JP2002170988A - 窒化物半導体発光素子とその発光装置 - Google Patents

窒化物半導体発光素子とその発光装置

Info

Publication number
JP2002170988A
JP2002170988A JP2000366970A JP2000366970A JP2002170988A JP 2002170988 A JP2002170988 A JP 2002170988A JP 2000366970 A JP2000366970 A JP 2000366970A JP 2000366970 A JP2000366970 A JP 2000366970A JP 2002170988 A JP2002170988 A JP 2002170988A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
light emitting
nitride semiconductor
well layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000366970A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuzo Tsuda
有三 津田
Shigetoshi Ito
茂稔 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000366970A priority Critical patent/JP2002170988A/ja
Priority to PCT/JP2001/007664 priority patent/WO2002021604A1/ja
Priority to US10/363,955 priority patent/US6858882B2/en
Publication of JP2002170988A publication Critical patent/JP2002170988A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶系分離を低減させ、良好な結晶性と高い
発光効率とを有する窒化物半導体発光素子を提供する。 【解決手段】 基板上に成長され、Alを含有するGa
1-x-y-zAsxySbz(0<x+y+z≦0.3)単
一井戸層を含む、窒化物半導体発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発光効率の高い窒化
物半導体発光素子とその窒化物半導体発光素子を利用し
た発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平10−270804号公報におい
て、GaNAs(またはGaNP、あるいはGaNS
b)井戸層/GaN障壁層を活性層(多重量子井戸層)
とする窒化物半導体発光素子が報告された。
【0003】前記GaNAs井戸層/GaN障壁層から
なる多重量子井戸層は、発光に寄与する井戸層にInを
含んでいないため、In特有のIn組成比の高い領域と
In組成比の低い領域に分離(以下、相分離と呼ぶ)を
起こすことがない。
【0004】そのため、前記GaNAs井戸層/GaN
障壁層からなる多重量子井戸層は、発光素子の色むらの
低減と発光効率の向上が期待された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記優
位性が期待されたにもかかわらず、従来のInGaN結
晶を井戸層とする発光素子と比較して、発光強度などに
おいて顕著な優位性は得られなかった。
【0006】本発明者らの知見によれば、窒化物半導体
井戸層にAsを含有させると、窒素の割合の高い六方晶
系領域とAsの割合の高い立方晶系領域とに容易に分離
し、そのことが井戸層の結晶性の低下と発光効率の低下
とを招くことがわかった。なお、このような結晶系の異
なる系に分離が生じることを結晶系分離と呼ぶことにす
る。しかも、上述の結晶系分離は、Asだけでなく、P
またはSbが窒化物半導体井戸層に含有された場合にお
いても生じるという問題があった。
【0007】本発明は、結晶系分離を低減させ、良好な
結晶性と高い発光効率(発光強度の向上)とを有する窒
化物半導体発光素子を提供するとともに、その窒化物半
導体発光素子を使用した発行装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る窒化物半導
体発光素子は、基板上に成長され、Alを含有するGa
1-x-y-zAsxySbz(0<x+y+z≦0.3)単
一井戸層を含む、窒化物半導体発光素子である。
【0009】また、前記Alの添加量が、6×1018
cm3以上であることが好適である。
【0010】また、前記基板が、窒化物半導体基板であ
ることが特に好ましい。このことによって、窒化物半導
体発光素子の発光効率が向上され得る。ここで、本明細
書で説明される窒化物半導体基板とは、AlxGayIn
zN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+
z=1)で構成された基板である。前記窒化物半導体基
板は、前記窒化物半導体基板を構成している窒素元素の
10%以下(ただし、六方晶系であること)が、As、
PおよびSbの元素群のうち少なくともいずれかの元素
で置換されても構わない。なお、前記窒化物半導体基板
には、Si、O、Cl、S、C、Ge、Zn、Cd、M
gもしくはBeの不純物群のうち、少なくともいずれか
の不純物が添加されても構わない。前記窒化物半導体基
板がn型導電性を有するための不純物は、前記不純物群
のうち、Si、OもしくはClのいずれかが特に好まし
い。
【0011】また、前記基板が、擬似GaN基板である
ことが好ましい。ここで、擬似GaN基板とは、たとえ
ば図2の擬似GaN基板200のように、窒化物半導体
膜が結晶成長するための種基板201と、窒化物半導体
膜が結晶成長されにくい成長抑制膜204とを有して構
成された基板である。または、擬似GaN基板とは、図
3(b)の擬似GaN基板200aのように、基板もし
くは窒化物半導体膜が溝状にエッチングされ、その後、
前記溝が窒化物半導体で被覆された基板である。
【0012】また、前記単一井戸層の層厚が、0.4n
