JP2001288425A - 粘着テープ巻回体及び粘着テープ巻回体の製造方法 - Google Patents

粘着テープ巻回体及び粘着テープ巻回体の製造方法

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JP2001288425A
JP2001288425A JP2000107177A JP2000107177A JP2001288425A JP 2001288425 A JP2001288425 A JP 2001288425A JP 2000107177 A JP2000107177 A JP 2000107177A JP 2000107177 A JP2000107177 A JP 2000107177A JP 2001288425 A JP2001288425 A JP 2001288425A
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Masayoshi Kuniya
正善 国谷
Kenji Komori
研ニ 古森
Yasuyuki Sasaki
康行 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 離型紙や切断面保護用のカセット、さらには
各種切断面処理剤を用いることなく、ロール状に巻回さ
れた粘着テープ巻回体の側端面における粘着性を抑制
し、ホコリ等の付着や巻回体同士の固着を防止した粘着
テープ巻回体を提供する。 【構成】 シート状支持体に粘着剤層を積層した粘着シ
ートを、巻芯に所定の長さ巻き取り粘着シート巻回体を
作製する。当該粘着シート巻回体を所定幅に切断した
後、その切断面に電子線を、線量が20〜100kGy
となるように照射し、当該切断面(側端面)からその内
側方向に、粘着剤層のゲル分率が60%以上100%以
下である高ゲル化領域を形成する。このとき、側端面か
ら内側方向3mm内にある粘着剤のゲル分率が当該範囲
になるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープ巻回体
に関する。さらに具体的にいうと、支持体上に粘着剤層
が積層された粘着テープがロール状に巻回され、その側
端面が処理された粘着テープ巻回体に関する。
【0002】
【従来の技術】医療やスポーツ、美容、健康、整体等種
々の分野において、粘着テープがロール状に巻回された
粘着テープ巻回体が用いられている。この粘着テープ巻
回体は、プラスチックフィルムや不織布、紙、織布や編
布などからなるシート状をした支持体上に、感圧性の粘
着剤層が積層された粘着シートが、円筒形をした巻芯に
所定の長さに巻き取られた後、所定幅に切断されて製造
される。
【0003】このような粘着シート巻回体においては、
切断後、粘着剤層の断面が露出することになる。また、
巻き取り時の残留応力による巻締まりや、柔らかい粘着
剤を使用した場合には粘着剤の流動により、粘着剤が切
断面よりはみ出す場合があった。このためにホコリ等の
汚れが切断面に付着し、外観を損ねたり、粘着テープ巻
回体の側端面同士が固着するという問題点を生じてい
た。
【0004】この問題点を解決するため、パーチメント
等の離型紙を切断面に貼り合わせる、切断面保護用のカ
セットで覆う、炭酸カルシウムやポリエチレン等の粉末
を付着させる、シリコーン系の処理液を塗布する、熱硬
化型樹脂やUV硬化型樹脂からなる皮膜を切断面に形成
するなどの方法が採用される。しかしながら、これらの
方法によっても完全に上記問題点を解決できるものでは
なく、それぞれ一長一短があった。
【0005】すなわち、離型紙を切断面に貼り合わせる
方法によれば、包装時にはホコリ等の付着や巻回体同士
の固着を防ぐことができるが、使用時に離型紙を剥離す
れば上記問題点を解決する手段にはなりえなかった。ま
た、巻回体の形状に合ったドーナツ状の離型紙を巻回体
の切断面に貼り付けたまま使用する場合もあるが、粘着
テープが使用されて巻回体の径が小さくなると、離型紙
がはみ出した状態になり使用時の操作性が低下する。
【0006】さらに切断面保護用のカセットを使用した
場合には、巻回体同士が固着することを防げるが、切断
面からの粘着剤のはみ出しが多いと、巻回体自体がカセ
ットの内面に貼り付き、使用時に粘着テープの繰り出し
が困難になる。
【0007】さらに切断面に粉末を付着させる方法や各
種処理液を塗布する方法は、切断面処理後、経時的に糊
のはみ出しが生じた場合には効果が小さく、より強固な
皮膜を形成するために、切断面処理剤の塗布量を多くす
る必要がある。ところが、塗布量を多くすると、不織布
や紙、布等の吸水性のある支持体や、穿孔処理やエンボ
ス加工などが施され、表面に凹凸のある支持体を用いた
