JP2001288297A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

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JP2001288297A
JP2001288297A JP2000162741A JP2000162741A JP2001288297A JP 2001288297 A JP2001288297 A JP 2001288297A JP 2000162741 A JP2000162741 A JP 2000162741A JP 2000162741 A JP2000162741 A JP 2000162741A JP 2001288297 A JP2001288297 A JP 2001288297A
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Shinichi Motofusa
真一 元房
Hiroyuki Teratani
裕之 寺谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性が改良され、タイヤ用サイドウォール
部補強ゴムやタイヤ用ビードフィラーゴムとして好適な
ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する
こと。 【解決手段】 (A)天然ゴム及び/又はジエン系合成
ゴムと、(B)一般式(I) R1 −S−S−A−S−S−R2 ……(I) (AはC2 〜C10のアルキレン基、R1 及びR2 は、窒
素原子を含む一価の有機基)で表される化合物を含むゴ
ム組成物、及びこのゴム組成物をサイドウォール部のゴ
ム補強層及び/又はビードフィラーに用いてなる空気入
りタイヤである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム組成物及びそ
れを用いた空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、
本発明は、耐熱性が改良され、特にタイヤ用サイドウォ
ール部補強ゴムやタイヤ用ビードフィラーゴムとして好
適なゴム組成物、及びこのゴム組成物をサイドウォール
部補強層やビードフィラーに用いてなる空気入りタイヤ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、タイヤにおいて、サイドウォール
部の剛性を向上させるために、ゴム組成物単体、あるい
はゴム組成物と繊維などとの複合体によるサイド補強層
が配設されている。しかしながら、これらに用いられ
る、これまでのゴム組成物においては、特に、タイヤの
パンクなどによりタイヤの内部圧力(以下、内圧と称
す。)が低下した状態で走行する、いわゆるランフラッ
ト走行時のように、温度が200℃以上にもなると、加
硫などによって形成された架橋部や、ゴム成分を構成す
るポリマー自体が切断される傾向があった。これによ
り、弾性率が低下するため、タイヤのたわみが増加して
発熱が進んだり、ゴムの破壊限界が低下し、その結果、
タイヤは比較的早期に故障に至るという問題があった。
このような故障に至るのをできるだけ遅くする手段の一
つとして、配合を変えることにより、使用するゴム組成
物の弾性率をできるだけ大きくし、あるいはその損失正
接(tanδ)をできるだけ小さく設定して、ゴム組成
物自体の発熱を抑制する方法が知られているが、配合面
からのアプローチには限界があり、ランフラット走行に
おいて、一定以上の耐久距離を確保するには、サイド補
強層及びビードフィラーを増量するしかなく、その結
果、通常走行時において、乗り心地の悪化や騒音レベル
の悪化、重量の増加など、好ましくない事態を招来して
いるのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、特にタイヤ用サイドウォール部補強ゴムやタ
イヤ用ビードフィラーゴムとして好適な耐熱性を向上さ
せたゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いてなる、特
にランフラット走行において耐久性に優れる空気入りタ
イヤを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物
を含むゴム組成物が耐熱性に優れ、タイヤ用サイドウォ
ール部補強ゴムやタイヤ用ビードフィラーゴムとして好
適であること、そして、このゴム組成物をサイドウォー
ル部補強層やビードフィラーに用いてなる空気入りタイ
ヤは、特にランフラット走行において耐久性に優れてい
ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完
成したものである。すなわち、本発明は、(A)天然ゴ
ム及び/又はジエン系合成ゴムと、(B)一般式(I) R1 −S−S−A−S−S−R2 ……(I) (式中、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R1 及び
