JP2001284643A - Iii族窒化物半導体発光素子用ウェハ、その製造方法およびiii族窒化物半導体発光素子 - Google Patents
Iii族窒化物半導体発光素子用ウェハ、その製造方法およびiii族窒化物半導体発光素子Info
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Abstract
基板上に、該基板との密着したBP系材料からなる緩衝
層を形成し、さらに該緩衝層上にIII族窒化合物半導
体層を形成してIII族窒化物半導体発光素子用ウェハ
を製造する。 【解決手段】Si単結晶基板表面に側壁を{111}面
とする四角錐状の細孔を設け、該基板表面上に気相成長
法によりBP系材料からなる緩衝層を形成する。該四角
錐状の細孔は、エッチングにより設ける。
Description
晶基板の表面上にリン化硼素(BP)系材料からなる緩
衝層を介して設けられたIII族窒化物半導体層を具備
するIII族窒化物半導体発光素子用ウェハとその製造
方法、および該ウェハから製造されたIII族窒化物半
導体層を発光部として利用する発光ダイオード或いはレ
ーザーダイオード等のIII族窒化物半導体発光素子に
関する。
(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=
1)で表記されるIII族窒化物半導体は、青色帯或い
は緑色帯などの短波長の可視光を出射する発光ダイオー
ド(LED)やレーザーダイオード(LD)等の発光素
子を構成するための材料として利用されている。近年で
は、上記のIII族窒化物半導体からなるpn接合型の
ダブルヘテロ(DH)構造の発光部を、珪素(Si)単
結晶からなる基板上に形成する技術が知られている(特
開平11−40850号公報)。この場合、基板として
利用されるSi単結晶の面方位は{100}または{1
11}であるのがもっぱらである(特開平10−242
586号公報)。
面を有するSi基板上にIII族窒化物半導体層を気相
成長法により堆積する場合、リン化硼素(BP)系材料
からなる結晶層を緩衝層として利用する技術が開示され
ている(特開平11−162848号公報)。閃亜鉛鉱
結晶型のBP結晶(格子定数=4.538Å)は、格子
定数を4.510Åとする立方晶の窒化ガリウム(Ga
N)との格子ミスマッチ(mismatch)度が約
0.6%と矮小である。従って、緩衝層をBP結晶から
構成すると、その上に結晶欠陥密度の低いGaN結晶層
を形成するのに有利である。
は、Si単結晶基板上にBP系材料のひとつである窒化
リン化硼素(BP1-XNX、但し0≦X≦1)からなる緩
衝層を介してGaN系III族窒化物半導体層を積層す
る技術が開示されている。窒素(N)の組成比を約6%
とするBP0.94N0.06は立方晶のGaNと格子整合を果
たすため、BP0.94N0.06からなる緩衝層を用いると、
Si単結晶基板上に結晶欠陥の少ないGaNからなる半
導体層を形成するのに有利である。
i単結晶(格子定数=5.4308Å)と、例えば閃亜
鉛鉱結晶型のBPとの格子ミスマッチの大きさは約17
%に達する(「日本結晶成長学会誌」、Vol.25,
No.3(1998)、A28頁参照)。そのため、S
i単結晶基板上にBPからなる緩衝層を形成した場合、
上記の格子ミスマッチに起因して{100}面を有する
Si単結晶基板と該基板上に形成したBPからなる緩衝
層との密着性が不充分となり、BP緩衝層がSi基板か
ら剥離し易いという不具合が発生する。
般的な平面形状は方形であるため、{111}面を有す
るSi単結晶を基板として利用した場合、[110]方
向への劈開を利用して方形の発光素子を安定して形成す
ることが困難になるという問題が生じる。そのため、
{100}面を有するSi単結晶基板に代えて{11
1}面を有するSi単結晶を発光素子用の基板として利
用するのは、発光素子の製造上好ましくない。
すべく成されたもので、劈開により簡易に方形の発光素
子が形成できる{100}面からなる表面を有するSi
単結晶基板上に、該基板との密着したBP系材料からな
る緩衝層を形成し、さらに該緩衝層上にIII族窒化合
物半導体層を形成して製造したIII族窒化物半導体発
光素子用ウェハとその製造方法、および該ウェハから製
造されたIII族窒化物半導体発光素子を提供すること
を目的とする。
珪素(Si)単結晶からなる基板と、該基板表面上に設
けられたリン化硼素(BP)系材料からなる緩衝層と、
該緩衝層上に設けられたIII族窒化物半導体層とを備