粘着テープにおいては、切断面処理剤が支持体に染み込
んだり、切断面に生じた微小な隙間を通り道として、巻
回された支持体とその表面に積層された粘着剤層との間
に入り込み、使用時の巻戻し力の異常や、粘着テープ末
端部のめくれなどの問題を引き起こす。
【0008】さらにこれらの切断面の処理においては、
離型紙やカセットや各種切断面処理剤といった粘着テー
プや巻芯以外の材料を必要とするため、粘着テープ巻回
体の製造コストを上昇させる原因となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みてなされたものであって、離型紙や切
断面保護用のカセット、さらには各種切断面処理剤を用
いることなく、ロール状に巻回された粘着テープ巻回体
の切断面(側端面)の粘着性を抑制し、ホコリ等の付着
や巻回体同士の固着を防止することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る粘着テープ
巻回体は、支持体の片面若しくはその両面に粘着剤層が
積層された粘着テープがロール状に巻回された粘着テー
プ巻回体であって、前記粘着剤層に、当該粘着テープ巻
回体の側端面からその内側方向において、粘着剤のゲル
分率が60%以上100%以下である高ゲル化領域が形
成されたことを特徴としている。
【0011】このとき、高ゲル化領域として前記粘着テ
ープ巻回体の側端面から内側方向に3mm内にあるよう
にするのが好ましい。
【0012】この高ゲル化領域は、例えば電子線を照射
することにより得られる。
【0013】また、本願第1の発明に係る粘着テープ巻
回体の製造方法は、テープ状支持体の片面若しくはその
両面に粘着剤層が形成された粘着テープがロール状に巻
回された粘着テープ巻回体の製造方法であって、シート
状の支持体の片面若しくはその両面に粘着剤層を形成し
た粘着シートをロール状に巻回した後、所定幅に切断し
て、その切断面に電子線を照射することを特徴としてい
る。
【0014】さらに、本願第2の発明に係る粘着テープ
巻回体の製造方法は、テープ状支持体の片面若しくはそ
の両面に粘着剤層が形成された粘着テープがロール状に
巻回された粘着テープ巻回体の製造方法であって、テー
プ状の支持体の片面若しくはその両面に粘着剤層を形成
した粘着シートをロール状に巻回した後、その側端面に
電子線を照射することを特徴としている。
【0015】これらの粘着テープ巻回体の製造方法にお
いては、粘着テープ巻回体の側端面から内側方向に3m
m内にある粘着剤層のゲル分率が60%以上100%以
下となるように電子線照射するのが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る粘着テープ巻回体
は、支持体の片面若しくはその両面に粘着剤層が積層さ
れた粘着テープをロール状に巻回されたものであって、
その側端面から内側方向に向かって、ゲル分率が60%
以上100%以下の高ゲル化領域が形成されたことを特
徴としている。
【0017】本発明において、粘着テープの支持体とし
ては特に限定されるものではなく、例えば各種プラスチ
ックフィルム、不織布、紙、織布や編布などが用いられ
る。また、プラスチックフィルムにしても、ポリ塩化ビ
ニル単体若しくはエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、
アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタ
クリル酸エステル、アクリルニトリル、スチレン、塩化
ビニリデン等とその他モノマーとの共重合体物、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等のオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエーテルポリエステルなどのポリエステル系
ポリマー、ポリエーテルポリアミドブロックポリマー等
のポリアミド系ポリマーなどからなる各種フィルムが挙
げられる。これらの支持体は、その使用目的に応じて適
宜好ましいものが選択される。
【0018】また、粘着剤としても、粘着テープに一般
的に用いられるものであれば特に限定されるものではな
いが、本発明は粘着テープ巻回体の側端面からの粘着剤
のはみ出しや側端面の固着を防止する目的で用いられる
ため、特に感圧性の粘着剤を用いた場合に効果を発揮す
るものである。従って、このような感圧性粘着剤である
アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着
剤、ウレタン系粘着剤が用いられ、これらは1種若しく
は2種以上を混合して用いることができる。
【0019】これらの支持体及び粘着剤を用いて、テー