m以上20nm以下であることが好ましい。
【0013】また、前記単一井戸層に、Si、O、S、
C、Ge、Zn、CdもしくはMgのうち少なくともい
ずれか一つを含む不純物を添加することが好ましい。こ
のことによって、窒化物半導体発光素子の発光効率が向
上され得る。
【0014】また、前記不純物の添加量が1×1016
cm3〜1×1020/cm3であることが好適である。
【0015】また、前記基板のエッチピット密度は、7
×107/cm2以下であることが好適である。
【0016】本発明に係る発光装置は、本発明に係る窒
化物半導体発光素子を利用した発光装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、本発明の原理について説明
し、実施の形態について述べる。
【0018】(本発明の原理)特開平10−27080
4号公報で紹介された従来のGaNAs井戸層は、In
を含んでいないためにInによる相分離は生じない。し
かしながら、Asが含まれることによって結晶系分離が
引き起こされ、窒化物半導体発光素子の結晶性の低下と
発光効率の低下とを招いていた。
【0019】この結晶系分離はGaNAs井戸層に限ら
ず、GaNP井戸層またはGaNSb井戸層でも生じ
る。このことから、結晶系分離は井戸層中にAs、Pま
たはSbが含有されることによって生じるものと考えら
れる。
【0020】この結晶系分離は、Gaに対するAs、P
またはSbの吸着率が、Gaに対するN(窒素)の吸着
率に比べて極めて高いことと、N(窒素)がAs、Pま
たはSbに比べて極めて揮発性が高いこと(結晶中から
Nが抜け出てしまうこと)に起因しているものと考えら
れる。すなわち、Ga原料とN原料を供給してGaN結
晶を成長する工程において、GaN結晶中の最表面(エ
ピタキシャル成長面)では、供給されたN原料の一部は
Ga原料と結合してGaN結晶となるが、その大半は、
Nの揮発性が高いことにより、即再蒸発してしまうと考
えられる。一方、Nの再蒸発によってGaN結晶になれ
なかったGaは該エピタキシャル成長面をしばらく拡散
した後に再蒸発する。ところが、前記に加えて、As、
PまたはSb原料が供給されると、余ったGaがエピタ
キシャル成長面を表面拡散している最中に、前記Gaが
容易にAs、PまたはSbと吸着してしまう。なぜなら
ば、GaはNとの吸着率よりもAs、PまたはSbとの
吸着率の方が極めて高いためである。このことにより、
Ga−As、Ga−PまたはGa−Sbによる結合が占
有的に形成されると考えられる。しかも、Gaは表面マ
イグレーション長が長いために、Ga−As、Ga−P
またはGa−Sbの結合が互いに衝突する確率が高く、
その衝突の際に前記結合が固まって結晶化し得る。これ
が前記結合による偏析効果であると考えられる。この偏
析効果は、その度合いが大きくなると、最終的には前記
結合の割合の高い領域(立方晶系)と低い領域(六方晶
系)に分離させる。これが結晶系分離であると考えられ
る。したがって、この結晶系分離を低減するためには、
Nを結晶中に取り込むことが肝要である。
【0021】本発明に係る窒化物半導体発光素子では、
後述するように、GaN1-x-y-zAsxySbz単一井戸
層(ただし、0<x+y+z≦0.3)中にAlを含有
させることによって、前述の結晶系分離を低減すること
ができた。これは、AlはGaに比べてNとの反応性が
極めて高く、井戸層中からNが抜け出ることを防止する
ように働いたためではないかと思われる。しかも、Al
の表面マイグレーション長はGaのそれと比較して短い
ため、たとえ、As、PまたはSbと結合しても、上記
のような顕著な偏析効果は生じ得ないと考えられる。こ
のことから、GaN1-x-y-zAsxySbz単一井戸層
(ただし、0<x+y+z≦0.3)中にAlを添加す
ることによって結晶系分離を低減することができたと考
えられる。
【0022】(単一井戸層について)本発明に係る窒化
物半導体発光素子における単一井戸層について述べる。
本発明に係る窒化物半導体発光素子における井戸層は、
単一井戸層に限定される。なぜならば、以下の理由から
である。上述したように、Alの表面マイグレーション
長はGaのそれと比べて短い。このことが、前述のよう
にAs、PまたはSbの偏析効果を低減する働きの一端
を担っていたと思われるが、同時にこの表面マイグレー
ション長が短いという特性は、ダブルへテロ構造におい
て、そのヘテロ界面での急峻性が悪くなる方向に寄与し
得る。この界面急峻性の悪化は、発光素子における色む
らと発光強度の低下を招く。したがって、本発明の井戸
層を用いて多重量子井戸構造とした場合、井戸層の積層
数を重ねるごとにAlのマイグレーション長が短いこと
による界面急峻性の悪化が生じ得る。そのため、井戸層
は単一(量子)井戸層構造とするのが望ましい。本発明
では、上述に従い、井戸層は単一(量子)井戸層とす
る。
【0023】(単一井戸層における、As、PまたはS
bの組成比について)本発明に係る窒化物半導体発光素
子における、AlGaN1-x-y-zAsxySbz単一井戸
層のAs、PまたはSbの、総和の組成比x+y+z
は、0.01%以上30%以下とすることが好ましく、
より好ましくは0.1%以上10%以下である。前記総
和の組成比x+y+zが0.01%よりも小さくなる
と、該単一井戸層にAs、P、またはSbを含有させた
ことによる発光強度の向上が見られにくくなる場合があ
るためである。他方、前記総和の組成比x+y+zが3
0%よりも高くなると、Alが前記単一井戸層に添加さ
れても、As、P、またはSbによる結晶系分離を低減
させにくいためである。また、前記総和の組成比x+y
+zが0.1%以上10%以下であれば、Alの添加に
よる効果が充分に発揮され得るために好ましい。
【0024】(本発明の単一井戸層の層厚について)本
発明の単一井戸層の層厚について述べる。本発明のAl
aGa1-a1-x-y-zAsxySbz(0<x+y+z≦
0.3)単一井戸層の層厚は、Al組成比aにも依存す
るが前記As、PまたはSbの平均組成比(0<x+y
+z≦0.3)を満足していれば、前記層厚を100n
m程度まで厚く成長することが可能である。これは、前
述の結晶系分離が低減されたためだと考えられる。しか