2 は、それぞれ独立して窒素原子を含む一価の有機基
を示す。)で表される化合物を含むことを特徴とするゴ
ム組成物を提供するものである。
【0005】また、本発明は、左右一対のリング状のビ
ードコアと、該ビードコアのタイヤ半径方向外側に配設
されたビードフィラーと、並列された複数のコードが被
覆ゴム中に埋設されてなるプライ少なくとも1枚からな
るカーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径方向外側に
配置されたベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外
側に配設されたトレッド部と、該トレッド部の左右に配
置された一対のサイドウォール部と、このサイドウォー
ル部に配設されたゴム補強層とを具備してなる空気入り
タイヤにおいて、上記サイドウォール部に配設されたゴ
ム補強層及び/又は上記ビードフィラーに、前記ゴム組
成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤをも提供
するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物においては、
(A)成分として、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴ
ムが用いられる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、
例えばポリイソプレン合成ゴム(IR)、ポリブタジエ
ンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ク
ロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが
挙げられる。この(A)成分の天然ゴムやジエン系合成
ゴムは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。また、本発明のゴム組成物において用いら
れる補強性充填剤は特に限定されず、通常ゴム業界で用
いられるものを適宜選択することができるが、好ましく
はカーボンブラック,シリカ,水酸化アルミニウムなど
が挙げられ、シリカ,水酸化アルミニウムを用いる場合
にはカップリング剤と併用することにより、ゴムとの補
強性を更に高めることができる。本発明のゴム組成物に
おいては、耐熱性を向上させるために、(B)成分とし
て、一般式(I) R1 −S−S−A−S−S−R2 ……(I) で表される化合物が用いられる。この一般式(I)にお
いて、Aは炭素数2〜10のアルキレン基を示し、この
アルキレン基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであ
ってもよいが、直鎖状アルキレン基が好ましい。該炭素
数2〜10の直鎖状アルキレン基の例としては、エチレ
ン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチ
レン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタ
メチレン基、デカメチレン基などが挙げられる。これら
の中で、特に効果の点から、ヘキサメチレン基が好適で
ある。一方、R1 及びR2 は、それぞれ窒素原子を含む
一価の有機基を示し、好ましくは、芳香環を少なくとも
一つ含み、かつ窒素原子を含む一価の有機基であり、特
に炭素原子がジチオ基に結合した=N−C(=S)−で
表される結合基を含むものが好適である。R1 及びR2
は、たがいに同一でも異なっていてもよいが、製造の容
易さなどの点から、同一であるのが好ましい。この一般
式(I)で表される化合物としては、例えば一般式(I
−a)
【0007】
【化2】
【0008】で表されるα,ω−ビス(N,N’−ジヒ
ドロカルビルチオカルバモイルジチオ)アルカンを好ま
しく挙げることができる。上記一般式(I−a)におい
て、R3 〜R6 は、それぞれアルキル基、アリール基又
はアラルキル基を示すが、R3 及びR4 の少なくとも一
方、並びにR5 及びR6 の少なくとも一方が炭素数6〜
20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基で
あり、nは2〜10の整数を示す。
【0009】ここで、アルキル基としては、炭素数1〜
20のものが好ましく、また、直鎖状、枝分かれ状及び
環状のいずれであってもよい。このようなアルキル基の
例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種
ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデ
シル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各
種オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロオクチル基などが挙げられる。アリール基と
