JP2001286952A - ヘミング加工方法およびヘミング加工装置 - Google Patents

ヘミング加工方法およびヘミング加工装置

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JP2001286952A
JP2001286952A JP2000100192A JP2000100192A JP2001286952A JP 2001286952 A JP2001286952 A JP 2001286952A JP 2000100192 A JP2000100192 A JP 2000100192A JP 2000100192 A JP2000100192 A JP 2000100192A JP 2001286952 A JP2001286952 A JP 2001286952A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予備曲げ加工時(プリヘミング加工時)のア
ウタパネルとインナパネルとの相対位置ずれを防止す
る。 【解決手段】 アウタパネルW1とインナパネルW2と
のヘミング結合部に予めガラスビーズGを混入したシー
リング剤Sを介装した上で予備曲げ加工とそれに続く本
曲げ加工とを行う。予備曲げ加工に先立って上記ヘミン
グ結合部を加圧し、シーリング剤Sに予め混入している
ガラスビーズGを相手側のパネル表面に噛み混ませる。
これにより、ガラスビーズGによる摩擦力増強効果をも
って予備曲げ加工時の成形力に対抗させ、その予備曲げ
加工時におけるアウタパネルW1とインナパネルW2と
の相対位置ずれを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘミング加工方法お
よびヘミング加工装置に関し、例えば自動車のドアやフ
ードあるいはトランクリッド等の開閉体を形成するアウ
タパネルとインナパネルとをその周縁部にてヘミング結
合するにあたり、ヘミングフランジ部の予備曲げ加工
(プリヘミング)とそれに続く本曲げ加工(ヘミング)
とを行うヘミング加工方法といわゆるテーブルトップタ
イプのヘミング加工装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車のフードを形成するアウタ
パネルとインナパネルとのヘミング結合に際して、予備
曲げ加工に続いて直ちに本曲げ加工を施すいわゆる1モ
ーションタイプのヘミング加工装置では、図6に示すよ
うにヘミング加工対象となるパネルの全周に各辺ごとに
独立した複数の予備曲げ刃51〜56を配置しておき、
少なくとも左右方向ではその左右の予備曲げ刃同士5
5,56が同じタイミングで、また前後方向ではその前
後の予備曲げ刃同士51,52,53,54が同じタイ
ミングでそれぞれにヘミング対象となるアウタパネルW
1側のヘミングフランジ部F1に当接して同時に加工が
行われるように予めタイミング調整を行っている。そし
て、これらの予備曲げ加工に続いてほぼ同様の形態によ
り本曲げ加工が施される。
【0003】なお、自動車の開閉体の場合には、図7に
からも明らかなように、インナパネルW2とヘミング結
合されるアウタパネルW1が下側になるように両パネル
W1,W2が重ね合わされて下型57上に位置決めさ
れ、またヘミングフランジ部F1はアウタパネルW1に
予め直立形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の構
造において、特にテーブルトップタイプのヘミング加工
装置では、それぞれの予備曲げ刃51〜56の駆動源で
ある油圧もしくは空圧タイプの駆動シリンダは相互に独
立しているのが通常であるから、左右の予備曲げ刃同士
もしくは前後の予備曲げ刃同士の作動タイミングとして
完全同期をとることは困難であり、図7に示すように、
ヘミングフランジ部F1に先に当たった例えば予備曲げ
