JPWO2013031844A1 - 液状インキ - Google Patents
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Abstract
Description
Tg(℃)={1/(W1/Tg1+W2/Tg2+…+Wi/Tgi+…+Wn/Tgn)}−273
上記FOX式において、Tgi(K)は、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度を示し、Wiは、各モノマーの質量分率を示し、W1+W2+…+Wi+…Wn=1である。
Tg={1/(0.05/319+0.05/498+0.85/251+0.05/219)}−273=−14.7℃
メチルエチルケトン300gに、表面処理剤としてのN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM573、信越シリコ−ン株式会社製商品名)7gを溶解し、そこに破砕シリカであるF05−12(福島窯業株式会社製商品名)700gを撹拌しながら加え、その後、さらに室温で1時間撹拌した。200メッシュのナイロン布を用いて破砕シリカの凝集分をろ別して、スラリー状のろ液(シリカスラリー)を得た。アクリル樹脂であるグリシジルメタクリレート、エチルアクリレート及びブチルアクリレートの共重合体(重量平均分子量130万、エポキシ当量7800、Tg−45℃)のメチルエチルケトン(MEK)溶液(濃度20質量%)350gと、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)のMEK溶液(濃度50質量%)34.2gと、フェノール樹脂(LA−3018、大日本インキ株式会社製商品名)のMEK溶液(濃度50質量%)25.8gと、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(2PZ−CN、四国化成株式会社製商品名)0.5gとを混合し、攪拌して、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液にシリカスラリー430gを加えて1時間撹拌し、液状インキを得た。
表1、2に示す各材料を、表に示される配合比で用いたこと以外は実施例1と同様にして、液状インキを調製した。有機ポリマー、熱硬化性樹脂及び硬化剤の配合比は、熱硬化性樹脂組成物の無機フィラー以外の質量を基準としたものであり、無機フィラーの配合比は熱硬化性樹脂組成物の全固形分(液状インキのうち溶剤以外の成分)の質量を基準としたものである。
シクロヘキサノン300gに、表面処理剤としてのN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM573、信越シリコ−ン株式会社製商品名)7gを溶解し、そこに球状シリカであるSO−25R(アドマテックス株式会社製商品名)700gを撹拌しながら加え、その後、さらに室温で1時間撹拌した。200メッシュのナイロン布を用いて球状シリカの凝集分をろ別して、スラリー状のろ液(シリカスラリー)を得た。アクリル樹脂であるグリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、エチルアクリレート及びブチルアクリレートの共重合体(重量平均分子量45万、Tg−14.7℃)のシクロヘキサノン溶液(濃度20質量%)350gと、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)のシクロヘキサノン溶液(濃度50質量%)34.2gと、フェノール樹脂(LA−3018、大日本インキ株式会社製商品名)のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液(濃度50質量%)25.8gと、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(2PZ−CN、四国化成株式会社製商品名)0.5gとを混合し、攪拌して、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に前記シリカスラリー430g(無機フィラーの濃度70質量%)を加えて1時間撹拌し、液状インキを得た。
1.アクリル樹脂
・GMA/EA/BA:グリシジルメタクリレート、エチルアクリレート及びブチルアクリレートの共重合体(モノマーの配合割合:GMA/EA/BA=2/26/72(質量比)、Tg:−45℃)
・GMA/AN/EA/BA:グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、エチルアクリレート及びブチルアクリレートの共重合体(モノマーの配合割合:GMA/AN/EA/BA=5/5/85/5(質量比)、Tg:−14.7℃)