しながら、発光素子として考えた場合、有効な単一井戸
層の層厚は0.4nm以上20nm以下である。本発明
の単一井戸層の層厚が0.4nmを下回ると、量子井戸
効果によるキャリアの閉じ込め準位が高くなり過ぎて発
光効率が低下してしまう可能性がある。一方、本発明の
単一井戸層の層厚が20nmよりも厚くなると、素子抵
抗が高くなる可能性がある。
【0025】(本発明の単一井戸層のAlの添加量につ
いて)本発明の効果が得られるAlの添加量について、
図6を用いつつ説明する。図6は、GaN0.920.08
一井戸層にAlを添加することによって生じる、結晶系
分離の度合いとその発光強度を表している。図6は、横
軸にAlの添加量を、左縦軸に結晶系分離の度合い
(%)を、右縦軸に発光強度をそれぞれ表している。図
6の発光強度は、Alが添加されていないときの発光強
度を1として規格化している。ここで結晶系分離の度合
いとは、単一井戸層中の単位体積中に占める、結晶系分
離を起こしている部分とそうでない部分(平均組成比で
作製されている部分)との体積比を表している。
【0026】図6を参照すると、結晶系分離の度合い
(%)は、Alの添加量が6×1018/cm3の辺りか
ら減少し始め、1×1019/cm3以上になると3%以
下になった。一方、発光強度は、同じく、Alの添加量
が6×1018/cm3の辺りから増加し始め、1×10
19/cm3以上になると約10倍程度になった。これら
の関係から、結晶系分離と発光強度との間には相関関係
があると、考えられる。
【0027】以上のことを整理すると、発光強度の高い
(発光効率の高い)単一井戸層を得るためには、結晶系
分離の度合いが6%以下、望ましくは3%以下であり、
これらの結晶系分離の度合いを得るためには、Alの添
加量は6×1018/cm3以上、望ましくは1×1019
/cm3以上である。
【0028】Alの添加量の上限値は、AlaGa1-a
1-x-y-zAsxySbz単一井戸層のAl組成比aで標記
すると0.2以下(Al組成比0.2は、図6のAlの
添加量で標記すると、8.8×1021/cm3に該当す
る。)である。さらに好ましくは、0.1以下(Al組
成比0.1は、図6のAlの添加量で標記すると、4.
4×1021/cm3に該当する。)である。ただし、A
s、PまたはSbの組成比は、0<x+y+z≦0.3
でなければならない。Alの組成比aが20%を超える
と、該単一井戸層の結晶性が低下し、発光効率が低下し
てしまうためである。Alの組成比aが10%以下であ
れば、素子電圧が減少し得るので好ましい。
【0029】前述の図6は、GaN0.920.08結晶中に
Alが添加される場合について述べられたが、GaN
1-x-y-zAsxySbz結晶(0<x+y+z≦0.3)
中にAlが添加される場合であっても、図6と同様の特
性を得ることが可能である。
【0030】(本発明の単一井戸層の発光波長につい
て)本発明のAlaGa1-a1-x-y-zAsxySbz(0
<x+y+z≦0.3)単一井戸層の発光波長は、主に
As、PまたはSbの組成比を調整することによって目
的とする発光波長を得ることができる。
【0031】たとえば、図6で示したように、Alがド
ーピングレベル(該単一井戸層のAl組成比が1%未
満)で添加されている場合、たとえば、紫外の380n
m近傍の発光波長を得るためには、AlGaN1-xAsx
の場合はx=0.005、AlGaN1-yyの場合はy
=0.01、AlGaN1-zSbzの場合はz=0.00
2である。また、青紫色の410nm近傍の発光波長を
得るためには、AlGaN1-xAsxの場合はx=0.0
2、AlGaN1-yyの場合はy=0.03、AlGa
1-zSbzの場合はz=0.01である。さらに、青色
の470nm近傍の波長を得るためには、AlGaN
1-xAsxの場合はx=0.03、AlGaN 1-yyの場
合はy=0.06、AlGaN1-zSbzの場合はz=
0.02である。さらにまた、緑色の520nm近傍の
波長を得るためには、AlGaN1-xAsxの場合はx=
0.05、AlGaN1-yyの場合はy=0.08、A
lGaN1-zSbzの場合はz=0.03である。また、
赤色の650nm近傍の波長を得るためには、AlGa
1-xAsxの場合はx=0.07、AlGaN1-yy
場合はy=0.12、AlGaN1-zSbzの場合はz=
0.04である。上述の組成比近傍で本発明の単一井戸
層を作製すれば、およその目的とする発光波長を得るこ
とが可能である。
【0032】次に、Alが組成比レベル(該単一井戸層
のAl組成比が1%以上)で添加されている場合、Al
の組成比によって、前述のAs、PまたはSbの組成比
を高めに調整すればよい。具体的なAsまたはPの組成
比と発光波長との関係を表1と表2に示す。表1は、A
aGa1-a1-xAsx単一井戸層を用いて目的とする発
光波長を得るための、Al組成比(a)とAs組成比
(x)との関係を示した表である。表2は、AlaGa
1-a1-yy単一井戸層を用いて目的とする発光波長を
得るための、Al組成比(a)とP組成比(y)との関
係を示した表である。Sbの組成比については、0.0
4以下が好ましい。Sbの組成比が0.04よりも高く
なると結晶性が著しく低下するためである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】(本発明の単一井戸層を含む発光素子を成
長する基板について)本発明者らは、本発明の単一井戸
層を含む発光素子の発光強度が、前記単一井戸層が成長
される基板によって変化することを見出した。これは、
基板を選択することによって発光素子中の結晶欠陥密度
が変化することと、Alの表面マイグレーション長が短
いために、前記結晶欠陥の周辺部で容易にAlがトラッ
プされてしまうことのためではないかと、考えられる。
その結果、Alの添加による結晶系分離の低減効果は、
結晶欠陥付近でしか作用されず、本発明による効果を十
分に発揮することができなかったのではないかと、考え
られる。
【0036】本発明者らによる知見によれば、窒化物半
導体基板の上に本発明の単一井戸層を含む発光素子が成
長されると、その発光強度が強く、最も好ましい基板で
あった。たとえばGaN基板上に成長した窒化物半導体
膜の、エッチピット密度は約5×107/cm2以下であ
