JP2001289022A - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents

内燃機関の潤滑装置

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JP2001289022A JP2000395678A JP2000395678A JP2001289022A JP 2001289022 A JP2001289022 A JP 2001289022A JP 2000395678 A JP2000395678 A JP 2000395678A JP 2000395678 A JP2000395678 A JP 2000395678A JP 2001289022 A JP2001289022 A JP 2001289022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランク軸に、歯車伝動装置等の動力伝達装
置を介して、クランキング可能に電動機の出力軸を連結
した内燃機関において、前記動力伝達装置の潤滑を独立
した潤滑装置を用いることなく、簡単かつ低コストの装
置で以って 十分になすことにより、潤滑不良並びにこ
れに伴う構成部材の焼き付き及び騒音の発生を防止す
る。 【解決手段】 クランク軸に、歯車伝動装置等の動力伝
達装置を介して電動機の出力軸を連結し、該電動機によ
りクランキング可能に構成された内燃機関において、ク
ランク軸の軸端に前記動力伝達装置の回転部材を、これ
の外周下端がオイルパン内の油面よりも上方になるよう
に取り付けるとともに、該回転部材が収納されるカバー
部材の内部に回転部材の外周が臨む空間を形成し、該空
間に前記クランク軸の潤滑部あるいはメインギャラリか
らの潤滑油を導入可能に構成するとともに、該油溜め空
間と前記オイルパン内とを連通する油戻り通路を設けた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランク軸に、動
力伝達装置を介して電動機の出力軸を連結し、該電動機
によりクランキング可能に構成された内燃機関におい
て、前記動力伝達装置を潤滑するための潤滑装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車においては、近年、環境問題等か
ら燃費(燃料消費率)を改善する手段として、スタート・
ストップシステム、つまり車両の停止時に、ある条件下
でエンジンのアイドリング運転を停止して燃費を低減す
る手段の採用が提案されている。かかるスタート・スト
ップシステムにおいては、コンピュータ制御により車両
のスタート・ストップがなされるが、かかるスタート時
に、スタータ(始動電動機)の騒音や車両の発進遅れがド
ライバーの意志に関することなく発生するため、ドライ
バーに違和感を与えることが多々ある。
【0003】かかる問題点を解消する手段として、電動
機とエンジンのクランク軸との間の動力伝達装置中にワ
ンウェイクラッチあるいは遠心クラッチを介装して、該
動力伝達装置の歯車を常時噛み合うようにした手段が提
案されている。かかる手段においては、電動機側は常時
エンジン側と連結されているため、電動機側のピニオン
とエンジン側のリングギヤとの噛み合いによる打音の発
生が無く、前記のような車両の発進遅れの発生も無い。
また、常時噛み合いであるため、歯車の精度が高められ
るので、噛み合いによる騒音も低減される。
【0004】また、近年、自動車においては、内燃機関
と電動モータとを組み合わせて出力を得るとともに、該
電動モータをスタータとして用いるようにしたハイブリ
ッドシステムが採用されつつある。かかるハイブリッド
システムにおいても電動機側は常時エンジン側と連結さ
れているため、前記のような騒音や発進遅れの発生はな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記ワンウェイクラッ
チを用いたスタート・ストップシステムにあっては、通
常、該ワンウェイクラッチをフライホイールに組み込む
構造で、該ワンウェイクラッチの潤滑は、これに封入し
たグリース油によって行っている。このため、装置の回