刃55の力を受けてアウタパネルW1がいすれか一方に
逃げfを生ずることになる。この逃げfはアウタパネル
W1とインナパネルW2との相対位置がずれたことにほ
かならず、結果としてその相対位置がずれたままの状態
で本曲げ加工が施されることになり、ヘミング加工品質
の向上の上でなおも改善の余地を残している。
【0005】一方、上記アウタパネルW1とインナパネ
ルW2との位置ずれ対策として、アウタパネルW1の中
央部を支える下型58を追加したり、あるいはインナパ
ネルW2をインナパッド59にて押圧して位置決めする
等の対策もなされているが、なおも上記アウタパネルW
1とインナパネルW2との位置ずれを完全に防止できる
までには至っていない。
【0006】他方、上記ヘミング結合部でのシール性向
上のために両者の接合部位に予め粘稠なシーリング剤
(シーラもしくはシーラント)を塗布しておき、そのシ
ーリング剤を保有したままの状態で両者をヘミング結合
することが行われており、その際にシーリング剤のなか
に予め微細なガラスビーズ等の硬質粒子を混入しておく
技術が一部で提案されている。
【0007】上記ヘミング結合部に介在しているシーリ
ング剤のなかに硬質粒子が予め混入していると、本曲げ
加工の際の加圧力を受けてその硬質粒子がヘミング結合
部位のパネルに噛み込み、両パネル間の摩擦力が飛躍的
に高められることになることから、ヘミング加工後のア
ウタパネルとインナパネルとの位置ずれを防止しつつ両
者の結合強度を高める上で有効であるとされている。
【0008】しかしながら、上記硬質粒子がパネル表面
に噛み込むのは本曲げ加工時であるから、それ以前の例
えば予備曲げ加工の段階ではその硬質粒子の噛み込みに
よるパネル同士の位置ずれ防止効果は全く期待すること
ができない。
【0009】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、上記ガラスビーズ等の硬質粒子を予め混入
したシーリング剤を使用することを前提としつつも、そ
の特殊なシーリング剤による摩擦力向上効果が予備曲げ
加工の段階から得られるようにしたヘミング加工方法お
よびヘミング加工装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、少なくとも二枚のパネル同士をヘミング結合するに
あたり、ヘミング結合の際の加圧力を受けて両パネル間
に摩擦力を付与するシーリング剤を併用して行うヘミン
グ加工方法であって、双方のパネル同士をそのヘミング
結合部位に上記シーリング剤を介在させながら互いに重
ね合わせて、上記ヘミング結合部位に所定の加圧力を付
与する予備加圧工程と、いずれか一方のパネルの端部に
予め曲折形成されているヘミングフランジ部を所定の傾
斜角になるまで他方のパネル側に折り返す予備曲げ工程
と、前記予備曲げ加工が施されたヘミングフランジ部を
さらに折り返して双方のパネル同士をシーリング剤を介
してヘミング結合する本曲げ工程と、を含んでいること
を特徴としている。
【0011】上記シーリング剤としては、例えば請求項
2に記載の発明のように、粘稠な基材にガラスビーズ等
の硬質粒子を予め混入させたものであって、且つ加圧力
を受けて上記硬質粒子がパネル表面に噛み込んでそのパ
ネル同士のヘミング結合部位での摩擦力を積極的に増加
させる機能をもつものを使用する。
【0012】したがって、これら請求項1,2に記載の
発明では、予備曲げ加工に先立って、予めシーリング剤
が介在しているヘミング結合部位に例えば本曲げ加工時
と同等の加圧力を付与することで、上記シーリング剤に
混入している硬質粒子がパネル表面に噛み込み、その瞬
間から摩擦力の増加効果が発揮される。これにより、予
備曲げ加工時にアウタパネルとインナパネルとの間での
位置ずれが生じにくくなる。
【0013】請求項3に記載の発明は、相互に独立した