しては、炭素数6〜20のものが好ましく、また、環上
には、低級アルキル基などの適当な置換基を有していて
もよい。このようなアリール基の例としては、フェニル
基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチ
ル基などが挙げられる。アラルキル基としては、炭素数
7〜20のものが好ましく、また、環上には、低級アル
キル基などの適当な置換基を有していてもよい。このよ
うなアラルキル基の例としては、ベンジル基、メチルベ
ンジル基、ジメチルベンジル基、フェネチル基、メチル
フェネチル基、ジメチルフェネチル基、ナフチルメチル
基、(メチルナフチル)メチル基、(ジメチルナフチ
ル)メチル基、ナフチルエチル基、(メチルナフチル)
エチル基、(ジメチルナフチル)エチル基などが挙げら
れる。
【0010】このR3 〜R6 としては、全てが上記アリ
ール基又はアラルキル基であるのが好ましく、特に全て
がベンジル基であるのが、熱老化防止及び製造の容易さ
などの点から好適である。このような化合物の例として
は、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモ
イルジチオ)エタン;1,3−ビス(N,N’−ジベン
ジルチオカルバモイルジチオ)プロパン;1,4−ビス
(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタ
ン;1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモ
イルジチオ)ペンタン;1,6−ビス(N,N’−ジベ
ンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン;1,7−ビ
ス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘ
プタン;1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカル
バモイルジチオ)オクタン;1,9−ビス(N,N’−
ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン;1,10
−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチ
オ)デカンを挙げることができる。これらの中で、効果
の点から、特に、1,6−ビス(N,N’−ジベンジル
チオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好適である。
【0011】この一般式(I)で表される化合物は、ゴ
ム組成物の耐熱性を向上させる効果を発揮するが、その
作用は、高温下において架橋切断と平行してより耐熱安
定性の高いモノスルフィド架橋を効率的に生成すること
に起因するものと考えられる。本発明においては、
(B)成分として、前記一般式(I)で表される化合物
を一種用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよ
い。また、その配合量は、前記(A)成分のゴム成分1
00重量部に対し、好ましくは0.5〜10重量部の範
囲で選定される。この量が0.5重量部未満では熱老化
防止の効果が充分に得られず、所望の耐熱性向上効果が
発揮されないおそれがある。一方、10重量部を超える
と、その量の割には効果の向上はあまり認められず、む
しろ経済的に不利となる上、得られるゴム組成物の他の
物性が低下する原因となる。熱老化防止効果、ゴム組成
物の他の物性及び経済性などを考慮すると、この(B)
成分のより好ましい配合量は、0.7〜7重量部の範囲
である。
【0012】本発明においては、所望により、この
(B)成分の化合物と共に、他の熱老化防止剤を適宜併
用することができる。この他の熱老化防止剤としては、
例えば1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・
二水和物や、一分子中にエステル基を2個以上有する化
合物などが挙げられる。ここで、一分子中にエステル基
を2個以上有する化合物としては、特に制限はないが、
アクリレート又はメタクリレート、特に、多価アルコー
ルとアクリル酸又はメタクリル酸との多価エステルが好
ましい。多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペン
タンジオール、ヘキサンジオールなどのアルキレングリ
コール及びその多量体、さらには、これらのメチロール
置換体、ペンタエリスリトール類,多価アルコールのア
ルキレンオキシド付加物、アルコール性水酸基を2つ以
上有するポリエステル類又はオリゴエステル類などが挙
げられ、その中でも特に好ましいのは、アルキレングリ
コールのメチロール置換体及びその多量体である。
【0013】一分子中に2個以上のエステル基を有する
化合物の具体例としては、1,3−ブチレングリコール
ジアクリレート;1,5−ペンタンジオールジアクリレ