転による遠心力により、グリース油が外輪側へ移動し、
内輪側の潤滑が不十分となって、クラッチの焼き付きを
引き起こすことがある。
【0006】また、かかるワンウェイクラッチを用いた
システムにあっては、前記のように、ワンウェイクラッ
チをフライホイールに組み込む構造であるため、いわゆ
る半クラッチの状態でクラッチフェーシング面が発熱す
ると、この熱をワンウェイクラッチ部も受熱し、これに
よって、潤滑用のグリース油が劣化し潤滑不良によるワ
ンウェイクラッチの焼き付きが発生する。尚、類似の問
題は遠心クラッチを用いた場合にも発生する。
【0007】また、前記ハイブリッドシステムにあって
は、電動モータとエンジンとを連結する歯車伝動装置の
潤滑は、通常、独立した潤滑システムを設けているた
め、装置の構造が複雑になり、装置コストも高くなる。
【0008】本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、ク
ランク軸に、動力伝達装置を介して、クランキング可能
に電動機の出力軸を連結した内燃機関において、前記動
力伝達装置の潤滑を独立した潤滑装置を用いることな
く、簡単かつ低コストの装置で以って十分になすことに
より、潤滑不良並びにこれに伴う構成部材の焼き付き及
び騒音の発生を防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、請求項1記載の発明として、クランク軸
に、動力伝達装置を介して電動機の出力軸を連結し、該
電動機によりクランキング可能に構成された内燃機関に
おいて、前記クランク軸の軸端に前記動力伝達装置の回
転部材を、これの外周下端が前記内燃機関のオイルパン
内の油面よりも上方になるように取り付けるとともに、
該回転部材が収納されるカバー部材を設け、該カバー部
材の内部に前記回転部材の外周が臨む空間を形成し、該
空間に前記機関の潤滑系路からの潤滑油を導入可能に構
成するとともに、該空間と前記オイルパン内とを連通す
る油戻り通路を設けたことを特徴とする内燃機関の潤滑
装置を提案する。
【0010】かかる発明によれば、機関の潤滑系路から
送り込まれた潤滑油は、カバー部材の内部に形成された
空間に貯まり、動力伝達装置を構成する回転部材の回転
によって、霧化されて該空間を飛散されることにより動
力伝達装置における所要部を潤滑する。そして、潤滑作
用をなした後の潤滑油は該空間内に貯まった後、油戻り
通路を通ってオイルパンに戻される。
【0011】従って、かかる発明によれば、機関の潤滑
系路を流れる潤滑油を利用して動力伝達装置の所要部を
潤滑するので、格別の潤滑機構を設けることなく簡単か
つ低コストの手段で以って動力伝達装置の潤滑をなすこ
とができ、また、該機関の潤滑系路からの潤滑油を該空
間に導き、動力伝達装置の回転部材の回転によって動力
伝達装置の所要部を潤滑するので、所要の部位を確実に
潤滑することができる。
【0012】また、かかる発明によれば、動力伝達装置
の回転部材を、これの外周下端がオイルパン内の油面よ
りも上方になるように取り付けるとともに、該空間とオ
イルパン内とを連通する油戻り通路を設けたので、該空
間内の潤滑油が回転部材の回転抵抗となることがなく、
かかる回転抵抗に伴う動力損失の発生が回避される。さ
らに、該空間により車両の前後、左右方向加速度又は傾
きに伴うオイルパン内の油面移動によって回転部材に油
が干渉することなく、回転抵抗に伴う動力損失の発生が
回避される。
【0013】また、かかる発明によれば、動力伝達装置
中にワンウェイクラッチを設けている機関に適用した場
合、該空間に貯められた少量の潤滑油が回転部材の回転
によって霧化され、該ワンウェイクラッチを潤滑するた
め、機関の運転中該ワンウェイクラッチには常時所要の
潤滑油が供給されることとなり、潤滑が充分になされる
とともに、クラッチ側からの熱により該ワンウェイクラ
ッチが過熱されることがなく、潤滑油不足や過熱による
ワンウェイクラッチの磨耗や焼き付きの発生を防止でき
る。
【0014】また、双方向にトルク伝達を可能とし、回
転数によってクラッチが働く遠心クラッチ等においても
磨耗や焼き付きの発生を防止できる。さらに、電動機と
内燃機関との間の前記動力伝達装置を歯車列で構成した
