JP2001291964A - フレキシブルプリント配線板積層用接着剤組成物および接着フィルム - Google Patents
フレキシブルプリント配線板積層用接着剤組成物および接着フィルムInfo
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Abstract
れた、FPC積層用接着剤組成物および、接着フィルム
を提供することを目的とする。 【解決手段】本発明は、(a)カルボン酸を官能基とし
て含有するアクリルゴム100重量部に対し、(b)ポ
リN−グリシジルアミン型ゴム架橋剤0.01〜5重量
部、(c)エポキシ樹脂、(d)フェノール樹脂、
(e)硬化剤または硬化触媒からなることを特徴とする
FPC積層用接着剤組成物を用いた接着フィルムであ
る。また、接着フィルム層の溶融粘度102〜107P
a・s(170℃)であり、離型紙を積層してなるFP
C積層用接着フィルムに関する。
Description
性、接着性に優れるフレキシブルプリント配線板(FP
C)積層用接着剤組成物及び接着フィルムに関する。
められることから、4層以上の多層FPCの需要が高ま
っている。多層FPCとは、接着フィルムを用いて片面
もしくは両面FPCを2枚以上積層することで、4層以
上の構造を得るものである。この時用いられる接着フィ
ルムには接着性、はんだ耐熱性、電気絶縁性の他にFP
C製造時のプレス作業性が要求される。
トリルブタジエン系、ポリイミド系、エポキシ樹脂系及
びアクリルゴム系等が使用されている。しかしながら、
アクリロニトリルブタジエン系接着剤では熱劣化によ
り、電気抵抗、接着強度等の特性の低下が起こりやすい
という欠点を有している。
れる有機溶媒が、N−メチルピロリドンのような高沸点
溶剤であることから、残留溶剤として高沸点溶剤が大量
に残りやすく、はんだ耐熱性が低下しやすいという欠点
を有している。エポキシ樹脂系接着剤は可とう性に劣
り、また、接着強さも低いので屈曲性を要するFPC用
途には適当でない。
ゴム系接着剤が耐熱劣化性、乾燥性、可とう性、接着性
に優れているが、イソシアネートや、メラミン等の架橋
剤で硬化させただけでは、エポキシ系接着剤、ポリイミ
ド系接着剤に比べ架橋密度が低く、電気抵抗が十分に得
られず、マイグレーション性に劣るという欠点を有して
いる。この為、アクリルゴムにエポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂をブレンドして、これら特性を向上する手法が取
られているが、一般的にはんだ耐熱性が不十分であった
りする。また、耐熱性を出すためにエポキシ樹脂量を多
くしすぎるとプレス作業時に回路部まで接着剤が流れ出
すという問題点を生じる。これら特性のバランスのコン
トロールが困難である。
程は、より細密化され、高精度のプレス性が求められて
いる。即ち、打ち抜き加工した接着フィルムをFPCと
重ねプレスした際に、接着剤の打ち抜き部分への流れ出
し量が多いという問題が以前に増して重要視されてい
る。
ムの溶融粘度が大きく関係する。溶融粘度が大きすぎる
と、FPCの打ち抜き部分へ溶融した接着剤が流れ出
し、製品の信頼性を損ね、溶融粘度が小さすぎると被着
体への密着性が劣り、接着性、はんだ耐熱性が低下す
る。
剤組成物を離型紙に各種ロールコーター等で塗工し、熱
風乾燥機で乾燥することで得られるが、この時の接着フ
ィルムは、乾燥機の熱で反応が進行したBステージ状態
(半硬化状態)となる。通常、作業性が要求されるのは
このBステージ状態の接着フィルムであり、FPCのプ
レス作業性時の流れ出し性の向上が強く望まれていた。
フリー化が進んでいるが、これによってはんだ付け温度
も10〜20℃上昇し、接着剤の耐熱性向上が求められ
ている。
為に鋭意研究を重ねた結果、カルボキシル基含有アクリ
ルゴムとポリN−グリシジルアミン型ゴム架橋剤の反応
は、Bステージ状態においてほとんどが進行しており、
その添加量で、接着フィルムのプレス作業時の流れ出し
をコントロールが可能となることを見いだした。また、
完全硬化後は、ゴムの架橋密度の増加により、電気絶縁
性の向上、はんだ耐熱性の向上も可能となった。即ち、
本発明は(a)カルボキシル基含有アクリルゴム100
重量部に対し、(b)ポリN−グリシジルアミン型ゴム
架橋剤を0.1〜5重量部、(c)エポキシ樹脂、