スイング式の予備曲げ刃と同じくスイング式の本曲げ刃
とを有し、且つ少なくとも二枚のパネル同士をヘミング
結合するにあたり、シーリング剤を併用しながらヘミン
グ加工を行う装置であることを前提としている。
【0014】そして、ベース部材と、このベース部材に
設けられて、上面にはヘミング結合部位に上記シーリン
グ剤を介在させた少なくとも二枚のパネルが互いに重ね
合わせた状態で位置決め載置される下型と、前記ベース
部材に回転可能に支持されるとともに予備曲げ退避位置
と予備曲げ加工位置との間で揺動動作して、いずれか一
方のパネルの端部に予め曲折形成されているヘミングフ
ランジ部を所定の傾斜角になるまで予備曲げ加工を施す
予備曲げ刃と、同じく前記ベース部材に回転可能に支持
されるとともに本曲げ退避位置と本曲げ加工位置との間
で揺動動作して、先に予備曲げ加工が施されたヘミング
フランジ部に本曲げ加工を施す本曲げ刃と、を備えてい
る。
【0015】その上で、前記予備曲げ加工とそれに続く
本曲げ加工とに先立って本曲げ刃が本曲げ加工と同等の
予備加圧動作を先行して行うことにより、ヘミング結合
部位に加圧力を付与してそのヘミング結合部位に介在し
ているシーリング剤の摩擦力を積極的に増加させるよう
になっていることを特徴としている。
【0016】この場合、前記シーリング剤としては、請
求項4に記載の発明のように、粘稠な基材にガラスビー
ズ等の硬質粒子を予め混入させたものであって、且つ加
圧力を受て上記硬質粒子がパネル表面に噛み込むことに
よりそのパネル同士のヘミング結合部位での摩擦力を積
極的に増加させる機能をもつものを使用する。ただし、
硬質粒子は同等の機能があればガラスビーズ以外の他の
材質のものであってもよい。
【0017】したがって、この請求項3に記載の発明で
は、請求項1,2に記載の発明と全く同様に、予備曲げ
加工時にアウタパネルとインナパネルとの間での位置ず
れが生じにくくなる。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項3または
4に記載の発明における予備曲げ刃の揺動動作に基づい
て行われる予備曲げ加工と、本曲げ刃の揺動動作に基づ
いて行われる予備加圧動作を含む本曲げ加工とが、共通
のアクチュエータの作動によりなされるようになってい
ることを特徴としている。
【0019】この場合、請求項6に記載の発明のよう
に、前記アクチュエータの作動に基づいて本曲げ刃を本
曲げ加工動作させるか予備曲げ刃を予備曲げ加工動作さ
せるかを選択的に切り換える切換手段を備えていること
が望ましい。
【0020】したがって、これらの請求項5,6に記載
の発明では、共通のアクチュエータの作動により本曲げ
加工動作および予備曲げ加工動作のうちのいずれかが選
択的に行われる。
【0021】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明における切換手段は、アクチュエータの作動に基
づいて本曲げ刃を単独で本曲げ加工動作させるかもしく
は上記アクチュエータの作動に基づいて本曲げ刃を介し
て予備曲げ刃を予備曲げ加工動作させるかを選択的に切
り換える機能を有するものであることを特徴としてい
る。
【0022】この場合、前記切換手段は、請求項8に記
載の発明のように、本曲げ刃に設けられてその本曲げ刃
の揺動軌跡の途中で前記予備曲げ刃に当接する位置とそ
の予備曲げ刃に当接しない位置との間で選択的な位置切
り換えが可能なフォロアローラをもって形成されている
ことが望ましい。
【0023】したがって、これら請求項7,8に記載の
発明では、本曲げ加工は本曲げ刃単独での揺動動作によ
って行われるものの、予備曲げ加工は本曲げ刃の揺動動
作を伴うことで初めて揺動動作する予備曲げ刃によって
行われる。
【0024】
【発明の効果】請求項1,3に記載の発明によれば、ヘ
ミングフランジ部の予備曲げ加工に先立って、予めシー