ート;ネオペンチルグリコールジアクリレート;1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート;ジエチレングリコ
ールジアクリレート;トリエチレングリコールジアクリ
レート;テトラエチレングリコールジアクリレート;ポ
リエチレングリコールジアクリレート;ポリプロピレン
グリコールジアクリレート;ペンタエリスリトールトリ
アクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレー
ト;ペンタエリスリトールテトラアクリレート;ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート;ジペンタエリス
リトールペンタアクリレート;オリゴエステルポリアク
リレート;ジプロピレングリコールジメタクリレート;
トリメチロールエタントリメタクリレート;トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート;ジペンタエリスリト
ールペンタメタクリレート;ジペンタエリスリトールト
リメタクリレートなどが挙げられるが、その中でも特に
好ましいのは、ジペンタエリスリトールペンタメタクリ
レート;ジペンタエリスリトールトリメタクリレート及
びトリメチロールプロパントリメタクリレートである。
【0014】前記1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナ
トリウム・二水和物は、ゴム成分を構成するポリマー分
子間の架橋切断を抑制する作用を有する。一方、前記一
分子中に2個以上のエステル基を有する化合物の作用に
ついては、次のように考えられる。ゴム組成物の温度が
170℃以上になると、ゴムの劣化が始まり、架橋点や
ポリマー鎖の切断が起こり始めるが、一方で、該化合物
によるC−C架橋も進むため、弾性率の低下が抑えら
れ、その結果、高温下でも発熱が抑制される。
【0015】本発明のゴム組成物には、前記の各成分の
他に、通常ゴム業界で用いられる硫黄、過酸化物などの
加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、無機充填材
などの各種配合剤を、適宜含有させることができる。ま
た、本発明のゴム組成物は、さらに、各種材質の粒子、
繊維、布などとの複合体としてもよい。本発明のゴム組
成物は、耐熱性に優れており、特にタイヤ用ビードフィ
ラーゴムとして、またタイヤ用サイドウォール部補強ゴ
ムとして好適である。本発明のゴム組成物の耐熱性は、
下記のようにして評価することができる。すなわち、加
硫ゴム組成物の試料について、昇温条件で動的貯蔵弾性
率を測定し、動的貯蔵弾性率の温度に対する変化をグラ
フで表す。このグラフから、ピークの動的貯蔵弾性率の
値及びその温度、ボトムの動的貯蔵弾性率の値及びその
温度を求め、これらの値から、ボトム動的貯蔵弾性率/
ピーク動的貯蔵弾性率、及び(ボトム動的貯蔵弾性率−
ピーク動的貯蔵弾性率)/(ボトム温度ーピーク温度)
の値を算出する。前者の値は大きいほど、後者の絶対値
は小さいほど、耐熱性が良好であることを示す。
【0016】次に、本発明の空気入りタイヤについて、
添付図面に従って説明する。図1は、本発明の空気入り
タイヤの一例の概略断面図であって、該空気入りタイヤ
1は、左右一対のリング状のビードコア4と、該ビード
コア4のタイヤ半径方向外側に配設されたビードフィラ
ー5と、並列された複数のコードが被覆ゴム中に埋設さ
れてなるプライ少なくとも1枚からなるカーカス層2
と、該カーカス層2のタイヤ半径方向外側に配置された
ベルト層3と、該ベルト層3のタイヤ半径方向外側に配
設されたトレッド部8と、該トレッド部8の左右に配置
された一対のサイドウォール部6と、このサイドウォー
ル部6に配設されたゴム補強層7を具備している。
【0017】カーカス層2は折り返しカーカスプライ2
a及びダウンカーカスプライ2bを有し、折り返しカー
カスプライ2aの両端部は、ビードコア4の周りに折り
返され、折り返し端部を形成している。ビードフィラー
5は、折り返しカーカスプライ2aとその折り返し端部
との間に位置しており、また、ダウンカーカスプライ2
bは、サイドウォール部6と折り返しカーカスプライ2
aの折り返し端部との間に配置されている。ゴム補強層
7は、折り返しカーカスプライ2aのサイドウォール部
の内側外周方向面に、三日月状の断面形状で配置されて
いる。本発明の空気入りタイヤにおいては、上記のビー
ドフィラー5又はゴム補強層7あるいはその両方が、前
述の本発明のゴム組成物を用いて形成されている。
【0018】本発明のゴム組成物は、タイヤのパンクな
どによる大きな変形のため、ゴム組成物の温度が170
℃以上になっても弾性率の低下が抑えられるため、高温
下での発熱が抑制され、タイヤの耐久性を向上すること
ができる。したがって、このゴム組成物をビードコアや
サイドウォール部のゴム補強層に用いた本発明の空気入
りタイヤは、特にランフラット走行において、耐久性が
大幅に向上し、その走行距離を著しく伸ばすことができ
