの検出
    は、前記テスト撮像手段によるテスト撮像時間と、前記
    テスト撮像手段によって得られた撮像素子出力レベル
    と、本撮像時の露出制御における電荷蓄積時間と、に基
    づいて本撮像時の暗出力レベルを算出することによって
    行われることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載
    の撮像装置。
  6. 【請求項6】前記テスト撮像時間と本撮像時の電荷蓄積
    時間とは同じであり、前記テスト撮像手段によって得ら
    れた撮像素子出力レベルを本撮像時の暗出力レベルとし
    て算出すること特徴とする請求項5記載の撮像装置。
  7. 【請求項7】前記テスト撮像時間と本撮像時の電荷蓄積
    時間とは異なり、前記テスト撮像手段によって得られた
    撮像素子出力レベルXを、前記テスト撮像手段によるテ
    スト撮像時間Yと本撮像時の露出制御における電荷蓄積
    時間Zとの比Y/Zに乗じることによって、本撮像時の
    暗出力レベルを算出することを特徴とする請求項5記載
    の撮像装置。
  8. 【請求項8】前記テスト撮像時間は、本撮像時の電荷蓄
    積時間よりも短いことを特徴とする請求項7記載の撮像
    装置。
  9. 【請求項9】前記暗出力補正手段により設定される実効
    的なゲインの値は、「前記暗出力補正手段の出力側の飽
    和レベルに対応する値」を「前記暗出力補正手段の入力
    側の飽和レベルに対応する値」と「前記暗出力レベル検
    出手段で検出された暗出力レベルの最大値」との差で除
    算した結果値に基づいて決定されることを特徴とする請
    求項2又は3記載の撮像装置。
  10. 【請求項10】前記暗出力補正手段により設定される実
    効的なゲインの値は、前記除算の結果値以上であること
    を特徴とする請求項9記載の撮像装置。
  11. 【請求項11】前記暗出力補正手段により設定される実
    効的なゲインの値は、ステップ状に制御されるものであ
    ることを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
  12. 【請求項12】前記暗出力補正手段により設定される実
    効的なゲインの値は、前記除算の結果値と等しいことを
    特徴とする請求項9記載の撮像装置。
  13. 【請求項13】前記暗出力補正手段におけるゲイン設定
    に応じて、前記撮像素子における露出を補正する露出補
    正手段を有したことを特徴とする請求項2又は3記載の
    撮像装置。
  14. 【請求項14】複数の画素が2次元配置された撮像素子
    と、 前記撮像素子の出力信号である撮像信号に重畳される暗
    出力レベルを各画素毎に検出する暗出力レベル検出手段
    と、 前記暗出力レベル検出手段で検出された暗出力レベルに
    基づいて、各画素毎に前記撮像信号から暗出力成分を除
    去する補正を行い、前記補正した撮像信号に対し前記暗
    出力レベル検出手段で検出された暗出力レベルの最大値
    に応じてクリップレベルを設定し、且つ前記補正した撮
    像信号に対し前記設定したクリップレベルに応じて実効
    的なゲインを設定する暗出力補正手段と、 前記暗出力補正手段におけるゲイン設定に応じて、前記
    撮像素子における露出を補正する露出補正手段と、を具
    備してなることを特徴とする撮像装置。
  15. 【請求項15】複数の画素が2次元配置された撮像素子
    により被写体を撮像するステップと、 前記撮像して得られた撮像信号に重畳される暗出力レベ
    ルを各画素毎に検出するステップと、 前記検出された暗出力レベルに基づいて前記撮像信号を
    補正するステップと、 前記補正された撮像信号に対し前記検出された暗出力レ
    ベルに応じてクリップレベルを設定するステップと、 前記補正された撮像信号に対し前記クリップされたクリ
    ップレベルに応じて実効的なゲインを設定するステップ
    と、 を含むことを特徴とする撮像方法。
  16. 【請求項16】複数の画素が2次元配置された撮像素子
    により被写体を撮像するステップと、 前記撮像して得られた撮像信号に重畳される暗出力レベ
    ルを各画素毎に検出するステップと、 前記検出された暗出力レベルに基づいて前記撮像信号を
    補正するステップと、 前記補正された撮像信号に対し前記検出された暗出力レ
    ベルに応じてクリップレベルを設定するステップと、 前記補正された撮像信号に対し前記クリップされたクリ
    ップレベルに応じて実効的なゲインを設定するステップ
    と、 前記設定されたゲインに応じて前記撮像素子における露
    出を制御するステップと、 を含むことを特徴とする撮像方法。
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