場合には、該歯車列の歯車は常時噛み合っているため、
噛合精度が高められ、例えばバックラッシの縮小や噛合
率の向上が可能となり、しかも前記のように、歯車の噛
合部には充分な量の潤滑油が供給されているため、歯車
の噛み合いによる振動や騒音の発生を回避できる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、機関のメインギャラリから動力伝達装置の回転部材
に直接潤滑油を供給する第1の油通路及び前記メインギ
ャラリから前記クランク軸の油孔を介して前記回転部材
に潤滑油を供給する第2の油通路の何れか一方または双
方を備えてなることを特徴とする。
【0016】かかる発明によれば、機関のメインギャラ
リから歯車等の回転部材に直接に、あるいは該メインギ
ャラリからクランク軸の油孔を介して前記回転部材に潤
滑油を供給するように構成したので、格別な潤滑油供給
源及び供給システムを必要とせず、潤滑システムを低コ
スト化することができるとともに、メインギャラリから
の潤滑油導入であるため、常時十分量の潤滑油を各潤滑
部に供給でき、歯車、ワンウエイクラッチ等の動力伝達
装置構成部材の耐久性が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
ている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置など
は特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれ
のみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎな
い。
【0018】図1は本発明の実施形態における第1実施
例に係る自動車用内燃機関のスタータ用リングギヤ近傍
のクランク軸心に沿う断面図、図2は図1のA−A矢視
図、図3は図2のB−B線断面図である。図4は第2実
施例を示す図1対応図である。図5は前記第1実施例の
変形例を示す図1対応図である。図6は第3実施例を示
す図1対応図である。
【0019】図1〜3において、5は内燃機関(以下エ
ンジンという)のシリンダブロック、7はクランク軸、
6は主軸受、8はオイルパンである。12は該クランク
軸7の軸端部に穿孔され前記主軸受6に潤滑油を供給す
るための油孔で、前記主軸受6の軸受面に開口されてい
る。1はスタータ用のリングギヤ、3はフライホイール
で、該フライホイール3及び該リングギヤ1のボス部1
aは複数のボルト11により、共締めにて前記クランク
軸7の軸端面に固着されている。図1に示されるよう
に、前記リングギヤ1の外径はフライホイール3の外径
よりも小さく形成されている。2はサブギヤで、前記リ
ングギヤ1の側面に固着されている。10は前記リング
ギヤ1及びサブギヤ2に取り付けられたトルクスプリン
グである。
【0020】9はギヤケース、13はミッションケース
で、該ギヤケース9は外周側をボルト112により該ミ
ッションケース13と共締めにて前記シリンダブロック
5に締め付け固着されるとともに、一部ではボルト25
により該ミッションケース13に固着され、さらに内周
側をボルト25により前記シリンダブロック5に締め付
け固着されている。111はギヤカバーで、その外周部
を複数のボルト26により前記ギヤケースに固着されて
いる。該ギヤカバー111の内側と前記ギヤケース9と
によって、油溜め空間23が形成され、該油溜め空間2
3内に前記リングギヤ1及びサブギヤ2が収納され、こ
れらの外周が臨む空間となっている。
【0021】そして、前記クランク軸7とシリンダブロ
ック5との間には、前記油溜め空間23の上部に連通さ
れる油導入用の隙間29が形成されている。尚、該隙間
29に加えて、前記クランク軸7の油孔12と前記油溜
め空間23とを連通する小径の油孔20を設けて、該油
孔12内の潤滑油の一部を、該油孔20を通して前記油
溜め空間23に導入するように構成してもよい。21は
前記ギヤケース9に穿孔された油戻し孔で、前記油溜め
空間23の下部とオイルパン8内とを連通している。該
油戻し孔21のエンジン高さ方向位置は、前記リングギ
ヤ1及びサブギヤ2の外周がオイルパン8内の油面24