リング剤を介在させたパネル同士のヘミング結合部位に
例えば本曲げ加工時と同等の加圧力を付与して予備加圧
するようにしたことから、その加圧時点よりシーリング
剤によるヘミング結合部位での摩擦力を積極的に増加さ
せる機能が発揮され、特に予備曲げ加工時にアウタパネ
ルとインナパネルとの位置ずれが生じにくくなり、ヘミ
ング加工品質が大幅に向上する。
【0025】特に、請求項2,4に記載の発明のよう
に、上記シーリング剤として、粘稠な基材にガラスビー
ズ等の硬質粒子を予め混入させたものであって且つ加圧
力を受けて上記硬質粒子が相手パネルに噛み込むことに
よりそのパネル同士のヘミング結合部位での摩擦力を積
極的に増加させる機能をもつものを使用すると、上記効
果が一段と顕著となる。
【0026】請求項5に記載の発明によれば、予備曲げ
刃の揺動動作に基づいて行われる予備曲げ加工と、本曲
げ刃の揺動動作に基づいて行われる予備加圧動作を含む
本曲げ加工とが、共通のアクチュエータの作動によりな
されることから、請求項3または4に記載の発明と同様
の効果に加えて、必要とされるアクチュエータの数を減
らして装置構成を簡素化できる利点がある。
【0027】請求項6に記載の発明によれば、上記アク
チュエータの作動に基づいて本曲げ刃を本曲げ加工動作
させるか予備曲げ刃を予備曲げ加工動作させるかを選択
的に切り換える切換手段を備えていることから、請求項
5に記載の発明と同様の効果に加えて、本曲げ刃および
予備曲げ刃それぞれの動作がより安定して行われる利点
がある。
【0028】請求項7に記載の発明によれば、請求項6
に記載の発明の切換手段のより具体的な構成として、本
曲げ刃を単独で本曲げ加工動作させるかもしくは本曲げ
刃を介して予備曲げ刃を予備曲げ加工動作させるかを選
択的に切り換える機能を有するものであるから、特に予
備曲げ刃と本曲げ刃とが近接してい配置される場合にそ
の予備曲げ刃の揺動ストロークを相対的に小さくできる
利点がある。
【0029】請求項8に記載の発明によれば、本曲げ刃
を介して予備曲げ刃を予備曲げ加工動作させる手段とし
てフォロアローラを用いたものであるから、請求項7に
記載の発明と同様の効果に加えて、本曲げ刃の動きに予
備曲げ刃を忠実に追従動作させることができる利点があ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るヘミング加工
方法の好ましい実施の形態を示す図で、自動車のドアや
フード等のようにアウタパネルとインナパネルとをもっ
て形成される開閉体を組み立てる場合の例を示してい
る。
【0031】図1の(A)および図2の(A)に示すよ
うに、アウタパネルW1の周縁部にはヘミングフランジ
部F1が予め直立形成されており、このヘミングフラン
ジ部F1が形成されたアウタパネルW1の上にインナパ
ネルW2を重ね合わせた上でヘミング加工に供すること
になるのであるが、アウタパネルW1とインナパネルW
2との重合部位には粘稠なシーリング剤を介装するべく
シーリング剤Sが予めビード状に塗布される。
【0032】このシーリング剤Sは、例えばエポキシ樹
脂系のシーリング剤たる基材のなかに硬質粒子として1
50μm〜250μm程度の直径の微細なガラスビーズ
(材質はSiO2)Gを予め混入したもので、ビード状
に塗布したシーリング剤を押し潰すべく外力を加えるこ
とで上記ガラスビーズGが相手側のパネル表面に噛み込
むかもしくは食い込む性質を有している。
【0033】そして、上記アウタパネルW1とインナパ
ネルW2とを下型であるダイ2上に位置決めした上で予
備加圧ポンチ21によりインナパネルW2側のヘミング
フランジ部F2の上から外力を加え、図2の(B)に示
すように予めビード状に塗布されているシーリング剤S
を押し潰す。これにより、先に述べたようにシーリング
剤Sに予め混入しているガラスビーズGがアウタパネル