・GMA/EA/BA/FA513AS:グリシジルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートの共重合体(モノマーの配合割合:GMA/EA/BA/FA513AS=5/28/38.5/28.5(質量比)、Tg:−6.7℃)
2.エポキシ樹脂
・NC−3000H:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製商品名、エポキシ当量290)
・EXA4710:ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(大日本インキ株式会社製商品名、エポキシ当量170)
・N770:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ株式会社製、エポキシ当量188)
3.フェノール樹脂(硬化剤)
・LA−3018:アミノトリアジンノボラック型フェノール樹脂(大日本インキ株式会社製商品名、水酸基当量151、窒素含有量18%)
・KA−1165:クレゾールノボラック型フェノール樹脂(大日本インキ株式会社製商品名、水酸基当量119)
・LA−1356:アミノトリアジンノボラック型フェノール樹脂(大日本インキ株式会社製商品名、水酸基当量146、窒素含有量19%)
4.シリカ粒子
・F05−12:破砕シリカ、福島窯業株式会社製商品名
・F05−30:破砕シリカ、福島窯業株式会社製商品名
・SO−C6/SO−E3:球状シリカ、アドマテックス株式会社製商品名
・SO−25R:球状シリカ、アドマテックス株式会社製商品名
5.表面処理剤(シランカップリング剤)
・KBM573:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越シリコ−ン株式会社製商品名
・KBM602:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、信越シリコ−ン株式会社製商品名
・KBM903:3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越シリコ−ン株式会社製商品名
・KBM5103:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越シリコ−ン株式会社製商品名
・DMDS/TEMOS:ジメチルジメトキシシラン(DMDS)とテトラメトキシシラン(TEMOS)から形成されたポリシロキサンオリゴマー
1.ポリイミドフィルムとの接着性
ポリイミドフィルム(ユーピレックス50S)に、液状インキを、乾燥後の厚みが125μmになるようにバーコーターを用いて塗布した。塗布された液状インキを110℃で10分間の加熱により乾燥した後、185℃で30分間の加熱により硬化して、ポリイミドフィルムに密着する硬化膜を形成させた。カッターナイフにより、2mm間隔の10本の切れ込みと、これらと直角に交差する2mm間隔の10本の切れ込みとによって、硬化膜を碁盤目状に分割した。そこに粘着テープを貼り付けた後、これを引き剥がし、ポリイミドフィルム状に残った盤目の数に基づいて接着性を評価した。ポリイミドフィルム上に残った盤目の数が多いとき、ポリイミドとの接着性が良好であると判定した。
離型処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに、乾燥後の厚みが125μmになる量の液状インキをバーコーターを用いて塗布した。塗布された液状インキを、110℃で10分間の加熱により乾燥した後、185℃で30分間の加熱により硬化して、硬化膜(硬化物)を形成させた。離型処理PETフィルムからはがした硬化物から、幅5mm、長さ30mmの試料を打ち抜いた。この試料について、動的粘弾性測定装置(レオロジー社製REOGEL4000)を用い、チャック間距離20mm、周期10Hz、昇温速度5℃/分で粘弾性測定を行った。得られた粘弾性カーブから、25℃での貯蔵弾性率及びTgを求めた。
離型処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに、乾燥後の厚みが125μmになる量の液状インキをバーコーターを用いて塗布した。塗布された液状インキを、110℃で10分間の加熱により乾燥した後、185℃で30分間の加熱により硬化して、硬化膜(硬化物)を形成させた。離型処理PETフィルムからはがした硬化物から、幅10mm、長さ100mmの試料を打ち抜いた。この試料について、EZテスターを用いて、引張り速度50mm/分で引張り試験を行い、応力−変位曲線を得た。立ち上がり初期の応力−変位曲線の接線の傾きの最大値から、下記式に従って引張り弾性率を求めた。実施例11で得た液状インキの硬化物の応力−変位曲線を図2に示す。図2の応力−変位曲線の接線のうち、最大の傾きを有する接線Tの傾きから、引張り弾性率を計算した。