(d)フェノール樹脂、(e)硬化剤もしくは硬化触媒
からなり、接着フィルムの溶融粘度が102〜107P
a(170℃)であることを特徴とするFPC積層用接
着組成物および接着フィルムに関する。
アクリルゴムとはアクリル酸アルキルエステル(メタア
クリル酸エステルも含む、以下同様)を主成分とし、カ
ルボキシル基を有するビニル単量体と必要に応じてアク
リロニトリル、スチレン等を含む共重合体である。アク
リル酸アルキルエステルとしては例えば、アクリル酸エ
チル(メタクリル酸エチルも含む、以下同様)、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ラウリル、等の
単量体及び、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸2ヒドロキシルプロピル、アリルアルコール等の水
酸基を有する単量体、グリシジルアクリレート、ジメチ
ルアミノエチルアクリレート等のエピクロルヒドリン変
成物のエポキシ基を有する単量体等があげられる。これ
らのなかから、1種類または2種類以上を選択して使用
できる。カルボキシル基を有するビニル単量体としては
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロ
トン酸、マレイン酸、無水マレイン酸があげられるが、
これらに限定されるものではない。
合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合があげられるが、塩
析工程を必要とせず、マイグレーションの低下の原因と
なる乳化剤の影響を受けにくい懸濁重合が好ましい。
す構造からなるポリN−グリシジルアミンである。この
ポリN−グリシジルアミン型ゴム架橋剤は一般的に対応
するアミンとエピクロルヒドリンから合成される。添加
量は、アクリルゴム100重量部に対し、0.01〜5
重量部であるが、好ましくは0.1〜2重量部である。
0.01重量部未満では、ゴム架橋が十分に行えず、流
れ出しの低減が行えない。5重量部以上では、リフロー
はんだ耐熱性が低下する為、好ましくない。
に2個以上のエポキシ基を有する化合物、例えば、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ
樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂
環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジ
ルエステル型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹
脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、二官能フェノー
ル類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類
のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン
化物、水素添加物等が使用できる。これらの化合物は、
単独もしくは、2種類以上併用して使用することができ
る。エポキシ樹脂の配合量は、アクリルゴム100重量
部に対して、10〜100重量部の範囲が好ましい。1
0重量部未満では、十分な耐熱性が得られず、100重
量部より多いと接着フィルムの溶融粘度が低下し好まし
くない。
ものであれば良く特に限定するものではない。フェノー
ル樹脂の配合量は、カルボキシル基含有アクリルゴム1
00重量部に対し、5〜50重量部が好ましく、5重量
部未満では、架橋密度が低下し、リフローはんだ付け耐
熱性が低下する。また、50重量部を越えると、フィル
ムとしての貯蔵安定性が損なわれ、接着強さが低下する
等の問題を生じる。
脂とフェノール樹脂の硬化剤、硬化触媒である。例え
ば、芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミ
ン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル
−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキ
ルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル
酸、無水トリメリット酸等の有機酸、ジシアンジアミ
ド、トリフェニルフォスフィン、ジアザビシクロウンデ
セン、ヒドラジン等公知のものが使用できる。なお、こ
れら硬化剤、硬化促進剤は単独で用いても良いし、必要
に応じて、2種類以上を併用してもよい。硬化剤、硬化
促進剤の単独または2種類以上併用の場合の添加量はエ
ポキシ樹脂100重量部に対し0.01〜10重量部が
好ましい。0.01重量部未満では、エポキシ樹脂の完
全な硬化が得られず、はんだ耐熱性等が低下し、10重
量部より多いと接着性が低下し、貯蔵安定性が低下する
等の問題を生じる。
充填剤を添加しても良い。無機充填剤には、樹脂よりも
弾性率が高く、電気絶縁性のものであれば使用すること
ができ、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、タルク、アルミナ、マグネシア、シリカ、二酸化
チタン、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸
カルシウム、クレイ、窒化けい素、炭化けい素、硼酸ア
ルミニウム、合成雲母等の粉末状の充填材や、ガラス、
アスベスト、ロックウール、アラミド等の短繊維状の充
填材や、炭化けい素、アルミナ、硼酸アルミニウム等の
ウィスカ等が使用できる。
エン、メタノール、N−メチルピロリドン、N,N−ジ
メチルホルムアミド等の有機溶剤に溶解または分散して
使用される。
ことができ、該無機充填剤量は、ボールミル等を用い
て、粒径を10μm以下に調整する。10μm以上で
は、接着フィルムとした時、フィルム表面に凹凸が発生
し、接着性、はんだ耐熱性の低下及び外観性を損ねる。
限定されるものではないが、例えば、上質紙、クラフト
紙、ロール紙、グラシン紙などの紙の両面に、クレー、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどの目止剤の塗布層を
設け、さらにその各塗布層の上にシリコーン系、フッ素
系、アルキド系の離型剤が塗布されたもの、及び、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン
共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等の各
種オレフィンフィルム単独、及びポリエチレンテレフタ
レート等のフィルム上に上記離型剤を塗布したものが挙
げられるが、塗布された接着剤層との離型力、シリコー
ンが電気特性に悪影響を与える等の理由から、上質紙の
両面にポリプロピレン目止処理しその上にアルキド系離
型剤を用いたもの、ポリエチレンテレフタレート上にア
ルキド系離型剤を用いたものが好ましい。
成物の溶液を離型紙上に直接コーティングし、有機溶剤
を乾燥することで得られる。コーティング方法として
は、特に限定されないが、コンマコーター、リバースロ
ールコーター等が挙げられる。もしくは、必要に応じ
て、FPC構成材料である圧延銅箔、またはポリイミド
フィルムに直接もしくは転写法で接着剤フィルム層を設
けることもできる。乾燥後の接着フィルム厚みは、必要
に応じて、適宜変更されるが、好ましくは5〜200μ
mの範囲である。接着フィルム厚が5μm未満では、層
間絶縁の信頼性が低下する。200μm以上では乾燥が
不十分で、残留溶剤が多くなり、FPC製造のプレス時
にフクレを生じるという問題点が挙げられる。乾燥条件
は特に限定されないが、乾燥後の残留溶剤率は1%以下
が好ましい。1%以上では、FPCプレス時に残留溶剤
が発泡して、フクレを生じるという問題点が挙げられ
る。
粘度は、102〜107Pa・s(170℃)であるこ
とが好ましい。107Pa・s(170℃)より高いと
積層するFPCへの密着性が劣る。また、102Pa・
s(170℃)未満では熱プレス時に溶融した接着剤層
が流れ出すという問題点を生じる。
化学産業製)を100重量部に対し、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂のESCN195−10(住友化学
製)を50重量部、レゾール型フェノール樹脂のヒタノ
ールH2181(日立化成工業製)10重量部、硬化剤
