JP4615988B2 - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関し、特にタイヤのトレッドに用いることにより、乾燥路面における高い操作性(ドライグリップ性)を低下させることなく、耐熱疲労性を向上させることが可能なゴム組成物に関するものである。
タイヤのトレッドには、乾燥路面における高い操縦安定性(ドライグリップ性)が要求される。従来から、ドライグリップ性を向上させるために、トレッド用ゴム組成物においては、ゴム組成物中の樹脂や、アロマチックオイル、液状ポリマー等のオイル成分を増量することが行われている。しかしながら、オイル成分を増量すると、耐熱性が低下し、走行中にタイヤ内部の発熱と変形とにより亀裂が発生しやすくなるという問題がある。
この問題に対して、主に架橋の熱的な安定性を向上させるために、モノスルフィドを増加させることが可能な加硫促進剤としてチウラム化合物、ジチオカルバミン酸金属塩、ジチオリン酸金属塩の適用が考えられる(特許文献1参照)。しかしながら、これらの化合物の配合量を増やし過ぎると、静的な耐熱性は向上するものの、耐疲労性が低下し、その結果、耐熱疲労性が向上しないという問題がある。
また、フェニレンビスマレイミド、PK900、1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物等の耐熱架橋剤の使用も考えられるが(特許文献2参照)、これらの化合物は天然ゴム及びイソプレンゴムとの反応性に優れるものの、ビニル結合量の高いポリブタジエンゴム及びスチレン・ブタジエン共重合体ゴムとの反応性が低く、単独の配合では、これらビニル結合量の高いゴム成分に大量に配合しても耐熱疲労性が向上しないという問題があった。
これに対し、ゴム組成物の耐熱疲労性を向上させる化合物として、1,6-ビス[N,N'-ジ(2-エチルヘキシル)チオカルバモイルジチオ]-ヘキサンが弊社にて開発されたが(特許文献3参照)、該化合物をもってしても依然として耐熱疲労性に改善の余地が有り、更なる性能向上が求められている。
特開平5−262916号公報 特開2000−301908号公報 特開2004−256792号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、タイヤのトレッドに用いることにより、高いグリップ性能を維持しながら、タイヤの耐熱疲労性を向上させることが可能なゴム組成物、及び該ゴム組成物をトレッドに用いた高性能タイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のゴム成分に対し、特定の加硫促進剤と特定の加硫剤とを組み合わせて配合することにより、高いグリップ性能を維持しつつ、タイヤの耐熱疲労性を向上させることが可能なゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、(1)ビニル結合量が30%以上であるポリブタジエンゴム及びビニル結合量が30%以上であるスチレン・ブタジエン共重合体ゴムの少なくとも一方を含むゴム成分 100質量部に対し、(2)下記式(I)で表される化合物 0.1〜20質量部と、(3)1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物 0.1〜20質量部とを配合してなることを特徴とする。
[式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。]
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記式(I)で表される化合物のR1、R2、R3及びR4が、それぞれ独立に炭素数8〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基である。ここで、該R1、R2、R3及びR4は、2-エチルヘキシル基であるのが特に好ましい。
本発明のゴム組成物の他の好適例において、前記スチレン・ブタジエン共重合体ゴムは、結合スチレン含有率が20〜60質量%である。ここで、該結合スチレン含有率は、30〜45質量%であるのが更に好ましい。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム成分中の前記スチレン・ブタジエン共重合体ゴムの含有率が50〜100質量%である。ここで、ゴム成分中の上記スチレン・ブタジエン共重合体ゴムの含有率は、70〜100質量%であるのが更に好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤは、上記のゴム組成物をトレッドに使用したことを特徴とする。ここで、本発明のタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の若しくは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性なガスが挙げられる。
本発明によれば、タイヤのトレッドに用いることにより、高いグリップ性能を維持しながら、タイヤの耐熱疲労性等の耐久性を向上させることが可能なゴム組成物を提供することができる。また、該ゴム組成物をトレッドに用いた高性能タイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、(1)ビニル結合量が30%以上であるポリブタジエンゴム及びビニル結合量が30%以上であるスチレン・ブタジエン共重合体ゴムの少なくとも一方を含むゴム成分 100質量部に対し、(2)上記式(I)で表される化合物 0.1〜20質量部と、(3)1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物 0.1〜20質量部とを配合してなる。