えてなるIII族窒化物半導体発光素子用ウェハにおい
て、前記基板が{100}面からなる表面を有し、かつ
該表面に側壁を{111}面とする四角錐状の細孔が設
けられていることを特徴とする。上記の発明において、
前記四角錐状の細孔の底面の一辺の長さ(W)が、10
μm以上で500μm以下の範囲であることが望まし
い。また上記の発明において、前記四角錐状の細孔が、
基板表面に等間隔で規則的に設けられていることが望ま
しい。また本願の発明は、上記のIII族窒化物半導体
発光素子用ウェハを用いて作製したIII族窒化物半導
体発光素子である。
晶からなる基板と、該基板表面上に設けられたリン化硼
素(BP)系材料からなる緩衝層と、該緩衝層上に設け
られたIII族窒化物半導体層とを備えてなるIII族
窒化物半導体発光素子用ウェハの製造方法において、
{100}面からなる表面を有し、かつ該表面に側壁を
{111}面とする四角錐状の細孔が設けられている前
記Si単結晶の基板表面上に、気相成長法によりBP系
材料からなる緩衝層を形成することを特徴とする。上記
の発明においては、前記BP系材料からなる緩衝層上
に、更に気相成長法によりIII族窒化物半導体層を形
成することが望ましい。さらに上記の発明においては、
前期気相成長法が有機金属熱分解気相成長法(MOCV
D法)であることが望ましい。また上記の発明におい
て、前記四角錐状の細孔をエッチングにより設けること
が望ましい。
0}面を有するSi単結晶基板の平面模式図である。ま
た、図2は図1に示すSi単結晶基板の破線A−A’に
沿った断面図であり、特に細孔の断面形状を示す模式図
である。
して利用する{100}面からなる表面を有するSi単
結晶基板10の特徴は、基板10の{100}面からな
る表面11に、側壁12を{111}面とする四角錐状
の細孔(ピット:pit)13が形成されていることに
ある。細孔13は、例えば水酸化ナトリウム(NaO
H)水溶液または水酸化カリウム(KOH)水溶液等を
用いる湿式エッチングにより形成できる。細孔13の代
表的な形成方法として、例えば重量濃度が5%程度のN
aOH水溶液を用いて、温度を85℃とし時間にして約
5分間、Si単結晶基板10の表面11の湿式エッチン
グを行う方法がある。この方法は、基板10の導電形が
n形またはp形にかかわらず用いることが出来る。或い
は、重量濃度を約50%とするKOH水溶液を用いて6
5℃で約5分間、基板10の表面11をエッチングする
ことによっても、Si単結晶基板10の表面11に本発
明の細孔13を形成することが出来る。
に不規則に形成することもできるが、規則的に形成する
方が後工程においてSi単結晶基板表面11上に均一な
BP系材料からなる緩衝層を形成するためには好都合と
なる。Si単結晶基板10の表面11に相互の間隔を一
定とする規則的な細孔13を形成する手段として、Si
単結晶基板10の表面11の所望の領域を二酸化珪素
(SiO2)等の耐熱性かつ耐薬品性の被膜で部分的に
被覆した後、例えばガスエッチング等による選択エッチ
ングにより細孔13を形成する方法がある。このような
ガスエッチングの場合、エッチングガスには塩化水素
(HCl)等のハロゲン(halogen)を含む気体
やそれと水素との混合ガス等が利用できる。
の形成方法を用いれば、被膜で被覆する領域の平面積を
調整することにより、細孔13の底面13aの面積を調
整できる。即ち、ほぼ正方形となる細孔13の底面13
aの一辺の長さ(図1及び図2に記号”W”で表記す
る。)は、基板の表面11の被膜により被覆していない
領域の大きさにより調整でき、被膜により被覆していな
い領域を同一の平面形状及び平面積で表面11に規則的
に配列した基板の表面を選択エッチングすると、Wを一
定とする細孔13をSi単結晶基板10の表面11に規
則的に配置して形成することができる。
いは立方晶の窒化アルミニウム(AlN)との格子ミス
マッチ度は約1%以下と僅かである。また、BP結晶の
{110}結晶面の格子面間隔(約3.21Å)は、六
方晶ウルツ鉱結晶(wurtzite)型のGaN(a
軸格子定数=3.18Å)あるいはAlN(a軸格子定
数=3.11Å)の何れの格子定数にも近似している。
従って、BP結晶からなる緩衝層は、その上に格子ミス
マッチに起因する結晶欠陥の密度が低い良質のIII族
窒化物半導体層を形成するのに有利に作用する。一方、
Si単結晶(格子定数=5.4308Å)とBP結晶と
の間には、約17%の大きさの結晶格子のミスマッチが