プ状の支持体の片面若しくはその両面に粘着剤層を積層
することにより、粘着テープが作製されるが、当該粘着
テープの製法としても公知の方法、例えば剥離紙上に粘
着剤層を形成した後支持体に転写させる方法あるいは支
持体に直接、粘着剤溶液を塗布、乾燥する方法などが用
いられる。その後、当該粘着テープを紙やプラスチック
から作製された巻芯に所定の長さで巻回して、粘着テー
プ巻回体を作製する。
【0020】このようにして粘着テープ巻回体を作製す
ることができるが、一般的には上記したように、製造効
率を考慮して、幅広になったいわゆるシート状支持体の
片面若しくはその両面に粘着剤層を積層して粘着シート
を作製した後、巻芯に巻回し、当該粘着シート巻回体を
所定幅にて切断して粘着テープ巻回体を作製する。な
お、本発明においては、テープ幅によってテープ状のも
のとシート状のものを区別するものではなく、粘着シー
トとは、それを切断加工して最終的な製品である側端面
が処理された粘着テープ巻回体を得るためのものを意味
する。従って、本発明にいう粘着テープ巻回体には幅広
になった粘着シートの巻回体に電子線処理されたものも
含まれるものである。
【0021】こうして得られた粘着テープ巻回体の側端
面(若しくは切断面)の少なくとも一方、望ましくはそ
の両方に電子線照射を施し、側端面からその内側方向に
向けて、粘着剤のゲル分率を高めることにより、本発明
に係る粘着シート巻回体を得ることができる。このと
き、側端面から内側方向に一定幅の粘着剤層を採取した
場合に、当該粘着剤のゲル分率が60%以上100%以
下となる高ゲル化領域を形成するように電子線を照射す
る。
【0022】この高ゲル化領域は、粘着テープの側端部
付近にある粘着剤に電子線処理を施すことによって、粘
着性を実用上問題のない程度にまで低下させて粘着剤の
流動化を抑え、粘着テープの側端面同士の固着や粘着剤
のはみ出しを防ぐためものである。
【0023】なお、本発明において、ゲル分率とは、次
に述べる方法によって得られた値を意味し、当該ゲル分
率が60%を下回る場合には、粘着テープ巻回体側端面
における固着を十分に防ぐことができない恐れがある。
【0024】ゲル分率を算出するには、まず粘着テープ
の側端面から内側方向に一定幅の粘着剤層を秤量し、孔
径0.2μmのテフロン(登録商標)膜(日東電工(株)
製、ニトフロンNTF−1122又はその同等品)に包
み、酢酸エチル90gに7日間浸漬する。このとき、4
8時間経過後に一度浸漬液を交換する。その後、その残
留物をテフロン膜と共に120℃で2時間乾燥させる。
【0025】この後、浸漬前に採取した粘着剤の初期重
量(g)に対する乾燥後にテフロン膜中に残った残留物
重量(g)の割合(重量百分率)をゲル分率(%)とし
て求める。
【0026】また、この高ゲル化領域は、以下に述べる
ように、粘着テープ巻回体の側端面から電子線照射によ
って形成されるため、粘着テープ巻回体の側端面から内
側に向けてゲル分率が異なり、必ずしも高ゲル化領域に
おけるゲル分率は均一なものを意味するものではない。
従って、本発明においては、上記したように、粘着テー
プ巻回体の側端面から内側方向に向けて一定の幅の粘着
剤層を採取して測定した場合に、当該粘着剤のゲル分率
が60%以上100%以下となる領域が、本発明の効果
を発揮しうる範囲幅で存在すればよいことになる。
【0027】このように、この高ゲル化領域となる領域
幅は、上記本発明の目的、効果を達成できるものであれ
ば特に制限されるものではなく、例えば、側端面から1
mm幅における粘着剤層のゲル分率が60%以上となっ
ても差し支えないが、好ましくは側端面から3mmの幅
で粘着剤を採取した場合におけるゲル分率が60%以上
100%以下となるように形成するのがよい。3mm幅
未満で作製した場合にはそれよりも内側の粘着剤が流動
化し、側端面から流れ出ていわゆる糊のはみ出しを生じ
る場合がある。また、粘着テープそのものの幅にも左右
されるが、3mm幅を越えてゲル分率が60%を越える
高ゲル化領域を形成した場合には、被着体に十分に貼着
できる粘着領域を十分に確保できない場合もあり、粘着
テープの機能を果たせなくなる恐れがある。
【0028】また、高ゲル化領域は、巻回する前の粘着
テープとした状態でその側端部に一定幅で電子線照射を
することも考えられるが、製造工程の便宜上、粘着テー
プを巻回体にした状態でその側端面に電子線を照射する
のが効率的である。
【0029】照射する電子線線量は、上記高ゲル化領域
が得られるように実験的に設定される。具体的には、粘
着剤の種類や粘着剤組成によっても異なるが、通常20
〜100kGyであり、好ましくは30〜50kGyで
ある。20kGyより少なければ、十分な幅で高ゲル化
領域を形成することができず、また、所定のゲル分率を