本発明のゴム組成物に用いるゴム成分は、耐熱性を向上させる観点から、ビニル結合量が30%以上、好ましくは40%以上であるポリブタジエンゴム(BR)及びビニル結合量が30%以上、好ましくは40%以上であるスチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)の少なくとも一方を含む。ここで、該スチレン・ブタジエン共重合体ゴムは、結合しているスチレン単位の含有率、即ち、結合スチレン含有率が20〜60質量%であるのが好ましい。スチレン・ブタジエン共重合体ゴムの結合スチレン含有率が20質量%未満では、低温域及び高温域における所望のグリップ力を得ることができず、60質量%を超えると、ブロック剛性が必要以上に高くなり、路面へのトレッドゴムの食い込み量が減少し、所望のグリップ力を得ることができない。また、これらの効果が顕著となることから、上記スチレン・ブタジエン共重合体ゴムは、結合スチレン含有率が30〜45質量%であるのがより好ましい。なお、ビニル結合量は、赤外法(モレロ法)でミクロ構造を分析することにより求めることができ、結合スチレン含有率は、1H-NMRでスペクトルの積分比を算出することにより求めることができる。該スチレン・ブタジエン共重合体ゴムは、乳化重合、溶液重合等の如何なる重合法によって合成したものであってもよい。また、上記ビニル結合量の高いポリブタジエンゴム及びスチレン・ブタジエン共重合体ゴムとしては、油展されているものを好適に使用することができる。高ビニル結合量のポリブタジエンゴム及びスチレン・ブタジエン共重合体ゴムが油展されていると、バンバリーミキサー等を用いて混練する際、滑りが生じず、容易且つ確実に混練を行うことができる。
また、上記ゴム成分には、上記ビニル結合量の高いポリブタジエンゴム及びスチレン・ブタジエン共重合体ゴムの他、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、エチレン・プロピレンターポリマー、ブチルゴム、アクリルゴム等をブレンドしてもよい。
本発明のゴム組成物に用いる上記式(I)の化合物において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基又は炭素数7〜12のアラルキル基を示し、炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基としては、2-エチルヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、ドデシル基等が挙げられ、一方、炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。R1、R2、R3及びR4の炭素数が2以下ではゴム成分中への分散が悪くなり、耐熱性が悪化し、炭素数が13以上では、加硫速度が非常に遅れる。具体的に、式(I)の化合物としては、1,10-ビス[N,N'-ジベンジルチオカルバモイルジチオ]-デカン、1,10-ビス[N,N'-ジ(2-エチルヘキシル)チオカルバモイルジチオ]-デカン等が挙げられる。
上記式(I)の化合物は、加硫促進剤として機能すると共に加硫剤としても機能する。そのため、ゴム組成物が、前述したビニル結合量の高いポリブタジエンゴム及び/又はスチレン・ブタジエン共重合体ゴムと式(I)の化合物とを含む場合、1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物を更に配合しなくても、該ゴム組成物は、高いドライグリップ性と高い耐熱疲労性とを有する。
上記式(I)の化合物の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し0.1〜20質量部である。該化合物の配合量が0.1質量部未満では、後述する有機チオスルフェート化合物を充分活性化させる効果が得られず、20質量部を超えると、ゴム組成物の破壊特性が低下する。
本発明のゴム組成物は、加硫剤として硫黄と共に1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物を含有する。この混合物からなる加硫剤の総配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して、合計量で0.1〜20.0質量部の範囲であり、好ましくは1.0〜10.0質量部の範囲である。加硫剤の総配合量が0.1質量部未満では、充分な弾性率を確保できず、20.0質量部を超えると、破断時伸びが低下し、耐リブ欠け性が著しく低下する。ここで、1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し0.1〜20.0質量部であり、2.0〜6.0質量部であるのが好ましい。1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物の配合量が0.1質量部未満では、耐熱疲労性を充分に向上させることができず、20.0質量部を超えると、破断時伸びが低下し、耐リブ欠け性が著しく低下する。
本発明のゴム組成物には、更に、充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が80〜280m2/gであるカーボンブラックを配合するのが好ましい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が80m2/g未満では、充分な弾性率が得られず耐摩耗性が悪化し、280m2/gを超えると、グリップ力及び耐摩耗性の向上が望めない割りに混練作業性が悪化してしまう。該カーボンブラックとしては、HAF、ISAF、SAF等が挙げられ、市販品を使用することができる。これらの中でも、低温域のウェット路面でのグリップ力と、高温域のウェット路面又はセミウェット路面でのグリップ力との両立の観点から、SAFが好ましい。上記カーボンブラックは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記カーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し70〜200質量部が好ましく、90〜130質量部がより好ましい。該カーボンブラックの配合量が70質量部未満では、ゴム組成物のドライグリップ性及び弾性率が充分でなく、また強度等の一般的な特性も充分でなく、接地性が悪化する。一方、該カーボンブラックの配合量が200質量部を超えると、ゴム組成物が硬くなり過ぎ、かえって耐摩耗性が低下してしまい、更にゴム組成物の加工性も極端に悪化する。