った。これは、従来の窒化物半導体発光素子の基板とし
て使用されていたサファイア基板やSiC基板(窒化物
半導体基板以外の基板の一例)の、エッチピット密度
(約4×108/cm2以上)よりも小さい値である。こ
こで、エッチピット密度とは、燐酸:硫酸=1:3のエ
ッチング液(温度250℃)にエピウエハー(発光素
子)を10分間浸し、該ウエハーの表面に形成されたピ
ット密度を測定したものである。このエッチピット密度
はエピウエハー表面のピット密度を測定しているため、
厳密には井戸層の結晶欠陥を測定しているわけではな
い。しかしながら、エッチピット密度が高ければ井戸層
中の結晶欠陥密度も同時に高くなるため、エッチピット
密度の測定は、井戸層中に結晶欠陥が多いかどうかの指
標と成り得る。
【0037】窒化物半導体基板の次に好ましい基板は、
擬似GaN基板であった。擬似GaN基板の製造方法な
どについては、実施の形態1で詳細に述べる。擬似Ga
N基板上に成長した窒化物半導体膜のエッチピット密度
は、最も少ないエッチピット密度の領域で約7×107
/cm2以下であった。これは、GaN基板上に成長し
た窒化物半導体膜のそれらと近い値であった。しかしな
がら、擬似GaN基板は、エッチピット密度の低い領域
と高い領域が混在しているため、GaN基板(窒化物半
導体基板の一例である)に比べて発光素子の歩留まりを
低下させる傾向にある。他方、擬似GaN基板は、窒化
物半導体基板に比べて大面積のものを安価に製造し易い
という利点を有している。
【0038】(本発明の単一井戸層の、不純物添加につ
いて)本発明の単一井戸層の、不純物添加について述べ
る。発明者らによるフォトルミネッセンス(PL)測定
によれば、本発明の単一井戸層中にSiを添加した方
が、そのPL発光強度は約1.2倍程度強くなった。以
上のことから、本発明の単一井戸層に不純物を添加する
と、発光素子の発光強度を向上させることができる。こ
れは、以下の理由からだと考えられる。本発明の単一井
戸層は、Alを添加することによって結晶系分離を効果
的に低減することができた。しかしながら、Alはエピ
タキシャル成長面上での表面マイグレーション長がGa
に比べて短いため、結晶中の欠陥周辺部に容易にトラッ
プされてしまうと、考えられる。その結果、結晶系分離
の抑制効果は主に結晶欠陥の周辺部で作用し得る。そこ
で、単一井戸層にSiなどによる不純物を添加する。不
純物はエピタキシャル成長膜全面に均一に分布され、結
晶成長のための核を形成する。この核は結晶欠陥と同様
にAlをトラップする働きがあると、思われる。しか
も、前記核は、結晶欠陥と異なり、エピタキシャル成長
膜全面に均一に分布されるため、単一井戸層全体にAl
を均一に分布させる働きがあると、考えられる。このこ
とにより結晶系分離の低減効果を効率良く発揮させ、発
光強度の向上につながったと、考えられる。特に、窒化
物半導体基板以外の基板、たとえばサファイア基板など
の上に成長された本発明の単一井戸層を含む発光素子
は、結晶欠陥(エッチピット密度4×108/cm2
上)が多く、上記不純物の添加による効果が顕著であっ
た。
【0039】上述は、前記Si以外にO、S、C、G
e、Zn、CdもしくはMgの群のうち、少なくとも1
種類以上の不純物が添加されても上記と同様の効果を得
ることが可能である。また、前記不純物の添加量は1×
1016/cm3〜1×1020/cm3が好ましかった。不
純物の添加量が1×1016cm3よりも少ないと、発光
素子の発光強度の向上が観られないために好ましくなか
った。一方、不純物の添加量が1×1020cm3よりも
多くなると、不純物が過剰に添加されたことによる結晶
性の悪化が問題になる(発光効率が低下してしまう)た
めに好ましくなかった。
【0040】(本発明の単一井戸層を用いた実施の形
態)以下に、本発明の単一井戸層を用いた窒化物半導体
発光ダイオード素子の作製方法について、図1を用いて
説明する。図1の模式図は、窒化物半導体発光ダイオー
ド素子の断面図を表している。図1は、C面(000
1)を有するn型GaN基板100、低温GaNバッフ
ァ層101(膜厚100nm)、n型GaN層102
(膜厚3μm、Si不純物濃度1×1018/cm3)、
単一井戸層103、p型Al0.1Ga0.9Nキャリアブロ
ック層104(膜厚20nm、Mg不純物濃度6×10
19/cm3)、p型GaNコンタクト層105(膜厚
0.1μm、Mg不純物濃度1×1020/cm3)、透
光性電極106、p電極107、n電極108から構成
される。
【0041】まず、MOCVD装置(有機金属気相成長
法)に、n型GaN基板100をセットし、V族原料の
NH3(アンモニア)とIII族原料のTMGa(トリ
メチルガリウム)を用いて、550℃の成長温度で低温
GaNバッファ層101を100nm成長した。次に、
1050℃の成長温度で前記原料にSiH4(シラン)
を加え、n型GaN層102(Si不純物濃度1×10
18/cm3)を3μm形成した。その後、基板温度を8
00℃に下げ、厚さ4nmのAl0.01Ga0.090.92
0.08単一井戸層103を成長した。その際、単一井戸層
にSiH4(Si不純物濃度1×1018/cm3)を添加
した。
【0042】次に、基板温度を再び1050℃まで昇温
して、厚み20nmのp型Al0.1Ga0.9Nキャリアブ
ロック層104、0.1μmのp型GaNコンタクト層
105を成長した。p型不純物としては、Mg(EtC
2Mg:ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウ
ム)を5×1019/cm3〜2×1020/cm3添加し
た。p型GaNコンタクト層105のp型不純物濃度
は、透光性電極106の形成位置に向かって、p型不純
物濃度を多くした方が好ましい。なぜならば、不純物の
添加による結晶欠陥を増やさずにp電極形成によるコン
タクト抵抗を低減することができるからである。また、
Mgの活性化を妨げているp型層中の残留水素を除去す
るために、p型層成長中に微量の酸素を混入させてもよ
い。
【0043】この様にして、p型GaNコンタクト層1
06を成長後、MOCVD装置のリアクター内を全窒素
キャリアガスとNH3に変えて、60℃/分で温度を降
下させた。基板温度が800℃に達した時点で、NH3