よりも若干上部になるような位置に設定される。
【0022】22はブリーズ孔で、前記オイルパン8内
の上部と前記油溜め空間23内とを連通し、該油溜め空
間23内の空気抜きを行うようになっている。14は前
記リングギヤ1のボス部1aとクランク軸7の外周面と
の間に介装されたOリングである。4は前記ギヤカバー
111に取り付けられたオイルシールで、前記油溜め空
間23と外部とをシールしている。
【0023】図2〜3において、18は電動モータで、
前記ギヤケース9に複数の該ボルト27により固着され
ている。17は該電動モータ18のモータ軸19に固定
されたピニオンギヤ、16は両端部を前記ギヤケース9
及びギヤカバー111に回転自在に支持された中間ギヤ
で、図2に示すように、該ピニオンギヤ17と中間ギヤ
16と前記リングギヤ1とは常時噛み合っており、前記
電動モータ18の動力をピニオンギヤ17、中間ギヤ1
6、及びリングギヤ1を経て前記フライホイール3及び
トランスミッション(図示省略)に伝達するようになって
いる。34は前記電動モータ18とギヤケース9との間
に介装されたOリングである。
【0024】かかる構成からなる潤滑装置を備えた内燃
機関の運転時において、主軸受6を潤滑した後、前記隙
間29を通して前記油溜め空間23に供給され、あるい
は前記クランク軸7の油孔12から油孔20を通って油
溜め空間23に供給された潤滑油は、動力伝達装置を構
成するリングギヤ1及びサブギヤ2の回転によって霧化
されて該油溜め空間23内を飛散されることにより、常
時噛み合っている前記ピニオンギヤ17、中間ギヤ1
6、及びリングギヤ1の噛合部等の、動力伝達装置の所
要部を潤滑する。
【0025】そして、前記のような潤滑作用をなした後
の潤滑油は前記油溜め空間23の底部に貯まった後、前
記油戻し孔21を通ってオイルパン8内に戻される。ま
た、前記動力伝達装置を構成する各ギヤの回転等による
油溜め空間23内の圧力は前記ブリーズ孔22を通して
前記オイルパン8内に解放されるので、該油溜め空間2
3内に過大な圧力上昇の発生は無い。また、該油溜め空
間底部に一定量の潤滑油が溜まるように設定すれば、ギ
アの掻き揚げによる潤滑油の供給もできる。
【0026】従って、かかる実施例によれば、主軸受6
等のエンジン潤滑部を潤滑後の潤滑油を利用して、各ギ
ヤ噛合部等の動力伝達装置の所要部を潤滑するので、格
別の潤滑機構を設けることなく簡単かつ低コストの装置
で以って動力伝達装置の潤滑をなすことができる。ま
た、該エンジンからの潤滑油を油溜め空間23に導き、
動力伝達装置のリングギヤ1及びサブギヤ2の回転によ
って前記動力伝達装置の所要部を潤滑するので、所要の
部位に確実に潤滑油を供給することができる。
【0027】また、かかる実施例によれば、動力伝達装
置を構成するリングギヤ1及びサブギヤ2を、これの外
周下端がオイルパン8内の油面24よりも上方になるよ
うに取り付けるとともに、前記油溜め空間23とオイル
パン8内とを連通する油戻し孔21を設けので、該油溜
め空間23内の潤滑油が、回転しているリングギヤ1及
びサブギヤ2の回転抵抗となることがなく、かかる回転
抵抗に伴う動力損失の発生が回避される。
【0028】また、前記のように、動力伝達装置を構成
するリングギヤ1、中間ギヤ16、ピニオンギヤ17等
の歯車列の歯車は常時噛み合っているため、噛合精度が
高められ、しかも前記のように、各歯車1、16、17
の噛合部には充分な量の潤滑油が供給されているため、
歯車の噛み合いによる振動や騒音の発生が回避される。
そして、前記第1実施例の変形例を示す図5に示される
ように仕切り壁40をオイルパン8内部の端部に設けて
も同様の効果が得られる。
【0029】図4に示される本発明の第2実施例におい
ては、前記リングギヤ1の内側にワンウェイクラッチ0
30を設け、サブギヤ2を除去している。即ち、図4に
おいて、030はワンウェイクラッチで、その入力側は
前記リングギヤ1に連結され、出力側は前記クランク軸
7に固定されたボス部1aに連結されて、該リングギヤ
1側からクランク軸7側への回転の伝達のみを可能とし
ている。
【0030】32はベアリングで、前記リングギヤ1の
内周とボス部1aの外周との間に介装され、ワンウェイ