本発明のゴム組成物には、更に、C9芳香族系石油樹脂及び/又はアルキルフェノール系樹脂を配合するのが好ましい。ここで、C9芳香族系石油樹脂とは、C9芳香族系モノマーの重合体をいい、C9芳香族系モノマーとしては、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、クマロン、インデン等が挙げられる。該C9芳香族系モノマーは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。一方、アルキルフェノール系樹脂としては、p-t-ブチルフェノール-アセチレン等のアルキルフェノール-アセチレン系樹脂、並びにクレゾール類、キシレノール類、p-t-ブチルフェノール、p-t-オクチルフェノール類を含むアルキルフェノール-ホルムアルデヒド系樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、軟化点が60〜150℃であるのが好ましい。該樹脂の軟化点が60℃未満では、高温域のウェット路面及びセミウェット路面における充分なグリップ力が得られず、150℃を超えると、混練の際に樹脂が均一に分散せず、耐摩耗性が著しく低下してしまう。これらC9芳香族系石油樹脂及びアルキルフェノール系樹脂は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの樹脂の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し3〜120質量部であり、5〜70質量部であるのが好ましい。これらの樹脂の配合量が3質量部未満では、グリップ力等のウェット性能における添加効果が充分に得られず、120質量部を超えると、ゴム組成物の混練における作業性が著しく悪化する。
本発明のゴム組成物は、加硫後のアセトン・クロロホルム抽出分が前記ゴム成分100質量部に対し30〜270質量部であることを必要とする。該抽出分が30質量部未満又は270質量部を超えると、グリップ力や耐摩耗性の向上が望めない割りに、混練作業性が悪化してしまう。該抽出分は、グリップ力及び耐摩耗性と混練作業性との両立の観点から、30〜200質量部であるのが好ましい。
本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分、式(I)の化合物、1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物、硫黄、カーボンブラック、C9芳香族系石油樹脂、アルキルフェノール系樹脂の他、ゴム業界で通常使用される各種配合剤、例えば、プロセスオイル等の油分、無機充填剤、軟化剤、ジベンゾチアジルジスルフィド、4,4'-ジメチルジベンゾチアジルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジル-スルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアジル-スルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアジル-スルフェンイミド、N-オキシジエチレン-ベンゾチアジル-スルフェンアミド、N,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジル-スルフェンアミド等の加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、カップリング剤、発泡剤、発泡助剤等を、本発明の目的を害しない範囲で適宜配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
上記プロセスオイル等の油分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アロマチックオイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル、溶液状共役ジエンゴム、溶液状水素添加共役ジエンゴム等が好ましい。プロセスオイル等の油分が上記ゴム組成物に含まれていると、該ゴム組成物の流動性をコントロールすることができ、該ゴム組成物の加硫前の粘度を低下させ、その流動性を高めることができるため、極めて良好に押出しを行うことができる。
上記プロセスオイル等の油分の上記ゴム組成物における含有量は、前記ポリブタジエンゴム及び/又はスチレン・ブタジエン共重合体ゴムが油展されている場合は、これらの油展分も含めて、前記ゴム成分100質量部に対し35〜200質量部であるのが好ましく、40〜150質量部であるのがより好ましい。プロセスオイル等の油分の含有量が35質量部未満では、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度が極端に高くなって加工性が悪化したり、ドライグリップ性が悪化し、200質量部を超えると、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度が極端に低くなって加工性が悪化したり、加硫後のゴムが軟らかくなり過ぎて、耐摩耗性が悪化する。
本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分、式(I)の化合物及び1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを、混練り、熱入れ、押出し、加硫等して製造される。