の供給量を停止し、5分間、前記基板温度で待機してか
ら、室温まで降下させた。上記基板の保持温度は650
℃から900℃の間が好ましく、待機時間は、3分以上
10分以下が好ましかった。また、降下温度の到達速度
は、30℃/分以上が好ましい。このようにして作製さ
れた成長膜をラマン測定によって評価した結果、前記手
法により、従来の窒化物半導体で利用されているp型化
アニールを行わなくとも、成長後すでにp型化の特性を
示していた(Mgが活性化していた)。さらに、p電極
形成によるコンタクト抵抗も低減していた。上記に加え
て従来のp型化アニールを組み合わせれば、Mgの活性
化率がより向上することは言うまでもない。
【0044】続いて、MOCVD装置から前述のエピウ
エハーを取り出して、電極形成を行った。本実施の形態
では、n型GaN基板100を用いているため、n型G
aN基板100の裏面側からHf/Auの順序でn電極
108を形成した。前記n電極材料の他に、Ti/A
l、Ti/MoまたはHf/Alなどを用いてもよい。
特に、n電極にHfを用いるとn電極のコンタクト抵抗
が下がるために好ましい。p電極形成は、透光性電極1
06として厚み7nmのPdを、p電極107としてA
uを蒸着した。前記透光性電極材料の他に、たとえばN
iまたはPd/Mo、Pd/Pt、Pd/AuまたはN
i/Auなどを用いても構わない。
【0045】最後に、n型GaN基板100の裏面側
(n電極108を蒸着した側)からスクライバーを用い
てチップ分割を行った。スクライブを基板の裏面側から
行ったのは、スクライブによる削り屑が光を取り出す透
光性電極側に付着しないようにするためである。スクラ
イブの方向は少なくとも、素子チップの一辺が窒化物半
導体基板のへき開面を含むようにチップ分割された。こ
のことにより、チッピング、クラッキングなどによるチ
ップ形状の異常を防止し、ウエハー当たりの素子チップ
の摂取率を向上させた。上述のようにして本発明の窒化
物半導体発光ダイオード素子を作製することができた。
【0046】本実施の形態の低温GaNバッファ層10
1は、低温AlxGa1-xNバッファ層(0≦x≦1)で
あれば良く、また、前記低温バッファ層自体が形成され
なくても構わない。しかしながら、現在、供給されてい
るGaN基板は表面モフォロジーが好ましくないため、
低温AlxGa1-xNバッファ層(0≦x≦1)を挿入し
た方が、表面モフォロジーが改善されて好ましい。ここ
で、低温バッファ層とは、450℃〜600℃の成長温
度で形成されたバッファ層である。これらの成長温度範
囲で作製したバッファ層は多結晶もしくは非晶質であ
る。
【0047】本実施の形態の単一井戸層103は、n型
GaN層102とp型Al0.1Ga0 .9Nキャリアブロッ
ク層104の間に接して設けられていたが、n型GaN
層102と単一井戸層103との間に、新たな第1中間
層を設けても構わない。同様に、単一井戸層103とp
型Al0.1Ga0.9Nキャリアブロック層104との間に
新たな第2中間層を設けても構わない。ただし、前記中
間層の屈折率の関係が、単一井戸層>第1中間層>n型
GaN層、単一井戸層>第2中間層>p型AlGaNキ
ャリアブロック層となるようにする。このことによって
効率良く光を閉じ込めることができる。たとえば、スー
パールミネッセントダイオードまたはgraded−i
ndex separate confinement
heterostructure構造レーザとして応
用できる。なお、本実施の形態の単一井戸層103に不
純物(Si)を1×1018/cm3添加したが、不純物
を添加しなくても構わない。
【0048】本実施の形態のp型Al0.1Ga0.9Nキャ
リアブロック層104は、Al組成比0.1以外であっ
ても構わない。Al組成比を高くすると単一井戸層中で
のキャリアの閉じ込めが強くなるため好ましい。一方、
キャリアの閉じ込めが保持される程度までAl組成比を
小さくすれば、キャリアブロック層内のキャリア移動度
が大きくなり電気抵抗が低くなって好ましい。また、前
記キャリアブロック層はAlを含んでいるので、単一井
戸層中のAs、PまたはSbの元素がp型GaNコンタ
クト層105中に拡散することを防止し得る。このこと
により、発光素子の発光波長が設計値からずれてしまう
ことを防止し得る。なお、前記キャリアブロック層はA
lGaN3元混晶に限らず、AlInGaN、AlGa
NP、AlGaNAs4元混晶であっても構わない。
【0049】本実施の形態のn電極108は、n型Ga
N基板100の裏面側から電極形成を行ったが、ドライ
エッチング法などを用いて、エピウエハーのp電極側か
らn型GaN層102を露出させてn電極を形成しても
構わない(たとえば図4を参照)。
【0050】本実施の形態では、GaN基板のC面(0
001)基板について記載したが、該基板の主面となる
面方位は前記C面の他に、C面(000−1)、A面
{11−20}、R面{1−102}、M面{1−10
0}または{1−101}面を用いても構わない。ま
た、上記面方位から2度以内のオフ角度を有する基板で
あれば表面モフォロジーが良好であって好ましい。ま
た、本実施の形態で使用されたGaN基板は、その他の
窒化物半導体基板で置き替えられても構わない。
【0051】また、本実施の形態では、MOCVD装置
による結晶成長方法について説明したが、分子線エピタ
キシー法(MBE)、ハイドライド気相成長法(HVP
E)を用いても構わない。
【0052】(実施の形態1)本実施の形態1は、実施
の形態(図1)のGaN基板100を図2の擬似GaN
基板200または図3(b)の擬似GaN基板200a
に置き換え、図4のように片面側からn電極を形成した
こと以外は実施の形態(図1)と同様である。
【0053】以下では、図2の擬似GaN基板200
と、図3(b)の擬似GaN基板200aの、2種類の
擬似GaN基板が説明される。
【0054】まず、図2の擬似GaN基板200は、種
基板201、低温バッファ層202、n型GaN膜20
3、成長抑制膜204、n型GaN厚膜205から構成
される。
【0055】擬似GaN基板200は、種基板201を
有していて、この種基板201はn型GaN厚膜205
を成長するための母材として使用される。また、前記の
成長抑制膜とは、窒化物半導体膜が直接にはその上に成