W1自体もしくはインナパネルW2側のヘミングフラン
ジ部F2の表面に噛み込むようになり、結果として互い
に重ね合わされているアウタパネルW1とインナパネル
W2との間の摩擦力を飛躍的に向上させるように作用す
る。
【0034】ここで、上記シーリング剤Sに混入してい
るガラスビーズGを均等かつ確実に相手側パネルに噛み
込ませるためには、上記加圧力としては後述する本曲げ
加工時と同等の大きさとするのが望ましい。
【0035】続いて、図1の(B)および図2の(C)
に示すように、上記位置決め状態のままでアウタパネル
W1側のヘミングフランジ部F1に対して開閉体の各辺
ごとに独立している複数の予備曲げ刃8を横方向から前
進作動させ、そのヘミングフランジ部F1を45度程度
まで折り返して予備曲げ加工(プリヘミング加工)を施
す。
【0036】この時、各予備曲げ刃8の微妙な作動タイ
ミング等のためにアウタパネルW1とインナパネルW2
との間で相対位置ずれを生じようとするものの、上記ヘ
ミング結合部位のシーリング剤Sに混入されているガラ
スビーズGがアウタパネルW1自体もしくはインナパネ
ルW2側のヘミングフランジ部F2に噛み込んでいるた
め、その摩擦力をもってアウタパネルW1とインナパネ
ルW2との相対位置ずれに対抗し、そのパネルずれを阻
止することになる。
【0037】この後、上記予備曲げ加工に続いて、図1
の(C)および図2の(D)に示すように,先に予備曲
げ加工が施されているヘミングフランジ部F1に対して
本曲げ刃7にて本曲げ加工を施し、そのヘミングフラン
ジ部F1をフラットになるまでさらに折り返して本曲げ
加工を終了する。
【0038】この時、シーリング剤Sに混入しているガ
ラスビーズGが本曲げ加工力を受けて一層ヘミング結合
部に噛み込み、アウタパネルW1とインナパネルW2と
の結合強度の向上に寄与することになる。
【0039】このように本実施の形態によれば、アウタ
パネルW1とインナパネルW2とのヘミング結合部に介
装されるシーリング剤Sを予備曲げ加工に先立って予備
加圧し、そのシーリング剤Sに混入しているガラスビー
ズGによる摩擦力増強効果を早い時期から得るようにし
たため、従来から問題となっていた予備曲げ加工時のパ
ネルずれを確実に防止できるようになる。
【0040】図の(A),(B)は上記予備加圧動作を
含むヘミング加工のためのヘミング加工装置の一例を示
す図である。
【0041】図3に示すように、ベースフレーム1には
下型として機能するダイ2が固定されているほか、大小
二つのスイングアーム3,4がヒンジピン5,6を介し
てそれぞれに揺動可能に支持されている。そして、一方
のスイングアーム3の先端には本曲げ刃7が、他方のス
イングアーム4の先端には予備曲げ刃8がそれぞれ一体
的に固定されているとともに、予備曲げ刃8側のスイン
グアーム4は引張コイルスプリング9によって常時反時
計回り方向に付勢されている。また、ベースフレーム1
にはアクチュエータとして揺動可能なトラニオン型の駆
動シリンダ(油圧シリンダまたはエアシリンダ)10が
支持されており、その駆動シリンダ10のピストンロッ
ド11は上記本曲げ刃7側のスイングアーム3に連結さ
れている。したがって、駆動シリンダ10の伸縮作動に
応じて、本曲げ刃7とともにスイングアーム3が図3の
(A)に示す本曲げ退避位置と図4の(A)に示す本曲
げ加工位置P11との間で揺動動作するようになってい
る。
【0042】上記本曲げ刃7側のスイングアーム3の一
部には補助アーム部12が一体に突出形成されていて、
この補助アーム部12にはブラケット部13が固定され
ている。このブラケット部13には、先端にフォロアロ
ーラ14を有するスライドシャフト15がカラー16を
介して進退移動可能に支持されている。すなわち、フォ
ロアローラ14は、そのスライドシャフト15と同一軸
線上に配置された切換シリンダ(油圧シリンダもしくは