る。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。なお、得られたゴム組成物の諸特
性及びタイヤのランフラット耐久性は、下記の要領に従
い求めた。 (1)ゴム組成物の動的貯蔵弾性率(E’) ゴム組成物を160℃、12分間の条件で加硫して得ら
れた厚さ2mmのスラブシートから、幅5mm、長さ4
0mmのシートを切り出し、試料とした。この試料につ
いて、上島製作所(株)製スペクトロメータを用い、チ
ャック間距離10mm、初期歪200マイクロメートル
(ミクロン)、動的歪1%、周波数52Hzの測定条件
で、25〜250℃の範囲の温度において、3℃/分の
昇温速度で動的貯蔵弾性率を測定し、動的貯蔵弾性率の
温度に対する変化をグラフで表す。このグラフから、ピ
ークの動的貯蔵弾性率の値及びその温度、並びにボトム
の動的貯蔵弾性率の値及びその温度を求め、これらの値
から、ボトム動的貯蔵弾性率/ピーク動的貯蔵弾性率、
及び(ボトム動的貯蔵弾性率−ピーク動的貯蔵弾性率)
/(ボトム温度ーピーク温度)の値(以下、「傾き」と
略記する。)を算出した。上記各値を、比較例1を10
0として指数表示した。ボトム動的貯蔵弾性率/ピーク
動的貯蔵弾性率の指数が大きいほど、また、上記「傾
き」の指数が小さいほど、耐熱性が良好であることを示
す。 (2)タイヤのランフラット耐久性 常圧でリム組みし、内圧200kpaを封入してから3
8℃の室温中に24時間放置後、バルブのコアを抜き内
圧を大気圧として、荷重5.6kN(570kg)、速
度89km/h、室温38℃の条件でドラム走行テスト
を行った。この際の故障発生までの走行距離をランフラ
ット耐久性とし、比較例1を100とした指数で表わし
た。指数が大きいほど、ランフラット耐久性は良好であ
る。
【0020】実施例1〜19 天然ゴム30.0重量部及びブタジエンゴム「BR0
1」〔商標、ジェイエスアール(株)製〕70.0重量
部からなるゴム成分100重量部に対し、カーボンブラ
ックFEF60.0重量部、スピンドルオイル3.0重
量部、亜鉛華5.0重量部、ステアリン酸1.0重量
部、老化防止剤「ノクラック6C」〔商標、大内新興化
学(株)製、N−フェニル−N′−(1,3−ジメチル
ブチル)−p−フェニレンジアミン〕2.0重量部、加
硫促進剤「ノクセラ−NS」〔商標、大内新興化学
(株)製、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリ
ルスルフェンアミド〕2.5重量部、第1表に示す種類
及び量の(B)成分化合物及び硫黄5.0重量部を配合
し、ゴム組成物を調製した。この加硫物の諸特性を第1
表に示す。次に、上記ゴム組成物を、ビードフィラー又
はサイドウォール部補強層(サイド補強ゴム)あるいは
その両方に用いて、サイズ225/60R16の乗用車
用ラジアルタイヤを常法に従って製造し、そのランフラ
ット耐久性を評価した。結果を第1表に示す。
【0021】比較例1 実施例1〜19において、(B)成分化合物を配合せず
に、かつ硫黄の配合量を6重量部に変えた以外は、実施
例1〜19と同様にして第1表記載のゴム組成物を調製
した。この加硫物の諸特性を第1表に示す。次に、上記
組成物を、サイドウォール部補強層及びビードフィラー
の双方に適用して、実施例1〜19と同様にしてタイヤ
を製造し、そのランフラット耐久性を評価した。結果を
第1表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】(注) 1)(B)成分化合物: 劣化防止剤A;1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチ
オカルバモイルジチオ)ヘキサン(バイエル社製「VU
LCUREN TRIAL PRODUCT KA91
88」) 劣化防止剤B;1,6−ビス(N,N’−ジメチルチオ
カルバモイルジチオ)ヘキサン(試作合成品) 劣化防止剤C;1,6−ビス(N,N’−ジエチルチオ
カルバモイルジチオ)ヘキサン(試作合成品) 劣化防止剤D;1,6−ビス(N,N’−ジ(2−エチ
ルヘキシル)チオカルバモイルジチオ)ヘキサン(試作
合成品) 劣化防止剤E;1,6−ビス(ベンゾチアゾリルジチ
オ)ヘキサン(試作合成品) 2)傾き:(ボトム動的貯蔵弾性率−ピーク動的貯蔵弾
性率)/(ボトム温度−ピーク温度) 3)タイヤ適用部材:第1表に示したゴム組成物を各々
適用する。第1表から明らかなように、(B)成分化合
物を、ゴム成分100重量部に対し、0.5〜10重量
部の割合で配合したゴム組成物は、耐熱性の改良効果が
得られていることが分かる。そして、このゴム組成物
を、ビードフィラー又はサイドウォール部補強層に用い
てなる空気入りタイヤは、ランフラット耐久性が良好で
あり、特にビードフィラーとサイドウォール部補強層の
両方に用いてなるタイヤは優れたランフラット耐久性を
有することが分かる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、特定の化合物を用いる
ことにより、耐熱性が向上したゴム組成物を得ることが