長しない膜のことを意味する。ここで述べる擬似GaN
基板とは、図2で示した構成に限るものではなく、少な
くとも前記種基板と前記成長抑制膜を有しているもので
あればよい。
【0056】次に、図3の擬似GaN基板200aは、
種基板201、低温バッファ層202、第1のn型Ga
N膜203a、第2のn型GaN膜203bから構成さ
れる。ここで、図3(a)は擬似GaN基板200aを
作製するための、途中の工程を表し、図3(b)は擬似
GaN基板200aの完成図を表している。
【0057】擬似GaN基板200aは、図3(a)に
示すように、まず、第1のn型GaN膜203aを積層
後、ドライエッチング法またはウエットエッチング法に
よって該GaN膜表面を溝状に加工する。その後、再び
結晶成長装置に搬送し、第2のn型GaN膜203bを
積層して、擬似GaN基板200aを完成する(図3
(b))。図3(a)では、第1のn型GaN膜の途中
までしか溝を形成していないが、低温バッファ層202
あるいは種基板201まで掘って溝を形成しても構わな
い。
【0058】このようにして作製された擬似GaN基板
200または200a上に、窒化物半導体膜を成長する
と、該窒化物半導体膜の結晶欠陥密度は、サファイア基
板やSiC基板上に直接成長したそれと比べて低かっ
た。したがって、本実施の形態の擬似GaN基板を用い
ると、本発明の単一井戸層にAlを添加したことによる
結晶系分離の低減効果を効率良く発揮させ、発光素子の
発光効率が向上し得る。上記種基板201の具体例とし
て、C面サファイア、M面サファイア、A面サファイ
ア、R面サファイア、GaAs、ZnO、MgO、スピ
ネル、Ge、Si、GaN、6H−SiC、4H−Si
C、3C−SiCなどが挙げられる。
【0059】本実施の形態1の種基板としてSiC基板
やSi基板を使用する場合は、これらは導電性基板であ
るため、図1のように基板の裏面側からn電極を形成し
ても構わない。ただし、低温バッファ層202の替わり
に、高温バッファ層を用いる必要がある。ここで、高温
バッファ層とは、700℃以上の成長温度で作製される
バッファ層を意味する。また、前記高温バッファ層は、
Alを含有していなければならない。なぜならば、高温
バッファ層中に少なくともAlを含有していなければ、
SiC基板上またはSi基板上に結晶性の良い窒化物半
導体膜を作製することができないからである。最も好ま
しい高温バッファ層の構成はInAlNである。
【0060】次に、上記成長抑制膜204の具体例とし
て、SiO2膜、SiNx膜、TiO 2膜、Al23膜な
どの誘電体膜、またはタングステン膜などの金属膜が挙
げられる。あるいは、図2で示された成長抑制膜204
の位置に、前記成長抑制膜の替わりに空洞部が設けられ
ても構わない。n型GaN厚膜205中に空洞部が設け
られると、前記空洞部の上方では結晶歪が緩和され、結
果的に発光素子の発光効率向上に寄与するために好まし
い。
【0061】(実施の形態2)本実施の形態2は、窒化
物半導体基板以外の基板上に、窒化物半導体バッファ層
を介して窒化物半導体発光ダイオードを作製したこと
と、図4のように片面側からn電極を形成したこと以外
は前述の実施の形態と同様である。
【0062】本実施の形態2の窒化物半導体発光ダイオ
ードが、図4(該発光ダイオードの断面図)と図5(該
発光ダイオードの上面図)を用いて説明される。図4
は、C面{0001}サファイア基板300、低温Ga
Nバッファ層101(膜厚25nm)、n型GaN層1
02、単一井戸層103、 p型Al0.1Ga0.9Nキャ
リアブロック層104、p型GaNコンタクト層10
5、透光性電極106、p電極107、n電極108、
誘電体膜109から構成される。
【0063】本実施の形態による窒化物半導体基板以外
の基板(たとえば、サファイア基板、SiC基板など)
上に成長した窒化物半導体発光ダイオードは、前述の実
施の形態で示した窒化物半導体基板上に成長したそれと
比べて、または、実施の形態1で示した擬似GaN基板
上に成長したそれらと比べて、結晶欠陥密度が高い(エ
ッチピット密度4×108/cm2以上)。
【0064】しかしながら、従来のGaNAs井戸層、
GaNP井戸層またはGaNSb井戸層と比べると、結
晶系分離が低減され、発光強度は改善される。
【0065】本実施の形態2では、サファイア基板につ
いて記載されたが、6H−SiC、4H−SiC、3C
−SiC、Siまたはスピネル(MgAl24)などが
基板として用いられても構わない。ただし、前記SiC
基板やSi基板は、導電性基板であるため、図1のよう
に基板の裏面側からn電極を形成しても構わない。Si
C基板やSi基板を用いる場合のバッファ層は、前述の
実施の形態1と同様に、Alを含む高温バッファ層であ
る。
【0066】本実施の形態2では、C面{0001}基
板について説明したが、基板の主面となる面方位がA面
{11−20}、R面{1−102}、M面{1−10
0}であっても構わない。また、上記面方位から2度以
内のオフ角度を有する基板であれば表面モフォロジーは
良好であった。
【0067】(実施の形態3)本実施の形態は、単一井
戸層にC(炭素)不純物を、1×1020/cm3添加し
たこと以外は、前述と同様である。
【0068】(実施の形態4)本実施の形態は、単一井
戸層にMg不純物を、1×1016/cm3添加したこと
以外は、前述と同様である。
【0069】(実施の形態5)本実施の形態5では、本
発明の単一井戸層を含む窒化物半導体発光ダイオードの
発光装置(たとえば、表示装置と白色光源装置)が説明
される。本発明の発光ダイオードは、表示装置の、少な
くとも光の三原色(赤色、緑色、青色)の一つに利用さ
れ得る。たとえば、従来のInGaN井戸層を用いた琥
珀色発光ダイオードはIn組成比が極めて高く(相分離
の影響が極めて高い)、信頼性と発光強度の観点から商
品化レベルには達していなかったが、本発明の単一井戸
層では、Inによる相分離の影響がなく、しかも結晶系
分離も低減され得るため、長波長色の発光ダイオードを
作製することが可能である。その他の発光色を有する本
発明の発光ダイオードについても、前述の実施の形態
や、表1および表2に示されるように作製され得る。
【0070】また、前記三原色の発光ダイオードを白色