クラッチ030の入力側と出力側とを相対回転可能に支
持している。31は前記クランク軸7及びボス部1aの
内部を貫通して設けられた油孔で、前記クランク軸7内
の油孔12とワンウェイクラッチ030とを連通し、該
油孔12内の潤滑油の一部を、該油孔31を通して該ワ
ンウェイクラッチ030に供給するようになっている。
その他の構成は、前記第1実施例と同様であり、これと
同一の部材は同一の符号で示す。
【0031】かかる実施例において、前記ワンウェイク
ラッチ030には、前記油溜め空間23に供給された潤
滑油が、前記リングギヤ1の回転により霧化され、該ワ
ンウェイクラッチ030を潤滑するのに加えて、前記油
孔12内の潤滑油の一部が該油孔31を通して供給され
る。これにより、エンジンの運転中、該ワンウェイクラ
ッチ030には、前記のように、2つのルートから常時
所要の潤滑油が供給されることとなり、潤滑油不足によ
るワンウェイクラッチの磨耗や焼き付きの発生を防止で
きる。また、充分な量の潤滑油が供給されるので、クラ
ッチ側からの熱により該ワンウェイクラッチ030が過
熱されるのを回避できる。
【0032】図6に示される本発明の第3実施例におい
て、50は機関のメインギャラリ、51は前記ギヤカバ
ー111内に穿孔された前記メインギャラリよりも小径
の油孔で、前記メインギャラリ50の端部から前記油溜
め空間23内の前記リングギヤ1と中間ギヤ16との噛
み合い部を含む歯車噛み合い部に向けて開口されてい
る。54は前記メインギャラリ50のギヤカバー111
側開口部をシールするОリングである。また、52は前
記メインギャラリ50から分岐された該メインギャラリ
よりも小径の油孔で、主軸受6内に穿孔された油孔53
を介して前記クランク軸7内の油孔12に接続されてい
る。
【0033】かかる第3実施例において、前記メインギ
ャラリ50から分岐されて油孔51に導入された潤滑油
は、該油孔51から前記油溜め空間23内のリングギヤ
と中間ギヤとの噛み合い部を含む歯車噛み合い部に向け
て噴出され、該噛み合い部を潤滑した後、油溜め空間2
3内の底部に落下する。一方、前記メインギャラリ50
から分岐されて油孔52に導入された潤滑油は、主軸受
6内に穿孔された油孔53を介して前記クランク軸7内
の油孔12に入る。そして、前記第2実施例と同様に、
該油孔12から分岐した油孔31を通して、該油孔12
内の潤滑油の一部が前記ワンウェイクラッチ030側に
供給される。尚、前記ギヤカバー111内の油孔51を
通しての給油系、あるいは前記クランク軸7内の油孔1
2への給油系の何れか一方を設けてもよい。
【0034】かかる実施例によれば、機関のメインギャ
ラリ50から油孔51を通して歯車の噛み合い部、ワン
ウェイクラッチ030等の回転部材に直接に潤滑油を供
給し、あるいは該メインギャラリ50から油孔52及び
クランク軸の油孔12及び油孔31を介して前記ワンウ
ェイクラッチ030を含む回転部材に潤滑油を供給する
ように構成したので、格別な潤滑油供給源及び供給シス
テムを必要とせず所要の潤滑を行うことができる。ま
た、メインギャラリ50から歯車、ワンウエイクラッチ
等の動力伝達装置構成部材への潤滑油を導入しているた
め、常時十分量の潤滑油を各動力伝達装置構成部材の潤
滑部に供給することができ、前記動力伝達装置構成部材
の耐久性が向上する。その他の構成は、前記第2実施例
と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
尚、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、
上記各実施例のワンウェイクラッチに換えて遠心クラッ
チを適用してもよく、そのほか本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々の変形実施が可能である。
【0035】
【発明の効果】以上記載の如く本発明によれば、機関の
潤滑系路を流れる潤滑油を利用して動力伝達装置の所要
部を潤滑するので、格別の潤滑機構を設けることなく簡
単かつ低コストの手段で以って動力伝達装置の潤滑をな
すことができ、また、機関の潤滑系路を流れる潤滑油を
動力伝達装置の回転部材の外周が臨む空間に導き、動力