エアシリンダ)17のピストンロッド18に連結されて
いる一方、前進位置P1と、補助アーム部12に形成さ
れた逃げ穴19内に収容された状態である退避位置P2
との間で進退移動可能となっている。
【0043】そして、上記フォロアローラ14が退避位
置P2にある状態では、本曲げ刃7側のスイングアーム
3が揺動してもそのフォロアローラ14は予備曲げ刃8
側のスイングアーム4に当接しないように設定されてい
る一方、逆にフォロアローラ14が前進位置P1にある
状態では、本曲げ刃7側のスイングアーム3が揺動した
場合にフォロアローラ14が予備曲げ刃8側のスイング
アーム4に当接して、その本曲げ刃7側のスイングアー
ム3を介して予備曲げ刃8側のスイングアーム4が揺動
動作するようになっている。
【0044】つまり、上記フォロアローラ14および切
換シリンダ17は、駆動シリンダ10を本曲げ刃7側の
スイングアーム3の駆動と予備曲げ刃8側のスイングア
ーム4の駆動とに共通して使用することを前提とした上
で、本曲げ刃7側のスイングアーム3を単独で揺動動作
させるか、もしくはその本曲げ刃7側のスイングアーム
3を介して予備曲げ刃8側のスイングアーム4を揺動動
作させるかを選択的に切り換える切換手段20を形成し
ている。なお、予備曲げ刃8側のスイングアーム4は、
図3,4の(A)に示す予備曲げ退避位置P22と図5
の(A)に示す予備曲げ加工位置P21との間で揺動動
作するようになっている。
【0045】したがって、このように構成されたヘミン
グ加工装置によれば、図1の(A)および図2の(A)
に示したアウタパネルW1とインナパネルW2との間に
予め介装されたシーリング剤Sを押し潰すべく予備加圧
する場合には、上記アウタパネルW1とインナパネルW
2とを図3のダイ2上に位置決めした上で本曲げ刃7側
のスイングアーム3をスイング動作させる。
【0046】すなわち、図4に示すように、フォロアロ
ーラ14を退避位置P2に保持させた状態で駆動シリン
ダ10を伸長動作させ、予備曲げ加工前でありながらも
本曲げ刃7を先に述べた予備加圧ポンチ21として用い
て一旦本曲げ加工動作させる。これにより、本曲げ刃7
がアウタパネルW1側のヘミングフランジ部F1に当接
することなくインナパネルW2側のヘミングフランジ部
F2に直接当接し(図2の(B)参照)、アウタパネル
W1との間に介装されているシーリング剤Sを押し潰
す。これにより、先に説明したようにシーリング剤Sに
予め混入しているガラスビーズGがヘミング結合部のパ
ネル表面の噛み込むかたちとなる。
【0047】なお、本曲げ刃7側のスイングアーム3が
スイング動作しても、図4の(B)に示すようにフォロ
アローラ14は退避位置P2にあるためにそのフォロア
ローラ14は予備曲げ刃8側のスイングアーム4に当接
することはなく、予備曲げ刃8側のスイングアーム4は
なおも従前の位置すなわち予備曲げ退避位置P22で待
機している。
【0048】続いて、上記駆動シリンダ10の逆動作に
より本曲げ刃7側のスイングアーム3を元の位置に一旦
戻した上で、図5の(B)に示すように切換シリンダ1
7の作動によりフォロアローラ14を前進位置P1に保
持させ、その状態で駆動シリンダ10を再度伸長動作さ
せる。この駆動シリンダ10の伸長動作に伴い本曲げ刃
7側のスイングアーム3がスイング動作し始めると、図
5の(A)に示すように直ちにフォロアローラ14が予
備曲げ刃8側のスイングアーム4に当接して、本曲げ刃
7側のスイングアーム3の動きを伴いながら予備曲げ刃
8側のスイングアーム4がスイング動作して、図1の
(B)および図2の(C)に示すように予備曲げ刃8が
アウタパネルW1のヘミングフランジ部F1に当接して
予備曲げ加工を施すことになる。
【0049】この時、アウタパネルW1とインナパネル
W2との間に介在しているシーリング剤Sに含まれるガ
ラスビーズGが既にパネル表面に噛み込んでいるため、