存在する。しかし、Si単結晶の{111}面の間隔は
約3.14Åであり、BP結晶の{110}結晶面の間
隔(約3.19Å)とほぼ同等となるため、Si単結晶
の{111}面からなる表面上では、良質のBP結晶層
の形成が促進される。すなわち、Si単結晶の{11
1}面からなる表面には良質のBP結晶層を形成でき、
その結果、Si単結晶基板とその上のBPからなる緩衝
層との密着性を向上させることが可能となる。
は互いに直交する方向に劈開できず、方形の発光素子を
製造するのに不便であり、一方{100}面を有するS
i単結晶であれば互いに直交する[110]結晶方位に
沿った劈開を利用して簡便に方形状のIII族窒化物半
導体発光素子が形成できる。そこで本発明では、Si単
結晶基板の{100}面からなる表面に{111}面が
露出した細孔を上記のようにして形成し、細孔の{11
1}面からなる側壁をもとに良質のBP結晶層を成長さ
せることにより、劈開に依る発光素子の作製上の利点を
損なうことなく、Si単結晶基板との密着性に優れたB
P結晶からなる緩衝層を{100}面からなる表面を有
するSi基板上に形成することが可能となる。その結
果、{100}面からなる表面を有するSi基板上に上
記の緩衝層を介して良質のIII族窒化物半導体層を形
成することが可能となる。
になるように、図1及び図2に示した細孔13の底面1
3aの一辺の長さ(W)の値を規定する。すなわち発光
素子の製造には、以下で定める大きさの細孔13を形成
した{100}面を有するSi単結晶を基板10として
使用するのが有利である。
細孔13の深さ(図2に記号Dで示す。)は、細孔13
の底面13aの一辺の長さWの増長に伴い増大する。す
なわち、深さDと一辺の長さWとの間には、D=0.5
8×Wで近似される関係がある。Wが極端に大きく、従
って深さDが極端に大となると、細孔13をBP系材料
からなる緩衝層で充分に埋没させるのが困難となる。細
孔13が緩衝層により十分埋没されなくなると、緩衝層
を形成した後も細孔13の表面に「窪み」が生ずる。こ
のため、Si基板10の表面11上に形成したBP系材
料からなる緩衝層の表面の平坦性は損なわれるものとな
る。このように細孔13上と細孔13以外の表面上とで
段差が生じている緩衝層上には、凹凸が無く表面の平坦
性に優れるIII族窒化物半導体層が形成できないとい
った不具合を招く。細孔13を緩衝層により充分に埋め
尽くすのに好適なWの値は、概ね500μm以下であ
る。
るため細孔13は緩衝層で容易に埋没される。しかし、
この場合のようにDが浅い細孔では、細孔の側壁をなす
Si結晶の{111}面上に素早く成長するBP系材料
からなる結晶により、細孔13が容易に埋め尽くされた
上、更に緩衝層の形成の過程で細孔の側壁を構成する
(1.1.−1)、(−1.1.−1)、(−1.−
1.−1)、及び(1.−1.−1)面の各結晶面の垂
直方向に優勢的に成長するBP系材料からなる結晶によ
り、ピラミッド状の突起が形成される。このピラミッド
状の突起により緩衝層の表面の平坦性は劣るものとな
り、さらに緩衝層上に形成されるIII族窒化物半導体
層も表面の平坦性に劣るものとなるという不都合が生じ
る。従って、細孔13の底面13aの一辺の長さWの値
は、10μm以上で500μm以下の範囲とするのが好
適である。
は、Si基板の{100}面からなる表面上に一定の間
隔をもって規則的に形成するのが好ましい。例えば、一
辺の長さ(=L)を350μmとする正方形のIII族
窒化物半導体発光素子を作製する場合、Wを20μmと
する四角錐状の細孔を頂点13b(図2参照)の間隔が
30μmとなるようにして、表面上に規則的に配列した
S基板を用いることができる。このように規則的に配列
された細孔の存在により、Si基板上に形成されたBP
系材料からなる緩衝層とSi基板表面との密着の強度は
均一に増大させることができる。また、細孔を規則的に
配列することにより、例えばIII族窒化物半導体を利
用するLEDにあっては、発光部から出射される発光の
強度を均一に一様とすることができる。
(B)とリン(P)とを構成元素として含む結晶から構
成される緩衝層をいう。すなわちBP系材料には、例え
ば窒化リン化硼素(BP1-XNX、ただし0≦X<1)や
砒化リン化硼素(BP1-YAsY、ただし0≦Y<1)も
含まれる。Si基板表面上に設けるBP系材料からなる
緩衝層は、気相成長法により成長するのが好ましい。こ
の緩衝層は、例えば三塩化硼素(BCl3)及び三塩化
リン(PCl3)等を原料とするハロゲン系気相成長法