得られない場合もある。一方、100kGyよりも大き
くなれば、側端面から広い幅で高ゲル化領域が形成さ
れ、粘着テープに十分な粘着領域を確保できなくなる恐
れがある。
【0030】このように本発明においては、粘着テープ
巻回体の側面から電子線を照射し、側端面から内側方向
に向けて粘着剤層のゲル分率を高めているので、巻回体
側面における粘着性が低下し、側端面同士の固着や糊の
はみ出しを防ぐことができる。
【0031】
【実施例】次に、下記の実施例に基づいて本発明につい
てさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸
脱しない場合内で種々の応用ができるのはいうまでもな
い。また、以下において、「部」とは「重量部」を意味
する。
【0032】(実施例1)窒素雰囲気下でアクリル酸5
重量部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部
を共重合して得られたアクリル系共重合体100部に、
トリオレイン酸ソルビタン66.7部、架橋剤として多
官能性イソシアネート(コロネートHL日本ポリウレタ
ン(株)製)0.14部を酢酸エチル中で混合し、粘着剤
溶液を調製した。この粘着剤溶液を、片面にシリコーン
処理を施した剥離紙の処理面に、乾燥後の厚みが50μ
mになるように塗布し、100℃で3分間乾燥して、粘
着剤層を作製した。
【0033】次に、ポリエチレンとエチレン−酢酸ビニ
ル共重合物を混合した樹脂を、厚さ100μm、幅12
50mmに製膜したシート状の支持体の片面に、上記で
得た粘着剤層を積層して粘着シートを作製し、上記剥離
紙を剥がしながら紙製の円筒形をした巻芯に巻き取り、
粘着シート巻回体を作製した。当該巻回体を60℃で3
日間加温熟成させた後、所定幅(50mm)で切断し
て、粘着テープ巻回体を得、その両側端面に40kGy
の電子線を照射して、実施例1の粘着テープ巻回体を得
た。
【0034】(実施例2)窒素雰囲気下で2−ヒドロキ
シエチルエステル10部、2−エチルヘキシルエステル
90部を共重合して得られたアクリル系共重合体100
部に、架橋剤として過酸化ベンゾイル(ナイパーBW
日本油脂(株)製)0.5部をトルエン中で混合し、粘着
剤溶液を調整した。この粘着剤溶液を、片面にシリコー
ン処理を施した剥離紙の処理面に、乾燥後の厚みが23
μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥して、
粘着剤層を作製した。
【0035】次に、アセテート長繊維織物からなるシー
ト状の支持体(幅1250mm)の片面に、上記で得た
粘着剤層を積層して粘着シートを作製し、上記剥離紙を
剥がしながら紙製の円筒形をした巻芯に巻き取り、粘着
シート巻回体を作製した。当該巻回体を所定幅(50m
m)で切断して、粘着テープ巻回体を得、その両側端面
に60kGyの電子線を照射して、実施例2の粘着テー
プ巻回体を得た。
【0036】(比較例1)実施例1と同様にして得られ
た電子線照射前の粘着テープ巻回体を比較例1の粘着テ
ープ巻回体とした。
【0037】(比較例2)実施例2と同様にして得られ
た電子線照射前の粘着テープ巻回体を比較例2の粘着テ
ープ巻回体とした。
【0038】(比較例3)実施例1と同様にして得られ
た電子線照射前の粘着テープ巻回体の両側端面に10k
Gyの電子線を照射して、比較例3の粘着テープ巻回体
を得た。
【0039】(比較例2)実施例2と同様にして得られ
た電子線照射前の粘着テープ巻回体の両側端面に10k
Gyの電子線を照射して、比較例4の粘着テープ巻回体
を得た。
【0040】〔評価試験〕 (ゲル分率)各粘着テープ巻回体の側端面から3mmの
幅で粘着剤層を採取し、その約0.1gを秤量して初期
重量(g)を測定した。次に、孔径0.2μmのテフロ
ン膜(日東電工(株)製、ニトフロンNTF−1122)
に包み、酢酸エチル90gに7日間(48時間経過後に
浸漬液を交換する。)浸漬後、粘着テープの側端から一
定幅の粘着剤層を秤量し、孔径0.2μmのテフロン膜
(日東電工(株)製、ニトフロンNTF−1122)に包
み、酢酸エチル90gに7日間浸漬した。その後、その
残留物をテフロン膜と共に120℃で2時間乾燥させ、
テフロン膜中に残った残留物重量(g)を求めた。
【0041】その後、浸漬前に採取した粘着剤の初期重
量(g)に対する乾燥後にテフロン膜中に残った残留物
重量(g)の割合(重量百分率)をゲル分率(%)とし
て求めた。
【0042】なお、参考として、側端面から3mmより
も内側(側端面より3mm〜6mmの範囲)にある粘着
剤層を採取し、上記と同様にしてゲル分率を測定した。
【0043】(側端面の固着防止効果)得られた粘着テ
ープ巻回体の側端面同士を重ね合わせて、250gの荷