上記予備曲げ加工に際してヘミングフランジ部F1が横
方向の力を受たとしてもこれに上記ガラスビーズGによ
る摩擦力増強効果が対抗し、アウタパネルW1とインナ
パネルW2との相対位置ずれを防止する。
【0050】こうして予備曲げ加工が施されたならば、
上記駆動シリンダ10の逆動作により本曲げ刃7側のス
イングアーム3と予備曲げ加工用のスイングアーム4と
を一旦元の位置に戻し、その状態で切換シリンダ17の
作動によりフォロアローラ14を図4(B)のように退
避位置P2に戻す。
【0051】そして、最初の予備加圧動作と全く同様に
して本曲げ刃7側のスイングアーム3をスイング動作さ
せると、その本曲げ刃7が先に予備曲げ加工が施されて
いるアウタパネルW1側のヘミングフランジ部F1に当
接して、図2の(D)に示すようにそのヘミングフラン
ジ部F1に本来の本曲げ加工を施す。これにより、開閉
体を構成することになるアウタパネルW1とインナパネ
ルW2とが確実にヘミング結合され、同時に上記ヘミン
グ結合部に介在しているシーリング剤Sに含まれるとこ
ろのガラスビーズGがそのヘミング結合部のパネルに一
層噛み込んでヘミング結合強度の向上に寄与することに
なる。
【0052】このように本実施の形態によれば、図3に
示したように、単一の駆動シリンダ10を共用しつつ
も、予備曲げ加工用のスイングアーム4と本曲げ加工用
のスイングアーム3とを使い分けることで、予備曲げ加
工および本曲げ加工のほかその予備曲げ加工に先立つ予
備加圧動作をも含めて連続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘミング加工方法の実施の形態を
示す工程説明図。
【図2】図1の要部を拡大した作動説明図。
【図3】本発明に係るヘミング加工装置の実施の形態を
示す図で、(A)は要部構成説明図、(B)は同図
(A)の要部拡大平面図。
【図4】(A)は図3のヘミング加工装置が予備加圧動
作もしくは本曲げ加工動作したときの要部構成説明図、
(B)は同図(A)の要部拡大平面図。
【図5】(A)は図3のヘミング加工装置が予備曲げ加
工動作したときの要部構成説明図、(B)は同図(A)
の要部拡大平面図。
【図6】従来のヘミング加工方法の一例を示す説明図。
【図7】図6の要部拡大断面図。
【符号の説明】
2…ダイ(下型) 3…スイングアーム 4…スイングアーム 7…本曲げ刃 8…予備曲げ刃 10…駆動シリンダ 14…フォロアローラ 17…切換シリンダ 20…切換手段 F1…アウタパネル側のヘミングフランジ部 F2…インナパネル側のヘミングフランジ部 G…ガラスビーズ(硬質粒子) P1…前進位置 P2…退避位置 P11…本曲げ加工位置 P12…本曲げ退避位置 P21…予備曲げ加工位置 P22…予備曲げ退避位置 S…シーリング剤 W1…アウタパネル W2…インナパネル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも二枚のパネル同士をヘミング
    結合するにあたり、ヘミング結合の際の加圧力を受けて
    両パネル間に摩擦力を付与するシーリング剤を併用して
    行うヘミング加工方法であって、 双方のパネル同士をそのヘミング結合部位に上記シーリ
    ング剤を介在させながら互いに重ね合わせて、上記ヘミ
    ング結合部位に所定の加圧力を付与する予備加圧工程
    と、 いずれか一方のパネルの端部に予め曲折形成されている
    ヘミングフランジ部を所定の傾斜角になるまで他方のパ
    ネル側に折り返す予備曲げ工程と、 前記予備曲げ加工が施されたヘミングフランジ部をさら
    に折り返して双方のパネル同士をシーリング剤を介して
    ヘミング結合する本曲げ工程と、 を含むことを特徴とするヘミング加工方法。
  2. 【請求項2】 前記シーリング剤は粘稠な基材に硬質粒