光源装置としても利用できる。あるいは、発光波長が3
80nm〜440nmである本発明の発光ダイオード
に、蛍光塗料を塗布して白色光源装置として利用され得
る。前記白色光源を用いることによって、従来の液晶デ
ィスプレイに用いられてきたハロゲン光源に代わって、
低消費電力かつ高輝度のバックライトとして利用でき
る。これは、携帯ノートパソコン、携帯電話によるマン
・マシーンインターフェイスの液晶ディスプレイ用バッ
クライトとしても利用でき、小型化、高鮮明な液晶ディ
スプレイを提供することが可能である。
【0071】なお、今回開示された実施の形態はすべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特
許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の
意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
【0072】
【発明の効果】本発明は、GaN1-x-y-zAsxySbz
(0<x+y+z≦0.3)単一井戸層にAlを含有さ
せることによって、発光効率の高い窒化物半導体発光素
子およびその窒化物半導体発光素子を利用した発光装置
を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 窒化物半導体基板上に成長した発光ダイオー
ド素子の一例である。
【図2】 擬似GaN基板の一例である。
【図3】 擬似GaN基板の製造過程を説明する図であ
り、そのうち(a)はエッチング工程の一例であり、
(b)は完成図の一例である。
【図4】 基板上に成長した発光ダイオード素子の断面
図である。
【図5】 基板上に成長した発光ダイオード素子の上面
図である。
【図6】 Alの添加量と、結晶系分離の度合いおよび
発光強度との関係を示した図である。
【符号の説明】
100 n型GaN基板、101 低温GaNバッファ
層、102 n型GaN層、103 単一井戸層、10
4 p型Al0.1Ga0.9Nキャリアブロック層、105
p型GaNコンタクト層、106 透光性電極、10
7 p電極、108 n電極、109 誘電体膜、20
0,200a 擬似GaN基板、201種基板、202
低温バッファ層、203 n型GaN膜、203a
第1のn型GaN膜、203b 第2のn型GaN膜、
204 成長抑制膜、205n型GaN厚膜、300
サファイア基板。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に成長され、 Alを含有するGaN1-x-y-zAsxySbz(0<x+
    y+z≦0.3)単一井戸層を含む、 窒化物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記Alの添加量が、6×1018/cm
    3以上である請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記基板が、窒化物半導体基板である請
    求項1または2記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記基板が、擬似GaN基板である請求
    項1または2記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記単一井戸層の層厚が、0.4nm以
    上20nm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の
    窒化物半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記単一井戸層に、Si、O、S、C、
    Ge、Zn、CdもしくはMgのうち少なくともいずれ
    か一つを含む不純物が添加されたものである請求項1〜
    5のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 前記不純物の添加量が、1×1016/c
    3〜1×1020/cm3である請求項6記載の窒化物半
    導体発光素子。
  8. 【請求項8】 前記基板のエッチピット密度が、7×1
    7/cm2以下である請求項3または4記載の窒化物半
    導体発光素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の窒化物
    半導体発光素子を利用した発光装置。
JP2000366970A 2000-09-08 2000-12-01 窒化物半導体発光素子とその発光装置 Withdrawn JP2002170988A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000366970A JP2002170988A (ja) 2000-12-01 2000-12-01 窒化物半導体発光素子とその発光装置
PCT/JP2001/007664 WO2002021604A1 (fr) 2000-09-08 2001-09-04 Dispositif emetteur de lumiere a semi-conducteurs au nitrure
US10/363,955 US6858882B2 (en) 2000-09-08 2001-09-04 Nitride semiconductor light-emitting device and optical device including the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000366970A JP2002170988A (ja) 2000-12-01 2000-12-01 窒化物半導体発光素子とその発光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002170988A true JP2002170988A (ja) 2002-06-14

Family