(VPE法)や三塩化リンの代わりにホスフィン(PH
3)をリン原料とするハイドライド(hydride)
VPE法、或いはトリアルキル(trialkyl)硼
素を硼素原料とする有機金属熱分解気相成長法(MOC
VD法)等の気相成長手段をもって成長できる。また、
MOCVD法と分子線エピタキシャル法(MBE法)と
を複合したMO−MBE法によっても形成できる。
GaN等のIII族窒化物半導体層と間の格子のミスマ
ッチを緩和するための緩衝層として利用する場合には、
該緩衝層の成長温度は、成長方法にかかわらずおよそ2
00℃以上で500℃以下の温度とするのが好ましい。
さらにこの温度範囲でBP系材料からなる緩衝層をSi
基板上に成長させた上に、より高温でBP系材料からな
る緩衝層をもう一度成長し、2層構造の緩衝層を形成す
ると、結晶欠陥密度の少ないIII族窒化物半導体層を
成長するのにより好適な緩衝層となる。
{111}面が露出した細孔を形成し、細孔の{11
1}面からなる側壁をもとにして良質のBP結晶層をS
i単結晶基板の表面に成長させると、Si単結晶基板と
の密着性に優れたBP結晶からなる緩衝層をSi基板上
に形成することが出来る。さらに、BP結晶からなる緩
衝層は、その上に格子ミスマッチに起因する結晶欠陥の
密度が低い良質のIII族窒化物半導体層を形成するの
に有利に作用する。
発光素子を製造した実施例を説明する。図3は、Si単
結晶を基板として用い、III族窒化物半導体層を発光
部として利用する本実施例に係わるLED100の平面
模式図である。また、図4は図3に示すLED100の
破線B−B’に沿った断面模式図である。
その表面上に気相成長法により順次形成した結晶層とを
備えたエピタキシャルウェハから作製した。エピタキシ
ャルウェハを構成するSi単結晶基板101および各結
晶層は、以下のものである。 (1)<110>方向に2°傾斜した{100}面から
なる表面に、底面の一辺の長さを約30μmとし、頂点
の間隔を45μmと一定にして、湿式による選択エッチ
ングにより形成された細孔109が規則的に配列されて
いるアンチモン(Sb)がドープされたn形のSi単結
晶からなる基板101。 (2)前記の基板101上に、トリエチルボラン((C
2H5)3B)/ホスフィン(PH3)/水素(H2)を用
いる常圧のMOCVD法により、350℃でPH 3と
(C2H5)3Bの供給比率(V/III比率)を約30
0に設定して成長させた、層厚を約15nmとするアン
ドープ(undope)でn形のリン化硼素(BP)か
らなる第一の緩衝層102。 (3)ジシラン(Si2H6)を珪素(Si)のドーピン
グ原料とし、上記と同じMOCVD法により、BPから
なる低温緩衝層102上に約1050℃で積層された、
層厚を約100nmとしキャリア濃度が約2×1018c
m-3である、Siがドープされたn形のBPからなる第
二の緩衝層103。 (4)前記の第二の緩衝層103上に、トリメチルガリ
ウム((CH3)3Ga)/アンモニア(NH3)/H2を
用いる常圧のMOCVD法により1050℃で成長させ
た、層厚を約500nmとしキャリア濃度を約1×10
18cm-3とする、Siをドープしたn形の窒化ガリウム
(GaN)からなる下部クラッド層104。 (5)前記の下部クラッド層104上に、(CH3)3G
a/シクロペンタジエニルインジウム(I)(C5H5I
n(I))/NH3/H2を用いる常圧のMOCVD法に
より890℃で成長させた、平均的なインジウム(I
n)組成比を約0.12とする、In組成が相違する複
数の相(phase)からなる多相構造からなる、層厚
を約70nmとする窒化ガリウム・インジウム混晶(G
a0.88In0. 12N)からなる発光層105。 (6)前記の発光層105上に、(CH3)3Ga/NH
3/H2を用いる常圧のMOCVD法により1030℃で
成長させた、層厚を約650nmとしキャリア濃度を約
3×1017cm-3とする、p形の窒化ガリウム(Ga
N)からなる上部クラッド層106。
長法により順次上記の結晶層を形成して作製したエピタ
キシャルウェハを用いて、LED100を作製した。L
ED100は、周知のフォトリソグラフィー(写真食
刻)技術を利用して、上記のエピタキシャルウェハに次
のp形およびn形のオーミック(Ohmic)電極10
7、108を形成して作製した。 (1)最表層の上部クラッド層106上に形成した、金
(Au)からなる直径を約130μmとする円形のp形