引張り弾性率(Pa)=応力−変位曲線の接線の傾きの最大値(N/m)×[変位(m)/硬化物の断面積(m2)]
ポリイミドフィルム(ユーピレックス50S)に、乾燥後の厚みが125μmになる量の液状インキを、バーコーターを用いて塗布した。塗布された液状インキを、110℃で10分間の加熱により乾燥した後、185℃で30分間の加熱により硬化して、硬化膜(硬化物)を形成させた。硬化膜をポリイミドフィルムとともに幅10mm、長さ100mmのサイズに打ち抜き、試料を得た。得られた試料を、80mmの間隔をあけて設置された2つの台上に、それら台を掛け渡すように乗せ、そのときの試料の中央部分の沈み込み量を測定した。沈み込み量が10mm以下であるとき、自己支持性有りと判定した。
ポリイミドフィルム及びこれに積層された硬化膜から構成される試料に、0.3mmのピンゲージをあて、試料をこれに巻き付けながら180度程度にまで折り曲げ、そのときのクラックの有無を観察した。ポリイミドフィルムをピンゲージに対して外側又は内側に配置して、同様の評価を行った。クラックの発生が認められなかったとき、折り曲げ性が良好であると判定した。
ポリイミドフィルム及びこれに積層された硬化膜から構成される試料を2枚の金網の間に挟み、コンベア型リフロー試験を行った。すなわち、1.2m/分の速度で試料表面の最高温度が260℃で、その温度が10秒間維持される加熱プロファイルにより、試料を3回処理した。処理後、外観の目視によりポリイミドフィルム/硬化膜間のふくれ及びはがれの有無を確認した。ふくれ及びはがれが認められなかったとき、耐リフロー性が良好であると判定した。
実施例の液状インキは、優れた分散安定性を有しており、2週間放置後もシリカの凝集がみられなかった。これら液状インキによって形成される硬化膜により、ポリイミドフィルムに自己支持性を付与することができた。また、硬化膜のポリイミドに対する接着性も良好であり、耐リフロー性も問題なかった。参考例1の液状インキは、シリカが凝集するため、安定性に問題があった。参考例2、3の液状インキは、樹脂が分離するために、安定性に問題があった。比較例5の液状インキによって形成される硬化膜は、ポリイミドフィルムに自己支持性を付与することができなかった。比較例6の液状インキによって形成された硬化膜は、クラックを発生させずにポリイミドフィルムとともに折り曲げることができなかった。
Claims (12)
- 有機ポリマー、熱硬化性樹脂及び無機フィラーを含む熱硬化性樹脂組成物と、前記熱硬化性樹脂組成物を溶解又は分散する溶剤と、を含有し、
前記熱硬化性樹脂組成物が硬化したときに、25℃での貯蔵弾性率が500MPa以下で、引張り弾性率が0.5GPa〜3.0GPaである硬化物が形成される、液状インキ。 - 前記熱硬化性樹脂組成物が、前記熱硬化性樹脂組成物の質量を基準として50質量%以上の前記無機フィラーを含む、請求項1に記載の液状インキ。
- 前記有機ポリマーがアクリル樹脂を含む、請求項1又は2に記載の液状インキ。
- 前記アクリル樹脂がグリシジル基を有する、請求項3に記載の液状インキ。
- 前記アクリル樹脂の重量平均分子量が40万〜180万である、請求項3又は4に記載の液状インキ。
- 前記無機フィラーがシリカ粒子を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液状インキ。
- 前記シリカ粒子がシランカップリング剤により表面処理されている、請求項6に記載の液状インキ。
- 前記シランカップリング剤がアミノ基を有する、請求項7に記載の液状インキ。
- 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含み、前記熱硬化性樹脂組成物がフェノール樹脂を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液状インキ。
- 前記エポキシ樹脂がビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂を含む、請求項9に記載の液状インキ。
- ポリイミドフィルム基材に液状インキを塗布し、塗布された前記液状インキを硬化して、前記ポリイミドフィルム基材の剛性を高める硬化膜を形成するために用いられる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液状インキ。
- フレキシブルプリント配線板に液状インキを塗布し、塗布された前記液状インキを硬化して、前記フレキシブルプリント配線板の剛性を高める硬化膜を形成するために用いられる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液状インキ。
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