ID=18837496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000366970A Withdrawn JP2002170988A (ja) 2000-09-08 2000-12-01 窒化物半導体発光素子とその発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002170988A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004055719A (ja) * 2002-07-18 2004-02-19 Shiro Sakai 窒化ガリウム系化合物半導体装置
JP2005340789A (ja) * 2004-04-28 2005-12-08 Showa Denko Kk Iii族窒化物半導体発光素子
JP2005340762A (ja) * 2004-04-28 2005-12-08 Showa Denko Kk Iii族窒化物半導体発光素子
KR100593909B1 (ko) * 2004-05-31 2006-06-30 삼성전기주식회사 질화물 반도체 단결정 성장방법 및 질화물 반도체 발광소자
JP2008066557A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法
JP2012069959A (ja) * 2004-07-27 2012-04-05 Cree Inc P型窒化物発光デバイス用の極薄オーミックコンタクトおよび形成方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004055719A (ja) * 2002-07-18 2004-02-19 Shiro Sakai 窒化ガリウム系化合物半導体装置
JP2005340789A (ja) * 2004-04-28 2005-12-08 Showa Denko Kk Iii族窒化物半導体発光素子
JP2005340762A (ja) * 2004-04-28 2005-12-08 Showa Denko Kk Iii族窒化物半導体発光素子
KR100593909B1 (ko) * 2004-05-31 2006-06-30 삼성전기주식회사 질화물 반도체 단결정 성장방법 및 질화물 반도체 발광소자
JP2012069959A (ja) * 2004-07-27 2012-04-05 Cree Inc P型窒化物発光デバイス用の極薄オーミックコンタクトおよび形成方法
US8759868B2 (en) 2004-07-27 2014-06-24 Cree, Inc. Ultra-thin ohmic contacts for p-type nitride light emitting devices
JP2008066557A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8587022B2 (en) Nitride semiconductor light-emitting element and process for production thereof
JP4307113B2 (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
JP3223832B2 (ja) 窒化物半導体素子及び半導体レーザダイオード
EP2164115A1 (en) Nitride semiconductor light emitting element and method for manufacturing nitride semiconductor
JP3282174B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2002084040A (ja) 窒化物半導体発光素子、ならびにそれを使用した発光装置およびピックアップ装置
US6410939B1 (en) Semiconductor light-emitting device and method of manufacturing the same
JP2003101160A (ja) 窒化物半導体素子
JP2003152220A (ja) 半導体発光素子の製造方法および半導体発光素子
JP2002134786A (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2001203385A (ja) 窒化物半導体発光ダイオード
US7452789B2 (en) Method for forming underlayer composed of GaN-based compound semiconductor, GaN-based semiconductor light-emitting element, and method for manufacturing GaN-based semiconductor light-emitting element
JPH08139361A (ja) 化合物半導体発光素子
JP2002043618A (ja) 窒化物半導体の製造方法
JP2000277803A (ja) 窒化物半導体基板及びそれを用いた素子
JPH11112030A (ja) 3−5族化合物半導体の製造方法
KR20110086129A (ko) 얇은 피-타입 갈륨 질화물을 가지고 알루미늄 갈륨 질화물 전자-차단층이 없는 갈륨 질화물계 발광 다이오드들
JP3884969B2 (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
JPH10173236A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法
JP2011018869A (ja) 窒化物半導体素子
JP2002170988A (ja) 窒化物半導体発光素子とその発光装置
JP3541775B2 (ja) Iii族窒化物半導体発光素子用ウェハ、その製造方法およびiii族窒化物半導体発光素子
JP2003078169A (ja) 発光素子
JP4841206B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
JP2003017742A (ja) 半導体発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080205