オーミック電極107。 (2)Si単結晶基板101の裏面の略全面に形成した
アルミニウム(Al)からなるn形オーミック電極10
8。 次に、Si単結晶基板101の[110]方向の劈開性
を利用して、p形およびn形のオーミック電極107、
108が形成されたエピタキシャルウェハを一般的なス
クライブ手段により個別のLEDに分割した。LEDの
平面形状は一辺を約350μmとする正方形とした。
ク電極107に金(Au)ワイヤを結線(ボンディン
グ)し、ボンディング強度を測定して、Si単結晶基板
101と第一の緩衝層102及び第二の緩衝層103と
の密着性を評価した。ボンディング強度を測定するため
の一般的な引っ張り(pull)テストにおいて、本実
施例にかかわるLEDの試料約500個では、5gの引
っ張り荷重に対して、Si単結晶基板101の表面から
の第一の緩衝層102および第二の緩衝層103の剥離
はひとつも認められなかった。
発明に係わる細孔を設けていない従来のLEDでは、同
様の引っ張り荷重を5gとした引っ張りテストにおい
て、20%の試料でSi単結晶基板と緩衝層との間での
部分的な剥離が発生した。
よびn形オーミック電極107、108間に電流を流通
させ、下記の特性を得た。 (イ)発光波長=456nm(ただし、順方向電流=2
0mA) (ロ)発光輝度=1.2カンデラ(cd)(ただし、順
方向電流=20mA) (ハ)順方向電圧=3.8ボルト(V)(ただし、順方
向電流=20mA) (ニ)逆方向電圧=15V以上(ただし、逆方向電流=
10μA)
するSi単結晶基板において、{111}面を側壁とす
る四角錐状の細孔を該表面に形成したので、該表面上に
基板との密着性に優れるリン化硼素(BP)系材料から
なる緩衝層を形成でき、さらに該緩衝層上に結晶性に優
れたIII族窒化物半導体層を形成できる。このように
して作製した半導体発光素子用ウェハからは、劈開性を
利用して簡易にIII族窒化物半導体発光素子を作製す
ることができる。
晶基板の平面模式図。
った断面図。
模式図。
Claims (8)
- 【請求項1】珪素(Si)単結晶からなる基板と、該基
板表面上に設けられたリン化硼素(BP)系材料からな
る緩衝層と、該緩衝層上に設けられたIII族窒化物半
導体層とを備えてなるIII族窒化物半導体発光素子用
ウェハにおいて、前記基板が{100}面からなる表面
を有し、かつ該表面に側壁を{111}面とする四角錐
状の細孔が設けられていることを特徴とするIII族窒
化物半導体発光素子用ウェハ。 - 【請求項2】前記四角錐状の細孔の底面の一辺の長さ
(W)が、10μm以上で500μm以下の範囲である
ことを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物半導
体発光素子用ウェハ。 - 【請求項3】前記四角錐状の細孔が、基板表面に等間隔
で規則的に設けられていることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載のIII族窒化物半導体発光素子用ウェ
ハ。 - 【請求項4】珪素(Si)単結晶からなる基板と、該基
板表面上に設けられたリン化硼素(BP)系材料からな
る緩衝層と、該緩衝層上に設けられたIII族窒化物半
導体層とを備えてなるIII族窒化物半導体発光素子用
ウェハの製造方法において、{100}面からなる表面
を有し、かつ該表面に側壁を{111}面とする四角錐
状の細孔が設けられている前記Si単結晶の基板表面上
に、気相成長法によりBP系材料からなる緩衝層を形成
することを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子用
ウェハの製造方法。 - 【請求項5】前記BP系材料からなる緩衝層上に、更に
気相成長法によりIII族窒化物半導体層を形成するこ
とを特徴とする請求項4に記載のIII族窒化物半導体
発光素子用ウェハの製造方法。 - 【請求項6】前記気相成長法が有機金属熱分解気相成長
法(MOCVD法)であることを特徴とする請求項4ま
たは5に記載のIII族窒化物半導体発光素子用ウェハ
の製造方法。 - 【請求項7】前記四角錐状の細孔をエッチングにより設
けることを特徴とする請求項4乃至6に記載のIII族
窒化物半導体発光素子用ウェハの製造方法。 - 【請求項8】請求項1乃至3に記載のIII族窒化物半
導体発光素子用ウェハを用いて作製したIII族窒化物
半導体発光素子。
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