でき、このものは特にタイヤ用サイドウォール部補強ゴ
ムや、タイヤ用ビードフィラーゴムとして好適である。
このゴム組成物をサイドウォール部補強層やビードフィ
ラーに用いてなる本発明の空気入りタイヤは、特にラン
フラット走行において耐久性に優れ、その走行距離を著
しく伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一例の部分断面図で
ある。
【符号の説明】 1 本発明の空気入りタイヤ 2 カーカス層 2a 折り返しカーカスプライ 2b ダウンカーカスプライ 3 ベルト層 4 ビードコア 5 ビードフィラー 6 サイドウォール部 7 ゴム補強層 8 トレッド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 9/00 C08L 9/00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)天然ゴム及び/又はジエン系合成
    ゴムと、(B)一般式(I) R1 −S−S−A−S−S−R2 ……(I) (式中、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R1 及び
    2 は、それぞれ独立して窒素原子を含む一価の有機基
    を示す。)で表される化合物を含むことを特徴とするゴ
    ム組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分の一般式(I)で表される化
    合物におけるAがヘキサメチレン基である請求項1記載
    のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分の一般式(I)で表される化
    合物におけるR1 及びR2 が、それぞれ芳香環を少なく
    とも1つ含み、かつ窒素原子を含む一価の有機基である
    請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分の一般式(I)で表される化
    合物におけるR1 及びR2 が、それぞれ炭素原子がジチ
    オ基に結合した=N−C(=S)−で表される結合基を
    含む一価の有機基である請求項1,2又は3記載のゴム
    組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分の一般式(I)で表される化
    合物が、一般式(I−a) 【化1】 (式中、R3 〜R6 は、それぞれ独立してアルキル基、
    アリール基又はアラルキル基を示すが、R3 及びR4
    少なくとも一方、並びにR5 及びR6 の少なくとも一方
    が炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のア
    ラルキル基であり、nは2〜10の整数を示す。)で表
    されるα,ω−ビス(N,N’−ジヒドロカルビルチオ
    カルバモイルジチオ)アルカンである請求項4記載のゴ
    ム組成物。
  6. 【請求項6】 (B)成分の一般式(I)で表される化
    合物が、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカル
    バモイルジチオ)ヘキサンである請求項5記載のゴム組
    成物。
  7. 【請求項7】 (A)成分100重量部当たり、(B)
    成分0.5〜10重量部を含む請求項1ないし6のいず
    れかに記載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】 タイヤ用ビードフィラーゴムとして用い
    られる請求項1ないし7のいずれかに記載のゴム組成
    物。
  9. 【請求項9】 タイヤ用サイドウォール部補強ゴムとし
    て用いられる請求項1ないし7のいずれかに記載のゴム
    組成物。
  10. 【請求項10】 左右一対のリング状のビードコアと、
    該ビードコアのタイヤ半径方向外側に配設されたビード
    フィラーと、並列された複数のコードが被覆ゴム中に埋
    設されてなるプライ少なくとも1枚からなるカーカス層
    と、該カーカス層のタイヤ半径方向外側に配置されたベ
    ルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配設され
    たトレッド部と、該トレッド部の左右に配置された一対
    のサイドウォール部と、このサイドウォール部に配設さ
    れたゴム補強層とを具備してなる空気入りタイヤにおい
    て、上記サイドウォール部に配設されたゴム補強層及び
    /又は上記ビードフィラーに、請求項1ないし7のいず
    れかに記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気
    入りタイヤ。
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