    子を予め混入させたものであって、且つ加圧力を受けて
    上記硬質粒子がパネル同士のヘミング結合部位での摩擦
    力を積極的に増加させる機能をもつものであることを特
    徴とする請求項1に記載のヘミング加工方法。
  3. 【請求項3】 相互に独立したスイング式の予備曲げ刃
    と同じくスイング式の本曲げ刃とを有し、且つ少なくと
    も二枚のパネル同士をヘミング結合するにあたり、シー
    リング剤を併用しながらヘミング加工を行う装置であっ
    て、 ベース部材と、 このベース部材に設けられて、上面にはヘミング結合部
    位に上記シーリング剤を介在させた少なくとも二枚のパ
    ネルが互いに重ね合わせた状態で位置決め載置される下
    型と、 前記ベース部材に回転可能に支持されるとともに予備曲
    げ退避位置と予備曲げ加工位置との間で揺動動作して、
    いずれか一方のパネルの端部に予め曲折形成されている
    ヘミングフランジ部を所定の傾斜角になるまで予備曲げ
    加工を施す予備曲げ刃と、 同じく前記ベース部材に回転可能に支持されるとともに
    本曲げ退避位置と本曲げ加工位置との間で揺動動作し
    て、先に予備曲げ加工が施されたヘミングフランジ部に
    本曲げ加工を施す本曲げ刃と、 を備えていて、 前記予備曲げ加工とそれに続く本曲げ加工とに先立って
    本曲げ刃が本曲げ加工と同等の予備加圧動作を先行して
    行うことにより、ヘミング結合部位に加圧力を付与して
    そのヘミング結合部位に介在しているシーリング剤の摩
    擦力を積極的に増加させるようになっていることを特徴
    とするヘミング加工装置。
  4. 【請求項4】 前記シーリング剤は粘稠な基材に硬質粒
    子を予め混入させたものであって、且つ加圧力を受て上
    記硬質粒子がパネル同士のヘミング結合部位での摩擦力
    を積極的に増加させる機能をもつものであることを特徴
    とする請求項3に記載のヘミング加工装置。
  5. 【請求項5】 前記予備曲げ刃の揺動動作に基づいて行
    われる予備曲げ加工と、本曲げ刃の揺動動作に基づいて
    行われる予備加圧動作を含む本曲げ加工とが、共通のア
    クチュエータの作動によりなされるようになっているこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載のヘミング加工
    装置。
  6. 【請求項6】 前記アクチュエータの作動に基づいて本
    曲げ刃を本曲げ加工動作させるか予備曲げ刃を予備曲げ
    加工動作させるかを選択的に切り換える切換手段を備え
    ていることを特徴とする請求項5に記載のヘミング加工
    装置。
  7. 【請求項7】 前記切換手段は、アクチュエータの作動
    に基づいて本曲げ刃を単独で本曲げ加工動作させるかも
    しくは上記アクチュエータの作動に基づいて本曲げ刃を
    介して予備曲げ刃を予備曲げ加工動作させるかを選択的
    に切り換える機能を有するものであることを特徴とする
    請求項6に記載のヘミング加工装置。
  8. 【請求項8】 前記切換手段は、本曲げ刃に設けられて
    その本曲げ刃の揺動軌跡の途中で前記予備曲げ刃に当接
    する位置とその予備曲げ刃に当接しない位置との間で選
    択的な位置切り換えが可能なフォロアローラをもって形
    成されていることを特徴とする請求項7に記載のヘミン
    グ加工装置。
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CN1308097C (zh) * 2003-07-10 2007-04-04 现代自动车株式会社 面板组件及其制造方法

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