前記混練りの条件としては、特に制限はなく、混練装置への投入体積、ローターの回転速度、ラム圧、混練温度、混練時間、混練装置の種類等の諸条件について目的に応じて適宜選択することができる。前記混練装置としては、例えば、通常ゴム組成物の混練に用いるバンバリーミキサー、インターミックス、ニーダー等が挙げられる。
前記熱入れの条件としては、特に制限はなく、熱入れ温度、熱入れ時間、熱入れ装置等の諸条件について目的に応じて適宜選択することができる。前記熱入れ装置としては、例えば、通常ゴム組成物の熱入れに用いるロール機等が挙げられる。
前記押出しの条件としては、特に制限はなく、押出時間、押出速度、押出装置、押出温度等の諸条件について目的に応じて適宜選択することができる。前記押出装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物の押出しに用いる押出機等が挙げられる。前記押出温度は、適宜決定することができる。
前記加硫を行う装置、方式、条件等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記加硫を行う装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物の加硫に用いる金型による成形加硫機等が挙げられる。前記加硫の条件として、その温度は、通常100〜190℃程度である。
上述のように、本発明のゴム組成物は、高いグリップ性能を維持しつつ、耐熱疲労性等の耐熱性が向上しているため、高性能タイヤのトレッドに好適である。
本発明の空気入りタイヤは、前記本発明のゴム組成物をトレッドに使用してなることを特徴とする。本発明のタイヤは、前記ゴム組成物をトレッドに用いること以外は、特に制限はなく、公知のタイヤの構成をそのまま採用することができる。
本発明の空気入りタイヤの一例としては、一対のビード部と、一対のサイド部と、トレッド部と、上記ビード部間にトロイド状に延在させたカーカスと、該カーカスのクラウン部に配したベルトとを備えたタイヤ等が好適に挙げられる。該タイヤは、ラジアル構造であっても、バイアス構造であってもよい。
前記トレッドの構造としては、特に制限はなく、一層構造であっても、多層構造であってもよく、直接路面に接地する上層のキャップ部と、このキャップ部のタイヤ径方向内側に隣接して配置される下層のベース部とから構成される、いわゆるキャップ・ベース構造を有していてもよい。本発明においては、少なくとも前記キャップ部が前記本発明のゴム組成物で形成されているのが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、その製造方法に特に制限はないが、例えば、前記本発明のゴム組成物を調製し、該ゴム組成物を生タイヤケースのクラウン部に予め貼り付けられた未加硫のベース部の上に貼り付け、所定のモールドで所定温度・所定圧力の下で加硫成形することにより製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す配合処方に従い、バンバリーミキサーを用いて、各種ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物を160℃で15分間加硫した後、JIS K6265に記載のフレクソメーターによる定応力測定を行い、サンプル内部に亀裂が発生するまでの時間を耐熱疲労時間とし、比較例1を100として指数表示した。結果を表1に示す。なお、指数値が大きい程、耐熱疲労時間が長く、耐熱疲労性が良好であることを示す。
ビニル結合量が30%以上のスチレン・ブタジエン共重合体ゴムをゴム成分とし、式(I)で表される化合物と1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物とを配合してなる実施例1〜2のゴム組成物は耐熱疲労時間が非常に長かった。一方、本願請求項1に規定する条件を満たさない比較例2〜10のゴム組成物は、比較例1と比べて耐熱疲労時間の向上が不充分であった。特に、実施例1及び2と、比較例9及び10との比較から、1,6-ビス[N,N'-ジ(2-エチルヘキシル)チオカルバモイルジチオ]-ヘキサンに代えて1,10-ビス[N,N'-ジ(2-エチルヘキシル)チオカルバモイルジチオ]-デカンを用いることで、ゴム組成物の耐熱疲労性が大幅に向上することが分る。

Claims (6)

  1. (1)ビニル結合量が30%以上であるポリブタジエンゴム及びビニル結合量が30%以上であるスチレン・ブタジエン共重合体ゴムの少なくとも一方を含むゴム成分 100質量部に対し、
    (2)下記式(I)で表される化合物 0.1〜20質量部と、
    (3)1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物 0.1〜20質量部と
    を配合してなるゴム組成物。
    [式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素数3〜12の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。]
  2. 前記式(I)で表される化合物において、R1、R2、R3及びR4がそれぞれ独立に炭素数8〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記式(I)で表される化合物において、R1、R2、R3及びR4が、2-エチルヘキシル基であることを特徴とする請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 前記スチレン・ブタジエン共重合体ゴムは、結合スチレン含有率が20〜60質量%であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  5. 前記ゴム成分中の前記スチレン・ブタジエン共重合体ゴムの含有率が50〜100質量%であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
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