重で1分間圧着後、上側の粘着テープ巻回体を持って持
ち上げた。このとき、粘着テープ巻回体が固着して、下
側の粘着テープ巻回体が持ち上がった場合には「×」
で、持ち上がらなかった場合には「○」で評価した。
【0044】〔評価結果〕これらの結果を表1に示す。
表1から分かるように、実施例1及び実施例2の粘着テ
ープ巻回体においては、その側端面から3mm幅にある
粘着剤層のゲル分率は、それぞれ65%、74%であ
り、側端面からゲル分率が60%以上100%以下の高
ゲル化領域が形成されていた。また、当該粘着テープ巻
回体の側端面固着防止効果も良好で、側端面同士の固着
を防ぐことができた。
【0045】一方、比較例1及び比較例2の粘着テープ
巻回体においては、その側端面から3mm幅にある粘着
剤層のゲル分率は53%、30%であり、粘着テープ巻
回体の側端面固着防止効果は良好なものではなかった。
【0046】また、比較例3及び比較例4の粘着テープ
巻回体においても、その側端面から3mm幅にある粘着
剤層のゲル分率は、56%、50%であり、60%以上
の高ゲル化領域が形成されておらず、粘着テープ巻回体
の側端面固着防止効果は良好ではなく、側端面同士の固
着を十分に防ぐことができなかった。
【0047】なお、参考として、それよりも内側にある
粘着剤層のゲル分率を同じようにして測定したところ、
実施例1及び実施例2ではそれぞれ54%、31%、比
較例1及び比較例2では53%、30%、比較例3及び
比較例4ではそれぞれ54%、31%とゲル分率は低い
ものであり、各粘着テープとしての実用性(粘着特性)
には問題はなかった。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、粘着テープ巻回体の側
端面からその内側方向において、ゲル分率60%以上1
00%以下という高ゲル化領域が形成されているため、
側端面付近にある粘着剤層の流動化が防止され、粘着性
が低下して、粘着テープ巻回体側端面同士の固着を防ぐ
ことができる。
【0050】特に本発明においては、巻回体の側端面か
ら従来からある電子線照射装置によって電子線を照射す
るという簡単な方法によって作製でき、しかも離型紙や
側面処理剤などの部材を用いることなく側端面の粘着性
を抑制できるため、コストを掛けずに本発明の目的を達
成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 康行 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AB01 AB06 EA01 EA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面若しくはその両面に粘着剤
    層が積層された粘着テープがロール状に巻回された粘着
    テープ巻回体であって、 前記粘着剤層に、当該粘着テープ巻回体の側端面からそ
    の内側方向において、粘着剤のゲル分率が60%以上1
    00%以下である高ゲル化領域が形成されたことを特徴
    とする粘着テープ巻回体。
  2. 【請求項2】 高ゲル化領域が、前記粘着テープ巻回体
    の側端面から内側方向に3mm内にあることを特徴とす
    る請求項1記載の粘着テープ巻回体。
  3. 【請求項3】 前記高ゲル化領域が、電子線照射によっ
    て形成されている請求項1又は2記載の粘着テープ巻回
    体。
  4. 【請求項4】 テープ状支持体の片面若しくはその両面
    に粘着剤層が形成された粘着テープがロール状に巻回さ
    れた粘着テープ巻回体の製造方法であって、 シート状の支持体の片面若しくはその両面に粘着剤層を
    形成した粘着シートをロール状に巻回した後、所定幅に
    切断して、その切断面に電子線を照射することを特徴と
    する粘着テープ巻回体の製造方法。
  5. 【請求項5】 テープ状支持体の片面若しくはその両面
    に粘着剤層が形成された粘着テープがロール状に巻回さ
    れた粘着テープ巻回体の製造方法であって、 テープ状の支持体の片面若しくはその両面に粘着剤層を
    形成した粘着シートをロール状に巻回した後、その側端
    面に電子線を照射することを特徴とする粘着テープ巻回
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 粘着テープ巻回体の側端面から内側方向
    に3mm内にある粘着剤層のゲル分率が60%以上10
    0%以下となるように電子線照射することを特徴とする
    請求項4又は5記載の粘着テープ巻回体の製造方法。
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