としてジシアンジアミド、ゴム架橋剤としてポリN−グ
リシジルアミンのエピコートYX4(油化シェル製)を
0.5重量部,無機充填剤として水酸化アルミニウムの
ハイジライトHM42(昭和電工製)3重量部、酸化珪
素のアエロジル200(日本アエロジル社製)3重量部
をメチルエチルケトンに溶解、分散し、不揮発分20%
溶液とした。この溶液をボールミルを用いて、無機充填
剤を十分に分散して接着剤組成物の溶液とした。
しその上にアルキド系離型剤(日立化成ポリマー製)を
用いたものに乾燥後の接着剤厚みが25μmになるよう
に接着剤溶液を塗付し、熱風乾燥機中で90℃3分乾燥
して接着フィルムとした。
津製作所製)を用いて、吐出量から測定した。 (測定条件):温度;170℃、圧力8Mpa、ダイ
径;φ1.0mm、ダイ厚;1.0mm (2) 接着強さ 25μmポリイミドフィルムKapton100H(デ
ュポン社製)と、30μmの圧延銅箔の間に、接着フィ
ルムを挟み込み、真空プレスを用いて、プレス温度17
0℃、圧力1MPa、時間3分間加熱圧着した後、15
0℃2時間後硬化した試験片を JIS C 6481
に準拠し、90°剥離強度を測定した。 (3) リフローはんだ耐熱 30μm圧延銅箔2枚の間に接着フィルムを挟み込み、
真空プレスを用いて、プレス温度170℃、圧力1MP
a、時間3分間加熱圧着した後、150℃2時間後硬化
した試験片をJIS C 6481に準拠し、加湿(温
度40℃、湿度80%)で12時間放置し、リフローは
んだ付け装置(日本パルス研究所製 RF430)を用
いて、サンプル表面最高温度260℃となるように、試
験片を加熱し、接着剤層のフクレの有無を観測した。 (4)流れ出し性 30μm圧延銅箔2枚の間に接着フィルムを挟み込んだ
試験片に直径30mmの円を打ち抜き、これをプレス温
度170℃、圧力3MPa、時間3分間圧着して、端部
からの流れ出し量を観察した。
グリシジルアミン型ゴム架橋剤のTetradX(三菱
化学製)を0.5重量部とした以外は、実施例1と同様
に行った。
グリシジルアミン型ゴム架橋剤のエピコートYX4を
2.0重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
成物の溶液を30μmの圧延銅箔に直接塗布した以外
は、実施例1と同様に行った。
グリシジルアミン型ゴム架橋剤を用いない以外は、実施
例1と同様に行った。
をアクリルゴムからNBR(日本ゼオン製ニッポール1
072)として、ポリN−グリシジルアミン型ゴム架橋
剤を用いない以外は、実施例1と同様に行った。
をアクリルゴムからNBRニッポール1072(日本ゼ
オン製)とした以外は、実施例1と同様に行った。
ムはプレス作業性、耐熱性、接着性に優れ、FPC積層
用接着剤として有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】(a)カルボン酸を官能基として含有する
アクリルゴム、(b)ポリN−グリシジルアミン型ゴム
架橋剤、(c)エポキシ樹脂、(d)フェノール樹脂、
(e)硬化剤または硬化触媒からなることを特徴とする
フレキシブルプリント配線板積層用接着剤組成物。 - 【請求項2】成分(a)100重量部に対し、成分
(b)の添加量が0.01〜5重量部であることを特徴
とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線板積層
用接着剤組成物。 - 【請求項3】請求項1、請求項2記載の接着剤組成物を
用いた接着フィルム層及び、該接着フィルムに離型紙を
積層してなるフレキシブルプリント配線板積層用接着フ
ィルム。 - 【請求項4】請求項3記載の接着フィルムの溶融粘度が
102〜107Pa・s(170℃)であることを特徴
とするフレキシブルプリント配線板積層用接着フィル
ム。
Priority Applications (1)
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JP2000142538A JP3980810B2 (ja) | 2000-04-07 | 2000-04-07 | フレキシブルプリント配線板積層用接着剤組成物および接着フィルム |
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