伝達装置の回転部材の回転によって動力伝達装置の所要
部を潤滑するので、所要の部位を確実に潤滑することが
でき、潤滑油不足による動力伝達装置構成部材の磨耗や
焼き付きの発生を防止することができる。
【0036】また、本発明によれば、動力伝達装置の回
転部材を、これの外周下端がオイルパン内の油面よりも
上方になるように取り付けるとともに、該空間とオイル
パン内とを連通する油戻り通路を設けたので、該空間内
の潤滑油が回転部材の回転抵抗となることがなく、かか
る回転抵抗に伴う動力損失を低減することができる。
【0037】また、本発明によれば、動力伝達装置中に
クラッチを設けている機関に適用した場合は、潤滑油が
回転部材の回転によって霧化され、該クラッチを潤滑す
るため、機関の運転中該クラッチには常時所要の潤滑油
が供給されることとなり、潤滑が充分になされるととも
に、クラッチ側からの熱により該クラッチが過熱される
ことがなく、潤滑油不足や過熱によるクラッチの磨耗や
焼き付きの発生を防止できる。
【0038】さらに、前記電動機と内燃機関との間の動
力伝達装置を歯車列で構成した場合には、該歯車列の歯
車は常時噛み合っているため、噛合精度が高められ、し
かも前記のように、歯車の噛合部には充分な量の潤滑油
が供給されているため、歯車の噛み合いによる振動や騒
音の発生を回避できる。
【0039】また、請求項2のように構成すれば、機関
のメインギャラリから回転部材に直接に、あるいは該メ
インギャラリからクランク軸の油孔を介して前記回転部
材に潤滑油を供給するように構成したので、格別な潤滑
油供給源及び供給システムを必要とせず、潤滑システム
を低コスト化することができる。また、メインギャラリ
からの潤滑油導入であるため、常時十分量の潤滑油を各
潤滑部に供給でき、動力伝達装置構成部材の耐久性が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施形態における第1実施例
に係る自動車用内燃機関のスタータ用リングギヤ近傍の
クランク軸心に沿う断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図2のB−B線断面図である。
【図4】 第1実施例を示す図1対応図である。
【図5】 前記第1実施例の変形例を示す図1対応図で
ある。
【図6】 第3実施例を示す図1対応図である。
【符号の説明】
1 リングギヤ 1a ボス部 3 フライホイール 4 オイルシール 5 シリンダブロック 6 主軸受 7 クランク軸 8 オイルパン 9 ギヤケース 111 ギヤカバー 12、20、31、31、51、52、53 油孔 13 ミッションケース 14、34、54 Oリング 16 中間ギヤ 17 ピニオンギヤ 18 電動モータ 21 油戻し孔 22 ブリーズ孔 23 油溜め空間 24 油面 030 ワンウエイクラッチ 32 ベアリング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸に、動力伝達装置を介して電
    動機の出力軸を連結し、該電動機によりクランキング可
    能に構成された内燃機関において、 前記クランク軸の軸端に前記動力伝達装置の回転部材
    を、これの外周下端が前記内燃機関のオイルパン内の油
    面よりも上方になるように取り付けるとともに、該回転
    部材が収納されるカバー部材を設け、該カバー部材の内
    部に前記回転部材の外周が臨む空間を形成し、該空間に
    前記機関の潤滑系路からの潤滑油を導入可能に構成する
    とともに、該空間と前記オイルパン内とを連通する油戻
    り通路を設けたことを特徴とする内燃機関の潤滑装置。
  2. 【請求項2】 機関のメインギャラリから前記動力伝達
    装置の回転部材に直接潤滑油を供給する第1の油通路、
    及び前記メインギャラリから前記クランク軸の油孔を介
    して前記回転部材に潤滑油を供給する第2の油通路の何
    れか一方または双方を備えてなることを特徴とする請求
    項1記載の内燃機関の潤滑装置。
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